中ではエプロン姿のご婦人が、奥から出して来た本をクリーニングしながら、新聞紙を敷いた床や棚に品出し中である。よし、では最後の店内を楽しむかと、コミックとアダルトと戦争と歴史と郷土と演芸と映画が大衆的に混ざり合う店内を精査して行く。ちょっとなかなか欲しい本に突き当たらなかったが、通路棚の上に見知らぬ加納一朗の本があったので確保する。1300円か……ということは650円。そしてその近くの場所に封筒に入ったままの本や小冊子が並んでいたので、こちょこちょう漁ってみると、おっ!これも見たこともない太田螢一の小冊子を発見.400円……これは五百円以下だからこのままか。と計算し帳場のご婦人に差し出す。するとご婦人は値段を確認し、ボソッと「1700円」……えっ?正価そのままで割引されてないんだけど……?もしかしたら何か条件を満たしてなかったかな?まだセールは始まってないとか、割引されるのは大判の本だけとか……う〜む、まぁいっか。というわけで1700円を支払いお店を出る。パピルスあい「映画は光と影のタイムトラベル/加納一朗」アルファレコード「太田螢一の人外大魔境読本」を購入する。貼紙を改めて見ると、やはり500円以上の商品が50%引きとなっている……うぅ、何故だろう何故かしら。単に割り引き忘れか……まぁいっかと思いつつも、釈然としない思いを抱えながら駅に向かう。だがそんな風に割り引かれなくとも、「太田螢一の人外大魔境読本」が嬉しい!モダン怪奇派イラストレーターの太田螢一が、小栗蟲太郎に多大なる影響を受け制作した音楽アルバムの副読本である。アルバムに参加した、巻上公一・鈴木慶一・細野晴臣も寄稿している。宣伝で配布していたのか、アルバムを買うとくっ付いて来たのか不明だが、太田自身の文章とイラストもたっぷりの一冊なのである。
帰りに高円寺で途中下車し、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で博文館新社「叢書新青年 久生十蘭」を500円で購入して帰宅する。


「何故だろう何故かしら」が、ピクシー絵本の「へんですね へんですよ」を彷彿させました(笑)