七版だが帯がちゃんと付いていて五百円は、やはり安い。
2024年06月07日
6/7東京・御茶ノ水 萬書百景市
午前九時過ぎに家を出て、古本箱を抱えてまずは郵便局へ。某所に向けて八箱目の発送を行う。そのまま家には戻らず駅に向かい、割と空いている中央線に乗って御茶ノ水駅下車。時刻は午前九時五十八分である。『ニコライ堂』脇を通過する時、今読んでいる土屋隆夫「肌の告白」収録作品『奇妙な再会』にニコライ堂が出て来たのを思い出す。昭和三十年前半の作品だが、ニコライ堂の二三軒隣りに、ひとりの登場人物の邸宅があることになっているのだが、この辺りに人家があったなど、今はとても信じられない、大学の巨大ビルばかりの光景なのである。そんなことを感じながらダラダラと坂を下り、いつものように『太田姫稲荷神社』にお参りしてから「東京古書会館」(2010/03/10参照)へ。今日明日と地下ホールで、新しい催事「萬書百景市」が開催されているのである。開始十分後の地下に進むと、うわっ!荷物を預けるクロークが、黒鞄の黒山と化している…スゴい量だ。そこに荷物を預けて会場内に進むと、やはり大変な熱気が渦巻いている。入った「徳尾書店」の棚が目に入り、古い漫画本に吸引されてしまうが、そう言えば棚のレイアウトがいつもと違っていることに気付く。縦に棚が連結され、会場内に三本の長い通路を造り出しているのだ。それにしても開始と同時に飛び込んだ先客の多くが、すでに腕の中に十冊以上の古本タワーを積み上げ、棚から棚へ飛び回っている。そんな風に何処の棚前も古本と合体した古本修羅が鈴なりで、新規参入古本修羅が棚にアクセスするのは、なかなかに難儀なのである。それでも懸命に隙見しながら、やがて中央通路左奥の「盛林堂書房」棚はすでにガタガタになりつつある…まだ始まって二十分くらいなのに…そしてその間にもガタガタ化は進行しつつあるのだが、最前列組は目を血走らせ、どっしりと根を下ろしてしまっている…むぅぅぅぅぅ、また後で見に来よう。と会場をウロウロ。その間に、北原尚彦氏・森英俊氏・嵩平何氏・「三暁堂」さん・「七七舎」さんらと出会い、言葉を交わす。結局一時間ほど会場を、見られるところを見ながら何度も回遊し、どうにか全部の棚を見た気になる。その間、所々で常連客さんが見回りの古本屋さんに「補充は?いつ補充するんですか?」と聴いているのに出くわす。多くの猛者たちは、本日中の補充タイミングを狙い、会場に舞い戻って来る予定らしい。そのバイタリティを見習うべきなのだが、残念ながらもう疲れてしまった。と言うわけで、長い精算の列に並び、作品社「歌集 乳房喪失/中城ふみ子」廣文堂書店「脚のまにまに/進藤紫朗」洋泉社「幻の怪談映画を追って/山田誠二」を計1330円で購入する。新しい時代の古本屋、中堅の古本屋、老舗の古本屋、その全員が若めなパワーを発揮し、古本を渋くも派手にも輝かせて陳列している、とにかくやる気漲る古本市で、去年開催された「中央線はしからはしまで古本フェスタ」(2023/07/28参照)と同様の意気込みを感じる。帳場では「明日もたくさん補充しますので、是非ともお越しください」などと声が上がっている。これは明日も、良書を求めて混み合いそうだ。帰りに神保町に進入し、「田村書店」(2014/05/14参照)で薔薇十字社「ポトマック/ジャン・コクトオ 澁澤龍彦訳」を500円で購入し、帰宅する。家に帰ったならば、次の古本箱造りに取りかかる。まだまだいける、いけるはずだ!

七版だが帯がちゃんと付いていて五百円は、やはり安い。
七版だが帯がちゃんと付いていて五百円は、やはり安い。
この記事へのコメント
私は昼過ぎに覗きました。どの書店さんもすごかったですが、やはり盛林堂さんの棚は空きが目立って、がったがたでしたね。それでも噂の九鬼も何冊かまだありましたし、空いた棚にはいったいどんな本があったのやらと気になることしきりでした。
Posted by たい at 2024年06月07日 23:04
『萬書百景市』突入、おつかれさまでした。きっとがたがたになって空いた空間には、あんな本やこんな本屋やそんな本までもが……あぁっ!くやしいっ!
Posted by 古ツア at 2024年06月08日 18:43
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