2022年11月02日

11/2東京・千歳烏山 O氏の庭

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午後三時前に千歳烏山の南に流れ着くが、住宅街の中に興味深いお店を見つけてしまった。駅南口に出て、踏切から一本西側にある通りを南南東にテクテク。大きめの通りを越し、さらに南南東に進み続けると、足下は白タイルで化粧された道となる。だがその雰囲気は、商店街と言うよりは裏道と言った感じである。やがて『南烏山遊園』を通過し、次の脇道に差し掛かると、角の家の塀に、何やらたくさんの小さなカゴが設置されている。さながら立体的な『吉見百穴』の如きその光景は、中に様々な瀬戸物を入れ、販売しているのであった…なんだここは?塀の裏は横長な庭になっており、脇道側から入れるようになっている。その入口に近付くと、古着や箱やカゴに入った雑貨類や古道具…どうやら野天の私的なリサイクルショップ&古道具屋らしい。店名は何処にもないので、仮にここの家主の名から採って「O氏の庭」としておく。ずいと庭に入り込むと、奥に椅子に腰掛けた店主がおり、火鉢を挟んで向かいのベンチに座った男性と、プーチンをひたすらこき下ろしている。ところで何故ここに足を踏み入れたのかと言うと、家沿いに据え付けられた棚に、古本が並んでいたからである。絵本・歴史&時代小説・歴史&時代小説文庫・実用・経済・歴史。新書などなど、百冊弱並んでいる。レコードも棚や箱にちょろちょろと…何処にも値段は書かれていないが、まぁこの野趣溢れる雰囲気からして、そう高くはないだろう。せっかく入ったのだから、何か買っておこうと二人が話す横で、密やかに執拗に迷い、教文館「愛と希望の記録1 ライ園留学記/渡辺信夫」を選び、店主に「これ下さい」と言うと、「50円!」と即答される。やはり安かった。昭和四十三年刊の「月刊キリスト」に連載された伝道者の全国国立ライ療養所訪問記である。それにしても住宅街の中にこんなアナーキーなお店が隠れていたとは…。
posted by tokusan at 17:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨年出版された『東京の生活史』岸政彦編筑摩書房に150人の語り手の一人としてこの”O氏”が登場します。近くのキリスト教会の信者でそこからも募って、不用品をこの道を通る人に購入してもらい、各所へ寄付しているようです。
Posted by at 2022年11月03日 21:22
なんと、そんな出自のお店でしたか。確かにすぐご近所に教会がありました。そしてこの日買った本も納得の在庫です。
Posted by 古ツア at 2022年11月04日 17:16
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