2023年11月17日
11/17路地裏の古本屋さんに一足早くお別れを。
昨夕、北原尚彦氏よりタレコミメールがあり、神保町裏路地の「富士鷹屋」(2009/09/12参照)が実店舗を閉店してしまうという。非組合系で、小さいがミステリの基本図書を充実させたお店である。確かにサイトで確認すると、十一月二十五日(土)で閉店とあった。うわはぁ…これはぜひとも見送るために駆け付けねばならぬのだが、今週末と来週はすでに予定がギュウギュウなのである。今日も大詰めのデザイン仕事で汲々としているのだが、この雨が上がったら思い切って神保町に行くことにしよう。そう決めて段々激しくなる雨音を聞きながら、手を動かし続ける。そして午後一時過ぎ、雨音は遠ざかり、代わりに鳥のさえずりが聞こえるようになり、ついに雨は上がった。急いで机の前から離れ、神保町に駆け付ける。それにしてもミステリ好きにとって、「富士鷹屋」がなくなるのは痛い。先日出た本の雑誌社「神保町 本の雑誌」のミステリ好きによる座談会二種、北原尚彦氏との『神保町の古本屋さんを楽しもう!』、北原尚彦氏×彩古氏×森英俊氏との『神保町古書店案内座談会』でも、「富士鷹屋」については言及されているほどなのである…。神保町には水道橋駅からアプローチし、『白山通り』を南下して、お店があるはずの横丁を探す。ここは何度来ても見落としてしまう可能性のある、似た横丁が連続しているのである。だが今日は一発で到達する。店頭棚&ワゴンが出ているので、しっかりと営業中である。閉店の案内などは何処にも出ていない。店頭で一冊掴み、サッシ扉を開けて中に進む。そこは相変わらずの静かな通路的空間で、ミステリ&SF&幻想怪奇文学の文庫本・単行本・ノベルスをスラリズラリと棚に収めている。フローリング風シートを敷き詰めた床を踏み締め、天井近くから足元まで、ゆっくり眺めながら次第に奥へと進んで行く…おそらくこのお店に来るのは、今日が最後になるだろう。この、店主がカウンター奥で静かに作業する気配を感じ取り、多少緊張しながら奥へ奥へと進んで行くのも最後なのである。そんなことを考えながら帳場前に到達し、しゃがみ込んで棚下までしっかりと見る。講談社文庫「考えろ丹太!/木島始」東都書房「おんな牢秘抄/山田風太郎」現代長編推理小説全集9「鮎川哲也集」ポプラ社文庫「死人のすむ街/緑文建」を計800円で購入し、一足早くお店との別れを済ませる。さらば、たくさんの殺人事件の物語を詰め込んだ、都会の路地裏の古本屋さんよ!
この記事へのコメント
古ツア様、ミステリで、お世話になっていました、富士鷹屋。私は、古書展目録でしたが、最近は目録であまり見かけなかったような。今回の、神保町の特集では、名前がでてきますから、みなさん、レアものを、そうでした私も。
Posted by おいもさん at 2023年11月17日 21:11
先般は失礼しました。ナンと閉店ですか。奥野カルタ店の二階の一部に店があった頃から、好きな本屋でした。私も近々行ってきます。
Posted by おやまただし at 2023年11月18日 08:30
まんてんのカレーと富士鷹屋はワンセットだったのに…。
Posted by 海野又十郎 at 2023年11月18日 20:39
おいもさん様。あなたもやはりレアものを…。今回は実店舗の閉店なので、また目録などで出会うこともあるでしょう。
Posted by 古ツア at 2023年11月19日 17:12
おやまただし様。奥野カルタ店時代があったのですか。それは見てみたかった…。そう言えば奥野カルタ店店頭で、今でも時々創元推理文庫を並べたりしてますが、何か関係があるのでしょうか?いや、そんなことよりも、最後のお店をぜひ楽しんで来てください。
Posted by 古ツア at 2023年11月19日 17:16
海野又十郎様。思いっきり神保町なセットですね。後六回ぐらい、ぜひ!
Posted by 古ツア at 2023年11月19日 17:17
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