2021年04月08日

4/8「中央線書店」パイロット版。

午後三時過ぎに中央線快速上りの北側ドア窓に、ぺったりと凭れかかっている。漫然と車窓を眺め、阿佐ヶ谷へと向かっているのだ。だが、電車が『環八』の上を越え、荻窪駅のホームに滑り込む瞬間、雑居ビルの一角に本棚が見えた気がしたのか…げ、幻覚か?だが古本屋さんに命を賭ける者ならば、これは是が非でも確かめずにはおられまい。と荻窪駅で急遽途中下車し、西口改札から北側に出て、化粧レンガの敷き詰められた『白山通り商店会』の道を線路際に向かう。やがてビル街の中に長い参道を持つ『白山神社』を右に見て、線路際に出る。そしてそのまま『環八』方面へ……あった。本当に本棚だ。古本棚だ。しかも小さな古本屋さんだ!
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窓には何やらシンボルマークとともに『本のことなら中央線書店』とある赤い紙が貼られている。建物の袖には黒い立看板が立て掛けられ、『古本買取します』のコピーとともに、営業時間が書かれている…本当に古本屋さんだ。いつの間に出来たのだろうか?店頭には100〜500円の本棚と、200均の小さなコミックダンボール箱が出されている。棚には、文学・三島由紀夫・文庫本・「キンダーブック」・「よいこのくに」・アート・デザインなどが並んでいる。そして窓に貼られたさらなる貼紙を見ると、どうやらまだお店は開店準備中らしく、今はこの表の棚だけがお店として機能しているようだ。言わばパイロット版と言ったところ。その棚をじっくりと精査…むぅぅ、函ナシで蔵印ありだが、第一書房「古希臘風俗鑑/マルセル・シュオブ 矢野目源一譯」を見つけ出し、早速この小さな線路際のお店に好印象を抱いてしまう。さらに「よいこのくに」を丁寧に繰っていくと、丸々一冊武井武雄が絵を手掛けた、よいこのくに社「よいこのくに 特集・おつきさまのはなし/画・武井武雄 文・浜田広介」を探し当てたので、一緒に購入することにする。右側の引き戸を開け、中でパソコンに向かう黒ずくめの青年に精算をお願いしようとすると、店頭棚に戸が食い止められ、ちょっとしか開かない…ガラス越しに二人で顔を見合わせ苦笑し、ともに仕方なく左側の戸に移動する。店内にはスチール棚が置かれ、所々に古本を並べている。精算をしていただくと「店内も今開店準備中なんです」と言われたので、「いつ頃開店予定なんですか?」と返すと、奥から現れたこれも黒ずくめのうら若い女性が「この半年くらいで開店するつもりです」と答えてくれた。おぉ、それは非常に楽しみです。何にせよ、「ブックオフ」以外、古本屋さんの消え去った駅北側に古本屋さんが出来るのだ。しかもファースト・インプレッションは大変に好ましいものとなったのだ。これからは荻窪に来る度に、様子をうかがうことになりそうだ。
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予想外の出会いから獲得した収穫二冊。「古希臘風俗鑑」には神保町「田村書店」(2010/12/21参照)と古い「紀伊国屋書店」のラベルアリ。
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2021年03月31日

3/31吉祥寺で「古本のんき」が暢気に営業開始!

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駅に着いたら北口へ出て東へ。吉祥寺の秘かなシンボル『ゾウのはな子』像を左手に見ながら交番前を通過し、ガード前の長い横断歩道を渡り切る。そこからさらに東へズンズン進んで行く。高架下は素焼きレンガで化粧されたショッピングモールだが、それが尽きる所に郵便局があり、その先で高架下を南に潜り抜け、広めの直線道を進む。すると右の雑居ビル一階、緑のテント看板から察すると、元お花屋さんの場所に、新しい古本屋さんがオープンしていた。店頭にはお祝いの花かごとともに百均文庫箱や百均雑誌かごが置かれている…だが、ガラスの向こうの店内を透かし見ると、棚にはほとんど本が並んでいない、完全なる開店準備中状態ではないか…こ、これは、入って良いのだろうか…まぁ百均は出ているんだし、ドアも開いてそこに小さな店名看板も立て掛けられているので、入店可なのだろう。そう決めつけて店内へ進む。そして本の多少並んでいる部分を見て行くことにする。児童文学・趣味・絵本・暮らし・旺文社文庫・ちくま文庫・角川文庫リバイバルコレクション・澁澤龍彦・カルチャー・思想哲学・100〜300円棚……とにかくこれから出来上がっていくはずの本棚の、ほんの一部の氷山の一角なので、なんとも評し難い状態である。だが、そんな少ない本の中にも欲しい本がチラホラ見つかるので、これからの棚造りへの期待だけは、いやがうえにも盛り上がってしまうのである。とにかくまずは古本を買おうと、100〜300円棚から二冊抜き取る。同光社「角田喜久雄代表作選集十四巻 捕物萬華鏡」(貸本仕様)ポプラ社「風雲紅玉陣/橋爪健」(カバーナシ)を購入する。するとカウンターの向こうで古本の山と格闘し続けてる女性店主さんが、「こんなガラガラの状態で、本当にすみません。これからドンドン本を並べていきますんで、良かったらまた買いに来てください」とマスク越しにニッコリ。あぁ、店名通りに、なんだか暢気な開店スタートと言った感じで、これはこれで面白いなぁ。吉祥寺に来る度に、徐々に徐々にお店が出来上がって行くのを、興味深く観察してみるか。とにもかくにも、開店おめでとうございます!

そして帰りに「古本センター」(2013/07/01参照)に立ち寄り、学藝書林「少女仮面 唐十郎作品集」を150円で購入し帰宅する。
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2021年03月21日

3/21東京・吉祥寺 あぷりこっとつりー

今日も雨の中を吉祥寺に流れ着いてしまい、強風に傘を持っていかれそうになりながら、判で捺したように「よみた屋」(2014/08/29参照)に来てしまう。店頭棚はビニールシートが掛けられた雨仕様だが、ビニール越しの歪んだ本の背に視線を素早く走らせて一冊抜き取り、さらに店内の50均文庫棚から二冊…ほぼ毎日来ている感じになってしまったが、それでも買えるんだもんな。いや、全く持って頼もしいお店だ。東方社 新編現代日本文学全集「鹿島孝二集」青木文庫「武装せる市街/K島傳治」新潮文庫「聖ヨハネ病院にて/上林曉」(昭和二十四年初版)を計220円で購入する。

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その後は、そう言えば以前偶然開店準備を見かけたあのお店は、どうなっているだろうか?と、北口に出てパルコ向かいから『中道通り』を西西北に歩き始める。辛抱強くグングン進み、北側の七本の脇道をやり過ごして三百メートル強…気付けばいつの間にか「古本屋さんかく」(2009/05/12参照)が奥にかつてあった、建物と建物の隙間道の前である。あっ、オープンしている。『絵本と雑貨』の新しいお店である。手を消毒して中に入ると、おおっ!ちゃんと古本の絵本が並んでいるではないか。右壁沿いは奥深い棚が連続し、絵本の古本・洋絵本の古本・セール絵本がまずは収まり、その後に木の玩具が陳列されていく…棚の上にはぐりとぐらが巨大かすてらを焼いているフィギュアが!フロア中央には新刊絵本ラックが二台縦列し、左側ゾーンは主に木製玩具類と雑貨が優し気に並んでいる。早速古本絵本棚に意識を集中し、細く固い背を次から次へと読み込んでいく。途中、路上で「あっ、絵本だ。これは突撃突撃〜」と勇ましく若人カップルが入店して来るが、気にせずに絵本を追い続ける。CBSソニー出版のartbackシリーズ(2021/02/09参照)を一冊発見するが、1600円か…と二の足を踏んでスルー。結局カバーナシの1974年刊、文化出版局「ぶたのしあわせ/ヘレン・オクセンバリ―作 矢川澄子訳」を購入する。artbackシリーズは、しばらく悩むことにしよう。いつの間にか開店おめでとうございます!
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2021年03月14日

3/14東京・阿佐ヶ谷 雑踏

強風の午後に吉祥寺南町に流れ着いたので、その風と日曜日の吉祥寺の人波に抗い、古本屋さんを素早く巡って行く。「バサラブックス」(2015/03/28参照)で毎日新聞社「放浪の画家 長谷川利行展」を200円で購入。さらに先に進み、「一日」(2017/08/11参照)でPARCO出版「ダダ 現代美術の源泉/ケネス・クウツ」「シュルレアリスム イメージの改革者たち/R・カーディナル R・S・ショート」日本生産性本部「公害の未来像/加藤辿著 真鍋博絵」(ほぼ全見開き真鍋博のイラストだらけで、表やグラフでさえ真鍋が描いている)を計990円で購入し、阿佐ヶ谷へと戻る。そして帰り道の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭棚に、桃源社「犬狼都市(キュノポリス)/澁澤龍彦」が出されているのが目に留まり、矢も楯もたまらず110円で購入する。ちゃんと帯付き初版で、正誤表(恐ろしいことに、表紙と扉のタイトルギリシャ文字が間違っているのだ!)付き。そういえば以前コンコ堂では、『犬狼都市』掲載の文芸誌、丸善株式會社「聲7号 1960・春」を店頭で買っていたのだった(2017/04/26参照)。サンキュー、コンコ堂!おかげで心弾むぞ!
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というわけで、家に帰ってから初出誌とともに記念撮影。

と浮かれながら、『旧中杉通り』から『中杉通り』に出て北上していると、豚骨醤油ラーメンで有名な「大慶」の隣りの隣りに、古道具屋さんの後釜に収まった、若者が営んでいる新しく渋い古着屋さんがあるのだが、その店頭に古本が三十冊ほど並べられているのだ。
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台や小さな椅子の上に、ファッション・アート・写真集・カルチャー雑誌・文庫本など。足を止めてムムと眺めていると、中から髪の毛が眺めの山ア賢人風青年が出て来て、「いらっしゃいませ」と言うや否や、こちらが見ている古本ではなく、周りに置かれたサボテンの鉢を薦め始めた…古本よりサボテン推しなのだな…。そんなことを思っていると、背後にサボテンに興味を持った女性が現れ、我が意を得たりと青年は、そちらに大攻勢を掛けるのであった。何にせよ、古本が売っているのは良いことだ。ベネディクト・タッシェン出版「グラフィックの魔術/ブルーノ・エルンスト」を購入する。それにしてもこの「雑踏」という、洋服屋らしからぬ店名が文学的でイカしている。
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2021年02月19日

2/19東京・神保町 光和書房

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午前のうちに家を飛び出し、御茶ノ水駅方面から神保町入りする。今日はわりと暖かくなるはずなのに、ずいぶんとまだまだ寒いじゃないかと、冷たい風にかじかむ手を擦り合わせて『駿河台下交差点』に立つ。すると対岸からでも、「大島書店」(2012/11/08参照)跡地に入った古本屋さんが、店頭棚を出しているのが確認出来るではないか。歩行者信号が青になるのを待ちかね、長い横断歩道を踏み締めながらお店に近づく。小さなお店の軒には、小豆色の店名看板があり、店頭には二本の白い両面棚と、小さめのスチールラック、それに箱がひとつ出されている。箱にはファイルなどの文具類が入れられている。ラックには書道用品が安値で並べられている。棚には、新書・岩波写真文庫・絶版文庫・雑本・古書・古雑誌・資料冊子など。値段は300円〜1500円と様々であるが、なかなか質の良い並びが魅力的である。「新青年」「苦楽」「宝石」「日活」「コギト」「ロマンjス」「幼稚園」「死刑台へどうぞ/飛鳥高」「新造軍艦(口絵&裏表紙ナシ)/押川春浪」「放浪漫記/大谷光瑞」などが見つかるのをウハウハと楽しむが、小学館「中学生の友 昭和三十七年7月号付録 海外推理小説 ふたつのワナ/ヒュー・ペンテコースト」が梶竜雄(文)なのに気付き、値段も600円の激安なので、優しく握り締めて店内へ向かう。自動ドアのボタンを押す…開かない…もう一度推す…開かない…もう一度押す…やはりドアはピクリとも動かない。などとやっていると、ガラスの向こうで帳場にいた青年が慌ててドアに駆け寄り、ガチャガチャと扉を解錠する。ンが〜とドアが開くと「す、すみませんでした。開けてませんでした。申し訳ないです。ありえないですよね」と照れながら平謝り。いえいえ、結果的に入店出来れば何の問題もありません!中は高級感溢れる空間で、両壁に恭しく硯や墨や古典籍が上品にディスプレイされている。店頭と店内がまったく別なお店であるが、店頭に並ぶ本はスコブル魅力的である。これから必ず立ち寄るお店のひとつとなりそうだ。先述の小さな付録本を購入する。
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その後は隣りの「三茶書房」(2010/10/26参照)で光文社文庫「落語推理 迷宮亭」を100円で購入し、「田村書店」(2010/12/21参照)で平凡社 別冊太陽「探偵・怪奇のモダニズム 竹中英太郎・松野一夫」を600円で購入し、『神保町交差点』近くの『白山通り』沿いの「東西堂書店」が閉店してしまったのを目撃してから(貼紙に書かれた『閉店の原因は、新刊書店業界の長期低落と新型コロナウィルスです』が切ない…)、水道橋駅より帰路に着く。
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2021年02月05日

2/5中野北側で古本を買ったりもらったり。

中野にて所用を済ませた後、『早稲田通り』に出て「古本案内処」(2015/06/13参照)に立ち寄る。銀貨社「電氣スケート/奈街三郎著・茂田井武絵」を330円で購入する。これは2001年の復刻版で、『電氣スケート』『おとしあな』『さるとかにのげんまん』を収録。茂田井の震える可愛い線が炸裂しまくり!の絵物語である。お店を出たら東にググッと向かい、「ブックオフ中野早稲田通り店」(2012/11/15参照)の古書コーナーに目を光らせ、日本テレビ「優作トーク/山口猛編」白水社 新しいフランスの小説「踏みはずし/ミシェル・リオ 堀江敏幸訳」を計420円で購入する。そして今度は来た道を逆戻りし、横断歩道を渡って『薬師あいロード』に入り込んでズンズン進み、突破した後も『新井薬師前駅』に進路を採り続け、南口の「文林堂書店」(2008/08/04参照)に到達する。新潮文庫「黄色い部屋の秘密/ガストン・ルルー 堀口大学訳」を550円で購入する。昭和三十八年三刷で、『探偵・時代小説』ジャンルを表す白色帯付き。ちなみにその帯の作者名は『ル・ルウ』となっている。さて、これでまだ終わりではない。続いて踏切を北に渡り、西武新宿線の線路沿いに西へテクテク。坂を下りながら次の踏切が見えて来ると、『リサイクル展示室』という、集めた古着や家具などを無料で配布している公共施設があるのだが、なんと古本の無料配布も行っているというのだ。手指消毒し、小ホールのような一階に入ると、すぐに右壁際に四本ほどの本棚が展開していた。棚脇には『一人一日二冊まで』と貼り出されている。では早速その二冊を選んでみるかと、棚に目をやる。単行本・文庫本・コミック・絵本・実用書…単行本はそのほとんどが図書館のラベルが貼られたままの廃棄本らしい。文庫は何故かハヤカワ文庫が目立つなと感じつつ、創元推理文庫「探偵小説の世紀 上/G・K・チェスタトン編」大英博物館「大英博物館見学記念ガイド JAPANESE」を抜き取る。それを入口近くに陣取るオジさんたちに見せると「二冊だね。いいよ」と無事に受け取り完了。ありがとうございます!
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さらにここから線路沿いに西に歩き続け、沼袋に出る。北に緩やかな坂道を上がって「天野書店」(2008/11/14参照)に最後に飛び込む。静かな学術的店内を、棚や積み上がる本を見ながらウラウラ巡っていると、右奥の本の山の上に河出書房新社「長編推理小説 霧と影/水上勉」がポンと置かれているのを発見する。このお店にあまりに合わぬ本だなと手を伸ばしてみると、ぬぉっ!献呈署名入りじゃないか。水上勉の一般小説の献呈署名なら買おうとは思わぬが、昭和三十四年の推理小説への献呈署名ならぜひとも手に入れなければならない!と意気込みつつ値段を探すが、何処にも書かれていない…一瞬逡巡した後、帳場の奥さまに「すみません、これお幾らでしょうか?」と聞いてみる。「あら、値段がないのね。ちょっと二階に聞いて来るは」と本を持って上に行ってしまった…ドキドキ、幾らになるんだろう…二千円くらいまでなら買うことにしよう。そう決めて待っていると奥さまが姿を現し、「千円ですって。高いわよね〜」と教えてくれた。やった!と喜び「ではいただきます」と伝えると、「えっ、買うの?」と奥さまが目を本当に丸くして驚かれた。というわけで千円で購入する。うむ、これにて大大大満足。さぁ、帰ろう帰ろう。
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家で献呈相手を調べてみると、某有名児童出版社の創業者であった…。
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2020年12月18日

12/18東京・駒込 こまごめ珈琲ヒトハコ古本市

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本日は午後三時過ぎに代沢辺りに流れ着いたので、坂をエッチラオッチラ上がって池ノ上駅方面に向かい、途中の「古書 由縁堂」(2008/09/02参照)に立ち寄る。久々に訪れたが、小さな店内では、結束本山がわりと幅を利かせていた。カッパノベルス「SFミステリー傑作選 四次元の殺人/石川喬司編」を100円で購入する。その時「すみません、五十円玉二枚で」と申告すると、店番のおば様に「ウハハハ」と豪快に笑われる。一旦家に戻り、午後五時半に再び外出。ほぼラッシュ時間の中央線と山手線を乗り継ぎ、すっかり夜になってしまった駒込駅に降り立つ。北口に出ると、目の前には車のライトが眩しく流れる『本郷通り』。西側の歩道に渡り、ビルが連なる通りを北上して行くと、道は下りとなり、この辺りが『駒込妙義坂』。真っ暗な『妙義神社』がビルの裏に潜み、対岸には『駒込妙義坂子育地蔵尊』の赤提灯が浮かび上がる。さらに先に進んで行くと、住所が駒込から北区の西ヶ原に変わる。その途端にふいと脇道を覗き込むと、明るく輝く『ミドルガーデンコーヒースタンド』があり、どうやら二月に一度開催されている夜の古本市、「こまごめ珈琲 ヒトハコ古本市」が開かれているようだ。近づくと、すでに店内は古本を求める人…と言うか、知り合いとの再会を楽しむ光景が広がっていた。私も早速駄々猫ざんに「あらっ!」声をかけられ、さらにひな菊の古本さんや雨の実・妹さんにもお会いする。うぅっ、久しぶりでこれは嬉しい!嬉し過ぎるので話がびょんびょん弾んでしまうが、現状を鑑みすぐさま自重して、古本選びに取りかかる。店外入口脇では、山藤章二コレクションを放出する方に猛プッシュされるが、まだ山藤に興味が持てないお子ちゃまなので、恐縮しつつ辞退する。店内では鉄製フレーム棚が一本置かれ、四段の一列ずつを一店主が使形である。つまりは極々小規模な、アットホーム的古本市なのである。最下段に並ぶ、今や大阪の古本屋さんである「古書ますく堂」の棚から、麥書房「立原道造手書き本文覆刻 ゆふすげびとの歌 普及版」を見付け、千円の安値だったのでこれに決める。「ますく堂」さんに挨拶し、さらにひな菊の古本さんの手づくり本「ひな菊のJIN」と合わせて1500円で購入する。「ひな菊のJIN」は、今年三月にこれもまた手づくりで出された「ひな菊のスクラップブック」(2020/04/11参照。古本屋が好き過ぎて巡り巡った全国の古本屋さんをショップカードなどで紹介するビジュアルブック)の続編…いや、補遺本と言うべきか。ひな菊さん自身の、本や古本や古本屋との関わりが克明に刻み込まれ、それらがやがてスクラップブックの製作に真剣に打ち込むことになる過程が、いつもより丁寧な字で書き連ねてある一冊である。とても熱血である!いいぞひな菊、もっとやれ!そして昨日に引き続き「ますく堂」さんと立ち話。コロナが落ち着いたら大阪に行きますよと約束し、「明日帰るんですか?」と聞くと「今夜の夜行バスで帰ります」とのこと。夜行バスか、懐かしいなぁ。「古本屋ツアー京阪神」取材の時に、使いまくったなぁ…と過去の感慨に浸りながら、みなさんに素早く挨拶して、夜の駒込を後にする。
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「ZINE」と大書してあるが、ZINEと言うよりは、名実ともにTHE手記。事件後に犯人が書き残した手記みたいな、妙な告白感が文章に漲っているのが面白い。
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2020年11月23日

11/23東京・武蔵小金井 古書みすみ

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無機質な高架ホームから階下に下りて、『nonowa口』から駅北側に出る。そのまま西にテクテクテクテク歩いて行けば、やがてこの間開店したばかりの新「中央書房」(2020/10/08参照)前。おっ、店頭には絵本箱や窓を利用した窓棚が出現し、新し目の文庫や新書を並べている(ただし均一ではない)。さらに先を急いで西へテクテク。祝日のため空き気味の自転車&バイク置場を通過し、さらに京王バスや西武バスの溜まりを過ぎれば、やがて並木が落葉を散らす『新小金井街道』に出る。ここから北に進んで行くと、左には巨大な『東京学芸大学』の敷地が出現する。様々なタイプのフェンスに沿いながら、『東門』『グラウンド門』と過ぎると、塀は下部がコンクリとなり、頭を優に越え始める。それがいよいよ尽きたところに交差点が現れ、西側対岸の商店長屋の一階に、お祝いの立花を並べた古本屋さんが、慎ましやかに開店していた。ここは、高円寺「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で働いていた方が新たに開いたお店なのである。だから店名が、“みすみ”→“三角”→“サンカク”ということなのだろうか…。今は店頭にはな立花しかないので、すぐに店内へ。シンプルな、ほぼ居抜きで使っているような空間である(他にもこの長屋には三軒の店舗が並んでいるのだが、どれもシンプルお洒落系の薫りが漂っている)。左壁のは奥に飾り棚があるが、手前は今は未整理本の山。フロアには年季の入ったスチール棚が背中合わせに二組置かれ、広々とした三本の通路を造り出している。右壁には同じくスチール棚がズラリ。奥はメタリックなカウンター+タイル張りの高めのカウンターがあり、低いメタリックの方が帳場として使われ、確かに「古書サンカクヤマ」でお見かけしたような女性が(なんせマスク姿なので確信持てず…)、古本の山と真剣に対峙している。左の壁棚には山口小夜子本や、超大判のカルチャー冊子類が飾られ、その向かいの通路棚には絵本・児童文学・「ビックリハウス」・「POPEYE」・「HOTDOG PRESS」・「OLIVE」などが並ぶ。絵本ゾーンには長新太を固めたコーナーあり。中央通路には、暮らし・食・「暮しの手帖」・ちくま文庫・中公文庫・カラーブックス・岩波文庫・旺文社文庫・日本文学・井伏鱒二・室生犀星・復刻本・山関連・品切絶版文庫などが集まる右端通路には、通路棚にセレクト&カルトコミック(怪奇コミックもまとまりあり)・猫関連・サブカル・風俗・音楽、壁棚にファッション・デザイン・写真・アート・映画・民俗学・精神世界が集められている。畔地梅太郎面陳コーナーあり。開店したばかりで、まだまだこれから形作る、無限のビジョンに満ちたお店だが、何となく八十年代のポップ&サブ&メインカルチャーを土台に築き上げて行くのではないかと、勝手に感じてしまう。本には買い易いスパッとした値付がなされている。フィルムアート社「それはホームズから始まった 掌編ミステリー映画史/児玉数夫」東宝「チキチキバンバン」(昭和51年リバイバル公開のもの。原作はイアン・フレミング。脚本はロアルド・ダールだったのか…)を購入する。お店は駅からだいぶ離れているが、すぐ隣りは大学だし、『新小金井街道』をさらに北に進めば、そこには「古本はてな倶楽部」(2013/12/18参照)もある。どんな小さな利点でも良いから徹底的に利用して、たくましくお店を育て続けてくれればと、心から切に願います。開店おめでとうございます!
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2020年10月08日

10/8「中央書房」が駅近に!

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午後に中央線で西へ。目的駅で下車し、高架ホームから地上の駅コンコースに降り立つ。そのまま西側のショッピングモールに直結している『nonowa口改札』を通り抜け、北口側の戸外へ。突然の気温急降下が身に沁みる、武蔵小金井の十月である。そこから空の広い西に進路を採り、高架に沿うように歩き始める。すぐの信号を越えると、『MUSAKO GARDEN』という高架下&前を利用した、新しいショッピングモールが現れるので(それにしても、こんなに似たようなショッピングモールばかり作って、JR東日本がどうしようというのだろうか…)、それを横目にさらに西へ歩を進める。そして二つ目の信号を越えると、道沿いの建物は途端に庶民的に古くなって行く。そこをちょちょっと進むと、食堂の隣りに、もらい火の被害に遭いながらもすぐさま行動を開始して(2020/09/03参照)、本日新店舗の開店を無事に迎えた、ニュー「中央書房」の輝かしい姿があった…すげぇ、昔からここにあるお店みたいだ。軒上には巨大な木枠の紺色店名看板が架かり、緑のテント日除けの下には、紺色枠のガラス引戸がある。今日は雨なので、店頭台などはナシ。入口ではいぶし銀老店主が、結束本の小山と格闘している。お仕事中であるが、せっかく来たのだ、入れてもらおう。「すみません、見せてもらってもいいですか?」「どうぞぞうぞ。いらっしゃいませ。狭いですが、どぅぞ〜」と迎え入れていただく。店内は正方形気味の、通路は広めだがこじんまりとした空間で、木棚で縦に三本の通路が造られている(造作は古本屋建築界の安藤忠雄・中村敦夫氏である)。右手前隅と右奥隅が、棚ではなくラックになっており、面陳スペースを確保している。両壁も当然本棚が設えられ、奥にはシンプルな帳場がある。今日が開店日なので、棚にはまだ開いているところもあったり、そこに入るべき本が床に低く積み重なったりしている。だが、大まかなカタチは整えているようだ。左通路は入口近くに絵本箱があり、まだ空っぽの低めの店頭台も置かれている。壁棚には、実用・一般文庫・ちくま文庫・岩波文庫・ケイブンシャ大百科・ドストエフスキー(充実)・宗教。通路棚には社会・風俗・文学・世界など。中央通路は、左に映画・美術・陶器・文学古書・辞典類…ほぉ、最上段には書肆ユリイカの「稲垣足穂全集」が揃いで紐で括られている…四万八千円か…。右側には音楽・思想・資料類.歴史など。入口左横には文学・エッセイ類・文化・東京などが集まり、角の絵本ラックを挟んで、左壁に大判の美術本がドバドバと並んで行く。奥のラックはまだ完全にディスプレイされていないが、古書・和本・古地図・古雑誌、それに牧野富太郎関連書籍が集まっている。通路棚には、戦争・自然・食関連など。旧中央書房が、そのまま駅近にスライドした、わりと硬めのお店である。あぁ、本当に昔からこの場所でこの建物で、営業してたかのようである。函ナシの改造社「河童昇天/火野葦平」を850円で購入する。武蔵小金井ではこれからは、「中央書房」に寄ってから、ズンズン歩いて「古本はてな倶楽部」(2013/12/18参照)に向かうのが、楽しい散策コースとなるであろう。
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2020年08月08日

8/8東京・代田橋 flotsam books

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本日は午後イチに代田橋の南、大原に流れ着く。ここからだと明大前が至近なので、「七月堂古書部」(2018/01/13参照)に足を向けたいところだが、残念ながら今日から夏休みに入ってしまったらしい…ならば、あの新しいお店を偵察に行ってみるか。そう決めて代田橋駅方面へ。雑居ビルの谷間で出来ている駅前を抜け、まずは『甲州街道』に出る。歩道橋で街道を超え、北側の歩道をちょっと東へ。するとすぐに『和泉明店街』という小さな商店街が出現するので、北に下るように入り込んで行く。この商店街は、沖縄系の物産店や飲み屋が集まっており『沖縄タウン』との異名を持つほど、リトル沖縄化が進んでいる。商店街の途中にある小さなアーケード市場『大都市場』は、特に沖縄化が顕著である。道はやがてT字路となるので、東に進路を採り、古い靴屋の前を再び北に曲がり込む。もはや商店街の端っこであるが、歩いて行くとやがて右手にサッシウィンドウ&ドアの開放的なお店が姿を現す。表には縁台がひとつ。ウィンドウの上部には、紙で作られた店名看板が大きく飾られている。中に入ると、何だかビンテージレコード屋さんの雰囲気…だが、並んでいるのはそのほとんどが洋書の写真集である。店主のアンテナに引っ掛かった新刊&古本を集めているようで、気鋭のカメラマンたちが渾身のシャッターを切ったそれぞれの重要な場面が。小さな空間を支配している。右側には壁面にラックと平台が設置され、簡易な雜紙系の写真集が多く並んでいる。フロア中央には簀子や木箱で造られた平台があり、写真集が平積みになっている。ヴィム・ヴェンダースの写真集や、名作ラリー・クラークの「TULSA」などが目立っている。おぉ、台の脇には文庫棚が一列と(新しいものが中心)、写真関連単行本棚が一列あるではないか。勢いで入ってはみたが、今は写真集を買うつもりはなかったので、助かった…よし、ここらから何か買って行こう。下にはカルチャー雑誌箱あり。そして左壁は上が飾り棚で、下が大判本棚のメイン写真集ゾーンとなっている。このように写真集に特化したお店を他に思い浮かべてみると、吉祥寺「book obscura」(2018/01/12参照)や代々木八幡「SO BOOKS」(2010/10/06参照)などが好敵手店にあたるだろうか。というわけで申し訳ないながらも、心の中の予告通り文庫を抜き出し、カウンター帳場に座るシアター・ブルックの若かりし佐藤タイジ風店主に、丁寧に精算していただく。ありがとうございます。新潮文庫「周五郎少年文庫 殺人仮装行列/山本周五郎」を購入する。写真専門店にこのような文庫が売っていて、本当に良かった…。
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2020年07月19日

7/19「古書ワルツ荻窪店」がお試しオープン中だった。

本日は予想外の夏の陽光にジリッと焼かれ、南荻窪の住宅街に流れ着く。テレテレ歩いて荻窪駅前に出て「岩森書店」(2008/08/23参照)の前を通りかかる。すると、路上に出された百均木箱の隅に目黒書店「剃刀日記/石川桂郎」を発見したので、しっかり手指消毒をして店内に突入し、110円で購入する。そして意気揚々と東に進み、横断歩道を渡って地下道入口横を通り過ぎ、駐車場前を通って、元「ささま書店」(2018/08/20参照)のあった巨大集合住宅一階の店舗が視界に入ると、ああっ!新しい古本屋さんが開いている!ついにオープンしたのか!青梅の「古書ワルツ」(2010/09/18参照)が「ささま」跡地(2020?04/05参照)に堂々開いた新店である。
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いつの間にか、昨日まであった軒上の「ささま」のテント看板は取り去られ、今は骨組みだけの状態になっている。店頭には100均棚が四本、昔日の「ささま」のように出されている。そのうち二本は旧「ささま」の棚をそのまま再利用しているが、歩道側の二本は新しい低めで横長の木棚である。人文・音楽・詩集が目立ち、少し硬めであるが、古書もたくさん挟まり、見ていてとてもワクワクする。旧「ささま」三百均棚には、揃いの安値本が収まっている。手指を消毒して店内に進むと、壁は新しい頑丈な木棚で覆い尽くされている。折しも、内装を手掛けた古本屋界の安藤忠雄こと中村敦夫氏が、まだ忙しく立ち働いている。どうやらお店は、取りあえずのお試しオープン期間中らしい。その証拠に、壁棚も(右壁棚は文庫棚で、ここはわりと正規の値付が施されている)、店内手前に四本並ぶ低めの棚も、奥の帳場前に三本並ぶ棚にも、大体200〜800円の本(主に300円か500円である!)が、ドバドバとジャンルを飛び越え並べられているのだ。そのクォリティは極めて高く、面白い本がそこかしこで『買ってくれぇ〜』と話しかけて来る。何となく武蔵小山の「九曜書房」(2009/03/26参照)の店内五百均棚に似ている…と言えば、わかる人にはわかるだろうか。ちなみに中央の帳場より奥は、結束本の海となっている…。うむ、これが今後のお店の営業形態となるかどうかは不明だが、今現在の掘り出し市的状態が、楽しく愉快でたまらない。欲しい本がそこかしこで見つかるが、取りあえず何とかセーブしながら本を慎重に抜き取って行く。春秋社「鬼の言葉 感想集/江戸川乱歩」ホビージャパン「ファンタジーRPGガイドブック/安田均とグループSNE」表現社「ストーカー 吸血鬼ドラキュラ/川崎淳之助・師岡尚・水口志計夫」(訳者献呈署名入り)講談社世界名作全集73「名探偵ルコック/原作・ガボリオ 江戸川乱歩」改造社 新鋭文學叢書「研究會挿話/窪川いね子」を計2090円で購入する。これから激しく定点観測しなければいけない予感が、背骨をシビビビと走り抜ける。お店の正式な営業形態は、落ち着いたら再度ツアーすることにしよう。ひとまずのお試しオープン、おまでとううございます!

嬉しかったのは「研究會挿話」。見返しに窪川いね子の献呈署名入りなのである。だが、奥付が欠けているので、550円という安さなのであった。帯に短し襷に長しという感じだが、それでもこれは嬉しい。
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この『新鋭文學叢書』は扉に署名が印刷されてるので、同じ書体がどうか比較出来るのが、何とも素敵である。
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2020年05月27日

5/27東京・国立 移転、みちくさ書店!

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本日は国立の光町に流れ着き、広大な敷地を持つ研究施設『鉄道総合技術研究所』の、七十年代的に古いままの研究棟や、フェンスの向こうに見え隠れする所内路線に心奪われる。そして駅南口に出ると、ロータリー前に建つ『旧国立駅舎』の裏側。そのままロータリーの東側をなぞるように南に進む。雑居ビル一階の通路にあった「みちくさ書店」(2009/05/06参照)はすでに姿を消し、本棚がすっかり取り去られているので、ビルとビルの隙間から外光が落ちて来ている…とてもここに古本屋さんがあったとは思えない光景だ。そんなことを思いながらさらに南に進み、『旭通り』に一瞬入るや否や、鋭角に東に折れ曲がる。すると行く手左手に緑色の『国立デパート』の看板が直ぐに見える。近付いて行くと、集合住宅の一階が『国立デパート』という回廊式のミニ商店街になっている。広いエントランスには『本』の立看板が出されており、『みちくさ書店 すぐここ奥→』と書かれている。そう、先ほどのビル通路の「みちくさ書店」が『国立デパート』内に移転し、すでに営業を始めているのである。奥の壁に架かっている『デパート案内』にも、すでに「みちくさ書店」の名が加えられている。左側の小さな通路にそそくさと進むと、洋服屋さんの隣りに、すぐに古本棚が見えて来た。通路の壁には、手前に絵本ラックと横長のLPレコード箱、そして入口を挟んで奥に時代劇文庫と日本文学文庫棚が五本連なっている。中に進むと長方形のシンプルな空間。壁際をぐるっと十九本の本棚が取り囲み、入口向かい辺りにビニールカーテンを巡らせた帳場が据えられている。入口左横から、日本純文学文庫・岩波文庫・講談社学術&文芸文庫・ちくま文庫・新書・海外文学文庫・海外文学・詩集・サブカル&アングラ・アート・現代思想・社会・哲学・民俗学・風俗・宗教・アジア・歴史とぐるっと続き、帳場を挟んで絵本・実用・教育・CD・映画・漫画研究・音楽・句歌・落語と並ぶ。足元には大判用の棚も巡らされ、その上部は平台となっている。とてもオーソドックスな、幅広い街の古本屋さんと言った感じである。値段は普通。このロケーションは大いに好みである。すでにお客さんが常に流れて来るような状態なので、常連さんには定着し始めているようだ。これからも国立の駅前を、古本でお守り下さい!創元ライブラリ「物語の迷宮 ミステリーの詩学/山路龍天・松島征・原田邦夫」を250円で購入する。
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2020年04月07日

4/7新装「なごやか文庫」!

昨日は、東京都に4/7に『緊急事態宣言』が出ることが決まってしまった。というわけでこの先、何が起こるのかわからないので、超早めに連載の取材を済ませることにする。無事に終えて帰宅した後、大正時代の大掛かり過ぎて何処か長閑さもある大時代的翻訳探偵小説・精華堂「疑問のカード/サックス・ローマー」と昭和二十年代ジェットコースタースリラー小説・盛林堂ミステリアス文庫「地獄横丁/香住春吾」を読了する。

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そして本日、『緊急事態宣言』が発令される前に、一年強の休業を経て、新装なった東村山の「なごやか文庫」(2019/01/11&2012/01/10参照)を見に行くことにする。実は昨日岡崎武志氏より「ちゃんと開いてたでぇ〜。キレイになってたでぇ〜。ピカピカやでぇ〜」と報告を頂いていたのである。午前六時半に起床し、書肆山田「雷鳴の頸飾り-瀧口修造に」を、鉛筆で旧蔵者が所々にが引いた線を、消しゴムで丁寧に消しながら読了する。瀧口の死に接して編まれた、十四人の表現者の作品集である。追悼というよりは、瀧口の死に触発され創造された、絵画・詩・立体作品・楽曲・写真・評論などで構成されている。それぞれが思い感じた、瀧口が指し示していた方向に向かい、感性を迸らせているので、磨いたはずの言葉たちが、あちこちに鋭く尖り延びているアンソロジーである。脳が見慣れぬ数多の言葉に貫かれ、“言葉のサボテン”状になったまま、西武新宿線に乗り込む…。いつの間にか地下化した東村山駅。南口を出て、ほぼ一年ぶりに通い慣れた道をたどる。『社会福祉センター』は、すっかり外装も内装の化粧直しされ、白く美しく輝いている。入口には花が咲き誇る大振りの植木鉢とともに、「なごやか文庫」の立看板が置かれている。自動ドアからセンター内に進むと、すぐ左手に古本屋さんが待ち構えている。ここも、壁も棚も新しく美しくなり、何だか図書館の一角のようである。入口付近には無料本箱が四つほど置かれ、不要本・古い本・傷んだ本・図書館廃棄本などが詰められている。右壁は一面棚となっており、出版社別文庫・新書・ノベルス・出版社別単行本(文学系)・少量の古書・ビジネスがズラッと並んでいる。通路を造っている縦列の二本の棚には、手前がコミック文庫・児童文学・絵本、奥にはコミックが収まっている。棚脇には新オープン記念の100均ラックが置かれている。左側手前には新たにカウンター帳場が設置され、マスク姿の青年が古本のクリーニングに勤しんでいる。その前の空間は広く採られ、四つの小さなスツールが置かれている。窓際には大判本&写真集ラック、それにオープン記念10均雑誌ラックが。奥の壁棚は主に実用書が並んでおり、端には揃い本を集めたラックもあり。腰を落ち着けてスタッフ青年に親しく話しかける先客がひとりいるだけなので、じっくりとすべての棚を見て回る。福音館書店「たくさんのふしぎ 迷宮へどうぞ/種村季弘文 川原田徹ほか絵」(嬉しい種村の教育絵本!)ラポート「ワンダートレック かがみあきら作品集2」竹村書房「武蔵野日記/中川一政」(函ナシ。昭和九年刊の限定六〇〇部)早川書房「鳩/日影丈吉」朝日新聞社「写真報告 戦争と民衆/石川文洋」を計720円で購入する。「なごやか文庫」が帰って来た!と実感出来るほど、なかなか良い本が安く買えた。今後ともまた以前のように、よろしくお願いいたします!
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2020年03月02日

3/2古書まつり「明屋書店 中野ブロードウェイ店」

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完全に真冬に逆戻った如月二日目。細かな雨に傘を差し掛け、テクテク荻窪に向かい、けなげに「ささま書店」(2018/08/20参照)を定点観測する。当然店頭は、入口軒下と店内に棚を引き込んだ雨仕様。冬樹社「山川方夫珠玉選集-下《最初の秋》」万博日本民藝館出展協議会「日本民藝館」を計220円で購入する。午後に所用あり、中野に出て『中野ブロードウェイ』内を散策する。さすがにいつもより人出は少ないようだが、それでも閑散という感じはしない。三階の『ブロードウェイ通り』を歩いていると、通りに長〜く面している「明屋書店 中野ブロードウェイ店」の北側店頭に、何やら古本を並べている銀フレームワゴン二台があるのを発見する。ワゴン上のガラスウィンドウには小さなチラシが並んで貼付けられている…ほほぅ、2/1〜3/31まで開かれている「古書まつり」なのか。『新刊書点に古本あり。』『別段、意味はないが「喜びはある!!」』などと書かれている。並んでいたりダンボール箱に詰まっていたりするのは、映画関連・雑誌「時代映画」・映画ロビーカード・「プチセブン」・車カタログ・絶版コミックなどである。映画関連はなかなかクセのある良いラインナップだな。各古本に貼られたタグを見ると、「ひろしま文庫」というカルチャー&文芸に強いお店が出品しているようだ。値段は大体500円前後と、非常にお手頃価格となっている。ふむふむ、この映画美術の本、面白そうだな…などと存分に食指を動かしていると、何だか気になる薄手の肌色の小冊子が目に留まる。本の間から引き出してみると、石森章太郎ファンクラブ「ショート ショート ショート/石森章太郎」なのであった。天才・石森の超シュール&ナンセンスな毒だらけの一コマ漫画集である。お値段が770円と激安だったので、すぐさま「明屋書店」に飛び込み、レジにてニコニコ購入する。“まつり”と名乗るには寂し気だが、掘出し物があるならそれでよしっ!と大いに満足する。
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「ショート ショート ショート」以外にも、「斗牛に賭ける男」と昭和四十五年までの「石森章太郎作品リスト」(憧れの『まだらのひも』もちゃんと載ってる!)を収録している。
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2020年02月25日

2/25東京・豊玉南 潮路書房

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ここに最寄り駅というものは存在しない。敢て挙げるのならば、西武新宿線の野方駅か沼袋駅、それに西武池袋線の練馬駅か桜台駅、さらに都営大江戸線の新江古田駅である。本当に丁度、この五駅の中心辺りにある、静かな住宅街である…行き方がよく分からないので、結局阿佐ヶ谷から歩いてここまでたどり着いてしまった…。『豊玉南一丁目交差点』から、南の『中新井川緑道』に向かって美しいカーブを描く道を南東に進めば、左手に青い日除けを張り出し、店頭に立看板を出したカフェが現れる。お仕事支援系の一般社団法人が経営しているとのこと。一階はコーヒースタンドで、二階がカフェとなっているのだが、右側のドアが開け放しになった玄関に近付くと、中に無料の古本箱が置かれているのに気付くだろう。それに惹き付けられ、靴のまま建物内に上がり込み、廊下の奥へ進むと、いつの間にか小さな古本屋に入り込むことになる。ちょっと縦長で、奥が少し広い小部屋の右壁と、左奥の空間が少し広がる壁際に本棚が張り付いている。右壁には実用・自然・旅・雑誌・児童文学・絵本・社会・ノンフィクション・文学の単行本が並ぶ。左奥には、日本文学作家五十音文庫・ノベルス・コミック・海外文学文庫・新書が収まる。基本は単行本が300円均一、文庫・コミック・新書は100円均一である。例外もあり、その場合には背や背表紙に値札が貼付けられている。ほとんどが寄付で集まった本らしいが、新しめでキレイな並びである。漫画「忍者武芸帖」が詰め込まれたダンボール箱もアリ。文学最下段に江戸川乱歩賞受賞作がズラッと並んでいるのが、寄付者の好みをうかがわせて面白い。店番の、エプロンとマスクを着けた不動の男性を気にしながら、棚を端から端までしっかり眺め、三冊を選ぶ。そして精算をお願いすると、「こちらでお願いします」と、玄関近くの隣りのコーヒースタンドに通じた小窓に案内される。朝日文庫「東京《奇想》徘徊記/種村季弘」平凡社ライブラリー「イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む/宮本常一」新潮社ポケット・ライブラリ「宇宙への道●ガガーリン大佐の体験記録/Y・ガガーリン」を購入する。このクオリティを保ち続けてもらえれば、タイミングが次第で面白そうな本に出会える気がする。またテクテク歩いてやって来よう。
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2020年01月25日

1/25東京・西荻窪 本屋ロカンタン

大阪に無事に三十冊ほどの厳選奇天烈古本たちを送り出す。しばらくすれば、「梅田蔦屋書店」の古書棚に並び始めることであろう。括目してお待ちいただければ幸いである。そして本日は、出来上がった新刊を受け取りに、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/016参照)へ馳せ参じる。手にしたのは、江戸川乱歩の旧友で竹久夢二の弟子で男色研究家・岩田準一の小説作品集「彼の偶像」(盛林堂ミステリアス文庫)である。
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カバーデザインを担当させてもらったのだが、もう山下昇平氏のカバー絵がぶっ飛び過ぎていて…何たってアレを糸で◯っている絵なんで、精密にトリミングを施し、『いや、◯っているのは、美味しいお餅なんですよ』みたいな言い訳が出来るようにしておいたのである。そんな楽しい苦労を思い出しながら、読み始めることにしよう。店頭からは、清和書院「黒い肌 ビリー・ホリデイ/ウィリアム・ダフティ 油井正一・大橋巨泉訳」(晶文社「奇妙な果実」の元版である)弘文社「處女地/村山知義」を計200円で購入すると、店主の小野氏から「なんか一本向こうの通りに、ライターさんが映画系の本屋さんを開いたらしいんだよね」とタレ込まれる。間髪入れず、そのお店に向かうことにする。
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盛林堂のある『西荻南中央通り』を、ズンズン南に下って行く。駅からは三百メートルほどの、いつも古本市でお世話になっている商店街の拠点木造建築『銀盛会館』横の細い脇道を東に入る。一本向こうの通りに出て、ちょっとだけ南に下ると、角の白タイル小ビルの一階に、確かに新しい本屋さんが出現していた。近付くと店頭には安売棚が置かれ、映画関連の単行本や、文学系文庫などが収まっている。出窓の横の壁に貼られた紙を見ると、『本。』とあるのと同時に、表現主義的な線画の鋭角人間が、本を小脇に抱えて口からタラリラ何か図形を吐き出している絵が描かれている。その横には『飲み過ぎたわけじゃない』のキャッチコピー…。店内に上がり込むと、そこは小さなちょっと薄暗い洒落た空間で、左壁に沿って華やかで知的文化的な新刊が並び、中央には新刊平台と、映画関連バーゲンブックの台が置かれるとともに、何故かコタツも可愛く鎮座している。そして右奥壁に六本の細長棚があり、古本らしい映画関連の、研究・ガイド・技術・歴史・俳優・脚本・DVD.新書・文庫・雑誌などをドバッと並べている…良く見ると棚脇に小さな紙が貼り出されており、『店主の蔵書。値段は応相談』と書かれていた。その、奥の帳場に立つ店主は、髪型もファッションも今時にビシッと決まった、男性である。「ここの本は売っていただけるんですか?」と聞いてみると、「すみません、まだ値付けしてないんですが、欲しい本があれば値段は相談に応じます」とのこと。では…と、青土社「映画はおそろしい/黒沢清」を選ぶと「オッ…では千円でいかがですか」となったので、承諾する。「これで蔵書のほとんどなんですか」「まぁだいたい。でもまだちょっと奥の方にありますよ」とのことであった。欲しい本がもし見つかれば、迷わず交渉すべし!そして受け取ったレシートに目を落とすと、上部には何やらお店のシンボル的人物が吐き出したらしいものに塗れた本の絵が…フフフフ。
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2020年01月22日

1/22東京・吉祥寺 古書 防破堤

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駅北口に出たら、中央総武線を西に伝うようにして移動し、パルコ前の交差点。そこを西に渡り、『井の頭通り』と平行ではなく、離れて行くように微妙に角度のついた繁華な『中道通り』のお洒落な商店街に入り込んで行く。そろそろと西北に250mほど進み、『車両通り抜け不可』の黄色い看板が電柱に架かる、六本目の南への脇道に入り込む。道の入口には、新しい古本屋さんの黒い立看板が出されている。道の先は一見行き止まりに見えるが、実は人がひとり通れるほどの細道が続いているのだ。左側には低層の雑居ビルがあり、一階は表が不動産屋で、側面が自転車屋。奥のセメント外階段の下にはまたもや黒い立看板が続き、『階段の上!!』と書かれている。指示通りにタントン上がり、ビル内に入り込むと、白い廊下の向こうに、ドアを開け放した、本日開店の古本屋さんがお目見えしていた。中はこじんまりとしながら整然としたた空間で、床にはカーペットが敷かれている。壁際と窓際には主に高い棚が置かれ、中央には顎くらいまでの高さの通路棚が背中合わせに二本と飾りテーブルが一台並び、漢字の“目”の字の通路を形作っている。右手に下に棚を備えた帳場があり、まろやかな寺脇康文と言った店主が「いらっしゃいませ」と物腰柔らかにお客を迎え入れる。手前通路の壁際は、古典文学と日本文学からスタート。純文学を基礎としながらも、マイナー・ポエット文学やSF文学もタイミング良く組み込んでいるので、棚に独特なリズムが生まれているのが楽しい。そこからさらに詩と海外文学につながって行く。左奥の壁には、思想・哲学・社会・民俗学・アート・サブカル・写真・絵本・図録などが、これも丁寧な流れで収まっている。通路棚には、手前から岩波文庫(緑・赤・青)・岩波現代文庫・講談社学術文庫・講談社文芸文庫・講談社文庫・ちくま文庫・ちくま学芸文庫・新潮文庫・さらなる出版社別文庫・新書と並び、最奥にはセレクトコミックに加え、ラノベやノベルスが一部並んでいるのだが。コミックは吾妻ひでお推しで、ラノベは『涼宮ハルヒ』シリーズと『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のみで、ノベルスは北山猛邦・辻村深月・殊能将之・麻耶雄高のみとなっている…何故だ…好きなのか…。窓際にはCDとともに、演劇・音楽・映画が教養深くマニアックに並んでいる。帳場下の棚に近付くと「そこは百円均一になってます」と店主がすかさず教えてくれた。硬めで芯の通ったお店であるが、硬い中に独特なしなやかさを持ち合わせているので、決して堅苦しくはない。値段は普通で、ハードカバーの良書はしっかり値。岩波現代文庫「戦後日本のジャズ文化/マイク・モラスキー」を購入すると、「これからご贔屓に。よろしくお願いいたします」と丁寧に挨拶される。開店おめでとうございます!

その後はプラプラと吉祥寺の街を流し、「一日」(2017/08/11参照)で大和書房「子供にしてあげたお話してあげなかったお話/岸田今日子」を330円で購入。さらに「よみた屋」(2014/08/29参照)では、早川書房「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン 創刊号」(北園克衛は創刊号からカットを描いていたのか)國際建築協會「國際建築 第七巻第7號 獨逸建築博覧會號」を計220円で購入する。「國際建築」はミース・ヴァン・デア・ローエ設計の住宅の写真やグラビアが何ページが切り抜かれてしまっているが、グロピウスの展示出品パネルや、会場の一巡記などが載っており、1931年当時の建築界の尖端を楽しめる一冊である。
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2019年12月20日

12/20東京・永福町 グランマーズ

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所用あって永福町を歩いていると、不意に“古本”という言葉が目に飛び込んで来た。永福町に古本?…もはや「ドエル書房」(2015/07/16参照)が古本屋さんとして機能不全に陥っている今、街の救世主のように新しいお店がこつ然と出現しているではないか!しかも店名が「グランマーズ」(2011/12/23 &2018/10/11参照)…あぁっ!八幡山にあったお店じゃないか!ひっそりと閉店してしまったと思っていたら、ここに移って来ていたのか。い〜やっほう!駅からは北口を出て、すぐの『永福町駅前交差点』から素直に『永福通り』に入り、北へ真っ直ぐと進む。およそ百メートル強進めば、左手にお店が見えて来るはずである。店頭にはモジャついた頭の優し気な女性が本を読むイラストと、『古本・絵本・雑貨・カフェ』と書かれた立看板。それに安売児童文学絵本小箱が置かれている。店内に進むとキレイで細長な空間。道路側が古本屋ゾーンで、奥には帳場を挟んでカフェスペースが設けられているようだ。右壁沿いには、主に時代劇文庫の安売文庫棚が置かれ、その後にビジュアル本&ムック・絵本・児童文学・雑貨類が続く。中央には絵本箱・オススメ単行本・雑貨類・暮らし・旅・実用などが集まっている。左壁は時代劇文庫から始まり、日本文学文庫・海外文学文庫・文学&歴史が収まっている。以前のお店よりコンパクトだが、街の古本屋感は増している感じ。新しめの本がほとんどだが、時代劇文庫と絵本に力が入っている。値段は定価の半額前後。光文社文庫「宛先不明/鮎川哲也」を250円で購入する。思わぬ古本屋さんとの再会に心躍らせながら、駅前でバスに乗り込み高円寺方面へ。駅に着く前に下車し、「アニマル洋子」(2014/03/14参照)に立ち寄る…今日はいやに混んでいるなぁ。通路にお客さんが座り込んじゃってるぞ。そんな先客さんたちと『すいません』と譲り合いながら、西和リブロス「中央委員会殺人事件/バーケス・モンタルバン」(スペインの推理小説である)インパクト出版会「廃墟の可能性/栗原幸夫編」を計200円で購入する。さらに北へ北へと進んで「都丸書店」(2010/09/21参照)。『中通り』に出された店頭絵本箱に、フランスのモーティマーシリーズの漫画本が突っ込まれてるぞ。もちろんフランス語なので読めないのだが、ページを開いているだけで楽しいのと、100円はいかにも安いので買っておくことにする。LOMBARD「MORTIMER A PARIS S.O.S METEORES/Edgar P.Jacobs」を購入する。
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2019年12月15日

12/15東京・代田橋 プチニコラ

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所用で正午過ぎに代田橋駅北西にある『和泉仲通り商栄会』という、わりと長〜い地元商店街に足を踏み入れると、なにやら所々で小さなイベントが催されている…これはもしや、商店街のイベント日!そうか、今日は第三日曜なのか。実はかなり以前に、この商店街に古本と玩具のお店があることをタレ込まれたのだが、何時行っても開いておらず、終いにはガラス戸に携帯番号が書かれているだけになってしまったので、これはもう営業していないのでは…と諦めていると、嬉しいことに店主さんからメールをいただき、お店に二時間もいると飽きてしまう故の不定期営業や、メールをして予約すれば開けてくれることや、第三日曜日の商店街のイベント日には午前九時〜午後一時まで確実に開店していることなどを教えてもらっていたのである。タイミングが合わずに、なかなか駆け付けられなかったのだが、まさか今日が第三日曜とは!と所用を少しだけ脇に置くことにして、急ぎ足で商店街を遡上する。駅からは北口から『甲州街道』に出て、歩道橋を渡って西側二本目の道に入り、は北北西にひたすら商店街を500m近く進めば、左手に緑の日除けのお店が見えて来るはずである。…おぉ、店頭に何か出てる。ドアに『OPEN』の札か下げられている。やってるぞ!店頭には様々な物品とともにコミック安売箱が一つ置かれている。主に「進撃の巨人」が詰まっているようだ。ガラス窓から見えるアートブックの棚を一渡り眺め、一時も時間を無駄に出来ぬのですぐさま店内へ進む。すると、犇めく物品と棚のせいで小さな空間となっている店内に立つのは、髭もじゃの山小屋の主のようなオヤジさんで「いらっしゃい」とニコヤカに出迎えてくれた。左右の壁に本棚やラックが並んでいるのだが、その周りや上を覆い尽くすように、ソフビなどの懐かし系オモチャ、アンティーク系オモチャ&人形.フィギュア、その他に細々とした雑貨的物品が置かれたり詰め込まれたり乗っかったりしているのだ。オヤジさんがすかさず「見難くてすみませんね。ちょっと片付けなきゃいけないと思っているんですが…」と照れくさそうに苦笑い。いや、こういうのがまた楽しいんですよ。左は主に美術やアート古本で占められ、右は和洋の絵本&児童文学がズラッと並んでいるようだ。両方とも新しいものから古書までが無秩序に折り混ざり、ちゃんとじっくり掘り返せば、何か出て来るような予感がヒシヒシとこの身に食い込んで来る。だが今は時間がないので素早く焦りながら視線を走らせ、岩波書店「もくたんじどうしゃ もくべえ/渡辺茂男文 岡部冬彦絵」(初版函付き)フレーベル館「幼稚園お話集 上巻/日本幼稚園協会編」を選び出し、値段がないのでオヤジさんに値段を聞く。すると二冊で千五百円ということだったので、謹んで購入させていただく。次は時間のある時に訪れ、ゆっくりと棚も積み上がっている本も掘り出したところである。
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2019年11月11日

11/11東京・京王八王子 まつおか書房

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いつも悪天候の時にテレビ中継されるJR駅北口の空中通路に出ると、都心より少し冷たい風が吹いている。取りあえず地上に下りて『東放射線アイロード』を東北に進むと、すぐに京王八王子駅の駅ビルにたどり着く。その前に展開する、三角形の鋭角なロータリーから、『甲州街道』に向かって進路を北に採る。ちょっと歩くと、左手には京王駅の西口地下階段が現れ、さらに進むと右手の歩道橋交差点手前の白いビル一階の引っ込んだところに、小さな古本屋さんが蛍光灯を明るく点していた。新しい古本屋さんと言う訳ではなく、以前は西寄りにあった「まつおか書房」(2010/01/05&2016/08/29参照)が、規模を小さくして移転して来たのである。店頭には図鑑や絵本やビジュアル本のラックが一本。店内に進むと、細い縦型で二本の行き止まり通路が奥へと続いている。ただし左は帳場の奥から垂幕が下がり、18禁のアダルトコーナーであることを如実に示している。というわけで一般本としては、ほぼ一本の通路のお店となっている。入ってすぐの左の棚には、文学・絵本・ビジュアル本などが並んでいる。アダルト通路との間の棚には幻冬舎文庫など。右壁は一面の棚で、最上部に文学単行本やSF単行本がソロリと並び、出版社別文庫(角川文庫ゾーンが古い文庫が多く小気味よい)・時代劇文庫・SF&推理文庫(推理よりSFの方が充実)・新書・幻想文学・海外文学・サブカル&カウンターカルチャー・澁澤龍彦・稲垣足穂・日影丈吉・唐十郎などが続く。向かいの通路棚には奥から、日本文学・社会・戦記・映画・美術・歴史・東京・八王子・郷土が揃う。見かけは街の古本屋さん的になり、以前の三店のお店を構えていた時から比べれば、蔵書数は圧倒的に少なくなってしまったが、視線と方向性は保ちつつ、濃縮還元マニアックな展開を見せている。とにかく実店舗としての形を残してくれたことに感謝しなければなるまい。やはり直接古本を探しに行くことが出来、対面で古本が買えることは、人として幸せである。改造社 世界大衆文學全集「メトロポリス(他一篇)/ハルボウ 秦豊吉」を330円で購入する。

表に出たら、いつの間にか雨がしっかり降り始めていた。アワワワワと街を西に突っ切り、「佐藤書房」に逃げ込む。店内を隅から隅までうろつき、いつの間にか中央通路手前左の下段に移動した古い文庫群の読み難い背文字に目を凝らし、博文館文庫「青頭巾(後編)/土師清二」を見つけ出し、500円で購入する。…いつの日か前編も安値で手に入れたい…。
posted by tokusan at 18:45| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする