2013年08月25日

8/25静岡・八幡 古書 百寿堂

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新浜松駅から赤いローカル線・遠州鉄道に乗り込み、駅間短く三駅目。車掌さんに切符を渡し、高い高架ホームから階段を下ると、道路の西側は灰色で巨大な『ヤマハ』の工場が、広く高く街の一角を占めていた。西側歩道に下り立ち、工場の敷地をなぞるように信号のある脇道に入り、西へスタスタ向かって行く。最初は住宅街ぽいのだが、小さな交差点を過ると、何だかうらぶれた飲食街の雰囲気。400m弱進んで『二俣街道』にぶつかったら、カーブを曲がりつつ北へ。やがて『ヤマハ』工場の西端沿いに出るので、工場のノコギリ屋根を眺めながら、まだまだ北へ…工場西門を過ぎ、左手に縦長オレンジの郵便局看板が見えて来た。その手前には、店頭駐車場にブルーシートを張り、簾を置いた、おぉ!こんな所に古本屋さん!二階窓には『和本 古文書 書画 骨董』の貼紙があり、店頭には『太陽』や芸術系の雑誌&ムックが並ぶラックがひとつ、蕎麦ちょこの詰まった箱、骨董&陶器の並ぶショウウィンドウがある。ちょっととっつき難そうだが、実は骨董や書画類は二階に集められているようで、小さな一階店内に入ると、そこはれっきとした古本屋さんなのである。両壁には白木の本棚が設置され、真ん中にも同素材の背中合わせの棚が一本。左壁と真ん中は低い平台付きとなっている。入口横には金属製ラックが置かれ、奥にはマイルドな梶原一騎風店主の座る帳場があり、何と両耳イヤホンで何かを聴きながら「竜馬がゆく」を読みふけっている…自由だ。右壁はビジュアル大判本・音楽・手塚治虫・矢口高雄・歴史・古代史・釣り・茶道・刀剣・骨董・陶芸・柳宗悦などが並ぶ。釣りと茶道には古い本多し。向かいは日本文学・歴史小説・松本清張・司馬遼太郎・石川啄木・実用・心関連・浜松関連。入口左横には少なめの文庫と美術図録類の姿が。左側通路は、壁棚に日本語・幕末・詩集・児童文学・小林多喜二・宗教・思想・政治・哲学・静岡郷土本が収まり、下には紙物や和本の姿も確認出来る。向かいは辞書・実用・山岳・出版&本&古本関連が並ぶ。基本硬めであり、奥底に硬い意志の流れを感じさせる棚となっている。値段は普通〜ちょい高だが、所々に隙もあり。二冊選んで店主に声を掛けるが、司馬遼太郎の世界にどっぷり漬かっているようで、まったく気付いてくれない。多少大きめの声で「すいません!」と言うと、イヤホンを慌てて外しながら「あっ、おっ、こりゃすいません。いらっしゃい」と照れ笑い。そして精算しながら「あの〜、お時間はありますか?」「えっ?」「良かったらコーヒーでも」と言うことで、奥の平台を利用したベンチに腰を落ち着け、嬉しい古本屋さんの歓待を受ける。熱いコーヒーを啜りながら、お店の成り立ちや店主の様々な憂い、それに古本屋さんを開いて(開店三年目とのこと)人と出会いつながりを持つ喜びについて拝聴する。照れながら語る、志の清く正しい“街の古本屋稼業”の在り方に賛同し、お店の継続を強くお願いしておく。そして表で、日曜なので不気味に静まり返る巨大工場に見下ろされ、差し出された手をがっちり握る。古本屋さんと握手!…ふぅ、今日もまた面白い古本屋さんに出会ったもんだ。朝日ソノラマ「写真事件帖/井上光郎」新書館「阿呆船/佐藤史生」を購入し、何故か新品ノートも一冊いただく。

そしてお店の近所で見かけた恐ろしいもの!駐車場で遊ばぬよう注意を促す看板なのだが、人物のイラストが不気味この上ないのだ。杉浦茂タッチに見えなくもないが、手が、手がっ、キャーッ!…これは完全なるアウトサイダーアートです…。
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2013年08月03日

8/3愛知・二川 ヤマザワヤ書店

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午前六時に出立し、青春18きっぷで東海道線を西へ、西へ。ところが途中、遠州灘で震度4の地震が発生し、駅でしばらく運転を見合わせたり、乗り継ぎがうまくいかなくなったりと、ダイヤの乱れに巻き込まれてしまう。それでも午後一時にどうにかたどり着いたのは、豊橋のひとつ手前の駅。東海道五十三次中、三十三番目の宿駅でもある。北口に出ると小さなロータリーと『東海道』の向こうには、緑濃い岩山が、低く東西に横たわっている。脳天を焦がすほどの陽を浴びて、『東海道』を西へテクテク歩き始める。途中クロスした『立岩街道』に入ってさらに西へ。一キロを過ぎたところで、『国道1号』とぶつかる『岩屋下交差点』。岩山頂上にスックと立つ観音像に見下ろされながら、行く手が陽炎のように揺らぐ国道を、北西へ無心に歩き続ける。人影は無く、ただ暑く、周囲に広がるのは空の広い郊外の街の景色である…古本屋さんがあるのかどうか、不安要素はたっぷりだが、気にせずがむしゃらに歩き続ける。ひとつ歩道橋を潜り、さらに二つ目の歩道橋(日本橋から292.2kmの表示あり)にたどり着いたら、横の細い路地に入って南東へ。すると目の前に現れるのは、住宅街の中の年月を経た小学校。その外周路を北西に曲がり込むと、右手にアーミーグリーンのロッジ風住宅兼店舗を発見した。おぉ!これは完全に、学校近くによくある小中学生のためのお店ではないか!まず店の両脇に立つ自販機は、両方とも『チェリオ』である。入口上の三角破風には、古いスタイルのレーサーをモチーフにしたマークと、ローマ字で『YAMAZAWAYA CIRCUIT』とある。これは窓ガラスに『古本高価買入』『コミックレンタル』『プラモデル』と共に『スロットカー』の文字があるので、あの子供の憧れでもある懐かしいレース台が完備されているのだろう。側壁と入口ドアには書店名が入っている。三段のステップを上がって、天井の高い店内に入ると、左側半分には予想通り巨大なスロットカーレース台が鎮座していた。それは恐るべき重量感&存在感!右側が売場となっており、壁際に“コ”の字に造り付けの棚が設置され、上には色褪せた箱のモデルガンやプラモデルが積み重なる。中央に帳場・駄菓子&駄玩具台・古雑誌&ビジュアルムックラックが固まり、禿頭のエプロン姿の老店主が「いらっしゃい」とゆっくり立ち上がった。むむぅ、パーフェクトな“駄菓子屋のおぢいさん”である。店内に子供の姿は無く、とても静かな夏休み中の空間となっている。本は中途半端に古めなコミックがメインだが、七本の棚それぞれに文庫の列が一列紛れ込み、一本はしっかりと単行本&ノベルス専用棚となっている。ラノベ・ティーンズ文庫・SFが雑本的に多い。値段は安め〜ちょい安。しかしこう言うところで、人知れず古本が売られているのは、とても刺激的である!大いに興奮しながら、ラッキーなことに梶龍雄の単行本を発見!東京から292km、駅からは2.5km強…遥々探し訪ねて来た甲斐があったと言うものだ。講談社「龍神池の小さな死体/梶龍雄」ちくま少年図書館「人類最後の日/宮脇昭」文春文庫「いたずらの天才/A・スミス」を、ありがとうございます!の150円引きで購入。さらにお店の好感度がアップする。駄菓子+スロットレース+古本…大好きだっ!

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2013年07月27日

7/27静岡・伊豆高原 ORANGE BOX 伊豆高原店

東京から三時間で久しぶりの伊東。海水浴や温泉浴を楽しみに来た周囲の華やかな皆様とは異なり、私が目指すはただ“古本浴”のみ!まず向かったのは、街の片隅にあるシャッター商店街の『古書一般貸本』を生業とするお店である。以前も訪ねたことはあるのだが、営業日営業時間中にもかかわらずシャッターは閉まっており、見事に寂しい商店街の風景を造り出してしまっていた。果たして今回は……あぁ、閉まっている…いつの日か、古本の並んだ店内を見られると嬉しいのだが。
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急いで駅に引き返しつつ、『湯の花通り』のリサイクル店で一列の古本を見かける。しかしまったく食指は動かず。駅のホームで月見そばを啜った後、下り列車に乗り込んで、深い緑の中を突き抜け、広い海を見下ろしながら五駅先へ。

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立派な駅舎から山の中腹の駅前に出ると、江戸城に使われた巨大な『築城石』が出迎えてくれる。『桜並木通り』の坂と階段を上がって、『国道135号』に出る。高原なのに涼しさは微塵も感じられず、左手の山々には不吉なほどドス黒い雲が覆い被さっている。車が激しく行き交う国道を北東へ。道の下のトンネルを潜り、犬が一匹も見当たらない『ドッグフォレスト』脇を通過すると、伸び上がる坂の途中にログハウスを巨大化させたお店が見えて来た。伊東にもある「ORANGE BOX 猪戸店」の姉妹店(こちらは古本はコミックのみであった)である。ぜひとも古本があって欲しい!そう願いつつ、縮尺のおかしな巨大煙突を見上げ、炙られるような路上から店内へ進む。中は表同様ログハウス風空間で、入った所が帳場とモデルガン・アイドルグッズ・おもちゃ類のスペース。さらに一段上がった奥には、ゲーム・DVD・フィギュアゾーンとなっている。どうやら古本は、左に続く離れのような矩形の建物に集められている模様。ズンズン進んでモデルガンショーケースの裏に入り込む。ちょっと大きめな書店くらいの容積があり、コミックがドドドと並んでいる。よっ、左壁に古本を無事発見。500均単行本棚一本、300均単行本棚二本で小説と自己啓発本が多い。300均から一冊抜き取り奥へ進むと、最後の通路棚に海外文学文庫・雑学文庫・ノベルス・女性実用・句集・文学評論・日本文学文庫・時代劇文庫・ビジュアル本。そして奥壁に児童文学・絵本・実用・角川ホラー文庫・新書と並び、右壁に文庫揃いと少量の岩波文庫で壁が築かれている。リサイクル書店的な棚の流れで、値段は定価の半額である。ピエブックス「和な文房具/柳沢小実」ちくま文庫「妖精詩集/W・デ・ラ・メア」を購入。

さらに伊豆急行の線路を渡って、踏切坂下の一軒家の一部を改装した古本屋さん「まんがの家」を見に行ってみるが、シャッターは閉まり、その前にはクーラーボックスや園芸材料が置かれてしまっている…現役感に欠けるなぁ…しかしそれでも、またいつの日か…。
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2013年07月21日

7/21静岡・藤枝 焼津書店 藤枝店

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早起きして投票所に向かい、そのまま青春18きっぷを使って遠くへ向かう。東海道線できっちり西に四時間。一ヶ月ぶりの藤枝である。南口に出て、足湯に浸る人々を見やりながら、ロータリーから南へ。二つめの交差点を東に曲がり、400mほど真っ直ぐ進む。すると郊外型の店舗が『田沼街道』沿いに並ぶ交差点にぶつかるので、そこを南へ。すぐに現れるひとつめの交差点で再び東へ。途端に地元度が増すが、まだまだお店は連なり続け、巨大スーパー『Big』を過ぎてさらに進むと、右手に大きな『古本』の看板。ここまでは駅から一キロほどであろう。静岡マイナーチェーン古本屋「焼津書店」である。「焼津店」(2011/01/23参照)「藤枝駅南店」(2013/06/08参照)に続くラスト一店。アメリカンなマスコットキャラが目を惹き、軒の『本買います。』の文字がカラフルだが、どうやらここが一番小さなお店のようだ。店内は横長で、左手の帳場で女性店員さんが店番中。壁際はぐるっと本棚に囲まれ、フロアには横向きに背中合わせの棚が左右に四本ずつ置かれている。入ってすぐの通路は週刊誌やコミックが幅を利かせているので、古本の気配を必死に探って行く…すると、右壁棚と奥壁棚を核にして集まっているのを確認する。右壁棚は、児童書・絵本・女性実用・暮し・宗教・雑学・政治・ノンフィクション・105均単行本・歴史・戦争が並び、棚の下部1/3にはビジュアルムックや雑誌類が収まっている。奥壁には右奥から、郷土・静岡・民俗学・美術・洋絵本・古いノベルス・エジプト・海外文学・ミステリ&エンタメ・文学評論と続き、柱を飛び越えて麗しの古書&古雑誌棚!そして雑誌と並んで行く。この奥通路の向かいには、日本文学文庫がズラッと並び、右端に105均文庫&単行本が固まっている。またその裏の第四通路右側に、ハーレクイン・ハヤカワポケミス・海外文学文庫・雑学&教養系文庫も並ぶ。各通路の辻には、何故か必ずLPレコードをドバッと詰めた箱が配置されている。他二店と同様、リサイクル系と思いきや、所々に面白い本&珍しい本が見られ、しかも値段が安め。特に古書は安値の良書が目に付き、掘り出す喜びを味わえる。その代わりと言っては何だが、文庫が新しい本中心なので、あまり食いつけないのが残念である。偕成社「人工衛星・宇宙旅行/原田三夫」(裸本)芸文社「怪奇がいっぱいの国/中岡俊哉」ケイブンシャ「ブルース・リーの伝説/アレックス・ベン・ブロック」(ブルース・リーが古本屋に通い詰めていた事実が判明!でも客として来たら恐いだろうな…)を購入。

ここまで来たならと「藤枝駅南店」にも向かい、丸ノ内出版「横浜味覚散歩/白神義夫」創元推理文庫「女狩人は死んだ/ベン・ベンスン」(和田誠装幀で初版)を計400円で購入。

そしてまたも四時間以上掛けてガタゴト阿佐ヶ谷に帰り着くと、駅北口アーケードの「千章堂書店」(2009/12/29参照)で、本日最大の喜びが待ち受けていた。山渓新書「ヒグマとの戦い●ある老狩人の手記/西村武重」が、100均台にポロリ!一日の電車疲れが吹っ飛ぶ喜びが、電光のように身体を駆け巡ったのであった!ビビビビッ!
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2013年07月11日

7/11山梨・三つ峠 ハンディ館 富士吉田店

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先月の月江寺行で(2013/06/15参照)、帰りの車窓に一瞬流れた『古本』の文字…確かに俺は見た!もはや富士急行沿線には、古本屋さんは皆無と思っていたのだが…。日を置いて時間の都合がついた本日、大月でたくさんの外国人観光客に紛れ込みながら、富士急行に乗り込んで四十分。寂れた南側の駅前に出ると、もはや営業しているのか判然としない遺跡のような観光売店があり、背後にはロッククライミングのメッカ『三ツ峠山』、正面には凶暴なまでの緑を纏った『倉見山』が迫っている。駅前から抜け出て、この地方特有の富士山型の穴が開いたブロック塀を楽しみながら、『国道139号』を西へ。山間の田舎町を、ヒュルヒュルと延び上がって行く街道の先には、黒々とした富士山の姿。何処までも立ちはだかる、その神々しいフォルムに圧倒されながら一キロも進むと、一軒の平屋倉庫型のリサイクル系古本屋さんが見えて来た。水色横長の店舗越しには、圧し掛かるような富士山が見えている…古本屋さんと富士山…中々見られない組み合わせである。それにしてもこのお店、壁や道路沿いの看板には『本・ビデオ・DVD・古本』の文字が乱舞しているのだが、店名は何処にも見当たらない。街道沿いアダルト店の影を色濃く感じながら、広い駐車場を横切り扉に手を掛ける。ここでようやく「ハンディ館」と言う店名を確認。中は広々整然としており、背の低い棚にコミック・アイドル写真集・同人誌が無機質に収まっている。ひと際高い仕切りの向こうからは、広大なアダルトスペースの気配が漂って来る…。やはりコミックとアダルトのみなのか…砂を噛むような後悔が心にかぶりつこうとした時、右奥の隅に三本の古本棚を発見する…か、かろうじて助かった。雑単行本・ケータイ小説・文学全集端本・ラノベ・ティーンズ文庫・日本文学&海外文学文庫。もちろん深みなど感じられぬ棚ではあるが、全品105円なのが救いである。祥伝社ノン・ブック「女らしさの知恵/平岩弓枝」京阪神エルマガジン社「最後の興行師/重田雅通」を購入。ひからびたヘビの死骸に驚いたりしながら、駅へと戻る。

帰りは高尾で途中下車し、名店街の古本屋さん「高尾文雅堂書店」(2009/11/18参照)に寄り道。誠文堂新光社「ニュータイプ室内飛行機集/野中繁吉」創元文庫「宮澤賢治歌集」アテネ文庫「世界の古本屋/庄司浅水」平凡社カラー新書「香りへの旅/中井英夫」を計1000円で購入し、ニヤリ。

さらに阿佐ヶ谷「古書 コンコ堂」(2011/06/21参照)の前で、精悍に日焼けした夏葉社島田氏にバッタリ。七月後半に発売される、全国四十七都道府県(利尻島から石垣島までを取材。島田氏ももちろん取材に同行されたそうである)の町の本屋さんを紹介する「本屋図鑑」の資料を手渡される。思わず「うらやましい!(全国に行けることが)」と叫んでしまった。これを買って励みにして、こちらもますます頑張ります!
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2013年07月06日

7/6静岡・沼津 マンガや

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蒸し暑く熱風吹き荒れる曇天の空の下を、東海道線で西へ。お供するのは、先日買ったばかりの「月の輪書店」古書目録。左目で銀色に輝く海を眺め、右目で古書の海に溺れながら、二時間四十分で沼津着。南口ロータリーに出たら、左上からビルの谷間を東へ進む。300mも歩けば『三ツ目ガード南交差点』。信号を渡ってさらに東へ進もうとすると、その入口に『中古売買』『DVD、ゲーム、CD研磨します』『特にアダルト系高価買取中』などと列記された立看板…この先か。50mほどで左に大きなお寺が現れ、その向かいに白いクラシックなビルが建ち、その一階に一見すると何屋なのかよく判らないお店が入っていた。黄色く年季の入った日除け、干された傘、開け放たれたサッシ、翻る幟…早速中に飛び込むと、右にあった帳場に立つ、小さな現・浅丘ルリ子風ご婦人に「四十五分には閉めてしまうんですけど」と何の前置きも無しに話し掛けられる。「えっ?」「四十五分には閉めるんです」…どうやら午後一時四十五分で閉店と言うことらしい…確か日除けの営業時間は深夜二時までだった気が…。現在午後一時二十五分。「では素早く見ます」と、何でこんなことを宣言しなければならぬのかと思いつつ、店内を慌ただしくシャカシャカと歩き始める。横長で割合に広く、手前窓際はガラスケースと本棚、壁際はぐるっと本棚、フロアには横向きに長い背中合わせの棚が二本、右奥にアダルトゾーンへの入口を確認する。ガラスケースの中には、疎らにゲーム類が置かれ、壁棚にはコミック&奥に美少女コミック&アイドル写真集。そしてフロア本棚にもコミックが並び、他にCD・DVD・ビデオも相当数収まっている。しかしそれでも古本はあった!まずガラスケース前に横積み本の腰高崖があり、大判の箱入資料本・ビジュアル本・実用ムック・美術本など。またフロア棚に100均文庫が少々と、最上段にビニールパッキングされた古本がズラリ。実用・ガイド・学術・美術・エッセイ・静岡…量は少ないが、妙に硬く値段はしっかり。永岡書店「きのこガイド/小宮山勝司」を購入し、残り時間十分で悠々と外へ。

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裏通りを伝って久しぶりの「長島書店」(2009/10/18参照)。まったく変わらぬ佇まいが、心に感動のさざ波を呼び起こす。思えばとっても小さなお店だな…あぁ、ここもフリペ「小さなお店」で取り上げるべきであった。最高収容人数は、七人と言ったところだろうか…。それにしても棚の本にしっかりと動きが見え、現役感満点!おばあちゃんもお元気で、刈り上げ頭がとても凛々しいのである。ほほぅ、下川千秋の評伝なんてあったのか。ちょっと高いが嬉しくてこれを買うことにする。おばあちゃんに精算してもらっていると「最近こう言う真面目な本が市場に出なくってねぇ〜」お、おばあちゃん!市場に行ってるんすか!と驚愕の完全脱帽!あぁ。いつまでも元気でいてくださいね。崙書房「下村千秋 生涯と作品/平輪光三」を2200円で購入。

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続いてアーケード商店街を通り抜け、相変わらず立看板がデカ過ぎる、開いてて良かった「平松書店」(2009/10/18参照)へ。本の塹壕に潜り込んで、作品社「ポルノ殺人事件/山本晋也」婦人画報社「トラッド歳時記/くろす・としゆき」を発掘。計500円で購入。

今回も楽しかったよ、沼津!
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2013年07月03日

7/3富山・電鉄石田 典誠堂書店

来週はバタバタ忙しくなりそうなので、昨日受け取ったナイアガラでの売り上げを懐にねじ込み、やや後ろめたく平日に遠出する。ところがまるで罰が当たったかのように、中央線は遅れ、上越新幹線の車内に一時間缶詰にされ、特急はくたかは遅れに遅れ…と、まるで不運のドミノ倒し。車内でドロドロ気分を腐らせながらも、当初の予定を大幅に組み直して、まずは蜃気楼と埋没林の街・魚津に午後二時に降り立つ。峻険な立山連峰は黒雲に隠れ気味で、海辺の白い街では熱気と湿気がタッグを組み、ドロリとした空気を充満させている。まずは電鉄魚津駅近くにある「桑山書店」の調査に向かう。しかしそこにあったのは、雄大な山々を背後にし、悠々とシャッターを下ろした古本屋さんの姿であった…シャッターの縁にはブロックが数個置かれ、がたつかぬよう押さえつけられている…つまり営業していない雰囲気満点である。
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そしてとても不安になる…目指すもう一軒が開いていなかったら、私はただ“古本屋蜃気楼”を見に来ただけに終わってしまう!ドキドキしながら駅へと戻り、富山地方鉄道、略称“地鉄”電車のシートに腰を下ろす。

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レールを激しく軋ませながら、八分で電鉄石田駅に到着する。古く小さな駅舎は木造モルタルだが、表から見ると三角屋根と三連の縦長スリット窓を持ち、車寄せと柱がタイルで化粧された昭和モダンなスタイル!魂がプルッと震えてしまう。ロータリーは灰色で箱庭のように小さく、短く荒涼とした駅前通りが西へと延びる。そこに数歩踏み入ると、左手に割と大きな住宅兼店舗の古本屋さんが出現する。お願いだ、やっていてくれ!左には古いミッフィーと川崎のぼる『てんとう虫の歌』のイラストが入った、黄色い『小学館の学習雑誌』看板が架かり、右の軒下に『古書籍全般売買 新刊書籍 雑誌』とある店名看板が下がる。中は薄暗いが…サッシ扉に手を掛けると、軽くカラリと開いてくれた。しかし誰もいないので「すいませ〜ん」と声を上げてみる。するとすぐに左奥にあるガラス戸が開き、ご婦人がダラッと姿を現し「ハイ、なんでしょう?」。「あの、お店はやってますか?」「やってますよ」「では見させていただきます」「どうぞ」と電気を点けてくれた。ちょっとご婦人が面倒くさがってるような感じなので、素早く手早く見ることにしよう。お店は横長で、右半分は壁棚に囲まれ、フロアにはちょっと背の低い木製平台付き棚と、大きなこれも木製の旧式な平台が置かれている。通路にはダンボール箱がいくつも置かれ、主に文庫が詰められている。左半分には板の間が広がり、そこには横積み本タワーと額装浮世絵がひしめいている。奥壁と左壁の一部に本棚、入口左横には和本の入ったガラスケースと本棚が置かれている。入口右横には100均文庫…素早く見ているつもりなのだが、古めの文庫と80年代ソノラマ&コバルト文庫がスピードを鈍らせて行く…。さらに70〜80年代コミックが続き、そのまま右壁にも。フロア平台には、雑誌・児童書・ビジュアルムックが置かれ、フロア棚には色褪せたノベルスがズラズラと並ぶ。右壁奥には文学全集が集まり、奥壁には児童文学・児童書・ノベルス・実用ノベルス・日本文学&大衆文学・社会・学術・辞書・歴史・文学評論と続く。向かいには学術本を中心にしながらも、所々に日本文学・児童文学・実用などがチラホラ。左半分の板の間ゾーンは、壁棚に富山・立山・黒部・魚津などの箱入郷土本がギッシリ。入口左横には主に美術と歴史が並んでいる。右と左でその性質を大きく異にしたお店である。右は時間が少し停まり気味で、80年代前後の本が多く並ぶ。左は格調高い歴史郷土の古書店と行った趣き。値段も左はしっかり値で、右はもっぱら安値となっている。素早く素早くと、とにかく本を考え込まずに抱え込み、板の間に座るご婦人に精算をお願いする。すると一抱えの本を目にして「あら、ありがとうございます!今計算しますね」と声のトーンが高くなる、そして「お店、いらしたの初めてですよね?どちらから?」東京から来たことを告げ、「開いていてよかったです」と本心を伝えると、「ホント、私も開けてなかったりするんで、よかったわぁ〜。また近くに来たら寄って下さいね」と最終的にはとてもフレンドリーに。苦労して来て、よかった!ポプラ社文庫「名探偵ホームズ」シリーズ六冊、春陽文庫「若さま侍捕物手帳 五月雨ごろし/城昌幸」平凡社カラー新書「ウィスキー讃歌/田村隆一」双葉新書「雀鬼五十番勝負/阿佐田哲也」桃園新書「釘師放浪記/牛次郎」ロマン・ブックス「濡れた心/多岐川恭」ソノラマ文庫「ショック! 夢見る機械/加納一朗」ひばり書房「ぼくらは少年探偵団/村島一郎」を購入。

帰りは、一時間に一本ペースの地鉄が行ってしまったばかりなので、一キロほど東のJR黒部駅までテクテク歩く。途中、水田に囲まれた一本道で、小学生女児三人に、結わいた頭をガン見される。よほど珍しかったらしい…。

そして本日の珍品収穫はこの「ぼくらは少年探偵団」1976年刊で200円。こう言う本は、えてして探偵クイズなどでお茶を濁した本が多いのだが、なんとこの一冊は本格的に“少年探偵団”を結成するための指南書なのである!入団試験、組織編成、適性&詳細な役割分担、捜査&情報収集方法、警察機構の説明などなど…本当に正義として、悪の犯罪に対抗するための本…ここまでしっかりやっている探偵団があったら、とても恐いと思います…。
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表紙はジュニア探偵小説の雰囲気満点!グラビアページも大伴昌司顔負けのケレン味が!


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2013年06月30日

6/30愛知・東岡崎 都築書店

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今日は何がなんでも行ったことの無い古本屋さんに行くのだ!遠出だワッショイ!とムダな勢いに任せて、まずは豊橋。そこから赤い名古屋鉄道の特急に乗れば二駅で三十分。半地下通路から北出口に出ると、駅ビルは『岡ビル百貨店』と言う名のボロいが好ましい三階建て。徳川家康の手形がある、これも古臭いロータリーから目の前の駅前通りを西に進んで行くと、300mほどで『電車通り』とぶつかる交差点。かつては市電がガタゴトとここを行き交っていたのである。今は車だけが走る味気ないアスファルトを眺めつつ、北へと向かう。すぐに水量豊かな『乙川』に行き当たるので、親柱の立派な『殿橋』で川を越える。この、駅近くの街中に自然豊かな川が横たわる感じは、盛岡や広島の景色を思い起こさせる。街自体は、新しさと古さがモザイク状に入り交じっている。さらに北に進み続けると、井桁型に武骨な歩道橋の架かる『康生南通交差点』。その手前右手に赤い小さなビルがあり、おぉ一階が古本屋さん!軒に黒々とした看板文字があり、だんだら日除けの下には、100均新書棚・安売り全集&単行本、そして大雑把な文庫入1000円ダンボール箱…逆に売れない気が…。店内は縦長だが、両壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚、奥に島式帳場のオーソドックスなスタイル。ただし何処の棚下も帳場周りも、二重の本タワーに取り巻かれており、下半分を見ることが不可能となっている。通路はキレイに広めに確保されているので、乱雑さと不自由さを感じることはない。奥には車だん吉をちょっと思い起こさせる老店主と、娘さんとお孫さん。つまりは店内が物凄くプライベートな空間と化している真っ最中なのである。このプリティーな孫は、店内を「アワ〜ッ!」と一周し、その度に私の足にタックルをかましウへへと笑いかけて来る。店主が「これこれ、やめなさい。どうもすみません」と謝るのだが、その顔は孫が可愛くてたまらないえびす顔。私もすでにお孫さんに悩殺されておりますので、何の問題もありません!さて、古本に集中しなければ…右壁は科学・文明・思想から始まり、古代史・日本史・民俗学・古典文学・辞書など。ほとんどが箱入本で硬い印象だが、足下タワーは同ジャンルでも通常の単行本がメイン。向かいは尾張&名古屋&岐阜の郷土学術&資料本と宗教。棚脇には能や伝統芸能の本タワーもあり。入口左横は文庫棚で、岩波文庫・講談社学術&文芸文庫・ちくま文庫・福武文庫・文庫揃い。左壁は時代劇文庫・一般文庫少々(足下にも広がる)・中公文庫.新書・歴史小説・戦争・日本純文学・探偵小説復刻本&叢書&全集・幻想文学・古本関連・性愛・漫画評論・文学評論・日本近代文学と続く。通路棚には、趣味・自然・園芸・登山・映画・音楽・書・美術・工芸。帳場の背後には強固な郷土史の壁が控えている。歴史&郷土で堅固なお店であるが、文庫や本タワーに意外な本あり。しかも全体的に安値なのが嬉しいところ。ここは良い老舗店です。表の100均新書を見た時はどうなることかと思ったが、孫はプリティーだし店主はジェントリーだし、とニコニコしながらちくま文庫「遅読のすすめ/山村修」新潮文庫「気まぐれ美術館」「絵の中の散歩」共に洲之内徹、講談社現代新書「伊東静雄/小川知佑」れんが書房新社「幻の「スタヂオ通信」へ/伊藤俊也」を購入。

この後はさらに北にあるはずの古本屋さんを目指したが、そこにあったのは普通の集合住宅だったので、どうやら事務所店の模様。ツラツラと駅に戻りがてら、名前に惹かれて『伊賀八幡宮』にお参りしたり、街の片隅に小さな安倍晴明の社を発見したりして喜び、私は岡崎で何をしているんだか…。
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2013年06月08日

6/8静岡・藤枝 焼津書店 藤枝駅南店

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いまいちすっきりしない天気の中を、東海道線でただただ西へ。読書と睡眠を交互に繰り返し、銀色の水平線を時々目にしながら先へと進む。途中、熱海から乗り込んで来た鉄道ファン同士の声高な駅解説がひっきりなしに続くので、少し気分を滅入らせてしまう。そんなこんなの四時間で藤枝駅着。新しく広い空間性を持つ駅舎から南口に出ると、しっかり整備され足湯も備えた駅前ロータリー。足湯で寛ぐ人々を横目に、最初の大通りを西に進む。二本目の脇道を南に下ると、新たな大通りの交差点に至り、そのさらに先には『静岡武道館』の大きな屋根がチラリと見えている。信号待ちしながら西を見ると、大きな『古本』の文字と共に、横長で大きなお店の気配を感じ取る。『売るならココ』と大書する、焼津近辺マイナーチェーン「焼津書店」の一店である。2011/01/23に訪れた「焼津店」に続く二店目である。確かあの時は良い買い物が出来た思い出が…なので期待をムクムクと大きくしつつ、店内へと吸い込まれて行く。当然のことながら中も広い。入って直ぐ右横にレジカウンターがあり、女性店員がひとりで孤軍奮闘接客中。おっ?右奥にちょっと暗い異様な空間があり、骨董雑貨類が並べられているようだ。そしてお店の右側2/3はコミックゾーンとなっている。ただし奥壁は端から端まで雑誌棚となっており、間に映画・音楽・鉄道などを少々紛れ込ませつつ、真ん中にはアンティーク玩具や古い絵本を陳列中のショウウィンドウも設置されている。棚下平台にはレコード・映画パンフ・映画プレスシート・一律500円の古い児童学年誌などが置かれ、予想外のマニアックさが滲み出してしまっている。左側1/3の古本ゾーンは五本の通路と壁棚で成立しており、入口近くの第一通路はタレント・女性実用・絵本・児童文学・料理。第二はラノベ・ティーンズ文庫・BLノベルス・雑学文庫・新書・105均文庫。この辺りは入口左横の、人文単行本・岩波文庫・岩波新書・講談社文芸文庫・ハヤカワSF文庫・ポケミスと関連性あり。第三は官能文庫.時代劇文庫・日本文学文庫。第四はスポーツ・句集・本関連・宗教・オカルト・犯罪・ビジネス・105均単行本・ミステリ&エンタメ…とここまでは普通のリサイクル店と大差ない感じ。しかしここから「焼津書店」が牙を剥き始めるのだ!左端の第五通路は、壁棚の一部も含め“古書ゾーン”として渋い輝きを放っている!壁棚の105均古書&全集以降は、大判本・ビジュアル本・図録類・洋書の展開だが、向かいの通路棚はほぼ古めかしい本で埋められている。戦争・食・郷土・民俗学以降は特に時代を遡り、資料本・日本文学・実用本・古雑誌・児童文学など。棚下平台には古雑誌揃い・和本、はたまた「月の輪書林」方式とも言える箱詰めの古文書&紙物までも!あぁ、変に素敵に奥深い。通常古本は定価の半額前後だが、古書は何故かとても安値で、200〜300円が目白押しとなっている。なのでこの辺りに激しく惹き付けられ、ハイエナのように行ったり来たり…。世界社「探偵実話 第二巻第十號(大河内常平『蛙夫人』が読みたくて買ったら、香山滋も永瀬三吾も読み切り掲載ウッハウハで300円!)」学研「神秘と怪奇/コリン・ウィルソン」八興社「人形佐七捕物文庫/横溝正史」ワニブックスPLUS新書「ゴジラとわが映画人生/本多猪四郎」新潮文庫「日夏耿之介詩集」を購入…計1380円!「焼津書店」は駅南東にもう一店あるのだが、残念ながら今日は時間が無いので、夏の青春18きっぷで訪ねることにしよう。

※webマガジン『ゴーイングマガジン』でまだまだ連載中の『古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』』の第十五冊目が更新されました。今回は下北沢の中心部である「古書ビビビ」さんの店頭にて、お店にも私にも相応しくない本をセレクト…。

※今月の「フォニャルフ」は、『西荻街角ミニミニふるほん市』の状態そのままに、『古本屋ツアー・イン・ジャパン&フォニャルフ』で二段分の本を並べています。補充入替をこまめに行いますので、西荻窪にお出での際はぜひとも足をお運び下さい!

※おまけ その本の補充時に「盛林堂書房」で購入した春陽堂文庫「片手美人/黒岩涙香」。ウハウハと愛でていたら、巻末の広告でとんでもない誤植を発見して、思わず大爆笑。いつかは欲しい、夢野久作の才気爆発の「氷の涯」……あれ良く見ると何かおかしいぞ?
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こ、米!米ですよ!「米の涯」!一体どんな小説なんだ?…米を食って食って行き着くその果ては…?春陽堂よ、色んな意味でありがとう!




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2013年05月01日

5/1福井県初ツアー二店!

GW中の真休日はなんだかんだで交通機関が混雑しそうなので、本日早めの遠出を決行することにする。目指すは古本屋ツアーでは初上陸となる福井県へ!米原で特急『しらさぎ』に乗り換えて一時間。山に囲まれた広い市街地に、まだ見ぬ古本屋さんの夢を見て、今さらに前進するための第一歩を踏み出す。

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●福井「古書 好文堂」
西口に出ると広々と抜けの良いロータリー。タクシーが溜まる左端から西に向かうと、中州のような土地にビル群がひしめき、その足下の歩道をアーケードが守っている。左前方を見ると、早速『古書』の文字を発見する。疑いなく、正真正銘の駅前店である。入口は小さく、巨大な看板と電光掲示板に囲い込まれている…『現代風古書』とは一体…。お店は斜めに奥に向かって延びており、途中から広さを増すようだ。壁際は最初の通路的部分も奥もすべて壁棚となっている。中央には列島のように、ワゴン二台・本棚・平台付き本棚二本・ワゴン二台が縦に連なっている。フロアが広くなる部分の右側に帳場があり、奥様がひとりで『ビブリア古書堂の事件手帖』を見て『のらくろシリーズ』を売りに来たお客さんの応対をしている。福井弁は堂々としていてとても可愛らしい。帳場前には細く隠された通路があり、そこはアダルトゾーンとなっている。右側の通路はコミック&絶版漫画ゾーンとなっており、奥に行くほど絶版度が高まる。レジ脇には少女漫画絶版棚もあり。また揃いも多く並んでいる。左壁は福井&全国郷土本からスタートし、食・500均単行本・宗教・日本文学・文学評論・日本純文学文庫・古典文学・新書・歴史&時代小説・山岳・建築・美術・工芸・書・日本文学・詩歌句と続き、奥壁の郷土史・宗教・福井本とつながる。棚上部には重々しい全集群が積み上がっており、棚下平台には背を上にして並ぶ本の列の上に、ミニ横積み本タワーが間隔を置いて連続。真ん中のワゴン本棚列島は、入口側から100均の文庫&ハーレクイン&ノベルス&単行本、そして児童文学・囲碁・将棋・近現代史・ノベルス・日本文学文庫・時代劇文庫・大判美術&グラビア本・雑誌・歴史・コンピュータ・福井本と続く。ちょっと大きな街の古本屋さんに、絶版漫画と郷土本が目立った感じである。値段はちょい安から普通。交通費の足しになるわけもないが、安値の本を見つけ出し、とにかく嬉しく思う。現代教養文庫「ナリン殿下への回想/橘外男」少年倶楽部文庫「金色の魔術師/横溝正史」を購入。

お店を出たら、バラバラと冷たい雨が降り始める。コンビニで傘を買い、強風に逆らいながら市内を駆け回る。駅から二キロほど離れた西北にあるはずの「矢尾商店」は跡形も無く、近くの「松村古書店」は年中無休とあるのにカーテンが閉まりっ放し。駅の北一キロほどにある「メアリ書房」に駆け付ければ定休日。北陸本線の高架を潜って「アテネ堂古書店」を見に行くと、どうやら空きテナントに…フゥ、疲れた。それにしてもこの都市には、セメントと木で造られた塵芥箱があちこちにあって懐かしい…。

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●福井「中央書林」
残った力を振り絞り、駅東口から南に下り『豊島交差点』から『城の橋通り』を東に向かう。途中の荒川を越えて一キロも歩き通せば、『勝見交差点』手前の小さな三階建てビル一階に古本屋さんを発見出来る。立看板が出ていなければ、ちょっと古本屋さんとは気付き難い佇まいである。早速中に飛び込むと、小さな店内に懐メロ歌謡が流れまくっている。奥の帳場で新聞を読む奥様に挨拶。骨董&アンティークと古本のハイブリッド店だが、素っ気なく飾り気がない。右壁沿いにはアンティークカメラや陶器の飾られたガラスケース。壁には掛軸が掛かっている。真ん中には背中合わせの本棚が一本立ち、絵画・陶芸・工芸・書画・浮世絵・煙草・古本・懐かし物・骨董・美術図録・風俗・福井郷土本・越前・鯖街道などが収まる。左壁には本棚が一面に張り付き、詩歌・中野重治(福井出身)・福井郷土本(文学・産業・文化・自然・偉人)眼鏡(福井名産)・信仰・郷土史と並んで行く。棚下には額装絵画やホーロー看板が、割と無造作に重ねて置かれている。美術&郷土&骨董なお店である。値段はしっかりな高め。思わず「右門捕物帖」のパチもの「左門捕物帖」を買ってしまいそうになるが、何をやってるんだ!と己を叱り、冬樹社「日本ヒコーキ物語 北陸信越篇/平木国夫」を購入する。

とにかく短時間でエネルギーを使い果たしてしまったが、福井駅周辺の現状を一気に把握出来たのは、大きな収穫であった。次は水曜日以外に「メアリ書房」に突撃しなければ。そして東京に帰るとこちらも雨。福井で買った傘を役立て、家路を急ぐ。

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2013年04月13日

4/13三重に弾かれ名古屋を彷徨い三店!

まだ受け取っていない今月の「フォニャルフ」の売り上げをあてにして、おおよそこのぐらいだろうと妄想計算し、ならばこの辺りまで行けるだろうと、三重県の古本屋探索へ出発!最初は紀伊半島のとば口・桑名で、予想通り(その手は桑名の焼きハマグリ!)街に溢れるハマグリに喜びながら空振り。ならばと、仙台「萬葉堂書店」や岡山「万歩書店」に匹敵すると言われる巨大古書店「万代書店」の偵察に行くことにする。

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●近鉄富田「万代書店 四日市店」
改札を抜けたら、『駅前通り』→『富田中央通り』と一キロほど南東に下り、『国道一号』を南西下する。大きな陸橋を越えたなら、左手に『古着』『古本』の巨大看板を持つ、軍事施設のようなカマボコ型の建物。広い駐車場を突っ切って中に入ると、古着・ゲーム・カード・おもちゃ・駄菓子・楽器・CD・DVD・アダルトの迷路!古本は、古本はと隅々まで目を凝らし、幽鬼のように広い店内を彷徨うが、あったのは小さなコミック売場だけ…何とこのお店には古本売場が無いのである。表の巨大過ぎる『古本』の文字に完全に裏切られ、お店から呆然と脱出…すべての「万代書店」がこうでないことを願いつつも、これ以上南に下るのは危険と判断し、すぐさま名古屋に舞い戻る。

名古屋では、駅近くの『国鉄会館』にあるはずの、アート系の古本屋さんを訪ねてみたが、何処にもそんなお店は見当たらない。何故だ!と頭を抱えつつも、すぐさま気持ちを切り換えて、五年前の「名古屋古本屋ロード」(2008/06/15参照)の続きを、ようやく実行に移すことにする。

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●上前津「海星堂書店 北店」
名城線『10番出口』の階段を駆け上がれば、大きな『上前津交差点』。その北東際、交差点に向かってカーブを描く白いマンション一階で、古本屋さんが陽を浴びていた。緑の日除けの下に大きく展開する壁棚は、文庫本と単行本が主。単行本には戦争関連が多く見られる。足下には文庫・コミックの詰まった箱が並んでいる。入口右横の小さな新書棚から一冊掴み、万引き防止ゲートを擦り抜けて薄暗い店内へ。中は天井までの棚が立ち、少し鬱蒼としているが、通路は充分に確保されている。壁際ははすべて本棚で、真ん中に背中合わせの棚が二本。フロアは奥が少し狭まっている。入口左横に帳場があり、男性二人が頭だけを見せ忙しく働いている。おぉっ!入口右横に、中日ドラゴンズ選手サイン色紙やカード類を発見!…ここが名古屋であることを直に感じ取れた瞬間であった。壁際は一般文庫・時代劇文庫と新しめな本が並び、多めの絶版漫画、そして奥に雑誌と美術が収まっている。向かいはかなりマニアックな並びで、探偵小説・ジュブナイル・幻想文学・海外ミステリ・絶版文庫・ちくま文庫・プロレス・野球・格闘技・性愛・エロ・オカルト・映画・テレビ・タレントなど。棚下にはたくさんのダンボールが並び、雑誌付録・VHS・コミック・雑誌などが入れられている。真ん中の通路手前側にDVDが集まり、奥右側に歴史・文学評論・文明・哲学・社会学、左側には戦争関連が大集合。奥壁は雑誌が並び、左端は完全なるアダルト通路となっている。一般雑本・マニアック本・アダルトで成り立っており、マニアック部門とその周辺では珍しい本たちが目を楽しませてくれる。古めな本が多いのもまた楽しい。一般的な本の値はちょい安〜普通だが、プレミア本はしっかり高値が付けられている。しかし東京より、安い設定のプレミア本もチラホラ。作品社「ギャグ狂殺人事件/ビートたけし」創元推理文庫「危険な乗客/トマス・ウォルシュ」を購入。

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●上前津「海星堂書店 南店」
続いて交差点を南に下れば、東側歩道にすぐ同名の古本屋さんを発見することになる。こちらは小さなビルの一・二階が店舗となっており、一階入口部分にはしっかりした安売り本スペースが造られている。壁棚には単行本と雑誌類が並び、背中合わせのラックには文庫・単行本・ノベルス・コミックが並ぶ。値段は100〜500円で、目を皿にすると良い本が多く紛れ込んでいるのが目について来る。中々秀逸な店頭棚だ…むっ、ビッケ本発見!などと結局四冊も引っ掴んで奥の店内へ進む。入口は左右二ヶ所あり、構造は“U”字型なので、左右通路の行き来は店外かレジ前でしか出来ない。ちなみに左側はアイドル・グラビア誌・アダルトの桃色通路となっている。右側通路は、壁棚が将棋・風俗・社会など多ジャンルが集まる細い棚から始まり、ハヤカワ文庫・創元推理&SF文庫・ちくま文庫・ポケミス・探偵小説・幻想文学・アングラ・博物学・音楽・美術・写真・犯罪・アウトロー・鉄道・性愛・人文・歴史と続く。奥はその周囲を細い回廊にした帳場があり、男性が前後に収まっている。ぬぬっ!背後の壁には『ポケミス揃い 100万円』なんて恐ろしい品物が!通路棚には、絶版漫画・児童書・スポーツ(相撲充実)・東海郷土・芸能・竹中労・平岡正明・テレビ・オカルト・タレント・アイドルなど。足下の雑誌箱は、とてもプロレス雑誌に偏重している気がする。こちらもまたマニアックで良い本が多く見られる。値段はやはりしっかり。それでもこれなら安めなはず!と店内でも一冊ギュッと掴み、評論社「ビッケと空とぶバイキング船/ルーネル・ヨンソン」暮しの手帖社「「暮しの手帖」とわたし/大橋鎮子」ソノラマ文庫「透明少年/加納一朗」講談社X文庫「死霊のえじき/ジョージ・A・ロメロ」ちくま文庫「怪奇探偵小説名作選 香山滋集 魔境原人」を購入…こんなに買うはずじゃなかったのに…。二階の階段を上がると、映画パンフの積み上がった瓦のような山に驚き、店内にもまだまだ映画パンフ、そして映画本・ポスター・映画雑誌・VHS・DVDだらけ。単行本は主に右側通路に集中している。また左壁棚は映画とは関係無く、兵器関連の雑誌で埋まっている。

荷物を重くして東京に戻りながら、五年を経てつながった「名古屋古本屋ロード」について考える。まだ「飯島書店」をツアーしてないし、「亜希書房」の消息も確かめなければ…あぁ、名古屋の古本道。それはようやく始まる、新たな長い旅のスタートであろうか。
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2013年04月09日

4/9岐阜・大垣 笠浪書店

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難物な仕事を済ませて渡したら、遠くの未踏の地にやたら行きたくなってしまった。まるで蒸発でもするかのように、そのまま東京をフラッと離れてしまう。名古屋駅から東海道線の新快速に乗り込み、駅を“黙殺”どころか“なで斬り”にして行く。木曽川・長良川・揖斐川を越えて三十分。南口に出ると、見通しが悪く全貌の掴み難いロータリー。どうにか右側から回り込んで、ほとんど廃墟の素敵な駅前ビルをなぞるようにして南に向かい、すぐの『高屋町交差点』を西へ入る。後はひたすら真っ直ぐ500mも進めば、『室本町交差点』北東際に建つ、細長い肌色の古本屋さんにたどり着く。横の駐車場奥には、シャッターを開け放った古本倉庫が見えている…は、は入りたい。このお店は、かつては『本店』と『北店』に分かれていたようだが、現在確認出来るのはこのお店だけである(ちなみにここは元北店)。縦にも奥にも細長い小ビル一階に入ると、店舗は通路のような奥深さ。左右の壁は造り付けの本棚で、真ん中には背中合わせの棚が一本。奥は机がひとつの簡素な帳場で、おばあさんが一人で作業中である。彼女は店内を移動する時、「ヨイショ、ヨイショ」と一歩ごとに口ずさみ、時折合間に「足が、痛い、足が、痛い」をリズム良く挿入する。何かありそうな予感を抱かせる、ちょっと古い本+古い本が混ざる棚を眺めて行く。右壁は歴史小説・日本文学・中国・ミステリ&エンタメ・詩歌句・古代史・被差別部落・和本・岐阜郷土本と、帳場背後まで続いて行く。向かいは、全集・新書・時代劇文庫・辞書・雑誌・大判本が並ぶ。入口左横には美術系&自然系写真集やビジュアルムックが並び、左壁に実用・自然・児童文学・兵器・近現代史・文学・歴史・工芸・幻想文学・宗教・芸能・江戸・山岳・アダルトと続く。向かいは新書・山岳・飛行機・『人と思想』シリーズ・囲碁・将棋・戦争文庫・一般文庫・ノベルス・官能文庫となっている。昔ながらの古本屋さんで、歴史&郷土と一般本がルーズに混ざり合う。古い風俗本や函無し本に意外な面白さあり。値段は安め〜普通。すでに二冊の本を手にしているが、何だか諦め切れずに見て来た棚を再度眺めて行くと、そこに衝撃の一冊を発見する!角川文庫白背「八つ墓村/横溝正史」の初版である!ちょっとくたびれているが100円だ!心の中には『ユリイカ!』の叫声!やりましたよおッ母さん!カバー絵が不気味ですよ!と静かに熱く大興奮する。
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…連日のプチ“古本ゴールドラッシュ”に驚きを禁じえないのだが、何か良くないことでも身に降り掛かる前兆なのだろうか?…いや、何故意味も無く弱気になるのだ。これは懸命に、そしてバカみたいに古本屋さんを訪ね回っている結果なのだ!喜んで享受しようではないか!21世紀ブックス「地理面白事典/都筑道夫編」講談社現代新書「東京の原像/加太こうじ」と共に購入すると、おばあさんは100円引きにしてくれた。感謝です。

蒸発するように東京から飛んで来た甲斐がありまくりだなと、大垣の街をフラフラ遊歩。もう一軒のお店、『大垣公園』近くの「趣味之友社」を昭和な裏通りに探してみるが、お店があるべき場所は駐車場に…ただ看板地図に、その名を留めるばかりであった。
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2013年03月19日

3/19静岡・桜橋 清水書店

早くに家を出て、みどりの窓口で青春18きっぷを購入したなら、そのまま電車に飛び乗って東海道線で三時間半。草薙駅で静岡鉄道に乗り換えて、古庄駅で下車する。北口から町中に入り込んで、『県道74号』を北西へ。『沓谷五丁目交差点』で西南に向かい二キロ強。『唐瀬街道』にようやく入って、そこからさらに北西へ二キロ…片道五キロの行程である。こんな距離を歩かねばならぬのは、『唐瀬街道』と至近の駅の間に『谷津山』が横たわっているためである…とにかくヒドい遠回りをして、目的のお店である「福代書店」にたどり着くと…ノゥッ!お店は市議立候補者の選挙事務所となっていた。何とムゴい…たくさん歩いて来たのに…。激しく打ちのめされながら、来た道を力無く引き返して行く。そしてズタズタに引き裂かれた古本心を癒すために、街道沿いにあった「リサイクルバンク館」に飛び込んでみる。
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店頭に古道具を並べたワゴンが多数展開しており、『もしや古本も…』と希望を抱かせてくれる店構えだったのである。入口近くに座って煙草をふかす、イナガキタルホ風おばあさんに挨拶をし、店内の古道具迷宮に彷徨い入る。そしてどうにか箪笥の片隅に置かれた、カルタなどと共に十冊ほど古本が並んでいるのを発見する。ペーパーバック・岡本かのこ・源氏鶏太・児童文学…選択肢は極端に少ないが、東西五月社「少女世界名作全集 日本編/川端康成」を手にして通路をさらに彷徨うと、イナガキおばあさんが「何かお探しですか?」と声を掛けて来た。すかさず持っていた本を掲げ「こうゆう古い本がないかなぁと思って…」と彼女の方に近付くと「古本はたくさんあるけど、今店に並べてないのよ。この間たくさん並べたら棚が落ちちゃって、『古本はダメだ』ってことになったの」と残念なエピソードを語る。「少しずつ出すから、また見に来てちょうだい」と言われて、見には来たいが二度と来ない可能性大…意外にしっかりした値を告げられ、前述の本を購入する。

一応古本は買えたのだが、どうも収まりが悪い気がする。ヒイハア駅まで戻り、再び静岡鉄道に乗って桜橋駅で下車。駅上にある『桜橋交差点』から『県道198号』をひたすら南に下って行く。駅からおよそ一・五キロ。『バーミヤン』を過ぎて『庄福町交差点』で西に入ると、もはや夕陽の照り返しが眩し過ぎる、緩やかな坂道の間延びした商店街風な通り。ここを200mも進めば。清水からそのまま曳家して来たようなお店が建っていた。
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2010/05/04に訪れたお店であるが、清水店はいつの間にか閉店し、この駅からとても離れた地で営業を継続していたのである。早速緑の日除けを潜って中に入ると、スッキリして素っ気なく、尚かつ奥の帳場には誰もおらず無人であった…近くに店主はいるのだろうか?すぐに戻って来るのだろうか?左右両壁は天井までの本棚で、真ん中には足下が広がった天井までの背中合わせの棚が縦に二本置かれている。入口側と帳場側、共に棚脇棚が設置されている。また左側通路の入口側には、棚と脚立あり。広さは清水店の半分くらいか。右壁一面はコミックで、奥にアダルト。通路棚にはミステリ&エンタメ・海外文学・ミステリ文庫・ノベルス・コミック・アダルト。棚脇には、入口側にハーレクインと児童文学ノベルス、帳場側に海外文学文庫と美術図録が並んでいる。左側通路の通路棚には、児童文学・実用ノベルス・カルチャー雑本・日本純文学文庫・海外文学文庫。入口側棚にも海外文学文庫が並び、左壁に戦争・ノンフィクション・東洋文庫・歴史・文学・思想・科学・天文学・自然・時代劇文庫・日本文学文庫・新書…以前と同じように、本に値段は付けられていないので、またもその場で値付けするシステムなのだろう…しかも嬉しい安値で。しかし私は、古本を手にして途方に暮れている。結局誰も姿を見せないのだ。取りあえず「すいませ〜ん」と帳場の背後のサッシ扉方向に呼び掛けてみる。何度も何度も。次第にボリュームを大きくし、かなりの大声で叫んでいるのだが、何の反応も無い…。おぉ、買いたい古本を持ったまま日が暮れて、私は帰れなくなってしまうのか…。このお店は家の前に建っているので、一旦外に出て家のチャイムを押すべきか、それとも伝言メモとある程度のお金を置いて立ち去るべきか。などと考えつつも、「すいませ〜ん」を間歇的に発し続けていたら、ようやく店主がサッシの向こう側に顔を出してくれた。「す、すいません。洗濯物を取り込んでいたので…すみません!あの、誰もいない場合は、裏の家のピンポンを押すか、この電話で“1#”を押せば家とつながりますので」…書いておいて欲しかった…。そしてようやく本を差し出し精算してもらう。店主は一冊一冊評しながら、ほとんどが100〜200円の値付け。お宝本が混ざっているので、やはり店主に値付けしていただいて、本当に良かった。エール出版社「タレント残酷物語/竹中労」(100円!連日のどひゃっほうである)幸洋出版「仮面を剥ぐ/竹中労」大和出版「遊ばない人間に仕事ができるか/田邊茂一」北海道教育社「札幌青春街図」日本評論社「ルービック・キューブ免許皆伝/島内剛一」光文社文庫「戻り川心中/連城三紀彦」を購入。

ここまで来て良かった。そう思わせてくれる収穫であった。しかし今日はたくさん歩いた。後は最後の一歩きで、JR清水駅までトボトボ…あっ!メーターを振り切った古本屋さん「エンゼル書店」(2010/05/04参照)が看板を下ろしてしまっている!ショックだなぁ…。

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2013年03月15日

3/15愛知・藤が丘 千代の介書店

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名古屋駅から地下鉄・東山線に乗り込んで、最終的には地上に露出する終点まで三十分。改札を抜けると、駅の近くにビルが建て込んだ、小さな郊外の街。すぐさま東の大通りに抜け、『藤が丘駅東交差点』からまだ花の咲かない桜並木を100mも南下すれば、すぐに『照が丘交差点』があり、その手前左側に変わった名を保つ古本屋さんを発見出来る。『千代の介』…何だってこんな名に…まさか本名と言うわけでもあるまいに…いかん、やっぱり東千代之介しか思い当たらない…。そんな風に葛藤しながら、小さなお店の入口を探す。あっ、右側の側壁手前側が、ガラス戸の入口になっていた。狭いアプローチに身体を滑り込ませ、ドアをスライドさせて中へ…うわっ!何だこのお店?全然小さくない…と言うか、恐ろしいほど奥行きがあって、整然とした本棚で造られた通路が、ちょっと薄暗く十五メートルは延び続けている!そして遥か彼方に大きな帳場があり、ハットを被った老店主がピョコンと顔を覗かせた…と、遠い。個人店としては、チャンピオンクラスな遠さだ。そして通路は左隣にも、同型同寸のものが潜んでいる気配。ドキドキしながら、壁のような棚を必死に見続けて行く。右壁は新書と講談社学術文庫から始まり、たっぷりの日本文学…作家五十音順にある程度セレクトされているにも関わらず、どこまでもどこまで続いて行く…。下の平台には歴史時代小説が背を見せて並び続ける。奥の帳場近くでは、日本近代文学評論が固まっている。ここまで来て、すでに一店分の本を見た気分に陥りながら、さらに入口側に引き返して通路棚にへばりつく。新書・選書、そして細やかに日本純文学を網羅した文庫棚…充実している。やがて途中から日本文学随筆&エッセイに変わり、さらに歴史・江戸と変化し、最後は箱入本を中心にした日本近代文学〜70年代文学となる。ここで、帳場で読書中の店主に最接近したところで、「何かお探しですか?」と声を掛けられる。「いえ、特に何かと言うわけではないんですが…棚が凄いのでじっくり見させてもらっています」「そうですか、ゆっくり楽しんで行ってください。いくらでも眺めていて構いませんよ。夕方までいてもらっても構いませんよ」とニッカリ。…いや、モタモタしていたら、本当に夕方になってしまいそうだ。ピッチを上げて、左側の通路へ。判ってはいたが、同様に長い。こちらは帳場側から見て行って、まずは通路棚に箱入日本近代文学〜70年代文学続き・再び文学系随筆&エッセイ・海外文学文庫・日本古典文学・岩波文庫が並ぶ。壁棚は美術・本・古本・書誌学・海外文学・古代史・芸人&役者・映画・詩歌句・思想・みすず書房・東洋文庫・水上勉&安岡章太郎&山田風太郎&吉行淳之介文庫が並ぶ。左右の通路とも、頭上に渡り棚が何本も架けられ、特別な作家・美術・全集・事件・風俗・パリ・芭蕉などの本が置かれている。あぁっ!お店に入っていつの間にか、一時間半が経過してしまっている!恐るべき日本文学通路店だ!微に入り細に入りまくった棚に目を通して行くのは、まるでマラソンのよう。ただただ圧倒されるばかりである。値段は普通。本の背にすっかり陶酔&疲労しながら、選んだ本を手にして帳場へ。レジ台はキッチンのようなステンレス台である。精算しながら店主は「あなたは、何か造ってる人なの?」「え?い、いえ、特には…」「そう?陶芸でもやってるのかと思ったけど。ウハハ」…後ろで結んだ髪を見て、推理したのだな。残念ながら、ハズレです。潮文社「文壇の展望/十返肇」角川文庫「修験峡殺人事件/水上勉」春陽文庫「かみなり先生青春帳/鳴山草平」を購入。

この後は、隣駅にあるお店をツアーするつもりだったのだが、千代の介であまりにも時間を食い過ぎた!予定を一部すっ飛ばして、勝手の判らぬ地下鉄をどうにか乗り継ぎ、久々の川名へ。ただ単純に古本屋さんを楽しむために「百萬文庫」(2011/04/16参照)を急襲する。文庫ばかりの店内で、楽しいレッツ・ハンティング!二十分後、八冊を手にして、帳場の和製ダニー・デビート風店主に差し出すと、「ほぉ、良くまぁ色々見付けて来たものですね。…あっ、これは!やられた!値段を間違えてるな。おめでとうございます」と矢継ぎ早なリアクションを見せてくれる。「戯曲 真田風雲録」を掲げ「これですよ、これ!」と残念そうな顔。と言うわけで、角川文庫「戯曲 真田風雲録/福田善之」中公文庫「コンスタンチノープル/橘外男」春陽文庫「死人に口なし/城昌幸」「上方武士道/司馬遼太郎」岩波文庫「暢気眼鏡・虫のいろいろ/尾崎一雄」ハヤカワ文庫「鼠と竜のゲーム/コード・ウェイナー・スミス」創元推理文庫「恐怖の限界/W・P・マッギヴァーン」を計1750円で購入する。「今日は当たりですよ」の声に送られ、ついついニヤついて表へ出る。
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2013年03月03日

3/3山梨・甲府で電動にアシストされ二店!

中央本線で三時間余りガタゴトし、三年半ぶりの甲府へ。駅北口でレンタサイクルを借りると、出て来たのは真っ赤な電動アシスト自転車。電動に乗るのは初めてなのだが…と多少怯えながらペダルを踏み込んだその瞬間、力強いパワーがペダルの回転に加わって来た。何と言うことだ…これは、人間を堕落させる悪魔の機械だ!こんなものに乗っていたら、人類の筋肉は衰える一方だ!そんな風に否定しつつも、早くもその軽快さの虜となってしまい、甲府市街を猛スピードで駆け抜けて行く。かつて、太宰治がこの街に暮らした時に目撃して驚いた、街を駆け回る野良犬集団を思い浮かべて…その速度で…。

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●甲府「フリグリ」
駅南東およそ四キロの『イトーヨーカドー甲府昭和店』に隣接する、大きく真新しいリサイクルショップである。ちなみにお店のロゴは、完全にアニメ『フリクリ』のパクリである…。中は広く横長で、通常リサイクル品以外にも、アンティーク&古道具系統も扱っているようだ。入ってすぐ右にあるガラスケースに、009・仮面ライダー・マジンガーZ・バビル二世などの懐かしキャラ紙物類が飾られている。一応プレミア値が付いてはいるが、そう高くはない手頃な値段に好感を持つ。そのまま右に延びて行く白いレジカウンター前を進んで行くと、すぐに古本棚が出現する。頑丈そうな同型の木製棚が六本並び、左の四本に古本、後の二本にCD・ゲーム・レコードが放り込まれている。吉川英治全集・雑誌・絵本・児童文学・女性実用・コミック・小説・文庫(宮本輝多し)・実用…新しめの本ばかりで雑本的展開。なので値段は安いが食指は動かず…。軽く追い詰められつつあったのか、何故かレコードを漁る暴挙に出てしまう。LPにもEPにも真田広之が多いので、少し笑ってしまう。ジャケットが永遠に素敵なフィリップスレコード「また逢う日まで/尾崎紀世彦」を100円で購入してしまう。

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●甲府「東天堂書店」
もっと古本に触れ合わなければ!と自転車を駆り、「明文堂」「風雪堂」(共に2009/05/04参照)に行ってみるが、残念なことにどちらもお休み…このまま帰るのはいくら何でも悲し過ぎる。そこで頭に浮かんだのは、先ほど「明文堂」に向かって『遊亀通り』を北上している時に『若松町交差点』手前で見かけた、更地に挟まれ枯れた蔦に絡まれ、廃墟同然の姿を通りに晒した看板建築の新刊書店であった。もしかしたら古い本が、そのまま棚に挿さっているかもしれない…そんな妄想的希望を胸に、お店を目指してルートを逆戻りして行く。息を弾ませて店前に到着し、ゴクリと唾を飲む。看板建築は、モルタルの装飾が華麗で、疑似バルコニーも素晴らしい。しかし蔦に隠された看板文字の下には、暗く淀んだ洞穴のようなお店の姿。店頭には新刊雑誌ラックと、絵本が一冊も入っていない空の鉄製回転ラック…どうせダメ元なのだ、と滑りの悪いサッシ扉を動かして店内へ。縦長で薄暗く古く時間が停まっており、逆に何故この状態でお店を開けているのか?と思ってしまうような空間である。棚上に連続する小さな採光窓が店内に光を注いでいる。左右の壁は造り付けの本棚で、下部はガラス戸の収納棚となっている。真ん中には雑誌ラック・雑誌台・平台付き本棚と続き、奥には雑然とした帳場がある。ニット帽にマスクを着けたオヤジさんが、ただただムッツリと座り込んでいる。通路手前の雑誌と右奥のアダルトには新刊も混ざり、しっかりと動いている気配が感じられる。しかしそれ以外は、つまりお店の2/3は、色褪せ埃を被り、もはや“死蔵”レベルの動かぬ本たちばかり…。入って右側の児童読物&絵本の棚は壮絶で、80年代前後の児童絵本の墓場と化してしまっている。棚もスゴいが、棚上&棚下の横積み部分が壮絶。懸命に掘り起こせば、何か見つかりそうな気もするが、新刊書店でそう言う行為をして良いものか…?それに続いて児童文学・実用・コミックなどが並ぶ。通路では、書類の山・ダンボール・重量感のある紙包み・多数の殺虫剤の缶が存在感を放っている。左側通路には歴史小説・日本文学・ノベルス・ガイド・地図・コミック・文庫。下のガラス戸棚の中にはストックっぽい本の影…気になるなぁ。どんな本が入ってるんだろうか?静かな緊張感溢れる店内を、『何かあるだろ何かあるだろ』と心の中で呪文を唱えつつ行ったり来たりして、三冊の児童文学を選び抜く。ズイッと差し出して精算をお願いすると、オヤジさんは後ろ向いて埃を払い、「300円」と一言。うはぁ!ありがとうございます!と言うわけで、古い本は100均で買える模様です。ポプラ社文庫 怪奇シリーズ「ゆうれい船/ハウフ他」(他はホフマンとシャミッソー)「ジキル博士とハイド氏/スティーブンソン」フォア文庫「第四惑星の反乱/R・シルヴァーバーグ」(うぉ!絵が柳柊二だ!)を購入。いつの日か、児童絵本の墓場に心置きなく挑んでみたいものである。

変化球な感じのツアーとなったが、自分としては大満足。帰りの車内、四人掛けシートにひとりで腰掛けながら、ビールで祝杯をあげる。車窓は春に向けて準備に余念のない、今はまだ枯木のようなぶどう畑の景色。
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2013年03月02日

3/1静岡・静岡 一冊 萬字亭

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午後がパカッと空いたので、チャンレジのつもりで高速バスにて静岡へ向かう。鉄道より料金が500円ほど安いのである。新宿駅西口の高速バスターミナルでチケットを買い、そのまま表の停留所でバスに飛び込む。曇り空の下の灰色の景色の中を走りに走り、乗客のため息を車内に溜め込みながら、三時間半。午後六時の静岡は土砂降りの雨であった。駅売店で傘を買い、白い柱が林立する駅南口ロータリーに出る。それを左から大きく回り込み、線路沿いに東へ向かう。道路がまるで川のようで、傘をささぬ雨合羽の人が多いのにも驚かされる。500mほどで、中央に緑地帯を持つ『久能街道』に出るので、そこを南へ。二つ目の信号『八幡二丁目北交差点』を過ぎると、右手敷地の奥まった所に建っている新築住宅の一階が、小さな古本屋さんとなっていた。藤枝在住の方からタレコミのあったお店である。営業時間が午後遅くから夜までのようなので、この時間の訪問と相成った。店頭左側に棚はあるが、本は一冊も並んでいない。入口両脇に『ふる本屋』と書かれた板と店名立看板が置かれている。明るい店内に人影は無いのだが、遠慮はせずにカラッと中へ入り込む。コンクリ土間の簡素な空間で、壁にはぐるっと本棚が設えられ、真ん中に背中合わせの棚が一本。右側の通路の方が広くなっており、平台と自転車が置かれている。右奥に小さな帳場があり、その後ろに住宅への入口がある。通路や棚下には横積み本がドバドバと…それにしても何かおかしい…。お店は新しいのだが、並んでいる本が妙に古いのだ。状態の良くないものも見受けられるが、ググッと魂が引き寄せられ、“何かありそうだぞ”のアラームが脳内でけたたましく鳴り響き始めているのだ…。右壁は日本文学・数学・児童文学・ノベルス・創元推理文庫・コミック・ハヤカワポケミス・日本文学文庫。帳場の真後ろには小さな辞書棚あり。平台にはコミック・ノベルス・推理小説が派手に山積みされている。真ん中の棚には、実用ノベルス・ノベルス・実用書・新書・ガイド・ビジュアル本・ペーパーバック・HOW TO本・児童文学・児童書・コミック・海外文学がカオスに収まっている。入口左横は積み上がるコミック箱で見難いが、官能文庫・ノベルス・ハヤカワ文庫・ティーンズ文庫などがチラチラ見えている。左壁には、新潮文庫・角川文庫・スポーツ指導書・創元推理文庫・春陽文庫(少々)・岩波文庫・コミックとなっている。奥壁は時代劇文庫専門棚の気配……うわわっ!気付いたら十二冊の本を抱え込んでしまっているじゃないか!一体俺はどうしちまったんだ…?この状態が如実に物語っているのは、面白く珍しい本が多かったと言うことである。70年代前後の本がほとんどの、摩訶不思議なお店なのである。なので自然とウハウハが止まらなくなります。さらにかなり安い!高速バスに乗ってちょっと寂しい気持ちになりながらも、ここまで来た甲斐があったと言うものだ。ようやく奥から出て来た川口順子似のご婦人に、ペコッとお辞儀をしながら「これをください」と本の山を差し出す。すると「あぁ〜、汚い古い本ですみませんね」と恥ずかしがりながら本を拭き始めた。さらに値段を確認しながら「昔の値段だわ。もっと安くしなきゃ」と次々値引きを開始!何だかおかしなことになってきたぞ。聞けばご婦人のお母様が、昭和五十年過ぎまで古本屋さんをやっておられ、それをそのままご婦人が受け継いだのはいいがお店は結局閉めることになり、本はそのまま放置していたそうである。それを、去年改めてお店を造り販売を始めたというのが、この不思議なお店の真相であった。う〜む、夢のような『昭和五十年代古本屋冷凍保存』である!長い眠りから覚めたこのお店に出会えたことを感謝し、創元推理文庫「カジノ殺人事件/ヴァン・ダイン」「霧の国/コナン・ドイル」(SF)「盲目の理髪師/ディクスン・カー」「チョルフォント荘の恐怖/F・W・クロフツ」「創元推理文庫/解説目録1980・6」春陽文庫「君は花の如く/藤沢桓夫」「サラリーマン奮戦す/笠原良三」博文館文庫「通俗三國誌 第三巻」(巻末の広告にシビれまくり!)白泉社ヒロインブック「はみだしッ子語録/三原順」ワニブックス「プロレスを10倍楽しく見る方法/アブドーラ・ザ・ブッチャー」あかね書房「見えない殺人犯/ウィリアム・アイリッシュ」「怪奇植物トリフィド/ウィンダム」を購入。結局合計1230円となったので、ほぼ100均に。ありがとうございました!古本を濡れないように大事に抱え、駅へバシャバシャと引き返し、夜の東海道線に、ふぅと腰を落ち着け、雨と共に東京へ向かう。…あぁ、やっぱり旅は、バスより電車が良いなぁ。
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2013年02月23日

2/23愛知・井原 第一ブックセンター

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様々なくびきを断ち切って、逃亡するようにして東京を離れたら、いつの間にか豊橋に。東口に出て、空中広場から直接路面電車(豊橋鉄道市内線)の始発駅へと下りる。すぐに新型の車両が滑り込んで来たので、150円を払い座席に腰を落ち着ける。路面電車にあるまじき力強い加速で走り出したかと思ったら、そのまま結構なスピードで市内を走り抜けて行く。イスラム様式の市役所や、古い民家の軒先や、架線で区切られた青空を見上げていると、古い時代の裂け目に落ち込んだ錯覚に襲われる。電車はほとんど住宅街の中まで入って行き、二十分ほどで目的の電停着。電車のお尻を見送り、道路中央の狭い島に立って、しばらくは信号待ち。『井原電停交差点』から、分岐する軌道に沿って南へ進む。200mも進んで次の信号が見えたら、左手に白い古本屋さんが見えて来た。大きな下見板張り風のお店は、青いプラ日除けを持ち、二階は住居となっているようだ。広めの駐車場を備え、複数の看板も設置し、中規模のリサイクル古書店な風貌である。が、角に造られた手動扉をスライドさせると、そこはちょっと広めで雑然とした古本屋さんであった…心の中で思わずガッツポーズ!奥の鏡の壁をバックにした帳場には誰の姿も見えないが、しばらくしてご婦人が「いらっしゃいませ」と現れ、すぐに白髪の大木こだま風店主へとバトンタッチ。その店主も柔らかな声で歌うように「いらっしゃ〜い」。壁面は本棚で、右壁にガラスケースを備えた長い帳場がある。フロアには背中合わせの本棚が手前と奥に置かれ、左壁には逆“コ”の字で造られた小空間が三つ連続している。そして入口付近には、未整理本の山々…もはや私には見慣れた光景であるが、後から入って来たお客さんは「うへ〜、こりゃすげぇな」と思わず口に出していた。入口右横は、実用・選書・ノンフィクション・ムック類が集まり、途中からゲームソフトの棚に変貌する。棚下にはみっしりとゲーム攻略本の姿。向かいにはミステリ&エンタメ文庫・時代劇文庫が収まり、下にはアダルト雑誌が平積みとなっている。中央通路はアダルト・美少女コミック・コミックで、最奥は通路棚に映画・文学評論・思想・渡辺華山・将棋・囲碁・新書・日本文学・句集が並ぶ。奥壁は植物・自然・トヨタ関連・全集・音楽・宗教・澁澤龍彦・美術・工芸・趣味・民俗学・三島由紀夫・雑本的文庫棚・戦争・美術と並び、斜めに帳場の後ろに回り込んで行く棚には静岡・東海関連の本が学術書を中心にビッシリ。入口左横からは、箱入本・戦争・大判ビジュアル本がまずは並び、小さな岩波文庫棚を経てコミックゾーン、最奥に日本純文学文庫と絶版漫画が揃って行く。絶版漫画は少年漫画以外にも劇画が充実!粒揃いで見応えがあり、しかも安いとは!思わず大量購入しそうになるが、自制してどうにか切り抜ける。全体としては、ほどほどに古い本があって楽しめる展開。安めなのが嬉しいが、良い本にはちゃんと値付けされているものも。なんだかんだで六冊を手にして、微妙に古いゲームソフトで固められた帳場へ。「ハイ、ありがとう」と軽やかに精算していただく。甲文社「寺田寅彦の追憶/中谷宇吉郎」桃源社「ロスト・ワールド(前世紀)全/手塚治虫」角川文庫「乳房喪失/中城ふみ子」(これが本日一番の収穫か!)新潮文庫「暢気眼鏡」「虫のいろいろ」共に尾崎一雄、学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」を購入。

腹を空かせながら駅まで路面電車で引き返し、西口に抜けて二年半ぶりの「東光堂」(2010/08/26参照)も。UP選書「分裂病と人類/中井久夫」カラーブックス「食虫植物/山川学三郎」「混浴温泉/藤嶽彰英」を計600円で購入し、今回は早口で愛想の良いおばさまと世間話を少々。お店が雑然としているのを、しきりと照れているのがプリティーであった。
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2013年02月14日

2/14静岡・静岡 ブックスランド 安西店

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一日がポッカリ空きそうな気配を見せたので、もはや空いたこととして、今年早くも四度目となる静岡へガタゴト向かう…静岡に気軽に(決して経済的にはそうではない)行くようになってしまった我が身がとても恐ろしい…。まずは最近有望なタレコミのあったお店を目指す。そこは割りと最近出来たような、地元の人でないと気付かぬようなお店であった…しかし残念なことに閉まっている。看板が中に仕舞われたままの、暗い店内をガルルルルと唸りつつ眺め回す。やがて諦めて離脱…要再訪として、むむ、どうするべきなのか?駅に戻りながら考える。藤枝まで行き「焼津書店」攻めを…いや、まだ行っていない「ブックスランド」(2011/08/20参照)のもう一店があったはずだ!そう気付いて北口の地下道に入り、西北に延びる『紺屋町地下街』を踏破し、地上の『呉服町通り』に出てさらに西北へ一直線に歩き続ける。700mで繁華街を抜けると、通りは『茶町通り』と名を変えて、茶葉の問屋が並ぶ地域に突入する。そして駅からおよそ一キロで『安西通り』にぶつかるので、北東に曲がり込み交差点をひとつ越える。するとガストの隣りに古本屋さんが!路上には電飾付きの立看板。建物正面に回ると、デカ過ぎる『本』の看板文字の下に、暗いガレージの奥の奥にある店舗が見えた。その姿はほとんど問屋さんで、中々インパクトのあるビジュアルである。まずはガレージの中に“ザリッ”と踏み込んで行く。左壁にはコミック揃いが薄く壁沿いに積み上げられ、ちゃんと販売もされている。奥では量感たっぷりの本の山の向こうに、100均文庫棚がちょっとだけ見えている状態。右には小さなコミック棚や、二階への階段、大きな作業台が置かれている。奥の店舗に入っても、奥深さはまだ続いている。壁際は長くぐるっと本棚。縦長のフロアには胸高の背中合わせの棚が、縦に横に二本ずつ並び、長い三本の通路を造り出している。入口左横にラノベ棚があり、左壁にビジュアル本・映画・芸能・博物学・文化・文明・静岡郷土本・ミステリ&エンタメ・歴史&時代劇小説・歴史・戦争・ちょっと古い文学本・全集類・さらに古い本と並ぶ。下部には本が積み上がり、少し乱雑模様。向かいは実用・女性・サブカル・タレント・オカルト・スポーツなどが混ざり合う棚が連続し、新書・ノベルス・ハーレクインで終息に至る。真ん中通路は前半に日本文学文庫・岩波&中公文庫・雑学文庫・時代劇文庫・女流作家文庫が集まり、後半はコミックばかり。右端通路はほとんどがコミックで、手前の通路棚だけが100均文庫コーナーになっている。遠い奥壁はビジュアル本とコミック棚。何処までも雑本的な展開を見せるお店で、古めの本も良く紛れ込んでいる。しかし良さげな本には隙無くしっかり値が…「ブックスランド」系列店に、油断はないのである。右側手前の帳場で、モコモコに厚着した大柄なアート系男性に精算していただく。東京書房「女の匂いのする兵隊/平野威馬雄」文藝春秋「唐十郎血風録/唐十郎」を購入。

駅に戻りながら「あべの古書店」(2012/12/27参照)を経由すると、今日は「営業時間外セルフサービス」(2012/04/09参照)の日。一冊の本を買うことに決め、シャッターの郵便受けに百円玉を落とし込む。チャリ〜ン。潮出版社「新宿交遊学/山本容朗」を購入。
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さらに「水曜文庫」(2013/01/24参照)も経由して、弦書房「夢を吐く絵師・竹中英太郎/鈴木義昭」を1800円で購入する。よし、また来るぞ、静岡!
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2013年02月02日

2/2静岡で遠州鉄道に初乗車して二店!

浜松から北に延びて行く『遠州鉄道』は、終点までの所要時間が三十分の短い単線。ウルトラ兄弟のような、赤白カラーリングの二両編成に乗り込み、浜松の街並を見下ろしながら、沿線の古本屋さん二店に向かう。

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●上島「丸書房」
駅西口に出て、行く手に臨む緑の丘を目指して歩き始める。真っ直ぐ西へ。道がやがて坂になり始め、『飛龍街道』(あぁ、即座に藤波辰巳を連想してしまった!)を横切り、さらに坂の上へ。すると一キロ弱で『四ツ池公園』と言う運動施設が充実した巨大公園が現れるので、迷わずそこに入り込み、公園内でも西に進み続ける。『陸上競技場』と『浜松球場』の間を擦り抜け、樹木トンネルの坂道を上がり切れば、再び一般道の交差点に出る。後はそこから真西に延びる直線道をクリアすれば、『国道257号(姫街道)』にぶつかる交差点際に、待望の古本屋さんを発見することとなる。その姿は古本屋さんと言うよりは、街の小さな新刊書店の趣き。丸みを帯びた白いプラ日除けの下には、三台の安売りラックが並び、二台には単行本&新書&文庫、一台には雑誌が面陳されている…それにしても激安だ!すべてビニールに梱包され、値段は30〜50円。思わず重なり合った本の裏側も確認してしまう。店内は新刊書店のようにしっかりと整頓されており、左右の壁は本棚で、真ん中奥に突き出した帳場があり、その両脇に壁棚から連続する小スペースがある。フロアには下が膝下平台状の背中合わせの棚が二本。通路は広く確保されており、ちょっと古めかしくも健全な店内となっている。帳場には頬杖を突いた、やさぐれた小泉純一郎風の店主がおり、脇に立つお客さんからマシンガンのように話し掛けられ「ぁぁ…」と生返事を繰り返している。さらには右奥スペースに、椅子に座り込んで本を読み込むオジサンの姿が…おぉ、土曜の昼下がりの、ある古本屋さんの光景…。左壁棚は日本文学・ノンフィクション・社会・句集・ノベルス・葉山嘉樹・全集・美術・日本文学文庫・官能文庫…うぅっ、何だかみんなとても安いぞ!100〜500円がほとんどだ!奥の方には下に平台が誂えられ、アダルト雑誌がドバドバと連続している。奥の小スペースには性愛・オカルト・科学・新書・建築・辞書・大判ビジュアル本。通路棚には時代劇文庫と歴史小説・歴史・江戸風俗が仲良く並んでいる。中央通路は戦争関連を核にして兵器・近現代史もまとめ、他にスポーツ・ビジネス・静岡&浜松・宗教が固まっている。入口横にはアイドル写真集と茶道棚あり。右端通路は、壁棚にコミック・アダルト&歴史が並び、通路棚に映画・音楽・芸能・ミステリ&エンタメが収まり、足下にホビー系雑誌が集合中。帳場周りにも小さな棚が集まり、映画パンフ・文学復刻本・海外ファンタジーが並んでいる。とにかく本が安い!四桁の本がほとんど見当たらないのは、ある意味スゴいことである。古い本はあまり無く、雑本的でもあるが、それでも光る本はしっかり見つけることが出来た。私は二冊を掴み取り、マシンガントークに割り込んで精算していただく。平凡社「人外境通信/中井英夫」鹿島出版会「お雇い外国人15-建築土木/村松貞次郎」を購入。二冊買ってもまだ三桁だ!

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●小松「古書籍 寿堂」
エッチラオッチラ駅へと戻り、再び遠州鉄道に乗車して五駅先へ。西口に出て、小さな駅前からすぐ西にある『二俣街道』を南へ。ちょっと進めば『小松南1丁目交差点』脇に、早くも『古書籍』の看板が輝いていた。駅から近いって言うのは、それだけでも良いものだな…。赤煉瓦で化粧され、立派な看板文字のあるお店に近付くと、店頭台などは見当たらず、ちょっと重厚なオーラを放っている。しかしカラリと中に入ると、硬めな見た目ではあるが、明るくスッキリとした古本屋さんであった。壁際は本棚で、フロアに背の高い背中合わせの本棚が二本。左奥の本棚の裏には、土足厳禁のサロン的スペースが隠されている。その右にガラスケースを置いた帳場があり、“学究の徒”と言った雰囲気を纏うオヤジさんが、ピリ〜ピリ〜と定規で紙を切り続けている。左端通路はこのお店の大衆寄りゾーンで、壁棚にミステリ&エンタメ・日本文学文庫・ノベルス・時代劇文庫が収まり、向かいに100均単行本・100均文庫・箱入日本文学・アダルト・囲碁・将棋が並ぶ。奥のサロンを隠す壁棚では、静岡郷土の資料&研究本がまさしく壁となって並んでいる。真ん中の通路には、左に新書・自然・思想系雑誌・ビジュアルムック・日本美術・書・工芸・静岡郷土本。右に俳句・短歌・詩集・戦争・歴史が集まる。右端通路は、壁棚に人文系・みすず書房・選書・文学・歴史がカオスに並び、奥に歴史系文庫や歴史古本が固まっている。向かいに古典文学・万葉関連・芭蕉関連・古代史の箱入本がズラズラ。またこの通路には、和本・古雑誌・絵葉書も集められている。大衆ゾーンはあくまでもリサイクル的で、歴史・俳句・郷土が突出し、こちらは古い本も多い。値段は安めで、自然と笑みがこぼれてしまう。みすず書房「波止場日記/エリック・ホッファー」キネマ旬報社「神を放った男/田中文雄」を購入。『吾輩は100円である』と大書された大きなサービス券を「今度使って下さい」といただく。ありがとうございます。

二店のお店の性質は異なるが、店内構造と値段の安さが似通っていることに驚く。これでもっと好みの古い本が売っていれば…と贅沢なことを考えてしまうが、これはこれで満足なツアーとなった。さぁ、浜松に戻って、うなぎパイでも買って帰るとしようか。

※webマガジン『ゴーイングマガジン』で場違いに連載中の『古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』』の第十一冊目が更新されました。…あぁ、この連載、毎月終りに苦しみながらも良く続いているな、と自分で感心することしきり。次回で連載一年目なので、引き続き奮闘いたします!
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2013年01月24日

1/24静岡・静岡 水曜文庫

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今日一日は自由(多分)!早めに色々済ませて、ガタゴト静岡に向かう。つい先日訪れたばかりであるが、構わず向かわねばならぬ。何故ならつい最近、新しい古本屋さんが誕生したからである!徐々に近付きつつある真新しい古本屋さんの、まだ見ぬ造作をあれこれ想像しながら車中を過ごし、北口に出る。ロータリー突端から地下道に入り、まずは静岡鉄道『新静岡駅』方面を目指して北に進んで行く。地上に出て『御幸通り』をそのまま進んで行けば。やがて『江川町交差点』。ここから北東に延びる『北街道』に入って、『新静岡駅』の入った複合ビルを右に見てから、先へ先へ…。300mほどで『鷹匠二丁目交差点』。ここからさらに進めば、右手細いビルの一階前に『古本』とある白と水色の立看板!さらには壁看板の最下段に、表裏の図柄が違う店名看板!勝手にもっと小さいお店を想像していたが、薄暗い店内は中々広く奥深いようだ…。奥まった入口の左側に、50均文庫と100均単行本の箱が載った台がある。切り文字書体のような店名を見上げてから中へ。すると右手中ほどにある帳場部分で、年配のオヤジさんが振り返って、野太い声で「いらっしゃいませ」。隣りにはダッフルコートを着た岸部一徳風青年もおり、聞こえる会話から察すると、どうやら彼もお店の人のようだ。店内は手前と奥に分かれる感じで、手前の方が少し横幅が広くなっている。装飾は少なめでストイック。入ってすぐ右に絵本・児童文学棚があり、古い本が良く目立って…うあぁぁぁぁあっ!いきなり佐藤暁(現・佐藤さとる)名義の「だれも知らない小さな国」を発見してしまった!函無しで状態はあまり良くないが、何と300円!どひゃっほう!と心の中で喝采し『ぜひウチへいらして下さい』と胸に掻き抱く。静岡で“佐藤暁”の本を見つけたのは二度目(2012/12/27参照)…スゴいぞ、静岡!もはやウキウキが止まらない。右壁棚の向こうには帳場ゾーン。フロアにはミニコミやリトルプレスを置く棚があり、開店祝いの花も飾られている。左壁には、料理・食・古い児童書(少々)・洲之内徹・村山槐多・骨董・芸術・建築、そして気合いの入った棚二本分のケルト&アイルランド本。さらに奥へ進むと、ちょっと狭まる奥のフロアーに突入。左の壁沿いにはまずは机棚が置かれ、島尾敏雄一家VS武田泰淳一家の、ファミリー対決が開催されている。続く高い壁棚には、女性史・女性運動・反戦・社会運動・学生運動・近代史・静岡郷土本と並んで行く。フロアには在庫僅少新刊本が並ぶテーブルと、奥に小さな文庫箱を載せた長テーブル。その右隣りには強固な大きいスチール棚が立ち、左面には映画・落語・音楽・写真集・末井昭・南伸坊・赤瀬川原平・漫画評論・セレクト漫画・ポップカルチャー・歴史小説・時代劇が並び、右面は文芸雑誌・海外文学・パリとなっている。棚を見ている間に、お客さんが次々と入って来る。どうやら新しいお店が出来ているので、様子を探っているようだ。右端は前述のスチール棚と壁棚に挟まれた、人ひとりが通るのがやっとの細い通路になっており、壁棚にアナキズム関連、日本文学・田中小実昌・幻想文学・文学評論・本&古本&書店・現代思想・民俗学・宗教・吉本隆明・平岡正明・竹中労などが収まる。これから進むべき方向をしっかり見据えた、良いお店である。硬軟が趣味性高く融合しているが、硬の割合の方が大きい。老舗店的街の古本屋さんがほとんどの静岡では、あまり見掛けないタイプのお店なので、これから市民に重宝されて行くのではないだろうか。値段は普通。講談社「長編童話 だれも知らない小さな国/佐藤暁」PHP ESSAY BOOKS「おい、友よ/平岡正明」知恵の森文庫「ふらふら/田中小実昌」を購入。このように探し求めていた本を見つけた古本屋さんは、よほどのことが無い限り、自分にとって特別な良いお店として記憶にガリッと刻み込まれる。静岡に来たらまた寄ることにしよう、開店おめでとうございます。
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[現在の村上勉描くコロボックルとは違い、アイヌ的イメージが漂う。表紙の絵は、変装用のカエルの皮を脱ぎ捨てたシーン。何と本文のレイアウトは安野光雅である]

※お知らせ1 古本界の特異点『古本ざしきわらしが行く』で、緩〜い新春座談会が掲載中。
※お知らせ2 『新刊屋ツアー・イン・ジャパン』連載中のトマソン社「BOOK5 第五号」が1/25に発売。今回は開店前にニョロニョロが出現する本屋さん……お楽しみに!
posted by tokusan at 22:12| Comment(4) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする