2017年05月04日

5/4東京・中野坂上 ブックパーク中野坂上店

book_park_nakanosakaue.jpg
せっかくの連休なのに、世界中の疲労を抱えたような状態に陥り、中野坂上に流れ着く。集中力などはとっくのとうに霧散しているが、それでも古本屋ツアーはして行くべきだと、近所の古本屋さんを懸命に思い出してみるが、残念ながらこの辺りはずいぶん前から『古本屋無風地帯』と化している。う〜む、取りあえず新高円寺に向かい、商店街を北に遡ってみるか…などと考えながら『青梅街道』まで出ると、おやっ?あまり見慣れぬリサイクル系新古書店があるじゃないか。外観から察するに、恐らくアダルトメインのお店なのだろうが、もしかしたら何か売っているかもしれない。とノロい頭の回転で判断し、中にササッと踏み込んでみる。店内は案の定、明るく妖しく肌色が乱舞する空間である。だが、右側では普通の新刊コミックや車雑誌も売られ、左のアダルトコーナー入口前には懐かし系ムックのバーゲン本コーナーもある。ではこっちは?と右側通路入口側の行き止まり空間に入り込むと、そこには中古コミックやゲーム系バーゲン本に加え、角に細長いアクリルケースがあり、復刻版のジャガーバックッスシリーズとともに、アニメ雑誌「OUT」の創刊号が高値で飾られていた。おぉ、予想外にここだけ古本屋さんらしいぞ!と無邪気に喜ぶ。だが何を買おうかかなり悩んでしまい、何故か新刊でたくさん並んでいる、ガチャガチャ・おもちゃ・ファミコン・おまけなどの本の中から青幻舎「昭和ちびっこ怪奇画報/初見健一」を選んで購入する。文庫サイズだが、かつての「少年マガジン」グラビアページに掲載された、香山滋〈人見十吉シリーズ〉と小栗虫太郎〈折竹孫七シリーズ〉の秘境探検物が収録されているのが嬉しい。

「西荻モンガ堂」(2012/09/15参照)が出版した「モモイトリ 2017年春闌号」に『“極める”を放棄する。』という一文を寄稿しました。どこかでお見かけの際は、ぜひご一読していただければ幸いです。相も変わらずのめり込んでいる古本屋と古本屋ツアーの話でありますが…。
http://blog.livedoor.jp/mongabooks-mokuroku/archives/70635573.html
posted by tokusan at 19:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

5/2東京・南阿佐ヶ谷 店名不明

今日は夕方前に久我山の北に流れ着いたので、己の方向感覚を信じ、どこまで行っても似た景色が連なる住宅街をアイスモナカで涼を取りながら歩き、荻窪に到達して「竹陽書房」に安らぎを求める。だがじっくりと全棚を見るも、今日は食指が動かず、哀れ何も買わずに退散してしまう…このままではいかんな。そこでお茶を濁す小ネタ店を思い出し、地下鉄丸ノ内線で南阿佐ヶ谷まで移動する。地上に出たら『中杉通り』を200m強北上し、最初の信号で西の小道へ曲がり込む。最初は雑貨屋・飲み屋・食べ物屋などが続き、楽しい小道の雰囲気であるが、『商工会館』前を通過するとお店の数は自然と少なくなり、やがてただの住宅街となる。だがめげずにそのまま西へテクテク歩いて行くと、右手に突然雑然としたお店が姿を現す。店名は不明。
ma_humei.jpg
店頭が古着で覆われ、足元には陶器や雑貨を詰め込んだ箱やカゴが置かれている。基本的には古着ショップのようであるが、店頭には古本箱も存在しているのだ。布製ボックスの中に、全品50円の文芸雑誌・ムック・新書・文庫が二十冊ほど詰め込まれている。スポーツ・歴史・エンタメ・推理・教養…まぁ安いのが取り柄であろう。一冊取り出して店内へ進むと、眼鏡姿のマダムが待ち構える洋服で作られた柔らかい空間。新潮文庫「阿部一族・舞姫/森鴎外」を購入する。

その帰りに「千章堂書店」の店頭で立ち止まると、店頭右側の映画パンフボックスの中に、角川映画「蔵の中/横溝正史原作 高林陽一監督」を発見したので400円で購入する。表4は『文庫5000万部突破記念(ご、ご、5000万部って…) 横溝正史フェアの広告』で、横溝正史についての解説は友成純一が担当。いわゆる角川の大作横溝映画とは一線を画す、低予算の実験的作品である。パラパラ捲っていると、表3の主演女優・松原留美子のファーストアルバム広告が目に留まる…タイトルは「ニューハーフ」…なんでまたこんなタイトルにと不審に思っていたら、松原は正真正銘のニューハーフなのであった。良く見ると、パンフにはその話題で多くのページが割かれているではないか。こういう映画だとは、まったく知らなかった。さすがは映画界の風雲児・角川春樹と言うべきか……色々あったんだろうなぁ。映画作りって、なんか大変なんだなぁ…。

家に帰ると岡崎武志氏より封書が届いている。土曜のトーク&ライブのための、紙焼き写真である。三十枚ほどをデータ化し、前座余興として公開しますので、お楽しみに!

★《緊急開催!》第98回西荻ブックマーク 山本善行presents 岡崎武志還暦記念トーク&ライブ 「風来坊 ふたたび」東京篇
■日時:2017年5月6日(土曜日)
■開場:15時30分
■開演:16時
■終演:18時30分 (予定)
★【ご注意ください!】予約者多数のため会場が変更となります。
× ビリヤード山崎 2階 (東京都杉並区西荻北3-19-6、西荻窪駅北口徒歩1分)
                ↓↓↓
〇こけし屋 別館2階 (東京都杉並区西荻南3-14-6、西荻駅南口徒歩2分、TEL03‐3334−5111)
  地図はコチラ 
*本館横のみずほ銀行の後ろにお回りください
■出演:岡崎武志 山本善行 荻原魚雷 小山力也 島田潤一郎
■特別ゲスト:世田谷ピンポンズ
■料金:2,000円 (おみやげ付き)
http://nishiogi-bookmark.org/2017/
☆ 緊急開催! 東京でもやります!!! ☆
西荻ブックマーク最多出演の岡崎武志還暦記念。
京都から山本善行さんを迎え、さらに古本者三人衆もお呼びいたします。
また特別ゲストに世田谷ピンポンズさんが参戦!
みなさまもこの機会にお祝いにいらっしゃいませんか?
すてきなお土産もご用意いたします。
posted by tokusan at 18:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

4/23東京・用賀 RYUSENKEI

ryusenkei.jpg
風は冷たいが、それでも陽気は春模様の日曜に流れ着いたのは、千歳船橋と用賀の中間の上用賀…さて、これからどう動くか?用賀に戻って高津まで出て、「小松屋書店」(2009/08/15参照)の動静を探るか、それとも千歳船橋から豪徳寺まで移動して「靖文堂書店」(2011/09/06参照)で安値の古い文庫を漁りまくるか…だが待てよ、ちょっとさっき見かけたお店が気になるので、取りあえずそこをチェックしてからでも遅くはないな…。駅からは北口から地上に出て西に向かい、桜並木で煉瓦敷き歩道の『西用賀通り』を北北西にひたすら進む。800mほど来たら、お蕎麦屋のある交差点で『用賀六条通り』を西に曲がり込むと、ほどなくして住宅街の中の右手に、民家に増築されたような、チープな三角破風を持つ小さなお店を発見出来るだろう。表には立看板が出されており、それには『BUS』とローマ字の店名が書き出されている。ガラス窓からチラチラ中を覗き込むと、どうやらバス関連のお店らしい。そして左の壁際には、明らかに古本らしき姿が並んでいるではないか!これは、かなり偶然の出会いのめっけ物!どんなジャンルであれ、古本が売っていれば、それでいいのだ!と扉を開ける。中は六畳ほどの小さな空間で、左に二本の本棚と飾り棚、真ん中にはガラスケースと飾り棚、右壁には大きなラックとガラスケースが置かれている。奥は帳場になっており、白髪短髪の佐伯泰英風店主が「いらっしゃいませ」と呟き天井の明かりを点けてくれた。むぅ、やはりここはバスと車の専門店。主にミニカーと本を扱っているようだ。入って直ぐの左には、名車の単行本&ムックが並び、下には「CAR GRAPHIC」や「モーターマガジン」などの車雑誌が多種集まっている。続いてレース関連・車開発エピソード・車小説・車関連ノンフィクション…荒地出版社って結構車の本を出していたんだ…。その奥にはF1や車会社などの関連書籍が収まり、下はいよいよ古本から離れ、日本の立派な工芸品とも言えるミニカーのオンパレードである。そう言えば帳場は、色々な細かい手作業が行えるよう、ミニカーのレストア工房的布陣になっており、何だか職人の仕事場的様相を呈しているのが格好良い。真ん中のガラスケースには、バスのミニカーが大集合。そしてその裏側には、バス関連の書籍(マニアックな車種本から懐かし昭和バス本やバス旅までを幅広く)とムックが集められている。下には「バスマガジン」という名の、そのものズバリな専門誌がズラリと並んでいる。右壁のガラスケースには、ボンネットバスなどの懐かし系ミニカー&モデルカーが飾られ、下を支えるのは車カタログを恭しく収納したマップケースである。その横のラックには、バス関連の新刊やミニコミがディスプレイされている。バスと車に特化した、趣味性の高いお店である。本の値段はしっかり目だが、ミニカーには安い物もあるので(箱無しトミカとか)、お店は狭くとも車&ミニカー好きなら、かなり楽しめるであろう。それにしても、こんな住宅街に何故こんなお店が?と単純に思ってしまうのだが、実はここからさらに西に進んで『環八』に出ると、車のディラーショップやパーツショップが並んでいたりするので、“車”という大きな括りで捉えれば、充分関連性の高いお店と言えるのかもしれない。せっかくなのでやはりバスの本を買っておこうと、トラベルジャーナル「大阪路線バスの旅」を購入する。
posted by tokusan at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月14日

4/14東京・五反田 第四二回 本の散歩展

早起きして、まるで夏の朝のような日射しが鋭い五反田の裏町を縫って歩き、『南部古書会館』へ向かう。「第四二回 本の散歩展」に、「聖智文庫」さん(2013/05/16参照)と「古書一路」さん(2013/03/08参照)に誘われての行動である。午前九時四十分に会館に到着すると、すでに一階ガレージは開場され、安売本を求めてたくさんの古本修羅が本を抱えて活発に蠢いている。うむ、やはり古書会館の光景は、こうじゃなくちゃ!と同時に、二階へ上がる脇の階段入口から、修羅の整列が次第に長さを増していく。こちらは二階に命を懸ける者たちが、午前十時の会場を、今や遅しと静かに待ち構えているのだ。この様子だと、結局一階にも二階にも出遅れている感があるので、焦らずのんびり構えて、シンプルに読みたい本だけを買うことに決める。というわけで修羅化せずに、修羅に揉まれ修羅越しに本を見て、何も買わずにあっさりとカバンを預けて二階へ上がる。入口から静かな熱気と殺気と本気が交錯する会場に踏み込むと、右の帳場にいた「古書 赤いドリル」さんから陽気に声を掛けられる。その後も棚を見ながら「一路」さんと挨拶を交わし、会場をスルスル巡回。「聖智文庫」棚を眺めていると、いつの間にか背後を店主・有馬氏に取られており、「なにやってんだよ」と話しかけられびっくりする。そして徐に棚にあった横溝正史「変化獅子」を手に取り、「安くしてあげるから買いなよ」とその場で値段を半額に直してしまった…おぉ!逆植草甚一的値段修正!と喜び、もちろん買わせていただくことにする。さらにその後も突然近くに現れる有馬氏とポツポツお話しする。今度、なんだか面白い倉庫に連れてってくれると言うので、喜んで同行をお願いし、今から激しく楽しみに思ってしまう。三洋出版社「変化獅子/横溝正史」春陽堂文庫「宵待草/武田麟太郎」創元推理文庫「百万長者の死/G・D・H&M・コール」(三版)長崎文學社「長崎昔噺集/歌川龍平」を計2500円で購入する。この会館展は明日土曜も開催される。
hon_no_sanpoten.jpg
写真は実は新刊書店と向かい合っている南部古書会館。

そして家に戻って午後三時に、奇妙な依頼を果たしに近所のある店舗へ向かう。このお店のオヤジさんとは、日頃挨拶を交わしたり、時々立ち話をするご近所的間柄なのだが、会話の端々で私が古本好きなのを知ってから、度々自宅の本の整理について相談されていたのである。本を売るのだったら、私などに相談せずに直接古本屋さんに来てもらうのが良い、と常々助言していたのだが、どうも踏ん切りがつかないのと、どうしたら良いか決まらないらしい。だからなのか、今日古本市に出掛けのところを話しかけられ、「ちょっと本の様子を見てくれないか」と頼まれてしまったのである。無碍に断るわけにもいかないので、とにかく一度その蔵書と対面することになってしまった…なんだかますます人生が、古本のためにおかしな方向に進みつつあるな。漫画「ジョジョの奇妙な冒険」で第四部から『スタンド使い同士は引き寄せ合う』というようなコンセプトが出現するが、それと同じで『古本修羅は古本修羅と引き寄せ合う』運命にあるようだ…。それに私に出来ることなどたかがしれているのだが(何となく売れそうな本があるか蔵書をチェックし、合いそうな古本屋さんを紹介するのが関の山…)、まぁ何かの気休めにはなるのだろうと、お店の前に立ち、住宅部分への扉をノックしている。招き入れられ、本が多くあるという二階部分に付いていくと、確かに壁際に結束された本の山が築かれている。ジャンルは主に美術・建築をメインとしているようだが、不思議なことにあまり本は見せてくれないのでその全貌は結局分からず終いな上に、まだ他の部屋や一階奥にも本はたくさんあると言う。そして結局話を詳しく聞いてみると、整理したいことは整理したいのだが、何も具体的には考えていないらしく、溢れる話はただただ古本にまつわるエピソードと生き様について。あぁ、私は人の家でいったい何をしているんだ。だがとにかく何故だか、その本の整理分類から処分までを、私に頼みたいとのことなのである。古本屋さんに依頼した方がスピーディで適確なことを伝えても、「そこは君に」の一点張りなのである。恐らく私は、奇妙に気に入られているのだ。そして、恰好の話し相手に選ばれているのだ…。なので説得される形になったが、●時間のあるときに作業●それには時間がかかること●まずどこにどんな本があるのか確認を進めたい、などを条件に出すと「では一部屋に私が本を家中から厚め、そこを作業部屋にしよう」と提案がある。それなら多少なりとも楽なのと(気の方も…)、その本を集める作業は恐らくなかなか進まないだろうと意地悪く確信し、とにかく準備ができたら連絡してくれと伝えておく。…まったく奇妙なことになったものだ。自分の家もままならぬのに、人の家の蔵書整理を手伝うことになった、愚かな私。こうなったら、素晴らしい稀本でも出て来ることを期待するしかないか…でも、どんな本があるのか全然分からないんじゃ、まだ海のものとも山のものともなんともかんとも。それに本当に着手まで至るのだろうか…ふぅ、古本好きには、やっぱり変わった人が、多いなぁ。
posted by tokusan at 17:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月03日

4/3東京・都立大学 近所に引越し「ROOTS BOOKS」!

朝から百冊弱の古本を詰めたダンボールを担ぎ出し、大阪に送る。なんとその重さ、二十九キロ!フェア用の補充本で、今回値段がお安めなものが中心。現地に届き次第「梅田蔦屋書店」の古書コンシェルジェが商品化し、棚に並べてゆきますので、西の古本好きのみなさま、折りを見て梅田駅ビル『ルクア イーレ』九階『古ツアフェア棚』を冷やかしにどうぞいらしてくださいませ。

さらに朝から、岡崎武志氏より怒濤の「中央線古本屋地図(仮)」原稿が届いたので、他の仕事と並行しながらレイアウトを進める。夕方に一段落着いたところで、都立大学にノロノロと向かう。コメントタレコミにより「ROOTS BOOKS」(2010/03/25参照)が移転作業中であるのを知ったので、そろそろ様子を見に行ってみるかと、重い腰を上げたわけである。高架下の改札を抜け、すぐに北西へ。道沿いの、古く昭和なショッピングセンター『トリツセンター』は、すでにその役目を終え全面的に閉鎖されてしまっている。このセンターの横っ腹に「ROOTS BOOKS」は格好良くへばりついていたのだが、その店舗のシャッターもがっちり下ろされてしまっている。だがその前には立看板が置かれ『移転します』と簡素な地図が書かれていた。
tatekan.jpg
壁には2009年からこの地で営業して来た思いが軽く語られ、ウィンドウの向こうにはダンボールに書かれた『I♥都立大』の言葉が掲げられている。相変わらず都立大学という場所に、熱い気持ちを持ち続けておられるのだな。そして地図を参考にして、そのまま『中根小通り』を『目黒通り』に抜ける。交差点から北を見ると、確かにすぐに『ジョナサン』がある。横断歩道を渡り、屋外自転車置場横の『ジョナサン』の入ったビル手前の小道に入り込む。前方には、左に小坂、右に小階段があり、その先には緑道に美しく咲き誇る桜の樹がのぞいている。階段をトントン上がって右を見ると、そこに古本屋さんの姿が地図通りに輝いているではないか。失礼ながら、以前のお店より、しっかりした今時の古本屋さんっぽいぞ!と思ってしまう。
roots_books2.jpg
店頭にはアンティークな木製キャビネットや箱が並び、その上や中に安売本が並べられている。100均文庫&単行本&雑誌、洋書&絵本、それに300〜500円本も左側に並んでいる。中に入ると、思ったより少し狭い空間である。壁には棚がしっかり張り巡らされ、右奥が深くなる構造。だが、今はかなり雑然としている。引っ越したばかりだからだろうか?それともこれがスタイルだからだろうか…?疑問深めながら進入可能な通路に入り込んでみる。とは言っても見られるところは、入って直ぐの正面文庫棚(新しめの本中心)と、横向きフロア棚とガラスケース間の手前通路だけのようである。フロア棚にはCDやビジュアル本が並び、奥に入り込むと入口側壁棚に美術系大判作品集が収まっている。そのさらに奥には、積み上がった本や日用品で進めぬのだが、大きな壁棚を見ることは可能である。何だかノンジャンルで並んでいる感じなのだが、歴史・近代史・文学に良さげな本が紛れている。だが左奥は横積みゾーンとなってしまい、フロア棚の裏側も横積みゾーンになっている。ふ〜むと秘かに唸りながら、積み上がった本に面白そうなものがありそうなのだがあまり手を出せずに、移動出来る範囲をウロウロ行き来してしまう。値段は普通で、良い本にはしっかりプレミア値が付けられている。結局右壁棚から、爪先立って手を伸ばし、どうにか本を一冊抜き取る。ぐるっとフロア棚を回り込み、隠れ家のような小さな帳場で精算する。とにかく引越し、ご苦労さまでした。これからも都立大学で古本屋の灯を、常夜灯のように煌めかせていただければ幸いです。新潮社「上海租界映画私史/清水晶」を購入する。
posted by tokusan at 19:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月25日

3/25「第19回チャリティ古本市」と「古書 むしくい堂」はプレプレオープン中!

早起きして西武新宿線に乗り込み、拝島線→国分寺線と乗り換え、青梅街道駅で下車。今日明日と激安「チャリティ古本市」(2011/07/10参照)が開かれる『小平中央図書館』に午前九時半に到着し、会場入口で整理券を受け取ると、自分ではなかなか頑張った感のある、36番であった。ロビー食堂で野菜ジュースを飲みながら英気を養い、市への闘志を徐々に高めて行く。
kodaira19.jpg
午前九時五十分に整列開始。ほどなくして岡崎武志氏も姿を見せ、ちょうど100番の整理券を見せながら「何かもらえるんちゃうかなぁ〜」と笑いながら、明るい中庭を囲んで半周した、列の最後尾へ姿を消した。午前九時五十八分、「そろそろ始まります。みなさん、心の準備をお願いします」とのボランティアスタッフのアナウンスに、忍び笑いがさざ波のように列に広がる。だが開始時間を迎えると、そこは瞬く間に熾烈な古本戦場と化し、老いも若きも男も女も古本を抱えて入り乱れ、場内が酸欠気味になるほどの、いつ果てるともしれない古本バトルロイヤルが展開してしまう。少しでも気を緩ませたら、何も掴めないぞ!と己に言い聞かせつつ、文庫島→単行本島→児童文学&絵本島→古書列→新書列を二周半。小粒な収穫である二十八冊を抱え込み、長い精算の列についた後、計1080円で購入する。一番の掘出し物は情けないことに、田中角栄の「日本列島改造論」であった…。這々の体で会場から脱出し、岡崎武志氏と市仲間の表具屋さんと合流。ロビー食堂で歓談しながら、「中央線古本屋地図(仮)」の大詰め打ち合わせをする。段々形を成して来ましたが、予想以上に面白い本になりそうです。引き続き編集制作作業に勤しみますので、四月後半の発売を、どうぞ楽しみにしていて下さい!

『新潮講座』に向かう岡崎氏と別れ、重い古本を両手に提げて駅に向かい国分寺へ。ホームの立食い蕎麦屋で腹ごしらえを済ませ、続いて八王子へと向かう。北口に出て、モザイクタイルが敷き詰められた『西放射線ユーロード』を北西に踏破し、東に鋭角に折れ込んで『甲州街道』を進むと、ほどなくして粗いレンガで化粧されたマンション一階に、本日オープンしたての古本屋さんが姿を現した。真新しく眩しい真っ赤なテント日除けの下には三本の100均棚が並び、文庫・新書・単行本を質高く収めている。右には開店祝いの立花が並んでおり、おっ!ひとつは「音羽館」さん(2009/06/04参照)からじゃないか!熱く義理堅いなぁ、と感じ入る。縦に広い店内は木材を基調にしており、現在東京の新興古本屋さんの内装&什器を多く手掛ける中村敦夫氏の仕事であることが、容易に見て取れる。そこに奥の帳場からおずおずと現れたのは、噺家の雰囲気を常に纏う「むしくい堂」さんである。何故かとても恐縮の態…その理由は、寝ずに本を運んで値付をし、棚に並べても並べても棚は一向に埋まらない状況のまま、ついに開店の日を迎えてしまったことを、大真面目に悔やんでいたのである。いや、もう開店したからには、そこはもう目をつぶりましょう。後はじっくり粘り強く棚を造り埋めて行けば、どうとでもなるはずなのだ。何はともあれ走り出したことが、この際とても重要なのである。その証拠に、明らかに地元のお客さんが物珍しさからチラホラと飛び込み、ちゃんと本を購入して行く。すでに「むしくい堂」さんは、この地でここに住む人たちと、縁を結び始めたのである。後はいかにその人たちに再び足を運んでもらい、また本を買ってもらえるかということであろう。ファイト、「むしくい堂」!現在プレプレオープンの状況は、前半右壁に文庫や新書が集まり、左に絵本・生活・暮らし、中央にアートや夏葉社&本関連に岡崎武志コーナー、そして奥に日本文学&海外文学棚がある。だがこれらは、今後も本が増えることによって、大いに変化する可能性あり。ただ現状で芯が太く厚く堂々存在しているのは、左端通路の鉄道と切手、それに音楽関連(ソフトだけではなく楽器についても集められている)である。ここには強い意志が感じられ、今後お店の柱となるであろう雰囲気が、すでに漂っている。とまぁ、そんなプレプレオープン状態なので、詳しいツアーレポートは後日に譲ることにする。「むしくい堂」さんは「後一ヶ月位でもっとちゃんとしたい!」と血を吐くような叫びでお店の完成を宣言。恐らくその頃には「八王子古本まつり」(2011/05/02参照)が『西放射線ユーロード』で開かれるはずなので、グッドなタイミングであると言えよう。晶文社「踊る地平線/室謙二」朝日新聞社「常紋トンネル/小池喜孝」を計900円で購入する。
mushikui_pre.jpg
写真は祝いの立花がある店頭と、その影に顔を隠し恥じ入る店主の姿…再びファイト!「むしくい堂」!

帰りに西荻窪で途中下車し、「盛林堂書房」で表紙デザインを担当した盛林堂ミステリアス文庫最新刊「怪星の秘密/森下雨村」(ベタベタでイカした喜国雅彦氏のイラストが目印!)を受け取り、色々打ち合わせる。みなさま、4/7(金)の開催の、「怪書探訪」著者・古書山たかし×「盛林堂書房」小野氏×古本屋ツアー・イン・ジャパンの、三つ巴の三竦み古本トークも、何とぞよろしくお願いいたします!

「ある怪書好き会社員の軌跡」 トークイベントvol.1
■『怪書探訪』著者 古書山たかしさん、古本屋ツアーインジャパンの小山力也さん、盛林堂書房店主 小野純一さんによるトークイベントを開催!
http://www.kosho.ne.jp/news/news_info170213.html
■日時:2017年4月7日(金)開場18:00 開始18:30〜20:00
■場所:東京古書会館 7階会議室
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目 東京古書会館
■入場料1000円(現金のみ) 事前申込 先着100名様
■3月6日(月) 午前10時 予約開始! http://www.kosho.ne.jp/event/2017/s/page2.html

あの天下の奇書「醗酵人間」が欲しいあまり、コピーをを手作り製本してしまった伝説の男が語る古本愛!…まぁ恐らく私は、古書山氏と小野氏の濃厚な話には、何光年も置いてけぼりを食らうと思うので、暴走する二人を御する司会的役目に徹する覚悟で臨みます。楽しそうだけど、疲れそうだなぁ…また、帯の話とか、カバー異装版の話とか、ず〜っとするのかなぁ…。トークと同時に、古書山氏の貴重なコレクションも展示されていますので、どうかみなさま、展示ケースに涎を垂らしにおいで下さいませ!
posted by tokusan at 18:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月20日

3/20東京・曙橋 古本 おふね舎

昨日は「みちくさ市」で楽しい古本販売の一日を過ごし、喜びの五十二冊を売り上げる。お買い上げのみなさま、フリーペーパーを貰って下さったみなさま、わめぞのみなさま、いつもながらにありがとうございました!そして本日、久しぶりに少し遠出をしようと思い、そういえば下妻の名店「ピノキオ」(2009/11/15参照)が閉店間近なはずなので、ぜひとも古本を買いに行かなければ!と早起きして前のめりに意気込むが、なんと閉店セールは3/15で終わっていた…ぐむぅ、不覚&無念…。そこで方針を転換し、明日3/21に閉店を迎えてしまう南武線・中野島の「ブックセンターいとう 中野島店」(2013/12/12参照)を見に行くことにする。駅から車通りは多いが、長閑な春の『中野島商店街』を南にゆるゆる下って、交差点際の黄色とオレンジのお店にたどり着く。閉店セールは『中古全品30オフ』である。扉を潜り、即座に二階へ上がり、最初に右奥の古書コーナーへ向かう。お客さんはかなり多く、店員さんと惜別の言葉を熱く交わす老夫婦がいるほどである。古書を丹念に見終わった後は、は文庫ゾーン→単行本ゾーンと巡り、二階階段脇のレジで、書肆山田「これからのねじめ民芸店ヒント/ねじめ正一」新春社「娯楽雑誌ユーモア 春季特別號 昭和二十四年四月」講談社「日本SF・原点への招待U」草友出版「反核でゼッケン/金子徳好」を三割引の計1449円で購入する。この最後の「反核でゼッケン」は、不朽の迷著「ゼッケン八年」(ベトナム戦争反戦に、日常生活でゼッケンを、なし崩しに着け続けることで挑むサラリーマンの熱いノンフィクション)の続編とも言える、八年後に反核運動のために禁断のゼッケンを装着することを決意した、再び立ち上がる男の物語である。…こんな続編的単行本が存在していたとは…(「ゼッケン八年」について詳しく取り上げた洋泉社MOOK「この本は怪しい」にも、この本については言及されていない)。ちょっと読み始めたら、冒頭は奥さんにゼッケンの縫製をなんとか受け入れて欲しいお願いの手紙から始まり、その真面目で心を打つ目的意識からずれたところに、期せずして生まれるユーモアが、相変わらず最高なのである。日常生活(つまり通勤や会社での就業中にもである)でのゼッケン装着に関する心の機微と葛藤を綴らせたら、この人の右に出る者はいない、無類の面白さなのである。あぁ、こんな本を最後に手渡してくれた「ブックセンターいとう 中野島店」に感謝いたします!
zekken.jpg

ofune_sha.jpg
駅に戻って南武線から小田急線に乗り継ぎ新宿へ。南口の大階段を下りて、何故か満開の桜の樹の下を通り抜け、かつての猥雑な南口ヘアピン坂道の残滓とも言える『食堂 長野屋』に腰を据え、カレーライスとビール小ビンで昼食とする。満腹した後は、人ごみを擦り抜け擦り抜け『靖国通り』まで出て、曙橋方面にプラプラと向かう…。駅からのルートは以下。ちょっと陰気な都営新宿線ホームから地上に出ると、大きな『靖国通り』。右に『あけぼのばし通り』の商店街アーチを見て、『住吉町交差点』を横切り、北側歩道を西進して行く。振り返れば、東京全域を監視しているような、巨大過ぎる防衛省のタワーがそそり立っている。その機械的視線を振り切るようにしてさらに西に歩き続ける。スーパー『丸正』創業者の胸像が建つ石造りの小広場前を通り過ぎ、やがて三本の杉が立つ三角形の『富久町遊び場』にたどり着くので、ここで一本北側の通りに目をやると、白い二階建て低層古ビルの端に、『古本』と書かれた縦長の白い暖簾が、風に揺れているではないか。コメントタレコミで知ったのだが、日月限定営業のためになかなか訪れることが出来なかったお店なのである。暖簾を潜って引戸を開けると、四畳半ほどの狭い店内。壁際には白い本棚が巡り、真ん中には平台と棚が合体した什器が置かれ、右にすぐ窮屈な帳場がある。そこには大工の棟梁のような短髪白髪でマスク姿の壮年男性がキュッと収まっており、「いらっしゃいませ」と渋く一声。入ってすぐの平台棚には、岡本太郎・美術系文庫&新書・アート関連書がビッチリと収まっている。左壁の少し低めのボックス棚には、美術図録・作品集/写真集・デザイン・民藝などが並び、上部には堀内誠一・荒木経惟などが飾られている。正面の高い壁棚には、サブカル・アート・写真関連・現代美術・前衛美術・デザイン・建築・文字・測量・色彩・日本美術・植物・舞踏・土方巽・ファッションと、容量はそれほどないはずなのに、緻密に綿密に並んで行く。右壁にはカルトコミック・セレクト日本文学・再びの建築・再びの民藝が続き、バックヤードの扉と帳場の上にさらに一枚の板が渡され、漫画評論・カルト漫画・岡本太郎などが、映画『宇宙人東京に現わる』のパイラ人(岡本太郎デザイン)フィギュアとともに並んでいる…根っからの岡本太郎好きだな。帳場下には美術系文庫&新書・都市・詩集などが収まっている。美術を背骨に、建築・写真・漫画を太い枝とし、細やかで見たこともない本も飛び出す、レベルの高いお店である。値段には幅があり、安い値付が多いのがとても嬉しい。欲しい本がたくさん見つかり、すぐさま掌の中に本が溜まって行くので、一旦冷静になって買うべき本を改めて吟味する。ニトリア書房「戦後前衛所縁荒事十八番/ヨシダ・ヨシエ」三笠書房「不純異性友遊録」読売新聞社「また横道にそれますが」ともに田中小実昌、弘南堂「炉辺詞曲 アイヌ神謡集/知里幸恵編」を購入する。満足して扉を開けようとすると、その扉が帳場で屈んだ店主のお尻に激突してしまう。「す、すみません!」「いえ、狭くて、すみません!」などとやりとり。いつの間にか曙橋に、日月だけ営業する、素晴らしいお店が誕生していました。
posted by tokusan at 17:21| Comment(10) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月18日

3/18東京・九段下 第3回 昭和レトロ市

kagakugijyutsukan.jpg
『北の丸公園』の『科学技術館』で、面白そうな玩具系骨董市が開催される情報をキャッチし、地下鉄東西線で九段下駅下車。『4番出口』から地上に出て、日本武道館で開かれる卒業式の混雑を避けるようにして、『牛ヶ淵』沿いを南に向かう。閉鎖され、人気の感じられない典型的帝冠様式の『九段会館』前を通過して、お濠の上を『清水門』へと向かう。二つの門を鍵型に潜り、階段とも坂ともつかない斜面を上がり、やがて『北の丸公園』の端っこに上がり込む。そして白いイスラム的ファサードを持つ『科学技術館』に到着する。正面玄関からエントランスホールに入ると、袴姿の女学生の群れに混じり、短い列が右のイベントホールから延びているではないか。その列の最後尾に付くと、ほどなくして午前十一時の開場となり、入場料500円を支払ってから、二十店ほどの臨時店舗が並ぶ空間に突入する。長テーブルや持ち込んだ棚を使い、アンティーク店・プラモデル店・駄玩具店・ソフビ店・紙物店・レコード店・ペナント店・女子向けアンティーク店・女子向けファンシーアンティーク店・女子向け駄玩具店・玩具武器店・古道具店が連なる、懐かしさが高揚に火を点ける、楽しい空間となっている。隅には駄菓子バーもアリ。もちろん狙うは古本なのだが、紙物は多いが古本は案外に少ない。一店が雑誌や漫画雑誌や児童書&児童入門書を扱っていたが、欲しいものは見つからず。ぐるっと回った左隅のお店で、ようやく古い絵本の山などを見付け、じっくりと挑みかかる。二冊を選んで精算しようと店主に近づくと、おっ!付録漫画が並んでいるではないか。だが、それほどめぼしいものは、結局見つからなかった…ただ一冊、付録本の分厚い「トニー谷の名たんてい」が気になるが、八千円か…とあっさり見送ってしまう。講談社のディズニー絵本「ドナルドの名たんてい/絵ウォルト=ディズニー・文大木雄二」(収録された五話は、すべてドナルドを主役にした他愛もない探偵物である。ディアストーカーに天眼鏡にパイプが揃っているので、完全なる北原尚彦氏ホームズ案件であろう…だが、氏はすでに所持している可能性大である)Golden Book「A Rocket Trip to the Moon/Geraldine Russell」(人形とミニチュアを使った洋書写真絵本。1970年発行の犬も連れた月旅行を描くSFである。その出来は悪夢のようにエクセレント!だがクレジットを良く見てみると、日本の凸版印刷がプリントしており、版権も『Shiba production』となっている…もしかしたら日本語版が存在するかもしれない)を計1500円で購入する。この市は明日も開催される予定。

そして家に帰って、明日の「みちくさ市」参戦の準備に奮闘する。久々にフリーペーパー『五十歳になって思うこと(主に古本屋について)』など作成しましたので、明日お時間ある方は、ぜひとも雑司が谷でお会いいたしましょう!待ってます!
0319michikusa.jpg
posted by tokusan at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月08日

3/8東京・御茶ノ水 エスパス・ビブリオ 第一回蔵出し古本市

早起きして地図作りを東小金井まで進める。作業の手を止め、身支度を整えて外出すると、午前十時半。総武線で水道橋に向かい、そのまま久しぶりの神保町パトロールに突入する。初っ端の「丸沼書店」(2009/12/17参照)で中公文庫「ダンディズム/生田耕作」国書刊行会「ク・リトル・リトル神話集H.P.ラヴクラフト他」を計500円で購入し、先陣を切る。そこからしばらく南に下った、いつでも店頭を楽しみにしている「日本書房」(2011/08/24参照)では、中央柔々和本タワーの間から、郷土研究社「爐辺叢書 越後三條南郷談/外山暦郎」を抜き出して500円で購入する。大正十五年刊、文庫サイズ167ページの民俗学調査的聞取り話集である。地名や方言や民話や農事などの項目もあるが、『化物のこと』『怪火』『天狗』『河童』『動物』『神』『變つた人々』などの妖怪や怪談奇談関連についても採集されている。自身の体験談や近しい人の聞取りが多く、主に明治〜大正と刊行時に近接した生々しい話が多い。特に『怪火』には、いわゆる火の玉以上の大きさや活動をする、UFO的な目撃体験談が多く含まれ、興味深い。よし、良いものが手に入ったぞ!と小さく喜びながら、「神田書房」(2012/02/16参照)では福武文庫「香港読本/山口文憲編」ちくま文庫「尾崎翠集成(上)/中野翠編」を計200円で購入する。だがその後は、「山本書店」(2012/04/25参照)にてハヤカワ文庫「幻想と怪奇 ポオ蒐集家/仁賀克雄編」を100円で購入するに留まる。残念ながらつい先頃閉店してしまった絵本のお店「BOOK HOUSE」が撤収中なのと、二階の「北沢書店」(2014/05/26参照)が必死に営業中であることをアピールしている巨大な貼紙を目撃する(だってお店への入口階段が、閉店した店内一階にあるんだもんな)。

espas_kuradashi.jpg
パトロールを終えて、駿河台崖下の『猿楽通』を北上している。途中脇道に入って『男坂』の石段を懸命に上がると、そこは『とちの木通』である。石段東南脇ビルの、地下にあるブックカフェ「エスパス・ビブリオ」への階段前に立つ。今日から3/17(金)まで、改装のための古本市が開かれているのである。このカフェに架蔵されているのは、主にアート・デザイン・建築・映画・写真集などであるが、果たしてどんな本が蔵出しされているのだろうか…。豪奢な階段を下り、ガラス張りの店内に滑り込むと、カフェは女性客で満杯である。もちろんそちらには目もくれずに、左の市が開かれている純白のギャラリースペースに足を向ける。右の壁際に長テーブルが二つ付けられ、100円の本が背を上にして置かれている。中央には大きなテーブルがあり、そこにも背を上にして、ぐるりと本の列が一周している、左にはセレクトされたバーゲン本アートブックが、500円と1000円の値で並んでいる。当然の如く100円のワンコイン本に己の耳目を集めてしまう。…なんだかわりと家庭的な古本市である。読み古された本や読み終えた本が多く、持ち寄った人の趣味嗜好がダイレクトに透かし見えているのだ。食や美術や旅行にカルチャー&美術雑誌、それに小さな展覧会の図録類も多い。クルクル回って三冊選び、レジで精算しようとするとそこには誰もいない。そのまま左奥の戦場のような厨房カウンターに声を掛け、忙しい中精算していただく。青土社「現代アメリカ映画談義/黒沢清+蓮實重彦」夏葉社「冬の本」新人物往来社「衝撃の絵師 月岡芳年」を計300円で購入する。帰りは『とちの木通』を北西に進み、『アテネフランセ』前を通過して、水道橋駅近辺のパノラマが楽しめる坂の上に脱出。さて、さっさと帰って机の前に座り、眼下の鉄路をさらに西へ向かうとするか…。
posted by tokusan at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

2/22グラノーラ専門店と懐かしもの屋で古本を買う。

igusa_wanien.jpg
●上井草「井草ワニ園」
各駅の西武新宿線から、ピンクと白の壁と柱のホームに足を突き出すと、わりと段差があり、油断していた踵に軽い衝撃が走る。ホームベルは『機動戦士ガンダム』。コンクリタイルがアーガイルに埋め込まれた、古いタイプの駅の南口から街に出る。駅前は道路で、東に進めば線路とともに直線に延びて行く『上井草商店街』の入口である。所々下ろされたシャッターにガンダムが描かれており、すぐにアニメ制作会社『サンライズ』のビルも左手に出現する。真っ直ぐ、何のてらいもなく駅から150mも歩けば、道は徐々に下り坂になり始める。そこで右手を見ると、白くシンプルなガラスウィンドウのお店…一見カフェのようだが、その機能も有する“グラノーラ”専門店とのことである。そして店頭には、古本箱が置かれているのである。数段のレンガタイルステップを上がり、白いテント日除けの下の箱をのぞき込む。料理・食・暮らし・絵本など。100均と言うわけではなく、表4側見返しに、糸付きの値段タグが貼付けられており、そこに各々の値段が書かれている。店内はほぼカフェのようだが、すぐ目の前のウィンドウ越しに本棚の裏側が見えているので、勇気を奮ってドアを開ける。ゆったりしたと言うか、情報量の少ないガランとしたイメージの空間である。左がカフェスペースで、正面に厨房カウンター、そして右側壁面に結構本棚が並んでいる。右寄り手前フロアに固まる絵本箱やセレクトコミックで作られた通路に入り、まずは入口右横の棚に目を凝らす。そこには『並んでいるのは古本です』のカードがあったので、本を手に取り開いてみると、見返しにあったのは「古本 一角文庫」のラベルであった。ここは、一角文庫の出張販売棚なのか。この居候なのに意外に多い本の量は、まるで立派な一角文庫の店舗のようではないか。入口右横は旅や街の本から始まり、田辺聖子・村岡花子・高峰秀子・岩崎ちひろ(一段分。ご近所に『ちひろ美術館』があるためか)・100〜300円コミック、そして小さな絵本棚。右壁沿いには、セレクトコミック・暮らし・お洒落・絵本・レコード・植草甚一・本&古本・日本文学・海外文学・幻想文学・美術・映画・現代思想・漫画研究&評論などが並ぶ。キレイ目な本が多く、空間に合わせたライトなこだわり棚造りが為されている。値段は普通。結局グラノーラはいただかずに、カウンターで本の精算をお願いする。向こうから顔を覗かせたのは、ファッショナブルなインパルス板倉風メガネお兄さん。タグ付きは自分の本で(カウンター下に食&音楽の個性的な棚あり)、他は定期的に入替補充も行う一角文庫のものであることの説明を受け、さらに一角文庫の活動内容についても詳しくレクチャーされる。一角さん、幸せなお店に本を置いてますな。主婦の友社「60年代郷愁の東京/本橋信宏」集英社「学習漫画 くらしの相談室」を購入し、ホットなジンジャーシロップお湯割を振る舞われる…美味しい!

natsukashiya_asagaya.jpg
●阿佐ヶ谷「1960年代専門店 甘辛人生劇場 懐かし屋」
のどを生姜でヒリつかせながら、その後は新宿に出て用事をこなし、さっさと阿佐ヶ谷に帰り着く。買物を済ませたり、古本屋の店頭を冷やかしたりしながら、『中杉通り』西側歩道を北上して行く。谷を超えて坂を上がり、駅からはおよそ700m弱の地点。昨年末から開店準備を進めていたアンティーク&懐かし玩具店が、いつもは『Close』の札を出しているばかりだったのに、今日は『Open』になっているじゃないか。これは、やっている!ちょっとガラス越しに店内の様子を透かし見た後、本日二度目の勇気を奮って店内へ。整然とガラス棚やガラスケースに、大量の玩具やキャラ物やアンティークが飾られている。そして壁面に並ぶクラシックな掛時計たちが、ガチャガチャチクタクカチカチと時を刻むオーケストラを奏でている。左奥に帳場があるようだが、誰もいない…と思っていたところ、突然「いらっしゃい」の声がそちらから聞こえて来た…あっ!白髪白髯眼鏡の店主が、ちゃんと帳場にいるではないか。どうやら店内の情報量があまりに多過ぎ、店主を人として認識出来なかったようだ…。実はここは下北沢から移転して来たお店(2013/09/19参照)で、以前は残念ながら何も買うことが出来なかった思い出が。果たして今回は…。壁に飾られた紙物(新宿『どん底』の歌集なんてものが!)や、大小様々なソフビに目玉が吸着するが、肝心の古本は見当たらない。うむぅ〜、残念だなと思っていると、ガラスケースの下の隙間に、薄く横並びに隠されたように本が詰まっているのを発見!我慢出来ずに「下の本、見せてもらっても良いですか?」と聞くと「どうぞどうぞ。ちょっと手が汚れるかもしれませんけど…」「いや、構いません!」となったので、堂々としゃがみ込み、優しく本を引っ張り出して行く。浮谷東次郎・のらくろ関連・古い漫画・雑誌付録・映画パンフ・ソノシートなどがあるが、一番多いのは玩具系のガイド本である。だが、見たこともない良い一冊を掘り出せたので、値段を問うてみると、何と500円だったので喜んで購入する。購入会話を交わしながら、流れで古本好きであることを明かし、時々見に来ることを約束する。鶴書房「のらくろ先生の観葉植物/田河水泡」を購入。
norakuro_kanyou.jpg
田河先生のオリジナル観葉植物の楽しみ方をしたためた本であるが、中にはのらくろイラスト(描き下ろし)が満載。遠い世界の果てのような、園芸ギャグ四コマ漫画(もちろん主役はのらくろである)までが収録されており、まるでのらくろ外伝に出会ったような喜びが迸ってしまう。
posted by tokusan at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月05日

2/5東京・新宿 ホホホ座 at BEAMS JAPAN

hohohoza_at_beamsjapan.jpg
野暮用で横浜方面の実家に里帰りし、夜になって東横線で帰京する。東横線に乗り続けて渋谷駅を通過し、電車が各駅の副都心線に成り代わった後に、午後七時前の『新宿三丁目駅』で下車したところで、昨日から京都の「ホホホ座」(「古本屋ツアー・イン・京阪神」P45参照)が『新宿丸井本館』裏の『BEAMS JAPAN』にて、3/5までの期間限定ショップを開いているのを思い出す。果たして古本が売っているかどうか定かではないが、念のため足を運んでみるかと『A2出口』から丸井前に出て、『明治通り』からその裏側に回り込み、若者で賑わいを見せるガラス張りの『BEAMS JAPAN』ビル前。通り側のウィンドウには、路面電車・嵐電が写る大きなポスターが貼り出され、横にはコラボショップのロゴマーク。そのガラスの向こうには、商品を品定めする、お洒落な若者たちの楽しそうな顔・顔・顔。角面の入口から中に入ると、異様にジャポニズムを意識した、モダンシンプル和匠な空間。入口近くのウィンドウ際には、ホホホ座がセレクトした独特な京都商品や雑貨・ZINEなどが集められ、ほぼ若者のためのニューウェイブなミニ京都が出現中。入口右側のカフェスペース前には、三方(切腹するときお尻を乗せるやつ)が巨大化して重層化したような台があり、京都の銘菓や新刊本などが並べられている。その裏側に回り込むと、おっ!三十冊ほどだが古本がちゃんと並んでいるではないか。すべては京都に関する本で、歴史・史蹟・寺社・人間・風土・祭事・庭・文化財・動物園などなど。値段はほとんどが千円以下で、リーズナブルな印象である。下の段には「月刊京都」というローカル雑誌が、三十冊ほど横積みされている。ふむふむと一冊選び、奥の全国を象徴的記号的に並列化したようなジャポニズム商品を集めた棚にぐるりと囲まれた、奇妙な神殿的レジで精算をしようとすると、お客をひとりずつ、丁寧過ぎる過剰な接待&包装を施しているので、大いに神殿外で待たされてしまう。京都新聞社「京都 滋賀 秘められた史跡」(京都と滋賀がワンセットになっているコンセプトがワンダフル!)を購入し、ホホホ座作製の『ホホホ座の考える京都エリア地図』も手に入れる。レジ待ちで瞬時にちょっと疲れてしまったが、古本をちゃんと売ってくれていて、本当に良かった…。
posted by tokusan at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月31日

1/31東京・下北沢 古書明日

kosho_ashita17.jpg
様々な方から「何故初日にちゃんと行かないんだ」とお叱りの言葉をいただいていた、元々都立大学にあった時々入れる事務所店(2013/01/22参照)の新実店舗に、冷たい風に巻かれながら駆け付ける。北口に出ると、仮改札はいつの間にやら北東に向いており、目の前はフェンスに囲まれた味気ないアスファルトの広場になっている。かろうじて懐かしい面影を残す『下北沢北口駅前食品市場』の無惨な残滓を横目に見ながら、狭く賑わう商店街を北東に進む。途中鍵の手に曲がりつつ、さらに歩き続けて短い坂を下ると、目前の小ビル二階に「CLARIS BOOKS」(2013/12/01参照)の強い明かりが輝く『下北沢一番街』である。緩い坂道の商店街を東南に下り、『茶沢通り』とつながる元小田急線踏切を目指して歩いて行く。すると左手の、ついこの間まで下北沢老舗の「白樺書院」(2016/12/23参照)が入っていた店舗に、カラフルな立花に祝されている古本屋さんが、すでに誕生していた。おぉ!出入口が、左右二ヶ所になっている!店頭ワゴンには木箱が所々はめ込まれ、100均文庫・安売本・変な新書・猫本などが並び、茶色く古い本が紛れ込んでいるのが特徴的。ガラス扉には店名含め、お店の情報が貼り出されているが、それはすべて半紙に墨で柔っと書かれている。左側から中に入ると、正面奥が帳場となっているのだが、白樺時代とずいぶん違い、後がぶち抜かれ、すっきりと広くなった印象である。その帳場には昭和の雰囲気をたおやかにまとう女性が店番中。左右の両壁は本棚で、左奥壁も本棚。そして真ん中に背中合わせの棚が一本立ち、すべての棚下に低めの平台が付属している。店内には、香水なのか花の香りなのか、古本屋さんにはあまり似合わぬ香しき匂いが漂っている…。左壁は新書サイズ本と文庫(大藪春彦多し)から始まり、少しカオス気味にサブカル・カルチャー・文学・社会・民俗学・近現代史・映画などが混ざり合い、続いて行く。平台は棚と近い並びで、単行本が背を見せて並んでいる。向かいは文庫棚で、講談社学術・岩波・ちくま・ハヤカワSFが幅を利かせ、平台にはちょっと古めのはみ出し文庫や、おかしな新書サイズ本が集まっている。右側通路へ移動すると、奥壁棚は民具や骨董・文学古書・歴史資料系古書・園芸古書がなどが集まり、一部は面陳となっている。右壁には映画・演芸・美術・思想・海外古典文学・西洋宗教が並び、下には紙物箱や雑誌や小冊子が置かれている。通路棚は、戦争・植民地・アジア・沖縄・東京・文学評論&評伝・大判本・図録類となっている。小さなお店である。そして結構な硬さを誇っている。まさか若者文化溢れる下北沢に、こんな硬めの正統派古本屋さんが誕生するとは、思ってもみなかった。新書・古書・紙物に奇妙なところがあり、どちらかと言うと軟派な私は、そこに惹き付けられてしまう。値段は普通。三井物産株式會社機械部「ライブラリ・ビウロウ 鋼鐵製書架 並ニ圖書館用品各種」大月書店「神奈川県の戦争遺跡/神奈川県歴史教育者協議会編」を購入する。凶暴インコはいないけど、店舗を引き継いで下さり勝手に感謝!そして開店おめでとうございます!

字面が物々しい「鋼鐵製書架」は恐らく昭和十年代の、米國ライブラリ・ビウロウ製造品の棚を中心とした商品カタログである。使用例の『大阪毎日新聞社圖書室』の写真や、強固で巨大な本棚やレミントンのタイプライターまでが掲載されている。中でもまるで巨大なビルディングのような『鋼鐵製カード凾』と青銅&ガラス製陳列箱の見開きページには、尋常ならざる魅力を感じてしまう。これはカッコいい!
koutetsusei_shoka.jpg
posted by tokusan at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

1/24東京・西八王子 ガレージランドHarps

前回の記事にあるように、西八王子「一歩堂」(2015/05/11参照)に何やら大変な変化が訪れているようなので、確かめに向かう。北口に出て、未だに銀杏の踏み付け痕が残る歩道を進んで『八王子市役所』方面へ。緩やかな坂を下り、交通量の多い『陣馬街道』を越えてさらに進むと、右手に『古本』の文字が見えて来た…サッシ扉にそっと近付くと、硝子に小さい貼紙があり、営業時間と“営業中”の文字を確認する。店内に100均棚が引き込まれているが、ちゃんと営業中のようだ…多数の猫の気配もとりあえずはナシ(古本神・森氏は誰もいない店内を歩き回る多数の猫を目撃したそうである)。扉を開けて中に入ると、お香の匂いが微かに漂い、店内は風がないだけで、外気温と変わらぬ極寒の室温である。帳場奥には老婦人が座り、小声で何やら話しかけているので、どうやら猫たちと会話をしているようだ。…まぁ、しっかり営業していて良かった。震えながらも棚に集中し、二冊を手にして帳場に向かい、奥に横向きに座る老婦人に声をかける。そしてそのスキに、奥の間に目を凝らすと、おぉ!いるいる。以前からいる白黒猫に加え、黒の多い白黒猫が毛を膨らませてジッと屈み、白地に虎柄猫が室内を闊歩しながら、こちらの様子をうかがっている…か、可愛いな。老婦人はにじり寄りながら本を受け取り、値段を確認。そして「今日はとても寒いですね。もうお仕事終りなんですか?」「いえ、今日は休みなんです」「そうですか。ずいぶんと早くからいらっしゃるから。ホホ、休みなのに、ちょっと寄って下さったのね」などとやりとり。すると、帳場の下に猫がスルリ。「そこ寒いでしょ。寒いでしょ」と老婦人。書肆ユリイカ「ユリイカ 特集・自殺 19587月号」講談社「鳥/庄野潤三」(帯はないが函も本もキレイで、これが200円とは拾い物!)を計700円で購入する。

garageland_harps.jpg
『日吉町交差点』のある『陣馬街道』まで引き返し、そのまま街道を『追分町交差点』に向かい東に歩いて行く。しばらく歩くと右手に黄色い看板が見え、そこが森氏にチラと教えられた、古本も少しあるリサイクルショップであろうか。店舗手前はガレージ状になっており、そこにすでに様々な物品が飾られている。右はアンティーク家具や古道具をお洒落にディスプレイし、左には工具や大工道具などが賑々しく置かれている。どうやら、アンティーク+古道具+リサイクル要素を併せ持つお店のようだ。中に入ると薄暗く、まずはアンティークショップの雰囲気。それが左に行くほど日用品度がアップし、左奥の駐車場側出入口へとつながって行く。何気ない風を装いながら、古本を激しく求めてあちことに視線を飛ばす。右端通路には、面子やソノシートやレコードなどを確認。紙物も幾つか飾られている。だが、ここではない。第二通路は物品ばかり…では第三通路は…右側に絵葉書などの紙物をを発見。おっ!そしてその向かいの棚の上に、古そうな小型本や大型雑誌が二十冊ほど集まっているじゃないか。ほくそ笑みながら手を伸ばし、セロファン袋に入った薄手の本を確認して行く。駄菓子漫画・雑誌付録・付録漫画・児童雑誌…幸せなラインナップだ。値段も800〜1000円
となかなかお手頃価格になっている。ずいぶん古い北田卓史の付録海賊絵物語が三冊あるが、続き物か…う〜む、榎本書店のターザン駄菓子漫画も気になる…しかしこれにしておこう!と一冊だけ選び、奥の方も一応見に行く。そこは生活用品+家具+楽器の世界で、古本はバンドスコアやグラビア雑誌を確認するのみであった。みくに書房「長編ポケット漫画 怪奇探検 冒険児/竹田文吾作」を購入する。
boukenji1.jpg
「冒険児」の表紙はなかなか凛々しい紅顔の美少年。
boukenji2.jpg
だが中身はやっぱりこんな感じ。一ページに上下二コマで、全32ページ。その中に探検地図争奪戦、船の難破と島への上陸、ライバルとの格闘、人食い人種との戦闘、巨大猛獣や未知の類人猿との出会いが、ギュギュッギュギュッと詰め込まれている。表3には広告が掲載され、1.魔島征服記 2.密林の王者 3.冒険児 4.古塔の魔王 5.白假面 6.ノンビリ名探偵 7.冒険太郎など、何処かで聞いたようなタイトル含めラインナップされている。
posted by tokusan at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月22日

1/22東京・吉祥寺 吉祥寺パルコの古本祭り

kichijoji_parco_furuhonichi.jpg
駅北口からお洒落な人波に乗って、西にある『吉祥寺パルコ』にユラユラ向かい、セールで華々しく飾り立てられた一階女子世界を、何食わぬ顔で堂々進んでから、地下への一人幅エスカレーターに飛び乗る。地下一階でステップから離れ、ぐるりと上りエスカレーター側に回り込むと、その脇の一角で、およそ二十ほどのワゴンを並べた、『パルコブックセンター』主催の古本市が開催されていた。キャッチコピーは『若手店主が営む個性派古書店12店舗が吉祥寺パルコに集結!』である。それにしても『吉祥寺パルコ』は古本市が好きであるな。ついひと月前にも、七階で「ART BOOK BAZAR」(2016/12/12参照)が開かれたばかりなのに、またもやの古本市開催に加え、開催期間が2/20(月)までと長めなのである。あっ!良く見ると奥のレジに立つエプロン姿の男性は、「ARt BOOK BAZAR」で、たった一人で広い会場を守っていた人と同じ人じゃないか…恐らく永遠の古本市担当なのかもしれない…ありがとうございます。古本がいつもお世話になっております。会場内には家族連れや若い男女がワゴンに向かっており、なかなかの盛況を見せている。洋書絵本や近刊文庫が人気のようだが、映画系文庫や美術やCDやレコードも幅を利かせ、小さいながらもバラエティに富み、キレイ目な古本世界を展開している。一番心惹かれたのは代々木八幡「rythm_and_books」(2011/08/10参照)のワゴンで、完全にカルチャー変態度全開な新書サイズ本の並びに、この世の中におかしな本を撒き散らしてやる!という素敵な気概を勝手に感じ取る。そんな中から一冊を選び取ったのだが、なんと値段が付いていない。近くに並ぶ本の間や周辺を見回すが、スリップが落っこちている気配はない。だがその本がとても欲しかったので、あえて永遠の古本市担当男性に値段を聞くことにする。するとしばらく待たされたが、方々に電話を掛けていただき、およそ七分後に500円であることが判明する。「あっ、じゃあいただきます。お手数かけてすみませんでした」「いえ、こちらこそ申し訳ございませんでした。では税込で540円になります。今スリップを作りますので、少々お待ちください」などとやり取りし、新興音楽出版社「口笛の吹き方/金井セツヲ」を購入する。

この本、文庫サイズの音楽独習&名曲集の一冊なのだが、他はみなちゃんとした管楽器打楽器洋楽器和楽器なのに、これだけが何故か異色の人体楽器の一冊(附録として他にも「柴笛(木の葉を利用)」や、裏聲を必要とする「聲笛」、口の中に手を叩いた音を響かせ演奏する「マウス・シロホン(口の木琴)」の技法も紹介)として滑り込んでいるのである。内容はもちろん技術的なことにページが割かれているのだが、冒頭や合間合間に口笛の市民権を高めるための文章がしつこく挿入されており、それが悲哀を誘いつつおかしくてたまらない。口笛に関する石川啄木の短歌を引き合いに出し、口笛に潜むロマンチシズムを熱く語ったり、「二十有餘年來この口笛を吹き通して來たが未だ一度も泥棒に見舞われたこともなければ、又蛇が出て來たといふこともない」などと、口笛が好き過ぎて民間伝承などにも立ち向かう始末なのである。フフフフ、今日も古くて面白い古本が買えたぞ。
kuchibue_no_fukikata.jpg

ついでに最近開いているところにお目にかかれなかった、南口側凶悪極狭バス通り沿いにある「バサラブックス」(2015/03/28参照)を見に行くと、今日はちゃんと開いている!よかったと胸を撫で下ろし、小さな三角形店内の豊穣な棚を慈しむ。双葉社「ルパン殺人事件/野坂昭如他」の帯付きを400円で購入する。その後はテクテク西荻窪まで歩き、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にちょこっと補充すると、帳場脇に古本神・森英俊氏がヌゥッと立っており、挨拶を交わしつつ古本屋情報交換。千葉・松尾「サティスファクション」(2012/12/19参照)移転や、西八王子「一歩堂」(2015/05/11参照)の猫多頭飼いに驚かされる…これはちょっと確かめに行かなければ…。
posted by tokusan at 16:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月21日

1/21東京・水道橋 古書たなごころ

高円寺『西部古書会館』二階で、岡崎武志氏とともに、例の古本屋本第三弾のお仕事に従事。そこで、お店が出来てからずっと正体がバレていないと思っていた「古書サンカクヤマ」さん(2015/02/02参照)に、とっくに見破られていたことを知り、ガ〜ン!とショックを受ける。さっきもここに来る前に、100均雑誌を何喰わぬ顔で買って来たばかりなのに…これからはちゃんと挨拶することにしよう。買った雑誌は昭和三十年の「松竹歌劇 SKDファンの雑誌」二冊である。バタ臭い表紙写真に惹かれて思わず手に取ると、薄い冊子ながら小説も少々掲載されている。一冊に「新宿怪談/ミス・マナコ」というちょっと面白そうな一編が載っていたので、残りの数冊も詳しく見てみる。すると一冊に、山崎俊夫の「写真物語 レモン色の靴」なる小説を発見したので、慌てて購入した次第である。SKD女優が登場人物を演じた写真が添えられているが、内容は青春物語の皮を被った見事なまでの“足フェチ”の話……いいのか、松竹歌劇団!
lemon_iro_no_kutsu.jpg

仕事を終えたら、そのまま駅から総武線に乗り、ガタゴト各駅で水道橋駅。東口改札から南にガード下を抜けると、背後から『東京ドームホテル』が、まるで自身が太陽であるかのように日光を反射している。だが、最初の交差点で西に入ると、たちまち日光は遠ざかり、雑居ビルの谷間の寒冷地帯。二番目の脇道を南に向かうと、右手に二つの入口が並んだ雑居ビルが現れる。一階のガラスウィンドウの向こうでは、大量の古本横積みタワーが丸見えになっている…だが目的はここではなく、左側の入口からビルの通路に入り込み、エレベーターで四階を目指す。扉が開いて通路を右に進むと、奥でガンメタ色の鉄扉が静かに待ち構えていた。
tanagokoro_misakichyo.jpg
ここは元来『紅茶研究所』という、その道のオーソリティーが紅茶のすべてと美味しい淹れ方を追い求める場所なのだが、何故だか去年裏路地十字路のお店を閉じた、ミステリ&SF&幻想小説の「古書たなごころ」(2010/11/24参照)が移転開店し、研究所と同居しつつ週末営業を行っているのである。今日はその貴重な営業日。小さな店名札がかかった扉をガチャリと開けると、たなごころさんがすぐ「いらっしゃいませ」と応対に立ち、土足厳禁の店内に招いてくれた。左三分の二が紅茶研究所で、右三分の一が小さな古本屋となっている。たなごころさんが笑顔全開で、早速店内を説明しながら案内してくれる。まず入って正面には細いプレミア本棚があり、左の研究所内に進むと、右が質の良い文庫と単行本が並ぶ100均棚となっている。小林信彦・ちくま文庫・中公文庫・ミステリ文庫が、かなり勇ましい輝き。すぐさま四冊を抜き取ってしまうが、100均棚は一月限りらしく、その後はポケミスで埋め尽くす計画を立てている。その裏側は探偵小説&ミステリ文庫棚で、一本の短い通路の右側には棚が奥の壁棚を合わせて三本横向きに置かれている。手前棚の上には仙花紙雑誌の「LOCK」や「MEN」が飾られ、その間の地帯は棚に並べられないSF&幻想文学結束本の山が占領している。向いの棚には古く茶色い探偵小説&雑誌が収まり、そのさらに奥には、翻訳探偵小説・ミステリ文庫&ノベルス・探偵小説評論、それにパソコンの置かれた作業スペースが展開している。お店は以前より遥かに小さくなり、本もだいぶ処分したそうであるが、あのレジ周りの濃密ぶりは健在で、エッセンスをギュギュッと濃縮した形を採っている。「値段のないものは聞いて下さい。付いてるものでも、ものによっては勉強しますよ」と、とても嬉しい甘い囁きが繰り返される。値段の付いてない一冊を選び値を聞くと、お手頃だったので購入を決意する。そして研究所スペースに移り、珈琲をごちそうになりながら、楽しくもある苦しくもある古本屋話に耳を傾ける。色々あってここに移転して来たわけだが、以前の実店舗一点に全力を注ぐ形ではなく、営業日は少なくとも、一人一人のお客さんに、丁寧にたくさん話をしながら本を譲って行く方が、性に合っているらしい。そこから、自分の古本屋人生(「@ワンダー」(2009/01/21&2014/05/22参照)に勤めていた時代から、「いにしえ文庫」「古書ひぐらし」とともに生きた小さな十字路時代まで。十字路店舗時代は、実質六年である)を楽し気に一気呵成に語っていただき、最終的には「古本屋よりおにぎり屋をやりたい!ごはん作るのが大好きで、古本よりそっちの方が絶対に楽!」との結論にいたる。それでも今現在売っているのが、やはり古本だと言うことが、古本好きとしてはとても嬉しいのである。珈琲を飲み干し、さて精算と、東京創元社「創元 海外推理小説特集」(新書サイズで、まだ創元推理文庫の出ていない時代のものである。)光文社文庫「絢爛たる殺人/芦辺拓編」「硝子の家/鮎川哲也編」「ミステリーファンのための古書店ガイド/野村宏平」集英社文庫「洲崎パラダイス/芝木好子」を差し出すと、全部で千四百円。ところが二千円を差し出すと、お釣りがないことが判明する。こちらも小銭の持ち合わせがなかったので、外まで崩しに行こうか、それとも百均の四冊を諦めるかと逡巡していると、「じゃあこういう時はしょうがない。千円で!」と予想外の嬉し過ぎる提案をしていただく。そしてそれを即座に飲み、改めて来店して、このご恩をリカバーするほどの客になることをその場で誓う。みなさま、たなごころさん来店の際は、小銭持って行きましょう。そしてまた、こんな形のお店を開いていただき、本当にありがとうございます!
posted by tokusan at 20:03| Comment(4) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月10日

1/9東京・駒込 BOOKS青いカバ

books_blue_hippo.jpg
駅のホーム西側は、丸く植栽されたツツジの法面に挟まれた、浅い谷底になっている。その西の階段を上がり、改札を抜けて南に跨線橋を渡り、大きな『本郷通り』に出て、南に進む。すぐに鬱蒼とした林を抱える『六義園』のレンガ門を右に見てから、冷たいビルの足下をさらに南進して行く。右側からは常に、『六義園』の偉大な気配が、ビル越しに漂ってくる。やがて『上富士前交差点』で『不忍通り』にぶつかるので、南側に渡って通りを西へ。ちょっと歩くと、左手ビル一階に、本日オープンした古本屋さんが姿を現す。鮮やかな水色のテント看板には、店名通りの青いカバが、ロゴの一部として描かれている。その下には開店祝いの立花と共に、右に単行本棚、左に文庫棚が設置されている。値段は100〜300円の振れ幅圴一である。スライドドアを左に動かして店内へ入ると、どの通路にもお客さんが立つ、初日盛況状態。大変目出度いことである。床には板が張られ、棚はスチール棚とオリジナル木棚が共存している。手前は真ん中に平台+棚を置き、両壁は本棚。右側半ばの帳場を過ぎると、奥は右側に少し広がり、壁棚に囲まれた通路が三本形成されている。奥の通路はわりと狭く、一人が立つと譲り合わなければ擦れ違えない幅になっている。左壁には日本文学文庫・海外文学文庫・時代劇文庫・新書・ノートラック。右壁には絵本・児童文学・図鑑類・セレクト新刊が収まっている。中央の平台には夏葉社本などの新刊と共に、おぉ!城左門の署名入り豪華詩集が七千円!連結した棚はまだほぼ空いている状態で、赤瀬川原平・自由価格の珍本全集、それに大判のバンド・デシネが面陳されている。奥に進むと、左端通路には女性実用・食・生物・科学・建築・エッセイ・本&出版・詩集・辞典・笠井潔・ミステリ&エンタメ・日本文学が並ぶ。中央通路には、海外文学・美術・映画・サブカル・現代思想・政治・社会・資格・ビジネス。右端通路はコミック・民俗学・歴史が集まっている。開店当日だけあって、まだまだ棚にブランクが目立ち、奥壁棚には大きなバンド・デシネパネルが飾られていたりするのである。なので棚の構成は暫定的なものである可能性大。だが、ジャンル全方位で本を並べているようなので、通りがかりの人にも、地元の人にも、わざわざ訪れてきた人にも、古本修羅にさえも、楽しんでもらえる古本屋を目指していることは明らかである。値段はちょい安〜普通。書肆ユリイカ 今日の詩人叢書1「山本太郎詩集/編集大岡信」(300円!)南進社「南進叢書1 ニューギニア」洋々社「アイヌの歌人/湯本喜作」(カバーナシ)を購入すると、店主とは去年のわめぞ忘年会で擦れ違っていたので「古ツアさんですよね」と声をかけられてしまう。「山本太郎詩集」に無地の書皮を手際よく掛けてもらい、そこに『青いカバ』ハンコを捺していただく。恐らく今年初の古本屋開店、おめでとうございます!これから棚にさらにどんな本が並び、お店がどう変化&進化して行くのか楽しみにして、また必ず古本を買いに来ます!

店内でたくさんの古本を抱えた南陀楼綾繁氏と合流し、肩を並べて路線バスに乗り込み護国寺方面へ。夕闇迫る裏通りを歩き、三角寛の血族が経営する渋く立派な料理屋『寛』の存在を教えてもらったりしながら(敷地の角には、薄れて『三角寛』としか読めぬ棒杭の標識が!)、「JUNGLE BOOKS」(2010/08/20参照)の『MUSIC FAIR2017音盤市』を偵察する。居合わせた吉上恭太氏や文庫善哉さんと挨拶を交わし、市に熱中する南陀楼氏をほったらかし、この三日間気になっていた自分のCDカゴをチェックすると、何と九枚も売れている!うひゃぁ!小玉和文や『集団左遷』と『傷だらけの天使』のサントラやゲーム音楽やフィッシュマンズやTHRILLまでが売れている!いや、なんでも出してみるもんだなと、ホッと胸を撫で下ろす。その後はだるま市を絶賛開催中の「旅猫雑貨店」(2008/07/19参照)さんに顔を出したり(戦前の、目玉と口が飛び出る神戸のミニだるまが、すごく欲しい!…だが値段は五千円…)、「往来座」(2009/01/09参照)で駿河台書房「傳説パトロール/戸川幸夫」を300円で買ってのむみち嬢に挨拶したりした後、南陀楼氏と餃子屋でグビグビ数杯傾ける。年末の北海道トークツアーで雪に苦しめられた話や、雑誌「ヒトハコ」の未来について耳を傾けつつ、色々手札を見せ合って、お互いに何か出来そうなことをぶつけ合う。今年こそは、もっと二人で何かやりたいものである!すっかり酔っ払った後は、「JUNGLE BOOKS」さんまで夜道を引き返し、音盤市の打ち上げに紛れ込む。半地下の古本屋さんで、フロアに大きなテーブルを出し、古本棚に囲まれてお酒を嗜むのは、とても愉快でおかしな時間である。
jungle_uchiage.jpg
階段上から、陽気な皆さんを激写。「CD市」の次は「切手市」という噂あり。本当に開催されるのなら、必ず出品いたします!
posted by tokusan at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

12/27東京・荻窪 Title 2Fの古本市

title_2f_furuhonichi.jpg
二度目の雨が上がってから、表に飛び出す。今日もテクテクテクテク二本の足を存分に使い、雨上がりの『日大二高通り』を南西に下って、『青梅街道』と合流。そこは荻窪駅北口から西に500mほどの『四面道交差点』である。ここからさらに、北側歩道を西に400mほど歩き続けると、『八丁交差点』手前に、青い日除けを持つ瀟洒な新刊書店が現れる。青梅街道の光景を反射して、輝くような大きなガラスウィンドウから、ディスプレイラックや店内の様子をうかがい、扉を開ける。そこは、熟れ練られた新刊の並びが興味深い、奥に向かう空間である。面陳を効果的に使う壁棚が向かい合い、奥に向かってテーマ新刊島→両面文庫棚→左奥にレジ→最奥のカフェと連続して行く。だが、目的は新刊ではなく、二階で今日から始まった古本市なのである。左側半ばの、リトルプレス壁面ラックに囲まれた一階踊り場から、ミシギシ急階段を気をつけて上がると、普段はギャラリーの小部屋に、愛しの古本が密集していた。まずは上がった所に「えほんやるすばんばんするかいしゃ」(2014/09/11参照)棚があり、洋書絵本を中心にレア児童文学・絵本・安売絵本を並べている。そのまま窓際を見ると古いラックが置かれ、「Lospapelotes」(2008/07/14参照)がレア雑誌を「洋酒天国」などともに飾っている。そのまま「トムズボックス」や旧世代の女子本を極めたように切っ先が鋭い「ひるのつき」、今度駒込にお店をオープンする「BOOKS 青いカバ」、刺繍裁縫関連に特化したような「古書玉椿」と続く。左の壁際には、まだ木の香りが匂いたつ箱に本を詰めた「一角文庫」が、気合いを入れて洋書・本関連・コア文藝・映画・カルチャー関連を並べている。背後の壁際には、階段近くに「ハナメガネ商会」(2014/04/26参照)が乙女+子供+レア絵本+奇妙な本をバランスよく並べ、パンチを効かせている。その横には立体的に展開する「にわとり文庫」(2009/07/25参照)が、古書・復刻本・新東宝映画チラシ・乙女・絵本・詩集・昭和初期・風俗などを美しくカオスに並べている。キュッと凝縮された感じの、少ない冊数でそれぞれのお店の特色を最大限に打ち出した、なかなか濃厚な古本市である。傾向としては、女子濃度の方が高めであろうか。値段はピンキリで、良い本にはそれほど見逃しなくしっかり値が付けられているが、所々隙もちゃんと設定されているので、目を皿のようにしてお気に入りの一冊を見つけるべし。結局二回見直したので、結構長居してしまった。「一角文庫」と「ハナメガネ商会」のショップカードが手に入ったのも嬉しい。一冊を抜き取り、再び気をつけて階下へ。厚生閣「趣味の地理 學習旅行文庫 山めぐり/西亀正夫」(函ナシ。見返しには神田「三省堂」と「松屋呉服店」のラベルが貼付けられている。昭和初期に良家のお坊ちゃんが買ってもらったのだろうか)を500円で購入する。市は来年1/8(日)までだが、12/31(土)〜1/4(水)はお店自体がお休みなので注意が必要である。
posted by tokusan at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月21日

12/21今日も懐かし物屋に足を運んでしまう

昨日の懐かし物屋での、軽いがそれなりに甘い古本の夢が忘れられず、同じような店を自力で探し出してたどることにする。だが空振りに終わる恐れも充分にあるので、確実に最初に買うべきだと、高円寺『座・高円寺』のロビーで今日から始まる「本の楽市」(2010/07/18参照)にまずは立ち寄る。薄暗く天井が高くだだっ広い空間で、六つの古本島の周りをグルグルグルグル。絵本や紙物雑貨が多めだが、「rhythm_and_books」(2011/08/10参照)が箱に詰め込んでいる、六十年代周辺パンフ&小冊子類に釘付けになる。他には「にわとり文庫」が大量に並べていた、B5二つ折り一色刷りわら半紙の、チープ過ぎる新東宝映画チラシに惹き付けられる。もしや「九十九本目の生娘」(原作は大河内常平「九十九本の妖刀」)があるのではと、一枚一枚丁寧に繰ってみるが、期待に反して見つからずじまい。その代わり、同じ曲谷守平監督作品のヒドそうなヤツを見つけたので握り締める。「今日のNHK」(1963年刊のNHKの宣伝パンフレット。東京オリンピックを前に、ますます放送施設と番組の充実を図るNHKの野望が各ページに踊る。当時人気の番組「事件記者」や「夢であいましょう」「若い季節」などのスチールも掲載)トムズボックス「ねずみ花火 さしえ集/茂田井武」新東宝映画単色チラシ「「妖蛇荘の魔王」「明治天皇と日露大戦争」」(「妖蛇荘〜」のキャッチが卑しい想像を逞しくする。『半獣人の毒牙か邪教の呪いか?恐怖の惨劇を操る人物は誰?』『!地上百米を飛ぶ半獸人!』)を計1150円で購入する。この市は25日(日)まで。
youdasou_no_maou.jpg

さて、古本…というか妙なモノたちも買ったし、これで安心して電車に乗り、改めて秋葉原駅で下車する。『電気街口』から雑踏中に踊り込み、『中央通り』を真っ直ぐ北に進んで行くと『蔵前橋通り』にぶつかる手前のビル一階に「ゴールデンエイジ」というお店があった。
golden_age.jpg
通路奥の扉を開けて中に入ると、“P”字型の通路を取り囲むように、懐かしのヒーロー系玩具がドッチャリ。『ニセウルトラマン』の玩具風ソフビが秀逸…うむ、古本は古本は…おっ、出っ張った“P”の下部に少し集まっているぞ。ヒーロー系児童書・特撮資料本・コミックがほとんどか…ううぅっ!ガラスケースの中に、小松崎茂大先生の「怪獣の描き方教室」オリジナル本が、函ナシだが並んでいるじゃないか!欲しいなぁ…高いんだろうなぁ…でも恐くて値段を聞けないなぁ…とそのまま表に出てしまう。何だかスキ無しな感じに、すっかり気圧されてしまった…。そのまま『蔵前橋通り』を西に歩き、坂を上がって『清水坂下交差点』。ここから北に進んで行くと、道はすぐさま急峻な『清水坂』となり、心拍数を倍に跳ね上げる。苦労して坂上にたどり着くと、道ばたに雑貨店案内立看板が置かれている。指示に従い脇道を東に入ると「王冠印雑貨店」は目の前だった。
oukanjirushi_zakkaten.jpg
明らかに女子向けなお店であるが、チャレンジしてみて損はないはずだ…しかしどうも、キレイなデッドストックや、復刻&オリジナルもの&猫ものが中心で、古物独特の深度感や高揚感はそれほど味わえない。思わず心中の失点を取り返すために、復刻千代紙の男の子SFモチーフを買ってしまいそうになるが、必要ないだろ!と己を叱り、我慢してお店の外へ。残念ながら古本は見つからず…やはりそう甘くはなかったか。

大晦日に『夏越の祓』を行う『妻恋神社』に参拝し、坂を下って、坂を上がって、御茶ノ水方面へ。すると聖橋の上で、午後三時の夕陽が一瞬優し気に煌めく。思わず立ち止まり、厚みと丸みのある欄干越しに下を覗き込むと、神田川の谷底には、すでに冬の寂しい闇が立ち込めていた…早く帰るとするか。
posted by tokusan at 18:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

12/19東京・阿佐ヶ谷 ZAGURI

zaguri.jpg
大阪「梅田蔦屋書店」での『古ツアお蔵出しフェア』に、さらなる追加古本を発送し、そのまま外出モードに入る。とは言っても遠くに行くわけではなく、『旧中杉通り』の谷底に出来た、新しいカフェ&アトリエが目的地である。駅からは北口ロータリーを突っ切って『北口アーケード街』を通過し、レンガタイルの敷き詰められた『旧中杉通り』をさらに北へ。スタスタ歩いて「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通過し、一段高いが空の抜けがとても良い墓地の脇を、緩いカーブを描いて谷底へ。足下のレンガタイルが終わってもさらに北へ進んで、貸本屋の「ネギシ読書会 中杉通り店」(2009/08/12参照)も過ぎると、右手に韓国料理屋→飲み屋→汁もの屋と変遷を繰り返し、現在カフェに落ち着いた小さな店舗が現れる。工事をしている時から、次に何が出来るのか気になっていたのだが、通りかかった時にふと店内に目をやると、壁際に本棚のようなものが造作されていたので、俄然興味を持ち続けていたのである。だが、明るく洒落たカフェが開店しても入るわけではなく、時々ドアの腰高ガラスから、ちゃんと本の並んでいる棚を眺めるだけに留まっていた。だがある日、店頭に置かれたショップカードを手に取ると、カフェの他に『グラフィックデザイン』『フォント開発』『WEB』『オーダメイド名刺』『活版印刷』などの言葉が並び、その中に『タイポグラフィ古書』とあるのを発見してしまったのである。ここは、古本を扱っているんだ!そう確信して、小さなお店の木製スライドドアを開け、ちょっと高い敷居を跨いで中に入る。縦長の、カウンター席+テーブル席二つの明るい空間。カウンター内には、若い人がいるのかと思いきや、壮年のファッショナブルな夫婦(想像である)が、落ち着いた佇まいで働いていた…これは想定外であった。最近、タイポグラフィ古書専門店や、デザイン事務所も兼ねた古本屋がポツポツ出現しているのだが、それらはどれも若い人の手によるものであった。良く注意すると、カウンターにいた先客二人は、男性店主と印刷物やWEBについて言葉を交わしているようだ…ただのカフェのお客さんというわけではなく、そちらのお客さんでもあるわけか。テーブル席に腰を下ろし、甘酒を注文して正面の壁に目を据える。細身の鉄鋼と木板で出来た壁棚や飾り棚が設置されている。上部には古い明治〜大正の教科書類がズラッと並び、中段には文房具・帆布トートバッグ・カメラ&カメラレンズ・タイプライター・旧式LSI電子卓上計算機・手回し計算機・計算尺・小型活版印刷機などが存在感大きく飾られ、下段二段に文字・タイポグラフィ・活字・篆書・レタリング・などが大型本を中心に多数並んでいる。壁面の飾り棚にもヘルベチカ専門書や作家作品集が飾られている。あの左の方の壁面にたくさん取付けられた、細長い木箱はいったい何だろうか?今はその表は閉じられているが、すべてに蝶番が付いているので、カッパリと開くのだろう。中にはいったい何が……。並ぶのはすべてはタイポグラフィ&文字関連の本である。そしてカウンター席背面の通路が狭いので、お客さんが座っていると、おいそれと気軽に見られないのが残念である。気を使い過ぎて、値の付いている本を見つけることが出来なかった…すみません。しかしこのお店の面白さは、むしろ並んでいる古本より、古い型の機械式計算機や重々しく分厚いLSI電子計算機にあるのではないだろうか。テクノロジーの激しい発達の中で打ち捨てられてきた、頼もしく頑丈な嵩張る未来的ボディたち。漆黒の小さく横長ディスプレイに浮かび上がる、緑の数字。その中に隠された、熱を持った電子装置群。すっかり古本のことなど忘れ、狭い通路を擦り抜けて、甘酒代450円を支払う。おっ、レジスターは、モスグリーンの重々しいがスリムな機械式。背に『Kunimatsu』のローマ字が踊っている。ジャカジャカ、チィ〜ンの音にドキリとし、LSI電卓に物欲を覚えてしまう己を、厳しく戒める。
posted by tokusan at 16:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月13日

12/13京浜東北線で小さな箱をたどる

足を引き摺り、午前十時過ぎの寒い西荻窪。『銀盛会館』に赴き、古本市で売れ残った本の整理に従事する。持ち帰る分、再販売する分、手放す分にスパパパと仕分け、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏に査定してもらった後、小さなリヤカーでお店まで本を運び、まずは「フォニャルフ」をドバドバ補充入れ替えする。その後に「古本屋ツアー・イン・京阪神」に識語署名捺印。いよいよ盛林堂では残り六冊となりましたので、未入手のみなさま、何とぞよろしくお願いいたします!重い本を手に提げ背負ってお店を出て、西荻窪駅のホームに立った瞬間、日曜夜の打ち上げ後に酔っ払いながら、唐突に『あらしの白ばと會』を結成したことを思い出す。何をする會なのかまったく考えていない上に、本当に結成されたのか定かではないのだが、入会条件だけはとても厳しく、偕成社版「あらしの白鳩」を所持しているかどうかということになっている。しかし、結成を宣言し入会者を募ると、その場にいた四人が早速手を挙げてしまう…おかしい、まるで「あらしの白鳩」が、そこらの100均棚に転がっているかのようではないか…。こうなったらもうひとつ厳しい条件として、『白ばと組の歌』を歌えるというのはどうであろうか。盛林堂版編者の芦辺拓氏がそらで歌える(楽譜も存在するので、再現演奏してもらい覚えたそうである)ので、今度伝授していただこう。そんな他愛もないことを考え続けて古本の重さをごまかし、一旦家に戻って荷を下ろす。

午後に再び外出し、雨が降り出す前にと大森駅へ急いで向かう。東口に出て外階段を南に下り、さらに南へ進むと、二車線が仕切られた低空ガードとアーケード商店街『Milpa』が向かい合う異種交差点。東の『Milpa』に入り、すぐの脇道から南に出ると、歓楽街の裏通りといった雰囲気。そこを五十メートルほど進めば、右手に新しいお酒とお食事のお店「柴猫軒」が現れた。
shibanekoken.jpg
ここの店頭で小さな古本市が開かれているらしいのだが…恐る恐る入口に近付き、開店祝の花が置かれた辺りに視線を注ぐ。おっ、108均の古本箱を無事発見。だが中を覗き込むと、桜木紫乃・ムーミンシリーズ・伊集院静などの新しめの文庫が、十冊ほど並んでいるだけであった…ぬぬぬっと十五秒ほど凝視するが、どうしても手が伸びない…す、すみません、今回は、何も買えません!と懸命に詫びながら、お店から即座に離脱してしまう。だがその箱に貼付けられた『大森でもっと古本市をひらこう!』と書かれた小さくソフトなアジビラに、本への熱い愛を秘かに感じ取る。そのまま街中を南に下り「アート文庫」を一応確認してみるも、いつも通りのシャッターを下ろした姿であった…あぁ、俺は多分ここには、一生は入れないのかもしれない。すぐさま西に向かって踏切を渡り、商店街を遡上して「松村書店」(2009/09/25参照)に到着し、その煤けていじらしい店頭にホンワカ心を和ませる。値付中のおばさま店主に「いらっしゃいませ」と声をかけられ、ゆっくり極狭店内を四歩で制圧。池田書店「映画入門/双葉十三郎」雄鶏社「戀愛古事記/神崎清」日本文芸社「実録・女刺青師匠/彫純こと松島純子」を計450円で購入する。商店街に響き渡る霧笛のような時報を聞きながら駅に戻り、一駅南に進んで蒲田駅下車。まずは駅前の「一方堂書林」(2009/08/13参照)に飛び込み、早川書房「BAR酔虎伝/酒口風太郎」を700円で購入し、西の京急駅方面にどんどん雲が厚くなる空の下を、急いで向かう。アーケード商店街『京急蒲田あすと』に潜り込み、タレコミで店頭で一箱の古本が売られている洋品店を目指すが、残念ながら目的の古本は販売されていなかった…元々気まぐれな販売らしかったので、ちょっと時間の経ってしまった今、存在せぬのもむべなるかな…。あっさりと諦めて、アーケード中ほどにある中古ビデオ店と中古DVD店の間にある、おおらか過ぎる100均古本棚(店名不明)を見に行くことにする。
joy_gekiyasu.jpg
…最近のコミックと、ちょっと前のエンタメ本ばかり…いや、何も買えないのは、とうに分かっていたのだ。でもどうにかして、店頭で小さく古本をささやかにひさぐお店を、京浜東北線上で、つなぎたかったのだ。だから、今日も古本を売ってくれていて、ありがとう…やっぱり買えないけど…。
posted by tokusan at 19:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする