2009年03月07日

3/7愛知・名古屋 空の鳥文庫


soranotori.jpg御器所駅を出て山王通を東へ。西友前の広路通1交差点を左へ。すると三店舗長屋の右端にお店が。青い…空色だ…店頭の袖壁と足回り、それに雨樋まで青く塗られている。ガラス戸には店名の他に、『ワープロ文書作成』『カラーコピー』などの文字が躍っている。古本屋以外にも何やらやっているようだ。そのガラス戸の中には、本と本棚以外にも回転式の印鑑ケースが二台置かれている。多少の不安を抱きつつ店内へ。むむ…狭い…ほぼ半分倉庫状態である。通路も極細…。そしてこの右側の見慣れぬモノは一体!?……おぉ!これは移動式書架!こんな大そうな仕掛けを見るのは『魚山堂』以来!ん?よく見るとその書架の脇に紙が貼り出してある。『この棚はセルフサービス式の移動書架です。側面に向かって左右の方向に手動操作してご自由にご検索下さい』…!これを自分で動かしていいのか…へへへへ、ワクワクするなぁ。使用方法の図解(手描きでカワイイ)も示してあり、他のお客への注意も促してある…そりゃ挟まったら大事ですから。その書架の前には小さめな棚が二本置かれ、その間に身体を滑り込ませ閲覧する仕組み。左側の壁はすべて本棚、真ん中に背中合わせの棚が手前と奥に一本ずつ、通路にも所々に本が積み上がっている。奥にレジがあり『THE古本屋』なオヤジさんが、作業着を着込んでパソコンに熱中している。移動式書架にハートを連射されながらも、落ち着きを装い他の棚から見始める。小さな棚二本には絵本や『こどものとも』が詰まっている。向かいの通路棚には大量の児童文学と海外文学。奥の棚には、詩・文学評論・古典・少量の文庫・古い広告図案集などが収まる。棚の裏側には手前に教育・児童・思想、奥に哲学・日本文学となっている。壁際には、脚立・新書・岩波文庫・科学全般・美術・実用・民俗学・歴史・宗教と並んでいる。そしていよいよ右側の移動式書架へ!書架は全部で七本、入り込める場所は二ヶ所。入れる場所が限定されるために、事前の書架の移動調節が不可欠である。空きスペースに見たい棚が来るように、パズル気分で移動…文庫棚は簡単に動くが、単行本の棚は重い!…ゲームの『倉庫番』実写版のようである。棚の中には、楽譜・ビジュアル本・海外文学文庫・ミステリ&SF文庫・日本文学文庫・教養&雑学文庫・技術書・戦争関連などが並んでいる。本って重いなぁ、と今更のように思いつつ『ガーガーガチャン』と古本屋らしからぬ音を響かせ、質量を感じさせる重労働。しかしこれが結構楽しかったりする。この手前の小さい棚が無かったらもっと動かしやすいのだが…。そして動かした書架の中から一冊抜き取ってレジへ。本を渡すと、カバーに貼り付けてある値段&分類シールを手早く剥がし、しばし本を眺める。そして「○○○円でいいわ」と突然の値引。反射的に「ありがとうございます」と軽く頭を下げる。すると今度はお釣りを渡しながら店主が「ありがとうありがとう」と気さくで丁寧なお礼。古い本も多く、値段も安い。そして目玉は何と言っても、セルフの移動式書架!ここまで来てよかった!光文社カッパブックス「メキシコの青春/北川民次」を購入。

今回の名古屋、本来は鶴舞の先を訪ねるはずであった。しかし別な所にもチャレンジしたく、今回は御器所(ごきそ)周辺に焦点を定めたのだった。しかし「空の鳥文庫」以外はみんな臨時休業しており、そこには「名古屋大市のため…」と言う貼紙が。くぅ、タイミングが悪かった…。
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2009年01月17日

1/17静岡・浜松で古色泰然二店!

およそ八ヶ月ぶりの浜松。嬉しいことに比較的時間があったので、思い切って距離のある二店を廻ることに。遠く離れたお店でも、走れば線でつながるのです!


tensho.jpg●浜松「典昭堂」
遠州鉄道・遠州病院駅を出て、目の前の大通りを西へ。常盤町の交差点を過ぎてから見えるバス停の前にお店はある。おぉ!古めかしいが何だか立派である。特に庇の上にニョキっと飛び出している立体の看板文字がたまらない。店頭には右側にコミックの揃い、左に括られた異様な安さの全集や辞典類。10冊100円、17冊300円…文庫の端本は30円…。店内は薄暗く、床はコンクリ、天井や棚は木製。壁は一面が棚、奥が帳場、真ん中に背中合わせの棚が二本。入口左横には全集類の山、右前にはコミック揃いの山。そこには『水島新司のコミックは棚の下に』と強力プッシュポップも。右壁棚下には確かに水島コミックの揃いが並んでいる。右の壁際は文庫から始まり、日本文学・教養・女流・現代小説・時代小説と並ぶ。その奥は、郷土・人文・歴史・民俗の単行本が。この中には新刊の特価本も多く混ざっている。向かいの通路棚は、岩波新書&文庫・他社新書がズラッと収まる。ここでも岩波新書の未使用新品が100円で売られている。不思議なお店だな…。真ん中の通路には、大判の美術本・実用・建築・科学・自然などが…あぁっ!東海大地震の本が固まっている!やっぱり心配なんだなぁ…。左の通路の壁棚は、宗教・小説・ノベルス・ハーレクイン・海外文学&文庫(ポケミス少量あり)が並ぶ。宗教・小説にはまたもや新刊特価本多し。向かいには美術や文学評論が並んでいる。このお店は1/4くらいは新刊の特価本のようだ。そう言えば窓には『赤札値引開催!』と貼ってあったが、これらのことなのだろうか。まぁ値引がなくても古本はとにかく激安である。30円や50円がゴロゴロしているのだ。10冊買っても500円…思わず数冊買いそうになるが、グッと思いとどまる。本はよく吟味して買いましょう。岩波新書「パリ1930年代/ルネ・ドゥ・ベルヴァル」を購入。


sanken.jpg●浜松「古書の三軒堂」
先ほどの通りから一本北へ上がった六間道路を、ひたすらただひたすら東へ。馬込川を越え、佐藤の交差点を過ぎ200mほど進むとようやくたどり着ける。三店舗連なる長屋形式のお店。ちなみに左が寿司屋、真ん中がスナック、そして右端が古本屋…すし→スナック→古本屋と流れるのがベストであろうか…ハッ!?三軒並びだから『三軒堂』なのか…?店前は駐車場になっており、空色の車が入口ギリギリに停まっている。あぁ、ここもお店の看板がいいなぁ…看板屋がその昔に書いたであろう筆文字の書体が力強い。隣り二軒の有りモノの書体など、まったく比較にならないほどだ。取りあえず車の後ろをすり抜け店内へ。寒い中を歩いて来た身体が、店の暖かさにホッと一息ついている。まず目につくのは入口脇に置かれているワゴン。秋田書店のサンデーコミックスや大都社の絶版漫画がバスバス並べられている…しかも安い…こんな並びのワゴン見たことないなぁ。壁は一面棚、真ん中に背中合わせの棚が二本、入口左脇に平台、奥に帳場がある。ワゴンに驚いたまま壁棚に目をやると、スポーツ・ハーレクイン・宗教・言語・古本・アダルト・オカルト・哲学・化学・数学と続いている。道路脇の看板に『文学・宗教・地方史』と書かれているだけあり、宗教が二本ほど棚を占領している。向かいには、文化・民俗・江戸・東京・山岳・文学評論が収まり、面白そうな本が安値で並んでいる。官能小説の並んだ細い棚前を通り、真ん中の通路へ。新書・映画・車の本…近いせいかトヨタの本も多い。下には古い雑誌が並べられ「滑空機」などと言う不思議なものも。向かいには最近のコミック(立読み禁止!)・エッセイ・静岡関連本…あぁっ!ここにも大地震の本が集結!何か怖くなってくるなぁ…。入口左横の平台にはまたもやアダルト、その前は古いコミック棚。ここにも絶版漫画がチラホラ。左の壁際は、詩歌・またもやオカルト・古代史・小説・時代小説・戦記・歴史、帳場横に静岡地方史が並ぶ。向かいには結構バラバラに並んでいる新しめの文庫たち。中心地から少し遠くお店も小さめだが、探せば何か見つかりそうである。そしてここも店内は木とコンクリで作られている。もちろん打ちっ放しやジャパニーズモダンとは無縁だが、この雰囲気は長い熟成期間を経ないと出てこない雰囲気。これが味わえただけでも来た甲斐があると言えよう。ノーベル書房「侍 市川雷蔵 その人と芸」を購入。

この地では古本屋は、まさに点在していると言う表現がふさわしい。それにしてもどのお店も古び方がいい感じで、特殊な魅力にあふれている。以前訪れた『時代舎』も含め、お店の中身はそれぞれだが、この共通のたたずまいは、示し合わせてるのかと思うほど。これからもどうか浜松の文化の一翼をひっそりと担ってください。
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2008年12月13日

12/13愛知・大須観音 古本や 猫飛横丁


nekotobi.jpg駅を出て伏見通を南へ。アーケードの商店街・仁王門通に入り、丁度真ん中辺を右に入ると、路地の角地に発見できる。外観は古本屋さんにはまったく見えず、看板を見落としていたら通り過ぎていただろう。その看板がまた可愛らしい。街&翼の生えた猫のシルエットが、昭和初期的アールデコ風文字で書かれた店名を囲んでいる。左にあるガラス扉を覗くと、嬉しいことに完全なる古本屋!扉に何やら貼紙があるのに気付き注視すると『本日都合により5時にて終了しました。お出でになった方には申し訳ありません』とかなり小さな文字で書いてある。現在3時45分…やってないのかと不安になりつつも、扉に手を掛け引き開けてみる。鍵は掛かっていない!中に入ると壁一面の棚と本の山…右側にレジらしきものが。その本の山の向こうから店主が顔を出した。「いいですか?」と聞くと「ああ」…気の早過ぎる貼紙にだまされなくてよかった…。左の壁は、演劇・映画・文学のハードカバーが並ぶ。目の前には本の山と小さな文庫棚。レジ前から迂回しないと奥には進めない。上から見ると“?”の下の点が無いカタチに、一本の通路が構成されている。文庫棚には。幻想文学・映画・演劇・美術・芸能などが並ぶ。レジ横の本の山の上にも文庫の入った小さな箱が二つ置かれている。通路を進み右壁際の棚。そこには演劇関連が大量に並ぶ。演劇論・演劇史・戯曲…奥には歌舞伎や落語などの伝統芸能。角を曲がり奥の棚には、幻想文学・美術・哲学・思想・海外文学が広く収まる。さらに角を曲がり再び左の壁際、詩歌・日本文学・映画&テレビ・シナリオが並ぶ。店の真ん中は、本が横積みされた山が占めている。深い品揃え&値段も安めでいい感じ。レジで本を手渡す、といきなりの50円引き!ありがとうございます!レジ横の柱を見ると、麦藁帽子の下に何やら古いモノクロ写真が飾られている。町の狭い路地…『猫飛横丁 昭和11年』のト書き。店主に「この辺りは猫飛横丁って言うんですか?」と聞くと「ん〜ん、猫飛横丁って言うのは、別にこの辺のことじゃなくて、いわゆる遊郭の軒と軒とが触れ合いそうな狭い路地の通称。屋根から屋根へ猫が飛び移って移動しそうだから、そう言われたんだ。昔、年寄りにそういう話を聞いたことがあって、色んな流れで店名になったんだよ」と丁寧に説明していただく。「まぁこの辺でも、奥に入るとまだそんな雰囲気が味わえるよ」…おぉ、何とロマンチックな。意外な楽しい店名の由来話に礼を言い、店を辞す。早く戻らなければならないのだが(これさえ無ければ…)、試しに狭い古びた路地に入り込み、ちょっと遠回り。路地を歩きながら頭上を見上げる。今にも毛だらけのお腹を見せた猫が飛び出して来そうな、屋根と庇に切り取られた、そんな狭い空が見えていた。新潮文庫「気まぐれ美術館/洲之内徹」を購入。
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2008年10月24日

10/23愛知・名古屋 今池&千種二店!

仕事で日帰り名古屋行。そのタイトなスケジュールから時間をムリヤリ捻出し、街へっ!早く、早く古本屋を訪ねて仕事場に戻らねばっ!……。


kannazuki.jpg●名古屋「古書 神無月書店」
今池の西、錦通りと広小路通りに挟まれたビルの谷間にある。物凄く陽が当たらなそうなので、本たちにとっては好環境か?店頭には二つのラックがあり、左は単行本、右には新書・ノベルス・ハーレクイン・文庫が並ぶ。ちなみに文庫は三冊100円。『古書の森』と書かれた扉を開け入店。迎えるは天井近くまでの棚と奥行きのある店内。棚が迫る天井には、蛍光灯が井桁型に組まれる珍しいカタチ。壁はレジ後ろまで、すべて本棚。真ん中に背中合わせの棚が手前と奥に並ぶ。右通路の壁際には、マンガ・マンガ評論&研究・出版&古本・自然科学・鉄道・スポーツ・音楽・映画(充実!)・芸術が並ぶ。向かいの棚は『毎日更新サービス棚』と銘打ち、様々なジャンルの単行本と大量のハヤカワSF文庫が収まっている。足元には大量の雑誌がズラズラ!左通路の通路棚には、アダルト・文庫・戦記などが並ぶ。向かいの壁際が面白く、上から近代文学・現代文学・文庫本と地層のように並び、そのまま横に、日本文学・探偵小説・幻想小説と移り変わる。近代文学には仙花紙本も多く見受けられる。そのまま奥に進むと、海外文学・探偵小説評論(活字秘宝の『平成の名探偵』まで置いてある!)・文学評論と続く。レジ横の小さな棚には特殊な絶版文庫たちが。奥の通路棚は、思想・哲学・心理学が並び、その裏には歴史と民俗学が仲良く収まっている。壁際の棚には写真集や大判の美術本と、ここにも美術関連本が並ぶ。本はパラフィン紙に包まれ、整理整頓も徹底、状態の良いものばかりである。その上値付けも絶妙!……またもや物欲が頭をもたげ、動きを鈍らせる。懸命に選んだ本を手にレジへ。精算しながらレジ後ろの本棚に、素早く泥棒のように視線を走らせる。あ!薔薇十字社の「アンドロギュノスの裔」が!お!大伴昌司の「ウルトラ怪獣大図鑑」がっ…。このお店では、旅先なのに大きな本ばかり欲しくなった。そんなちょっとしたジレンマ…買うべきか買わざるべきか・旅先だから二度と出会えないのではないか…などが楽しくもあり、情けなくもあり…。しかしいい古本屋さんでした。集英社「毒笑/飯尾憲士」を購入。
■ミニ・今池追記
今池と言えば、ピンと来るのは「今池電波聖ゴミマリア」。街を歩いている時に、「あ!ここがあの今池か」と思い、辺りを見回してもゴミだらけ…であるはずもなく、本の内容もすっかり霧の彼方…。よってこんな文となりました。


hayashi.jpg●名古屋「古書 林書店」
千種の北・桜通りから大きめの横道に入ると、交差点角にある。店の看板はトリコロール!『自由・平等・博愛』!そんな意味を超えたところにある店名の筆文字がたまらない。道路から少し奥まった場所に並ぶスチール製の棚。収まっているのは単行本や文庫本だが、棚ごとに値付けが変わるようだ。左から100円・200円・文庫二冊100円五冊200円・200円・300円となっている。自動扉を開き中へ。するといきなり飛び交う乱暴な怒声!テレビの音が静かな店内に響き渡っている。店主が見ているのはどうやら水戸黄門。悪党が非道な悪事を働きまくってるらしい。何故かその悪党の声が、雨森雅司の声に聞こえてしょうがない…。さて、店内は広い。そして大量の本。壁はすべて棚で、真ん中に背中合わせの棚が二本前後に置かれている。右側は前も後ろも行き来ができるようになっている。左は入口側の通路が塞がれ、レジ側の一本道となっている。入口の両脇にはスチールラックが置かれ、色々なジャンルの箱入り本が詰まれている。「日本の合戦八冊揃い」……。右の壁際はコミックの揃いがチラホラ。奥には美術・建築・陶芸が並ぶ。向かいには新しめの文庫本。通路にも本が積み上げられ、倉庫的な印象。棚の裏も文庫がビッシリ。その向かいには、新書や名古屋本が多く並ぶ。郷土史・方言・都市風俗・暮らし…たくさんの名古屋がここにある。その裏はアダルトと戦国時代本!うーん、オヤジが燃え上がる本棚と言えよう!向かいの壁際には、古典・歴史・文学評論・伝記・社会などが奥まで並ぶ!この通路にも本が多く積まれている。……何故かこのお店に突然の既視感…そうか、店内の構造が金沢の『明治堂書店』に似てるんだ!などと考え、本を入れてもらった何故か緑ばんだ白い袋を手に、店の外へ出るとすっかり夕暮れ…。早く仕事場に戻らねば…。新人物往来社「東京新大橋雨中図/杉本章子」を購入。

段々明度が落ちてくる夕暮れの中、地下鉄の駅を求め、広い道路をトボトボ&ダッシュ!旅先の夕暮れはことさら寂しい。あぁ。古本屋の灯りが遠ざかる…。
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2008年06月15日

6/15石川・金沢 街外れの古本屋二店

金沢は毎年のように仕事で訪れているが、いつもついでに訪ねるのは石川県立美術館。鴨居玲の「1982年 私」を見に行くためである。しかし今年は大好きな絵画と古本屋を天秤にかけ、古本屋を取ってしまったのです…。


k_bungaku.jpg●金沢「文学堂書店」
賑やかな片町の交差点から300mほど進むとその店はある。看板は出ておらず、かろうじて店前に出ている均一台(ちっちゃい…)で古本屋と分かる。その姿はさながら「白い荒野に建つ古本屋」。周りは駐車場、そして金沢の道は白い。店の外観も白い…。店内は台形、右側に文学や趣味・海外文学・ノベルス(背文字に『殺人事件』という文字が躍りまくり)。左側は技術書・学術書・新書・文庫などが。それほど古い本はないようだ。レジに人はいない。どこからか咳き込む声とテレビの音が聞こえてくる。「すいませーん」と声をかけると、誰かが壁の向こう側で立ち上がる気配。ノソリとレジ横の出入り口から姿を現す店主。その瞬間、私を見ながら「あれ?何でここにいるの?」と言うニュアンスを含んだ表情を見せる。店主は、チュートリアルの福田が枯れた感じに見えなくもない。いい味である。光文社「家相の科学/清家清」を購入。


meiji.jpg●金沢「明治堂書店」
ここも片町の交差点から、さっきとは逆方向に400mほど進むと、武家町の近くにある。通り沿いの古い建物で、二階の磨りガラスがかっこいい。店内は正方形で右側の一部をを壁で囲い、倉庫にしているようだ。本はパラフィンが掛かり、棚の中は整然としているが、通路と棚下部分の平台は本の山。あらゆるところに溢れ、時間の経過と共に山が高くなってきている模様。無秩序が秩序を侵食する寸前、と言う形容が正しいように思う。文学・美術・思想・風俗・文化・文庫…。本棚の枠には、手書きのおススメ本名&値段が貼り付けてある。眺めているだけでも楽しい。そしてレジの後ろも本の山。レジに座る店主はさながら古本の王である。その店主が一冊の本を探している。「ネットで売ったんだっけ…ここか?あ、ある。もう一冊ある!」どうやら店主も侵食寸前のよう。本をレジに出すと「あぁ!」と何故かビックリ。愛すべきお茶目なオヤジさんである。ハヤカワ文庫NF「小さな庭のウォッチング/乾信一郎」を購入。

金沢は離れた場所に店が点在している。時間が少ないのもあったが、ダッシュで二店が限界でした。
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6/14名古屋古本屋ロード

名古屋は鶴舞で駆け巡り。そこは驚愕の古本蟻地獄!長ーい罠のような古本屋ロードだったのです!


yamaboshi.jpg●名古屋「山星書店」
鶴舞駅の歩道橋を渡ったところの一軒目。「やまぼし」と読む。まず店頭に掲げてある看板の書体がかっこいい。一見普通の古本屋だが、中に入ると文学がいい感じ。純文学と探偵・推理小説が整然と並べられている。当時の印刷が波に乗り始めた綺麗な本が多い。網目の粗い印刷に原色な感じは、背を見ているだけでアナザーワールドに誘ってくれる。他は歴史・宗教・建築・土木・生物・美術など。店の真ん中を貫いている棚が、中ほどでクリ貫かれており、トンネルのように潜るのがちょっと楽しい。店員さんはずーとっ、梱包材の「プチプチ」の話をしている…。


daigakudo.jpg●名古屋「大学堂書店」
1Fと2Fに分かれている。2Fは漫画・特撮・DVD・レコード・写真集など。1Fがいわゆる古本。すべての本に帯が巻かれ、版と値段が書かれている。文庫とて例外ではない。店内はツボを押さえたいい品揃えである。そして値段が押し並べて安いのが魅力。文学系が充実。技術書や辞書なども多い。防犯カメラが各所を捉えているハイテクな古本屋。岩波文庫「美しき町・西班牙犬の家/佐藤春夫」を購入。


network.jpg●名古屋「古本 NET WORK」
どこかのバンド名のようなお店。入り口が狭く、看板が出ていなければ古本屋と分からない。店内は縦に驚くほど長い!通路が二本。岩波文庫がひたすら棚一段で、奥の方まで並んでいるのは面白い景色。音楽系に力を入れているようで、本・CD・雑誌などが圧倒的な量で棚を占める。棚の一番上に美術関係の本が面差しでズラリと並べられている。他に建築・風俗・思想などがある。奥まで行って気付いたのだが、この一本目の通路は向こう側と通じておらず何故か行き止まり。仕方なくレジ前まで引き返し、隣に入るとそこは棚一面がアダルト。漫画と写真集で埋められており、もう壮観としか言いようがない。その対面はすべて雑誌。車・鉄道関係が豊富に揃っている。余談だがさっき買った佐藤春夫の本が、こちらでは350円で売っており、セコイようですが軽くショックを受けてしまいました。


sansindo.jpg●名古屋「三進堂書店」
最近久しぶりに出会った、普通の町の古本屋。均一ワゴンに官能小説が混ざっているのがホッとさせてくれます。店に足を踏み入れるとカレーの匂い。レジ裏からはゴトゴトと生活音がモロ聞こえ。だが決して何の思想も無いという訳ではなく、棚はしっかりとしている。寺社・宗教関係に力を入れているようだ。


aki.jpg●名古屋「亜希書房」
激しく老朽化したビルディング。その外観に負けず劣らずな、まるで九龍城のような地下にその店はあった。荒んだ階段を降りると「立ち小便するな!防犯カメラ作動中」の張り紙。恐らく防犯カメラは設置されてないのだろう。通路を奥に進むと定食屋の向かいに古本屋が。ショウウィンドウに絶版漫画がズラリと並んでいる。店内に入ると、未来世界でご禁制の紙の本を見に来た錯角に囚われるワンダフルな空間!店の形は細長い三角形。とにかく雑誌がスゴイ。70年代のジャンプやサンデーがゴロゴロ。ぱふやふぁんろーど、鉄道関係などマニアックな雑誌も勢揃い!とても綺麗に分類されてます。探偵・推理雑誌なども当然の如く棚に。雑誌にはあまり興味が無いのでスルーしましたが、本もなかなかです。文学・戦記・超常現象・映画・演劇・ノンフィクション…見応えたっぷりです。取りあえず何があるか分からないので、端から端まで見ずにはおられません。ちなみに漫画類は外のウィンドウで眺めるのが正しいようです。


tsutaya.jpg●名古屋「つたや書店」
名古屋ならではの広い大通りの角地にある。店内は通りから一段低くなっており、段差(微妙なスロープ)に注意。ここも町の古本屋。平台から80年代〜90年代エロ本・表紙の女性の視線が痛くもあります。しかしレジ横には古い文学の初版本がズラリ。侮れません。


sanshodo.jpg●名古屋「三松堂」
右が新刊書店、左が古本屋と言うハイブリッドな書店。それぞれにレジがあり、銭湯の番台が男湯と女湯に別々にある感じである。入ったところにある回転棚は文庫でギュウギュウ。重みのせいか傾き気味。回そうとすると途轍もなく重く、ギチギチと悲鳴をあげながら、今にも倒壊してしまいそう。幻想文学・短歌・山岳・初版本…中でも写真関係が充実。店主は和菓子をつまみながら、隣の新刊レジの奥さんらしき人と会話。光文社「軽井沢心中/荒木経惟」を購入。

この名古屋の道、間の伸びた神保町のようである。一つの古本屋に入ると、遠くに新たな古本屋が見える。まるで砂漠の水場を次々と巡っているように、道の先へ先へと進んで行くはめになる。今回、いつものように時間がなく、まだまだ先にも古本屋があるのを知りながら引き返さざるおえなかった。次回は逆からリベンジしようと想う。
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2008年05月26日

5/11静岡・浜松「時代舎」


jidai.jpg浜松城のお膝元にある古本屋。大通りがカーブし坂道になるところに面している。この日も雨で外のワゴンに本は出ていない。中に入るとすでにお客さんが四人品定めをしている。人通りも少なく市街地からは外れているのに、この客入りということは地元では有名店なのだろうか。店内は整然としており、分類もしっかり。文学・実用書・児童書・学術書・美術書・雑誌・漫画・豆本・郷土本・山岳書など。文庫は少なめである。中でも入り口右奥からレジまでの棚で一面を占領する文学はすばらしい。奥に行くほど古くなっていく並び。おっ!と思わせる本が散見される。そして値段が安め。手にする本手にする本、この値段なら買ってもいいと思わせる絶妙の値付けなのである。私は真鍋博の「未来行き列車に乗って」を購入。この日も店内滞在時間は20分と短く、もうちょっと財布と相談しながら色々悩みたかった…と思いながら、仕事場までダッシュで戻った(約1.2キロ)後ろ髪ひかれる浜松でした。
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