先日気になった店を見つけていたので、確かめるために中野駅北口に降り立つ。真っ直ぐ北に『サンモール商店街』を抜け、さらに『中野ブロードウェイ』一階南北通路を抜け、『早稲田通り』に出る。ちょっと東に歩み、「古本案内処」(2015/08/23参照)前を通過して、『薬師参道入口信号』から北の『薬師あいろーど』に入り込む。一本目の脇道を通り過ぎてちょっと進むと、左手に『BOOK SHOP COFFE BEER』と書かれた小さな黄色いプラスティック立看板が目に留まる。広めのアプローチの奥にカフェのようなお店がある。だが壁面の飾り棚には、本が多数ディスプレイされているのである。『BOOK SHOP』とあるからには本が売っているに違いない。それがどうか古本であってくれ!と祈りつつ店内へ。すると入って直ぐの左手はカウンターになっており、ここでビールやコーヒーを楽しめるようだ。中には長身の今時の青年がおり、店内BGMと天井から下がったモニターに流れるスポーツの音声が交錯する中、「いらっしゃいませ」と快く出迎えてくれた。壁面の棚にあるのは、絵本・ビジュル本・カルチャー雑誌などである…しかもどうやら古本だ。縦長の空間をズイッと奥に進むと、壁際をぐるりと白木の頑丈な棚が覆い、フロアに同素材の背中合わせの棚が二本据えられ、三本の通路を生み出している。右端通路にはお薦めのバスケット関連とともにコミックがズラッと並んでいる。中央通路にはニューヨーク・絵本・デザイン・経営・経済・暮し・子育てなど。左端通路は、旅・冒険・自然・科学・食・大阪・笑い・一般文庫・エンタメが集められ、最奥の壁棚にはCD・司馬遼太郎・ラグビー・スポーツ・カルチャー&スポーツ雑誌が収まっている。所々に古書や古い裸本が見つかるのが印象的である。おっ、西田稔の「基地の女」なんてレア本も!値段は一万二千円か…。全体的には洒落た印象なのだが、海外カルチャー&スポーツの中に、店主のドメスティックな読書体験が紛れ込み、奇妙な棚造りになっている。中島らも・深田裕介・西原理恵子・奥田英朗・椎名誠らが突出。値段はきっちりめであろうか。カバーナシの三栄書房「死線/M・クーパー=エバンス 高斎正訳&日本編著」を購入する。しっかりとした古本屋さんだったので、これは気にして見に来て本当に良かった。
さて、高円寺の「西部古書会館」にも寄って帰るかなと、『早稲田通り』を西に伝い、『環七』を越えて『あづま通り』に入る。おや、まだ午後二時前だと言うのに、「十五時の犬」(2011/11/22参照)が開いている!と喜び、老眼にはなかなか厳しい狭く入り組んだ空間に身を滑り込ませる。身体を縦横に動かし、目を細めたりメガネをずらしたりして、必死に棚に並ぶ本の背表紙を読み取って行く。そしてその果てに右側のSFコーナーで、気になった金の星社 少年少女21世紀のSF「火星地底の秘密/瀬川昌男」を手に取ってみると、帯が付いているのに、イタミやヨゴレアリと言うことで、何と破格の千円なのであった。これは完全に買いだ!と息を荒くしながら、創元推理文庫「ダイヤを抱いて地獄へ行け/ハドリー・チェイス 田中小実昌訳」(カバーナシ。初版だが奥付表記が『1695年』となっているのに笑う。元禄時代の出版ですよ…)とともに計1300円で購入する。「火星地底の秘密」は函の縁が傷み気味で本体は天にマジックで線が入っているが、この値段なら、こんなの全然気になりません!『十五時前の犬』よ、素晴らしい贈物を本当にありがとう!

