2020年02月23日

2/23太郎本ばかり買う。

お昼前に家を出ようとすると、集合ポストに小さなチラシが放り込まれていた。取り出すと、それはホチキス留めされた二枚の紙で、『BOOK6 ROKUJYO BOOK』という古本屋さんの出張買取広告であった。この名前、以前古本屋さんについて調べていたら、引っ掛かったことがある。住所の大岡山に実店舗はあるのだろうか…おっ、説明文に『六畳ブックでは地域の人がご自由に置いたり、もっていったりできるご自由本棚を設置しています。少しでも本をムダにしません』とあるではないか。何らかの古本が見られる場所があるということだな。今度行ってみよう…などとチラシを手にしながら、テクテク歩いて荻窪で古本屋さんを眺めるが、珍しくめぼしい物に出くわさず、何も買わずに通り過ぎた状態になり、そのまま西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で店頭棚を注視していると、背後に大きな人影が張り付く。「オニイサン、いいものあるよ。例のヤツあるよ。上物だよ」と何故か危ないクスリの売人風に近付いて来た岡崎武志氏であった。元々盛林堂店内で落ち合うつもりだったのだが、店頭で発見され、奇怪なアプローチをされてしまった…とそこに補充古本を抱えた店主の小野氏も登場。何と奥さまが病気でダウンし、数日の間ひとりでお店を切り盛りせねばならず、てんてこ舞い中とのこと…奥さまの快癒を、心よりお祈りしております。そして「ほら、風太郎たくさん出てるから、買って買って」と促されたので、時代物山田風太郎本がギッシリ詰まった木箱をジッと覗き込む。そして素早く昭和三十年代出版の三冊をセレクト。さらに左側の本棚から谷川俊太郎を一冊選び、店内「フォニャルフ」棚にちょっぴり補充してから精算する。桃源社「不知火軍記」光文社「白浪五人帖」「かげろう忍法帖」共に山田風太郎、弘文堂「世界へ!/谷川俊太郎」を計400円で購入する。…太郎本ばかり買ってしまった…。
tarou_hon.jpg
その後は岡崎氏と連れ立ち「古本バル 月よみ堂」(2015/04/10参照)に向かうが、時間が早過ぎてまだ開いていない。仕方ないので近所のカレーの匂いが香ばしい地元喫茶店に入り、近況報告や情報交換やブレインストーミングを行う。もちろんすべて古本屋さんについてである。古本屋さんについてアレコレ話すのはやはり楽しい。もう何十年も、この二人のオッサンの心を捉えて離さぬ、古本屋について調べること、古本屋に向かうこと、店内で古本を買うこと、古本屋について回想することは、人生の中で特上の地位を占めているのである。氏と話し込んでいると、今後もそれが変わらず揺るがぬことが、ヒシヒシと伝わって来る。というわけで、もういつの間にか二月も終わりに近付いていますが、今年も古本屋さんの素晴らしさとそこで遊ぶ喜びを、二人で色々なカタチで、地道にばらまき続けて行きたいと思います。
posted by tokusan at 16:17| Comment(1) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月21日

2/21清張厚着本。

本日は高野台というところにふうわり流れ着いたので、比較的近かった石神井公園駅に足を向ける。そして当然駅近の古本屋さん巡りを敢行。まずは裏通りの「きさらぎ文庫」(2009/01/21参照)へ。店頭棚と店頭壁棚と、店内に引き込まれた安売棚しか見られぬお店であるが、古い岩波・新潮・角川文庫がワンサカ並ぶ(海外文学多し)のがなかなか楽しい。新潮文庫「緑の館/ハドスン」「奇妙な花嫁/ガードナー」を計200円で購入する。次はバスと買い物客で賑わう駅前商店街の「草思堂書店」(2008/07/28参照)へ。左壁文庫棚に、あまり見慣れぬ清張の角川文庫を見つけ、何かモワンと伝わって来たので手に取ってみる。角川文庫「顔・白い闇/松本清張」…『顔』(車中で読了。犯人の計画には考え抜いたわりには大きな穴があるが(そのために窮地に陥る)、それを含めても面白く読ませるサスペンス小説であった)『張込み』『声』『地方紙を買う女』『白い闇』を収録した短篇集である。昭和三十四年の五刷…デザインや装画のクレジットが何もないカバーを思わず剥がしてみると、あっ!ちゃんとパラフィンが掛かり、緑の帯までもが隠されていた。厚着本なのか。面白いから買っておこうと、150円で購入する。これで角川文庫の厚着本は二冊目となる(2019/10/25参照)。
kao_shiroiyami.jpg
こういう古本を手にしてしまうと、何故だかもっと古本が買いたくなって来てしまう。急いで駅に飛び込み、保谷に移動して「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)へ。店頭棚と店内入ってすぐ右の古本山を入念にチェックし、山手書房「鴉/渡辺啓助」毎日新聞社(大阪)工務局「活字と活版」緑の笛豆本の会「第二集 南部小絵馬物語/蘭繁之」(署名入)春秋社「現場を見た人 松川事件の真犯人は誰か/山田清三郎」(献呈署名入)を計440円で購入する。満足して石神井駅に舞い戻り、バスで阿佐ヶ谷に帰宅する。帰宅後、大阪に三十冊弱の古本を詰め込んだダンボール箱を送り出す。今回の目玉は、家内の古書タワーの隙間から奇跡的に発見された「野呂邦暢 古本屋写真集」であります。まだストックがあったのか!と驚き喜んだが、西の方々にも見ていただこうと勇気を奮って送り出した次第。しばらくすれば、古書コンシェルジュの手を経て、大阪「梅田蔦屋書店」の古書棚にひっそりと並ぶことでしょう。他にも愉快な古本をたくさん送り出しているので、どうぞお楽しみに!
posted by tokusan at 18:01| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月20日

2/20足止めされても古本は買う。

昨日は午後イチの吉祥寺に流れ着いたので、いつもの流れで古本屋さんをハシゴする。「よみた屋」(2014/08/29参照)ではブラジル出版社「啄木の歌とそのモデル/宮本吉次」を110円で購入する。これは小型本で昭和四年刊だが、その後この著者は何度も違うカタチで、同書を増補再版している。それにしてもけったいな出版社名だ。巻末の出版予定も、この宮本吉次の本ばかりだし…。続いて「古本センター」(2017/03/06参照)ではビル廊下奥の安売店頭棚から、武侠社「近代犯罪科学全集10 犯罪者の心理/金子準二」を引っ張り出し、ちゃんと箱付きなのに80円の安値だったので購入する。グラビアページに有名な蘆原將軍や、当時社会を震撼させた犯罪者のポートレートが載っているのが衝撃である。最後に「一日」(2017/08/11参照)で、ハヤカワポケミス「ドグラ・マグラ/夢野久作」文松堂書店「リュブルック東遊伝/妹尾韶夫譯」を計660円で購入し、満足を覚えて帰宅する。

本日は仕事の締め切りに差し迫られ、家に足止め…午後三時までに入稿せよとの命なのだが、午後二時を過ぎても未だに何の連絡も来ない…いったいどうなっているんだぁ!…などと地団駄踏んでいたら、いつの間にか午後三時。約束の時刻であるが、連絡がなければ何も出来ぬので、午後三時と言う軛からは逃れ出た気がするので、取りあえず買物に出ることにし、その帰りに「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭に目を光らせる。ふむぅ、古い荷風本が数冊並んでいる。水ヌレ跡があったり傷んでいたりと、状態はやはり良くないが、この春陽堂「花柳小説 腕くらべ/荷風小史著」(大正九年三版)は、背の端が傷んでいるくらいで、わりとまともじゃないか。この令和の時代に、三代前の大正の本が買えるとは。やはり古本屋さんって素晴らしい!そしてそこから視線を下げると。薄手で簡素なペーパーバックの背に『JEEVES』とあるのが目に入る。取り出すと、これが表紙絵がアメリカンに素敵なREADER'S LEAGUE OF AMERICA「JEEVES/P・G・WODEHOUSE」であった。計220円で購入し、そそくさと帰宅する。…だが、連絡は、まだない…。
udekurabe_jeevs.jpg
posted by tokusan at 16:53| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月17日

2/17ボルボ文庫!

本日月曜日は定点観測の日!というわけで早朝からしていた仕事をキッチリ終わらせて、いつものように午前十一時半の荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)へ。棚の潮目が少し替わっており、何かありそうな予感…おっ、店頭新書棚の上段大判本ゾーンから、ビクター出版株式会社「野鳥の歌/日本野鳥の会収録 中西悟堂著」を取り出す。函からスイッと取り出すと、野鳥の声を収録したソノシート四枚が、ちゃんと完品なのが嬉しいじゃないか…これは近所に住む、古本好きの中西悟堂研究家さんは持っているのだろうか?そんなことを頭に浮かべつつ、大事に抱え込み、続いて文庫棚を精査して行く。すると歩道に近い雑本文庫ゾーンで、見たこともない文庫本を見つける。ボルボ文庫「小説家が書いたカタログ/鈴木光司・馳せ星周・谷村志穂・新野剛志・村山由佳」という、2018年当時のボルボ最新の90シリーズを物語へのジャンプ台にした短編小説集である。非売品のノベルティなのに執筆陣が豪華だ…カバーデザインが他社の既存文庫のパロディになっており(分類番号が『ボ90』となっている)なかなかクオリティが高い…背に使われたボルボのロゴがマッチしている…そういえば、小さい本スキー&非売品文庫本スキーの北原尚彦氏はお持ちだろうか…ホームズ関連&二次創作物探索の“北原案件”に続き、こういう見たことのないドマイナーな文庫についても、また大事な別件の“北原案件”なのである。というわけでこれは確保しておこうと、計220円で購入する。「藍書店」(2018/12/29参照)では新潮社「署長日記/伊藤永之介」を220円で購入してすぐに帰路に着くと、阿佐ヶ谷『中杉通り』の緩い坂を北に上がっている時に、坂上でこちらに向かって手を振る紳士がいる。あぁ!何たる偶然!先ほど古本を買って連想したばかりの、中西悟堂研究家さんではないか!早速近寄り、買って来たばかりの「野鳥の歌」を見せると、「ソノシート入りのやつですね。もちろん持ってますよ。でも、110円は安過ぎる!」とのことであった…や、やはり持っていたか。スゲェな。感心しながら家に戻り、昼食を摂ってから今度は高円寺に外出。「DORAMA高円寺庚申通店」でハヤカワポケミス「倍額保険/A・A・フェア 田中小実昌訳」を110円で購入する。またまた家に戻ってからは、そうだ!北原氏にボルボ文庫についてお知らせしなければ!と気付き、写真を撮ってメールする。するとすぐに返信があり、なんと知らない文庫だということが判明する。よってこのボルボ文庫は、あっさりと北原氏書庫に嫁入りすることが決定した。いや、よかったよかった。と喜んでいたら、再び北原氏からメールが届き『ボルボ文庫、全く知らなかったのでネットで調べたところ、メルカリにも出ていました。日下三蔵さんに「これ、日下さんも必要なんじゃない?」と連絡したら、すぐに「買いました!」と返信が来ました。』という、なんとも素晴らしい後日談…いや後分談というほどの素早く楽しいエピソードが届いたのであった。まったくホントに面白い人たちだよ。あぁ、それにしても、間接的に日下氏の蔵書を増やしてしまったことになるのか…次の書庫整理も、罪滅ぼしに頑張って働くことにしよう。
yachyou_to_volvo.jpg
ビクターのマークが可愛い「野鳥の歌」と、一部の古本神に旋風を巻き起こしたボルボ文庫。
posted by tokusan at 19:19| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月16日

2/16バスに乗らなくてよかった…。

午後二時過ぎに、西荻窪の北西に流れ着く。雨もどうやら上がったので、目の前にあるバス停からバスに乗り、大泉学園駅にでも出張ろうかと思い、じっとバスを待つ。だが、丁度バスの到着時刻なのに、バスはなかなか姿を現さない…ダイヤが乱れているのだろうか…と十分ほど耐えるが、状況に変化は起こらない。うぁぁぁ!と痺れを切らしてしまい、結局西荻窪駅に向かってトボトボ歩き始める。その途中で、まずは『女子大通り』奥の「花鳥風月」(2009/04/28参照)に立ち寄る。あまりに久しぶりなせいか、店内でたくさんの欲しい本に巡り会う。そんな購入候補を胸に秘めつつ、右奥の自然生物関連棚に接すると、おぉ!毎日新聞社「雪男 ヒマラヤ動物記/林寿郎」があるではないか。値段を見ると、この本にしては安値の千円なので、迷わず家に連れて帰ることにする。
yukiotoko.jpg
表紙写真は、雪男の頭皮の裏側だ。いやぁ、スゲェ表紙だな…。

次は店頭雨仕様の「古書 音羽館」(2009/06/04参照)に足を停め、左側店頭棚でまずは、みすず書房「空気男爵の冒険/ケストナー」を手にする。そして右側店頭では、棚を前に不動の姿勢で沈思黙考する男性越しに棚を眺める。すると単行本棚左下に、少量の古書が固まっている。そっと手を伸ばして吟味して行くと、そのうちの一冊が春陽堂 世界探偵小説全集19「ライチエスタ事件・大破滅/ウエルシーニン・フレツチヤア 森下雨村譯」なのであった。ドゴン!と心臓を轟かせ、息を荒くしながら本の状態を素早く確かめる…なるほど、後見返しに悪戯書きがあり、「大破滅」の一ページ目が消失してしまっている…だが、それでもこれは買いだ!と喜び、お客さんのたくさんいる店内へ。本日お店を取り仕切っているのは、店主・広瀬氏の奥さんである。もちろん顔見知りなのだが、引っ込み思案でどうにも人見知りな私は、帽子を目深に被っているのを幸いとし、名もなきお客として、ただ古本を計200円で買って表に出てしまう。ふぅ、とため息を一つついていると、何か違和を感じた奥さんが飛び出して来て、結局正体が露見する。…あぁ、すみません。めんどくさい性格ですみません。もぅこれからは、きちんと正々堂々と挨拶するように気をつけます。と心に社交的鞭を入れたところで、「その本、まだ出して一時間も経っていないんですよ。で、古ツアさん向きの本だな。古ツアさんが買ってくれればいいのにな、って思ってたんですよ。そしたら本当に古ツアさんが買ってくれるなんて!」とお話しされる。うぅぅぅぅぅぅ、嬉しいです。俺も買えて良かったです。そして本当に次回からは小細工せずに、しっかりご挨拶する所存です!…それにしても結果としてバスに乗らずに、ここらで古本を買って、本当に良かったなぁ。
posted by tokusan at 16:22| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月15日

2/15シャーロッキアン、おそるべし。

昨日、嫁より下賜された猫のチョコの缶を開けると、なんとその一個が、ちょっと薄めではあるが“北原案件”ではないか!慌てて写真を撮って北原尚彦氏にメールを送ると、すぐに返信があり『ゴンチャロフですね。いまシャーロッキアンの間で超話題になっております(笑)』とのことであった。ゴ、ゴンチャロフ?と、超絶開け難い缶のラベルを確認すると、確かにその名の会社で作られている製品であった。こんな、猫がディアストーカーを被ってるだけなのに…お、おそるべし、シャーロッキアンたち……。
goncharofu.jpg
本日は上連雀に流れ着いたので、。太宰の跨線橋を越えて「りんてん舎」(2019/03/30参照)に向かうことにする。粗い礫が多く混ざる古いセメント階段をエッチラオッチラ上がると、華奢な橋の上にはたくさんの人がおり、ほとんどが眼下を通過する電車を眺めに来ているようだ。この街の、とても大切な非日常的空間であることを肌で感じ取りながら、人の間を擦り抜けるように、橋の真ん中を渡って行く。「りんてん舎」は、土曜とあって多くのお客さんで賑わっている。さて、今日は何を買おうかな…ノンビリ考えながら、ノンビリ店内を一周する。そして結局は中央通路左側の探偵&大衆小説コーナーに狙いを定めてしまう。選んだのは、660円の桃源社「虚無僧変化/城昌幸」である。こんなに安いのに、何故今日まで残っていたのだろうか?と不思議に思いながら購入する。他にもまだ、安値の珍しい大衆時代小説が残っているので、そっちもいつか思い切って買ってやろうと、心に決める。そしてトボトボ歩いて吉祥寺へ。ついこの間来たばかりだが、やはり馴染みのお店はチェックしておかなければ気が済まない。いつ何時面白い本が入り、売れてしまうのか分からないのだから、こちらは頻繁に足を運ぶしか、それを防ぐ手だてはないわけである。…だが頻繁に訪れ過ぎると、往々にしてそれほど変化のない光景にぶつかるだけで終わることが多い…いや、それでも良いのだ。見飽きるほど見ているからこそ、変化が起これば敏感に古本の流れを感じ取るのだ!などと考えながら、各店を経巡るが、甘い考えとは裏腹に残念ながらボウズ続きである。かろうじて「よみた屋」(2014/08/29参照)にて、文藝春秋新社「黄色い革命/大宅壮一」を110円で購入する。
posted by tokusan at 17:48| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月12日

2/12十錢文庫再び!

昨日は家族的行事で実家方面に帰省し、一日を過ごす。帰りにかろうじて阿佐ヶ谷「千章堂書店」(2009/12/29参照)で買物をする。ジャストシステム「テレビゲームから見た世界/山下恒男」を100円で。1995年刊の、様々なTVゲーム&パソコンゲーム&アーケードケームから、この隆盛著しい(当時)新しい文化を考察して行く内容。アドベンチャーゲームの章では、「ねじ式」と「弟切草」が取り上げられている…渋い。それにしてもワープロソフト『一太郎』で有名だったソフト会社が、出版もしていたのか。そして本日は吉祥寺に流れ着いたので、いつものようにお気に入りのお店を覗き込んで行くが、タイミングが悪いのか、何故だか妙に馬が合わない…まぁこういう時もあるさ…と半ば諦めながら、最後に「一日」(2017/08/11参照)に流れ着く。するとほぼ300均ガレージの奥の平台に、PARCO出版「乱歩と東京 1920 都市の貌/松山巖」が300円の顔で混ざってしまっているではないか。ちくま学芸文庫から復刊されたためだろうが、やっぱりこの大きなサイズが見やすくて頼もしいよね、とニコニコしながら330円で購入する。そして家に帰ると、久々のヤフオク落札品が待ってくれていた。誠文堂十錢文庫「探偵科學の話/高田義一郎」である。ライバルナシで1000円で落札(ということは元値・十銭の一万倍か…)。以前ささま店頭で十錢文庫を購い、その時に巻末広告を熟読し、欲しくて読みたい十銭文庫を挙げておいたのだが(2019/05/27参照)、この「探偵科學の話」はその内の一冊である。高田義一郎は医学博士の作家。なので内容は、人体に関わる法医学系の蘊蓄満載である。うわっ!たった四ヶ月で十七刷に到達している。昭和六年、探偵猟奇花盛り、といったところか。
tantei_kagaku_no_hanashi.jpg
posted by tokusan at 17:35| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月10日

2/10月曜は律儀に定点観測。

月曜日はやはり自分に律儀に、判で捺したように定点観測する。テクテク荻窪まで歩いて開店したばかりの「ささま書店」(2018/08/20参照)。函ナシの書肆ユリイカ「中原中也研究/中村稔編」をガッチリ掴み出した後に、講談社「花の旅 夜の旅/皆川博子」を見つけてヘラヘラ喜ぶ。扶桑社文庫の『昭和ミステリ秘宝』で復刊された、皆川博子の初期ミステリ作品である。
hananotabi_yorunotabi.jpg
ついこの間は、店内の棚に帯付き「トマトゲーム」の単行本が挿さっていたが(2000円だった。速攻で売れてしまった。買えばよかった…)、よもや均一にもその余波が及ぶとは。そんな風に大げさに喜んで、二冊を計220円で購入する。さらにテクリと「藍書店」(2018/12/29参照)に足を延ばし、新潮社 海外文學新選 第二編「チヤッテルトン/アルフレッド・ドゥ・ヴィニイ」を220円で購入する。午後には中野に所用で出たついでに、『早稲田通り』沿いの「ブックオフ中野早稲田通店」(2012/12/15参照)を覗き込む。目指すは当然左端通路に小さく陣取る安売古書棚で(今後は210均になるらしい)、ニホンオオカミや山中の野生動物や妖物を追いかける新聞記者・斐太猪之介の著作が二冊並んでいたので、迷わず掴み取る。みき書房「山中奇談 白いオオカミも見た」文藝春秋「続山がたり 日本の野生動物」を計420円で購入する。そして最後は高円寺までテクテク歩いて、「都丸書店」(2010/09/21参照)で新書館「金銀砂岸/萩尾望都」を、手術する医師のようにいつでも青い手袋を装着した店主から300円で購入する。ふぅ、これにて定点観測とその延長を終了。古本を携えお家に帰投します。

そろそろ発売になる「本の雑誌 カイツブリ居眠り号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、経堂の「大河堂書店」に、古本神・森英俊氏の導きにより駆け付けております。「店頭で古い絵本雑誌が売られている」とのタレコミに基づき、泡を食って現場に急行。当然その雑誌は購入するのですが、さらに店内でもなんやかんやと購入してしまうという、良いお店に訪れた時の宿命をつぶさにレポートしております。今月もお楽しみいただければ幸いです。
posted by tokusan at 17:34| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月08日

2/8見知らぬ同人誌。

昨日のことである。「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)にバッグ1.5杯分の不要本を持ち込み、買取依頼する。査定を待つ間に店内の本をじっくり楽しんでいると、中央通路南側の棚に、大量の中井英夫本が入荷しているのに気付く。「他人の夢」なんか二冊並んじゃってるぞ!などと秘かに冷やかしていると、単行本と単行本の間に、薄く黄色い素朴な冊子が挟まっており、瞬時に気になってしまう。これも中井関連なのだろうか?と思いながら抜き出すと、青玉舎「中井英夫の世界/濤岡寿子」という、1994年刊の同人誌であった。中を開くと、冒頭の中井の詩の再録以外は、「虚無への供物」に関するフィールドワークや論考で埋まっている。現代的女性像として奈々村久生を解剖していたり、「虚無への供物」MAPや五色不動巡り、そして四十四ページに渡る論文『都市の相貌 「虚無への供物」と東京』が骨太で読み応えがあり、大変に素晴らしいのである。というわけで査定終了後、古本を売ったお金の一部で購入する。家に帰って夢中で読み始め、あっという間に読了する。東京と言う都市の成り立ち(住宅や交通も含む)と『氷沼殺人事件』を密接に関連づけ、小説に内包される虚構を交えた世界観と中井英夫の練り込まれた思考を、より現実感の強いものとして立ち上げる試み…あぁ、これでまた「虚無への供物」が読みたくなって来た…。そして『後書きにかえて』を読むと、この論考は『第一回創元推理評論賞』を受賞しているとのことである。力と面白さに満ちた論文だ。さもありなん。
nakaihideo_no_sekai.jpg
そして本日は午後三時に高井戸に流れ着いたので、テクテクテクテク歩いて歩いて、荻窪「竹陽書房」(2008/08/23参照)にたどり着き、教育一新社「教授細目 小學手工指導精鋭/山口孝行」(函ナシ)を500円で購入する。昭和十年刊の教師が使う工作や家庭科の指導要綱なのだが、作例が色刷りで掲載されており、これが大変にプリティなのである。どれも非常に独特の味があり、作例なのに、すでに立派な美術作品と言っても過言ではない出来映え。
syukou.jpg
posted by tokusan at 19:01| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月05日

2/5果たして、売っているのかいないのか。

本日は上石神井の端に午後イチに流れ着く。…ここからなら、どうにか三鷹まで歩いて行けるか…おまけにこの暖かさだ。のんびり行こう。そう決めて、進む方角を何となく定めて歩き始める。関町〜吉祥寺北町と武蔵野の住宅街を潜り抜け、毎度毎度の「りんてん舎」(2019/03/30参照)を目指す。何故こうまでして「りんてん舎」に向かっているかと言うと、ある一冊の、あるかないかの古本を買うつもりだからである。始まりは先日「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で求めた、「吉行理恵レクイエム「青い部屋」」で、元々彼女の捩じれた雨垂れのような詩を好ましく思っていたのだが、収録の小説類も読み始めたら、いつの間にかその、想い出と妄想が鎖のように連なる文体に脳を搦めとられ、グングンと気になる作家にランクが上がってしまったのだ。本の巻末には絶版だらけの既刊リストが載っており、それを興味深く眺めていると、自費出版の詩集「青い部屋」の次に出したのは、講談社「まほうつかいのくしゃんねこ」という童話であることを知る。これがメジャーデビュー作品なのか…よ、読みたい。そんな欲望が瞬時に頭をもたげて来たので、ネットで本を検索してみると、ヒットはするのだが、とてもしっかりとした値段が付いてしまっている。これを買うのはちょっとなぁ…いや、でも、何処かでこの本は見かけた気がするなぁ…何処だったっけ…わりと大判の本で、箱入りだった気が…窓際に面陳されてたんだっけ…何処だっけなぁ…ちゃんと絵本が充実しているお店…もしかしたら「りんてん舎」だったかなぁ…。こう思ってしまうと、もはやそこにあるとしか思えなくなって来てしまう。とまぁ、こんな経緯で、お店をテクテク目指しているわけなのである。結局三キロほど歩いて、ようやく到着。店内絵本棚に心は飛んでいるのだが、まずは店頭をしっかりチェック。双葉文庫「怪談ミステリー集/中島河太郎編」「恐怖推理小説集/鮎川哲也編」東京おとなクラブ「東京おとなクラブ 創刊4号 特集:TV・CM 小特集:キム・ウンヨン少年」(トピック記事が連続するコラムページ『コモドジャーナル』に、横田順彌氏が神保町古書センター3Fの、近年にわかにSFに力を入れ始めた古本屋を訪れる小話が載っている…)を掴み取り、ようやく店内へ。すかさず右側通路手前の窓に近寄ると、あぁ、ない。レオ・レオーニの「あおくんときいろちゃん」の英語版が面陳してあるだけ…売れちゃったのか、それともやはり「りんてん舎」ではなかったのか…切ないため息を吐きながら、諦め切れずに棚に視線を移して行く。すると嬉しいことに、その中に『吉行理恵』の文字を発見する。あった!やっぱり「りんてん舎」だったんだ!と喜び取り出すと、箱に貼られた値札には『¥1000』の印字が。さらに喜び、迷わず帳場に持ち込んで、先ほどの本とともに計1430円で購入する。
mahoutsukai_no_kusyanneko.jpg
探していた古本を古本屋さんで見つけて買える喜び、ここにあり!
posted by tokusan at 16:59| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月04日

2/4「モンガ堂」で少年少女科学小説をまとめ買いする。

色々こなしてから西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にタッタカ向かい、パシフィカ「探偵読本1 シャーロック・ホームズ」を100円で購入し、先月の「フォニャルフ」の売り上げを受け取り、北原尚彦氏への献上品を託す。お店を出たら、トットコ駅を越えて北に向かい、盛林堂とともに火曜定休じゃない「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)まで足を延ばす。すると店頭均一箱の一つが、麗しの古書箱の様相。茶色い本の見難い背表紙を必死に見分け、天佑書房「名剣士名刀匠/本山荻舟」を救い出す。サッシドアを押して店内へ進み、帳場で首を竦めて縮こまるモンガさんに挨拶。聞けば暖房が故障中とのこと。そして現在も開催中の『個人名のついた『研究会誌』展』(2012/12/09参照)は、なんと期間中に百人余の人が訪れ、研究会誌もだいぶ売れたそうである。「モンガ堂」にとっては、素晴らしい出来事じゃないですか!その他に首都圏某所にあるモンガさんのコンテナ倉庫の今後について話し合ったり、上林暁作品映画化のための署名をしたりしながら、さて、今日は何を値切って買って行こうか…と企みながら店内を徘徊していると、なんと珍しくモンガさんの方から、「古ツアさん、ここの本、一冊千円でどうですか?」と値切り提案して来てくれた。右端通路の棚下に集まる、昭和三十〜四十年代の少年少女科学小説たちである。これらが千円均一なら、喜んで力の限り買いましょう!といきり立ち、比較的状態の良い五冊を選ぶ。講談社 少年少女世界科学冒険全集「地底王国/カーター 久米元一訳」少年少女世界科学名作全集「11 緑の宇宙人/ザレム作 白木茂訳」「18 なぞの惑星/ライト作 内田庶訳」「20 宇宙への門/ベルナ作 那須辰造訳」世界の科学名作「3 地球さいごの日/ワイリー作 亀山龍樹訳」を「名剣士名刀匠」とともに計五千円で購入する。これは二月早々ラッキーな買物であった。モンガさんに深く深く感謝を捧げ、少年本で重くなったバッグを提げて、ニコニコと幸せに家路に着く。
boy_sf.jpg
幸せな光景…やはり小松崎茂のアートワークは、ノスタルジックでありながらも、夢の未来世界をガキッと補強する永遠性を持っている。「地球さいごの日」のみ依光隆の仕事だが、これもまたイカしているのだ。
posted by tokusan at 17:34| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月03日

2/3 100〜330円で古本をたくさん買う。

月曜恒例の定点観測に、午前十一時に勇躍家を飛び出す。午前十一時半の荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)は開店一番乗り。女性店員さん二人が店頭補充に務めるのを邪魔せぬようにして、朝日新聞社「名探偵WHO'S WHO/日影丈吉」大泉書店「東京情報/ヤン・デンマン」(カバーナシ)保育社の学習絵文庫17「大むかしの人たち」を計330円で購入する。続いてそそくさと「藍書店」(2018/12/29参照)に移動し、東京図書「シャーロック・ホームズ 世紀末とその生涯/H・R・F・キーティング」を330円で購入する。そこからさらに裏道的小商店街を伝って「竹中書店」(2009/01/23参照)に到達し、店頭300均木製ワゴンを注視する。おっ、朝日新聞社「實歴阿房列車先生/平山三郎」が硬い本の中に二ヘラ〜っと混ざっているじゃないか。スパッと抜き取り300円で購入する。いやぁ、いつ何時でも古本を買うのは楽しいものだなぁ…といつもながらに実感しつつ阿佐ヶ谷へとテクテク戻り、昨日も店頭を掠めたばかりの「千章堂書店」(2009/12/29参照)を念のためチェックする。すると店頭百均単行本ミニワゴンの端に、薄手の中綴じ本が一冊紛れ込んでいるのが目に留まる。手に取ってパラパラと繙くと、1963年に国立西洋美術館などで開かれた、日本で初めての大規模なシャガール展のパンフレットであった(主催者のひとりに、伝説の“呼び屋”として有名な神彰の名が!)。175mm×175mmの小さなものだが、デザインを粟津潔が手掛け、中央の凝った色紙ページには滝口修造のシャガールへ贈る詩が載っているではないか。
chagall.jpg
そんな偶然の出会いを喜び、100円で購入する。家に戻って昼食を摂った後、再び高円寺に向かって外出。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で文園社「吉行理恵レクイエム「青い部屋」/吉行あぐり編」リブロポート「今村太平/杉山平一」を計300円で購入しつつ、店主の粟生田さんに、JR中央線の車内モニターで最近御姿を良く見かけることを告げると(中央線の公式web「中央線が好きだ」で『BOOKハンティング』特集が編まれ、沿線沿いの古本屋さんが登場してるのだが、そのうちの一件に「サンカクヤマ」が含まれ、粟生田さんの切り抜き写真が車内CMに登場しているのだ)、「もう、それ最近よく言われるんですぅ。去年の十一月からやってて、すぐ終わるかと思ってたら、すごく長くやってるんです。もうちょっと止めて欲しいなぁって…」とはにかみながら語ってくれた。それはもう、次の特集に替わるまで、ひたすら耐えるしかないですな。みなさまも車内モニターで粟生田さんを見かけたいなら、今のうちですぞ。
posted by tokusan at 17:12| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月29日

1/29冷たい火曜日と暖かい水曜日。

昨日火曜は月曜にも増して冷たい雨の中、午前中に所用で高田馬場へ。色々済ませてブルブル震えながら、増水して茶色く濁った神田川を渡り、「ブックオフ高田馬場北店」(2012/11/15参照)へ。最奥の古書コーナーに直行し、東京経済大学「努力 大倉喜八郎述」小学館「彼らと愉快に過ごす/片岡義男」を計540円で購入する。「努力」は大正時代の書物を2016年に復刊したもの。大倉は明治に活躍した実業家で、様々な大倉系企業を創設した。また私立美術館『大倉集古館』を作ったことでも知られている。こんな本があったとは。「彼らと愉快に過ごす」は雑誌「BE-PAL」の連載を元にした、身の回りにあるグッズへの偏愛純愛&思い出コラムを集めたもの。男版『のんちゃんジャーナル』と言った趣きで、読んでいると、たちまちそのグッズが欲しくなって来る恐ろしい魔力を秘めている。この後、家に戻りつつ高円寺で途中下車し、昨日訪れたばかりの「DORAMA高円寺庚申通り店」に飛び込む。ふと見た昨日貰ったレシートに『次回の半額セールは1月28日!!』と書かれていたのだ。半額セールとはエラく豪気だな。何を買って帰ろうか…とほくそ笑んでいたら、なんとレンタルの半額セールであった…くぅ、馬鹿丸出し、捕らぬ狸の皮算用……。

そして本日は異常な暖かさにクレイジーな気候変動をを実感しながら、吉祥寺と西荻窪の間に流れ着く。ちょっと迷って吉祥寺方面へ。まずは『井の頭通り』で「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭に取り憑く。みすず出版の『原色版美術ライブラリー』がたくさん出されていたので、一冊一冊吟味し、滝口修造が編集・解説を担当している「ピカソ 人間喜劇」「ピカソ 戦争と平和」をセレクト。さらにカバーナシで背が傷んでいるが、学習研究社「デイズニー科学映画シリーズ 生命の神秘/ウオルト・デイズニー」を見つける。映画パンフとは異なる、ハードカバーの写真絵本である。さらに映画パンフ箱から、東宝株式会社「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」「惡魔の手鞠唄」の二冊をセレクトし、計550円で購入する。続いて南口の混雑バス通りに入り「古本センター」(2017/03/06参照)へ。双葉社「推理文壇戦後史/山村正夫」を150円で購入する。最後に「一日」(2017/08/11参照)のガレージに乗り込み、あちこちとゴソゴソ漁る。すると壁際の小冊子棚に、古い雑誌が紛れ込んでいるのが目に留まる。日本旅行協會「旅 第九巻 六月號」で、昭和七年刊の名前通りの旅行雑誌である。松崎天民の『温泉ローマンス』などが載っていて素敵だが、表四の広告『滿鐡鮮滿案内所』に何よりシビレてしまう。大きく滿鐵のマークがあり、『滿鮮支那の御相談は滿鐡鮮滿案内所』と書かれている。この案内所は東京丸ビル・大阪堺筋・下關驛前にそれぞれあったようだ。業務内容の一つに『滿鮮に関する講演及活動寫真映寫出張應需』とあるのが興味深い。
mantetsu.jpg
posted by tokusan at 17:42| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月27日

1/27冷た過ぎる月曜日に小さく報われる。

朝から懸命に原稿書きに従事する。そして今日は月曜日…定点観測に出かけなければ…と思うが、あまりの外の冷たさに、臆する気持ちがグングンと大きくなる。だが、今日も古本は買わねばならぬのだ!と意を決して表に飛び出し、荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)へ。冷気にヒタヒタ脅かされながら、均一棚と戯れる。出帆社「悪戯の愉しみ アルフォンス・アレー短篇集/山田稔訳」春陽文庫「青春大学/鹿島孝二」徳間書店「地獄時計/日影丈吉」を計1320円で購入する。一旦家に戻り、昼食を摂ったり書き上げた原稿を見直したりした後、再び外出してブルブルと高円寺へ。「DORAMA高円寺庚申通り店」の古本ワゴンにしがみつき、リクルート出版「ダンディズムについての個人的意見/田村隆一」白水社「デザインの周辺/田中一光」みすず書房「芸術家とデザイナー/ブルーノ・ムナーリ」を10%引きの計297円で購入する。ブルーノ・ムナーリが99円で買える喜び。それはとても小さなものだが、こういう小さな幸せを齎してくれる、古本屋さんの百均台が、やはり大好きでたまらないのだ。今日も寒さに負けずに古本屋さんに足を運んで、小さく報われたなぁ。さて、気分がよくなったところで、もう一度原稿を見直すとするか。
bruno_munari.jpg

そう言えば去年から改装中だった東村山の「なごやか文庫」(2012/01/20参照)は、予定が大幅にずれ込み、今年四月に再開予定らしい。この時期に毎年開かれる古本市は、いったいどうなってしまうのだろうか?新装開店の時に、やってくれるとありがたいのだが。
posted by tokusan at 16:37| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月23日

1/23さらば、宍戸錠!

本日はどんよりした曇天がさらに明度を落とした夕方に下石神井に流れ着いたので、トボトボ歩いて「井草ワニ園」(2019/01/05参照)へ。とても馨しいグラノーラの薫りが漂う店内に腰を据え、じっくり棚に視線を注ぐ。現代思潮社「ぬうべる・とらじっく 悲惨物語/マルキ・ド・サド著 澁澤龍彦訳」而立書房「心中櫻ヶ塚/草間彌生」を計900円で購入すると、レジカウンターの向こうの店主が「あんまり変わってなくてすみません」と恐縮の挨拶。いや、全然そんなことないです!今日も存分に楽しませていただきましたよ!

そして先日俳優の宍戸錠が逝去。宍戸錠と言えば、私にとっては子供の頃は『ゲバゲバ90分』や『ハレンチ学園』マカロニ役の人であり、大人になったら、日活映画『渡り鳥』シリーズのエースのジョーや、斉藤武市監督の様々なガンマンや殺し屋の人でありました。だが何と言っても、やはり鈴木清順監督『殺しの烙印』主演の、殺し屋ランキングNo.3の花田五郎訳に尽きるのであります。脚本家集団“具流八郎”のひとり、脚本家の大和屋竺が濃密に関わることにより(主題歌も歌うし、スタイリッシュな殺し屋として出演もしており、猿島でアルコールに溺れて殺し屋ランキングから弾き出された春日義平(南廣(映画『点と線』主演!)と死闘を演じる)、奇妙にメルヘンチックになってしまった殺し屋のハードな世界を、宍戸は見事に泳ぎ渡っているのです。もう、何度観ても震えるほどエクセレント!本人は余りにもたくさん映画に出演しているので、この映画についての想い出はほとんど失念しているのですが、この映画が、私の中では宍戸錠主演のNo.1なのであります。ちなみにこの『殺しの烙印』には、続編とも言える大和屋竺監督の成人映画『愛欲の罠』が存在する。主演の荒戸源次郎が少しポッチャリ気味ですが、こちらもハードな殺し屋ランキングの世界を描いているのであります。
koroshinorakuin_aiyokunowan.jpg
これは『殺しの烙印』のレーザーディクスジャケットと、『愛欲の罠』のDVDである。
posted by tokusan at 19:46| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月21日

1/21キャラメルと古本。

早起きして、午前中に仕事をつるっと片付けて、午後に外出。吹き荒ぶ風に頬を冷たくしながら西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内「フォニャルフ」棚を少々補充入替するとともに、光書房「漁色の海図/清水正二郎」(カバーナシ)岩谷書店「探偵小説年鑑1954/探偵作家クラブ編」(カバーナシ)晶文社「ぼくは本屋のおやじさん/早川義夫」を計300円で購入する。店主・小野氏と色々無駄話するとともに、大河内常平の「黒い奇蹟」など貴重な本を見せていただく。そこからキャラメルを舐め舐め荻窪に移動して「竹陽書房」(2008/08/23参照)へ。店内に大量の古本を買っているおじいさんがいて、持参のバッグやコンビニ袋に古本を詰め込んでいる…だが、とても一人では持ちきれない量…見兼ねた店主夫婦が「その本はビニールじゃない方がいいです」「それは背負う方に入れましょう」「大判の本があるからこれを下に」「無理しないで二回に分けたらどうですか?」などと細かくアドバイスしている。そんな左側通路奥の小騒動を邪魔せぬようにして、白水社「現代フランス幻想小説/M・シュネデール編」を500円で購入する。先日「現代イギリス幻想小説」を買った時(2020/01/06参照)にはなかったはず。もしかしたらジワジワと、さらに「現代ドイツ幻想小説」「現代ロシア幻想小説」「現代東欧幻想小説」が、順繰りに出て来るのかもしれない…気長に観察して行こう。古本的にちょっと物足りないので、さらに高円寺に移動。駅前には独りでフライングVをかき鳴らし、超絶技巧ギターテクを披露するハードロック・ストリートミュージシャンが。初めて見るパフォーマンスだ。だが足を停めることなく、またもやキャラメルを舐め、そう言えば大正時代に散歩している間にキャラメルを一箱舐めつくしてしまう小説家がいたっけ…誰だっけ?などと漫然と考えながら、ヒドくなって来た北風に縮こまり、「DORAMA高円寺庚申通り店」へ。集英社「ミステリは万華鏡/北村薫」東京大学出版会「クジラとヒトの民族雑」をサービス価格の計176円で購入する。家に戻ってからは、さらに大阪に送る古本を作り始める。思い返せば「梅田蔦屋書店」で古本を販売し始めてから、もう五年余…恐らく千冊以上の古本を大阪に送り出しているはずだが、家の本は微増減を繰り返しているだけに見えるのは、何故だろうか…。いや、答えはわかっています…。
caramel_furuhon.jpg
中身が半分ほど残ったキャラメルの箱と、本日の緩やかな収穫である。
posted by tokusan at 17:42| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月20日

1/20裸本だが作次郎!

昨日の「みちくさ市」は寒さのためかゆるやかな感じで、結果どうにか三十二冊を売り上げる。絶好調時の半分くらいか。お寄りいただいたみなさま、話しかけて下さったみなさま、差し入れを下さったみなさま、古本を買って下さったみなさま(映画『DUNE砂の惑星』出演時のほぼ全裸のスティングが表紙の古い「STARLOG」を買ってくれた若い娘さん、あなたは素晴らしい!)、そして寒い中色々奔走するわめぞのみなさま、本当にありがとうございました。これからも一層精進して参りますので、この哀れな俄古本売りを、引き続きよろしくお願いいたします!途中、もはや「みちくさ市」出店の常連になりつつある杉江松恋氏にも立ち寄っていただいたので、杉江氏を狙い撃つために入手していた講談関連の古本を、「これ、お持ちじゃなかったらお譲りしますよ」と手渡す。すると手にした氏は「これは…持ってないですねぇ。いや、これは…」と、ちょっと目の色がぐるんと変わる。「見たことないです。いいですね。ちゃんとした値で買わさせて下さい」「いや、もう、杉江さんの言い値でいいですよ。何処かのお店で見かけて、すげぇ安く買えてラッキー!みたいな値段で大丈夫です」などとあやふやなやり取りをし、無事に交渉成立する。いや、狙い通りに、しかるべき古本が、必要としている方の手に無事に収まる瞬間は、何度見ても嬉しいものである。また何か何処かで見つけたら、買っておくことにしよう。そして今回の出店場所はいつもと異なり、本部の真ん前で、隣りは「甘夏書店」さん(2014/11/02参照)であった。絵本を多く並べ、ご婦人や子供連れに大人気。少し人の途絶えた時に、「甘夏さん、新しい絵本って、ちゃんと追いかけてるんですか?今の時代でも、名作って生まれてるんでしょうか?」と素朴に質問する。「いや、とても全部は追いかけられないですよ。だから、お客さんに色々教えられることが多いんです。名作も、その時代時代に、ちゃんと生まれているみたいです。若いお母さんの子供のときの名作もあるし、そのお母さんが自分の子供の新世代の絵本に接して、新たに生まれる名作とか…」…そうか、それは素晴らしい未知の領域だ。絵本の世界も、広大で奥深く、子供のために常に進化を続けているのだな。帰りに阿佐ヶ谷で「千章堂書店」(2009/12/29参照)の百均単行本ワゴンに目を向けると、冬樹社「そして天使は歌う」「人生は楽しき集い」ともに久保田二郎が転がっていたので、即座に二百円で購入する。

そして本日は経堂に流れ着いたので、まずは「大河堂書店」(2009/03/26参照)へ。偕成社「海の義賊/原作ベルネード 柴田錬三郎」(カバーナシ貸本仕様)トムズボックス「動物園/真鍋博」を計635円で購入する。さらにその後は下北沢に移動し、愛しの「ほん吉」(2008/06/01参照)に突入。改造社「動物と暮して四十年/黒川義太郎」(裸本)新潮社「世の中へ/加能作次郎」(函ナシ)を計1210円で購入する。少し傷んで函ナシとは言え、大正八年の加能作次郎がやっぱり嬉しい。じっくりゆっくり読み耽り、明治の京都の街をウロウロと、泣きっ放しの迷兒のように彷徨うことにしよう。
yononakae.jpg
posted by tokusan at 18:34| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月18日

1/18年の始めの「みちくさ市」!

色々あって、ようやくたった今、明日の記念すべき第50回「みちくさ市」の精鋭古本の準備を終える。選びました、身を切りました!写真以外にも隠し球あり!なので、実際の並びは現地でお確かめ下されば幸いです。ブルブル震えながらお待ちしていますので、話しかけてください!古本見て下さい!古本買って下さい!それでは明日、一月の雑司が谷でお会いいたしましょう!
0118michikusa.jpg
■「第50回 鬼子母神通り みちくさ市」
■1月19日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当日午前八時に天候による開催の有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
https://kmstreet.exblog.jp/
posted by tokusan at 22:56| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月17日

1/17古本市〜護身術〜梶龍雄〜月光的ダダ!

朝からキビキビお仕事して、満員電車で午前十時過ぎの調布駅に駆け付ける。本日から31日まで、駅前のパルコ五階催事場で「第5回 調布の古本市」(2016/02/24参照)が開かれているのである。駅側の入口から入り、左のエレベーターホールに向かうと、三基とも上に向かったばかり。仕方ないのでエスカレーターでカクカク五階まで。中規模の催事場には古本を立体的に展示したワゴンが並び、すでに古本をもとめて集まった古本修羅たちを魅了している。そそくさと会場に近付き、すぐに私も魅了される…「にわとり文庫」(2009/07/25参照)の三千均赤本探偵漫画が魅力的だが…おぉ、「うさぎ書林」(2009/07/07参照)の大量安売絵本コーナーが、六十〜七十年代の本も交えているので、大変に魅力的だ…と、たちまち四冊を選び取ってしまう。「トマソン社」(2016/11/27参照)の変な新書も魅力的だ…と一冊を抜き取り、奥の帳場へ。そこですっかりインフルエンザから復活した「にわとり」さんと挨拶を交わす。「もう大丈夫ですか?」「いや、もうほんっとに大変だったんですよ…」。いや、そうでしょうそうでしょう。文化出版局「はろるど まほうの くにへ/クロケット・ジョンソン作 岸田衿子訳」日本パブリッシング「ゆき ゆき ゆき/作・画マッキー・イーストマン 文・岸田衿子」ポプラ社 ちびくろ絵本4「ちびくろ・かーしゃ/さくヘレン・バンナーマン ぶん・すずきてつろう え・むらかみつとむ」(カバーナシ)至光社「あおくんときいろちゃん/レオ・レオーニ」河出書房 河出新書写真篇19「護身術」を計2090円で購入する。絵本は、岸田衿子訳にレオ・レオーニ、そして『ちびくろ絵本』と、本当に豊作であった。そして「護身術」が面白い。多彩な分解写真で『道ですべったとき』『尾行されたとき』『強盗に入られたら』『暴漢におそわれたら』『凶器をつきつけられたとき』『自転車を避けるとき』などが紹介されているのだが、リアルにやり過ぎて後半が恐ろしいことになっている。この『ヒモ状のもので後から締められた場合』なんて、もう…。
goshinjyutsu.jpg
ちょちょちょちょ、ちょっと!と叫びたくなるページである。

帰りに阿佐ヶ谷「銀星舎」(2008/10/19参照)の前を通りかかると、旦那さん店主が開店準備中だったのでご挨拶。旦那さん、前日急逝された坪内祐三氏の愛読者だったようで、大変に残念がっている。家に帰ってからは、日曜「みちくさ市」の準備をジワリと進める。夕方に再び外出し、まずは通り道の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、双葉社「かわいい目撃者/佐野洋」講談社現代新書「コピーライターの発想/土屋耕一」を計220円で購入しつつ、店主・天野氏に新年の挨拶をする。続いて通りをタッタカ進んで長めにナナメに渡り「ネオ書房」(2019/08/11参照)へ。今回も付録本狙いで所定の位置にたどり着くと、やはり新たな二冊が入荷している。小学館「きみに挑戦……!推理探偵上級クイズ」(六年 昭和50年4月号)「推理たんていクイズ」(五年 昭和49年4月号)おぉ、一冊は構成が梶龍雄じゃないか!と喜び計600円で購入し、切通氏より新しく出来たポイントカードを受け取る。その後はさらに西荻窪に移動し、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。店頭でバッタリ岡崎武志氏と出会い、新年の挨拶を交わす。話題はやはり坪内祐三氏のことと、パソコンを新しくしたことと、自宅古本お片づけのお話。師よ、今年も色々古本屋を楽しみ、何かやりましょう!店内では打ち合わせを一つする。そして届いたばかりの出来立てホヤホヤの、カバーデザインを担当した東都我刊我書房新刊「月光的ダダ 石野重道拾遺集」を受け取る。大正モダニズムの幽的詩人作家・石野重道の、二十一世紀四冊目の本である!今回は前衛文藝雑誌「薔薇魔術学説」や「G・G・P・G」(ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム)から見つけ出して来た、奇怪で歪で機械的な光を放つ詩や散文を収録。月光を浴びるように読んでやる!と夜空を見上げ、厚い雲に阻まれ、全く窺えない月を思う。明日あたりから「盛林堂」店頭&通販や「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で購入出来るはずである。「彩色ある夢」「不思議な宝石」「ネクタイピン物語」と果敢に蒐集している方は、さらに果敢に目指せコンプリート!
lunatic_dada.jpg
posted by tokusan at 19:36| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月16日

1/16デカイ古本を買う。

昨日は雨上がりの吉祥寺に流れ着いたので、いつものように古本屋さんを巡っていると、「バサラブックス」(2015/03/18参照)の店頭三百均木箱に、一瞬目を疑う分厚い二冊が冗談のように並んでいるのを発見する。河出書房新社「都筑道夫ドラマ・ランド[完全版]上・下」である。これが一冊三百円…つまり二冊で六百円…帯もちゃんとついている…何かの間違いではないだろうか…でもカバーにはしっかりと三百円の値札が…と俄に信じられない気分に陥りながらも、フィッシュマンズが流れる店内で、値札通りの計600円で購入する。編者の日下三蔵さん、古本で買ってしまい、すみません!でも、この本がこの値段だったら、迷うわず買うっしょ!そして本日は明大前に流れ着いたので、フラフラ歩いて「七月堂古書部」(2018/01/13参照)へ。與田準一の古書がまとまって並んでいる…詩集の古書も素敵な景色だな…などと落ち着いて古本を楽しみつつ、白水社「黒き舞楽/泡坂妻夫」を百円で購入すると、奥からしづしづと七月堂さんが現れたので、挨拶を交わす。「いつも変な本ばかり買ってすみません」と謝りつつ、一葉のリーフレットを受け取る。『丸善 京都本店』で開かれている、出版社としての七月堂さんのフェア「はじめての詩集。ふたたびの一冊。」。1973年の創立から作り続けている本を、詩集以外のジャンルも交え、展示販売しているそうだ。このために七月堂さんは、しばらく東京と京都を行き来しているとのことである。…冬の京都か、いいなぁ…。その後は東松原までテクテク歩いて、駅近くの「瀧堂」(2014/05/01参照)へ。店頭棚前に蟠っていると、文庫棚に鮎川哲也がたくさん出ているのに気付き、まずは光文社文庫「硝子の家/鮎川哲也編」を手にする。次に気になったのは珍しく大判本で、前衛社という聞き慣れない出版社が出している「山本美智代・印刷画集/銀鍍」という、わりと豪華な画集である。函から取り出しページを開くと、デカルコマニーやコラージュのような抽象的で色鮮やかな絵に対応して、様々な著名人33人の文章が収められている。高橋睦郎・坂崎乙郎・吉行理絵・塚本邦雄・須永朝彦・白石かずこ・富岡多恵子・田中小実昌・萩原洋子・笠井叡・種村季弘・稲垣足穂…好ましいラインナップだ。値段を見ると五百円なので、ひとまず買っておくことにする。先ほどの文庫と合わせて計610円。それにしてもこの画集、デカイ。
gin_mekki.jpg
posted by tokusan at 18:25| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする