
岡崎武志氏との共著古本本のために、本日はいわきで単独取材。すると先日メールタレコミのあった新店が、無事に開いてくれていた。元々は「つちうら古書倶楽部」(2013/03/31参照)や柏の古書市で見かけていた、古本屋さんなのであるが、福島・泉の「古書文楽」(2011/08/27参照)を引き継ぎ、当地で倉庫店を開いていたのが、いつの間にかのいわき進出となっていたのである。駅からは南口の空中デッキから『駅前大通り』に下りて、二つ目の信号を東へ。繁華なはずの駅前なのに人気のない街路をズンズン300mほど進み、『五町目(ごちょうめ)』交差点にたどり着けば、もう青い『古本』と書かれた幟が翻るのが目に入るであろう。何だか古い伝統ある商店建築であるが、元は何屋さんだったのだろうか?軒下には笹らしきシンボルマークが残されているが…。重い扉を動かして店内に進むと、入口右横には大量のスヌーピーぬいぐるみが集められている。やむなく仕入れてしまったのだろうか?天井の高い店内には、オリジナルの木製本棚が立て込み、現状では四本の通路を造り出している。奥のガラス障子の向こうには、雑然としているがとても奥行きのあるバックヤード&住居的空間が続いている。そこから現れた年配のご婦人が「いらっしゃいませ」。さらにしばらくしてクール目な男性が後姿しか見せずに「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。二人とも、なんだかとっても忙しそうである。そして目指すべき棚は、まだまだ盛大に準備中&模索中らしく、右端の通路は棚に空きがあり奥は倉庫のようになっている…。入口右横の小さな棚には、本&出版&古本関連が集まっている。入口左横にはちくま文庫・岩波文庫などの文学&教養文庫系本棚が。その裏側は、自然科学・数学・オカルト系文庫などが集まっている。左の天井近くまで延びる壁棚には、コミック・近現代史・古書・和本・戦争・社会学・社会運動&闘争・福島&いわき関連郷土本が集まり、奥の帳場脇まで郷土本の攻勢は続いて行く。頭くらいまでの棚で作られた二番目の短い通路には、棚脇やその裏も含めて絵本・児童文学・民俗学・宗教・幻想文学・海外文学・アニメDVD・貸本漫画・古い少女小説・ノンフィクション・映画DVD・映画が集合。帳場下の棚には、永島慎二・手塚治虫・辞書が並んでいる。右の高い棚には、世界文化&風俗&歴史が集まり、わりと硬めに圧巻な並びを見せている。取りあえず現状の棚造りを見ただけでも、志の高いお店を目指しているのが見て取れる。大変に喜ばしいことである。値段は普通だが、安めなのもチラホラしており探し甲斐あり。奥でご婦人が「ほら、うろうろしないのよ」などと足下に話しか
けている…何か小動物がいるのだろうか…恐らく猫なのではないかと推測するが、残念ながらその姿は確認出来ずじまい。風濤社「当世滑稽裁判譚 いかれる七人証言集/呉智英・高橋悠治・鈴木志郎康・野坂昭如・神吉拓郎・中島誠・赤瀬川原平」を購入する。