
宇都宮線で小山駅にたどり着き、世界の果てのように寂しいホームから両毛線に乗り込み、麗らかな北関東を東から西へ撫で斬りにして行く。一時間で桐生駅に到着し、手動ドアをガラリと開けて列車を降り、午前九時半過ぎの駅南口。暑いほどの陽光が降り注ぐ、閑散としたロータリーを縦断し、大通りを南へ下って行く。300mほど歩いてたどり着くのは、大きな公園の横に建つ白い図書館で、昭和なフォルムと所々傷んだ姿が妙にいじらしい。講談社の創立者『雑誌王』野間清治の碑の向こうの正面入口前に、タイル敷き広場が広がり、そこで市民古本市が後二十分で始まろうとしていた。文庫は50円単行本は100円で、地面に置かれた薄いダンボール箱の中に古本を詰め、色とりどりなシートを掛けられた状態で、午前十時のスタートを待っている。ダンボールは、実用書・コミック・児童書・新書・文芸・文庫・全集に分けられ、図書館前を取り巻くように配置されている。箱は120近くあるだろうか。中規模だが見応えは充分ありそう。いつの間にか周囲に増えつつある古本ハンターたちの姿。しかし殺気立ったところは無く、秋の朝を実感してしまうほどに、何だか全体的に長閑な雰囲気が漂っている。そうこうしているうちに、開会の挨拶と共に午前十時を迎え、シートがザババッと取り払われ、待望の古本市がスタートする。立ったまま足元をひたすら眺めるようにして、本の背文字をカシャカシャ読み取って行く。新書→文芸→文庫と流れるうちに、腕の中には当然本タワーが誕生。全集ゾーンを見てからひとまず精算して、ちょっと離れた実用書と児童書を見て回る。うひぃ〜、愉快だなぁ。楽しいなぁ。血湧き目玉が踊る!と三十分ほど集中し、結果十八冊で950円也。ちくま文庫率高し!
古本の詰まった袋を肩に担ぎ、無事に獲物を分捕った山賊気分で駅に引き上げると、次の電車まで時間があるので、北口に出て「雄文堂」(2010/10/09参照)を覗きに行く。なまこ壁のお店は、静かに上品に硬く営業中。中公新書「タイトルの魔力/佐々木健一」を300円で購入し、駅に戻って両毛線に再び乗り込む。
足利駅で下車し、見た目は凄まじいが、実は名店なんじゃないかと思い始めている「秀文堂書店」(2009/06/14参照)へ。

店頭三冊100円棚で、山梨シルクセンター出版部「詩集 愛の歌 一・三・四/やなせ・たかし」と小学館入門百科シリーズ32「妖怪なんでも入門/水木しげる」を見つけ、さらにやっぱり名店なんじゃないかと思い続ける。一度店内文庫棚の下の方を思いっきり発掘してみたいものだ…。ここでは計七冊を700円で買い、二十六冊の古本を北関東から家まで運ぶこととなる。おぉ!古本にまみれた読書の秋の日曜日!

これが本日の収穫である。西條八十「夕月乙女」は表紙を剥ぎ取られた貸本仕様だが300円。が、しかし!最後のページが落丁している!あぁぁ、一体どんな風に終わっているんだ…。
posted by tokusan at 17:29|
Comment(2)
|
TrackBack(0)
|
関東
|

|