2011年04月23日

4/23静岡・静岡鉄道沿線二店!

東海道線と静岡鉄道を乗り継ぎ西へ。くるくる変わる天気を潜り抜けて行くと、結局は雨風の街。コンビニで傘を手に入れ、湿気に包まれた街に古本を求めて、よし行くぞ!

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●県総合運動場「古書 悠遊堂書店」
静鉄の島式ホームから、地下道と改札を抜けて『総合運動場』方面へ。そしてすぐ東にある大通り『南幹線』へ出て、東北に300mほど。二つ目の信号を過ぎて、前方に高速の陸橋が近付いた所で、左手マンションの一階に広がる店頭棚群が目に入って来る。軒の日除けは跡形も無く、骸骨のようなフレームだけが残っている。店頭左端にはボロボロの黄色い立看板があり、『古本・CD・レコード』の文字。七本の店頭棚は六本がコミックで、左端の一本に50均文庫が並んでいる。ガゥ〜ンとうるさい自動ドアから店内へ。縦長で右側がより奥まるカタチである。壁際はすべて本棚で、フロア手前に縦に背中合わせの棚が二本、右側中ほどに横向き棚が一本、右側最奥に縦置き背中合わせの棚が一本。中央左側にはガラスケースで造られた帳場があり、白髪を刈り込み黒縁メガネがお洒落な“いしかわじゅん”風男性が、膝元のテレビで大河ドラマを鑑賞中。左側はコミックばかりなので、一瞥しただけで右側へ。真ん中通路は左側が雑誌ラックで、帳場のガラスケースにはプレミアアイドル写真集・漫画雑誌・文学雑誌・パンフレットなどが飾られている。良く見ると帳場の背後に絶版コミック棚が一本。向かいの通路棚は、新書・廉価サブカル本・ハーレクイン・ノベルス・雑学文庫。足元には廉価コミックが詰まったダンボールがズラリ。入口右横は雑誌ムック棚で、右壁は実用・絵本・児童文学・ガイドブック・資格・ミステリ&エンタメ・サブカル・時代小説・日本文学・新書・アダルト・自然・生物・鉄道・旅・登山・釣り・囲碁・将棋と奥まで続く。手前の通路棚には日本文学文庫、真ん中の横向き棚にはジャズ・アイドル写真集・J-POP本が収まっている。奥の壁棚には、映画・美術・科学・詩歌・みすず本・哲学・思想・宗教・歴史が並び、フロア棚には海外文学文庫・日本純文学文庫・岩波文庫・教養文庫・絶版文庫の姿。左壁棚には語学・大判美術本・静岡関連本・京都・東京・郷土本が並び、足元にはレコード箱が置かれている。広くて本の量も中々の街の古本屋さん。ソヨソヨとした緩い棚造りの風が、優しい気持ちを呼び起こす地元店なのである。値段は全体的に安めで嬉しい。静岡県地学会「東海自然歩道の地学案内」小学館文庫「小さな博物誌/河合雅雄」創元推理文庫「樽/F・W・クロフツ」を購入。

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●草薙「子供の本専門店 ピッポ」
JR駅を出て駅前通りを南東に70mほど進むと右手に現れる。静鉄の草薙駅も至近である。赤い日除けの下にあるのは、木材が柔らかく優しいメルヘンな店構え。絵本や児童文学の専門店なのだが、古本も扱っているらしい。軽い木製フレームの扉を開けると、絵本がお店中にドワッと広がっている…しかし!所々に未整理の古本の山!児童文学だけでなく、漫画や表紙イラストがイカした昔の大衆小説なども積まれている。棚や大きな平台を見て行くと、本はピカピカでスリップがちゃんと頭を覗かせている。…新刊か…では何処に古本ゾーンが…と店内をウロウロ。とこの時、初めて店内に誰もいないことに気付く…奥にいるのだろうか?そして左奥に進んで行くと、二本の棚に古本が並んでいるのを発見。演劇・シナリオ・岩波少年文庫・児童文学・「こどものとも」・「かがくのとも」・「PeeBoo」・SF少々・児童科学本・「科学大観」・登山などが並んでいる。帳場の棚に並んでいるのも古本っぽいが、手を出すことは出来ない。おっ、帳場前に絵本古本棚もあるぞ。新刊がメインのお店で古本は少ない。何かを探しに来るよりは、新刊絵本を見るついでに覗くぐらいのスタンスが良いようだ。しかしそれでも欲しい本はしっかり見つかった。本を手に、奥に向かって「す・い・ま・せ〜ん」と声を掛けてみる。反応は無く、チャカポコと雨垂れの音が空しく聞こえて来る…。何度か声掛けを繰り返し、終いにはかなりの大声で「すいませーん!」と言ってみる。しかし誰も現れない…うーんどうしよう。こうなったらお金と『○○を買いました。代金です』とメモでも置いとくか…と思ってたら、表からご婦人が戻って来て「あら!すいません」。ふぅ〜良かったぁ。朋文堂新社「山の科学/原田三夫」を購入。

静岡古本行を短い時間だがたっぷりと楽しむ。一店入れないお店があったが…。しかし私の頭は、昨日買ってさっき読了したばかりの「日本のミイラ」にだいぶショックを受けているのだ!おぉ、ミイラよ!不思議で素敵なミイラたちよ!まさかこの齢になって、静岡で自分の中にミイラブームを起こしてしまうとは…しかし気持ちの持ってき方に困るマイブームだな…。
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2011年04月16日

4/16愛知・川名 古書 百萬文庫

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鶴舞で地下鉄鶴舞線に乗り換え、三駅先へ。『名古屋古本屋ロード』(2008/06/14参照)も改めて歩いてみたいが、今日はその時間は残念ながらナシ。およそ十分弱で着いた、陰鬱な70年代的駅構内から『2番出口』で地上へ。明るく白く空が広い街路には、すぐ横に子供たちが全力で遊んでいる『川名公園』があり、目の前には南北に延びる『川原通』。まずはそこを北へ歩いて行く。街中なのだが、右手には広大な空地や造成中の公園が続き、遠くまで見通せるのがとにかく気持ち良い。やがてナナメの『安田通』とぶつかる『川原通7交差点』。そこから一旦東南に下り、すぐ次の信号で北東へ延びて行く道に入ると、少し間延びした商店街的風景。200mほど前進すると、右手に七店が連なる住宅兼店舗長屋が姿を見せる。その左から二番目の二階上部には、色褪せた『古本』の看板が!さらに近寄ると、まず目に入って来るのは、黄色と黒と赤文字のドギツイ日除け看板。こってり系ラーメン屋に見えなくもないが、日除けの下には間違いなく店頭棚が存在している。入口を中心に左右に“コ”の字型に棚が組まれ、ビニールに包まれた50円均一文庫の姿!右に海外ミステリ・海外文学・日本文学一部・岩波文庫、左に日本文学がズラッと並んでいる。棚にはブランクがあり、文庫も日に焼けてザラつき気味だが、中々惹き付けられるラインナップなので、お店の中が早くも気になりながらも、一冊一冊しっかり確認する動きになってしまう。スピードを奪われながらもどうにか見終わり、コミック文庫と日本文学文庫の間を通って店内へ。うむむむ…薄暗く文庫本ばかりが挑み掛かって来る不敵な光景…これはいいな…。入ってすぐ右側に、本棚に囲まれた帳場があり、二人の男性が原発についてクールに議論中。壁際はすべて天井までの本棚、真ん中には長めと短めの背中合わせの棚が一本ずつあり、長めの棚の入口側には横に張り出した本棚がある。帳場下にもしっかりと本棚。そして店奥には、本棚に囲まれた小部屋も確認出来る。まずは帳場下の古い海外文学文庫に心奪われながら、続いてフロア棚の左棚手前&張り出し棚に吸引される。そこは絶版プレミア文庫中心の棚造りとなっており、戦争・探偵・海外SF&ミステリ・幻想・落語・サンリオ文庫・教養文庫・旺文社文庫・創元SF文庫が並び、私の心はすでにこのお店を良いお店だと認定してしまう!早速文庫を三冊ほど掴んでしまい、左端通路へ移動。入口部分はコミック文庫で占められているが、奥は190円が基本の雑学&日本文学文庫。マイナー作家まで網羅し、品切れ・絶版も多く並んでいるようだ。奥壁棚にもそれは続いており、右端に時代劇文庫が集まっている。とにかく楽しく面白く、自然と本の背をじっくり眺めて行くことになり、私はもはや独り牛歩戦術歩行…。真ん中の通路に入ると、ここは280円以上文庫のゾーンとなっており、絶版度・日本近代&純文学度・教養度・探偵度がグンとアップしていた、興奮必至の品揃え!…うあぁ、私の速度はもはやカタツムリに貶められた…。右側の短めフロア棚には、海外文学文庫がたっぷりと収まっている。帳場前から続く右壁棚は、講談社学芸文庫・ちくま学術文庫・岩波文庫・新書・ブルーバックスが並んでいる。興奮と疲労を抱えながら、ようやく奥の小部屋に突入。左側にはハヤカワ文庫・創元推理文庫を核とした海外文学190円均一文庫、右には新書(絶版あり)、そして古い岩波文庫・改造文庫・新潮文庫が、茶色く黒くうずくまっている。新書とブルーバックス以外は、とにかく文庫嵐が吹き荒れているお店である。絶版・品切れ文庫も多く、グッドな棚造りは、半ば夢の世界かと思えるほど!値段は安めで、プレミア値もかなり抑え目の良いお店なのです!ふう〜ぅ、静かなる興奮を湧き上がらせながら、一時間以上お店に滞在してしまった。五冊の文庫を手に帳場に向かおうとすると、息を切らせてたくさんの買物袋を手にしたアジア人が飛び込んで来た。そして帳場の、まがい物フライトジャケットを着たオヤジさんに向かって「バクマンはありますかぁ?マンガのマンガです」と質問。「バクマン?…う〜ん、バク…マン…。そこに漫画は並んでるから、あるんならそこだよ」とアドバイス…「BAKUMAN」はまだ文庫サイズでは出てないと思います!旺文社文庫「落穂拾い・雪の宿/小山清」中公文庫「大阪自叙伝/藤沢恒夫」創元推理文庫「陸橋殺人事件/ロナルド・A・ノックス」文春文庫「年の残り/丸谷才一」(野呂邦暢解説!)ハヤカワミステリ文庫「時の娘/ジョセフィン・テイ」を購入。

「百萬文庫」で時間を大いに使ってしまい、この後の計画が大幅に狂う。もちろんその甲斐は充分にあったのだが…。と言うわけで予定を変更し、荒畑駅近くの「御器所書店」へと向かう。このお店は二年ほど前に訪れたことがあるのだが、その時は古書市のために臨時休業しており、入店叶わなかったのだ。今度こそ!の思いを胸に、お店の前にたどり着くと、何とシャッターが閉じられている。そしてそこに貼紙があり、三月いっぱいで営業を終え、岐阜県で7/16から新たに営業を再開すると書かれていた!…何てこった。こうなったら意地だ。いつの日か絶対に訪ねてみせるぞ!
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2011年04月02日

4/2静岡 大岡 weekend books


weekend_books.jpg新宿から、小田急線・東海道線・御殿場線と乗り継ぎ、コンクリ杭に囲まれた屋根も無い駅。ポカンと長閑である。改札を抜けて長閑な駅前から踏切を渡って、駅の南側へ。そのままうねった車通りの多い道を、道なりに南方面へ進んで行く。やがて現れるセブンイレブン手前の小道を東へ。ここからは完全なる田舎の住宅街である。ズンズン進んで行くと、道はやがて石垣に挟まれた坂道となり、東海道線の下を潜ることとなる。そのまま今度は南に進むと、直線が一キロほどキレイに続く長閑な田舎の道。道端に多い道祖神や、大きな家々の様子を楽しみながらテクテク。緩やかに上下している道には、この陽気のせいかユラユラ逃げ水が出現している…久々見たな。やがて先には『旧国一通り』にぶつかる信号が見えて来る。お店や事務所がチラホラ目に付くようになると、右手に駐車場を備えた二階建ての横長なお店が現れる。軒には木枠で地が桜色の店名看板、一階右側はガラス張りで入口があり、左はショウウィンドウで古いピアノや椅子が置かれている。田舎道に忽然と現れた立派なお店である。入口左側には安売り棚があり、雑誌・文庫・単行本・音楽CDがざっくりと収まっている。入口右脇には『10:00〜16:00、休みは水曜、古本・雑貨・CD・焼菓子・コーヒー』と書かれた黒板。戸を引いて中へ入ると、白を基調としたお洒落で抑制の効いた余裕のある空間…き、緊張。正面と右側がカフェ&雑貨スペースで、左の漆喰壁に囲まれた空間はCD&ギャラリー的スペースとなっているようだ。正面のテーブル前には大きな階段状になった、アンティークっぽい平台があり、絵本関連本や暮らしのビジュアル本が並べられている。正面奥は一段高くなり、床はオイルの染み込んだ板張り。壁には大きな本棚が設えられている。胸くらいの高さの書架用梯子あり。右奥がカウンター帳場となっており、白髪の紳士と若奥様な女性の姿。左壁に飾られた多数の谷川俊太郎本を眺めてから、本棚の前へ。並んでいるのはキレイな本ばかり。セレクトコミック・外国・暮らし・生活・デザイン・美術・女流文学・セレクト日本文学・セレクト海外文学・食・エッセイ・随筆・大人ファンタジー・絵本&児童文学(海外翻訳中心)・鳩山郁子…。上品で清楚で美しい棚造りである。女子&乙女から美しい母へ、な流れ。野溝七生子・尾崎翠も並び、しっかりとした根深さも見せたりしている。値段は普通〜高め。途中、車で駆けつけた女性は、棚の前でカクッとしゃがみ、本の背を追いながら「ハァ〜アァ」と悩ましいため息をついていた。お店に相応しい丁寧な応対で精算を済ませる。外に出ると先ほどと何ら変わらぬ、長閑な田舎道。くしゃみを連発しながら、帰りは沼津まで徒歩で戻る。マーブルトロン「私が1ばん好きな絵本 100人が選んだ絵本」青林工藝社「青い菊/鳩山郁子」を購入。

行きのコースを逆にたどり、小田原で小田急線に乗り換える際、街に出て「お濠端古書店」(2009/05/03参照)を訪れるが、店主が外出中で入店叶わず。そのまま帰るのも癪なので、「守谷のパン」と言うお店で甘食を購入。空気が多めのフワフワで、半分パンのような弾力で、ほど良い甘さ。美味しい!
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2011年02月12日

2/12愛知・蒲郡で古本と別れとオヤツパン二店!

遠くに行きたくなる病が、激しくぶり返し抑えきれなくなったので、比較的天候が安定しているであろう土地を選んで西へ!その濁点の響きが特徴的な『がまごおり』は、山と港に挟まされた、高い建物の無い長閑な地方都市であった…。


kamokudo_shoten.jpg●蒲郡「花木堂書店」
北口からロータリーの突端に進み、左右に見える大きな通りではなく、真ん中の『蒲郡北駅前信号』から、ビルとビルの隙間の小さなうらぶれた商店街を北に進む。するとすぐに『市役所通り』に行き当たり、交差点の四隅に低層の古い集合住宅兼店舗が集まっている光景。そして北東側の交差点脇に、早速古本屋さんが出現している!一階に組み込まれた店舗は外壁がタイル張りで、看板などは見当たらず、代わりにドアや窓に『朝日歌壇』掲載の短歌と共に、紙にプリントされた店名が貼り出されている。『営業中』の札を確認して、いざ店内へ。お店は入口部分より二段高くなっており、土足で上がり込む仕組み。壁際はぐるっと本棚、真ん中に小さめの背中合わせのスチール棚が四本、入口側に小さな丸テーブルあり。入口部分はワゴンと本棚が一本。右前方に帳場があり、その奥のカーテンの向こうに、本を持った店主のシルエット。「いらっしゃいませ」と小さく言い、こちら側に登場。私は会釈をして、右の100均文庫ワゴン、左の100均文庫&ソフトカバー棚を眺めてから、店内に足を掛ける。すると店主から何か言われた、が何と言ってるのか判らない。「ハイ?」と聞き返すと「背中のそれを外してください。ここは狭いから」と、私の背負うディパックへの指摘であった。「判りました。何処に置いとけばいいですかね?」「そこのテーブルの上に」。よし、準備完了!帳場の手前にはガイドブック類の棚があり、足元には朝日ソノラマ文庫。テーブル横の手前棚には、児童文学・児童入門書・絵本・図鑑・最近刊文学。ナナメの左窓下には、サブカルムック・自然・園芸・ペットが並び、左壁の実用・最近刊ミステリ・ノベルス・日本文学・海外文学と続いて行く。林立するフロア棚は手前から、赤川次郎&西村京太郎文庫・SF&推理文庫・ミステリ&エンタメ文庫・日本文学文庫・時代劇文庫・雑学文庫・海外文学文庫・海外ミステリ文庫・日本純文学文庫・新書、そして岩波文庫・朝日文庫・教養文庫・講談社文庫・ちくま文庫・中公文庫のノンフィクション系&教養系が、セレクトされた並びを見せる。奥壁に、漫画評論・エッセイ・随筆・言葉・女性関連・医療・ノンフィクション・宗教・オカルト・詩集・歌集・句集が収まる。さらに帳場横に、音楽・映画・演劇・三河&蒲郡関連・歴史・戦争・美術と言った構成。古い本はそれほどないが、程好くセレクトされた棚が連続する。海外ミステリに交じる角川文庫や、詩歌句の充実についつい引き込まれてしまう。値段は安め〜普通で、値段の書かれていない本は、文庫→100円、雑誌&新書→200円、単行本→300円となっている。二冊を選び、先ほどから本の整理をしながら「ちきしょう」などと口走ったりしている、ちゃんちゃんこ着用の中学教師風壮年店主に精算をお願いする。彼は終始無言で手続きを進め、袋詰めした本を手に動きを停止…値段を告げないのか。と思いつつお金を手渡す。その生活感溢れる姿とは裏腹に、無口でハードボイルドなご店主であった。集英社「憐れみの処方箋/エルヴェ・ギベール」国民文庫「映画をつくる/山田洋次」を購入。


misono_shobo.jpg●蒲郡「みその書房」
続いてそのまま脇道の『駅前商店街』を北上して行く。昭和と言う時代の匂いを全くもって隠し切れない、寂しい商店街を楽しみながらツラツラと300mほど。すると『銀座通り』にぶつかる右手手前に、本日の二店目を発見。むぅっ!このお店は…古本屋オーラがデロデロと流れ出している!面取りされた角の壁面は、長い風雪に耐えて来たブリキ看板と、壁一面を覆う『古書一般 切手 古銭(切手と古銭は渋いイラスト付き)』の大看板!ドキドキしながら右側のサッシ扉から店内へ。天井が高く、ちょっと変則的な店舗で、古い古い木造の店内。真ん中の木製の背中合わせの棚を境に、小さく左右に分かれたカタチである。壁際には造り付けの本棚が張り付き、ナナメ壁の裏側もしっかり本棚。左奥に茶色く輝く小さめの帳場があり、老婦人おひとりで本の値付け中。完全に時空を歪ませている光景に感嘆し、小さくひとつ息を吐く。右壁には児童文学・児童書・全集類・日本文学・古い実用&学術本。棚にブランクはあるが、本の茶色度がかなり高い。足元には古い雑誌&グラビア誌の山、それにエロ雑誌木箱。通路棚には、松本清張文庫・雑本文庫・春陽文庫(時代劇)・オカルトノベルス、そして下にエロ雑誌木箱。奥壁は、日本文学・思想・ノンフィクション・山岳・短歌(大量!充実!そして古い!)社会・雑誌附録・囲碁・将棋・戦争など。左側ゾーンに入り、通路棚裏側は新しめなアダルト、ナナメ壁棚には結構多めな絶版漫画と少量の貸本漫画・怪奇漫画・通常のコミック・辞書・美少女コミックが収まっている。帳場の背後には厳めしい箱入り本が並び、愛知&蒲郡本・資料本類が確認出来る。アダルト・一部コミック以外以外時間が停まり気味だが、そこにしっかり味があり、本当にほぼ昔の古本屋さんである。古い短歌本と絶版漫画(雑本的ではあるが)が充実!値段は安め。二冊を探し出して帳場に声を掛けると、「これはサンコミックスなんで少しお高くなりますよ」とドキッとする言葉!「お幾らでしょうか?」「200円です」「いただきます」と即答。こんなやり取りを交わしていると、突然「もうお店を閉めることになったので、在庫一掃セール中なんですよ」「ええっ!…そうですか。いつお閉めになるんですか?」「春から夏頃をメドに…今まで贔屓にしてくださってありがとうございます」とペコリ。恐縮しながら「あ、初めて来たんですけど、またそれまでに来られたら寄らさせていただきます」「そうですか。ではその時には勉強させていただきます」と再びペコリ。うぅっ、一見の客に優しいお言葉…少し胸が熱くなる。「ありがとうございます。長い間お疲れ様でした」「いえいえ」とニッコリ。あぁ、こんなお店に出会ったその日に、閉店を告げられてしまうとは!蒲郡周辺のみなさん、夏までにぜひ「みその書房」で思い出作りを!サンコミックス「かたばみ抄/あすなひろし」「東海古書店地図帖 愛知・岐阜・三重」を購入。

ちょっと心をかき乱された蒲郡に別れを告げ、隣駅の三河塩津へ向かう。目的は古本屋さんではなく、“ぐるぐるパン”の売っている『ミシマパン』!その渦巻状の、砂糖とバターでほんのり味付けされたパンは、蒲郡出身の知り合いに教えていただいた、蒲郡のB級オヤツグルメなのである!何度かオミヤゲにいただいた、素朴な味のトリコになって早三年。と言うわけで“ぐるぐるパン”以外にも、ラスクや揚げたぐるぐるを購入し、大満足で蒲郡行に終止符を打つ。ありがとう、G.M.G(GAMAGORI)!!
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2011年01月23日

1/23静岡・西焼津 焼津書店 焼津店


yaizu_shoten_yaizu.jpg静岡駅を過ぎると東海道線は、海に落ち込む山裾をしばらく進む。最初の目的地は焼津で、着いた途端にTV時代劇『素浪人 花山大吉』の焼津の半次のテーマ(正式タイトル『風来坊笠』)が、頭の中で激しくリフレイン。その痛快な脳内ミュージックをBGMに、船員御用達の古本屋さんを探し当てると、はぁ…哀しみの定休日。がっくりと肩を落としながらも、“半次のテーマ”は相変わらず脳内ヘビーローテーション。海を見ることなく駅へ戻り、売店で買ったおにぎり(美味)を食べつつ隣駅へ移動。北口を出ると小さなロータリーで、客待ちのタクシーは、運転手がみんな車内で横になっている。ロータリーから真っ直ぐに北に進むと、すぐに小石川が現れる。その川に沿って北東へ歩んで行くと『豊田交差点』…東の方角に『古本』と大書された、巨大蝿叩きの如き真っ赤な看板が、頭を空に突き出している。迷うこと無くお店の前に導かれ、ホッとひと息。店前に駐車場を完備した、キレイでしっかりとしたお店である。その佇まいは簡素なギリシア建築のようで、もろにリサイクル古書店風…。明るく広い店内に入ると「いらっしゃいませ」の声が降りかかり、BGMにはひたすら嵐が流されている。う〜ん、コミックと新しい本ばかりだな…と右奥の古本ゾーンへ向かう。右壁際に、児童文学・絵本・女性実用・旅行ガイド・趣味&カルチャー雑誌群が並んで行く。向かいの通路棚は105円均一で、文庫・ノベルス・新書・単行本・ムックがズラリ。文庫には絶版が少々と、古い文学本も混ざったりしている。しかしそれほど目ぼしいモノはナシ。右端から数えて第二第三通路も古本で埋められており、雑学文庫・105円岩波文庫・新書・105円新書・ハーレクイン・ラノベ・ティーンズ文庫・Blノベルス・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫など。文庫は定価の半額が基本となっている。奥壁に進むと、右からスポーツ・趣味・辞書・自己啓発・教育・ビジネス・精神世界・サブカル…ほぉ、良く見ると古本は左端まで続いている。映画・日本文学・文学評論・全集類・海外文学・ミステリ&エンタメ…おっ!野呂邦暢!これは持ってるが、あまりに安いから買い!チョコチョコ古めの本も顔を出すので、ちょっと目が離せない。最後に左端通路へ。ここは古い本が多いな。左壁際に美術・陶芸・ビジュアルムック・民俗学・書・少量の紙物が並び、後はアダルトがレジまで続く。向かいの通路棚は、歴史・静岡郷土本・全国各地郷土本、そして後は絶版漫画と古い少年漫画誌の構成。お店の外周通路が古本で埋まっているのである。基本はリサイクル古書店だが、古い本の取り扱いもあり、捨て難い雰囲気。値段は安め〜普通となっている。そしてこのお店、隣駅にも支店が二店あり、この辺りでマイナーチェーン店として隆盛を誇っている模様。いずれ改めて、残り二店も訪ねることにしよう。文藝春秋「野呂邦暢作品集」…この本は前は沼津で購入した覚えが…静岡、ありがとう!読売新聞社「日本の秘境/柞木田龍善」TBSブリタニカ「日本SFアニメ創世記/豊田有恒」を購入。

この後、清水駅で途中下車し、以前訪れて入店叶わなかった「山一書店」を再訪する。ところが今日もお店は開いていなかった。おじいさんが出入りしていたので、しばらく張り込むように離れた場所から様子を伺う…辛抱強く15分ほど耐えたが、やはり開く気配はナシ。このお店は、いつか絶対入ってみたい!…それにしても、今日も八時間あまりの電車移動。連日はさすがに身体にガタが来る…。
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2010年12月18日

12/18静岡・本吉原 渡井書店


watai_shoten.jpg富士山が見事なフォルムを見せてくれる、東海道線・吉原駅ホームの西端から、跨線橋を渡って岳南鉄道のホームへ移動。ローカル色満点の電車を待っているのか、多数の鉄道ファンがカメラを手にしてウロウロしている。緑色でガラスの汚れた二両編成の電車に乗り込み、三駅先を目指す。電車は製紙工場の間を進み、到着した無人駅は、崖のように高い工場の壁の下に張り付いた、日陰の駅であった。ホームから下りて踏切を渡り、北の大通りへ。どこまでも付いて来る富士山は、やはり美しい。通りを西に向かって進み、ひとつ目の信号『和田町公園』のある脇道を北へ。200mほど進むと、渋い街の商店街の道に突き当たるので、そこを西へ。素敵な古いパン屋のある十字路を過ぎると、右手に『本』の文字が見えて来た!あれか〜、とお店の前に仁王立ち…しかし何だか古本屋さんっぽくない。店頭には『ゆうパック』『年賀ハガキ』の幟が翻り、窓には新刊雑誌のポスターがペタペタ…おまけに見えている店内は新しい雑誌ばかり。…うわぁ、こんなとこまで来てやっちゃったなぁ〜、とお店の前を力なく離れ、ちょっと先の交差点で対策を考える。「古本屋名簿」を見ると、ちゃんと『古書一般』って書いてあるけどなぁ…。仕方ないからちょっと戻って、「weekend books」に行ってみるか。しかし!その前にもう一度確認しておこう。そうだ、静岡の地図を買うことにして店内を偵察すれば…と未練たらしく再びお店の前。意を決してサッシを開けると、奥深く天井の高い店内。その最奥に立っていた、老齢の神代辰巳風店主と視線がガッチリ。少し気圧されたので、頭をちょっと下げる風にして右側通路へ避難する。入口の左横にレジがあり、壁は本棚、フロアには右に長い背中合わせのラックがあり、左に天井までの背中合わせの本棚が一本。新刊雑誌・アダルト雑誌・コミック・文庫・ノベルスなどで、ラックも棚も埋まっている。新刊ばかりと思ったが、良く見ると所々に色褪せた本が顔を出している。…う〜ん、古本にも見えるし、棚晒しの新刊にも見えるし…と奥まで行って真ん中通路をレジ前へ。そして左端のアダルト通路に入り込むと、右側棚と奥の部分に古本たちが集まっていた!よかった!古本だぁ〜。こりゃ入ってみないと判らないな。難関を乗り越えた達成感に包まれながら、右側棚から視線を動かして行く。充実の静岡関連本(文学・歴史・自然・民俗学・鉄道・地理など)・歴史・日本刀・江戸風俗・箱入り資料本、そして奥壁に書・心霊・映画・演劇・骨董・陶芸・日本文学・文学評論が並んでいる。新刊書店とアダルトの山を突き抜ければ、古本と対面出来るお店である。ジャンルは硬めなので、値段も高めな傾向。神代店主に精算していただき、満足しながら外へ。出たところで、お昼ゴハンをまだ食べていないことに気付く。先ほどの素敵なパン屋『日東ベーカリー』で、アンパンとカレーパンとオミヤゲのドーナツを買い、帰りの電車の中でムシャムシャ。口を動かしながら車窓を眺めると、鉄道ファンのカメラの砲列がそこかしこに出現している!…何だかスゴイことになってるなぁ。みなさんの写真に、パンを食ってるオッサンの姿が写り込んでいないことを、願って止みません。雄山閣「日本の首塚/遠藤秀男」を購入。
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2010年12月11日

12/11富山・富山 今井古書堂

越後湯沢より、特急・はくたか6号に乗り換える。最初は枯れ木と枯れ草の山間と、トンネルと水の無い水田が続くだけだったが、一時間ほどで日本海と接触!予想外に穏やかで緑がかった海は、海岸沿いを西に列車が進んで行くと、その色を次第に青く深く変化させて行く。やがて左には、雪を被って霜降り肉のようになった立山連峰。その神々しいまでの険峻さに目を奪われながら、列車はゆっくりと市街地へ滑り込む…。


imai_koshodo.jpg駅南口のロータリーから脱出し、東寄りにある市内電車の停留所『富山駅前』から、古い路面電車に飛び乗って大学前方面へ。路面電車、いやチンチン電車は、もう乗るだけでニコニコ出来る幸せな乗り物である。三駅目の『丸の内』で下車すると、そこは『城址公園』の真ん前。南に接する『国道41号』を渡って東に向かい、二本目の小道を南に進むと『市民プラザ』の裏手に出る。建物に沿うように南に歩き、突き当りを東に向かうと、視線の先『城址大通り』の向こうには、看板文字が派手な『総曲輪通り商店街』が見えている。そして大通りの手前、市民プラザ裏手に目指すお店を発見!小さな古い三階建てビルの一階が店舗となっている。路上には青い立看板、前面はガラスとサッシで構成され、上部には店名(こちらは「今井書店」と書かれている)、窓は一面『本買受』の貼紙で覆われている…どう見ても不動産屋の店構えである。サッシを開けて店内へ…ほぉう、芳しき古本の香りが充満している。コンクリ床の店舗は奥行きがあり、両壁には合計二十本以上のスチール棚がベタリ。フロア真ん中には片側八本ずつの背中合わせスチール棚がズズイッと二本。その先には木箱の重なりがあり、最奥に倉庫的棚も交えた広い帳場が見えている。そこには横向きに石原慎太郎風店主が座り、壁のテレビでサッカー・プレミアリーグを観戦中。出入口の左右では、ビジュアル本&ムック・雑本棚、和本の置かれたラックがまず目に入る。右壁には、世界文化・思想・哲学・社会・中国・演劇などが、多様にカオスにひたすら並んで行く。奥の方はビジュアル本・大判本・図録・作品集が収まっている。向かいは新書から始まり、雑学文庫・教養系文庫(ジャンル分けあり)・岩波文庫・海外文学文庫と並ぶ。奥に進むほど絶版率が高くなり、大いに見応えあり。そして棚脇の木箱には、さらに絶版文庫が続いた後に、唐突に出現した感のある貸本漫画群が収まっている。貸本漫画はこの裏側と、左側の棚脇にも置かれている。立ったりしゃがんだりして、上へ下へと忙しなく視線を動かしながら真ん中通路へ。右側にはハーレクイン・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫、そして奥に探偵小説文庫・日本純文学文庫・日本近代文学文庫がズラリ。ここも絶版が目白押しなので、目が皿になること請け合いである。向かいは、古典文学・日本語・俳諧・文学評論&評伝・日本文学・宮澤賢治関連・源氏鶏太・八切止夫・戦前文学本が収まる。左端通路は、壁際に富山関連本(自然・文化・文学・民俗学・歴史)・美術・骨董・民芸・日本刀・民俗学・風俗・江戸・米騒動・薬売り、そして後は箱入り資料本が並んで行く。通路棚は、考古学・古代史・歴史・宗教・禅・北陸資料本。単行本は硬めな並びだが、日本文学評論と富山関連本が突出。そして絶版文庫と貸本漫画が驚きを与えてくれる。しかし、値段は高めのスキ無しなのであった…。相変わらずサッカー中継に夢中の店主に声を掛け、素早く精算。無事に富山での輝かしい第一歩を、美しく刻むことが出来ました!教養文庫「茶室と庭/重森三玲」を購入。

しかしその後が大変であった。第一歩に続いて第二歩も、と市内電車『上本町』横のお店を目指すが跡形も無し。空には突然厚い雲が垂れ込め、冷たい風が吹き始める。続いて富山駅まで戻り、北口から『富山ライトレール』に乗り込み、路面電車とはちょっと違う、低い視点と快適な乗り心地で、富山港近くの「伊波世書店」を目指す。突然の雷雨にめげずにお店にたどり着くも、銀のシートで目隠しされた扉はピッタリと閉ざされていた…。そして富山滞在タイムリミットが近付いて来る。しょぼくれて駅まで戻り、はくたか19号に乗車。…これなら八時には東京に着くな…と思っていると、強風のため糸魚川にて運転見合わせ…あぁ、私は東京に何時に戻れるのだろうか…。
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2010年11月21日

11/21静岡・沼津 十字堂書店


jyujido_shoten.jpg逃していたお店を求め、本日の仕事ノルマを片付けすっきりして、一年一ヶ月ぶりの沼津へ。夕方に駅に着くと、富士山はすでに黒い影。それでも南口の大きなロータリーは、柔らかな陽気で迎えてくれて、空も雲も遥かに高い。ロータリーから延びる『さんさん通り』を南へ。しばらく行くと、左手の脇道に「長島書店」(2009/10/18参照)健在なり!さらに進んで『大手町交差点』を通過。左手に時折現れる、お城の石垣の一部に惹かれつつ、路上の枯葉で足を滑らせながら先へ。やがて『通横町交差点』で『御成橋通り』とクロス。東には狩野川に架かる大きなトラス橋、西に進路を採り交差点をひとつ通過する。南側歩道の屋根付きの古びた商店街に入り込むと、おっ!そこで目指すお店が待っていてくれた!歩道をすっぽり覆った薄暗がりの屋根の下、軒看板には繊細な洋菓子屋風フォントの店名と、『婦人倶楽部 小説現代』の文字。元は新刊書店だったか、新刊も販売していると言うことか?入口上部窓に『古書誠実買入 御報参上』の看板があるので、古本屋ということを確認出来てホッとする。店頭には木製雑誌ラック・小さな平台・錆だらけの鉄枠ラックが置かれているが、そこに並んでいるのはすべて新刊の週刊誌&漫画雑誌となっている。店内は広めで三人の先客あり。壁際はぐるっと造り付けの本棚で、下には平台が付いている。手前側には背中合わせの平台付き棚が一本、奥にはアダルト雑誌がズラッと並んだ平台と、小さな文庫面出し平台が置かれている。文庫平台は、アダルト平台と奥の帳場にピタッと着けられているので、左右の行き来は中央でしか出来ないようになっている。表にバイクが乗り付けられ、息を切らして男性客が入店。即座にアダルト雑誌を手馴れた感じで物色して行く…良く見ると、他のお客もすべてアダルト目当てであった。このDVD&インターネット隆盛の時代に、何とも心強き戦士たちの姿!なので私は店内では、4:1の少数派なのである…。入口付近はムックラックと、左右共紐で括られた全集類から始まり、やがて左壁は日本文学・時代劇・歴史・随筆・評伝・映画・推理小説・芸術・風俗・世相・ノベルス・オカルト・三角寛・アダルトがカオスに並んで行く。70〜80年代の本が多い。下の平台はアダルト雑誌一色である。通路棚には、実用・将棋・新書・ノベルス・文庫が並び、下の平台には雑誌と文庫が少々。狭い中央通路を通って右側へ。手前側は通路棚・壁棚共に結構多めに文庫がズラリ。壁棚の平台にも、古めの文庫が背を上にズラッと奥に続いて行く。壁棚は途中にアダルトを交えつつ、歴史・科学・日本文学・社会など。新刊は完全に週刊誌+アダルトで、古本は棚を眺めるのは楽しいが、心を撃ち抜く本が見つからない…いい本が無いわけではないのだが…まぁこればっかりは相性もあるのでしょうがない。値段は普通。帳場には蜷川幸雄風老店主がおり、雄大なオペラを聴きつつ、時々口ずさんだりもしている。お客さんと血液の数値の話で盛り上がり、とても和気藹々な店内。これからも沼津の戦士たちのために、他の二店と古本屋さんをよろしくお願いします!新泉社「銀座/松崎天民」を購入。

帰りに「平松書店」(2009/10/18参照)にも立ち寄り、相変わらずの本の山をスキャンしてみる。むぉっ!一番上に文藝春秋「野呂邦暢作品集」を発見!1700円なので相場よりかなり安いぞっ!と勇んで購入し、旅をいい思い出で締め括るのであった。
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2010年11月12日

11/12山梨・哀しみの富士急行

思い切って早めに行動開始し、山梨まで足を延ばす。大月駅より単線の富士急行線に乗り換え、紅葉の始まった秋の山の中を走り抜ける。駅間は意外に短く、ウネウネとカーブが連続し、無人駅もある、そんな路線である。父の実家が三つ峠駅にあるので、小学生の夏休みはこれに乗って田舎を訪ねるのが楽しみであった…よもや大人になって、古本屋を訪ねるためだけにこの路線に乗ることになるとは…あぁ…。多少の懐かしさと悔恨と、古本屋さんへの溢れんばかりの期待を胸に、私は山梨県の懐へ深く分け入って行く。最初の目的地は標高503mの『都留文科大学前駅』…こんな近代的な駅が、いつの間に富士急行に生まれたのだろうか。駅前にも巨大なスーパーを備え、蝿捕り紙が下がるうどん屋が駅前にあったような、私の過去のイメージからは完全にかけ離れてしまっている。そのスーパーの脇を抜け、裏の駐車場を突っ切り大通りへ。東の交差点から北へ進路を採り坂道を下る。50mほど進むと、坂上にお店を見せる感じで「村内書店」の看板が目に入った。が、シャッターは冷たく残酷に下ろされていた。
murauchi_shoten.jpg大学の近くだし金曜日だし、開いてると思ったんだけどなあ〜…ガクッと肩を落としつつも、諦めきれずにお店の周りをウロウロ。しばらく坂道を下ってブラブラし、戻って来る時に『もしやおばさんが開店準備を始めているのでは…』などと妄想するが、当然シャッターは一ミリも動いていない。看板の『新刊と古書売買』の文字を恨めしく見上げ、駅までトボトボ。続いて大月方面に引き返し、標高445m『赤坂駅』近くにあるお店を目指す。この行程の救いは、富士急行の列車数がまぁ多いことであろうか。おかげで酷いタイムロスせず移動することが出来た。こちらは無人駅で、停車と同時に車掌がホームに走り出し、降客の切符を集めている。寂しい改札から真っ直ぐ進み『国道139号』を西へ。次の『四日市場交差点』を南に向かうと、緩やかにカーブしながら下る田舎の裏通り。街中に張り巡らされた水路の音が、懐かしく心地良い。…基本的には、お店はないだろうと思っている…それでも足は進んで行く。すると右手に塗装屋の看板…?その下に目指す「岡本書店」の看板がっ!
okamoto_kanban.jpgこれは!?と驚きながら、看板の下から続く小道を覗き込む。しかしそれは、完全に人家へと続く私道の趣き…ん〜どうなんだこれ?しかし奥にさらに目を凝らすと、一棟の建物が目に入り、軒には古本屋さんの店名看板…あれは店舗なのだろうか?勇気を搾り出して一歩踏み出し、足音を立てないようソロリと奥まで入り込む。そこは建物に囲まれた中庭で、人気の無い塗装屋の事務所もある。恐る恐るお店に近付き、ガラス窓から中を覗き込んでみる。そこには括られた本やダンボール箱が積み上がる倉庫的光景!お店として営業している状態ではない!これではもし招き入れてもらったとしても、本を見るのは一苦労であろう。
okamoto_shoten.jpgよく見ると、横に連なる二棟の建物にも「岡本書店」とあり、そこにも乱雑に積み上がる本の影…。う〜ん、誰か人がいれば何か聞けるのだが。猫が一匹グルーミングしてるだけではどうしようもない。煌々と明かりの点いた塗装屋さんにも人影は無し。横にある黒板に『不在の時は…』と電話番号が大書されている。とその時!塗装屋の奥の机からガバッと跳ね起き、私を注視する制服姿のヤンキーギャル!寝ていたのだろうか?それにしても私は完全に闖入者である。住居不法侵入である。途端に気弱になり、首を傾げつつ偶然迷い込んだ風を装い、焦って退散。しかし帰り道、例えお店に入れなくとも、あの娘にお店について聞くべきだったな、と後悔。私は富士急行の中で哀しみに暮れながら、遅い昼食のパンを齧る。二店を確認しただけの収穫ゼロで、山梨に別れを告げる…。そのまま美しく潔く帰宅しようと思っていたら、阿佐ヶ谷「銀星舎」にフラリと寄ってしまい、ハヤカワ文庫「スパイのためのハンドブック/ウォルフガング・ロッツ」を購入して、今日のツアーを終わらせる。
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2010年10月17日

10/17静岡・南伊東 岩本書店


iwamoto.jpg熱海駅から伊東線に乗り換えると、『リゾート号』と言う名のロマンスカーのような電車で、車内は左右非対称の座席配置!山側は縦に座席が並び、海側はベンチシートが窓に向かって並んでいるのだ!何と不公平な列車なのか!…そんな違和感たっぷりの車両に飲み込まれ、南へ。伊東駅で乗客のほとんどが降車し、そこから路線も伊豆急行へと切り替わる。そしてたった一駅進んだだけで、リゾート地の面影は一掃され、山間の海も見えない田舎町となるのである。暗い構内を抜けて掃き出し口のような駅舎から外に出ると、寂れた通りが目の前に一本。高架沿いに北に向かって進んで行く。ひとつ目の十字路はそのまま直進し、次の『SUZUKEN』と言う会社の脇道を東へ入り込む。大通りを越えると、道の先には竹林の緑…その左手手前に、電柱に括られた『古書買入』の看板を発見。伊豆半島の古本屋さんにたどり着いたのである。自宅らしき大きな家の横に建てられた白い平屋の建物がお店で、腰回りがナマコ壁風に意匠されている。建物脇に外灯店名看板があり、庇のある出入口は少し奥まっている。玄関右には100均文庫壁棚、その脇にも100均海外文学文庫棚が置かれている。左にはガチャガチャも。壁棚は二重に本が並んでおり、70〜90年代が中心。開けっ放しの扉から中に入ると、明るく風通しの良いキレイな店内で、右の広い帳場では身だしなみのしっかりとした老婦人が店番中。左側に向かって展開する横長の店内は、奥の壁際に本棚とガラスケースが設置され、そこから手前に向かって横向きに、長い背中合わせの棚が一本、平台付き横長ラックが一本。手前窓際に雑誌ラックと本棚が並び、その他にも色んな隙間に小さな本棚がチョコチョコ。フロアの棚は左壁に接地しているので、通路はすべて袋小路となっている。ウィンドウから光が降り注ぐ手前通路には、100均単行本&新書がまず並び、大判ビジュアル本・ファッション&カルチャー雑誌・美術作品集・美術ムックが集まり、ちょっと新刊書店のようでもある。真ん中の通路には、アダルト雑誌・静岡地方出版新刊本・官能文庫・江戸・世相・歴史・骨董・京都・詩歌が収まる。帳場側の棚脇に背の低い新書棚あり。最奥の通路は、手前側に映画・選書・ミステリ&エンタメ・日本文学文庫・ノベルス・戦争・時代劇文庫・随筆&エッセイが並び、奥の左壁際にハーレクイン棚。奥壁棚にコミック・岩波文庫・岩波現代文庫・絶版文庫(少量)・現代史。ガラスケースには文学プレミア本や伊豆資料関連が飾られているが、何故だか「しばわんこカルタ」などの軽いモノも並列されている。帳場前には静岡関連新刊や歴史本の小さな棚。街の古本屋さんと地方出版本屋と教養的古本屋さんが、融合せずに店内で同居している感じである。ジャンルの不思議な配置と棚の乖離が、このお店を読み切れないモヤモヤした空間に仕立てあげているのだろうか。それでも、店頭のちょっと古めの文庫は全部見ないと気が済まないし、静岡本と岩波文庫の充実は嬉しい。ちなみにこのお店では、本の値段はページに挟まれたオリジナルスリップに記されている。値段はちょい安〜高めと様々。老婦人は計算機で一度計算してから、さらにレジを打ち精算…仕事が丁寧です。海の匂いを嗅ぎとることなく、歩道で踏み割れた銀杏の香りを吸い込みながら、山裾の駅へととんぼ返り。さらば、伊豆半島!ちくま文庫「にくいあんちくしょう/本橋信宏」静新新書「今は昔 しずおか懐かし鉄道/静岡新聞社編」を購入。
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2010年10月16日

10/16岐阜・岐阜 岐阜古書センター


gifu_kosho_center.jpg名古屋駅ホームで“きしめん”を立ち喰いし、四両編成の東海道本線に乗り換えて北へ。燃え上がる旅心と、未知の古本屋さんへの憧憬が融合し、もはや私は狂気の古本屋探訪マシーンと化しているのだ。潜水時間が段々と長くなるように、ジワリジワリと遠くへ足を延ばしてみる…引き換えは現地滞在時間。と言うことで、本日も非常に効率の悪い、遠征“一店突破”と心に決めている。電車は平面な住宅街と水田を直線に貫き続け、さらに木曽川を渡り、二十六分で駅に到着。岐阜には一度来たことがあるが、その時は仕事のみの滞在であった。改札を出て南側の『加納口』から表へ(ちなみに『中央北口』から出ると、金ピカの魔王・信長公像が出迎えてくれるぞ!)。目の前には光溢れる、キレイに整備された地方都市のロータリー。早速高架沿いに東へと向かう。『加納清水町5交差点』を直進し、名鉄の線路下を潜り、さらに東へ。『加納北広江町交差点』で南に入ると、途端に懐かしく古い街並みが展開。『御鮨街道』と言う名の通りをフラフラ進んで行くと、道幅が突然狭くなる。先ほど潜ったばかりの名鉄を今度は踏切で横切り、駅前から流れて来た清水川を渡ると、右手の遥か向こうに『古本買入』の大きな文字。あれか!あれが遥々目指して来たお店なのか!と、トトトと駆け寄る。こっちは裏側なのか?それにしても“センター”の名に相応しい、何やらおかしな建物…二階建てなのだが、上からちょこっと覗く風格ある瓦屋根から想像するに、古い建物をそのままアルミ板の外壁で、すっぽりと覆っているようだ。側面には『古本買取』の大きな看板と、窓に映る棚と本の影。建物の角はナナメに面取りされており、大通り側にサッシの出入口がある。何だか町の集会所のような店内に入ると、薄暗く色んなモノが淀んでいる雰囲気…これはいい、いいぞ!左横には乱雑な帳場があり、生命力をすべて押し隠したような静かな丸いオバチャンが、ユラリと一瞬こちらに視線を流す。ギシギシと悲鳴を上げる木の床の上には、背中合わせの棚二本とラック棚が一本置かれ、壁際窓際は造り付けの本棚やスチール棚で覆われている。そして何より目を瞠るのは、北面上部が吹き抜けになっており、その二階壁面に通路と壁棚が設置されているのだ!よし、後で必ず行こう!右端通路から続く、急勾配の階段を上がって!入口右横は、一本500円ビデオ棚や、絶版漫画箱(石森章太郎多し)からスタートし、壁棚に三冊200円の文庫・ノベルス・新書が続く。向かいも海外文学文庫を中心に、三冊200円文庫。第二通路右側に、三冊200円ソフトカバー単行本と三冊200円文学単行本&エッセイ&ノンフィクション…どうやらここは、よっぽどな本で無い限り『三冊200円』で括られているようだ(尚、組み合わせは自由である)。向かいはコミックがズラリ。奥壁に文学研究雑誌・教育・実用・全集類・児童文学・絵本が並ぶ。第三通路はコミックと雑誌で埋まり、足元にはプロレスムック箱などもあり。左端通路は、壁棚に全集類とコミック揃い、右に300円以上単行本・美術系ムック・アニメムックが収まる。帳場の左横には、300円以上のミステリ・歴史小説・復刻本・岐阜関連本が集まっている。さあ、いよいよ右端通路から奥の急階段を上がり、上階のバルコニー的通路へ!太い木の手摺りを頼りにギシミシ上がると、そこは面取りされた角部分で、表からは覆われて見えないが、窓がしっかりと残っていたりする。近付いた天井や壁の、白い美しい漆喰はホコリと煤に汚れているが、東京駅のドーム内部を下から見上げたような感動を私に与えてくれる。手摺りに手を掛け下を覗き込むと、乱雑に本が詰め込まれた、見苦しくも格好良いお店の俯瞰図。背後の棚を見ると、ここは古めかしく茶色い本が中心で、日本文学・随筆・翻訳推理小説全集・学術・全集・実用・科学などが収まっている。バルコニー通路は狭くなっているので、棚に正対し上部を見上げると、多少仰け反る感じになるので、転落の恐怖が一瞬心を掠めたりする…。本はホコリっぽく、全体的に雑本的である。床にも本が積み上げられているので、掘り出す心をボウッと燃焼させれば、自分にとって価値ある本を必ず見つけ出せるはずである。値段は安いです!どうにか三冊掘り出して、オバチャンの生気の無い精算を済ませて外へ。大通りから一本奥の道に建つ、もはや廃墟の『旧加納町役場(武田五一設計!)』にハラハラと落涙しながら、早くも岐阜に別れを告げる。あぁ、もっとゆっくりしてみたいものだ…この調子だと、いずれ泊りがけのツアーを敢行することになりそうだ。おぉ岐阜よ!次回は北口側を巡りに来たいです!集英社文庫「傷痕の街/生島治郎」新潮社「昭和東京私史/安田武」岩波新書「洞穴学ことはじめ/吉井良三」を購入。
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2010年08月26日

8/26愛知・豊橋 東光堂


tokodo_toyohashi.jpgこれから九月にかけて忙しくなりそうなので、ムリヤリ遠出することを決意!もう本当に古本屋だけが目当ての、トチ狂った移動である。時間と資金を綿密に考慮しつつ、東京駅から西へ旅立つ…。ビュワーンと後ろめたい気分を転がしつつ、およそ一時間三十分。気温33度の豊橋に到着。結構、駅の至近に古本屋さんがあるはずなのである。改札から出ると『ようこそ ほの国豊橋へ』と言うキャッチコピーが目に入る。“ほっ”とする街と言うことらしい…。西口から外に出ると、キレイに整備された中規模のロータリー。街並を眺めると、こちらは東口に比べ、あまり栄えていないよう。雲がボカボカ浮かぶ広い青空を眺めながら、ロータリーを突っ切り西へ。すぐに『駅西交差点』に行き当たるので、交差点の四方にある『プロムナード』と言う名の薄暗い地下道に入り、北西の階段から地上へ。大通りをちょっとだけ北に進み、一本目の脇道を西に入って奥を透かし見ると、左手に古本屋らしき日除けがチラッ。開いていてくれっ!と願いつつお店の前へ…均一台が出てる!開いてるぞっ!黄色いカマボコのような日除けの下には、同系色の黄枠の引戸に、スタイリッシュな欧文の取扱品目…何となく洋書屋の面影である。左には6冊500円の文庫ワゴン…一冊およそ83.3円…割り切れないが、旺文社文庫も混ざりちょっとピカリと光っている。右は4冊200円雑誌で、こちらはバッチリ割り切れます。引戸を開けて中に入ると、誰もおらず、ただラジオ番組が淡々と流れている。目の前の棚脇には、松本清張全集とビジュアル本…。縦長の店内、壁際は本棚で、手前と奥に平台付きの背中合わせの棚が一本ずつ。お店の中間、右壁際に外への出入口と帳場、左壁際にコミックの山と住居への通路…その時、右の扉がカチャリと開き、老店主が「いらっしゃいませ」と姿を現した。埴谷雄高に似ているっ!帳場前の右壁棚は定価の1/3棚で、文学・ノンフィクション・歴史小説・評伝・サブカル・山岳・日本文学文庫・講談社文芸文庫・時代劇文庫などが、惜しみなく並び、カオスだが気合の入る雑本棚となっている。向かいは音楽CDと映画DVD。手前左側通路は、100均棚(実用&ソフトカバー多し)・コミック・絶版漫画。向かいにガイド・ビジュアルムック・雑誌が集まっている。棚脇の辞書&歌集棚を見てから、奥のゾーンへ。左側通路は毒々しいアダルトゾーン。右側通路、壁棚はLPレコード・名古屋&愛知関連本・資料本・戦争と並び、向かいは歌集・句集・三河&豊橋本・東海全般・歴史が集まる。う〜ん、地方に来た甲斐のある通路である。奥壁には、美術図録・大判本・美術・オカルト・宗教・精神・思想・辞書が並ぶ。安売り・コミック・アダルト・郷土本の、判りやすい昔ながらの古本屋さんである。このざっくりジャンル&朴訥さが非常に嬉しい。値段は安めだが、地方郷土本類は普通な値段。こう言う古本屋さんは、やっぱ落ち着くなぁ〜。埴谷店主は本が何処にあったのか私に質問。そして本屋とはまったく関係の無い、『木の実キャンディー』の袋に本を入れてくれました!お店を出ると、まだ豊橋に着いて三十分。これなら12:43の新幹線に間に合う!と駅に駆け戻り、東京へと舞い戻る。ああ、こう言うムダなことって、ホント人生に必要だなぁ〜、と必ず後で後悔する愚かな想念に囚われつつ、うなぎパイを背に抱え、日常へとグングン近付いて行く…。名古屋鉄道株式会社「東海の明治建築/日本建築学会東海支部編」講談社文芸文庫「或る年の冬 或る年の夏/藤枝静男」を購入。
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2010年06月13日

6/13山梨・上野原 夜行書房


yakou_shobo.jpg6/9の夜に訪れ(2010/06/10参照)、閉まっていたお店である。家にしか見えないお店の壁に掛かっていた、『しばらくの間、日曜の午前10時〜12時営業』を信じて再び山梨へ!昼間に着くと、夜には計り知れなかった美しい風景が、駅周辺に広がっていた。下には水量豊かな相模川、緑の山々に囲まれた土地、そして北口のロータリーに立つと、目の前はやはり山だった。そこに先日は気付かなかった、ロータリーの左奥から山上へ続く階段があるのを発見!なるほど、これが無ければあの峠道は不便過ぎるな…と考えつつ、山肌に張り付いた152段の階段通路を上へ上へ。峠道に出て、そのまま道なりに坂道を上る。『上野原インター入口』の信号を通過し、『中央道』に架かる陸橋を渡り、『上野原市消防署南交差点』を過ぎ、ちょっとした商店街のような直線の通りを北へ。すると行き当たるのは、小さく源流のようになった『甲州街道』。そこを東へ50mほど進むと、左手に砂利敷きの小さな駐車場が現れる。その奥の壁に、大きな周辺の手描きの案内図…左上を見ると、一本裏の小道に目指すお店の名が記されている。「夜行書房」…おぉ、夜を行く古本屋…素晴らしい店名だ。何故『夜行』と言う言葉にこれほど魅力を感じてしまうのか…『夜行列車』『夜行塗料』『夜行怪人』…そんなものたちが、遥か昔の記憶の底から浮かび上がって来てしまう。それにしてもちゃんと開いているのだろうか?一抹どころか、大いなる古本屋さんに対する慣例的な不安を抱え、すぐ横の小道をズカズカ北へ進む。明るい陽の下で見ると、お店などあるはずもないような、田舎の住宅地なのである。そして最初に現れる横道を西へ。次の右手角地に建つ平屋がお店なのであるが…む、窓が開いている。そして人の気配…正面に回ると、開いた窓に本棚が見えている。しっかりと古本屋さんのようだ。そして玄関が全開になっており、そこからも本棚が見えている!これはちゃんと営業中だ!普通のことなのだが、遠出してきたこともあり、営業時間の正確さに深く感心する…それにしても入り難いなぁ…改めて見ても思いっ切り民家ではないか。ええぃ、この開け放ちぶりを信じ、ちょっと高い敷居を跨いで玄関に踏み込む。すると中からぴょんぴょんと飛び出して来た二人の女の子と擦れ違う。「こんにちは」と挨拶すると、警戒しながら私を見上げている。構わず中に入り込むと、部屋にはそのまま土足で入り込むカタチとなっている。中は完全に古本屋さんの店舗となっているので、外見とのギャップにほぅ〜っとため息。女の子たちは出たり入ったりしながら、私と言う闖入者を非常に気にしている。恐らくお店の娘さんなのだろうが、まぁ見たことも無いオッサンが現れたのである。致し方ない。奥の作業スペースにいたご主人が振り向き、私を視界に捉える。しかしその目に浮かんだ色は、幼女と同じ戸惑いの色。気の小さい私は頭をしっかりと下げ、害意の無いことを示した後、店内をゆっくりと見回してみる。玄関付近・玄関右横・右側奥の三ブロックに、大小様々な棚が並んでいる。しかしそのほとんどはコミックで、他にはゲーム類・おもちゃ・CDなどが見受けられる。玄関前の棚にラノベを発見し、続いて右側一本目の通路奥に小さな文庫棚を発見。ここを一生懸命物色し、一冊を抜き取る。二本目通路の奥には、アイドル系写真集や美少女コミックなども。ちなみにこちらは古びた木の床で、並ぶのがコミックでなければ、かなりいい雰囲気である。完全なる地元民の子供+一部大人のためのお店である。営業時間は短いのだが、棚はキレイでしっかりとお店を維持している。地元民ではないのに、失礼いたしました。時計を見ると、何と午前中でツアーが終了してしまった。珍事である。また駅までテクテク戻り、せっかくなので南口から河原まで下りてみることに。下から駅舎を見ると、駅自体が山の中腹にあることが良く判る。人家の壁に『鮎漁解禁』のお知らせが貼られ、頭上ではトンビが風切り羽が見える近さで旋回、足元を見るとゾゾゾと百足が横切って行く。思わず『ウォッ!』と叫んでしまい、後ずさり…久々に見た!と思いつつ、大自然の小さな牙に恐怖する。ハヤカワ文庫「夢みる宝石/シオドア・スタージョン」を購入。
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2010年05月04日

5/4静岡で清水から静岡ビー・バップ古本屋ツアー三店+2

東京から普通列車で立ったり座ったりしながら、三時間四十分…居並ぶ製紙工場を眺めながら清水に到着。そこは海の匂いが漂い、次郎長とさくらももこのイラストと清水エスパルスが出迎えていてくれた…そしてもう一つ、私の心の眼がその幻影を捉えていた…。


shimizu_shoten.jpg●清水「清水書店」
『江尻口』から駅舎を出て、ロータリーから大通りを真っ直ぐ西へ。人影の無い真夏のような街である。400mほど進み、四つめの交差点『大手町』を南へ。すると右手に豊潤な鎮守の森が姿を見せる。その前の信号を東に曲がり小道に入ると、すぐにお店である。開いている!GWなのに!緑色の看板も兼ねた大きな日除け、店頭台は無く、サッシ扉の前にスーパーカブが置かれているのみ。カラリと引き戸を開けて、表より遥かに明度の落ちる店内へ。奥の帳場に座る店主と目が合ったので、ペコリと頭を下げる。床はコンクリの土間、壁は天井までの造り付けの本棚…かなり年季が入っている。真ん中には同素材の背中合わせの棚が前後に一本ずつ。お店全体がスロープのように、入口に向かって緩やかな勾配を持っている。右壁はノベルスからスタートし、奥は帳場前までコミック。棚下にはアダルト雑誌が平積みされている。向かい手前には日本文学と青年コミック、奥はすべてがコミックとなっている。棚脇に、カレンダーを破ったような紙に描かれた地図が貼られている。どうやら『中矢部』と言う所に支店があるようだ…しかし描かれている地名や目印に全く見覚えがないので、私にとっては外国の地図のごとく解読不能である。左側の通路へ移動する。壁棚には児童文学・エッセイ・ノンフィクション・カルチャー・古典文学・宗教・教養系文庫・横積み海外文学文庫・社会・文学評論・仙花紙本・歴史・科学と並ぶ。向かいは手前に趣味・実用・エッセイ、奥に日本文学文庫・純文学文庫・海外文学文庫が収まる。帳場横には木製のアダルト雑誌ラックと、ビジュアルムック&雑誌棚がある。非常に興味深いお店である。コミックと文庫の一部以外は、時間が停滞しているようにも見える。下段はホコリも溜まっている。しかし面白い本も多く並び、特に80年代&90年代初めの本が拾い物。左奥には古い本も集まっている。そして手にする本手にする本、値段が付けられていない…何故?どこか判らない所に書いてあるのか?それとも店主は全ての値段を把握しているのか?もしや売り物じゃないとか?もしくは定価で販売していたら…とにかくこんなことは初めてだっ!ドキドキしながらスロープを上がるように帳場へ。そこには丸っとした白髪のオヤジさんが、絨毯のようなイカす服を着て座っていた。本を帳場に置きながら「すみません、これ値段が付いてないんですけど」と言うと、「あっ、付いてない?すいませ〜ん」と本を調べ始める。心の中で『ほとんどの本に付いてないスよ』と突っ込みながら見守る。そしてオヤジさんはニコッと笑いながら「これ何処にありました?」こちらも笑顔で入口近くの棚を教えると、即座に値段が提示された。場所?場所が基準なのか?しかも激安!やった!と心の中で喜んでいるところへ、「これ何の本なんですか?」と質問が。ゲームを紹介している80年代の本であることを伝えると、「ウチにそんな本があったんですね〜。すいませんでした〜」と古本屋さんらしからぬコメント。あぁオヤジさん、いつまでもそのままで!アスキー出版局「GAMEゲームげぃむ 幻夢年代記2/安田均」角川文庫「デルス・ウザーラ/アルセニエフ」を購入。ちなみに今日の旅のお供は、東洋文庫の「デルスウ・ウザーラ」。文庫を見ると知らない話が載っている!やった!


naka_and_angel.jpg一旦清水駅まで戻り、巨大なアーケード商店街『清水駅前銀座』を南下していると、古本を満載した三台のワゴンを発見。しかもすべて100円均一である。経営・語学・思想など硬めな本が多いが、ジャズや映画の本もチラホラ…誰かの蔵書を売ってるのだろうか?晶文社「ぼくは散歩と雑学がすき/植草甚一」白水社「映画祭へのひとり旅/田山力哉」を抜き取る。『お会計は中屋で』とあるのでキョロキョロ辺りを見回すと、向かいの赤ちゃん用品のお店がそうであった。店内でマダムに200円を支払い、商店街の南下を続ける。新清水駅にたどり着き、駅近くのお店を探す。番地を一ブロック回る感じでお店を発見したが、何と閉まっている…別のお店に行ってから戻って来ることにする。さらに南下して『次郎長通り商店街』(侠客の名がっ!そしてロゴマークが可愛い)にある「大和文庫」を訪ねるが、新刊書店+切手+コインのお店と言うことで、ツアー対象とはならず!スゴスゴと引き返しながら、『さつき通り』と『エスパルス通り』の交差点近くにある、先ほど見付けてしまった異様な書店「エンゼル書店」に怖いもの見たさで向かってみる。書店と言うことは判るのだが、あまりにも装飾過多で、もはや今和次郎のバラック装飾の域に達している!そっと近付いてみると、並べられたコミックに50〜100円の値が付いている…これは古本屋だっ!と勇んで入ってみたら、中の異次元っぷりにまたもや驚愕!これではまるで、星飛雄馬がひとりで飾り付けた、クリスマスパーティー会場そのもではないかっ!銀紙・金紙を駆使した手作り装飾…そして並ぶのは官能&バイオレンス文庫とアダルト全般。それに天使さながらの老婆が一人!何も買えずに尻尾を巻いて引き上げる…負けた…。その後先ほどのお店に戻るも、やはり開いていない。仕方なく新清水駅から、二両編成の静岡電鉄に乗り込み、いざ静岡へ!


eihodo_kosyobu.jpg●新静岡「栄豊堂書店 古書部」
終点(始点でもある)の駅から出ると、目の前には『北街道』。片屋根付き商店街を北東へ進む。やがて『駿府町あおい通り』のプレートが現れ、『鷹匠二丁目』の信号を過ぎると、左手に小さなお店が姿を見せる。商店街の屋根の下に店名看板。店構えは左右対称。店頭には右に100均棚、左に200均棚、真ん中に雑誌の積み上がった平台、背後に硬めな単行本棚。右の出入口から中に入ると、コンパクトな昔の古本屋さんな店内。両壁は木製の棚、真ん中に背中合わせの平台付き棚。右奥の帳場では店主が本の壁にスッポリ姿を隠し、左側にあるテレビで巨人戦を観戦中。右の壁棚は海外文学文庫が並び、SFやミステリが多い。その奥は民俗学や古典文学など硬めな本が続く。向かいはコミックが並び、下の平台にもコミックとアニメ&特撮ムックなど。帳場前をそっと通り、テレビの邪魔をせぬよう背後の棚を眺める。そこには静岡資料本・映画・音楽(ビートルズ多し)・辞書。そのまま左壁に視線を移すと、大判本・山岳・文学評論・美術・日本文学と並び、下段には美術系の大判本が収まっている。向かいは宗教・教養系文庫・詩歌など。ふむぅ、小さいのにしっかり楽しめるお店である。ポツポツと合間合間に現れる古い本が心臓をドキっとさせ、手を伸ばして確認せずにはいられなくなる。値段は安めなのがさらに嬉しい!店主に声を掛けると、ニコリと笑い清々しく精算。静岡、いいぞ!新潮社「挿絵の描き方/岩田専太郎編」(志村立美の論文『小説が挿絵になるまで』がっ!)鎌倉文庫「まげもの/井伏鱒二」を購入。


yasukawa.jpg●静岡「安川書店」
続いて『駿府公園』を回り込むように次のお店へ。…しかしそろそろ疲労&頭の中が一杯になり始めている…。北口から出てロータリーの左上隅『紺屋町交差点』から『両替町通り』に入り、ひたすら西に向かって進む。『青葉通り』も突っ切り、さらにさらに進むと、通りが終わる『本通り』の手前右手にお店がある。モダンな近代建築『静岡銀行』の裏手である。角地に建つベージュ色の建物の二階上部に店名文字。しかしこの文字も壁と同様ベージュに塗られてしまっているので、プレデターが透明迷彩を使った状態になっている。軒にはしっかりと白い店名看板があり、店頭にはスッカスカもここに極まれり!と言っても過言ではない、寂し過ぎる100均棚。背後で店を覆う、茶色のスモークガラスと併せ、先行きに不安を感じてしまう…。右側から店内へ…ふぅ、普通の古本屋さんだ…しかも均一棚とは裏腹に、物凄くしっかりしている!右の壁棚は新しいな…真ん中に背中合わせの棚が手前と奥に二本ずつ。その間に出来た通路は、奥は帳場で手前は本で通路が塞がれ、両方とも袋小路となっている。左壁&店奥は古い本棚で、左端にガラスケースあり。長身の老店主がゆっくりした動きで、帳場と住居部分を行き来している。よし、がんばるぞ!右壁は日本文学棚となっているが、作家やテーマごとに本の並びが工夫され、かなり神経を注いでいるのが伝わって来る…ハイブロゥな棚だ。奥には古典文学。向かい手前は随筆・文庫&新書(少量)・文化、奥は戦争が占めている。真ん中の通路へ移動するとここには何故か灰皿が置かれている。手前袋小路右側は丁寧な並びの文学評論、左は美術・工芸が収まっている。帳場側右側には江戸・風俗・評伝・自伝、左側は民俗学が並んでいる。左端通路には、復刻本の並ぶ棚が置かれており、少し邪魔っ気である。左壁には宗教・科学・思想・政治・歴史・古代史が、箱入り本を中心にドッシリと収まる。向かい手前には山岳・旅・自然・動植物・お茶・食。奥には東洋文庫・アジア・民俗学・戦国時代が並ぶ。帳場の背後には静岡関連本が硬くズラリと並び、端のガラスケースにはプレミア文学本が飾られている。蔵書量も多く非常にアカデミックなお店である。棚造りが美しく古い本も多い。値段は普通。本を持って帳場に近寄ると、老店主は煙草を一服中。「ああ、いらっしゃい」とゆっくり立ち上がった。そして本の汚れをブラシでシャシャシャと落とす。すべてを包み込むような笑顔で「ありがとうございます」。みんないい顔してるんだなぁ。スゴイぞ静岡!カッパブックス「東京の旅/松本清張・樋口清之」を購入。

ふと気付けば、清水は那須博之監督の「ビー・バップ・ハイスクール」が撮影された場所!清水駅前銀座に、静岡電鉄に、清水港に見覚えがっ!来たことないのに!途端に頭の中で中山美穂の歌がぐるんぐるん…。それにしても静岡はいい!それにまだまだ入れなかったお店や行けなかったお店がたくさん…また来なければと思っていると、駅のホームでポケットに穴が開き、小銭がジャラリジャラリ…おぉ、何たる醜態…。
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2010年01月25日

1/25三重・宇治山田 古本屋ぽらん


polan_ujiyamada.jpg大阪での仕事を無事に終えて、本日は帰京のみのはずが、仕事先の口車に乗せられ“お伊勢参り”に同行する羽目に。ならば私もとことん楽しく行こうじゃないかと、途中から別行動で古本屋ツアー決行!この神道と祝祭の街にも古本屋さんがあったのだ!壮麗で悪夢的に横長のヨーロッパ城砦風駅舎を出ると、西口のロータリー。目の前の『八間道路』をウネウネと北へ。するとすぐにJRの踏切が見えて来る。そこを渡りさらにその先の近鉄の高架を潜り、すぐの脇道を東へ入る。そこを道なりにウネウネ進むと、左に風情ある家が並ぶ、一方通行の道が現れる。駅前の地図には『河崎のまちなみ』と書かれていた。『勢田川』沿いの寂しい裏通りではあるが、時間を遡行したような街並みは、私を一瞬の内にセンチメンタル・トラベラーに変身させるほどである。昔のままのもの、空家になっているもの、店舗として再利用されているものと様々であるが、これからも景観の保全に精を出してていただきたい。そんな通りを200mほど進むと、右手についに『古本』の文字が見えて来た。新しく手を入れた感じはあるが(説明には1806年建造の廻船問屋→医院→古本屋とある)、街道にしっくりと馴染んでいる。店頭台などは無く、右壁に様々な貼紙(子猫の里親募集も!)、左隅にはチラシ類が貼られた立看板、そして真ん中に店名入りの藍染帆布がピンと張られている。昔の街道に立つ旅情気分そのままに、軽い引き戸を開けて中に入ると…いきなりネコと目が合った。何故なら棚上の目の前のダンボールに、薄茶トラのネコがすっぽりと納まり、こちらをクールにガン見。しかし逃げる気配はまったくないので、これ幸いと撫でまくる。ふぅ〜幸せだぁ〜。店内はちょっと横長で広く余裕のある構成になっている。左右両壁は本棚、真ん中には左に背中合わせの棚が一本、右は並んだ棚の左側が特殊な構成になっている。入口右横には小部屋的小スペースがあり、テーブルと椅子も置かれている。所々に小さい棚あり。右の小部屋には、入口に美術&グラビア雑誌の詰まった棚が置かれ、部屋内には映画・伝統芸能・芸術・漫画評論・写真関連・児童文学・絵本が集められている…ハッ!?ネコがこっちを見ている!再び近付き撫でまくる。右壁には、自然・植物・動物・民俗学・歴史・古代史・神道・郷土資料と続く。向かいの通路棚には…あぁっ!また見ている!と言うか、アイツは私から視線をまったく逸らさないのだ!さらに近付き撫でまくる。しかしこのままでは検分が遅々として進まないので、心を鬼にして手を離す。棚に集中だ!…通路棚には教育・心理学・精神世界・自然・女性・現代史・哲学・思想。移動しながらちょっとだけネコをつつき、真ん中の通路へ。右側の棚裏には様々な紙物や資料が貼られたり置かれたりしている。そして奥の方には、三重県に所縁のある著名人のリスト&プロフィールが大量に貼りだされ、その下に関連本が並ぶと言う、嬉しい“三重棚”が展開!おぉう!北園克衛もたくさん並んでいる!…が値が付いてないのもあるので、一部は非売品も含んでいるようだ。向かいには時代劇文庫・大衆文学文庫・教養系ジャンル別文庫がドッサリと並ぶ。教養は細かい棚造りがされている。左側通路に移ろうとすると、奥の帳場の上に寝そべる、新たなネコを発見!今度は白黒だ。店主が奥に入った瞬間を見逃さず、ちょっとだけ撫でる。左の壁際には、辞書・古典文学・海外文学・女流文学・日本文学・詩歌・文学評論・本関連・音楽と収まる。向かいには、歴史文庫・海外文学文庫・中国関連文庫・女流文学文庫・純文学文庫と並んでいる。入口側の壁にはレコードラックが置かれ、水谷豊の「やさしさ紙芝居」の笑顔が絶大な輝きを…ってうわっ!ここにもネコがっ!クロネコがっ!すかさず撫でながら、一体このお店に何匹のネコが潜んでいるのか考えてしまう。途中、店に入って来た業者さんが何かを『ガタガタン』と落としてしまい、ガン見トラネコが店の奥へ一目散に逃げてしまった。そして「あっ、ネコちゃんを驚かしてしまいました。すみません!」と謝っていた…。と言うわけでネコがたくさんいるお店である。三重関連本・教養系文庫・歴史が見応えあり。値段は普通〜ちょい高。ネコと本に埋もれて暮らす、優しいオヤジさんに精算してもらい外に出ようとすると、足元には店内に入ろうとする三毛猫!私を見上げるネコを良く見ると、リード付きである。と言うことは…とそのリードをたどると、ケータイ片手の若者がペコペコと二度ほど会釈。そしてそのまま入れ替わりに店内へスルリ。おかげで初の三重ツアーは、古本よりネコが印象深いものとなってしまった…。伊勢文化舎「巨匠たちの風景 みえシネマ事情」を購入。
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2009年10月18日

10/18静岡・沼津に三時間で着二店!

久しぶりに何も無い日曜なので、気を大きくして東海道線に乗り込み沼津へ!ところが事故続きのダイヤの乱れに巻き込まれ、予定時間を大幅に過ぎて現地に到着。お腹が空き過ぎたので、まずは腹ごしらえだ!


nagashima_numadu.jpg●沼津「古書 長島書店」
駅南口に出てロータリーへ。富士山の雪解け水飲み場や井上靖の文を刻んだ像の横を通り過ぎ、ロータリーから南へのびる『さんさん通り』に入り、ヒトデのようなやけに浅い地下道を潜り抜け、『沼津西武』側の歩道を進む。そして最初に現れた脇道を東に進むと、神社の鳥居と空地の向こうに、細長いトタンの横腹を晒したお店に出会う。平屋の店舗は、プラ日除けの下に店看板、入口横も店名看板…店頭台は無し。しばらく古めかしい街の古本屋然とした姿を楽しんだ後、サッシ扉に近付く。右の扉に手を掛ける…開かない!ビクともしない!…仕方なく左の扉へ…こっちも開かない!ガッチリ鍵がぁ〜!心の中で悲鳴を上げつつ肩を落としていると、背後に停まった車から杖を突いた喪服の老婦人が降りて来た。付き添いの方とこちらに向かって来ながら「まあまあすいません。今開けますからね」との素早い対応に、ええっ!と驚く。大丈夫なんですか?付き添いの方と挨拶を交わした後、鍵を開けながら「お待たせしちゃってすみません」「いえいえそんな」「ほら、法事でね…」と言いつつ扉を開け放ち中へ。「どうぞどうぞ」と招き入れてくれる。「それでは」などと訳の判らないことを言いつつ、かしこまりながら入店。「電気を点けますね」と言って老婦人は奥に消えた。静かになる店内。ちょっと狭めの正方形で、壁はぐるりと古い造り付けの本棚、真ん中には平台と棚が複雑に組み合わさった背中合わせの棚。右通路棚下には幅も広めな本の島、左通路棚下には低めの平台が設置されている。そして左奥に住居への入口兼帳場があり、そこにはピカピカの床板。とそこに、素早く着替えた老婦人が戻って来た。「ゆっくりしていってくださいね」に「ありがとうございます」と答え、ツアースタート。左壁棚には、経済・日本文学・文学評論・歴史・木曾関連・宗教・映画・精神・戦争などが並び、下には大判の美術&ビジュアル本がテーブルのように積み上げられている。上の天井近くには「東海道五十三次の『沼津』の浮世絵」が飾られている。向かいには、カラーブックス・文学関連・海外文学文庫・ブルーバックス・図録、下にアダルトと並んでいる。裏側にはミステリ&時代劇文庫、そして棚脇には全集本や雑学文庫・新書・アダルトなどが置かれている。店奥壁棚には、郷土本・資料本・学術本・自然・辞書・新書と収まる。左壁には、日本文学・海外文学・最近刊文学・歴史&時代小説、下には雑多な文庫本と共に、新書サイズの山田風太郎や南篠範夫。上質ではあるが、アダルトまでしっかりと手を伸ばしている街の古本屋さんである。右壁棚に何かがある予感!値段は安いです。本を二冊選び出して帳場に差し出す。「まあまあありがとうございます」と言いつつ、丁寧に袋に入れてくれる。そしておもむろに「どうぞ文庫本、お好きなものをお持ち下さい。そこの推理物など軽いやつをどうぞ〜」えっ?ど、どう言うことですか?「お待たせしちゃったんで、二冊お好きなのをお持ち下さい」…あぁ、何と素晴らしき提案!こんなことがあるなんて…オミヤゲを頂ける古本屋さんなんて…。では、と棚に目をやると、何だか上手く選べない。まるで「舌切り雀」でつづらを選んでいるような不思議な気分…俺は今、民話の世界の中にいるのだろうか?非常に恐縮しながら二冊選び出し「ではこれを頂きます」と本を見せると、「どうぞどうぞ、またお越しになってくださいね」のありがたいお言葉。あぁ、今日の電車が時刻通りに動いていたら、先に昼食を食べていなかったら、このお店に入ることは叶わなかった。古本屋の神々のイタズラに感謝!そしてお店の老婦人に大感謝!!!実業之日本社「文学碑のある風景/小川和佑」駸々堂「欲望する映像/小岸昭」を購入。そして、春陽堂「恐怖城/佐左木俊郎」講談社文庫「すべてがFになる/森博嗣」を頂く。


hiramatsu.jpg●沼津「古書 平松書店」
『さんさん通り』をさらに南へ。『大手町』の交差点で西側歩道に移動して、そのまま南へ。交差点から二本目の脇道を西へ進む。アーケードの終わりの尻尾部分を潜り抜けると、右側にホテルとパーキングが合体した大きな建物。しかし経年劣化が激しいようで、ホテルは閉鎖中のようだ。そんな建物の一階にお店はある。一階軒には黄色い大きな日除け、その下右側壁に洋風ランプ、その下には室外機の上に置かれた辞書と郵便受、路上にはベンチが置かれている。左側には巨大な正方形の黄色い看板と、100均平台が二台。それぞれに単行本が古い本を間に挟んで詰められている。入口から入った左側にも文庫の平積み安売り台。中を見通すと、縦長で奥深く天井の高いお店。しかしその下半分の通路には本が激しく積み上がり、通路はかろうじて人が擦れ違える幅となっている。両壁は本棚、真ん中に背中合わせの本棚が一本、奥に帳場と一本の本棚。首にタオルを巻いた好々爺なオヤジさんが座っているが、その周囲は危険な本の崖に囲まれている。と言うわけで左右両壁の下半分は、積み上げられた本しか見ることは出来ない。右壁には写真集・アダルト雑誌・ビジュアルムック・美術図録・日本文学(沼津名誉市民・井上靖多し)・文学評論・随筆・美術・工芸(日本刀関連多し)と並ぶ。下の本の山も古い文学本が平気で紛れ込んでいたりするので、充分なチェックが必要である。向かいには文庫がズラッと並び、再びの日本文学・骨董・京都本・外国文学。オヤジさんとアダルト棚前を通り右側通路へ。壁棚には郷土関連本・学術&資料本・歴史・古典・映画・戦争・経済と続き、下には未整理本や兵器関連などが積み上げられている。向かいには、ハーレクイン・囲碁・将棋・新書・ノベルス・実用と並ぶ。乱雑だが見応えはバッチリ。少し硬めと言えども、うまく本の波に乗りさえすれば、時を忘れて楽しめます。棚前の山の中に欲しい本を発見してしまう。上から六冊目くらいの位置だが、左右からナナメに本がしなだれ掛かり、抜き出すのに一苦労。上の本を左右の山を崩さぬように、一冊一冊抜き取って行く。ちょっとの動きが本の山をユラユラと動かしてしまう…これじゃあまるで巨大なリアルジェンガ!ようやく目的の本にたどり着き、慎重に手元に引き寄せる。苦労して手にした本の裏見返しには二つの値段…帳場に向かい「これ、値段が二つ付いてるんですけど、どちらが本当の?」と聞くと、店主は二カッと微笑み「あぁ、これはこっちですよ」と優しく安い方の値を指差す。と言うことで即座に購入決定!本を包装中に店主が本を見ながら「これ…」と一言発したが、後には何も言葉が続かない。何?えっ何?この本がどうかしたんですか?甲文社「寺田寅彦の追想/中谷宇吉郎」を購入。

ここまで来た甲斐があると言う、古本ではなく、正に古本屋さんに出会うための沼津行となった。よし次ぎは『静岡』目指してがんばるぞっ!
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2009年09月20日

9/19愛知・名古屋でどちらかと言うと硬めなお店二店!

仕事で半年振りの名古屋!ひどいシルバーウィーク渋滞を、どうにかやり過ごしてどうにか到着。となればもちろん仕事の合間に古本屋へ!古い本が売られているお店を目指し、日差しの強い街を恥ずかしながらダッシュ!


nomurashoten.jpg●名古屋・大須観音「古本 ノムラ書店」
駅から東へ出て『大須商店街』方面へ。新旧商店街が縦横に交差するこの一帯は、休日とは言えかなり賑わっている。大須観音近くの『仁王門通』の西端にお店はある。おぉ!たくさんの人が店頭に群がっている!しかも老人ばかり!上は高いアーケードで、幟やプラスチックの花が華やかに下げられている。そして商店街共通の店名看板も、アーケードからぐ〜んと伸びた棒に取り付けられている。軒には緑の文字の自然木風看板。その下にはたくさんの店頭棚。右に一冊50円三冊100円の文庫棚と80〜100円のノベルス&文庫棚。左側に一冊80〜100円文庫棚が二本、その後ろに一冊100円〜200円の単行本ワゴンが四台あり、文学本中心な品揃えとなっている。左右の入口上部それぞれに、改めて店名を書いた紙が貼られている…店頭棚と共に溢れ返る店名…。右の入口を潜ると、外観の印象から少し感じが古くなる。店内には表ほどお客さんはいない。奥の帳場の店主は常連客と「鬼平はいいよ!」と盛り上がっている。左右両壁とも本棚で、右側奥は少し奥まるカタチ。その前には大量の本と背の低い本棚が一本、真ん中には背中合わせの高い棚が一本ある。入口側の棚脇にも小さな棚が一本あり、ここは表から続く一冊200〜300円安売り棚で、主に歴史・民俗学が並んでいる。右の壁際には選書を中心に、歴史・地方本・囲碁・将棋などの新書サイズ本が集められている。奥に進むと、宗教関連(主に仏教)の箱入り本がズラリ。その前の棚には、小サイズの福沢諭吉全集・石川淳全集が収まっている。向かいの通路棚には、植物・カラー文庫・岩波文庫・中公文庫・日本文学文庫(絶版少々あり)・官能文庫と続いている。下には対岸の宗教とは真逆なアダルト雑誌が花開いている。コーヒーの出前を注文し、話し込む体勢万全の店主前を通過し左側通路へ。左壁棚にはまたもや宗教、そして歴史・民俗学関連がズラ〜リ。入口近くに日本文学が固まっている。向かいの通路棚は、新書・宗教・歴史とまたもや同様なジャンルが続く…下にはさらにまたもやアダルト雑誌。看板には『古書一般』とあるが、宗教関連本の多いお店である。もっぱら人々が注目するのは、店頭の安売り棚&台。こちらは確かに一般的なのである。値段は普通〜ちょい高。レジで本を渡すと、オヤジさんが「500」と金額の数字部分のみを伝える。中々無愛想だなぁと思っていると、お釣りを渡しながら「ありがとね」と一転して親しげ…もう一歩進んだらツンデレ店主になれますな。旺文社文庫「寄席紳士録/安藤鶴夫」を購入。


tobundo.jpg●名古屋・矢場町「東文堂書店」
駅を出たらパルコが密集する西側へ。パルコ西館向かいの『大津通り』を挟んだ対面にお店はある。いい風に言えば、ガラス面が多く採光部が目立つモダンなインターナショナル的なビル…。悪く言ってしまえば、古ぼけたビル…。そのビルの一・二階が本屋になっており、一階に新刊・二階が古書と言う構成。ガラス張りの一階奥を覗き込むと、とても雑然としており、一見古本屋さん風である。立看板と壁看板の二階への誘導に従い、店舗右側にある薄暗い階段を上る。そこには、営業中の札が下がるペパーミントグリーン枠の扉。ガチャリとその古いモダンな扉を開けると、横に広がる細長の店内。外観と同じく時を経た店内である。壁はぐるっと本棚だが、下1/3は積み重なった本で埋まったり、ストック置場的な扱いとなったりしている。真ん中には右側に雑誌やムックで作られた大きな島。その次に低めの背中合わせの本棚、左側に高めの背中合わせの棚が続く。通りに面する左側奥に本に囲まれた帳場があり、おばあさんがテレビを見たりうたた寝しながら店番中。入口右横には日本文学・文学評論・詩集が古い本を交えつつ並ぶ。角を曲がり、歌舞伎・将棋・囲碁本。さらに角を曲がり正面奥には、美術・映画・音楽・役者エッセイ・料理・戦争・ノベルス・新書・中途半端に古いコミック少々・経済本・名古屋本がズズイッと並ぶ。真ん中の低めの棚には、古めの文学本・日本文庫&海外文学文庫が収まる。高めの棚には、民俗学・アイヌ・部落関連・刀・お茶・書。歴史などが並んでいる。入口左横は、宗教・心理学・古代史・名古屋&東海本・辞書。ちょっと奥まった帳場横には、建築&電気関係の専門書がギッシリ。古い本も多く、その雰囲気と共に異空間を楽しめる(向かいがパルコだと思うとより一層である)。全般的には硬め、そして値段は安〜高め。果たして若者で賑わう通りの古本屋は、人の目に留まることがあるのだろうか…と余計な心配をしていると、次々と人が入って来た。まだまだいけますな、古本屋さん!岩波新書の江戸時代「流人と非人/森永種夫」を購入。

大須観音は以前訪れた時より、さらに活気に満ちている感が。そしてパルコ前に古本屋があったとは……。今回の二店は少し硬めな感じだったが、それでも地方で入るお店は、いつでも何だか格別な楽しさが湧き上がるのでした!
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2009年06月06日

6/6静岡・三島 北山書店


kitayama.jpgぐずついた天気の東京を脱出し、普通列車で三島へと向かった。およそ二時間、車窓を眺めながら過ごす。長い丹那トンネルを抜けると、そこに突然の青空。山を越えたら初夏となっていたのである。改札を出ようとすると『SUICA』では通れない…ここは『TOICA』の領域だったのか…そこに互換性の無いことを初めて知る。南口から『富士山(作詞は巌谷小波!)』のメロディが流れる横断歩道を渡り、『三島駅前通り』をひたすら進む。少し右曲がりの商店街を800mほど進むと、観光地で古本屋に巡り会える。歩道のアーケードから下がったネイビーブルーの看板は一部が破損している。店頭のガラスウィンドウ前には、台車に乗せられた紐でつながれた棚が、八台ほど並んでいる。出し入れに便利なのだろうが、みなチキチキマシン猛レースの『岩石オープン』みたいだ…いや『古本オープン』か!?中身は、文庫・単行本・美術本・ハーレクイン・戦前本・雑誌・児童文学など多種多様。ムックの棚の前でひとりのおばさんが電話をしている。「今三島の古本屋にいるの。ビーズの本がたくさんあるのよぅ。今から読み上げるから、メモして欲しいのがあったら後で電話して。いい?『ビーズアクセサリー』…」と話し続け、ひたすら書名を伝え続けている…。店内に入ると圧倒的な本の量が襲い掛かる!そして奥行きアリ!天井からは『店内が本の森の様に狭いのでリックは手にお持ち下さい。又はお預かりします。』と書かれた紙が下がっている。『本の森』って狭いのか?広いかもしれないじゃないか!などと心の中で揚げ足を取りつつ店内を見回す。壁は左右とも奥まで本棚、真ん中に背中合わせの棚が手前と奥に二本ずつの計四本、頭上にも所々棚が渡され、それぞれの棚脇にも小さめの棚が置かれている。左端手前の通路棚はガラスケースの部分も。入口右横には老店主がドッカリと座ったレジ。そして各通路は大量の本が縦積み横積みされ、人ひとり横になってようやく通れる幅の、古本ケモノ道と化している。入口近くには大判の写真集や美術本が集まる。左の壁際は海外文学文庫から始まり、大量の日本文学作家50音順(一応)文庫・岩波・海外文学SF&ミステリ・再び日本文学・戦争関連文庫・ハーレクイン・実用&怪奇ノベルス・ノベルスと並んでいる。そして下から積み上げられた大量の本が、胸元まで迫り来る!絶版文庫・古い文庫も多く、ツワモノのお客は複雑に積み重なる文庫の発掘作業に熱中している。右の通路棚手前には、歴史・江戸本が集まり、ガラスケースには切手やコインが収められている。奥には、実用・趣味・手品・将棋・囲碁が並び、最後に紐で雪崩防止策を施された新書となっている。店最奥の壁には、ノベルスの続き・学術&技術書が並んでいる。真ん中の通路、手前左には戦争関連と日本文学、右には実用本と大量の辞書。奥の左側には、旅・紀行・文学・宗教・書道など。右側には、新しめのミステリ・時代劇・戦記が並ぶ。この右の棚脇手前には官能小説や性愛に関わる本、棚脇奥には海外文学とキリスト教関連が並ぶ。右端の通路、左側の通路棚はすべてアダルトで埋まっている。右の壁際に、静岡・三島・伊豆を中心とした郷土本&地方史・動植物・書道、その後には箱入り学術的な宗教・歴史・文学・美術・詩歌と硬めな棚が続く。同ジャンルが所々に見られるのは、本の形態や学術的深さによって分けられているようだ。本の量・古い本多し!コミックセットのファイルもあり!値段は安い!そして店舗の形状も棚並びも奥の深いお店である。しかしお客さんが次々と入って来ると、困ったことが発生する。通路はひとりでいっぱいになってしまうため、擦れ違うことがほぼ不可能なのである。迂回するか、横道のある所まで下がってもらうか、お願いしてムリして擦れ違うか…。私がレジへ向かおうとしたところ、すでに店内には五人のお客さんが!何とかたどり着こうと通路を進むのだが、行く先々でお客さんが立ちはだかる!あぁ〜、ゲームの『パックマン』みたいになってきた。もたもたしてたら通路の前後で挟み撃ちされ、しばらく身動きとれず!ゲームだったら食われてました…。ソノラマ文庫「破乱万丈 薔薇戦争/富野由悠季」新潮文庫「空を飛んだ少年/R・ラッカー/黒丸尚訳」中公文庫「灰色の眼の女/神西清」を購入。
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2009年05月04日

5/4山梨・甲府で大き過ぎる信玄像に見下ろされ二店

昨日に引き続き、さらに思い切って甲府盆地でツアー敢行!GWの祝日で開いているかどうかさえ不安なのに、山梨は古本屋が少ないとのこと…失敗したら目も当てられない結果になるのは必定。いや、例え開いてなくてもお店が存在していれば、満足して引き上げるつもりっ!


meibundo.jpg●甲府「古書肆 明文堂」
駅南側にのびる『遊亀通り』をひたすら南へ。突然射し込んでくる日の光が、盆地の温度を急上昇させていく。郵便局を過ぎた川沿いにお店があるのだが、看板には『週刊現代』『小学館の学習雑誌』とデカデカ書かれている…元は新刊書店だったのだろうか…。それにしてもまず開いているのか?歩道が狭く車道が間近に迫っているため、店前まで行かないと確認出来ない。カーテンは開けられており、店の中は丸見え。これはやっている!と扉に手を掛けるが、ビクともしない。手当たり次第に引いてみるが動かない。一瞬、嫌な予感が背中を走ったが、一番端の扉に手応えあり。そのまま中に入ると、ドアチャイムが鳴り響く。すると奥の住居部分から、サスペンダーをした老店主が現れ帳場に座った。その奥から聞こえるのは、テレビの音と犬の鳴き声。店内は古めかしく、棚もすべて年季の入った焦げ茶の木製。壁は一面本棚で、左側に平台つきの背中合わせの棚が一本、右側に背中合わせの棚が一本、奥に帳場とガラスケースがあり、入口前に100円コミック(日焼け中)の棚が二本置かれている。左壁棚は文学全集類から始まり、日本文学・復刻本・さらに全集、角を曲がりエロ&性愛・文学プレミア本と言う並び。足元には単行本・文庫・さらにさらに全集類。向かいには棚に雑本的文学とノベルス、平台に推理小説・SF・ハヤカワポケミス・ハヤカワポケSFがゾロッと並んでいる。帳場前を通ると、店主は時折軽く唸りながらパソコン操作中。ガラスケースには古いパンフレットやガイド・和本などが飾られている。真ん中の通路には雑本的日本文学や新書、仙花紙文学本・戦争関連・コミック・辞書が収まっている。この時テレビから『今日は本の街・神保町からレポートします。八木福次郎さんを〜』と始まったら、店主は奥にテレビを見に行ってしまった…。奥の通路、壁際は山梨・甲府本から始まり、美術・文学評論・詩歌・実用・児童文学と続く。通路棚は、古い日本文学・新書・社会・エッセイなど。いい佇まいとそれにマッチした棚揃えのお店である。古い本多し。しかし前が車道のためか、本がジャリジャリ気味。そして値段は高め…でも今日開いていてくれただけで感謝!ハヤカワポケットブック「裁くのは俺だ/M・スピレイン」を購入。


fugetsudo.jpg●甲府「古書 風雪堂」
同じ駅南側、平和通りより西側の舞鶴小学校の近くにある。ほぼ住宅街と言っていい地域…開いてないだろうなと思い近付くと、戸が開き中の横積み本が見えている!あぁ!こっちも開いていたぁ!それにしても味のある店構え…横長で所々トタン張り…壁に至っては土壁!ガラスの向こうには文学全集が見えている。扉の前に立つと、まず見えたのは軍手をしてLPレコードの山と格闘しているおじさん…店の人だろうか?タイミングを見計らって入店すると、右から「いらっしゃい」の声。こちらが店主で向こうはやはりお客さんのようだ。中も横長で壁はグルリと本棚。真ん中には棚と積み上がった本の山で島が出来ている。通路は恐ろしく狭い。右に帳場的スペースがあるが、レコードプレーヤーと巨大なオープンリールが物凄い存在感を放っている。そして店内に響き渡るのは荘厳なオペラ…。目の前には大量のLPレコード、島部分には紐で括られた句集が積み重なる。入口横には美術図録やムック(さすが山梨、竹中英太郎も掲載の「探偵怪奇のモダニズム」が!)。右奥の壁には山梨本が集められ、武田信玄関連も多い。正面壁はそのまま山梨・甲斐・甲府関連本が続き、学術書・資料本・郷土史・地方文学・自費出版&私家版本などが大量多岐に渡り棚を占領している。途中からはガラッと句集に変わり、左壁際も同様となっている。入口左横には日本文学や詩集が集まるが、ここにも山梨ゆかりの本は多い。おぉ、木々高太郎先生の本も!この時ちょうどレコードが終わり、店主は針を上げながら「こう言うテノールもいいね」と感想を漏らし、先ほどのお客と雑談している。山梨本がスゴイ!気持ちいいぐらい集まっているが、値段は中々高めである。でも買う時値引してくれました。ありがとうございます!ちなみにこのお店、裏に別の入口があり、覗くとそこにも本が積み上げられていたが、こちらも店舗かどうかは確認出来ず。蒼洋社「夕日と拳銃/壇一雄」を購入。

甲府…開いててくれてありがとう。甲府…夏はさぞかし暑いのかな。甲府…駅前の武田信玄像はデカ過ぎる…。甲府…でも武田神社からの眺めは最高!
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2009年03月09日

3/8石川で観光客の間をダッシュ二店!

金沢に到着すると、やっぱりいつでも白っぽい街。まずは手近な所を回ろうとしたら、一軒目の丘の上の店がまず見つからない…その場所に見当たらない……。ふぅとため息をつき、眼下を流れる犀川と金沢市街を見下ろしてみる。時間のある限り、行けるだけ行ってみようと、急峻な石段を駆け下り再び街中へ!


hirosaka.jpg●金沢「広坂書房」
金沢市役所横の広坂商店街にある。古くそして何だか軒が低い(そう感じるだけなのか?)店構え。店頭左のショウウィンドウ前では、店のご婦人と通りすがりのおばちゃんが『本への愛』を熱く語り合っている。その横に100円均一台。一般の実用書系が多い。ガラス窓にはオススメ本の広告が何枚も貼られている…んん?これは本のタイトルではなくキャッチコピーなのか…?入口を潜ると、右に斜めに置かれた棚には最近の文学本、左には文庫やノベルスの小さな棚。店内は正面奥と左方向に伸びる逆“L”字型。壁際はすべて本棚、左スペースの真ん中に背中合わせの棚が一本、正面奥スペースには真ん中にワゴンが二台置かれている。入口右前にレジ。左の窓際は、地元人の歌集・美術・句集、角を曲がりノベルス、その後は日本文学がエッセイや一般本・歴史などと混ざり合いツラツラと続く。同ジャンルで角を曲がり、棚の終わり部分に金沢本が少量集まる。真ん中の棚には、時代劇文庫・日本文学作家50音順文庫・雑学文庫・エッセイ本が並ぶ。壁際の隅に、教育・児童文学が固められている。正面奥のスペース、真ん中のワゴンには特価本っぽい新しめの本ばかり。ちなみにこのスペースは『文庫スペース拡大!』と銘打たれたビラが貼られている。左の壁際はその文庫から始まり、文学文庫の続き・コバルト文庫・海外文庫が少し並び、後はコミックス。角を曲がると雑本的な棚で、社会・実用・経済・小説などがランダムに並ぶ。右の壁際には資格試験の専門書がズラリ。レジ横の二本の棚は、上に『SONY』のロゴが取り付けられたもの。以前は電器屋で、ビデオかカセットが並んでいたのだろう。表の見かけとは裏腹に、中はいたって普通の街の古本屋さん。80年代〜現代の本が中心で、値段は安め。本を買うと好みの栞(既製品)をセレクトできます。そしてとどめは「ありがとーありがとー」のやさしい言葉。文春文庫「歴史を紀行する/司馬遼太郎」を購入。


kinpachi.jpg●金沢「近八書房」
武蔵交差点近く、横安江町商店街の入口にある。新しく整備された街路と同様、店のファサードは復元された商家のよう…正確には古い建物をリノベーションしたと言ったところだろうか。屋根の上に飾られたピカピカの木の看板には、店名と共に『創業寛政元年』の文字がっ!…ところで『寛政』って何年だ?左のウィンドウには古い和本や手紙が飾られている。格子風サッシを開けて中へ。そこは静かに古本の匂いが充満する茶褐色な空間。目の前には積みあがった全集類、入口両脇には100円均一の文庫棚、両壁際は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、左奥には四面が棚のタワーが一本、奥に行き止まりの通路とガラスケース、正面奥に畳敷きの居心地良さげな帳場がある。右の壁際は文学評論から始まり、歴史・戦争・日本文学・辞書が並び、下には雑誌「銀花」が広がっている。向かいには、美術・文学・伝統芸能・漢詩・古典などの古い箱入り本。下には「国文学」がズラリ。帳場横には図書館関連の本が集められていたり、何故か「怪傑ハリマオ」の漫画が飾られている。その他には、色紙や紙物なども。左側の通路棚には、石川・金沢の本が集合。「白山の虫」とか、おぉ!荒木経惟の「石川ノ顔」も。入口近くには、映画・演劇・食、下には新書の詰まった箱が四つ。向かいには文庫棚と宗教本。そして通路の真ん中にそびえ立つ本棚タワーには、古い本が目白押し!全集端本・文学本・児童文学・紀行本…特に「黒人大陸」の帯コピー『腐った南部の白人め!!』が刺激的過ぎる!奥の通路はすべて宗教本。仏教を中心にキリスト教関連も並んでいたりする。ガラスケースの中には貴重な和本がディスプレイ。古い本多し!値段は普通でしょうか。後で調べたら『寛政元年』は1789年!すでに220年も古本屋を!ただただスゴイと言うしかありません。メタローグ「私の貧乏時代/安原顕編」を購入。

時間内にどうにか二軒回ることが出来た。段々走る距離が長くなってきた気が…。それにしても金沢の古本屋は風情のある店構えが多いので、それを目にしただけで心がヒートアップしてしまうのでした。いいなぁ…。
posted by tokusan at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする