午前のうちに色々テキパキ片付けつつ、いよいよ大阪へ送る古本の準備を終える。一箱に四十冊弱の精選古本を詰め込んだので、郵便局まで腕を酷使しながらエッチラオッチラ運んで発送。明日には早々に「梅田蔦屋書店」に到着し、いつものように幾日かかかる古書コンシェルジュさんの商品化を経て、新しい売場に補充されるであろう。片隅にひっそりとある古書売場を見つけ出す西の猛者たちよ、お楽しみに。そして午後に外出してまずは吉祥寺へ。「バサラブックス」(2015/03/28参照)で文藝春秋「ウッツ男爵 ある蒐集家の物語/ブルース・チャトウィン」荒地出版社「殺人芸術■推理小説研究■/チャンドラー他 鈴木幸夫編」(緑の帯が付いている)を計200円で購入した後、進路を東に採り、西荻窪まで徒歩で移動する。昨日の今日で「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出し、受け取りと打ち合わせを済まそうとすると、なんと店主・小野氏は昨日の疲れを取るために整体外出中であった。三十分ほどで戻るとフミさんに教えられたので、時間潰しにしばらく西荻窪をブラブラ彷徨うことにする。そのブラブラの途中で、久しぶりに「ねこの手書店」(2020/07/27参照)に吸い込まれ、右端通路の幻想文学棚を見ていると、最下段に奢霸都館「美童 山崎俊夫作品集 上巻/編集生田耕作」があるではないか!引き出して、函裏に貼られた値段ラベルを確認してみると、ぬぉぅっ!目がどうかしてしまったかと一瞬疑う、奇跡の880円なのである。函はちゃんと付いている。帯も中に挟まれている。「奢霸都館だより No.1」や「図書目録1989年3月」なども挟まっている。よし、買うぞ!と880円で購入する。よもや時間潰しの最中に、こんな大物を釣り上げられるとは思ってもみなかった。整体に行ってしまった小野氏に密かに感謝を捧げる。

そんなことをしていたら時間となったので「盛林堂書房」に戻り、すでに帰還していた小野氏とあれこれ打ち合わせる……それにしても帳場周りが未整理の昭和三十年代ミステリ祭と化している。先日に続き、またしても大量のミステリ本を市場で落札したとのことであった。くわわわわ、どれもすごいな珍しいな。というわけで古本的欲望がムクムク頭をもたげてきたので、小野氏にお願いして、傷み気味のダブり本を特別店員価格で売ってもらえるよう交渉する。すると差し出してくれたのは、小説刊行社「見しらぬ顔/日影丈吉」であった。読んだことありません!と即座に五千円で購入してしまう。ふぅふぅ。そんな現場をお店に来合わせていたイラストレーターYOUCHANさんに目撃され、さらに古書山たかし氏も偶然登場し、帳場周りが三十年代ミステリとともに賑やかになる。皆さんとお別れして家に戻ると、十二月発売の新刊、皓星社「古本乙女、母になる。/カラサキ・アユミ」が届いていた。一児の母となった、古本に人生を賭ける古本乙女の、育児と古本生活の両立を断行する、不均衡で不格好で懸命で微笑ましい暮らしを、エッジの利いた視点で描くエッセイ集である。四ページの『カラサキ・アユミ解剖学』を寄稿しておりますので、本編のツマとして楽しんでいただければ幸いであります。

届いた新刊と日影丈吉を一緒に写真に収めたら、なんだかちょっぴりアヴァンギャルドな光景に…まぁこれはこれでいいか…。
posted by tokusan at 18:14|
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