驚きながらもしっかりと、後で一冊拝受する約束を交わす。そしてすぐさま日下号と連れ立ってマンション書庫へ。本日のミッションはいたってシンプルで、十六本のカラーボックスを組み立て、それを設置し、そこに選別を終えた翻訳系文庫本を収めるというもの。マンションに到着すると、まずは日下号から本の少なくなりつつあるアパート書庫から運び出し、すでに積み込んであったカラーボックス二本を運び込み、設置する。場所は和室とリビングの間である。ところが本の山に阻まれ、これが全然入らない…小野氏と日下氏が駐車場に車を停めに行く間、単独で大きな本の山を辛抱強く移動させてスペースを作る。おぉ、嵌った!
これでまた、この家の収納力がアップしたわけだ…などと悦に入っていると、お二人が帰還。ここから日下氏と私が大量の文庫本の選別と収納、小野氏はひたすらカラーボックスを組み立てて行くことに。だがまずは、カラーボックスを組み立てるための充分な場所を確保するために、創元推理文庫とハヤカワ文庫以外の文庫本を、出版社別や重要な作家別に分けて行くことにする。三人揃ってワチャワチャワチャワチャ。
その後、こちらはそれらを先ほど設置した新棚に、日下氏の理想通りに収めた後(これが意外と時間がかかるのだ…)、第一の難関、創元推理文庫の選別に着手する…まずはミステリー部門。
それはまるで文庫本で行う神経衰弱の如しである。その間、小野氏は電気ドリルを存分に振るい、鬼神の如く組み立てて行く(時々間違って悲鳴を上げるが…)。
半分ほど作業を進めたところで、いつものお寿司昼食のために駅前に出ある。座敷席に通され、お寿司を頬張りながら三人で話している時に、小野氏がある疑問を口にした「いったいあの家、カラーボックスが幾つあるんでしょうね?」すると日下氏が「和室だけで四十ありますからね」「ええっ!あそこに四十!?」ということは百六十本くらいだろうか?…あっ!風呂場にも入ってるんだっけ…するとやっぱり二百本近くあるのでは…というわけで、三人が三人ともそれが気になってしょうがなくなったので、早々に食事を終えてマンション書庫に舞い戻る。そしてカラーボックスを一本一本数えて行ってみると、今日中にこれから組み立てるものも含めて、な何と二百三十本!一本千五百円くらいなので、今までに投資した額三十四万円ほど!カ、カラーボックス屋敷!と一同驚愕する。そんなことがありながら、やがてハヤカワ文庫の選別も終え、カラーボックスも組み立て終わったので、それらをリビングに設置してみると、おぉ、なんだかすごい景色が出現した。
ここに本を並べて行けば、各所に積み上がった本が姿を消し、そこに新たにアパート書庫に対比させている本を運び込むことが出来るのだ。ようやく、ようやくアパート書庫撤収の光が見えてきたのである!素晴らしい、ついにここまで漕ぎつけだぞ!と一同感動する。そして本日の作業は、選別文庫本を次々新棚に収めたところで終了。あるひとつの達成感を抱えて本邸に戻り、労いとして約束の「道化の方舟」をいただく。また、文庫選別途中に発掘されたハヤカワ文庫の今日泊亜蘭セット(ダブりトリプりお手のもの!の恐ろしい状態であった)もいただき、大いに喜ぶ。その後は焼肉番ご飯を経て、午後九時五十分に西荻窪に帰り着く。本日も大変お疲れさまでした。

