2014年11月14日

11/14北海道・札幌 サッポロ堂書店

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火急の用事で雪の札幌に日帰り往復。忙しない時間の中でも、古本屋さんは絶対に見て帰らねば!と、残り少ない滞在時間を工面して、札幌駅北口にて雪まみれ。『西4丁目線』を北上し、『北8西4信号』を過ぎ、さらに次の信号を過ぎると、左手の小建築が連続する中に、古本屋さんの袖看板を見出す。直下のお店の入口を見ると間口は狭く、ドアのガラスには各種貼紙がペタペタ貼られているので、何だか事務所店に見えなくもない。おまけに通路には横積み本タワーが蔓延っているようだ。しかし表でいつまでも雪に吹き付けられているわけにもいかぬ。勇気を持ってドアをスライドさせ、二重入口の中に入り込む。右にはウィンドウ内のように見える古本の山。店内にコソリと進むと、細長く奥深く、左右の壁には棚が張り付き、真ん中には背中合わせの棚が一本。壁際は先述した通りに本タワーが連続しているので、棚の下部は見ることが出来ず、真ん中棚の下部は本が横積みで収まっており、本が見えなかったり見え難かったりする状況。奥に煙突のあるストーブと、倉庫棚通路を背後に抱えた帳場があり、小さなヒグマのような壮年男性と、マスクをした女性店員の姿が、雑然とした古書の中に溶け込んでいる。会釈をして身体を横にして右側通路。右壁は北海道に相応しく、アイヌ関連から堂々始まる。言語・暮らし・住居・道具・習慣・祭祀・歌・研究・などから、童話・民話・石森延男・「カムイの剣」!そして金田一京助棚もあり、納得と充実の並びを見せる。向かいには北海道開拓関連が、一般書・地方出版・研究書・論文などでバリエーション豊かに揃う。ガニガニと横歩きで引き返して左側通路。通路棚には東北・蝦夷・鰊・炭坑・満州・山岳関連が収まり、新刊らしき本もチラホラ。壁棚には北海道の市史や町史類・自然・動植物、そして奥に彼方の地、樺太やシベリアが地図を北上するように続いて行く。『オール・ザッツ・北海道』のお店である。基本は学術系であるが、『北海道』に関わる本を執拗に網羅する傾向にあるので、本タワーの中に面白そうな本が紛れ込んでいる。値段は普通〜ちょい高。北海道新聞社「さっぽろ文庫23 北海道の建物」を購入すると、袋にお店のスタンプをペタリと捺しながら、「建築の本なら良く入るんで、また見に来て下さい」と柔和なヒグマの微笑み。

この後は、時間の無さにさらなるツアーはあきらめ、駅に一番近い2フロアの正統派古本屋さん「南陽堂書店」に本を買うためにだけ滑り込む。
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だがあまりにも焦りまくっていたので、入口近くの児童本棚から、集英社「エミールと三人のふたご/ケストナー」「怪盗ルパン/ルブラン」を勢いで掴んで購入。同時に帳場に置かれた「2014年版 さっぽろの古本屋ガイドMaP」を手に入れられたので、ひとまずはうれしやうれしや。本格ツアーは、またいつの日か!
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2013年09月01日

9/1北海道・百合が原 ARS書店

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今日は慌ただしい戻り日。しかしとことん北海道の古本屋さんにがっつくために、少ない時間で札幌から学園都市線。街の上を走る高架はやがて地上に下り、およそ十六分で目的駅に着いてしまう。誰もいない改札を通って西側に出ると、平坦な広い直線道で出来た、北国の長閑な住宅街であった。すぐ前の道を、北西にズンズカ歩き続ける。500m弱で信号機のある車通りの多い交差点。ここからは通りを北へ。すると左手に、様々な物品を満載するスチール棚に囲まれた、白い二階建てのリサイクル店が見えて来た…えっ、ここなのか?真ん中の入口横では『営業中』の電光掲示板が輝き、あっ!その下に『本』と大きく書かれた立看板がある!それに二階窓にはちょっと乱れてはいるが、確かに古本らしき影が見えている…やはりここで合っているようだ。躊躇している暇も惜しいので、すぐに店内に突撃する。物品が押し寄せ取り囲む入口から店内に進むと、人の気配は無く、目の前に薄暗くごちゃついた通路が何本も展開している。確かに本の山が所々に築かれてはいるが、どうも売り物的気配が感じられない…。さらに通路をうろついていると、背後に何かの気配を感じ取る。振り向くと、そこには年老いたシーズー犬の姿があり、こちらをつぶらな瞳で見上げている。ここの子か?可愛いな、と頭を撫でてさらに通路をウロウロ…シーズーもその後をヨタヨタと付いて来る。古本探しの道行きに、白灰柄の可愛い相棒が出来てしまった…。しかし古本はやはり、所々に単発的に無秩序に積まれているだけなのである。これは二階がメインの古本売場と言うことなのか?そう考え、入口左横から上に折り返して延びる、ここも物品が迫り来る階段を上がってみることにする。シーズーは階段下でピタッと止まり、しばしのお別れ…さらば、相棒よ!二階にたどり着くと、かなり荒れて倉庫化しているようだが、広いフロアに五本の長い古本通路が並んでいた。やはりここだったか!床には、着物・掃除用具・カバン類・ダンボール・額・人体模型などが散乱し、一応通れはするがイカした状況になっている。戦争・歴史・北海道関連・文学評論・エロ・犯罪・映画・食・経済・農業・近代史・詩歌句・中国・ロシアなどが、どうにか掬い取れたジャンルで、カオス化した棚も多い。しかも通路の奥はほぼ暗闇となっており(進入するとチャイムが鳴り響く)、その全貌を掴むのは非常に難事である。棚には古い本も多いので、苦労して見て行くのも中々に楽しい。値段はしっかりな傾向。通路をくまなく歩いて、どうにか一冊選んで階下へ戻る。おっ、シーズーが待っていてくれた。それにご婦人が出現している!「すみません、これをいただけますか?」「ハイいらっしゃい。…あら?これ何処にあった本かしら?」「あ、二階の本棚から…」「あら!あなた二階にいらしたの?今、二階はやっていないのよ」「ええぇっ!」「ネット販売用なのよ。あぁ、いつもは階段の入口に紐を掛けとくんだけど、今日は忘れちゃってたのね」「わわっ!それは申し訳ありませんでした」「でも、全然気付かなかったわ。どのくらいいらしたの?」「に、二十分くらいでしょうか…すみません!」「暗くて見辛かったでしょう。それに片付けてないし」「いえ、本当にすみませんでした」と、とにかく驚愕の事実に平謝りを繰り返す。しかしご婦人は、「いいのよ」と笑って許してくれ、その懐の深さに大いに感謝しまくる。それにしても、不法侵入ではあるが、期せずして事務書店ツアーをしてしまったのか…。本も快く売っていただき、「ネットでたくさん売ってるからね」の笑顔に送り出される。あまりにもおっちょこちょいな失態を、優しく包んで許してくれた、大きな心が嬉しかった。講談社「探偵小説五十年/横溝正史」を購入。
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2013年08月31日

8/31北海道・円山公園 古本専門店 らくだや

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札幌に急いで戻り、隙を突いてもう一店!何かを擦る音が凄くする地下鉄東西線で、西へちょっとだけ移動。『5番出口』から地上に出ると、すっかり雨降りな札幌。一度も目にすることの出来なかった、伝説の「沖本貸本店」を狂おしく妄想しながら、急ぎ足で通りを東へ。『大通西24交差点』を走り抜け、さらに東へ。すると『大通西25丁目バス停』を過ぎた所で、低層の黒いビルからぴょこんと飛び出た日除けの横に『古本』の文字を確認する。可愛い小さな白い日除けの下にドアがあり、窓にはたくさんの買取についてのアピールが貼り込まれている。そのうちの一枚を読み込んでみると、『当店の商品は、100%お客様からの買い入れで成り立っています』とあった。ドアには『HELPもっと古本を!』の看板まである。近隣住民のみなさま、「らくだや」への本の提供、よろしくお願いいたします。店内はギュッと狭く、細い三本の通路と、奥の帳場、その横の小空間、それに棚下にズラズラ並ぶダンボール箱で構成されている。入口右横は、狭い空間にノベルスと文庫の100均棚があり、そのまま右壁に12段に文庫がみっしりと詰まるさらなる100均棚、その後は海外文学文庫と教養系の文庫が続き、ちくま・講談社学術・中公などの後には、映画・音楽・性などとジャンル分けされた文庫が並んで行く。帳場周りにはサブカルと実用、それに北海道郷土本が集まる。帳場には丸坊主の眼力の強力な店主さんがおり、目が合うとドキリとするのは確実。向かいの通路棚は、200均単行本・新書・児童文学・海外文学。足下では100均文庫・50均本・200均単行本など様々な安売り本がざわついている。真ん中通路は、右に200均単行本・歴史・北海道・食・ファッション・美容、左にミステリ・日本文学・エッセイ・心理学・思想など。入口左横は100均の新書・海外文学文庫が集まっており、壁棚は上部に映画・写真が並び、その下には日本文学文庫、奥に音楽・美術・建築・絵本と続いて行く。向かいには時代劇文庫・探偵小説文庫・文学評論・詩集・日本純文学文庫・本に関する本(新書で本&作家に関するものが集まっているのが、新鮮で秀逸!)。帳場背後と左奥も棚が続くが、音楽について店主に熱く語りかけるひとりの女性がおり、詳しく見られない状況。かろうじて倫理学や科学が並ぶのを確認する。非常に充実した街の古本屋さんである。お店手前側は安売りコーナーが輝き、奥側では意志のこもった知識の棚が待ち受けている。古い本はほとんど無いが、値段が安いのにニンマリ。はたもと出版「網走刑務所における共産党の大物 徳田球一と宮本顕治/山谷一郎」北海道新聞社「樺戸監獄/熊谷正吉」を購入。
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8/31北海道・滝川 ブックランド バイ

所用で札幌へ。一日目に色々そつなくこなし、二日目に古本屋を訪ねに行く。旅先で、旅を継ぎ足しするように、なるべく遠くへ!と妙な志を抱いて、札幌から函館本線に乗って北へ。一駅進んだだけで、密集していたビル街が遠のき、たちまち空が広くなって郊外の風景。それにしても沿線沿いには、ほぼ日本家屋が建っていない。あるのは皆箱のような家に、色とりどりの箱型・片流れ・三角の屋根のどれかを乗っけているだけ。これらの玩具のような家々が、独特なこの大地特有の風景の一端を、造り出しているのかもしれない。岩見沢駅で、古い茶色い電車に乗り換え、スプリングの硬いボックッシートに腰掛ける。すると窓外には、期待通りの北海道田園風景が流れ始めた。駅名はもはや、漢字を想像することが出来なくなっている。ゴトゴト一時間半も乗ったところで、滝川駅に停車。そしてここで、驚愕のアナウンスが車内に流れ始めた!「当駅で四十分停車いたします。発車は十一時五十分です」なにぃ!乗ってる列車が、事故でもないのにそんなに長く停車するのは、今までに無い経験だ。さすがは北海道である…。しかし本日の私には、それほど時間があるわけではないのだ。本当は深川駅まで行きたかったのだが、調べてみるとこの街にも古本屋さんがあるようだ。よし!と列車を飛び降り、途中下車を実行する。

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東口に出ると寂れているが、タクシーのたくさん集まるロータリー。ちょっと荒れた、ボーリング場のあるショッピングセンターが目の前にある。そこを右側から回り込んで、歩道アーケードの架かる『鈴蘭通り』を北に進んで行く…道路がどこも広いなぁ…。700mほど進み、『国道12号』でもある『大通り』に出て、さらに北へ。この道もだだっ広いが、居並ぶ商店に活気があり、街のメインストリートとして機能している。300mも歩いて、右を見れば『大町3』正面を見れば『本町3』とある表示のややこしい交差点を過ぎると、左の視界に突然古本屋さんが飛び込んで来た。目指して来たお店ではないのだが、見つけてしまったなら仕方ない!と嬉しく足を止める。まず目を惹くのは、二階から軒までスラッと美しく伸びる、三本の木製装飾!その下には俗っぽい赤と黄色の看板があり、凹型のガラス店頭は、右に本棚を見せている入口があり、左は閉じられているがカーペット屋と書かれた入口がある。右から中に入ってみると、まずは小さな空間があり、右壁に二重の100均文庫棚、正面の小さな空間は音楽&バンドスコアに囲まれている。足下には古い建築関連と民主主義の本が入ったダンボールが一箱、他に絵本と児童書を詰めたものが数箱あり、入口左横には絵本棚。その隣りに棚に囲まれた帳場が続き、ご婦人が「いらっしゃいませ」とにこやかに微笑む。壁をぶち抜いたようなカーペット屋ゾーンでは、男性の影が見え隠れしている。店内は、古い家の匂いと古い本の匂いが充満し、カオスな空間をよりダークに輝かせている。そして奥を覗き込むと、下り階段があって半地下となり、そこが店のメインフロアとなっていた。これはいいぞ!帳場下の鉄道や北海道本、右階段脇の特撮・雑誌付録・絶版漫画棚を眺めながら、優雅に下へ。薄暗く古いエアコンが唸る空間に、四本の通路が延びている。外周は回遊出来、真ん中後ろ目に横断通路もある。右から壁棚下にエロ関連・官能文庫・アダルト、向かいにアダルトムック・旅・日本文学。足下にはダンボール箱が並び、文学や落語の本など。このダンボールの氾濫は、どの通路でも盛大に行われている。第二通路は、右に映画・美術&カルチャームック・雑誌・暮し・園芸・日本文学、左にオートバイ&車雑誌・釣り・武道・大山倍達・手芸・工作。第三通路は、右にアニメムックと女性実用、左に宗教・歴史・日本語・科学・文学評論・新書・詩集・怪談・雑学文庫。左端通路は、壁棚に戦争・風俗・ノンフィクション・コミック・時代劇文庫・日本文学文庫。向かいにコミック・岩波文庫・カラーブックス・日本文学文庫。そして奥壁に日本文学文庫と日本文学が収まり、最下段は実用を中心とした雑本棚となっている。何かありそうな予感が走りまくるが、中々簡単には見つからない、楽しくもどかしいお店である。値段は普通で、良い本にはちょっと安めなしっかり値が付けられている。文庫サイズの「伊藤整の青春 上下」が欲しかった。しかし二冊とも薄手で、1800円の値に躊躇してしまう。読売新聞社「お前ら募金しろ!/泉谷しげる」扶桑社文庫「翳ある墓標/鮎川哲也」講談社大衆文学館「深夜の市長/海野十三」「ペトロフ事件/鮎川哲也」北海道古書籍商組合連合会「北海道の古本屋ガイドブック」(最新版として帳場に置かれていたが、2002年の発行なのである…)を購入。

お店を出てさらに北に進み、根室本線を越えてどうにか初期目標のお店に至るが、ぐわっ!閉まってる!
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ショックを受けながら北の大地をトボトボ駅へと引き返す。ちなみに駅前の『スマイルビル』には『コスモスブックス』と言う、業務用冷蔵庫を備え、飲み物を大量に売っている不思議な新刊書店が入っている。その片隅に『古本コーナー』があるのだが、並んでいるのはほとんどコミックばかりであった…残念。
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2010年02月17日

2/17北海道・琴似 古本と喫茶 ソクラテスのカフェ


sokurates.jpg今日は仕事で札幌行。飛行機に一時間半ほど乗ると、そこはすっかり雪景色。晴れてはいるがマイナス温度の世界…。早速仕事場から消え入るようにス〜ッと脱出。何だか走りやすい雪の上を、それでも気をつけながら小ダッシュ!地下鉄・琴似駅から凍った地上に出て、『琴似栄町通』の西側歩道を南へ。右に『西区役所』、左に『琴似神社』を眺め、さらに進むと『琴似2-7』の交差点脇のビルに、目指すブックカフェの入口を発見。その『地下名店街』入口には大きな看板が設置され、周りに小さなイベント告知の立看板も置かれている。大看板には『60〜70年代の文芸書を中心に3000冊の蔵書』などと書かれている。左に折れ込む階段を下ると、そこにはすぐにお店の入口。ショウウィンドウには美術作品が飾られているが、地下名店街の雰囲気が勝っている状況。喫茶店風の扉を開けると、右に展開するカウンターから、明るい「いらっしゃいませ〜」の輪唱。年配のご婦人と若い女性が優しく微笑んでいる。店舗は横長に展開し、中央のフロアを中心に、本棚の裏に隠れるように座席が配置されている。右奥にはギャラリーもあり。出入口通路左横に三本の棚、座席への二つの入口横に四本の棚、カウンター横にL字に組まれた二本の棚、右奥にもL字に組まれた四本の棚がある。お客さんはひとりしかおらず、静かでカフェの割には意外に落ち着ける店内。カフェと言うよりは完全に喫茶店である。しかし棚の見やすさは特筆モノ!古本を売るからにはカフェと言えども、棚はしっかり見えなければいけない!…と思う!取りあえず気持ちを落ち着け、奥のボックス席にひとりで腰を下ろす。ホットミルクを注文した後、即座に席を立ち棚に突撃。出入口横には、海外文学・日本文学・全集が並び、奥の壁には評論・ノンフィクション・エッセイ・北海道本・ミステリ&エンタメ・現代文学。カウンター横には岩波文庫・岩波新書・作家50音順日本文学文庫。右奥には海外文学文庫・時代劇文庫・SF文庫・児童文学・大判ビジュアル本が収まっている。シェイプされ目の行き届いた棚が続いて行く。本は70年代〜のキレイな本が中心。そんなに珍しい本があるわけではないが、毎日訪れれば何か見つかりそうな予感と、値段が安いのが魅力的。岩波文庫&新書のみが定価の半額で、他はほとんど定価の1/3となっている。本を選んで席へ戻り、ホットミルクで身体を温める。パラパラとページをめくるが、あっという間に戻る時間となりました。カウンターでミルク代と本代をご婦人に支払い、ショップカードを手に取ると、そこには本を手に持つステレオタイプなソクラテスのイラスト。恐妻家ということを、おくびにも感じさせないファンシーな姿を晒している。外に出ると、途端に寒さが全方位から襲い掛かる。雪の交差点の上には。氷片のように薄い下弦の月。自分の吐く息に包まれ、カカトでしっかり雪を踏み締め、あぁ仕事場へ!幻影城「匣の中の失楽/竹本健治」を購入。※後で調べると古書価が大体5000〜10000円。それが何と430円!あぁ、こう言う時もやっぱり嬉しいのが私の限界なのでした。
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2009年03月29日

3/28北海道・札幌で三月終わりに雪の中二店!

北の大地に降り立つと思ったほど寒くはなく、寒かった東京と似たような外気温。調子に乗ってパーカーだけで街を経巡ると、布地を通して刺すような冷気が忍び寄る!…北をナメたらいけませんな…。


daigakudo_sapporo.jpg●札幌「大学堂書房」
札幌駅から南、巨大アーケード街・狸小路を西へ。七丁目に入るとちょっと道がガタガタになり、寂しい感じ。その終わり近くにお店はあった。ブリキ看板・旧字の店名が堂々たるものである。店頭には傾いだ本棚やワゴンや梱包材や本の山。難しそうな単行本・古めの文庫・全集類がホコリまみれで並んでいる。値段は100円均一…。年代物の白い木枠引き戸に手を掛け、左へグイッ!あれ?途中で引っかかる…出来た隙間はとても人の通れる幅ではない。再度力を入れ上下へ加減すると、ようやく通れるようになった。ホッと胸を撫で下ろし店内へ。閉める時は難なく閉まる…。振り返ると本が溢れ返っていた…古い本が多い…床が剥がれてる…モップが通路に置きっぱなしになっている…店主が通路の真ん中に座っている…。中は広く壁は一面の棚。手前と奥に背中合わせの棚が二本ずつ置かれている。正面通路奥に帳場。そして店主は足元を紙袋に守られ通路の真ん中…いや、元通路と言うのが正しいのだろう、そこに相変わらず座っている。右の壁際は日本文学・文学評論・古典・詩歌、一段奥まり括られた全集類、そして植物関連の本がズラリと奥まで続く。向かいは通路に積み上げられた本のために上段しか見ることは出来ない。海外ミステリ&SF・時代劇文庫・美術図録・哲学・思想・世界文学全集と並ぶ。この通路の奥は、本タワーが玄武岩のように連なり、踏み入ることは出来ない。真ん中の通路へ戻る。右の棚には、日本&海外文学文庫・ノベルス。奥の棚には英語関連や辞書。左の棚は下段が本タワーで隠れ、上段に新書・歴史がチラリと見えている。奥の棚も上段のみに、古典・性愛・オカルト・北海道本の濃厚な並び。真ん中から左の通路へ。入口側にはここも本が玄武岩状に積み上げられ、入ることは出来ない。しかし左にコミック、右の壁に日本文学と宗教が並ぶのをかろうじて確認。奥には、戦争・古代史・地方史・和本・メロンの箱などが並んでいる。こちらの通路もやっぱり行き止まりとなっている。ほとんどタイムカプセル的古本屋(完全に地中に埋められっ放しな感じではなく、時々開けられている感が…)ではあるが、文庫と文学の棚には、比較的新しい風が吹き込むようだ。と言うわけで古い本多し!値段はちょい高めな感じ。包装は物凄く丁寧で、オミヤゲやプレゼントのように包んで貰えます!宝文館「武蔵野/上林暁編」を購入。


hakkou.jpg●札幌「八光書房」
狸小路七丁目から横断歩道を渡り八丁目へ。ここにはすでにアーケードは無く、ちょっと閑散とした雰囲気。通りをズンズン進んで行くと、左手に白い縁台・『本』と黒々と書かれた立看板。近付くと自動ドアがスーッと開いた。中にはすでにお客さんが棚を熱心に見回している。入ってすぐに玄関マットと数足のサンダル…どうやら靴を脱いで入店するようだ。いそいそと靴を脱ぎ捨てサンダルに足を通すと、健康サンダルの程よい刺激が足裏に心地良い!壁はすべて本棚、アプローチは一見廊下のように見えるが、左にも行き止まりの通路があるので、実は左は背中合わせの棚となっている。奥は右と左に“コ”の字状に棚が並び、左はその手前にオルガンが置かれ、奥にはガラスケースも。そして右中央にレジがある。右の壁際には、コミック(絶版あり)・映画・音楽・山岳・古代史・北海道文学・北海道本・アイヌとレジまで続く。棚はジャンルごとに、単行本・新書・文庫・大判本・雑誌と入り混じる構成。途中新書の詰まったラックが手前に置かれているが、半分は紐で括られたままである。左には、時代劇文庫・官能文庫・犯罪・アジア・探検・旅・紀行が並ぶ。左奥の通路に入ると通路棚には、戦争&天皇関連・動植物・文学文庫が収まり、壁際には宗教・詩歌・日本文学、少量の探偵&幻想文学が並ぶ。棚の所々には絵が飾られたり、本が立て掛けられたりしているので、裏を見る時は注意深く動かして見なければならない。誰もいない机を通り越し、左側奥へ。オルガンの上には古い歌集やビニールに入った本が並べられている…吉田博や梶原一騎…。画集の並ぶ棚の奥、両脇のガラスケースには、版画やポスター・「面白倶楽部」などが収められている。奥には料理・将棋・囲碁・チェスの本。右側奥の空間は、美術・工芸・茶・江戸&東京・手塚治虫全集&コミック・アダルト・辞書・言語学が並ぶ。ここでは一人のおじさんが熱心に淡交社の雑誌を捜索中。新しい本から古い本までバランスのよい棚構成。その並びにも、緩くしかし確実にこだわりが流れており、不思議な魅力を醸し出している。レジに立つと右横にガラスケース。南極の石やぐい呑み・美しい蝶番、上は神棚的スペースとなっているが、地球儀や石・拳大のレーニン像!?…これは売り物ではないのだろうな…。角川文庫「雲は天才である/石川啄木」を購入。

外に出るといつの間にか、ダイヤモンドダストのような、重力を感じさせない小雪がキラキラハラハラ。寒さと仕事への焦燥感に背中を押され、仕事場へダッシュで戻る。この札幌にて今回の全国ツアーは終了。次回はまだ未定なので、しばらくは東京&関東近郊を巡ることになりそうです。
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2008年10月12日

10/11北海道・札幌 中心からちょっと離れた二店!

昨日に比べ、突然『寒さ』という牙をむき出しにした札幌。仕事の合間に安らぎを求め、古本屋を目指し広い大地をダッシュ!


nazuna.jpg●札幌「古本 なづな書館」
市電の西15丁目駅近くにある。広い道路、まばらな建物。その中に『書』という一字を掲げた看板が見える。近づくと、もうそのたたずまいだけで、完全KO!!木枠に一枚板ガラスの扉、青いブリキの庇、『古本買いたし』の擦れた文字。もう高倉健の映画に出て来ても…いや、高倉健自身が中に座っていてもおかしくない!ホントにこのまま居抜きで撮影に使えそうなお店。多少歪んでいるが、スムーズに滑るガラス戸を開け中へ。外観以上に中もスゴイ!もはや開拓民の古本屋です。しかも床はうねり、棚は傾き、見方を変えればドイツ表現主義に見えなくもない。店は横長で、壁は一面本棚。入口手前から対角線上に平台が二つ。逆の対角線には、背中合わせの棚が二つ。入口近くの棚と平台はコミック。奥の背中合わせの棚には、新しめのハードカバーと少量のアダルト。壁際はコミックから始まり、奥に歴史や経済・ノンフィクション本が。そのまま角を曲がると自然科学(動植物多し)が棚の大半を占め、奥に音楽や映画が収まっている。向かいは海外文庫がびっしり。特に岩波文庫・赤が大量である。どうやらこのお店、見た目のくたびれた感じとは裏腹に棚は抜群な模様。裏は時代劇文庫ですべて埋まっている。その横の平台は、下の棚部分に将棋・囲碁、平台部分に大判の本がディスプレイされている。再び壁際に戻ると、店奥倉庫への入口の周りに作られた、手作り感満載の棚には芸術関連の本。再びちゃんとした棚が始まり、海外文学・日本文学(北海道作家の本あり)・評論&評伝・思想・哲学・古代史と並ぶ。レジ横はすべて北海道の本。北海道史・アイヌ文化・大自然・都市史・昔話・民俗・生活…など様々なバリエーション。横の背中合わせの棚には、文庫と新書がしっかりとしたセレクトで並んでいる。レジでは店主がお茶を淹れている。店の中にもうもうと立ち上る湯気。板ガラスを通して入ってくる光の中で、湯気が揺らめく…。全体的に新しい本が多いが、日本文学には古いものも多く含まれている。本はしっかり店のポリシーに基づいてるので、見ていて飽きることはない。値段も安く心も休まる故郷のようなお店でした。学陽文庫「古本探偵の冒険/横田順彌」を購入。


moegi.jpg●札幌「さっぽろ萌黄書店」
地下鉄西11丁目駅近くにある。ビルの一階に入った明るく広めなお店。丁寧にパラフィン紙に包まれた本が白くまぶしい。店内は正方形に近く、奥にレジ、壁は本棚がズラリ。入口側ガラス窓の前には低めの棚が置かれている。店内には左側に背中合わせの棚が一本。右側には色々な棚が組み合わさり、背中合わせの棚を形作り、一本ずつ少しずらして置かれている。左の壁際は新書・将棋・囲碁・競馬が並び、そこから北海道&アイヌ本がズラリ。炭鉱の本も多く収まっている。奥は思想や哲学。向かいは文庫棚で、右側に新しい本、左側には絶版文庫が多く並ぶ。あぁ、見たことのない本が多い。探偵・SF・ミステリーも充実している。最近、色んなお店の文庫棚で驚くことが多過ぎる気が…。裏にはオカルト・旺文社文庫・海外文庫・女流作家文庫が並ぶ。その向かいには、風俗&性愛・ジャーナリズムなど。ガラス窓前は現代ミステリー中心の棚。背中合わせ棚の裏側は、文化・宗教・写真評論&評伝・映画・テレビ・落語、という構成。向かいの壁際は、山岳・戦記・日本文学・探偵&推理(濃!)。レジ横には写真集がザクザクと収まっている。うーーん、欲しい本が多い…たくさん見つかり過ぎの嬉しい悲鳴。しかし値段がキッチリ付けられているので、全部買うと確実に予算オーバー。涙を飲んで、せこくセレクト…。途中男女二人がネットで見た本を買いたいと入って来た。ところがその本が見つからず、店主と奥さんとその二人の、計四人で店中を大捜索し始めている。探書は「ロンパリウサギ」。奥さんが何度も「ロン……何だっけ?」と確認しているのが、おかしくも心に残りました。角川文庫「東京爆発小僧/末井昭」岩波文庫「伝奇集/J.L.ボルヘス」を購入。

札幌にはまだまだ古本屋が多く存在する。北海道本の充実ぶりといい、古本屋さんの多さといい、北の大地は出版文化がしっかり根付いている気がします。また来年来ます!
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2008年10月11日

10/10北海道・札幌 趣味の古書 北海堂


hokkaidou.jpg北の大歓楽街・すすき野にあり、場所柄のせいか夜遅くまで営業している珍しいお店。しかし煌びやかなネオンに目もくれず古本屋に直行…野暮の極みですな…。すっかり暗くなった夜の街に浮かび上がる古本屋…見れば見るほど不思議な気分。そして店の名前が、ど真ん中直球ストライクだけどいい。異を唱える余地はゼロ!店頭には安売りラックが二つ。ビニールがかけられているが、中の本は瀕死の本ばかり…ちょっと嫌な予感が背中を走る。しかし店内に足を踏み入れた瞬間、そんな予感は払拭!意外なほど奥行きのある店内。キレイに揃えられた本棚が、ズワッと続いている。古めかしい本が多く、全体を見ただけで気持ちが逸り、止められない。壁は左右とも天井までの本棚。真ん中には背中合わせの棚が一本……さて、ここからいつもだったら店内のジャンル配置の説明に入るのだが、後ほど起こるある事情のため、詳しい位置が脳内から飛んでしまったのである…。そこで取りあえずはジャンルを羅列。文庫(所々手製のカバーが掛かった不思議な本あり!)・絶版文庫・全集本・自然科学・北海道本・日本文学・探偵&幻想小説・戦記・辞書・海外文学・アダルト・新書・映画・演劇・脚本・歴史・建築・美術・実用・医学・料理・LPレコード・児童文学・etc...。古い本が多く掘り出し物感満載の棚が続く。夜更けの宝探しはことさら楽しい。奥のレジには中年の女性が一人。途中で店主らしき初老の男性に交代したところから事件は始まる!私はすでに右通路は見終わり、左通路も2/3を過ぎていた。ここでこちらを伺っていた店主が「何かお探しですか?」と声をかけてきた。特に目的もなく楽しく棚を見させて貰っている旨を伝えると、店主は突然ブレーキの壊れたダンプカーへと変貌したのだ!株価下落の話からスタートし、競馬・ロト6・政治・北海道の政治・文学・商店会・ノーベル賞・火事・バンド・女優・古本屋・東京・地上げとの戦いの歴史・死刑制度……もうありとあらゆる話題をマシンガントーク!最初は棚を見ながら話していたのだが、途中からまったく棚に集中出来ず、『えいやっ』と腹を決めレジ前へ。差し向かいで小話を30以上聞きました…。その小話の落ちは半分がダジャレで、しかも何だか落語風。あぁスゴイ話術を持った古本屋さんだ…なんて楽しそうなんだ。途中で常連さんらしき人が入って来たが、棚を見ながら店主の話を聞いて笑い声をあげる。どうやらこの店ではこの棚の見方が正しいスタイルのようだ…未熟者でした。私はこの時、選んだ本をすでにレジに置いているのだが、まったく精算する気配はない…。すでに30分以上話し続けている。もうこうなったら『蛇に睨まれた蛙』『まな板の上の鯉』、拝聴し続けてやろうじゃないか!…さらに30分経過。東京で田辺茂一に会った話・大宅壮一の笑い顔を見た話・大江健三郎にあしらわれた話・ゆずの話…もうどうにでもしてくれぃ!と思ったところで質問。北海道と言うことで「佐藤泰志の本は無いですか?」と聞くと「誰?それ?…知らないなぁ〜横山やすしなら知ってるけど。俺、知ったかぶりはしないよ、正直に言うよ」…いやごもっとも。そして余計な一言にも感謝!この後、永井荷風・谷崎潤一郎・三島由紀夫へと話は流れ、いつのまにやら一時間半。すっかりタイムリミットなので、暇を告げるとようやく精算状態に。そこで「本二冊を買うのに、こんなに時間がかかったのは初めてです」と真意を伝えると「スマン!」と即座に笑いながら謝罪。何とも憎めない店主です。ここで気付いた店主に似てる人…オシムです!オシムに似ている、和風オシム!…四角い感じも似ている。そして最後の最後に、本に書皮(紙のカバー)を付けているところで、この店のオリジナル書皮が川上澄生の作品だと教えられる。昭和四十五年に直接お願いして作ってもらい、版木もしっかり保存してあるそうだ。とここから話は棟方志功と浅虫温泉の話へ流れ、またもや10分経過。長いような短いような強烈な一時間四十分でした。もしここを訪ねる機会があったら、お酒を持って行き飲みながら話すことをオススメします。あぁぁぁぁぁぁぁ…。朝日文庫「私の三面鏡/沢村貞子」中公新書「未来の思想/小松左京」を購入。
posted by tokusan at 09:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月31日

5/31北海道・札幌「ケルン書房」


kerun.jpg冷たい風が吹き荒れる、北海道全開な札幌は琴似。その駅からメインstを少し歩いたところにお店はある。ディスプレイには児童文学・寺山修司・土方巽など。中に入ると細長〜い店内。レジがだまし絵のように遥か遠くに望める。通路は三列あり、入り口からは真ん中しか入れないので、とりあえず直進。文庫(新らし目)・文学・生物・戦記・全集などを通り抜けた通路の中ほど、右に昭和初期の小説・風俗。左は美術カタログ・寺山修司・村山知義など。両方の棚の後ろに奥の通路が見えている。右は文学関係、左は映画・音楽・児童書…胸が躍る。ゆっくりと児童・郷土史&文学・写真・哲学などを横目にレジ前へ。まずは左へ行こうと思い曲がると、本を満載した台車がとおせんぼ。「えっ!?」と思いつつ、仕方なく「こっちがメインだろ」と思いつつ右の通路へ行こうとすると、今度は本棚が目の前にっ!?何とどうやら真ん中の通路しか通れないらしい。ドラクエのダンジョンのように、壁の向こう側に通路があるのは分かってるのにたどり着けない状態…。ここには下る階段などあるはずもなく、トボトボと来た通路を逆戻り。未練がましく棚を見返しても何も見つかるわけがない。私に勇気と時間があれば「向こうの通路に入れますか?」ぐらいは聞けたのですが……。サッシを開け外に出ると冷たい風が骨身に凍みました…無念。
posted by tokusan at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする