2024年12月20日

12/20古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第四十一章】

すでに昨日のことである。午前五時半起床。2024年最後の日下三蔵氏邸片付けに向かうため、寝床の中で盛林堂・イレギュラーズとなる。そして色々準備を整えた午前七時前、家の近くでピックアップしてもらうため、盛林堂号に乗り込んだ店主・小野氏から出発メールの一報が入るのだが、『おはようございます。そろそろ出品します。』とあったのに大笑いしてしまう。この男はこんな朝っぱらから、何処に何を出品しようというのか……実に古本屋さんらしい誤変換である。というわけでニヤニヤしながらピックアップされ、西荻窪の店舗を経由して、いざ日下氏邸へ!と出発すると、途端に雪が降り始めてしまった。フロントガラスに細かな砂糖のような白い氷がパラパラ当たる。しかしこの初雪は、都内を抜けた頃には晴れているのに結構しつこく降り続ける雨に変わっていった……。午前九時過ぎに現地着。マック休憩を挟んだ後、日下氏邸に到着する。ダウンジャケットを着込んで玄関から出て来た日下氏と挨拶を交わし、邸内の現在仕事部屋である和室に招き入れられる。本日のミッションは、いつの間にかこの和室を埋め尽くした、コミック・古本・書類を片付け運び出し、奥の和箪笥やチェストを移動させ、カラーボックス大をさらに移動させるとともに、新たなカラーボックス大を設置するといういものである。
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早速小野氏と協力し、入口近くから手を付け始め、本を四六版・菊判・新書サイズ・文庫サイズと分類し、それを廊下奥の階段脇に積み上げて行く……だがたちまち階段はいっぱいになってしまったので、階段に積み上げた本をさらに納戸の棚に移して行くことにする。階段の山を小野氏が切り崩し、それを受け取り納戸の日下氏に渡して行く……う〜む、これは場所に限界があるなぁ……和室の本をすべて運び出せる場所があるのだろうか…?
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一時間ほど作業を進め、だがそれでも和室にまだ本や仕事関係の資料が多く残っている状態である。日下氏は残っている本を入口近くに積み上げればスペースが生まれ、カラーボックスの組立や家具の移動が出来るのでは?と提案するが、小野氏はそこのスペースは絶対に埋めてはいけない。動線の確実な確保と組み立てスペースは大きく取らねばならないとしている。しばらく二人の意見が珍しく真っ向から対立する……そこで私が折衷案を出す。この状態でも取りあえず家具の移動は可能なので、それをどうにか動かし、その上に必要な仕事関連を固め、カラーボックス大も移動させ、本を箪笥の上に固めれば、作業スペースは保てるのではないかと。そんな意見を出し合い、とにかく家具の移動に着手することに決める。するとこれが見事に決まり、瞬く間にカタチとなる。おぉ、素晴らしい。
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そこにお母さまが帰宅されたので、日下氏は早速その進捗模様を自慢する。お母さまは「床が見える。畳が見える」と大喜びである。日下氏はお母さまに和室の掃除をお願いし、我々は寿司昼食がてら、すでに注文してあったカラーボックス大を近所の家具量販店に引き取りに行くことにする。カラーボックスは二棹を上下に連結するタイプである。
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これを盛林堂号に運び込み、駐車場から出ようとすると日下氏が「この駐車場の出庫の警告音が変なんですよ。ウルトラセブンの円盤みたいな音なんですよ」と教えてくれたので、出庫時に耳を澄ます。『フゥィイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜ン』…まさにその通りの警告音に相応しくない奇怪な音だったので、大爆笑する……何処かに攫われてしまいそうだ……。日下氏邸に戻ると、和室はバッチリ美しく掃除され整えられていた。すると大奮闘のお母さまが現れ、「ここにあったものはそこ、そこにあったのはあそこ」とすべての物品の移動場所を明確に示し、日下氏に教えている……むぅ、スゴい。さすが長年日下氏の本の中で暮らして来ただけのことはある、と大いに感心する。運び込んだカラーボックスを小野氏が迅速に組み立て、これも設置に成功。
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そんな合間に、日下氏から珍しい日産自動車のノベルティ附録風漫画「サニー坊やの冒険/桑田次郎」を見せてもらう…何だこれは、日産だから“サニー”なのか……。
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和室片付けは順調に進み、午後四時前に作業終了となる。すると日下氏が「今日は岩谷選書を出します」と寝室にプールしてあった大量の粗悪な新書サイズ本を運び出して来た……うわっ!全部で二十冊くらいしか出てないのに。完全に八十冊はある…これはおかしい!ダブっている本を確認するため、テーブルに並べて行くと、まるで丁半バクチの賭場みたいな光景になってしまった。
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さらにその後は、探偵小説文庫本も確認のため、奥の納戸から大量に掘り出して来た……くぅ〜、夢のような光景だ。大下宇陀児がハンパなく多く、しかもほとんどダブッっていない。これは仙花紙本の宇陀児も同様であった。日下氏は何故か大下宇陀児については、ピンポイントで一冊だけの購入がほとんどなのである。ある意味興味がそれほどないことの表れであろうか。
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そんな探偵小説古本神経衰弱を二人が進めている時に、まだ何処かに残っていないかと岩谷選書や文庫本を探していると、ほぉぅ!城昌幸の「婦人警官捕物帖」(榊原書店)を発見してしまう。これはいつかは読みたい一冊。春陽文庫も値が張るので、未だに入手出来ずにいるのである…しかも帯付きかぁ。
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そんな風に無事に本日のミッションを達成し、打ち上げ焼肉晩ご飯に向かう前に、マンション書庫に立ち寄り、五袋のCDを搬入しつつ、日下氏はCD部屋で歌会用のCDを血眼で探す…何処に何があるかは大体把握されているようだが、それでも咄嗟には見つからぬものもあるので、ここもいずれ大規模な体系的整理が必要であろう。
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そんな本日の嬉しい労い古本は、数冊のトリプり岩谷選書と、とある場所で約束していた、浪速書房「推理連作 四つの幻影」の裸本である。焼肉屋近くのコンビニでカバーのカラーコピーを取らせていただく。ちなみにこのコンビニは、恐らく日本で一番カロリーの高い探偵小説古書のカバーコピーを取っているコンビニなのである!
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2024年08月28日

8/28古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第四十章】

すでに昨日のことである。日下三蔵氏邸の片付けに向かうため、盛林堂・イレギュラーズとなり、午前七時前に家を出て、同七時十五分の西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)前。この日は盛林堂号の都合により、いつもの自宅近くピックアップではなく、店前集合となっていたのだ。そこに傘を差しスタスタと現れたひとりの人物…日本古典SF研究会会員で、妖怪大好きトリフィド命のナカネくんである。現在夏休み中であることを利用し、『一度見てみたかった!』と物好きにも、日下邸への同行を希望したのである(ちなみに朝早く出かける理由を奥さんに問われ『日下邸の本の片付けの手伝いに行く』と告げたところ『なんで自分の本は片付けないの』と言われたそう…うわぁ!もっともだぁ)。程なくして駐車場から盛林堂号を引き出して来た小野氏と合流し、いざ日下邸に向けて出発!途中豪雨に襲われたり、後部座席のナカネくんが爆睡したりしながら、午前九時半に現地に到着。必死の某校正を終えて、ちょっとお疲れ気味の日下三蔵氏がすぐに玄関に姿を見せたので、三人でご挨拶。邸内に招き入れられると、早速書庫初見のナカネくんを日下氏が各所を案内。その量と蔵書の質で、ナカネくんに散々悲鳴を上げさせることに成功する(ナカネくんはミステリーももちろん好きなのだが、資料系に異様な興味を示すので、人間って色々なんだな、などと考えたりする)。その後は素早くマンション書庫に移動し、またも各部屋を見学し悲鳴を上げさせた後、第一の作業に取りかかる。
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リビング壁際の文庫や単行本を小野氏が整理している間に、私とナカネくんが、紙袋に入った紙物&資料類を日下号に運び込む、十袋以上あるが、とにかく後部座席とトランクに遠慮会釈なく放り込んで行く…いつか何処かで見た光景……。
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続いて本邸に持ち帰る本を仕分けつつ、百均袋に収める作業。それと同時に、発掘されたガードナーの大量の文庫本を、和室上段のガードナーゾーンに収まっている文庫本と比較し、ダブりを確認。ダブっていたら良い方を残すことにする。名付けてガードナー神経衰弱!…実はこの作業、一度で終わると思ったら、午後にCD部屋からまたもや大量のガードナーが発見され、もう一度棚から下ろして神経衰弱をすることに……この黄色い背は、暫く見なくていいや……。
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本邸に持ち帰る本は、再び日下号に運び込み。とても後部座席&トランクには収まらないので、助手席にもドカドカと放り込む。するとそれを見に来た日下氏が、古本袋にシートベルトを掛け始めた…おぉっ!古本にシートベルト!と驚いていると、「いや、これ、助手席の重さを検知してるので、シートベルトを掛けないと警告音が鳴っちゃうんですよ」とのことであった。ワハハハハハ。
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そして駅前まで出てお寿司昼食を摂った後、再びマンション書庫に戻り、午後はCD部屋からのさらなる文庫本運び出しと、リビング右翼のコミック&和室のコミック軍艦の選別作業&積み直しをひたすら進めて行く……。もは完全に巻込まれたカタチのナカネくんは、台所で容赦なく小野氏によって運び込まれる文庫本を、賽の河原の子供のように、台所に積み上げて行くのであった…後でこの過酷な作業について聞いたところ、「途中から虚無の世界に突入しそうでした」と語った…いや、本当にお疲れさまでした。今度はナカネくんのお家もぜひ。
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作業終了後本邸に戻るのだが、その前にナカネくんは日下氏より山田風太郎スターターキットとも言えそうな文庫本群を、作業のお礼に渡されていた。本邸では発掘して来た予想ダブり本の確認を行いつつ(結構ダブらずに棚に収まる本が続出し、日下氏自身が大いに驚く。「なんでこれが入ってないんだ!おかしいよ!」。だが、これでその棚は、完璧に一歩また一歩と近付いているのである)、私も作業の労いを拝受される。何とカバーナシだが、二度と出版できないであろう國民社「海底黒人/南澤十七」と、読みたかった光文社文庫「散歩する霊柩車/樹下太郎」(西村晃主演の表題作の映画が抜群に面白いので、いつか読んでみたいと思っていた)などをいただき、重い疲れを一気に吹き飛ばす。いや、本日も大変におつかれさまでした。焼肉打ち上げ後、帰りは雨に降られることなく、無事に午後十時前に西荻窪に帰り着く。
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2024年07月31日

7/31古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十九章】

すでに昨日のことである。午前七時であるが、すでに気温は三十度を超えている。そんな酷暑に耐えながら、家の近くで「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏の操る車に乗り込み、たちまち盛林堂・イレギュラーズとなり、一路書庫片付けのため、日下三蔵氏邸を目指す。ところが、都内も都内を抜けても車が多く、到着するのに二時間もかかってしまう…これは恐らく最長レコード。あまり月末、しかも五十日に当たった事はなかったので、こんな目にあってしまったのだろう。しかし何はともあれ日下氏邸に到着し、「暑いですね」と玄関から現れた日下氏に挨拶する。前回訪れてから一ヶ月半が経過しているので、まずはその間に片付けが進展した部分を見せてもらう。ちなみに小野氏はこの日、ハイテクな首掛け扇風機を持参し、熱中症対策を心掛けていた。小野氏が近付いて来ると、『ウィーン』という動作音が大きくなって来る……。
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そんなことはさておき、本邸書庫奥のコミック棚に動きアリ。必要ない古いコミックスを運び出し、そこには端整な桑田次郎・細野不二彦・諸星大二郎・星野之宣棚が出現していたのである。うむうむ、これは楽しい作業進展であるな。
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とまぁこんな風に、日下氏が楽しい作業を日々進めるようにするために、本日我々が進める作業は、納戸へのカラーボックス組み立て&設置(十一本)、翻訳ミステリの断捨離作業である。小野氏がもはや大工さんと化し、スマホで音楽を流しながらカラーボックスの組み立てに専念している間、日下氏と私は不要な翻訳ミステリの選別と運び出しを行う。日下氏が書庫の翻訳ゾーンから、不要な本を五冊ずつ抜き出し、冊数を確認しながら手渡すものを、階段に積み上げて行く。
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日下氏は結構思い切りながらも、ニコニコと楽しそうである。ぬぉぉう!柳香書院の「樽」や戦中のクロフツ「連絡船の秘密」が出た!断捨離、華麗に進行中!
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…結局単行本&文庫本合わせ、合計二百十冊を出すことに成功する。お見事な選別っぷりでありました、納戸でもカラーボックスがすべて完成し、早速中央に十一本を組み合わせ設置し、納戸にあった本、物置から新たに運び込んだ雑誌を納めて行くと、数十分前に出来上がったばかりの棚は、まるで数年前からそこにあったような光景に……だが色々飲み込んでくれたので、周囲にスペースが生まれたのは、大きなアドバンテージである。これでまた、細かな作業がスムーズに進展して行くことであろう。
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ここで昼食に出ることにするが、午後のマンション作業に備え、小野氏のひそみに倣い、熱中症対策のために家電量販店に日下氏と私の首掛け扇風機を買いに寄る。マンション書庫はエアコン設備がないので、いくらか室内は外より涼しいとは言え、三人の男性が作業をしていれば、熱が籠るのは必至である。と言うわけで、私にも一台支給される……使ってみると、首周りと顔だけが涼しくなり、なんだか変な感じ…だが確かにないよりはマシである。そして昼食後にマンション書庫へ。こちらでは台所付近の文庫を仕分け、必要な本・仕事に使う本・不要な本に仕分け、所定の一に積み上げる作業に入る。それが済んだら、リビング壁棚前を空け、コミックの作家別整頓に突入する。
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やはり今後は、スペースを空けて有効活用し、棚の最終形態に近付けて行く、細かい作業が増えて行くのだろう。地味だが神経がすり減るお仕事である。これを三時間ほど進め、いつものようにへとへとになりながら本日の作業終了となる。暑い中おつかれさまでした。ちなみに日下氏は首掛け扇風機がだいぶ気に入ったようで、家族に見せびらかし、焼肉屋にも付けたまま入ろうとしていました。そして本日の過酷な作業の労いとして、首掛け扇風機はもとより、和田慎二の忍者ものコミックスや、春陽堂探偵双書「偽眼のマドンナ・電気風呂の怪死事件/渡辺啓介・海野十三」をいただく。嬉しいです!
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2024年06月12日

6/12古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十八章】

すでに昨日のことである。日下三蔵氏邸に向かい、盛林堂・イレギュラーズとして、およそ月一回の恒例書庫片付けの手伝いをするため、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏とともに盛林堂号に乗り込み、関東某所に向かう。車中では先日の狂熱の古本市「萬書百景市」(2024/06/07参照)のこぼれ話を聴いたり、羽蟻の軍団に突っ込んだりしながら、午前九時半に現地に到着する。すると玄関から出て来た日下氏が、挨拶もそこそこに仕事場和室のシャッターを上げ始めた。「いや、何処かから蜂が入って来ちゃったんで、窓を開けて追い払おうと…」「蜂?蜜蜂とかですか?」「いや、結構デカい奴です」と窓をガラリと開けた途端、たちまち件の闖入者は飛び去って行ってしまった…おぉ、こんなスムーズに蜂を追い出せたなんて、奇跡だ。
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などと喜びながら、早速盛林堂号・日下号連れ立ってマンション書庫へ移動。すでに購入してある十本のカラーボックスを組み立て、脱衣場に設置するというミッションに取りかかる。
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脱衣場を空にする前に記念撮影する日下氏&小野氏。

カラーボックス組立は玄関で小野氏が担当。その玄関奥壁には、前回ドアを取り外した部分にすでにカラーボックスが圧迫感無く収まっていた。
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着々と整理整頓が進行する日下邸書庫に、栄光あれ!そしてこちらは、組み立てたカラーボックスを脱衣所に入れるためには、壁際にビッシリと天井まで積み上がった漫画雑誌を空いているスペースに逃がさねばならない。日下氏が雑誌壁を切り崩して選別後、それを私が、台所・リビング奥・和室にちょこちょこ高麗鼠のように運び込み、タワーを形成する作業を進めて行く。この作業は順調に進捗し、午前十一時半には作業終了となる。ひとまずお疲れさまでした。
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昼食までにはまだ少し時間があるので、続いて台所からリビングにかけて溜まっている文庫本・A5版型本を玄関に運んで選別、さらに仕分け用同人誌をずいぶん減った和室同人誌山の上にさらに積み重ねるという作業に従事。これを一時間ほどこなしたら、すっかりエネルギー消耗してしまったので、駅前に寿司昼食に出る。潮風薫る街は、もはや夏である。滋味溢れるエネルギーを補充し、しばしの休息を貪った我々は、再びマンション書庫に舞い戻り、仕分け用本が積み上がってしまった玄関部分を整理しつつ、書庫内各所を見回り(本当にすべての場所にアクセス出来る動線が確保されているのは、素晴らしいことである)、今後のさらなる作業工程を大まかに思案する。その後、本邸に二本のカラーボックスを運び込み、本邸裏庭の一番奥にある古い物置から、二本のすでに長年の本の重みで破損してしまったカラーボックスを運び出し、新カラーボックスと入れ替える。
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別に日下氏が通路奥に謝罪しているわけではなく、壊れたカラーボックスを運び出すために本を移動させているところ。

ぬわっ、昔のカラーボックスの何と軽いことよ。この弱さでは、耐用年数が短いのも当然である。この日は非常にスムーズにミッションが進行したので、時間に大幅に余裕を持たせながら、一応の作業集終了となる。後は放出本を結束したり、次回の整理を納戸のカラーボックス搬入に焦点を絞り、計画を立案したりする。それにしても、こちら本邸書庫も、日下氏が隙を見て細かな整理作業を進めているので、棚の景色等、前回と変わっているところも多い。一軍書庫の整理進捗は目覚ましく、より尖鋭化されているので、見るのがとても楽しいのである。この島田一男の棚!「仮面天使」が並んでいるなんて……。
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とうっとりしていると、日下氏が大量の本を棚から引き出し抱え出す。「どうしたんですか?」「今日は横溝本を出します」「えええええっ!?」「もうかなり出来ることはやって本を作ったので、必要な本以外は思い切って出します!」「えええええええっ!?!?!?!?」。日下氏の断捨離モード、恐るべし!もちろん小野さんは大興奮。仕事に使ったテキスト重視主義な本が多いので、美本は少ないのだが、それでも五十冊近くの横溝正史が大量に放出された。少年物・仙花紙本・時代物……くぅ、すげえ。そして何とその中から、傷んでいて裸本だが、いつか読みたくて読みたくてしょうがなかった、ポプラ社「まぼろし曲馬団/横溝正史」をいただけることに。やった!これは嬉しい。もう早く家に飛んで帰って、修理したいほどに嬉しい!と大喜びする。
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その他にもサンコミック「スパイダーマン/ストーリー・平井和正 漫画・池上遼一」全8巻などもいただき。半日の重労働を労われる。夜はこれまたいつものように焼肉でエネルギーを補充し、日下邸書庫片付け十年の越し方について、しみじみ三人で語り合ったりする…こんなことを話すということは、いよいよあのかつて魔窟とまで呼ばれた書庫の片付けが、終りに近付いて来ているのを暗示させる。だがそれでも、まだまだまだ作業は続くのである。本日も大変にお疲れさまでした。
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2024年05月15日

5/15古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十七章】

すでに昨日のことである。午前七時、コンビニで素早く新古本箱の値段表をコピーしたり、ヤフオクの代金を払ったりしてから、やって来た盛林堂号に拾ってもらう。後部座席に滑り込み、ハンドルを握る「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と助手席のフミさんに挨拶し、西荻窪の店舗を経由し、いざ日下三蔵氏邸書庫片付け手伝いに出発する。珍しく海沿いのルートを採り、車中では私がたまたまテレビで観たアニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』に端を発し、オリジナルアニメ製作についての論考を熱く交わす。およそ二時間後に日下邸着。本日の最初のミッションは前回の宣言通り、まずは物置3のアニメ&マンガムック&雑誌の選別&減量である。
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と言うわけで早速作業スタート。小野氏が物置からダカダカ大判本&雑誌を運び出し、それを私が納戸の窓から受け取り日下氏に手渡す。日下氏がそれを保存用と手放すものに選別して行く。その作業は、恐ろしいほど順調に進む……何故なら日下氏の選別が超スピーディーだからである。
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表紙の絵柄と記事内容を見ただけで、逡巡することなく仕分けて行く様は、いつものミステリ系単行本&文庫本を厳重に吟味する姿からは、想像できないほどの判断力なのである。おかげであっという間に四百冊弱が物置3から消えることになった。だが当然残す本も大量に積み上がっているので、これは物置に戻さねばならない。と言うわけでフォーメーションをぐるんと入れ替え、小野氏が手放す本の整理を進めつつ戻す本を納戸から運び出し、それを私が中継し、物置に日下氏が使い勝手良く詰め込んで行く形をとる。これも戻すだけなので大変にスピーディーに進んで行く。途中日下氏が「ダメだ、もう考えるのはやめよう」と呟き収納優先に切り換えたので、「そして日下三蔵は考えるのをやめた」と言うと、即座に「カーズですね」と日下氏が嬉しそうに反応する(荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 第二部』参照)…マンガ・アニメネタには(もちろんミステリ&SFネタにも)、打てば響く鼓のように反応するのは、氏の特殊能力のひとつである。そしてその作業が終わるや否や、物置1の新しめのミステリSF単行本を、バケツリレー形式で物置3に移動させる。
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これもたちまち終りを告げ、作業開始一時間半での素晴らしい進捗状況を三人で喜び合う。だが昼食に出るにはまだ早いので、本邸書庫からもはや必要としない文庫本を百八十冊ほど出し、午前中だけで本日の放出本六百冊弱を捻出するのに成功する。正午前だが駅までに出て、いつもの美味しいお寿司昼食を摂った後、今度はマンション書庫に移動する。こちらでのミッションは、CD部屋ドア前の単行本山の選別、さらにCD部屋奥の単行本山の選別、そこから玄関廊下に開いたCD部屋の扉を取り外し、カラーボックス設置場所を確保すると言うものである…最後の項目はもはや完全に古本屋さんの仕事ではないのは確実である…。そんな疑問が頭に浮かびつつも、だが身体はキビキビ動いて行く。単行本を選別し、手放す本を結束し、場所を空ける。奥でも床と棚の整理整頓を進め、本がもっとキレイに収納出来るよう工夫して行く。
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そして難関のドアは、小野氏が電気ドリルで蝶番を外し、取り外しに無事成功!おぉ、新たな収納スペースが今、ここに誕生した。
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だがこの外したドアを何処に置くか…色々場所を探してみると、CD部屋のDVD棚の通路上に持ち上げ渡してしまうのが、一番場所を取らないのでは、と結論が出る。三人で力を合わせ、狭い通路にドアを通し、棚の上にエイヤッと持ち上げ、狭い隙間にズズッと滑り込ませる。ドアが電灯下に来てしまうため、多少部屋が暗くなってしまうが、これは致し方ない処置である。このマンション書庫では、とにかく本を収納することが最優先されるのである。
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そんなことをやっていたら、時刻はたちまち午後五時に、整理して出て来た一軍クラスの本をまとめ、本邸書庫へと舞い戻る。持ち帰った本をダブっていないか棚と照合し、ない場合は棚に収めて行く(この時、日下氏は同じ本が見当たらないと「あぁっ、なんでないんだ。基本図書なのに!」と落胆するのだが、結局マンションにあった本も日下氏の本なのだから、基本図書はちゃんと持っているということになるのだが…)。そしてそのダブり本確認途中に、城昌幸の仙花紙本「なりひら藤吉捕物帳」がトリプっているはずなので確認してみると日下氏がゴソゴソやっていると、「すいません、「なりひら藤吉」はなかったんですが、代わりにこれが…」と四冊の仙花紙本「隠密なだれ/城昌幸」(共和出版社)が出て来たので呆れてしまう。そんな風にようやく一日の作業が終り、劇的な作業進捗を三人+日下氏のご両親と言祝ぎながら、本日の労い品である、貸本類やおススメのノベルスなどをいただく(もちろんさっきのクアドラってた「隠密なだれ」も)。今回も大変におつかれさまでした!
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2024年04月24日

4/24古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十六章】

すでに昨日のことである。二ヶ月ぶりに日下三蔵氏邸書庫整理お手伝いに向かうため、午前七時に家の近くで黄砂塗れの盛林堂号で現れた「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏にピックアップしてもらう。車内で盛林堂・イレギュラーズに変身しつつ、西荻窪の店舗を経て、すでに道路が恐ろしく混み合った東京都脱出に苦労しながら、二時間で現地にたどり着く。玄関ににこやかに現れた日下氏と挨拶を交わし邸内に招き入れられると、おや、廊下の壁際に本の壁が誕生してしまっている。うむむと思いながら仕事場となっている和室に進み、氏より作業のブリーフィングを受ける。いつの間にか仕事場和室にだいぶ本が増えてしまったため、取りあえず入口付近に溜まり聳えるコミックや文庫本を奥の納戸に移すのを本日の作業目標とするが、その前に納戸前の流しに積み上がった同人誌を袋詰めしてマンション書庫に移動させて場所を空け、続いて納戸の紙資料たちを流し前に移動。さらに納戸の文庫本&単行本&コミックを壁際に適宜まとめ積み上げて、右壁の探偵小説雑誌群と奥の横溝正史文庫棚yへのアクセスを確保しつつ、さらに和室からコミック&文庫本を運び込むと言う、ミニマムな作業を積み重ねて本の移動&場所の確保を目指すと言うものであった。
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これは本に埋もれつつある仕事場和室である。とりあえず入口通路両側の本を減らすのが目標。

こういう細かい本の移動作業は、一人で行うと果てしもないものになるが、複数人で力を合わせて行うと、意外なほど進展するものなのである。よし、三人力を合わせてエイエイオ〜!……だがその前に日下氏が「今日は先に放出する本を出してしまいます。こちらへどうぞ」となったので、三人でしずしず本邸書庫内に突入すると。最奥の一軍古本通路で「九鬼紫郎を全部出します。恐らくもう本を出すことはなく、必要としないので」と高らかに宣言される。小野氏と二人で「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」と驚愕しつつ、ミステリに強い古本屋さんにとって、いま最大に入手困難な九鬼紫郎が大量に仕入れ出来るのなら、これは願ってもない幸運!とクールに大喜びし、早速棚から四十冊弱を運び出す。それにしても日下氏は思い切ったものだと、蔵書整理への、本を減らすと言う大目標への、断固たる意志を感じた瞬間であった。そして小野氏は、興奮を押し隠しつつ、冷静に九鬼の査定を進める…その間にポツリと呟きが「間に合ったら今度の催事目録の目玉にするか…」…六月開催の「萬書百景」のことである。みなさま、刮目して目録の完成をお待ちください。ただしお店としては、この九鬼本や目録についての問い合わせには一切お答え出来ないとのこと。と言うわけで、本の商品化&目録作成に、集中させていただければ幸いです。
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写真は九鬼本を鷲掴んでドシドシ出す日下氏の図。

そんな大興奮の買取があった後、いよいよ作業開始。流し前を整理しつつ、納戸の受け入れ準備を整え、駅前寿司昼食に外出したついでに、和室&流し前&納戸から集めた同人誌をマンション書庫に運び入れ(これが意外に重労働。なんたって同人誌はある程度の数をまとめると、激しい重さを誇ってしまうのである…)、選別山の上に積み上げる。これで本邸に残る同人誌は。現在寝室として使用している元仕事部屋に残るものだけになったはず…。昼食を終えて本邸に戻った後は、廊下&和室の本の山に混ざりつつ積み上がる、コミック&文庫本を納戸に運び入れ、選別を経て容積少なく高く積み上げる作業にひたすら従事する。そして午後四時半に作業終了した時には、細かい作業の連続とは言え、やはり三人はすでに疲労困憊状態に陥ってるのであった…本の移動作業というものは、やはり何処まで行っても肉体労働なのである。
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和室の通路は本の山が低くなりスッキリ。
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納戸は資料棚へのアクセスを確保しつつ、次回作業に向けてスペースを拡大。

最後に本邸書庫&納戸壁棚から、もはや不要とされる大量の探偵小説系仙花紙本が放出され、小野氏は冷静を保ちつつ小興奮(ちなみにこちらについても、お問い合わせは不可とのことであります)。
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私も本日の作業の労いとして、九鬼本でダブっていた八千代書院「稲妻左近捕物帖/三上紫郎」の再版仙花紙本や、妙義出版スマイルブックス「怪談部屋/山田風太郎」(ちなみにこの本も、私に渡すために改めて安い「怪談部屋」を三冊ほど購入したとのこと。その常識外れの行動に『怪談部屋事件』と呼称しても良いのだが、もはや日下氏にとって、減少する重要な本の補填は日常茶飯事なのであって、もはや事件ではないのであった…あぁ、恐ろしい。ちなみに玄関山の中に、新たに二冊の「ヨーロッパ飛びある記/高木彬光」を発見したので「さらにダブってるじゃないですか!なんでまた買うんですか!」指摘したところ、「以前小山さんに差し上げちゃったんで、補充しておかないと」との返答であった…あぁ、やっぱり恐ろしい)。そんなこんなで恒例の焼肉夕食で打ち上げながら、来月も書庫整理に駆け付けることが決定する。次回予告、物置のアニメムック&雑誌整理(大量)の予定!お楽しみに!
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2024年01月17日

1/17古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十五章】

すでに昨日のことである。午前七時ちょい過ぎに、家の近所の交差点で“盛林堂・イレギュラーズ”となり、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏の駆る盛林堂号に拾われる(この文章、『盛林堂』って、たくさん…)。西荻窪の店舗を経由し、目指すは神奈川県某所にある日下三蔵氏邸である。この日は東京〜横浜辺りまで車が非常に多く、大都市部脱出にずいぶんと時間をかける。午前九時半に日下邸に到着し、玄関から出て来た晴れやかにニコヤカな日下氏と「今年もよろしくお願いします」と新年の挨拶を交わす。そして邸内に招き入れられ、書庫の中に進むと、いきなり日下氏に「小山さん、ありがとうございます」と言われる。へっ?私まだ何もしてないですが……。「いや、実は今回小山さんに風太郎の「妖異金瓶梅」を差し上げることになっていたじゃないですか。それでほら、このように補充したんですよ」「ええっ!またたくさん買ったんですか!?」「「妖異金瓶梅」と一緒についでだから「秘鈔金瓶梅」も注文したんですが」…こ、この人は何を言っているんだ…?「そうしたら「妖異金瓶梅」の二刷の存在が判明し、しかもその内の一冊には、登場人物紹介が印刷された元パラが付いていたんですよ。小山さんのおかげです」…と言うことであった。
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「それにしてもこんなに買うことないじゃないですか。しかも「妖異金瓶梅」、あちこち探せばまだ絶対出て来ますよ」「いや、一冊減るんだから補充はしておかないと。あ、おまけに「妖異金瓶梅」のラジオドラマ台本も見つけました。ありがとうございます。小山さんが「妖異金瓶梅」を欲しいって言わなかったら、検索なんてしなかったはずなんで」……これが『道化の方舟事件』(2023/09/06&10/18参照)に続く『妖異金瓶梅事件』である。やはりこの人はクレイジーだ………。そして本日の大事なミッションであるが、アパート書庫のほぼ撤収と、本邸書庫の第二第三通路解放と言うことに決まり、まずはアパート書庫に盛林堂号と日下号が連れ立って向かう。もうここに残っている本はだいぶ少ないのだが、これを『マンション書庫』『本邸』『処分』と選別し、まずはマンション書庫へ大移動させるのが午前中の作業となる。日下氏が選別した単行本・新書サイズ本・文庫本・コミックを、文庫本&新書サイズ本&コミックは袋に詰め、単行本は結束して運ぶことに。底冷えする寒さに三人震えながらも、一時間半で作業終了。
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ほぼこれでこの臨時書庫に本はなくなった。残りは日下氏がひとりでも運べる量を残し、ほぼ撤収完了。今月中には契約解除となるそうである。アパート書庫よ、今までたくさんの古本をプールしてくれていて、ありがとう!万感の思いを込めて別れを告げ、続いてそれらを車に満載しつつマンション書庫に向かい、前回アパートから移動させた本と選別中の本と棚入り待ちの本で、ちょっと以前のように現状細くなってしまっている“古本けもの道”を巧みに通過し(それでもすべての動線は塞がれる事無く確保されているのだ)、次々と激重な袋たちと結束本をひとまず運び入れて行く。
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ここで作業を一旦中断し、お寿司昼食を摂る為に駅前へ。午後はマンション書庫に戻って運び込んだ袋詰めの文庫&新書&コミックを取り出し、どうにか作ったスペースに積み上げて行く……これでマンション書庫の現状が見えた訳だが、やはり将来的にもっともっと本を減らさなければ、この書庫を完璧に稼働させるのは難しいだろう。後は日下氏の地道で思い切る選別作業と入れ替え作業が、大いに進展することを願うしかない。それにしてもこの津原やすみのティーンズ文庫ゾーン、全部帯が付いていて不思議なほどピンピン状態で、まるで本屋さんのようだ。
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その後は本邸に移動して、書庫の整理に突入する。第二第三通路奥に積み上がった文庫本や書類を運び出し、玄関にいる日下氏が選別。早めに必要な本と書庫居座り本とマンション書庫行きと処分本に分けて行く。おかげで書庫通路から玄関の日下氏がいるところまでは、文庫本トレインが連結し、選別を今か今かと待つ状態が続く…。
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これは二時間ほどで終了し、通路に戻す本・棚に入れる本・アパート書庫から持ち込んだ本を、空いた通路をキープしながら、積んだり棚に収めたりして行く。おっ、その過程で池袋「高野書店」の包装紙に包まれた本を発見。
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これはいいねぇ…などとやっていると、午後五時過ぎに無事に作業は終了。日下氏より本日の作業の労いとして事件の渦中の品である講談社「妖異金瓶梅/山田風太郎」(初版)を拝受されるが、実は他にもアパート書庫整理時にカバーナシで背が上下欠けの同光社「魔境原人/香山滋」をいただいていたのだが、それを見た小野氏が「風太郎に香山か…じゃあ今日は、後、高木彬光・島田一男・大坪砂男を付けてもらって“戦後五人男”(江戸川乱歩が探偵小説界の発展を願い、将来有望な作家を選んで命名)セットにしてもらえばいいじゃん」と笑いながら提案。と言うわけで厚かましくそれを日下氏にお願いすると「大坪が難しいなぁ…」と悩みつつも、残り三冊を捻出してくれた。岩谷選書「私刑/大坪砂男」春陽文庫「素浪人無惨帖/島田一男」ソノラマ文庫「白蝋の鬼/高木彬光」であった。急場凌ぎの日下三蔵セレクト戦後五人男セット、完成!ありがとうございます!
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しかしこの時、新たなる事件はすでに始まっていた……「小山さん、◯◯◯◯持ってますか?」「いや、持ってないですよ」「じゃあ次の作業時には、それを差し上げます」「本当ですか、ありがとうございます!」というようなやり取りがあったのだが、夜の打ち上げ焼肉パーティー時に「そう言えば小山さん、◯◯◯◯、もう三冊注文しておきました」「ええっ。また買ったんですか!だってすでにダブってたじゃないですか」「いや、やっぱり三冊は持っていないと…」「ダブってるのに三冊注文したら、五冊になっちゃうじゃないですか!」「ハハハハハハハハ」……次の事件に続く…。
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2023年12月30日

12/30元「港文堂書店」に招かれる。

午後三時に家を出て、横須賀の古本屋さん「港文堂書店」(2015/05/08参照)に向かう。実は「港文堂書店」さんは、昨年の店主の急逝により、惜しまれながら閉店してしまったのだが、娘さんが懸命に片付けた店舗部分で(神奈川古書組合の方々に手伝ってもらい、半年がかり…)、時折かつての常連客を招き、夜に『BOOK赤提灯』と称して、ささやかな飲み会を開いているのである。私も一応港文堂を愛していた端くれとして、この度ご招待に預かり、久々にお店に駆け付けることになったのである。と言うわけで阿佐ヶ谷駅に着いたら、何と中野駅で人身事故が発生し、電車を上下線とも運転中止中。そこで素早く丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅に向かい、新宿駅に到達後、山手線→裏路地の超特急京浜急行と乗り継いで午後五時過ぎに横須賀中央駅に到着する。駅近くの『諏訪神社』にお参りした後、近辺の古本屋さんの跡地を寂しく確認し、提灯が幻想的に輝く飲屋街『若松マーケット』をうっとりしながら通過。
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『国道16号』に出て、夜の元「港文堂書店」にたどり着く。一枚だけシャッターの開けられた引戸から中に入ると、すでに十人近くの人々が集まり、鍋や煮込みやお餅を饗する宴会の準備が進められていた。
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それにしても広い。骸骨のようになった造り付けの頑丈な本棚は多数残ったままだが、棚の本や通路に積み上がった未整理本&ダンボールの地層を片付けたら、こんなにも広い空間だったのかと、しばし感動する。そして奥の住居からたくさんの料理を運び出す娘さんに挨拶し、宴会はスタートする。皆はすでに何度も顔を合わせているようで、お話も弾みなごやかな雰囲気である。こちらは知り合いが娘さんしかいないので…と思っていたら、良くブログにコメントをいただく、横須賀方面の古本屋さんに詳しい常連客だったクルマノエホンさんが参加しており、「初めまして」とお互いに照れながら挨拶を交わしつつ、横須賀古本屋さん事情や港文堂の思い出や車関連古本についてや、横須賀に所縁ある佐藤さとるについて楽しくお話しする。そして娘さんとは残された番台の横で、昭和初期のお店の台帳を見せてもらったり、店主の懐かし恥ずかしアルバムを見せてもらったり、創業者の祖母の写真を見せてもらったり(貴重な古本屋店内の写真が眩しかった!)、お店を継がなかった苦悩と決心についてお話しする。残念ながらお店はなくなったけど、ここに古本を買いに来たことで、このような場に招かれたりお話し出来たりと、古本屋さんが紡いだ不思議な縁は人間の人生をクロスさせ、未来へと続いて行くのである。空になった天井までの本棚を見上げ、そんなことを思ったりする。
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そしてお店の片付け時に発掘された、以前使っていたオリジナル書皮を記念にいただく。左上に店名と住所が印刷され、濃緑で横須賀風景の版画が印刷されている逸品である。丘があり、水田があり、工場があり、線路があり、港がある、かつての横須賀の風景が活写されている。いったい誰の作品なのであろうか…。
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騒々しいのが気になるのか、足元を時々飼い猫のムギちゃんが駆け抜ける。またいずれ参加したい、楽しい元古本屋さん飲みであった。およそ二時間で「よいお年を」と挨拶しながら辞去し、夜になって冷え込んだ横須賀の街をトボトボ歩き、駅へと向かう。駅近くで、まだ『ヨコスカベーカリー』が営業中だったので、美味しそうなクッキー二種を購入し、京浜急行に乗り込んで帰路に着く。
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2023年12月13日

12/13古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十四章】

既に昨日のことである。午前七時に自宅近くで盛林堂号・イレギュラーズとなり、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏の操る盛林堂号に乗り込み、いざ西荻窪の店舗へ。早朝なのに年末と雨のためか、車がかなり多い印象である。そんなことを感じながら西荻窪に到着すると、店舗前に一人の男の影が……本の雑誌社のひとり炎の営業マンであり『本の雑誌スッキリ隊』(「本の雑誌」読者の蔵書を、古本屋+編集長&ひとり営業のチーム“本の雑誌スッキリ隊”が片付けに参上!)としても活躍中の、杉江氏である。この日のお仕事先である、日下三蔵氏邸書庫の偵察&取材&労働を兼ねての、“盛林堂・イレギュラーズ2号”として同行するのであった。早速関東某所に向けて出発し、車内では主に日下邸の現在の様子とスッキリ隊の活動内容を情報交換。杉江氏は、古本屋作法に対し絶大な厳しさをもつ「立石書店」岡島氏の直弟子と言っても過言ではなく、本の縛りを褒められる域まで達しているそうである…運ぶ専門の私とは大違いの成長っぷりである。もしかしたらそのうち古本屋さんに…などと考えていたら午前九時半に現地着。すでに道路に出迎えに出ていた日下氏を発見し、ご挨拶する。そしてまずは杉江氏に本邸書庫の現状を見ていただく。杉江氏がここを訪れるのは実に九年ぶりなのである(2014/12/10参照)。当時の記事をご覧いただければわかる通り、かつて杉江氏が体感したのは正真正銘日本有数の本の“魔窟”だったのである。だから玄関を入った瞬間、「あぁっ!通れる!トイレに入れる!」。書庫をに入り「ウワァースゴい!ウワァースゴいスゴい!ウワァースゴい!」と各通路に入る度に連発し、「棚が見られる!何処に何が入っているかわかる!」と驚きまくる。
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それを見て、日下三蔵氏は「昔と全然違うでしょ」と高笑い。さらに屋外の物置も見学した後、和室の仕事部屋に向かい、ここの状況も説明。その際小野氏が日下氏に、「いつも本を買っていただいているお礼です」と一冊の異様な本を差し出す。一見すると都筑道夫訳(名義は伊藤照夫)のジュニアミステリ「銀のたばこケースの謎」なのだが、カバーに違和感があり(実は手描きイラスト)、中を開くとこれがコピー製本なのであるが、見返しには都筑道夫の署名がしっかりと入っている。実はこの本、都筑道夫を敬愛する推理作家の故・掘燐太郎氏が手作りした私家本なのである。一目見た瞬間日下氏は「あぁ、これ、新評社「都筑道夫の世界」に公式本として載っているヤツですね」と喝破する(「都筑道夫の世界」の著作リストでは、この本の写真がカバーとして掲げられているのである。それに対する説明は一切なく、ただ面白いからとの理由でそうなったとのことである)。そして「いやぁ、これは嬉しいなぁ」と喜び、早速収めるべき場所を考えている模様。
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そんなことがあって、いよいよ本日の作業を開始する。臨時アパート書庫撤収を完全に視野に入れ、残るブツを出来るだけマンション書庫に運び込むのがメインのミッションである。と言うわけで、盛堂号&日下号二台で出動し、まずはVHS&コミックを搬出する。小野氏がコミック山を結束し、私がCD山を移動させ、それを日下氏が箱詰めし、さらにそれを杉江氏が玄関に積み上げて行く…おぉ、四人いると、すごく作業が早いぞ!ちなみに杉江氏はやはり数々の現場で鍛えられているだけあって、無駄な動きがなく、先のことを考え細かく行動している…完全に古本屋さんの動きである。
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たちまち作業は終了し、バンバン二台に積み込んでマンション書庫へ移動。まずは杉江氏に現状を見てもらうと、本邸同様に「ウワァースゴい!」を連発し、各部屋を移動、それを見て再び日下氏が高笑い。一通り見終わった後に「いったいあれだけあった本は、何処に行ったんですか!」と杉江氏が絶叫する。…九年かけての整理の間をすっ飛ばしたら、それはそう思いますな……。持ってきたCDは玄関に積み上げ、コミックは和室の仕分け軍艦と合体させ、ここでひとまず午前中の作業を終え、ちょっと早いが駅前に出てお寿司昼食を摂る。午後は再びアパートに向かい、ゲームや仕分けした本を百円バッグに詰め、これも再びマンション書庫へ。
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さらに大判や雑誌など、もうちょっとあれもこれも持って行きましょうと、もう一度同様の行動を繰り返すと、杉江氏が「ここ来るの何回目でしたっけ?脳がバグって来ました」と繰り返されえる移動と細かい本の移動に、普段の買取との違いを感じ取って混乱模様である。いや、正しい反応です。これは小さな引っ越しを、三つの書庫やそれぞれの書庫内で繰り返す整理作業ですからね。そしてマンション書庫で、VHSの山を台所に移動させたり、CD山の上澄みを選別したりして、本邸書庫に戻る。そこでは日下氏がダブり本や買取本を捻出している間に、小野氏が杉江氏にミステリ高価本の実物を介してのレクチャーを開始(本のスッキリ隊でそんな本を見つけたら連絡を!)、私はマンション書庫から持ち帰ったサンリオSF文庫のダブり本同定作業に勤しむ(たくさんありましたよ…)。
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そんな感じで午後五時には作業終了となる。本日も大変にお疲れさまでした。アパートはすっかり片付いて来ているので、あとほんのひと頑張りすれば撤収完了するであろう。私の本日の労い古本は、講談社「秘鈔金瓶梅/山田風太郎」である。CD選別をしている時に、棚の最下段で発見し、その時は「日下さん、この「妖異金瓶梅」いただいていいですか」と聞くと、掲げた本を見て、「いいですけど、それ「秘鈔金瓶梅」ですよ、続きですよ」と言われたので、改めてカバーを見ると、あぁっ!「妖異金瓶梅」じゃない!と落胆。だがもちろんいただくことにして、さらに日下氏に「では次回「妖異金瓶梅」を是非…」とお願いしておく。妖異が手に入るまで、秘鈔を読む訳にはいかないな……。夜は四人で焼肉打ち上げ。延々ミステリとアニメについて、日下氏と小野氏からレクチャーを施される、杉江氏であった。
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2023年12月05日

12/5黒柴のヒメちゃん。

午前十一時に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に参上し、盛林堂・イレギュラーズとなり、店主・小野氏と盛林号に乗り込み、関東某所のアンソロジスト・細谷正充氏邸に向けて出発する。定期的に行っている、ダブり本&不要本の引き取りが主なミッションである。およそ二時間弱かけて現地に到着し、細谷氏に挨拶する前に、まずはガレージに生息する黒柴のヒメちゃんに挨拶する。最初はワンワン吠えるのだが、近付き撫でまくると、たちまちメロメロに。もちろんこちらもメロメロなのである。本当にこの娘は可愛いのぉ。
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たっぷりと満足行くまでスキンシップしてから、ようやく玄関のチャイムを押して細谷氏と対面しご挨拶。早速仕事に取りかかる。素早く小野氏と的確に動き回り、およそ二時間で六十本強の本束と、五箱の段ボールを盛林堂号に積み込み完了す。これだけの量の本をSUVに収められたのは、パズルを解くように巧みな組み合わせを見極め収納した、小野氏の手腕の為せる技である(でもギュウギュウ…)。
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最後にヒメちゃんに挨拶しようとガレージに赴き、全身全霊を懸けて撫でまくっていると、そこに小野氏と細谷氏も姿を見せ、ヒメちゃん大興奮!だが程なくして帰投する時間となり、「もうゴールデンタイムは終りだよ」の細谷氏のヒメちゃんに向けた無情な一言により、涙のお別れを迎える。復路は意外に道が空いており、一時間半で西荻窪に帰り着く。お店に一気呵成に本を下ろし、任務完了。ゼエゼエ、本日もお疲れさまでした。と言うわけで古本はたっぷりとこの手で運んだのだが、まだ自分の古本は買っていないので、小野氏におススメの一冊を出してもらう。大都書房「地球の屋根/大下宇陀兒」である。昭和十八年刊なら大好物です!と少し傷みがあって、特別店員価格の四千円ということなので、即座に購入する。
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装幀の林唯一のお仕事がプリティな一冊!
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2023年11月15日

11/15古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十三章】

すでに昨日のことである。気温八度の午前七時に、自宅近くで盛林堂・イレギュラーズとなり、目の前に停まった小野氏の操る盛林堂号に乗り込む。西荻窪の店舗を経由して、関東某所の日下三蔵氏邸書庫片付けお手伝いに出発するが、この日の都内渋滞は甚だしく、都内を抜けてもまだしばらく快調には走れぬ状況が続いた。だが結局普段より二十分程度の遅れで現地に到着する。玄関に現れた日下氏と、たまたまそこに姿を見せた日下氏の家族と、お正月のような丁寧な挨拶を交わし、仕事部屋に入って本日の作業ブリーフィング。まず午前中はマンション書庫に移動し、新たなカラーボックスを組み立て、それらを配置。午後は臨時アパート書庫に移動し仕分け整理、という流れに決まる。と言うわけで早速マンション書庫に移動し、まずは現状を検分。前回カラーボックスを大増設したことで、床が見えている面積が増え、今もそれはキープされている。そして何処にどんなものがあるか、かなり的確に把握出来る状態である…それにしても和室に積み上げた仕分け後コミックの物量がすごいことになっている。まるで取次業者の倉庫のような光景…。
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そして小野氏がいつものようにカラーボックスを組み立てるので、まずは私が奥のCD部屋から、材料八本分をリビングに運び込む。するとたちまち棚の谷間に、木工作業所のような光景が出現…色々な面を見せてくれるマンション書庫なのである。
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小野氏がCB組み立てマシーンと化している間、私と日下氏はリビング右奥の棚前の文庫山&コミック山を移動させ、台所際のスペースに移動させたり、棚に収めたりして行く。
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その間に組み立て完了したボックスを中央棚の上段隙間から受け取り、台所やボックス上部に設置して行く。およそ二時間弱で作業完了。これでだいたいの場所にカラーボックスが設置され、最終形態に近付いたことになる。後は設置出来るのは、廊下の雑誌崖を退かした所と、洗面所の一部くらいであろうか。駅前に出て毎度お楽しみの美味しい寿司昼食を摂り、午後は予定通りにアパート書庫へ。こちらもだいぶ片付いてきているのだが、最後の難関と思える単行本山の切り崩しに取りかかる。「ここはだいぶ良いものが入ってるはずですよ」の日下さんの言葉に、ダブり本を追い求める小野氏の目がギラギラと輝き始める。
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と言うわけで小野氏が山を切り崩しつつそれらを大まかに仕分けし、それを私が台所に控える日下氏の前に積み上げ、氏が本低行き・マンション書庫行き・処分本とさらに仕分けて行く…だが、元々が書庫にキープするものとしてまとめてあったためか、百冊仕分けても処分本は二〜三冊ペースでしか出て来ない…まぁ日下氏の選球眼がブレていない証拠であるが、もう少し捻出しないとこの量はさすがに……なんてことを思いながらも作業は粛々と進む。途中、講談社「青春推理 ライダーは闇に消えた/皆川博子」がダブりで出てきたが「それ、本邸にも完全にあります」ということなのでトリプりが決定的に。こちらに一冊回って来るのも決定的になったので、心の中でニンやりとほくそ笑む。
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そんな風に午後四時過ぎまで作業し、そろそろ引き上げようかと、最後の現状チェックを日下氏がしていたところ「ん?このダンボールはなんでしょうな?」と今まで小野氏が仕分けの台として使っていた謎の箱に目を留める。それを徐に開いてみると、出てきた出てきた。大藪春彦「火制地帯」楠田匡介「地獄の同伴者」謎の探偵小説仙花紙本などなど、カロリー高めな古本が詰められていたのだった…最後の最後にやってくれるな、日下三蔵。中でも永瀬三吾譯の「女の一生/モーパッサン」には「こんな本がっ!」と一同苦笑する。
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続いて本邸に戻り、ダブリ本の同定作業に入る。階段に背を上にしてズラリと並べ。書庫に同じ本があるかどうか、あったらカバー周りや奥付を丁寧に確認。その過程で生じた、トリプり本をじわじわ拝受される。
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やはり嬉しいのは「ライダーは闇に消えた」と、存在さえ知らなかったブロンズ社の真崎守選集13「環妖の系譜」。「目次を見てください」と言われたところ、『炎の軌跡(原作・横溝正史』『巡礼萬華鏡(原作・江戸川乱歩)』『初夏のカルテ(原作・山田風太郎)』が収録されているのを知る。
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本日も大変お疲れさまでした。まだ後一回今年中に作業に訪れる予定だが、いよいよアパート撤収のカウントダウンが開始される予定。次回もがんばります!
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2023年10月18日

10/18古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十二章】

すでに昨日のことである。午前七時過ぎに西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照。昨日日除けテントが新しく青くなりました)に姿を現わし、盛林堂・イレギュラーズとなる。店裏で店主・小野氏と合流し、盛林堂号が軽度の不具合を起こしたため、代車のN-BOX(軽自動車)に乗車し、月に一度のレギュラー仕事、関東某所の日下三蔵氏邸を目指す。N-BOXは乗り心地も良くシステムも至れり尽くせりで、軽の高級車と言った感じである…ホント、日本独特の奇妙な車……。午前九時半に現地に到着し、玄関から出てきた原稿書きで多少寝不足の日下三蔵氏と挨拶を交わす。ご病気が快癒されたばかりなので、あまり無理はさせられないと思いつつ玄関に入ると、いきなり目の前の本の山の上方に、先日の『「道化の方舟」事件』(2023/09/06参照)の行く末を発見!三冊の東都書房「道化の方舟/山田風太郎」が積み重なっていたのである。
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驚きながらもしっかりと、後で一冊拝受する約束を交わす。そしてすぐさま日下号と連れ立ってマンション書庫へ。本日のミッションはいたってシンプルで、十六本のカラーボックスを組み立て、それを設置し、そこに選別を終えた翻訳系文庫本を収めるというもの。マンションに到着すると、まずは日下号から本の少なくなりつつあるアパート書庫から運び出し、すでに積み込んであったカラーボックス二本を運び込み、設置する。場所は和室とリビングの間である。ところが本の山に阻まれ、これが全然入らない…小野氏と日下氏が駐車場に車を停めに行く間、単独で大きな本の山を辛抱強く移動させてスペースを作る。おぉ、嵌った!
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これでまた、この家の収納力がアップしたわけだ…などと悦に入っていると、お二人が帰還。ここから日下氏と私が大量の文庫本の選別と収納、小野氏はひたすらカラーボックスを組み立てて行くことに。だがまずは、カラーボックスを組み立てるための充分な場所を確保するために、創元推理文庫とハヤカワ文庫以外の文庫本を、出版社別や重要な作家別に分けて行くことにする。三人揃ってワチャワチャワチャワチャ。
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その後、こちらはそれらを先ほど設置した新棚に、日下氏の理想通りに収めた後(これが意外と時間がかかるのだ…)、第一の難関、創元推理文庫の選別に着手する…まずはミステリー部門。
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それはまるで文庫本で行う神経衰弱の如しである。その間、小野氏は電気ドリルを存分に振るい、鬼神の如く組み立てて行く(時々間違って悲鳴を上げるが…)。
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半分ほど作業を進めたところで、いつものお寿司昼食のために駅前に出ある。座敷席に通され、お寿司を頬張りながら三人で話している時に、小野氏がある疑問を口にした「いったいあの家、カラーボックスが幾つあるんでしょうね?」すると日下氏が「和室だけで四十ありますからね」「ええっ!あそこに四十!?」ということは百六十本くらいだろうか?…あっ!風呂場にも入ってるんだっけ…するとやっぱり二百本近くあるのでは…というわけで、三人が三人ともそれが気になってしょうがなくなったので、早々に食事を終えてマンション書庫に舞い戻る。そしてカラーボックスを一本一本数えて行ってみると、今日中にこれから組み立てるものも含めて、な何と二百三十本!一本千五百円くらいなので、今までに投資した額三十四万円ほど!カ、カラーボックス屋敷!と一同驚愕する。そんなことがありながら、やがてハヤカワ文庫の選別も終え、カラーボックスも組み立て終わったので、それらをリビングに設置してみると、おぉ、なんだかすごい景色が出現した。
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ここに本を並べて行けば、各所に積み上がった本が姿を消し、そこに新たにアパート書庫に対比させている本を運び込むことが出来るのだ。ようやく、ようやくアパート書庫撤収の光が見えてきたのである!素晴らしい、ついにここまで漕ぎつけだぞ!と一同感動する。そして本日の作業は、選別文庫本を次々新棚に収めたところで終了。あるひとつの達成感を抱えて本邸に戻り、労いとして約束の「道化の方舟」をいただく。また、文庫選別途中に発掘されたハヤカワ文庫の今日泊亜蘭セット(ダブりトリプりお手のもの!の恐ろしい状態であった)もいただき、大いに喜ぶ。その後は焼肉番ご飯を経て、午後九時五十分に西荻窪に帰り着く。本日も大変お疲れさまでした。
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2023年09月06日

9/6古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十一章】

すでに昨日のことである。午前七時に近所の交差点で、盛林堂号を駆る「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と待ち合わせし、店舗を経由して盛林堂・イレギュラーズに変身し、関東某所へと向かう。日下三蔵氏邸の書庫御用お片づけなのだが、実は日下氏が七月に急病で入院されため、実に二ヶ月弱ぶりの訪問になるわけである。片付けに向かうということは、日下氏は退院快癒しているわけだが、詳しい闘病の顛末については、今月発売の「本の雑誌」連載『断捨離血風録』をご覧いただければまるわかりである(ちなみに先月は病気のため休載となっていた)。都内の渋滞をどうにか潜り抜け、朝マックで休憩&栄養補給した後、午前九時半過ぎに現場到着。玄関からスポーティーなスタイルで現れた日下氏は、いたってお元気そうである。快癒祝いに山田風太郎『おんな牢秘抄』連載が載っている双葉社「週刊実話」を一冊プレゼントする。邸内に招かれると、整理は地道に進んでおり、仕事部屋も新たな仕事の資料で賑やかな状態である。だが快癒したとは言え、無理は禁物なので、なるべくスローにマイペースに作業は進めなければならない。そんな本日のミッションは、マンション書庫に移動し、すでに大量購入してあるカラーボックスを組み立て、それを壁際棚の上部に設置した後、そこに仕分け済みの同人誌を詰め込んで行くというものであった。と言うわけで、三人でマンション書庫に移動すると、廊下にCDを満載した金属フレーム棚が鎮座していたり、数個のカラーボックスが新たに設置さえていたり(これは妹さんが組み立てたとのこと)と、こちらも少しではあるが、整理前進を見せていた。
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そして作業は、小野氏がひたすらカラーボックスを電気ドライバーで組み立て、私は棚上の物を下ろし、そこにカラーボックスを上げ、さらに日下氏から手渡される同人誌を放り込んで行く、という布陣で進めて行くことになった。今日はほぼひたすらこの単純とも言える作業に徹し、お昼休憩を挟み、時に棚目前の本の山や物体を移動する小作業を挟みながら、午後五時まで継続。
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和室のまるで資材置き場のようなカラーボックスの部品の山…。

とにかく高所に重いものを上げ下ろしするのは、大変に体力を消耗するものだ。上に載っている本も箱も紙袋も重い、カラーボックスも重い、同人誌も重い…。
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下ろします…。

そしてその同人誌は、日下氏の指示により、なるべく量を詰めるために、まずは縦にして同人誌を積み重ね、それが同人誌横幅の高さに達したら、脇の開いている部分に背を下にして詰める。続いて横積みと背下の同人誌の上にさらに横積みし、開いた脇にこちらも背を下にして同人誌を詰め込む。そしてさらにカラーボックスの上にも天井まで同人誌を積んで行く…ぐぁぁぁぁ、疲れたぁ。
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ぎっしりみっしり…。

小野氏もカラーボックス十八基を、最後は集中力を欠きながらも組み立て終わり、奇妙な達成感に陶然としている。
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そんな小野氏は、買取品に物凄い本を出され大満足の態だが、日下氏は「今日は小山さんに渡すものがなんにもないなぁ…」と不安なことを呟いている。こういう時は、自分から提案作戦だ!と厚かましく意を決して、アパート臨時書庫にダブっているはずの、山田風太郎「道化の方舟」を所望する。「じゃあアパートに寄って、ピックアップしてから本邸に行きましょう」ということになり、午後六時に本邸に到着する。小野氏が買い取り本の査定を進めている間に、日下氏と本邸書庫の山田風太郎ゾーンで「道化の方舟」を確認する……だが、ないっ!なんと「道化の方舟」がないのだ!「おかしいなぁ。そんなhずないんだけどなぁ」と訝しがる日下氏に、マンション書庫に数冊の「道化の方舟」があるはずですと教えたので、労い焼肉を食べに行く前に、再びマンション書庫に舞い戻ることにする。だがそのマンション書庫では、すでに色々整理を進めていたあために、絶対にあるはずの「道化の方舟」が行方不明になっていたのであった…噫々。仕方ないので「道化の方舟」は次回見つかった時に…ということにして、代わりにCD部屋の奥に転がっている貸本仕様の本を何冊かいただくことにする。ムリヤリ函に仕立て上げられた光書房「犯罪の場/飛鳥高」他に大下宇陀児・柴田錬三郎・海野十三・角田喜久雄などの少年探偵小説を。ありがとうございます!
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ちなみに右端の講談社の少女漫画「マグノリアの天使/菅沼美子」は、なんと藤木靖子原作のミステリーなのである。

ところが労いの品も受け取ったので、晴れて焼肉屋に移動中の車内で、後部座席の日下氏が異様にダンマリを決め込んでいるのである。どうしたのだろう?と不審に思っていると、焼肉屋の駐車場に車が滑り込んだ時に、「よし、これで次回「道化の方舟」は小山さんのものですよ」と妙なことを口走った。「え?何言ってんですか?どうしたんですか」「今、注文しました。『日本の古本屋』で「道化の方舟」」「ええっ!?買ったんですか?だって絶対にマンションから出て来ますよ」「いや、いいんですよ。安いのを順に買いましたから。三冊」「ええええっ!?何してんですか?三冊も買う必要ないじゃないですか」「いや、風太郎研究家として、「道化の方舟」が一冊だけなんてありえません」「…も、もしや、見つからなかったのが悔しかったんですか?」「そうです。風太郎研究家としてありえないですよ。ハハハハハ」「…ク、クレイジー………。あぁ、今、日下さんの蔵書がなんであんなに増えて行くのか、その現場を目の当たりにしましたよ。クレイジーですよ、暴挙ですよ!」…というわけで、無事に次回「道化の方舟」が手に入ることになりました。ウフフフフ……。
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2023年06月14日

6/14古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第三十章】

すでに昨日のことである。順調に進行しつつある、日下三蔵氏邸書庫片付け計画遂行のため、午前七時に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏のの操る盛林堂号に拾われ、西荻窪のお店を経由してから、関東某所の現場に向かう。途中のマック休憩を挟みつつも、午前九時半には日下邸に到着。ガレージでスクーターの手入れをしていた父君にご挨拶し、その父君が玄関から中に声を掛けると、日下氏が元気に笑顔で登場した。「今日もよろしくお願いします」と邸内に招き入れられるが、一番最初に見せられたのは、日下氏がマンション書庫から引き上げたポケミスと、本邸書庫のポケミスを照らし合わせた結果、堂々誕生してしまった大量のダブりトリプりであった…これ、二百冊以上あるよ……あえて言
わせてもらいます。こんなバカな!こんなのバカだァ〜〜〜〜〜〜!
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そしてこの時点で、本日のお土産はポケミスにほぼ決定した感がある…。次に使用頻度の低いミステリ&SF雑誌をまとめた物置を見せてもらい、着々と進む作業に大いに感心する。その後、和室に入って本日の作戦会議…と思ったら、別件の編集会議が始まってしまった。色々な本が様々に進行する模様です。
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そんな事務作業を乗り越えて、ようやく本日の肉体労働を開始する。午前中は、裏の物置からおよそダンボール三十箱の文庫&新書を運び出し、マンション書庫に移送の後、選別収納作業を行うことにする。そこで日下氏が物置から取り出したダンボールを表のガレージまで運び、盛林堂号に収納して行く…家の周り、夏草が繁茂し始めています。
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そして陽が照り始めると気温が急上昇し、そろそろ屋外の長時間作業はキツくなり始める季節に入っているのを実感する。およそ一時間弱で積み込みは終了し、いざマンション書庫へ。さてではダンボールを…と準備していると、そこにマンションの管理人さんが登場。実は近日中にマンション内のインターフォンを取り替え工事を行わなければならないので、その日時の相談に来たのである。ということは、工事の人たちがスムーズに作業出来るよう、場所を確保しなければならないことが判明。少し計画を変更し、ダンボールを運び込んだ後、選別作業を進めつつも、室内のインターフォンのある場所に、現在大量に押し込み積み上げてあるVHSテープを移動させねばならなくなった。日下氏と小野氏が文庫の整理を進める間、私がVHSをガシガシ取り出していくことになる。ボロボロと劣化しつつあるプラケースと格闘しながら素早く下ろし、空いているフロアに固めて積み上げて行く。その途中、葉書や名刺の束が発掘されたので、すべてひとまとめにして乱雑に移動させようとすると、偶々傍にいた日下氏の目がキラリと輝き「それなんですか?怪しいな?」とセロハン袋内のクリアケースに挟まった薄い紙物を抜き出した。ぎゃあっ!「Ω(おめが)」だっ!
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渡辺啓助や今日泊亜蘭が作ったSF同人クラブの、わら半紙ガリ版刷りの会報である。こんなに整理が進んでいるのに、まだ変なところからおかしなものが出て来るのか、日下三蔵邸は!と改めて戦きながらも作業を進め、段々とインターホンも露出して来た。
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そして無事に作業スペースを確保し、お寿司昼食休憩のターンに入る。午後はひたすら文庫仕分け&移動&収納の作業に集中する。ラノベ・アンソロジー・翻訳・重鎮探偵推理小説と、地味に詳細に文庫を触りまくる。
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午後五時過ぎには作業終了し、本邸に戻って小野氏はポケミス査定の作業に入る。
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その合間に「これ読んでる?これ面白いよ!これはトリプッてる」などと、こちらに分け前のポケミスを次々と手渡してくれた。嬉しかったのはこのあたり。
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講談社文庫「グルーバー 殺しの名曲5連発/各務三郎編・訳」は番町書房「探偵人間百科事典/フランク・グルーバー」を改題・文庫化したものである。そして夜のお疲れさま焼肉を貪り食べている時に、ひとつの私にとっては快挙に等しいことがあった。話の流れで久生十蘭について色々意見を交わしていた時に、「古い角川文庫も十蘭を一冊出してましたよね。ほら、裸本に帯を巻く時代の…「母子像・鈴木主水」でしたっけ」と言うと、日下氏が「なにそれ、そんなのあるの?」と、なんと氏にとっては未知の文庫本であることが判明したのである。博覧強記の日下氏に教えることが出来たのは感動でした。氏は早速その場で検索をかけ、ヒットした最安値の「母子像・鈴木主水」を速攻購入したのであります…。
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2023年05月10日

5/10古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二十九章】

すでに昨日のことである。いつもよりちょっと早い午前七時前に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と家の近くで合流し、盛林堂号にて西荻窪のお店を経由して、日下三蔵氏邸の片付け…いや、もはや現在は片付けと言うよりは、書庫能力アップ作業と言った方が正確だろうか…そんなことを考えながら、盛林堂・イレギュラーズとして神奈川県某所に二時間弱でたどり着く。本邸玄関でにこやかに出迎えた日下三蔵氏と挨拶を交わし、まずは作業の進捗状況を見せてもら。大きな動きは、納戸の空いたスペースに新たにカラーボックスが入り、書庫の左壁棚に詰まっていたVHSビデオがキレイさっぱり取り出されていたことである。
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これは納戸新カラーボックスにすでに文庫を収め始め、ご満悦の日下氏。

そこで本日のミッションは、マンション書庫・CD部屋奥の翻訳本をすべて運び出し、本邸の空いた棚に移植するというものであることが告げられる。早速盛林堂号&日下号でマンションに急行し、まずは日下号の後部座席に満載だった、必要VHS袋を下ろして運び込む。VHSを取り出し台所に積み上げた後、それらの袋と持参した袋を再利用し、翻訳本を詰め込み(短距離の移動なので、結束&箱詰めよりは楽&時間節約との判断である)、移動させるのである。私が棚から翻訳本を次々掴み出し、それを小野氏が袋に詰めて行く。
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翻訳本の総量は、天井までの棚一面(本は二重に収まっている)と、その前に積まれた山々なので、やはり結構な量で、およそ二時間かけて袋詰めが完了する。それらを今度は車まで運ばねばならぬのだが、これが重い重い…ひとつに単行本が三十〜四十冊入っているので、両手で一つ持つのが精一杯。そんなものをおよそ三十袋運び出したら、腕の筋肉がたちまちパンパンになり、急速に体力を使い果たしてしまう…。
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すでに時刻は正午過ぎとなったので、車に本を満載したまま駅前に出て、お寿司昼食。午後の本邸運び込みに備え、エネルギー補充と休息を同時に行う。満腹後の本邸では、盛林堂号を玄関ギリギリまで横付けし、本袋を次々運び上げて行く。運び上げたそばから、小野氏が袋から本を取り出しつつレーベル選別を行い、日下氏がそれを所定の場所に収めて行く流れをとる。ちなみにそのニュー翻訳本棚の脇にはダブり本プール棚が存在し、現在は都筑道夫&山田風太郎がギッシリ…わかってはいたが、やはり常軌を逸した光景である…。
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そんなこんなで三十の砂袋みたいな重さのものを運び上げたので、またもや体力は簡単に消失…しばらく本邸廊下で、休息を貪ることにする…ハァハァハァハァ……。
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だが容赦なく作業は舞い込み、百冊以上の論創ミステリ番号揃えを廊下で行う羽目に…うぉぉぉ、見にくいナンバーに頭の線が切れそうだぁ…。途中小野氏に呼ばれ、非常に珍しい本だと東都書房「まだ殺されたことのない君たち/B・マスロフスキー 木々高太郎・槇悠人 共訳」を見せてもらう。
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う〜む、全然知らない本だ。頭の中にインプットしておこう。さらにちょっとした息抜きの間に、スべントンシリーズが仕事部屋の棚にまとめられているのを発見。あぁ!シリーズ物だけじゃなくて、この前偶然手に入れた「迷探偵スベントン登場」(2023/05/06参照)もちゃんと帯付きで並んでいるじゃないか!…やはり恐るべきは日下三蔵なのである…。
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というわけで午後五時過ぎには無事に作業終了。翻訳本棚の移植が見事成功したわけである。ふぅぅぅぅぅ、本日も大変おつかれさまでした。次回はポケミスも運び、ダブり本のチェックをしないといけませんな…恐らく驚くほどダブりが産出されるのだろうな……。
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さて、恒例のハードワーク労い古本の授与であるが、今回特に嬉しかったのはこの二冊。ハイコミックス「闇に笑う男/原作・島田一男 脚色・岩井しげお」(ちなみにこの本は三冊トリプっていたのだが、実は一冊だけは三方を断裁したリサイズ本であった。本来ならこれは異装本として手元に置いておくはずなのだが、日下氏が「これは一冊あれば…」と分けてくれたのであった)文華新書「ぼくのヨーロッパ飛びある記 忍法・山田風太郎さんと二人三脚で/高木彬光」であるが、さらに日下氏の父上から「いつも大変お世話になっています」と東欧産の白ワインもいただく。ありがとうございます!これからも日下邸書庫能力アップ作業、がんばります!
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2023年04月12日

4/12古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二十八章】

すでに昨日のことである。午前七時前に盛林堂・イレギュラーズとなり、家の近くで盛林堂号を駆る「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にピックアップしてもらい、西荻窪のお店を経由して、神奈川某所にある日下三蔵氏邸を目指す。いつもより少し早いせいか、都内の移動もわりとースムーズに行き、午前九時値には現地到着出来たので、マックでエネルギーを補充した後、日下邸へ。玄関先で出迎えてくれた日下氏は「今日もよろしくお願いします。これから暑くなるそうなので、羽織るパーカーを薄手にしてみました」と挨拶。そして仕事場の和室に招かれ、仕事用の本たちがいつの間にか存在感をましてしまったのを気に掛けながら、座るところがないので、三人で立ったまま本日の作業内容を確認する。本日のミッションは、本邸納戸部屋にある文庫本と、アパート臨時書庫にある文庫本を運び出し、マンション書庫に集約させるとともに、マンション書庫のハヤカワSFシリーズを順番通りに揃えダブりをチェックするということに決まる。というわけでまずは納戸にある文庫本の運び出しに取りかかる。
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すでに箱詰めされているものもあるが、そうでないものは新たに箱詰めし、盛林堂号に積載して行く。納戸がスッキリしたところで、盛林堂号と日下号が連れ立って発進し、本邸近くのアパート書庫へ。ここでもすでに紙袋詰めして準備されていた文庫本をエッチラオッチラ運び出す。隣りの庭にいる犬が、運び出しを繰り返す三人を怪しみ、ギャンギャンと吠え続ける…まるで『文庫本をそんなに運び出すなぁ』と叫んでいるよう。そしてたちまち盛林堂号が異様な光景に…まるで取っ手の海である…。
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続いて向かったマンション書庫では、まずは荷物を空いている場所に運び入れ、ハヤカワSFシリーズの整理分類に取りかかる。百番台二百番台三百番台と分けて行き、順番通りに揃える。その後ダブり本をチェックして行く…主に小野氏と日下氏が手早く進めているのだが、物凄くめんどくさい作業である。うわっ、「十三階の女」の箱入り発見!
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そしてダブりトリプりが当然のように発見され、山を作って行く…良く考えたら、本邸書庫にもハヤカワ銀背はあるんだよね。そっちと合わせたら、いったいどんなことになってしまうのか(日下氏は「本邸にあるのは三〜四十冊でしょ。大したことにはならないですよ」と宣うが、ことダブり本に関しては、この人は信用ならないのだ…)。整理を無事に終え、玄関の棚に気持ちよく順番通りに並べたところで、駅前に出て、いつでも美味しい寿司昼食を摂る。帰りに日下氏は、移動販売のたこ焼きを購入。夜食にするそうである。
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その帰り、マンション書庫近くの駐車場に向かったところで、日下号に文庫袋が数袋残っているのに気付いたため、三人で日下号に乗って書庫に向かうことにする。実は小野氏も私も日下号に乗るのは初めてである。何故なら何時だって、何かを詰め込んだ紙袋が大量に積載されていたから…。
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そんな珍しい体験をしてマンション書庫に戻り、いよいよ文庫本を荷下ろし、それを多少分類しながら、リビングの奥に積み重ねて行く。書庫内各所に分散させていた文庫箱&袋を私がリビングに持ち込み、それを日下氏が取り出し分類し、小野氏ががっちりと積み上げて行くフォーメーションである。
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これを午後四時前まで懸命に進めると、神をも恐れぬ高い高い文庫本壁が、隅に屹立していた…高い、高過ぎる。下層に角川文庫「冬の神話/小林信彦」(帯付)が見えているのがなかなか切ない…。
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そして最後に、もう一度アパート書庫に向かい、再び残っている文庫本を紙袋に詰め、運び出すことにする。するとおぉ!アパート臨時書庫が、片付けの進展を祝福するかのように広々とし、畳の上に敷かれたブルーシートが青々と輝くのであった。いよいよアパート書庫引き上げまで、後もう一息に迫った感じである。
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そんな本日のお土産は、トリプったハヤカワSFシリーズと、横須賀銘菓の『黒かりん』というかりんとうまんじゅうであった。あまりにも多い銀背は小野氏に結束してもらい、千鳥足の酔っぱらいのお土産折り詰めみたいにして、ブラブラと家に持ち帰る。エイヴラム・メリット「イシュタルの船」エドモンド・ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」が嬉しいです。
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2023年04月05日

4/5イレギュラーズで犬猫と思う存分戯れる。

本日は午前十一時過ぎに西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に参上し、たちまち盛林堂・イレギュラーズとなって、店主・小野氏とともに北関東にある、名アンソロジスト細谷正充氏邸に急行する。最近余りにも本が増え過ぎたので、ちょっとさすがに二十万冊から少し減らしたいと、緊急連絡が入ったのである。と言うわけで盛林堂号に乗り込み、車内でおにぎりをパクついて昼食を済ませ、午後一時前に現地に到着する。まずは細谷氏に挨拶する前に、ガレージで飼われている黒柴に全力で挨拶して可愛がりまくり、息を荒くしてから邸内へ。本日のミッションは、三階・二階・一階にそれぞれ選別して出された不要本を結束し、ひたすら運び出すのがミッションである。その2/3がコミックで、およそ一千冊強。本束数にすれば五十本強である。早速作業を進めながら、途中で再び黒柴を可愛がりに行ったり、三階の書庫で寝ていた猫を撫でまくったりしながら、着実に作業を進めて行く。
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途中細谷氏から、「疾風!日本尖端文學撰集」について、「最初が藤澤桓夫の意外な作品で、その後もあの作家がこんな作品を書いていたんだというのが連続して、いや新鮮でしたよ」とお褒めの言葉を頂戴する。アンソロジーを編む大先輩から、そんな言葉をいただけるだけで大大大感激です!そんな風に喜びに打ち震えながらも、作業途中にまたもや黒柴と遊びまくったりして、午後三時半には作業を終了する。細谷氏と黒柴と猫に別れを告げて、結束本を積載した盛林堂号は走り出すが、まだ帰路に着くわけではなく、さらに一時間程走った後に、水玉蛍之丞研究家であり、「SFマガジン」ブックガイド担当のすけきよ氏の新築住宅に立ち寄り、広大な書庫を見学する。まだフロアに棚は建っていないが、壁棚を埋め尽くす大量のSF・幻想・アメコミ・アート・絵本を見回して嘆息…人間の欲望は、もしや神の想像を超えているのではないだろうか…そんなことを考えさせられるほどの物量なのであった。書庫の完成が楽しみでもあり、また恐くもあり……。そんな寄り道をしていたので、西荻窪に着いたのは午後七時。急いでお店と倉庫に本束を下ろして、本日の作業は無事に終了。お疲れさまでした…と言いたいところだが、今日はまだ古本を買っていない!と小野氏に切実に訴え、横田順彌氏旧蔵書の本郷書院「冒險小説 海島奇傑/押川春浪」を三千円で購入し、心地良い達成感と疲労を抱えて帰宅する。
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2023年03月15日

3/15古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二十七章】

すでに昨日のことである。午前七時に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏の盛林堂号に自宅近くで拾ってもらい、西荻窪のお店を経由し、盛林堂・イレギュラーズとしてもはや十年単位のレギュラー仕事となりつつある、日下三蔵氏邸書庫の片付けに向かう。都内の渋滞甚だしく閉口しながらも、マック休憩を抜きにして日下邸に駆け付ければ、ほぼいつも通りの到着時間であった。ちょうどそこにほぼ同時に到着した、日下氏の妹さんに伴われて邸内へ。気配を察知した日下氏が二階階段から姿を現し「やあ。どうもどうも」と挨拶する。お仕事着手前に、氏が単独で整理を進めた結果生まれたダブり本棚をまずは見せていただく。
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収められているのは棚三段分の新書サイズ本であるが、素早くチェックした小野氏は、小泉喜美子の「幻想マーマレード」に喜悦の表情を浮かべる。そこに廊下を通りかかったお母様が「今日もよろしくお願いします」と言葉をかけてくれた。お出かけになるところなのだが、日下氏が「いってら!」と声を挙げる…どうやら「いってらっしゃい」の短縮形で、日下家語のひとつらしい…。そして肝心の本日のミッションは、マンション書庫に移動し、まずは台所にプールされた不要本千冊を結束した後(こちらは盛林堂持ち帰り)、CD部屋・リビング・台所にあるコミックスを選別した後結束することである(こちらは日下氏が妹さんとともに後日専門店に持ち込む)。と言うわけで早速書庫に移動すると、そこには驚くべき変化が生まれていた。まずはリビング中央が広々と開放されている。これは日々の努力でスペースが生まれた結果と、電気屋さんが電燈の交換に来たので、そのために集中的に確保した片付けた結果とのこと。日下氏はその広さに満面の笑みである。小野氏が「バンザイして記念写真を撮りましょう」と提案。スペースの広さに浮かれた日下氏は、思わずその言葉に乗せられ、しっかりとバンザイポーズ…愉快な人たちだよ、まったく。
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そして奇跡的な進歩がもうひとつ、何とトイレ前の文庫山が姿を消し、トイレが使用可能になっていたのである!これでわざわざコンビニのトイレを借りるために外に出なくて済む!と一同大喜び(実際三人ともトイレを使う度に「家にトイレがあるのはいいねぇ〜」と感動することしきり)。
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そんなことがあり、いよいよミッション突入となるわけだが、簡単に書いてしまうと、午前十時から午後五時過ぎまで、三人はほぼ同一の作業に従事したのである。日下氏は本の選別、私は本の移動、小野氏は本の結束…ただこれだけをひたすらひたすら繰り返したのである。何とその冊数、四千冊強!日下氏は四千冊の本を選別し、私は四千冊の本を運び、小野氏は四千冊の本を結束したのである。これには三人とも作業終了時には、疲労極みに達してしまう。あの日下氏が午後三時半辺りに「ふぅ、もう疲れた…」と呟いたくらいである。私は本の山を両手に抱え、再び狭くなっていた廊下を行ったり来たり。
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小野氏はおよそ700m分のビニール紐を使い切ったのであった。
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だがその間にも、CD部屋でイヤーン・フラミンゴ(清水正二郎)の『ピンク07号』シリーズを大量発掘したら、小野氏がたちまち色めき立ち、結束作業を放り出してCD部屋の本の山に挑みかかったり一幕が発生(ちなみにピンク07号シリーズは本邸書庫で確認すると大幅にダブっていた…)。
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ダブりだ!と思った島田一男原作の漫画は、実は一冊はリサイズされて売り出されたものだったのでガックリ。
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さらに日下氏がコミック山の下層から「新青年」箱を発見し、私が次なるproject“V”のために「新青年」を必要としていることを覚えてくれていて、声をかけてくれた。
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この箱の中身は、日下氏が三年以上前に蔵前の「御蔵前書房」(2008/11/08参照)の店頭に、一冊千円で出されているのを発見し、即座に出ていた十二冊をサービス価格の計一万円で購入したものである。調べてみると、おぉ!該当する号が四冊見つかった。すると日下氏が「それちょっと見せてください」と目次をチェックし「必要なのは載ってないし、ボロいから持って行っていいですよ」と譲ってくれた。やった!project“V”、微速前進!コピーと本物では、やはり得るものが微妙に異なることもあるので、これは嬉しい大収穫である。その後本邸に戻り、ダブり本のチェックをした後、小野氏は買取査定に入り、日下氏は新たに一軍書庫に加えるべき本を、後ろから見たらほぼ日下氏幅だった通路に座り込み、所定の位置に収めて行くのであった…本日も大変にお疲れさまでした。
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すべてを終えて家に戻ったのは午後十一時。嬉しい四冊の「新青年」を軽く修復した後に写真撮影して就寝する。
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2023年02月15日

2/15古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二十六章】

すでに昨日のことである。午前七時半に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に姿を現わし、盛林堂号を店前に回して来た店主・小野氏と合流し、盛林堂・イレギュラーズとなり、関東某所に向かう。本日のお仕事は、もはやレギュラー仕事の日下三蔵氏邸蔵書整理である。事故なく無事に一時間半のロングドライブを終え、マックのフィレオフィッシュバーガーで午前中用の栄養補給をした後、日下邸へ。玄関で満面の笑みの日下氏に出迎えられ、まずは今は仕事場として使っている和室に招き入れられる。そこで早速渡されたのは大量のダブり本…昭和四十四年刊の秀英出版「近代小説に現われた女性像/大野茂男・遠藤晋」という文芸評論本であった。
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何故この本がこんなに?と間髪入れず疑問に思うと「奥付のプロフィールを見てください。誤植があるんですが、誰だかわかりますよ」とほくそ笑む日下氏。奥付の遠藤晋のプロフィールに目を通すと、『昭和37年「親友記」を書いて(筆名、天藤晋)推理小説界に登場、38年「陽気な容疑者たち」で江戸川乱歩賞次席』とある…あぁ!天藤真ですか!ならば納得のダブりである。小野氏と私、それぞれ一冊ずつ拝受する。他に日下氏が昔編集した、水木一郎EDテーマ集のDVDをいただく。ちょっと観せてもらったら、トップバーッターが『バビル二世』だったので、瞬時に血が滾ってしまう。そして本日のミッションは、まずはアパート書庫に向かい、プールしてある漫画雑誌と同人誌を搬出。それをマンション書庫に移動させ、仕分けるとともに、午後はマンション書庫内にある新書サイズ本を仕分けて棚に収め、和室奥の壁棚を全面露出させ、処分本を結束して運び出すということになりそうである。何と処分本は、すでに八百冊ほどが積み上げてあるとのこと。盛林堂チームがいなくても、色々作業が進むようになったのは(ちなみに家族総出で時たま行っているらしい…)、もはや“魔窟”と呼び倣わされた過去を払拭するほどの、片付けっぷりなのである。というわけでまずはアパート書庫に移動し、雑誌と同人誌を盛林堂号に三人バケツリレーで積み込んで行く。
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せっかくなので、壁際に積み上がっていた新書山も一緒に運び、マンション書庫の新書と合体させ仕分けることにする。こちらはさすがに盛林堂号に乗らないので、日下号のトランクと後部座席に積むことにする。
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後部座席足元も、新書サイズ本でギッシリ…。

マンション書庫に移動し、まずは漫画雑誌を玄関に積み上げる。そしてそれを大別し、脱衣所の漫画柱として天井まで積み上げる。続いて同人誌を下ろし、これは選別などは行わず、和室の同人柱として、こちらも天井近くまで積み上げ、移動分を何とかコンパクトに収納する。日下氏が本の低山を足掛かりに、柱を上へ上へと伸ばして行く…。
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続いて日下号から新書サイズ本を運び下ろし、玄関に積み上げたところで午前中の作業終了。駅前に出て美味しい寿司昼食の後、マンション書庫に戻り、玄関で新書サイズ本の仕分けに突入する。
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仕分けた本は、CD部屋に新たに空けた棚に、見やすく作家ごとに並べて行く。それにしても、新書サイズ本はダブりが甚だしい上に異装版が数多く存在し、ただのダブりなのか異装版なのか見分けるのに非常に手間がかかるのであった…まだダブり本、たくさんあるんですね。この後、文庫本を照らし合わせたら、いったいどんなことになるやら…。そして小野氏は作業の合間をみて、処分本の結束作業をマンション階段部分で行う。かなり気温が低く姿勢も窮屈なので、ハードな作業である。
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そして私も合間を見て、project“S”に続きproject“V”を立ち上げるため、博文館「新青年」の発掘に取りかかる。日下氏は廊下の何処かに積んであると言うのだが…と散々苦労して掘り返してみると、本の山の一番下から無事に発掘成功。そして同時に博文館「探偵小説」が四冊も出て来た!ダメですよ、こんな貴重な雑誌を山の最下層にしていちゃぁ。
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そんな風に新書サイズ本を仕分けてして適宜棚に収めて行くこと、およそ三時間。
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無事に和室の棚前も露出し、リビングの新書を適当に詰めていた棚も空き、所期の目的を無事に果たす。処分本を盛林堂号に積み込もうと、表に一回プールすると、何だか夜の外灯の下に幻想的な光景が生まれてしまった…。
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本日も作業お疲れさまでした。いつもの如く労働の労いにダブり本を供与されるが、双葉社 幻の傑作・本格推理集「殺意のトリック」「殺人設計図」ともに鮎川哲也編、新風出版社「5分間ショートショート選集 海底の人魚/監修都筑道夫」「5分間S・F傑作集 夢からの脱走/監修筒井康隆」が特に嬉しい。加えて日下氏のご家族から、日頃の書庫整理の感謝を込めてバレンタインチョコレートをいただく。まさか古本を整理してチョコをいただける日が来るなんて…ありがとうございます!
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2023年01月18日

1/18古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第二十五章】

すでに昨日のことである。午前七時半に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)裏に、白い息を吐きながらたち、盛林堂・イレギュラーズに変身する。店主・小野氏と近場の駐車場に向かい、すでに六千キロをたちまち走破した、新・盛林堂号に乗り込み、神奈川県某所に出発。その目的は、今年初めての日下三蔵氏邸の書庫片付けお手伝いである。小野氏が些事を片付けた後の出発だったので、少し遅めとなってしまったが、優秀な最新ナビのサポートにより、午前九時二十分に現地に到着する。玄関から現れたにこやかな日下三蔵氏と新年の挨拶を交わし、本邸玄関に招き入れられる。するとそこには古本の詰まったダンボールが一箱。
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「それは、YOUCHANさんの個展で出す一箱です。全部山田風太郎で、八十冊ほど入っています」…オゥ、クレイジー!しかもほとんどが百円。「忍法相伝'73」も入っている…。「まだたくさんあると思うので、後で補充本を探しましょう」とのこと。そして廊下で小野氏と日下氏は、あるお仕事の打ち合わせに入る。
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冷たい冷える廊下に座り込み、意見を擦り合わせた後、まずは午前の軽作業を開始する。本邸書庫の第一通路に壁のように積み上がる単行本群を、裏の物置に運びつつ仕分けし、物置行きと不要本に分けて行くのである。それにより第一通路脇のビデオ棚通路が露出されるので、後にそのVHSを運び出し、SF関連をその棚に収めようという目論見である。だがその前に、入口脇のカラーボックに内に詰まった本がダブり本なので「好きなの持って行っていいですよ」とのことなのだが、まずは小野氏がスパスパ気になる本を抜き取って行く…あぁ!創元推理文庫「女郎ぐも/パトリック・クエンティン」(和田誠カバー)なんてのが!などと悔しがった後に、こちらも気になる本を少し抜かせていただく。その後、ようやく作業開始。小野氏が山を切り崩し、それを私が書庫裏口に積み上げ、日下氏が物置に運び入れつつそれらを選別。不要本がある程度堪ったら、それを私が玄関に運び、小野氏がタイミングを見て結束すると言う連携プレイで、およそ二時間作業する…結果、全員寒さと重労働に、あっという間にヘトヘトになる…軽作業じゃねぇ、重作業だ……。
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午後一時前、駅前に出て恒例の美味しい寿司昼食を摂り、後半戦はマンション書庫に移動。こちらでは和室とリビングに積み上がる文庫&ノベルスの山をひたすら選別し、なるべく不要本を出す、つまりは本を減らす作業に従事する。日下氏にとにかく選別スピードを上げてもらい、後は二人で本の山をタイミングを見て差し出して行くカタチである。
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その過程で、たくさん見つかる山田風太郎新書サイズ本…結局最後には百冊ほど集まり、過剰過ぎる補充本のプールに成功してしまった。これは、おかしい。それにもっとあるはずだ。さらに文庫本と単行本も混ぜると、とんでもないことになるぞ…日下氏は、もしかしたら単独で、「山田風太郎書店」を開店出来るかもしれない。そう戦慄した、新年早々の日下邸ツアーであった。
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そして嬉しいことに、文庫の山の中から、小野氏が新たな「女郎ぐも」を発見。本邸の翻訳ミステリ棚にもう一冊あるので、計三冊のトリぷりであることが判明した。というわけで、一冊は私の手に回って来ることになったのである。やった!そんな風にして、午後五時半には選別を終え、新たなスペースを作り出し、およそ八百冊弱の不要本を出すこことに成功した。新年一発目としては、まずまずの成果である。そして本日の労いとしていただいた本で嬉しかったのは、「女郎ぐも」と東都ミステリー「夜よりほかに聴くものもなし/山田風太郎」である。「夜よりほかに聴くものもなし」は、最初超ダブり本の中から東京文芸社版をいただこうとしたのだが、日下氏が「それ八坂刑事が活躍する短編連作なんですけど、どれも犯人の動機が異常なんですよ。『えっ、そんなことで!?』という感じの。昭和三十年代にそんなこと考えてたのは、本当に凄いと思います。面白いですよ。でも、それには入ってないんですけど、東都ミステリー版には、『あとがき』という形で、八坂刑事の独白が入ってるんですよ」「えっ、じゃぁ東都ミステリーじゃないとダメじゃないですか」「もし何処かでダブりが見つかったら出しますよ」と言うやり取りがあり、マンション書庫と入れ前の本の山を崩している時に、見事にダブり本を発掘したのである。ありがとうございます!
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posted by tokusan at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする