2018年07月10日

7/10古本屋ツアー・イン・新保教授トランクルーム【第二章】

早起きして仕事を始め、何となく感じをつかんでから午後に外出。家の前の、アスファルトが溶け始めそうな通りに、キィッと盛林堂号が停まる。そう、“盛林堂イレギュラーズ”としての出番なのである。任務は2018/06/22に続く、新保博久教授のトランクルームの整理である。しかし本日は教授が不在なので、盛林堂・小野氏とともに、以前教授と何となくすり合わせておいたプランに基づき行動する予定。前回縛った本の運び出しと、廃棄と決まった雑誌の結束運び出し。そして大2・小1の三部屋のうち、小部屋のダンボールを外に出し、取り巻く棚の文庫本を取り出し、縛って棚を解体し、さらに収納率を上げるつもり…だが改めて開始時に教授に連絡を取ると、海外作家物は手放してもよいが、やはり日本作家物の選別は行いたいということになり、雑誌以外の本はそのまま棚に残すことになってしまった。というわけでちょっと予定を変更し、とにかく雑誌の運び出し+大部屋1の奥のスチール棚二本を解体し、棚の本は横積みしておき、選別し易いように準備しておく。棚が無くなって開いた部分に各所に蔓延るダンボールを上手く積み上げ、快適な作業空間を造り出すことにする。そうと決まったら話は早く、まずは運び出す物や余計な物や邪魔な物を廊下へ…いつものことであるが、たちまち廊下は物で一杯乱雑となり、とても他の利用者には見せられない光景となる。小野氏は「お願いだから誰も来ないでくれ〜」と頻繁に呟いている。
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本を移動させつつ、棚上の小棚を五本解体し、スチール棚は二本を解体……とまぁ順調に進んでいるように書いているが、実はこのトランクルームは、非常に熱がこもり易い空間となっており、二人とも汗みどろになり、体力がガリガリ奪われている状況…何故か二時間で効き目の薄いエアコンも停まった…途中アイス休憩を挟み体力の回復を図るが、よりこもって来た熱のために、あっという間に体力ゲージが点滅し始める。観念して四時間弱で作業を中止し、喘ぎながらも美しく華麗に撤収し、廊下はあっという間に元通り。大部屋1に大きな空間を生み出せたことにまずは満足し、最後の仕上げに西荻窪に大量の本を下ろしに行く。そんな暑中古本作業の報酬に、ポプラ社 世界推理小説文庫16「消えた鬼刑事/南洋一郎 原作アラン」(前回いただいた「怪盗ファントマ」の前編。これでようやく読み始められる!)講談社「孤独の罠/日影丈吉」岩崎書店 ベリヤーエフ少年科学空想小説選集4「学者象の秘密」(箱ナシだがオリジナルと思しきビニカバが掛かり、背には『5・6年生向き』とある金シールが貼られている。表4の広告を見ると、その仕様について『美装上製』とだけ書かれている。これは元々こういうものなのだろうか?)を拝受する。大いなる役得。今日も遠く京都の教授に感謝感謝である。
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※お知らせ二つ
1. そろそろ書店に並び始める「本の雑誌 麦茶ぐびぐび特大号 No.422」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、栃木・足利の「秀文堂書店」を久々に訪問。そしてたちまち、「やはりここには毎日でも通いたい!」と思わせてくれた素晴らしき本と驚きの安値で出会っております。
2. 古本乙女・カラサキアユミさんとのトークの予約が本日からスタート!みなさま、何とぞよろしくお願いいたします!
■「そうだ、古本屋へ行こう!2018古本乙女の古本行脚レポート」
カラサキ・アユミ×小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
2018年上半期の古本乙女による古本行脚レポートを中心としたトークイベントです。カラサキさんが撮ってきた写真のスライドをお見せしながら、戦利品(同展示会でお披露目予定)自慢から、古本行脚アルアル、展示しきれない珍道中の裏話まで、古本屋探訪の楽しみを、お2人に熱く語り合っていただきます。
■日時:7/21(土)開場13:30 開演14:00〜16:00
■場所:東京古書会館七階
■参加費:1000円(当日現金支払い)
■定員:80名(先着順)
お申し込みはこちらから!→http://www.kosho.ne.jp/event/2018/index.html
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2018年06月22日

6/22古本屋ツアー・イン・教授トランクルーム【第一章】

昨日、雨上がりの濡れた階段にパーフェクトに足を取られ、仰向けにひっくり返り、尾てい骨と右肘を強打。一瞬にしてポンコツな身体になってしまう…うぅぅぅ、痛い…。だがしかし、本日は“盛林堂イレギュラーズ”として、大いなる難敵に立ち向かわねばならぬのだ。ゆっくりゆっくり歩いて、大阪に向けて古本を発送した後(近日中に「梅田蔦屋書店」ラウンジ壁面古書棚に並ぶ予定)、都内某所のビルにあるトランクルームに向かう。表からすでに内部で作業を始めている方に電話をし、扉を開けてもらう。するとそこには、懐かしき新保博久教授の姿が!数日間の東京滞在の一日を割き、一月の引越以来放置していた、隔たりが多過ぎる飛び地書庫であるトランクルームの整理に、いよいよ端緒を付けるつもりなのである。「盛林堂」小野氏はまだ到着していないので、教授の近況など聞きつつトランクルーム三部屋の現状を確認する。大部屋1は、扉を明けるとダンボールが乱雑に放り込まれ、すでに雪崩始めているのを脚立が止めている惨憺たる有様。
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大部屋2は四本通路のうち二本の極狭通路手前以外は、ダンボールが詰め込まれて進入出来ない状況。三方を棚に囲まれた小部屋は、通路にやはりうずたかくダンボールが積み上がった状態である。初っ端から絶望的な状態であるのが丸分かりだが、今日の教授はとっても一味違っていた。「いや、もうここにあるってことは使わないってことですから、ほとんど手放そうと思っています。ダンボールは別ですが、棚に入ってる本や雑誌は、もう小野さんに任せて、バンバン処分して行こうかと…」。それならば話は早い!いらないものから結束して運び出し、場所を作り部屋を減らし、どんどん作業効率を上げて行くことが出来るのだ。遅刻して登場した小野氏もその話を聞き、早速スピード早めの長期的な整理方針を組み立てて行く。というわけで今日の作業は、まず大部屋1の手前棚の本を出し、結束していつでも運び出せるようにすること。そうと決まれば、即座にあの年末年始のチームワークが復活し、テキパキと静かなトランクルームで作業は粛々と進行して行く。本を私が出し、教授が選別し、小野氏が縛る。廊下も大胆に使用して、あっという間に本の山やダンボールの山や解体された本棚が流れ出す。
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おぉ、極狭通路しかなかった大部屋に、トランクルーム本来の余裕あるスペースが生まれたではないか。途中、教授からシューアイスを椀子そばのように四個差し入れられ、早食いしながら目を白黒させる。棚脇の下部に置かれた箱を開けると『香山滋全集』。すると教授が「その箱、いっつもなんだろう?って忘れていて開けてみるんですが、『香山滋全集』が出て来るんですよ。ちょうどいい。京都に送っちゃいます」と廊下へ運び出し、むりやりダンボールに詰め込んで行く。
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そんな風に、いつの間にかフロア全体のエアコンが停止していた蒸し暑い中で、四時間弱作業する。どうにか来月中には、一部屋減らすところまで漕ぎ着けようと決め、今日のところは終了。大変おつかれさまでした。そしてもはや教授書棚整理作業の恒例ともなっている、重労働に比例した古本を鉄面皮にいただくことにする。選んだ三冊は、日本公論社「紙魚殺人事件/バアナビイ・ロツス作 伴大矩譯」ポプラ社世界推理小説文庫「怪盗ファントマ/南洋一郎」王さまのアイデア事業部「王さまのアイディア NO.7」(その昔日本全国に展開していた、便利グッズ・珍グッズを販売するお店のカタログである。『こんな本出てたんだ!』と驚くとともに『何で教授こんなのを大事に本棚に並べてるんですか!』という気持ちが湧き上がる…)を拝受する。小野氏に「「ファントマ」と「ジゴマ」、本当に好きだねぇ〜」と言われる。すると教授が「「ファントマ」は「消えた鬼刑事」が共本なんですよ」「えっ?あれも『ファントマ』なんですか?」「そうです。元々「幻の怪盗」だったのが、何故か「消えた鬼刑事」に題名を変えたんです。だからこれは第二作というわけです」「なにぃ〜!」…だがすでに「鬼刑事」は、撤収荷物を詰め込んだ奥深く隠れてしまっていた…じ、次回の楽しみにとっておきます…。
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役得の三冊。「紙魚殺人事件」のアールデコ風な装画に俄然痺れてしまう。教授、教授、ありがとうございます!
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2018年06月10日

6/10古本ト占 JUNGLE BOOKS

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なかなかにハードだったここ一週間の、抜け切らぬ疲労を背負いながら、それでも突然の肌寒さに抗い、ヨタヨタ雑司が谷へと向かう。『弦巻通り商店街』の外れにあった半地下の古本屋さん「JUNGLE BOOKS」(2010/08/20参照)が、同商店街の中心部に移転開店したのである。地下深き副都心線の駅から、何度もエスカレーターを乗り換えて『1番出口』から、都電荒川線線路脇に顔を出す。池袋方面に足を向け、『大鳥神社』脇の踏切から東に折れ曲がり、街中のうねった道を進んで行く。ウネウネグイグイ歩いて行くと、やがて右手に「旅猫雑貨店」(2008/07/19参照)が現れ、おっ!そのすぐ先左手に、ピカピカの「JUNGLE BOOKS」が出来ていた。古本を扱うお店が近接しているのは、誠に嬉しい限りである。ジャングルっぽく緑と焦茶を基調にしているのは相変わらずで、緑の日除けの下にはガラスウィンドウが曇天の下でも輝き、移転開店祝のお花が溢れ返っている。中に入ると、焦茶のウッディでシックな空間。奥の帳場に座るジャングル・ケンさんと挨拶を交わす。ここは完全でまともな古本屋空間と化しており、奥のガラス障子で仕切られたスペースが、占い空間として独立している様子である。その証拠に奥からは、ジャングル・ユキさんがフランクにフレンドリーに託宣を告げていたり、筮竹を鳴らしているような音が聞こえて来る。古本屋空間は、左右の両壁棚と、真ん中に平台棚が置かれたシンプルな構成。以前のお店とそんなに蔵書量は変わっていない感じである。左壁棚には、日本文学文庫・ちくま文庫・講談社文芸&学術文庫・ミステリ系文庫・SF文庫などが質高く並べられ、さらに性愛・映画・ミステリ&エンタメ・文化・占い関連・新刊・占いグッズ・CDなどが続いて行く。中央の平台棚には雑貨類とともに、幻想文学・アート・絵本が集められている。入口右横にはLPや奇妙なプレイヤーが置かれ、右壁棚に児童文学・絵本・古書・神秘学・オカルト・民俗学・海外幻想文学が並んで行く。質は高いがその分値段はしっかり目である。ケンさんに引越は近所だからと言ってまさか台車で?と聞いてみると、ちゃんと車で運んだそうである。旧店にあった時から買おうかどうか迷っていた、博文館「動物小説集 紅鱒/乾信一郎」がまだ残っていたので、心を決めてついに買うことにする。函ナシで1500円也。

帰りに新宿で途中下車し、『BERG』のカウンターに寄りかかり、ハーフ&ハーフを傾けつつ小林信彦「冬の神話」を読み耽る。山奥の鍾乳洞を訪れる下りで、連想した江戸川乱歩「妖怪博士」を長々と引用する箇所があるのだが、それを受けた文章が残虐な展開になっているのが何とも不思議である。あれ?二十面相こんなことしたっけ?まぁもう、四十年前くらいに、親戚の家の近くの図書館で借りて一晩で読んだのが最後だからなぁ。でもやっぱり、二十面相は、こんなことしないはずだが…小林信彦の秘められた妄想、いや願望なのであろうか。などと思考を余計な脇道に盛大に逸らせ、雑踏の地下道の片隅のお店で、緩い読書の時間を満喫する。
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2018年06月02日

6/2東京・西荻窪 西荻ガレージセール

午後二時に西荻窪南東辺りの宮前に流れ着いたので、中央線に対して斜めに道が延びる住宅街を潜り抜け、『西荻南中央通り』にある『銀盛会館』に向かう。今日と明日、この商店街が共有する古いガレージで、安売アンティークが並び、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)が100均本を大量放出する、「西荻ガレージマーケット」が開かれているのである。すでに開始から四時間が経過しているのに、ガレージには多くの人が押し掛けている。
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主に右辺と奥がアンティーク&バーゲン品&デッドストック類で埋まり、古本は左辺と中央長テーブルに集まっている。ミステリ&SF文庫・文芸単行本・仙花紙本・推理小説単行本・ミステリ&SF雑誌・春陽文庫などがすべて100円でうずくまっている。すでに古本神と古本修羅に蹂躙され後なのだろうが、補充は常に行われているようななので、どうにか三冊を掴む。新潮文庫「アッシヤァ家の沒落/エドガア・アラン・ポオ」「日夏耿之介詩集」カッパ・ブックス「みみずく説法/今東光」を計300円で購入する。テクテク通りを北に遡り「盛林堂書房」に立ち寄る。「フォニャルフ」の動きをチェックしつつ、右上の本棚探偵「ひとたな書房」に視線を移す。おぉ!渡辺啓助の「海底散歩者!」、げえっ!その隣りには常に恋い焦がれている九鬼紫郎の別ペンネーム・九鬼澹の仙花紙本が並んでいるじゃないかっ!何てことをしてくれるんだ、本棚探偵!と一人で無闇矢鱈にいきり立ち、値段をチェックする……一万三千円か…いつものように、相場の半額ほどの破格値だが、さすがに高いな…。万超えの値に、古本心が少しクールダウンする。そして帳場に向かい、朝日新聞社「空を護る科學/淺田常三郎」アトリエ社「ピカソの歩いた道」を200円で購入し、とにかく心を落ち着けて「フォニャルフ」の先月分の売り上げを受け取ることにする。するとその額が、ちょうど一万三千円……あぁっ!これはいったい古本神の気まぐれな悪戯なのか!それとも思し召しなのかっ!たちまち心は麻酔され、フラフラと「ひとたな書房」に接近し、湊書房「探偵小説集 人口怪奇/九鬼澹」を脆くも購入してしまう…買ってしまった。もう喜んでいいんだか、嘆いていいんだか自分でもよく分からないが、この憧れの本がとにかく手に入ったのは、ちょっとしたパーティでも開きたいくらい嬉しい気分である。この本が、こんな値段で手に入るなんて、基本的にないもんね。

戦前に九鬼紫郎が編集長を務めていた探偵小説雑誌「ぷろふいる」に掲載された自作の探偵小説三編をまとめた全230ページの中編集である。戦後はハメット張りのハードボイルド系探偵小説を書き飛ばし、奇怪な輝きを放った九鬼だが、いったい戦前にはどんな小説を…と読み始めると、書き出しの「懐かしい東京よ、さやうなら(オールヴアール)」に早速ノックアウトされてしまう…や、やっぱり、か、買って良かったなぁ。良し、これからビールでも傾けながら、あらゆる読みさしの本をすっ飛ばし、この「人工怪奇」に取りかかることにしよう。本棚探偵、今日もありがとう!
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青空の下の「人工怪奇」。その歪な宝石のような原色の輝きで、俺の心を存分に魅了してくれっ!
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2018年05月26日

5/26東京・恋ヶ窪 ニコニコ堂

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いつかのように、疲れ切って土曜日の恋ケ窪に流れ着く。これを回復するには古本が一番なのだが、もはや隣駅の『鷹の台』に行って古本屋を巡るのも、『国分寺』に出て古本屋を巡るのも、エネルギー切れで面倒くさい!と、先ほど偶然見かけた古道具屋に、ツアー運命を賭けることにする。駅からは改札を出たら、南に横たわる『市役所通り』を西南へ向かう。この辺り的に繁華とも言える駅付近を離れ、緩やかにうねる通りを一キロ弱進む。左手に特養老人ホームが現れたら、そこを越せばお店にようやっとたどり着く。平屋のお店で、軒に架かる大きな看板は、もはや色褪せて判読するのはなかなか難しい。古びた格子窓が古道具屋的な店頭には、『古道具』の立看板と共に、牛の金属作品やシャベルや刺又やら壺やらブリキのバケツやら木材ブロックやら陶器やらが置かれている。赤い郵便受けには「ニコニコ堂」の店名と共に、『長嶋』と大きく書かれている…「ニコニコ堂」…『長嶋』………ハァッ!そうか!ここが作家・長嶋有氏のお父さんがやっている古道具屋なのか!えぇい、もう古本が売ってなくてもいいや。入っちゃえ!とサッシ扉に手を掛けると、扉がゆるゆると開いて行く。店内は古道具屋と言うよりは、アンティークショップの様相が強い。“山”の字型に通路が走る小さな店内には、標本・民具・古ハギレ・絵画・アクセサリー・楽器・人形・玩具・掛軸・ノベルティー類・レコード・古家電…戦中の風俗を伝える物が、割と目立ち異彩を放っている。そんな中に、絵葉書類・楽譜・ノート・和本・パンフレット・古雑誌・小冊子などもしっかりと点在している。そして目指す古本も、数少ないが所々に無造作に置かれている。一冊を手にして、旧式扇風機が健気に風を送っている、奥のプライベート感の漂う帳場的空間に声を掛けると、赤いズボンを履き長身で髭もじゃの、加藤嘉風老人が立ち上がって来た。精算をお願いすると、言葉は端折って不明瞭ながらも、しっかりと応対してくれて本を袋に入れてくれた。野球界社「ラグビー通になるまで/本領信治郎」を購入する。昭和六年三版の、熱の籠ったラグビー競技解説書である。作者は早稲田ラグビー部の主将を務めた人物で、己を『俄文士』とけなしつつも、解説はラグビー狂いの社長が、秘書と社員に熱く語る形を採っており、なかなかに読ませてくれる。これが嬉しい破格の300円であった。
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2018年05月25日

5/25東京・豪徳寺 絵本と育児用品の店Maar

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午後一時に梅ヶ丘に漂着したので、経堂に足を延ばして「大河堂書店」(2009/03/26参照)を楽しく探る。単行本にめぼしいものが見当たらないので、文庫本に狙いを定め、中央通路に腰を据える。春陽文庫「能面殺人事件/高木彬光」文春文庫「草のつるぎ/野呂邦暢」を計255円で購入する。続いて豪徳寺まで歩いて「靖文堂書店」(2011/09/06参照)も急襲して行くか!とテクテク東に歩き(この辺りの駅間はわりと歩き易い距離なのだ)、世田谷線の踏切を渡って『豪徳寺商店街』に、南の尻尾から入り込んで行く。すると右手に偶然古本棚を出しているお店を発見する。絵本と児童文学と一般文庫か…他には籐製の乳母車や子供服が店頭に置かれ、立看板には『絵本と育児用品の店』と書かれている…育児用品には縁も所縁も無いのでハードルが激高だが、絵本があるのならどうにかなるだろう…ままよ!と店内に滑り込む。中央のテーブル平台脇では、落ち着いた感のある女性店主がお客さんとお喋りの真っ最中である。よし、不審がられる前に、素早く見てしまおう。入口右横には平台+棚が置かれ、本&古本関連・SF関連が、文庫本単行本織り交ぜ並べられている。また、新刊と古本が混ざっているディスプレイで、通常のスリップが挟まっているのは新刊。お店オリジナルの茶色いスリップが挟まっているのが古本となっており、そこに値段が書かれている…ざっと見た感じでは、新刊の方が多そうである。右壁には児童文学と絵本が並び、かこさとしコーナーも作られている。その奥には育児・親子・教育などの本が一棚分集められている。左壁の飾り棚には、主に新刊オススメ絵本が飾られている。うむむむとちょっと悩むが、結局新刊の文春文庫「未来のだるまちゃんへ/かこさとし」に決めて精算をお願いする。すると本を見るや否や「かこさん、亡くなっちゃいましたね」としみじみした嘆きの言葉を投げ掛けて来る。「そうですねぇ。残念ですよね。最後までバリバリ描いてましたもんねぇ」「そう。だからいつまでもお元気だと、勝手に思っちゃってたんですが…」「お年でしたもんねぇ」…二人の間を、何だか温かいものが、仄かに流れて行く…。お店を出て商店街をそのまま北に遡り、予定通り「靖文堂書店」へ。中公文庫「肌色の月/久生十蘭」を200円で購入する。
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2018年05月22日

5/22東京・立飛 リサイクルショップ花音

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立川北部の栄町という郊外の住宅街に午後三時過ぎに流れ着き、『こんな所に古本の影はないだろうなぁ…』と高を括っていると、福祉系ショップに古本が並んでいるのを偶然発見し、世の中も立川も捨てたもんじゃないと、古本の神に感謝を捧げる。多摩都市モノレールの立飛駅(『立川飛行場』ということですな)から東側の地上に降り立ち、南東にグングン進み『芋窪街道』に突き抜ける。そのまま南にしばらく下って行けば、『栄町4丁目交差点』の東側に大きな『栄四丁目商店街』の現れるので、そこを潜る。すると信号と緑道を越えた『南部公園』の裏手のリサイクルショップに、どうにかたどり着けるであろう。店内はほぼ古着と雑貨で、おば様たちがショッピングを存分に楽しんでいるが、入口の両脇に小さな本棚も置かれ、新し目の時代劇文庫やミステリ&エンタメ文庫がしっかりと並んでいる。左壁棚には、少量の実用本や児童文学もあり。おば様たちに混じり、文庫本を二冊釣り上げ、奥の帳場で精算する。レジのご婦人は「えっと…本は定価の一割…一冊四十円で…二冊で八十円です!」…端数は切り下げてくれました、ありがとうございます!新潮文庫「釣師・釣場/井伏鱒二」文春文庫「三陸海岸大津波/吉村昭」を購入する。だがやはり、何となく物足りないので『芋窪街道』で見かけた「ブックオフ立川栄店」にも突入し、光文社文庫「現代詩殺人事件/齋藤愼爾編」河出文庫「怪異な話 本朝不思議物語/志村有弘編」を計216円で購入し、モノレールでスイスイ玉川上水まで出て、西武線を乗り継ぎ帰宅する。
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2018年05月20日

5/20東京・吉祥寺 引っ越していた「すうさい堂」

美しく雲が浮かぶ五月の空の下を、テクテク歩いて荻窪に向かい、「ささま書店」(2008/08/23参照)店頭を覗き込む。講談社愛蔵復刻版少年倶楽部名作全集「新戰艦高千穗/平田晋策」レディメイド・インターナショナル「ECDIARY/ECD」を計216円で購入した後、吉祥寺に出る。人ごみを擦り抜けて幾つかの古本屋さんを偵察し、「バサラブックス」(2015/03/28参照)で再版だが角川文庫「冬の神話/小林信彦」が1500円とお得値だったので、思わず購入してしまう。強い風によりいつの間にか雲は一掃され、頭上には深い青空が広がっている。

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そして午後一時。駅北口から東に進み、横断歩道を渡って高架下飲食街『Atre』が尽きる所まで進み続け、北に進路を採る。ラブホテルと雑居ビルと集合住宅が向かい合う一角を進み続けると、左手に煉瓦で化粧されたわりと陰鬱なマンションが現れる。その雑然としたエントランス入口に、『古本屋すうさい堂引っ越しました。このマンションの2階です。』と書かれたミニアンプが置かれていた。薄暗い小さな中庭のようなエントランスに入り込むと、旧来のお店で使っていた立看板とともに、トーテムポールが置かれている。その奥の鉄階段をカンコン上がると、左手ドアがお店となっており、ノブには『OPEN』の札がかけられ、リリー・フランキーの色紙や、『ノックせずに土足でお入り下さい』などが貼り出されている。かなり入り難いのだが、勇気を奮ってノブを捻ると、そこはワンルームマンションそのままの店舗であった。床には玄関からミニマットが連なり置かれ、各所の段差を微妙にフォローした疑似バリアフリー構造となっている。右にはユニットバスへの扉があり、左がキッチンで、奥がメインフロアとなっている。玄関横から台所のシンクもそのまま利用して、100均コミック・100均単行本・100均文庫が並べられている。そこをクリアして奥に進むと…おぉ!床で大柄なクロネコがドベッと寝ている!可愛いじゃあないか!と近寄ろうとすると、気配を察知したクロネコは慌てて起き上がり、右横の帳場机に飛び上がった後、店主の膝に丸まって収まってしまった…くぅ、以前は思う存分撫でさせてもらったのだが、残念。左壁には幻冬舎アウトロー文庫・セレクトコミック・セットコミック・ちくま文庫・セレクト文庫・映画・音楽・サブカル・アウトロー・アングラ・裏街道などが集まり、正面にはカルトコミックがズラリと不穏な並びを見せている。その不穏さは、右横の映画DVDコーナーまで連続し、引っ越してもカルト的偏執傾向を決して失わぬ意志が込められている。景気良くかかり続けるサディスティック・ミカバンドの音楽に乗り、洋泉社「鮮烈!アナーキー日本映画史1959-1979」を700円で購入する。精算時に店主は膝のクロネコを床に下ろすが、クロネコはおとなしく従い、床に座ったままこっちをチラとも見ようとしない…全く持って可愛いヤツだなぁ。
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2018年05月19日

5/19東京・東陽町 古本と肴 マーブル

夕方前にどうにか国立に流れ着くが、今日は様々な方からタレコミされた、「みちくさ市」で頻繁にご一緒した錆猫さんが、お店をオープンする日なのである。疲弊しているのだが、どうにかして駆け付けなければ!と目から炎を出し、「ブックステーション門」(2009/12/18参照。だが今日気付いたのだが、すでにお店は「飛葉堂」と名を変えている模様…)で朋文堂旅装新書「映画界拝見」を324円で購入し、車中の友とする。昭和三十年代の日本映画界事情に溺れながら、一気に東京の西から東へ。
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『一番出口』から、地下への浸水を防ぐために高くなった入口階段を踏み締めて地上に出ると、夕陽がビルを染めている。『四つ目通り』を北に向かい、最初の信号で東に曲り、直ぐに北への脇道に入り込む…ほぼ都営住宅の間を進むような形だが、ここに果たしてお店などあるのだろうか。そう心配しながら道を進むと、奥は小さな飲食店が向かい合う形になっており、ほどなくして右手に新たにオープンしたお店が現れた。小さな三階建てビルの一階店頭に、開店祝いの花と大きな100均文庫木箱が並んでいる。そこを覗き込んでいると、お客さんを送り出して来た錆猫さんに早速発見されてしまう。とにかくどうにか、本日の開店に駆け込みで漕ぎ着けたことを告げられるが、なかなかどうして小さく細いながらも、古本屋さんであり飲み屋さんでもあるお店は、すでに立派な佇まいである。入口からチラと奥をうかがうと、カウンターではアルコールを摂取しながら楽しく語らう男女が、東陽町にすっかり馴染みながらキラキラと輝いている。入口脇には200均単行本棚があり、スッと店内に入り込むと、左に民間伝承関連・児童文学・絵本が棚に収まり、さらにカウンター前に並ぶ北海道豆本や文学と連なって行く。古本屋的メインは右壁棚で、本関連・民俗学・博物学・幻想文学・アイヌ・埴谷雄高・猫・海外文学・詩集・言葉・日本文学・セレクト文庫と、意外に硬めで偏執的な並びを見せている。所々に猫の置物やアイヌの彫り物や木村荘八絵葉書などが飾られ、最奥にさらなる猫や狐の小物に加え、辻邦生や司馬遼太郎が収まっている。本は安値で確固たるセレクトが小気味良いのだが、開店祝いを兼ねて盛り上がる店内は、古本屋さんと言うよりほぼ飲み屋の態である。福音館書店「かず/西内久典ぶん・安野光雅え」日本猫愛好会「ねこ文庫」第21集「猫を訪ねて/福田忠次」を計500円で購入しつつ、せっかくなのでカウンターに神輿を据えて、サッポロ赤星を一本注文して喉を潤す。う〜〜〜〜〜ん、幸せ。ちょっと仙台の古本立ち飲み屋「鉄塔文庫」(2012/06/23参照)に似た雰囲気である。錆猫さんは懸命に働きつつも、お店の形をいかにして行くのか、現在進行形で絶賛悩み中の模様。しかしとにかく、お店を形にして開店させたことは、紛う事なき立派なことである。開店おめでとうございます!また落ち着いた頃に、古本買いつつ飲みに来ますので、皆様も東京の東端に足を延ばし、古本とお酒を楽しんでみて下さい。定休日は日曜、月・木が19時〜23時、金・土が11時〜23時の営業時間となっております。
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本日の嬉しい収穫は「猫を訪ねて」。昭和49年刊の、猫好きのオッサンが猫好きが高じ過ぎて、全国の『猫塚』『猫山』『猫寺』や“猫”が付く地名を訪ねたりする、マニアックなフィールドワーク本。躍動する猫が店頭に大胆に描かれたお店で、こういう本が買えたのが単純に嬉しかったりする。
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2018年05月02日

5/2東京・荻窪 おぎくぼ古本市

朝っぱらからいつものことであるが、家の中の古本たちと組んず解れつ格闘し、まずは五十冊弱をダンボールに詰めて、大阪へと送り出す。近日中に「梅田蔦屋書店」のラウンジ古書壁棚に、並び始めるはずである。レア本も署名本も含ませているが、今回値段が安めのものが中心なので、お近くにお寄りの際は、ぜひ駅ビルの九階にブラリとお立ち寄り下さい。そして午後に二十冊ほどを抱え、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内「フォニャルフ」にトストス補充する。

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そして荻窪に向かい、単行本「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の編集さんからのタレコミを確かめに行く。地下の中央改札から南口に出て道路を渡ると、賑やかな商店街である『南口仲通り』のゲート下。そのまま南に商店街を下り、すぐの脇道を西へ入り込む。すると直ぐに右手に、店頭に出された百均文庫棚の姿が目に入った。あれか!と近付くと、店内も立派な古本屋さん模様である。店脇と店頭上部には『古本』の繋ぎ飾りが渡されており、開かれっ放しの入口扉には、イベントのチラシがペタペタと貼られている。どうやらレンタルスペースを借りての、期間限定の古本市のようだ。表の棚を眺めてから中に進むと、しっかりと左右に五本ずつの棚が設えてあり、中央に背の低い時代劇文庫棚が二本置かれ、奥にDVD棚と新書棚と机を組み合わせた帳場が造られている。左の壁棚には、古本関連・映画・特撮・人文・サブカル・DVD・絵本・大判本・一般文庫・岩波文庫・秋元文庫などが並んでいる。一冊手に取り後見返しを見ると、値段札には「古本案内処」(2015/08/23参照)とあるではないか!右壁棚には作家五十音文庫・暮し・実用・音楽・建築・写真・デザイン・映画・現代思想・哲学など…一冊手に取り後見返しを見ると、そこには「ささま書店」(2008/08/23参照)の名が!なるほど、師弟店の共同開催古本市であったか!予想外の展開にちょっと魂消ながら、ちくま文庫「怪奇探偵小説傑作選5 海野十三集」アニメディア87年7月号第1付録「オリジナルビデオアニメ大事典」閣文社「SFバイオコミックス 超人類ディナー3/野原正光」(『バビル二世』+『デビルマン』みたいな、見たこともない聞いたこともない1972年の奇妙なSF漫画)を購入する。この市は5/13(日)まで。そのままの足で混み合う「ささま書店」に向かい、サンリオ「小さな雲の詩/やなせ・たかし」春陽文庫「姿なき怪盗/甲賀三郎」正芽社「正芽社少國民選書 野鳥の話/中西悟堂」を計724円で購入し、阿佐ヶ谷までテクテク歩いて帰る。
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2018年03月26日

3/26東京・阿佐ヶ谷 古書・雑貨 雨前

午前中は色々雑事を片付けながらジリジリ荻窪に移動し、午前十一時半ぴったりの「ささま書店」(2008/08/23参照)店頭。ビニカバはないが、思潮社「アレン・ギンズバーグ詩集/諏訪優訳編」(1965年第一刷)が嬉しい発見。他に東京堂出版「滯歐印象記/本間久雄」(函ナシ)三一書房「灰とダイヤモンド/イェジイ・アンジェイフスキー」創元推理文庫「失踪当時の服装は/ヒラリー・ウォー」(初版白帯ナシ)を掴み、計432円で購入する。

午後は連載の取材をこなした後、本郷三丁目の「大学堂書店」(2009/01/06参照)で白川書院「夢野京太郎のシナリオ 浪人街/天明餓鬼草紙/竹中労」を600円で購入してから丸の内線で神保町に移動。晴れやかに着飾った大学卒業生の人波をかき分けながら、「アムール」(2011/08/12参照)では三一書房「エヌ氏の遊園地 ショート・ミステリー/星新一」(第一刷)東洋書館「顔の診断/高間直道」を計100円で購入し、「神田古書センター」入口の「みわ書房」露店(2013/01/18参照)で教文社「童話 水車/童話研究會編」を310円で購入し、最後に「羊頭書房」(2014/05/02参照)に吸い込まれる。右側の文庫本通路より左側の単行本通路を念入りに見てしまい、SF棚からアルス・ポピュラアー・ライブラリー10「モロオ博士の嶋/エツチ・ジイ・ウエェルズ」が二千円売られているのを見つけ、ニヤニヤと購入する。大正十三年刊。“嶋”の字がたまりません。巻末の広告を見ると、このシリーズは探偵小説をわりと多く含んでいるようだ。シリーズ装幀を記憶しておいて、発見に努めることにしよう。
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写真は本扉である。

そんな風に簡易にパトロールを終えて、古本神の一人・塩山芳明氏と待ち合わせる。氏とは神保町で何度も偶然に行き合っているが、ちゃんと約束して会うのは初めてのことである。しかも今日は古本絡みではなく、漫画編集者としての塩山氏と仕事の打ち合わせ。全く持ってありがたや。

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阿佐ヶ谷に帰るとすでに夕闇の街。駅北口に出て『中杉通り』西側歩道を、ぐんぐん北に歩いて行く。夕暮れでもそれと分かる、芽吹き始めたけやき並木の下で、家路をたどる。400m強で、緩やかな谷底の交差点を通過して、緩やかな上り坂。そろばん塾やバイク屋や自転車屋や飲み屋や「ゆたか。書房」前や不動産屋前を順調に通過して行くと、ひとつの信号に行き当たる。左の脇道には、満開の桜の樹。そして歩道際のお店が、本当に超絶珍しく開いていた。ここが、もう何ヶ月も前に『阿佐ヶ谷に新しい古本を扱うお店が出来た』と入って以来、開いているのをず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと楽しみにしていたのが、いつ何時前を通りかかっても、シャッターががっちり下ろされ『もう開くことはないのでは?』と思っていた、幻過ぎる古書と雑貨のお店なのである。思わず涙で滲む、緑色のテント日除け下の店頭には、キャリーバッグや古着や100円洗剤とともに、300均のガイド・暮し・コミックエッセイが置かれている。表を見ても、窓から中の様子を窺っても分かることだが、完全に女性寄りのお店である。だが、ここで開店しているところに逢ったら百年目!えいやっと扉を開けて中に踏み込む。小さな店内には、右に古着が集まり、正面に白いカウンターが据えられ、表の立看板やショップカードに小さく描かれた猫の絵に似た女性が本を読んでいた顔を上げ「いらっしゃいませ」。入口右の窓際にはテーブル状の台が置かれ、道路側は絵本ラックで、上部にカントリーアンティーク雑貨を陳列している。そして左壁に大きく白い本棚が据えられ、民話&児童文学・コミックエッセイ・旅・犬&猫・人生・国内女性文学・国内男性文学・店主オススメ本・海外文学と収まる。棚の下部には絵本・未整理本・ムックなど。新しめのキレイな本がほとんどで、優しくふんわりのほほんとしたジャンル構成である。値段はかなりお安め。新潮文庫「義男の青春・別離/つげ義春」岩波文庫「シベリア民話集/斎藤君子編」を帳場に差し出し、たどたどしい精算後にショップカードをいただくと「ウチは不定期営業なんです」と話しかけられたので、開店したことを知ってもなかなかお店に入れなかったことを伝えると、笑いながら「仕事のない時に開けているんで…でもなかなか開けられなくて…すみません!」と教えてくれる。このダブルワーク店に入るには、幸運と根性が必要らしい。また開いてるところをラッキーにも見かけたら、寄らせてもらいます!
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2018年03月21日

3/21東京・中村橋 古本屋 古書クマゴロウ

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『ウルトラセブン』のポール星人が、また攻めて来たんじゃないかと思うくらい、季節外れの雪が降っている。傘を差し、家に近いバス停から混み合う関東バスに乗り込んで、終点の『中村橋駅』に向かう。コメントタレコミで新しい古本屋が出来たことを知ったので、早速駆け付けてみたのである。高架駅の下を通り、南は『仙川通り』北は『目白通り』に抜ける商店街『サンツ中村橋』を北へ進む。すると100m弱で右手に一階が店舗になった集合住宅が現れ、そのうちの一店が店頭に古本棚を出し、雪の日でもしっかり営業してくれていた。入口の右側にはコンビニコミック棚があり、左に108円からの文庫&200円からの単行本棚が連続している。店内は基本的にシックな設えであるが、どことなく親しみを感じる混乱と柔らかさが含まれている。入口左の最近刊ミステリ&エンタメ棚を見てから、広めの三本の通路が奥へと延びる店内へ。右端通路は壁棚にコミック・絶版漫画・少女漫画・新書・探偵小説(とは言ってもミステリ評論や文庫本が中心)・ハーレクインが並び、向かいに日本純文学文庫・海外文学文庫・ミステリ&エンタメ文庫・時代劇文庫が収まっている(棚上段に全集揃いもあり)。中央通路は、右に料理・女性実用・カルチャー・映画・音楽・世界・宗教・民話・自然科学・心理学・みすず出版&法政大学出版本、左にコミックセット・絶版漫画・古本関連・文芸・歴史・近代・戦争の構成となっている。左端通路は、入口横から200円掘出し物単行本棚が連続し、一部にデザイン・美術・図録類が固まっている。ここは途中からカーテンで仕切られており。奥は現在バックヤードとして使用されている模様。最奥には、中央に帳場があり、マスク姿の若々しい文化系青年が本のクリーニング中。右には絵本・児童文学・復刻文学・水木しげる棚が展開。左にはバックヤードに飲み込まれているがショウケースがあるので、いずれは開放されるものと思われる。基本スタンスは街の古本屋さんであるが、硬いみすず&法政大学出版をガッチリ並べていたり、真面目ジャンルの細かい揃えや、絶版漫画の蔓延りが気になるお店である。三月に開店したばかりなので、棚の空きをセットコミックや絶版漫画や200円棚(実用書やビジネス、ノンフィクション系が多い)で取りあえず埋めている節があるので、空きが解消された時にどのように変貌するのか、ちょっと楽しみである。値段は定価の半額前後が中心である。200円棚で今やレア本の講談社「兼高かおる 世界の旅」(3刷だがビニカバ&帯付き!)を見つけて小さく喜び、講談社文庫「都築道夫のミステリイ指南/都筑道夫」と一緒に購入する。ところでこのお店は、街の新刊屋さん『中村橋書店』の斜向かいにある。南口側にも四軒の新刊屋さんと一軒の古本屋さんがあるので、これで駅周辺には七軒の本屋さんが集まっていることになった。おぉ、ミニ・ブックシティ中村橋よ!この知られざる小さな本の街に、これからも幸あれ!
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2018年03月09日

3/9東京・西調布 folklora

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駅北口のキレイなロータリーに出て、そこを左からくるっと回り込み、左上に隠れていた、小道を西に入り込む。正面には墓地の塀が見え、すぐ右に『西調布一番街入口』とある、猫が新選組の法被を着た絵が描かれた案内板が現れる。北の『旧甲州街道』を見通すように立つと、先ほどの清新な駅前ロータリーとは打って変わった、昭和的情緒に満ちあふれる小道が延びている。似たような二階建てのモルタル商店建築が建ち並び、スナック・居酒屋・小料理屋・麻雀教室・喫茶店などが向かい合っている…どうやらこの通りの本当の姿を見るには、夜を待たないといけないらしい…。そんなことを考えながら奥へ進んで行くと、左手に店頭前面をシンプルに美しくリノベーションした一軒のお店が現れる。開店したばかりの手芸古書と雑貨のお店である。その古書を担当するのは、かつて聖蹟桜ヶ丘にあった古本屋さん「古書 玉椿」(2010/10/07&2013/08/16参照)。今は“旅する本屋”と称し、東京から香川を経て富山にたどり着いた、旅の途中にある。まさかこんな形で東京に帰って来るとは…と多少の感慨を深くしながらも、お店が周囲とかけ離れてお洒落なので(いや、周囲のお店もまた別な意味で入りづらいのだが…)扉を開けるのを躊躇してしまう。だが、ガラスを通して見ると、大量の古本がちゃんと並んでいるではないか!…古本に勇気を貰い、引戸を開けて入店する。ひゅい〜ん、みゅいみゅい〜ん、しゅぱ〜ん!と奇妙なスペイシーな音楽が流れている。板床に上がり込むと、奥の帳場からお嬢さんが「いらっしぃませ」と快活に声をかけてくる。店内も店頭同様シンプルに仕上げられ、中央の大テーブルと左側が、ギャラリー&雑貨スペースとなっている。入口左横には雑誌&ムック箱が展開しており、そのほとんどは手芸や暮し関連である。そして右壁一面に本棚が設置され、大判のビジュアル本を中心にびっちりと古書が収まっている。手芸・刺繍・裁縫・織物・ファッション・ファブリック・レース・クラフト…洋書和書問わず、これらがその大半を占め、あまり他では見かけぬジャンル的に硬質な光景を生み出している…こんな手芸関係に特化した大きな棚を見たのは、かつて九段下の地下にあった「artbooks shop&cafe」(2009/12/08参照)以来であろうか。手先の繊細な技術と気の遠くなるような反復が作り出す、美しく柔らかな創造物のオンパレード!ひとりのご婦人がそこから布や刺繍の本を取り出し、熱心に吟味している。私は相変わらずそちら方面は門外漢なので、右端の棚にピタリと張り付いてしまう。ここには、北欧&東欧関連・絵本・美術・図録・写真集が集められているので、一般人も安心して眺めることが出来るのだ。手芸関連の値段はとんと分からぬが、こちらには買い易い値が多く見受けられる。一冊手にして帳場へ向かう。精算していただいていると、お嬢さんが記憶を掘り起こしているように眉根を寄せながら「聖蹟桜ヶ丘のお店にもいらしてました?」と聞かれたので「ええ」と答えると、「もしかしたら古本屋ツアーの…」と正体を見破られてしまう。あれ?でも、この人は店主の石井さんじゃ…ないよなぁ…とちょっと焦りながら曖昧な記憶と闘っていると、このお嬢さんはかつて「玉椿」でスタッフとして働いていた方なのであった。というわけで、西東京にお帰りなさい、玉椿!作品社「永久機関 附・ガラス建築/パウル・シェーアバルト著 種村季弘訳」を購入する。

帰りは仙川で途中下車し、「文紀堂書店」(2015/03/31参照)にも立ち寄る。福音館書店「がたん ごとん がたん ごとん/安西水丸さく」杜陵書院「こぼれ話 宮澤賢治/白藤慈秀」を計300円で購入する。「こぼれ話 宮沢賢治」は花巻農学校教職時代の同僚が書いた、間近で見た賢治のひととなりエッセイ集である。これが店頭100円とは嬉しい拾い物であった。
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2018年03月04日

3/4東京・芦花公園 古書トムズボックス

突然爆発したような花粉に苦しめられ、目が鬼のように痒くなり、集中力が持続しなくなる。仕方なくすべてを投げ出して表に飛び出し、荻窪駅前からバスに乗って芦花公園駅へ。踏切で長い長い電車通過待ちをクリアした後、『世田谷文学館』にたどり着く。昨日今日の二日間だけ一階のロビーにて、吉祥寺にあった絵本店『トムズボックス』が、古本屋として復活を果たしているのである。何か良い本が買えるだろうかと、期待しながら自動ドアを潜り、受付前を通り、ショップ前を通り、左手に進んで行く。すると直ぐに、長テーブルの上に四つの箱を積み重ね、一台のラックを携えた小さな臨時の古本屋さんが姿を現した。並んでいるのは絵本と児童文学と渋いプロ漫画サークル誌などである。古書絵本&古書児童文学もあるのがとても魅力的!だが二日目昼の現在で、棚にははっきりとブランクが生まれているので、初日に来られなかったのが何とも恨めしい光景となっている。古い本には図書館廃棄本や裸本もあるが、それらはかなりの安値となっている。う〜むう〜むと色んな本を手にして、何を買おうか盛大に悩むが、実は最初から棚の上に飾られた、理論社 日本の創作童話「オニの子・ブン/山中恒作・長新太絵」に心はガッチリ釘付けなのである。第二刷だが、1963年の最初のオリジナル本だ。値段は3500円としっかりだが、見た時からもう欲しかったんだ!と、居並ぶご婦人たちに紛れて購入してしまう。その時先客が手伝いの青年と交わしていた会話は「本人(元『トムズボックス』オーナー土井氏のことである)は古本屋をやりたいと思ってるらしいんですが、なかなか良い物件がなくて。でもそのうち絶対にやると思いますよ」というものであった。ぜひとも実現することを強力に期待して、早々と文学館を後にする。
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その後、西荻窪に向かい「盛林堂書房」(2012/01/06参照)であるデータを受け取りがてら、嬉しいことに昨日の誕生日を本で祝ってもらう。古今荘「新青年版黒死館殺人事件(私家本)/小栗虫太郎著・蒼龍窟居候人編」をいただく。雑誌「新青年」掲載時の「黒死館殺人事件」をまとめて読みたいがために、自分で本文を打ち込み自分で製本した、執念の書である…古書山たかし氏の「醗酵人間」と同様の出自ですな。手作りのためか、表1が110度くらいまでしか開かない!そして本文がルビを入れ込むため行間がガタガタ!だがしかし、この本を創っている最中の、編者の喜ばしい気持ちが表紙のクロスを通じて、ビリビリ伝わって来る!世の中には、色んな楽しい人がいるもんだ。
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2018年02月25日

2/25東京・国立 店名未確認

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すべてのエネルギーを放出した態で疲れ果て、国立の南西に流れ着く。足を引き摺りながら、元「ブックステーション門」(2009/12/18参照)の「祐夢」にたどり着く。ひっそりとしているが、ちゃんと営業してくれている!店頭ワゴンから一冊つかんで、とても静かな店内へ。古書が多く混ざる本棚に魅了され、奥へ奥へと進んで行く。う〜む、楽しい。欲しい本が次々と目に入る。しかも隙アリで嬉しい。偕成社「幽霊屋敷/西野辰吉」東京創元社 世界恐怖全集11「蜘蛛/H・H・エーベルス」(箱ナシ)正進社名作文庫「太陽系最後の日/奥野健男編」を計1134円で購入する。良い買物が出来た心地良さで古本心を暖かくしながら、国立駅に向かって『富士見通り』を北東に遡上していると、様々な絵本を狭い歩道際ギリギリに並べている、小さなお店に出くわす。駅南口からは400mほどで、『セブンイレブン』を通り過ぎたら見つけることが出来るだろう。木箱やミニベンチのような平台に、カラフルなハードカバーの絵本たちが明るく優しく煌めいている。最近の物や覆刻物が中心で、値段は定価のものもあれば、100均・定価の半額〜20%オフまで複雑な値段模様を見せている…バーゲン本なのだろうか?取りあえず日本作家の箱から一冊抜き取り、店脇の短く狭いアプローチに入り、土足厳禁らしいお店の扉をカラリと開ける。狭い店内には絵本ラックが置かれ、窓際に低い絵本棚、そして左壁一杯の絵本棚。すぐにマスク姿のご婦人が近寄り、手にした絵本を見て「ありがとうございます!」と声を上げる。即座に精算体勢に入ってしまったので、靴を脱ぐ間も店内の絵本を見る間も奪われてしまった…。福音館書店「ぴかくん めをまわす/松居直さく・長新太え」を400円で購入しながら、「ここは絵本屋さんなんですか?」と聞いてみると「そうです。絵本の古本屋なんです。また買いに来て下さいね」と返って来る。おぉ、しっかりと古本屋さんであったか!と喜んだのも束の間、本を受け取り表に出ると、何処にも店名が見当たらない…さりとて、もう一度店内に引き返し、店名を訪ねる勇気もなし。仕方ない、次回来店時の宿題としておこう。それにしても偶然に未知の古本屋さんに出会えるとは、想定外のラッキー!と、ウキウキしながら駅へと向かう。

西荻窪で途中下車し、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に向かい、表紙デザインを担当した盛林堂ミステリアス文庫二月新刊「戦後 春陽文庫 資料集成 β版/小野純一編」を受け取る。小悪魔的な春陽文庫に魅せられた古本屋さんが編んでしまった、楽しい楽しいマニアックなカバー資料集である。大人の事情で表紙デザインにカバー関連の図案は使えなかったので、いっそシンプルに文字だけで組んでしまおうと一時は思ったのだが、それではやはりつまらない。と散々悩んだ挙げ句、ヒントを掴むために開いた春陽文庫「若さま侍捕物手帖2/城昌幸」(昭和三十四年第六刷)の巻末『春陽文庫目録』のラインナップが奇跡のような並びだったので、それを地紋としてそのまま活用することに決める。鷲尾三郎・楠田匡介・小栗虫太郎・江戸川乱歩・黒岩涙香・永瀬三吾・香山滋…あぁ、失神するほど悩ましい。
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2018年02月08日

2/8東京・吉祥寺 空と虹と古本市

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夕方午後五時過ぎに吉祥寺の西に流れ着く。段々と長くなり始めた陽に感謝しながら、『中道通り』を駅方面に向かって歩いていると、バッタリと偶然に、白墨で『古本市』と書かれた小さな立看板に出会ってしまった。う〜む、嬉しい。場所は『吉祥寺パルコ』前から件の『中道通り』を北東に五百メートルほど進んだ『中道公園』の向かいである。会場の名は『八月の空』で、小さな白いマンション一階の一室を改装し使用している。短く狭いエントランスには絵本箱が置かれ、その奥に開け放たれた入口。そこから中に上がり込むと、床は板敷きの縦長の小さなスペースがつながった空間である。什器や机に、古本が点在している。絵本・洋書絵本・鳥類・女流作家・紙関連・猫・妖精・自然・文庫本・大判ビジュアル本…全体的にキレイな本が多く、春のような爽やかさが小さな市全体に通底している。帳場に立つ女性二人が、客の私に遠慮してひそひそ声で会話しているので、早く買う本を決めて、小さな世界を常態に戻してあげようと、誠文堂新光社「山手線に眠る3億年探検記 東京化石地図/先崎譲一・文 安藤博・写真」を選んで帳場に持って行くと、あっ!本を受け取ったのは、よく「みちくさ市」でご一緒する「ママ猫の古本や」さんであった。「偶々通りかかって、「古本市がやってる!」って喜んで入って来たんですよ」と言うと「偶々?こんなところを?」と何故か疑われる。そしていただいたチラシを見ると、出店者は一箱でお馴染みのメンバーや、中野の「ブックス・ロンド社」さん(2008/08/28参照)であった。いやぁ、世の中、狭いですな。ママ猫さんに見送られ、外に出ようとした時、「その本、売れなかったら私が買おうと思ってたんです」と告げられる。400円の「東京化石地図」が、モテにモテた奇蹟の一瞬だったわけである。この市は2/12(月)まで続く。さらに帰り道で、「一日」(2017/08/11参照)のかなり薄暗いガレージに寄り道。雪華社「足穂入道と女色/小高根二郎」を324円で購入し、書肆ユリイカの伊達得夫が稲垣足穂&志代夫妻の仲人であったことを知る。

そしてそろそろ発売になっている「本の雑誌三月号 早春ふとん干し号」の連載「毎日でも通いたい古本屋さん」第三回では、蕨の「なごみ書店」(2016/08/14参照)でレポート&お買い物。正座して極める俄古本道をお楽しみください。そしてさらに、今月22日頃に発売されるであろう、本の雑誌社「絶景本棚」に『家に本棚がない曖昧な理由』という七枚半のエッセイを寄稿しております。この本は連載グラビアの「本棚が見たい!」をまとめた、本棚と本だらけの贅沢な一冊。実は以前、私のところにも本棚取材の申し込みがあったのだが「ウチに本棚はありません」と伝えると、見事に話は流れてしまったのである…。というわけで、何故本棚を使わずに本を積み上げてしまっているのか、その理由、もしくは言い訳を延々書き連ねてみたのであります。二冊まとめてよろしくお願いいたします!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860114114.html
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2018年02月04日

2/4東京・国立 museum shop T

午後に古本を携え家を出て、昭和感満点の『阿佐ヶ谷区民センター』にて『古本屋ツアー・イン・阿佐ヶ谷』と題して二時間ばかり講演する。集会室を横向きにぶち抜いた会場に、寒い中を集まってくれた六十名ほどの奇特な皆様に、ただただ感謝を捧げ、演台に立ったまま、ひたすら古本屋と古本について、間隙が生まれるのを恐れるように話し続ける(まぁ、それしか出来ないのだが…)。静聴していただいた皆様、大変おつかれさまでした。

すっかり魂と体力を擦り減らしてしまうが、講演用の古本を携えたまま、電車に飛び乗り西に向かってしまう。南口から東側に回り込み、『旭通り』西側歩道を南東に下る。そして一本目のビルの間の脇道を西に入り、真ん中辺りの煉瓦で化粧された雑居ビルの直線階段を三階までストスト上がる。すると右側に扉が二枚現れるので、さらに右側の白い扉を選択してドアノブを捻る。左右の壁に大きなボックス棚が据え付けられ、中央にテーブル台や棚が続く、国立近辺の様々な作家や表現者の作品&雑貨類&本&リトルプレス類を取り扱う、文化的アンテナショップである。だが何故かここで、古めのSF文庫を売っているとの情報をキャッチしたので、駆け付けた次第である。入った左側すぐに、目的のSF文庫が固まってくれていた。二台の平台手前にはハヤカワSF文庫(八十〜九十年代中心)が面陳&積み上げられ、奥の台に創元推理文庫SF(七十年代中心)が面陳&並べられている。値段は一律270円となっており、じっと辛抱強く眺めて、読みたい二冊(いったいいつ読むのかは分からないが…)を選び出す。創作元推理文庫「自動洗脳装置/エリック・F・ラッセル」「山椒魚戦争/カレル・チャペック」を計540円で購入する。レジテーブルは一部がガラスケースになっており、藤田嗣治の本が修復され高値で販売されている。三階踊り場に出ると、階段袖手摺に『古書買い取ります』の貼紙もある…じゃぁしっかりと古本を扱うお店なのか。こちらに来た時は、なるべく足を向けることにしよう…などと考えつつ、携帯でお店の扉を写真に撮ろうと、左のポケットに手を差し入れる…あれ?ない、携帯がない!どうやら家に置き忘れて来てしまったようだ。じゃあこの携帯みたいな感触の四角い物体は…それはキャラメルの箱であった…俺はこれをずっと、携帯と勘違いしていたのか。なんと愚かな…。
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というわけで写真は撮っていないので、メモとキャラメル箱の写真でお茶を濁しております。悪しからず。
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2018年01月28日

1/28東京・早稲田 古書ソオダ水

昨日は夕方に下連雀に流れ着き、清冽な玉川上水の冬の流れに震えつつ吉祥寺に出る。「BASARA BOOKS」(2015/03/28参照)に入ると、店内BGMとしてECDが流されていた。狭い店内で本を選ぶ振りをして、二曲分を聴き入ってしまう。角川文庫「SFバカばなし おもろ放談」を230円で購入する。

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世界の果てのような曇天の本日は、午後に外出。都電荒川線駅から『新目白通り』に出て、東にちょっとだけ向かい『グランド坂通り』に入り、西南に坂道を上がって行く。すると『早稲田大学北門』手前の雑居ビル前に、新しい古本屋さんの立看板が出されていた。導かれ、二階への急階段を上がる。流れ落ちて来るデヴィッド・ボウイの歌声を掻き分けるようにして、緑の扉が開け放しの店内に入る。通りに向かった窓が、曇天の薄ぼけた光を室内に取り込んでいる。フロアに立つのは、顔ぐらいまでの高さの本棚ばかりである。入ってすぐ右に100均棚が二本。古めの戦後〜昭和四十年代の日本文学を中心に、とても魅力ある並びが展開している。一冊も見逃さじ!と気合いを入れて眺め、二冊を早速確保する。左壁棚には日本文学が100均棚をバージョンアップさせた形で並び、上林曉・小島信夫・小山清・後藤明生・庄野潤三・田中小実昌・永井龍男・野呂邦暢などをビシッと抑えている。そこから海外文学(詩集含む)・評論&本関連・女流文学と続き、左奥の引っ込んだスペースにはセレクトコミック・児童文学・絵本と続く。フロア中央には山本文庫などを飾ったテーブルを中心にして、窓側に二本の木棚が立ち、超セレクト文学系文庫・美術・映画・音楽・ちょっと硬めのサブカル&カルチャー・海外文化などが収まる。窓際には低く青いスチールキャビネットのような物が置かれ、その上にコクテイル文庫「貸家と古本/荻原魚雷」や電気グルーブの本が面陳されている。そして右壁際の棚には、満を持したようにこのお店の主力ジャンルである、日本人の詩集(棚二本分)と歌集が揃えられている。隣りではひと棚分の音楽CDも控え中。フロア全体を見渡せる奥の帳場には、若い男女が緊張しながらも楽し気に、ソーダの炭酸がブツブツ弾けるように初々しく店番中。誠に渋いお店である。なんだかとても京都的…というか、ヤング「善行堂」(2012/01/16参照)と言った雰囲気&クオリティの高さなのである。日本文学の趣味、そして詩集の蒐集っぷりには大いに感心させられる。…あぁ、開店初日に来たならば、どんな良い本が買えたのだろうかと、昨日ここに来れなかったことを、思わず悔やんでしまう。値段はかなりリーズナブル。早稲田古本屋街とは少しだけ離れているが、それでも足を延ばして足繁く向かいたくなるお店が誕生してしまった。相模書房「世間ばなし/武田麟太郎」(函ナシ)改造社「星の夜の廣場にて/橋本英吉」白水社「パタゴニアふたたび/ブルース・チャトウィン ポール・セルー」を購入する。この時流れていたBGMは、カジヒデキであった。

そして驚くことに、店内で偶然「たけうま書房」さん(2017/11/06参照)と遭遇したので、お店を出た後に高田馬場まで歩き、ちょっと早いが飲み屋に入って古本屋四方山話に花を咲かせる。その中の酔いに任せて出て来たゴシップ的噂話に、とある古本屋さんがキャバクラを経営してるかもしれないというのが…途端に色めき立ち「も、もしかしたら古本が並んでいるんじゃないですか!だ、だったらツアーしないと」と興奮すると「あるわけないじゃないですか」とあっけなく一蹴される。たけうまさん、今年もよろしくお願いいたします。
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2018年01月26日

1/25古本屋ツアー・イン・新保博久邸【最終章】

すでに昨日の話である。一ヶ月に渡って続けて来た、ミステリ評論家&乱歩研究家・新保博久氏のお引っ越し片付けお手伝いであるが、いよいよ本日がタイムリミットの最終回である。午前十時に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と某駅で待ち合わせ、いつものように盛林堂イレギュラーズとして教授邸に向かう。ぬぉっ!教授邸の什器類が、表にたくさん出されている…そう言えばメールに『粗大ゴミ二十連発』って、書いてあったな…。
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チャイムを押しても、教授が全然出て来ない…寝ているのだろうか?と思っていると、エレーベーターが開き、木製の大きな椅子を持った青色吐息の教授が姿を現した。「旧式の電子レンジがこれほど重いものとは思いませんでした」などの搬出苦労談を聞きながら階上へ。だが部屋に上がり込むと、お願いしていた文庫本の仕分けがまったく行われていなかった…うわぁ、粗大ゴミを運び出すだけで、精一杯だったんだな…小野氏が「とにかく仕分けを進めましょう。最初から言っているように、蔵書量はかなり減らさなければいけないんですから、もぅ、思い切って手放すつもりで!素早く!そうしなければ間に合いません」が宣告する。すると教授「えぇ。ですが、まだその棚を。粗大ゴミに出さなければいけないんですよ」と恐ろしいことを言い始めた。恐る恐る「棚?どれですか?」と聞くと、指し示されたのは右奥の部屋の、ラックや箱やカゴが積み上がる山の向こうに見える、背の高い木の本棚であった。「え〜っ!あれ?あれを?それにもうすぐ回収が来ちゃうんじゃないですか?」「えぇえぇ…恐らく」…もはや取り出すしかないようだ。取りあえずすべての作業を中止して、我武者らに棚を奥から取り出すことにする。まずは手前の箱から退かして行こう…あれ?何だか連結したラックが出て来たぞ…うぎゃぁ、全部文庫がビッシリ詰まってる「小野さん、文庫が文庫が〜」「どんだけ出て来るんだ…」そんなラックを五本ほど根性と筋肉で取り出し、さらに棚の前に立ちはだかる取り外された木製ドア(激重)をニジニジと移動させ、部屋内箱山の上に乗せることにどうにか成功する。ゼイハァゼイハァ…よし、これで棚の中の本が取り出せるぞ。辞書や大判のリファレンスや分厚い洋書類や地図や古本屋地図をダカダカ抜き出し、緊急避難的にドアの上に乗せて行く。そして「ふんぬぅ〜!」と本棚を引き出し、小野氏と教授に引き渡す。二人は協力して階下へ本棚を運んで行った…ま、間に合った。ところがしばらくして、何やらたくさんの人の気配が廊下の方から伝わって来る。教授が、作業着の人たちとともに玄関に現れた。そして「あ、あの奥のヤツも出さなければいけないんです」…!げえっ!あの乱歩関連が並ぶ高い白い棚も!すると、疲労困憊した私を見兼ね小野氏が「僕が出します」と隙間に突入して行く。物凄いスピードで本を抜き始める小野氏。ガンガンドアの上に積み重ねて行く。後ろで本を受け取ったりしてフォローに回るが、その時突然ドアがバランスを崩し、今まで積み上げた本たちとドア自体がこちらに向かってスライドしてきたのである。「危ない!」と全員が素早くドアを受け止め、間一髪で事無きを得る。どうにか安定を確保した後、作業再開。高速で棚を取り出すことに成功し、廊下まで運び出して作業員さんたちに託すことに成功する。そして棚から出した本を棚のあった場所に積み上げ、危険なドアをベランダに移動させ、およそ一時間半遅れで通常作業を開始する。

部屋に散らばる文庫&ノベルス山と、左奥部屋の棚に入った文庫を抜き出し、教授に仕分けてもらうべく山を作って行く。教授は「もはや思考停止状態です」と呟きながら、結構スピーディーに仕分けて行く。教授の前に本の山を作り、仕分け後に送り出された本を同階のトランクルームまで運び、小野氏に結束してもらうので、かなり慌ただしい時を過ごす。
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引越しで雑然となった家の中で、必死に仕分けをする教授の後姿。ガンバレ教授!

…そして午後一時半、部屋の本があらかた片付いたので「教授、そろそろ休憩して昼ご飯にしましょう」「そうですね。栄養を脳に補給しないと」「あれ?ホームズは空腹の方が脳が冴えるんですよね?」「山中峯太郎版ホームズは、ガンガン食べますよ…」…というわけで三人で、もはや常連となった豚カツ屋に赴き昼食を摂る。次の作業の相談をしていると小野氏が「そうだ、あの資料の山の下に、本がたくさん隠れてるんだった」と恐ろしいことを思い出してしまった。そういえば、一番最初の作業スペースを作る作業で、なりふり構わず積み上げたんだっけ(2017/12/14参照)。というわけで再掘削し、本の山と再びご対面。これも文庫本時と同じような体制で、とにかく仕分けを進めて行く。時刻はあっという間に午後三時を回り、段々先の見えない泥沼にはまっている気分になってくる。本を運ぶために借りたレンタカー(たくさん運ぶためにバンである)も、何度も借り出す時間を延ばす始末である。そして山の作業が終了に近付いたところで、間髪入れず押入れに並ぶラックの仕分けに突入。
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主にSF・ホラー・海外純文・ノベルス(また!)が詰まっているのだが、これが十本ほど…そしてまたもや教授がポツリ「実はその裏にもダンボールに入った本があります…」うぎゃぉうっ!とにかく進めよう、進めるんだ!と三人の心はついにひとつになり、一心不乱に本と格闘しまくる。途中、押入れ前で無理な体勢でラックを引き出そうとした教授が、足をつってしまう。「痛い痛い」と後退する教授に代わり、同様の体制でラックを引き出しまくる…結果、私も足をつる。本の隙間で寝転ぶ教授と、足を必死に延ばす私の姿を、様子を見に来た小野氏が「なにやってんですか?」。本の仕分けは寝室の本を残したところで、残念ながらタイムリミットとなる。結局レンタカーを借りたのは午後五時半で、六時から結束本を階下に下ろし、本を運び込んで行く。たちまちバンはいっぱいになり、ひとまず西荻窪の倉庫へと運ぶ。再び教授宅に戻り、残った結束本と、別のトランクルームに運び込むダンボールが十箱と、盛林堂買取品の十箱を積み込み、西荻窪→トランクルームと移動。トランクルームでは、前回いただいた内田善美「星の時計のLiddell」の続き二冊を教授の指示通りに発見し、確保する。レンタカーを返し教授邸に戻ったのは、午後九時半であった。
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だが、今日の作業はまだ終わらない!最後に書斎の壁を覆う、複雑怪奇な本棚の解体に着手しなければならないのだ!、なのに、棚には本が盛大に詰まったままだ!慌てて本を取り出し取り出し、様々な部屋の様々な隙間に積み重ねて行く…せっかく整理が付いてスペースが出来た各部屋が、いつの間にやら元の木阿弥…ええぃ、仕方ない。今は本棚の解体だ。小野氏と最後の力を振り絞り、上から棚を崩して行く…作業終了は午後十一時。今までで一番ハードな一日となってしまったようだ。だがこれで、少しでも本が減り、部屋が片付き、教授が引っ越せるのなら、何の悔いもない!その後、近所の居酒屋に移動して、教授の無事の引越しを祈り、乾杯する。結局運び出した本はおよそ二万冊…だがそれでも、教授の蔵書量のおよそ四分の一なのであった…お、恐ろしい。そして本日の拝受品は、集英社「星の時計のLiddell2・3/内田善美」新潮文庫「蜘蛛/トロワイヤ 福永武彦譯」グロービジョン「鬼警部アイアンサイド/S・スターン 加納一朗訳」ポプラ社 名探偵シリーズ(キャッチが「成長期のお子さまに勇気と希望を与える推理小説の決定版です。明智小五郎・金田一耕助・神津恭助等の名探偵が、次々と起こる怪事件の謎を解く長編推理小説」となっている)「呪いの指紋」「魔術師」(カバー付き)ともに江戸川乱歩の、計六冊。まさか教授から乱歩本をいただけるなんて!「それは、氷川瓏のリライトですね」と教えられる。
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2018年01月19日

1/18古本屋ツアー・イン・新保博久邸【第四章】

中一日で、新保博久教授邸の引越しお片づけに『盛林堂イレギュラーズ』として向かう。昨日「古書いろどり」(2015/12/11参照)の店内整理お手伝いで本の雪崩が額を直撃した「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏といつもの場所で午前十時に待ち合わせ、颯爽と教授宅へ。するとなんと!教授宅前に、トランクルームや本邸内の本棚やラックが、一部粗大ゴミとして出されているではないか!
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これを一人で!教授、がんばったなぁ〜と小野氏と顔を見合わせ、四階へ上がる。ドアを開けてくれた教授は、すっかり疲労困憊の態。「ライヘンバッハの滝に落ちたホームズの気分です…」と、独特な例えで今の心体状況を表してくれた。

本日のミッションは、本邸の片付けなのだが、その前にトランクルームに詰め込んである、これまで仕分けて結束しまくった本束を運び出すことに決める。教授には取りあえず本邸の本の仕分けに専念してもらい、古ツア→本をトランクルームから階下へ運び出し、小野氏→その本を『盛林堂号』に積んで西荻窪の倉庫へ運び込む、ということになる。本束の内訳は、単行本が140本、ノベルスが55本、文庫本が105本…大体合計で7300冊ほどである。で、まずは階下に下ろすためにエレベータ脇に積み上げるとこうなる。
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で、『盛林堂号』に積み込むとこうなる。
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サスがガッツリ沈み込むほど積み込んでも、とても一回では終わらない。途中、あまりに大量の本束を玄関先に積み上げていると、通りかかった近所のオバ様に「この中には、図書館があるんですか?」と聞かれてしまう。本を読むことを生業とする個人の蔵書であることを告げると「私も本好きだけど、これはまぁまぁまぁまぁ…」と目を丸くしてニヤニヤ…まぁ確かに想像を絶する光景ですよね。結局この教授宅と西荻窪を四往復して、どうにか第一ミッション終了。時刻はすでに午後二時半…。

この後はいよいよ本邸の本の仕分け&結束に入る。【プレリュード】時に(2017/12/14参照)左奥の和室に積み上げておいた本の山があるのだが、これを新たに掘り起こし、袋に入ったままのものを袋から出し、サイズを揃えて隣りの部屋の教授にカゴ詰めして渡す。それを教授が仕分けた後、同じ右部屋にいる小野氏が素早く結束。激細通路に束がある程度溜まったら、それを私がトランクルームに適宜運び込む…これらを山が無くなるまでひたすら継続して行くのだ。
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本の詰まったカゴを流れ作業のように渡して行く…「なんでこんなに本があるんでしょう?」「もっと早く小野さんを呼んでいれば、こんなことにならなかったんですね」「果物の収穫みたいです」「今回は実りが多いですね」「まだ…ウッフッフッフッフ…無限」以上は教授のつぶやきである。作業はその後午後七時まで続くが、全員がライヘンバッハの滝に落ちたようにゼイハァ疲弊してしまい、単行本を後少しと、ノベルス&文庫本を残したところで終了となる。…でもまぁ、良くこの短期間でここまで漕ぎ着けたものだ。だが果たして、教授は無事に京都に引っ越せるのか?ちなみに教授はこの引越し準備で、なんと体重が五キロ減したそうである…。次回、いよいよ【最終章】(予定)。

本日の作業御礼拝受本は、本邸山掘り起こし作業中に確保しておいた、集英社「星の時計のLiddell 1/内田善美」論創社「新幹線大爆破/ジョゼフ・フランス+加藤阿礼」湘南探偵倶楽部叢書「白魔の一夜/ルウフワス・キング」河出書房新社「あたしが殺したのです/森田雄三」である。「あたしが殺したのです」は教授が学生時代に目白の古本屋で100円で買ったもの。長らく作家の竹本健治氏に貸していたそうで「私より竹本氏の元にあった時間が遥かに長い」とのこと。「それにしも何故その本が、あの山の中に…」。それは、返してもらってそのまま奥の部屋に放り出していたからですよ、教授!
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