2021年07月24日

7/24ロボコン&山下洋輔&澁澤龍彦。

昼前に経堂に流れ着く。だが、この街にはもはや純然たる古本屋さんは存在しないのだ。以前だったら「大河堂書店」(2020/10/27参照)にすぐさま飛び込み、古本羽根をグイイッと伸ばしたものだが…シャッターががっちり下ろされた、その「大河堂書店」前を通過し、駅へと向かう。くそぅ、こうなったら、何はともあれ「祖師谷書房」(2009/03/04参照)だっ!と祖師ケ谷大蔵へ向かう。『ウルトラマン商店街』を長々と北に歩き、お店に到着。狭く短い通路に蠢き、左側通路で見つけた、ソノラマエース・パピイシリーズ「うたとドラマ がんばれ!!ロボコン(新曲)UFOはどこだ(ドラマ)」を百円で購入する。石森プロが描くロボコン絵本とソノシートが合体した一冊である。
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『がんばれ!!ロボコン』は、小学生時代に学校中で、ロボコンカードが流行ったことがあった。駄菓子屋はそのカードで大繁盛。子供間では未所持カードのトレードや、カードを賭けての真剣勝負(主流は歩道の縁に賭けるカードを飛び出させて乗せ、それを手に持った靴で打ち出し、飛距離を競うものであった)がそこかしこで勃発。中でも“6番”は究極のレアカードで、持っているヤツは英雄だった…良く兄と電車に乗っている時などに、とても立ち入れない危険な場所を指し示し「あそこに“6番”が落ちてたらどうする?」「電車を降りて今すぐ取りに行く!」などと、愚かな会話を頻繁に交わしたものであった…あんなに夢中だったのに、今はその“6番”がどんなカードだったかすら覚えていない…。さて、取りあえず素敵なものは買えたが、まだ古本心は満足しない。なのでお店を出たらテクテク京王線・芦花公園駅まで歩き、電車に乗って吉祥寺に出る。「古本センター」(2013/07/01参照)で冬樹社「山下洋輔セッション・トーク1975-79」を150円で購入。さらに「古本のんき」(2020/03/30参照)にて彰考書院「マルキ・ド・サド選集1 ジュスチイヌ あるいは淑徳の不幸/澁澤龍彦譯」を400円で購入し、暑さにうだりながら帰宅する。
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2021年07月22日

7/22下北沢で計四冊。

無惨なパンデミック・オリンピックの開催が明日に迫る炎天下の午後、梅ヶ丘に流れ着く。すぐさま小田急線の各駅停車に飛び乗り、下北沢へ。いつも通りの若者たちと文化人たちの人波を潜り抜け、裏通りの「ほん吉」(2008/06/01参照)へ。松竹映画台本「喜劇 深夜族」(ドリフ映画を多く手掛けた渡辺裕介監督作品の準備稿。脚本は宮川一郎&森崎東である。準備稿なのに、細かく鉛筆でロケ場所や用意すべき小道具類などが多数書き付けてある。表紙に◯美とあるので、美術さんが使っていたものであろうか)講談社「たのしい幼稚園昭和三十三年九月号」を計440円で購入する。「たのしい幼稚園」は、武井武雄.馬場のぼる・若菜珪作品が目を惹くが、安泰が絵を描い『たいふうがくる』が、動物が可愛過ぎて特に絶品である。
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続いて「古書明日」(2017/01/31参照)へ。来るのはちょっと久しぶりである。店頭で講談社文庫「考えろ丹太!/木島始」(木島始初の長編少年小説にして社会派ジュブナイル・ミステリー。元本は滅多に出会えないが、この文庫版もいざ探すとなるとちょっと見つけづらい一冊)を見つけて気分を良くし、店内へ。新書サイズ本ゾーン・絵本ゾーン・文学&サブカルゾーンと見てから、ミステリ&SFゾーンへ。棚下平台で、桃源社「若殿浮世絵さばき/城昌幸」が光っていたので手に取ると、千円のお手頃価格なので買うことにする。二冊を計1100円で購入する。
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この二店ですっかり古本欲が満たされたので、京王井の頭線とすぎ丸を乗り継ぎ、阿佐ヶ谷へと戻る。
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2021年07月21日

7/21『お夏捕物帖』を見つける。

炎天下の午後に、どうにか生き延びて代田に流れ着いたので、住宅街を北にヒタヒタ歩き続け、東松原まで出て「古書瀧堂」(2014/05/01参照)に立ち寄る。何故か店頭棚に空いている部分が目立つ。いつもの四分の三くらいだろうか…などと感じつつ店内へ。左端通路に少し移動があり、文学全般が左壁棚に移動している模様。その中から裏表紙下部が少し千切れている岩谷選書20「蝶々殺人事件/横溝正史」を拾い出し、500円で購入する。その後は京王線で久我山まで出て、さらに西荻窪へ徒歩でエッチラオッチラ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出し、昨日の新刊・大河内配達のお礼を改めて伝え、中央公論社「バッド・ガール/ヴィニア・デルマー 牧逸馬譯」(函ナシ)時代映画社「時代映画 1960.8 夏のシナリオ特集号」を計200円で購入する。「バッド・ガール」は店主・小野氏に「買うと思ったよ」と言われてしまうほど言わずもがなだが、「時代映画」は小国英雄のシナリオ「お夏捕物帖 通り魔」が載っていたので勇んで購入。これは昨日読み耽った「マイ・ビデオ・パラダイス」の影響で、小国が隠れたミステリー系脚本の名手であり(『昨日消えた男』は本当に傑作だし)、クリスティやケストナーから巧妙にトリックをいただいているなどと書かれてあるのだ。それで今日、こんな脚本を見つけたら、これは買うしかないでしょう。あぁ、こんな風に世界が少し広がりつながる感じ、堪らないなぁ。
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これは雑誌の表3掲載の二色刷り映画広告。主演は瑳峨三智子。ちなみに表2は大映の『安珍と清姫』で表4は松田定次監督の東映『水戸黄門』…全部小国英雄が脚本じゃないか!尊敬すべき凄まじい仕事っぷりである。
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2021年07月20日

7/20夜の路上で大河内常平を。

朝のうちから仕事に取りかかり、どうにか空気が煮えたぎる前にメドをつける。すると途端に暑さにやる気を奪われ、後は細かい些事をこなしながら、キネマ旬報社「マイ・ビデオ・パラダイス/石上三登志」を読み耽ってしまう。アラカン主演の『駅馬車』のイタダキ『闇を走る馬車』、フィリップ・マクドナルドが脚本のロボット映画『偉大なるトボー』、ジョン・ウー監督のチャップリン映画完全コピー『滑稽時代 モダンタイム・キッド』はぜひとも観てみたいなぁ……な、なにぃっ!岡本喜八監督が小栗虫太郎「黒死館殺人事件」を映画化したがっていただとぉ!?…くぅ、物凄く観てみたかった…あの法水麟太郎のアクセル踏みっ放しの暴走眩惑推理が、8ビートの畳み掛ける演出で視覚化されるところをっ!などと興奮する。だが、一日中家に閉じこもっているのはしゃくなので、午後に一瞬だけ外に出て高円寺へ赴き「ドラマ高円寺庚申通り店」でNTT Ad「マイ・フェア・ブロードウェイ」を110円で購入する。バブル時代にNTTが出した、ブロードウェイ・ミュージカルを楽しむためのマニアックな本で、和田誠・野口久光・沢口靖子のトークなどが掲載されている。編集は松本正剛。デザインが凝り過ぎで、読み難いページ多々あり。そして夜、暗い路上で帰り道の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と待ち合わせ、先で来て来たばかりの盛林堂ミステリアス文庫新刊「人造人魚 他九編/大河内常平 善渡爾宗衛編」を受け取る。わざわざありがとうございます!古書価が目の飛び出るほど高い、昭和二十〜三十年代に活躍したメーターぶっちぎり気味の探偵小説作家の、変格寄り短篇探偵小説集である。今回、小野氏からは「大河内らしく、おかしく普通じゃないようにデザインしてくれ」という異様な依頼だったので、こんな飛ばし気味のカバー2にしてみました。あぁ、先日の鷲尾三郎に続き、大河内常平のデザインが出来るなんて、探偵小説好きのデザイナーとして幸せ以外の何ものでもない(現代でこの二者の本を他にデザインしているのは岩郷重力さんくらいではないだろうか…)。みなさまも手に取って。ぶっ飛ばし気味のビジュアルとともに、変格的にぶっ飛ばす楽しい楽しい小説をお楽しみ下さい。盛林堂通販サイトではすでに予約が始まっており、店頭発売は7/22よりスタート。
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家にあった唯一の大河内オリジナル「腐肉の基地」(箱コピーカバー付の裸本である)とともに記念撮影。
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2021年07月19日

7/19「Q夫人と猫」カバー予備写真!

夕方から西荻窪に赴き、打ち合わせをひとつする。これは望外の喜びと確信を持って言える、嬉しい嬉しいお話なのである。フライングになりそうなのをグッと堪えて、時期が到来したらお知らせいたします。その帰路、荻窪「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に寄り道し、朔風社「渓流物語/山本素石」を110円で購入し、まだまだ暑い空気の中を泳いで帰宅する。

午前のうちに、東方社「二度死んだ男/甲賀三郎」(アニメ『名探偵ホームズ』の『ソベリン金貨の行方(TV放映タイトル『ねらわれた巨大貯金箱』)』にそっくりな一話あり。すわ案件!?と思うが、原典にこれと似た話があるかどうか、力不足で確認出来ず。引き続き要調査である)を読了し、さらに続けて現在売れ行き好調の東都我刊我書房「Q夫人と猫/鷲尾三郎」をも読了する。…読み終わってしまうということは、この懸命に手掛けた超絶プリティーなカバーともお別れ…表題作の『Q夫人と猫』、読後に悲哀と爽快感と変態的余韻の残る佳作であった。このお話に出て来るのは白猫で、実はカバー用に予備としてスタンバっておいた写真の方がイメージにピッタリなのだが、写真が二種あり、場所が所縁あるし、イメージを固定し過ぎないようにと考え、現行のカバーデザインとなったのである。というわけで特別に予備写真を大公開。
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あぁ、コイツも幻想的なロケーションの中で、奮いつきたくなるほど可愛いなぁ……。
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2021年07月15日

7/15チラシと探偵小説。

通り過ぎた土砂降りの後に西荻南に流れ着いたので、ユラユラと「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。読売新聞社「作家の舞台裏〈編集者の見た昭和文壇史〉/楢崎勤」(『編集者』とあるが、楢崎は昭和初期に新興の作家としても活躍した人物。平林初之輔と探偵小説の話や、編集者としての同僚・佐左木俊郎との付き合いなども掲載されており興味深い一冊である)を110円で購入しつつ、進行中の仕事の話や、新たな依頼などについて、店主・小野氏とアレコレ話す。そして、これもデザインを担当させていただき、早々と出来上がって来た「東京古書組合百年史」のA4チラシを受け取る。古本屋さんでお見かけの際は、どうぞ持って帰ってやってください。そしてその肝心の「東京古書組合百年史」の予約は、いよいよ明日まで!ご決断、よろしくお願いいたします!
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お申し込みは→http://www.kosho.ne.jp/100/index.html

帰り道の阿佐ヶ谷では、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、東京書店「絵説教典 空手道入門/内藤武宣」早川書房「復刻 エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3/ミステリマガジン編集部編」を計625円で購入しつつ、件のワクチン接種について聞いてみると、やはり発熱と筋肉痛の副反応が出てしまい、大事をとってお店を二連休にしたとのことであった。「八月に二回目の接種を予定しているので、その時も二連休するかもです」。何はともあれ、ここ杉並でも、集団免疫獲得のために、地道な一歩がジワジワと進んでいるのであった。そして夕焼けが恐いほど美しい夜、阿佐ヶ谷駅頭で、刷り上がって来たレア探偵小説の新刊を受け取る。東都我刊我書房 鷲尾三郎傑作撰壹「Q夫人と猫/鷲尾三郎」である。とかく元本の古書価が激高な、日本ハードボイルド先駆者のひとりの、貴重な単行本未収録&初出雑誌底本短篇選集である。カバーデザインを担当させてもらったのだが、今回表題作から連想して「猫の写真を使ってもらえないか」とのリクエストを編集さんからいただいていた。猫か…猫猫猫猫…猫の写真は普段から好きで良く撮っているのだが、鷲尾三郎選集に相応しい猫の写真………そうだ!あれを使おう!と、かつて撮っていた、鷲尾三郎にも所縁深い場所で偶然捉えた写真があった!と思い出し、使用してみたらこれが見事にベストマッチ!いやぁ、これは素晴らしい本になったぞ(編集さんが、ちゃんと使用許可取得済み)。この写真の場所が何処かわかる方は、当然探偵小説好きの方でしょう。ほどなくして「盛林堂書房」店頭&通販サイトや、中野「まんだらけ海馬」で発売となるので、探偵小説好きは、とにかく走れ走れ!
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本をガバッと開いたところ。表にも裏にも、プリティーな白黒猫!
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2021年07月14日

7/14ポスター見っけ!

午後一時ににわかに三鷹市とは思えぬ北野と言う場所に流れ着いたので、テクテクトボトボ北上して、昨日訪れたばかりの吉祥寺に出る。すると「古本センター」(2013/07/01参照)の店頭処分品棚で、1977&78年の『田宮模型』のカタログを見つける。むふぅ〜、これはいいなぁ〜。まったく面白いものを出してくれるなぁ〜。不器用なのでプラモ作りは大いに苦手だったが、それでも必死に器用な兄のマネをして、説明書に付いて行けなくても、接着剤をあちこちはみ出させても、塗装すればムラだらけでも、デカールがずれまくりでも…と言うような、無惨な組立をしていたっけ。団地の商店街の、花屋とおもちゃ屋が一緒になったお店で、あまりお金がないから、小さい箱のプラモばっかり買ってたっけ。…などと昔の記憶を呼び起こし、田宮模型「タミヤ総合カタログ」77&78と静岡模型協同組合「ウォーターラインガイドブック 日本連合艦隊編」(静岡のプラモメーカー、青島文化教材社・田宮模型・長谷川製作所・フジミ模型が、会社の垣根を越えて造った、同スケール・同タイプの艦船プラモカタログである)にプラスして、朝日新聞社「生活と芸術 アーツ&クラフト展 ウィリアム・モリスから民芸まで」を計600円で購入する。
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これはタミヤのカタログ。ページを開くだけで、プラスチックとセメダインの匂いが混然となって立ちのぼる!

そして昨日も来た「よみた屋」(2014/08/29参照)に立ち寄ると、おぉ!『次の百年のために』ポスターが入口ドアに貼られている…ちょっと上が剥がれて撓んじゃってるけど…。
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さらに「古本のんき」(2021/03/30参照)に立ち寄り、カバーナシの新日本文學社「中野・金子・小熊 詩集」(それにしてもこのタイトル、あまりにぞんざいだと思うなぁ)を300円で購入する。おっ!帳場内脇に『次の百年のために』ポスターが貼られている!う、嬉しいです!
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2021年07月13日

7/13原稿をちゃんと仕上げて古本を買いに行く。

昨日ほっぽり出した原稿を無事に仕上げて午後に外出。おや、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)はお休みしてしまったか。天野さん、やはりワクチン接種の副反応が出てしまったのか。ちょっと心配しつつ北口アーケードに至ると、おや「千章堂書店」(2009/12/29参照)も仲良くお休みである。こりゃあ、今日の阿佐ヶ谷は寂しいなぁと感じつつ、そのまま吉祥寺に出て用事をこなし、帰りに駅近くの古本屋さんを見て回る。そして「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭で、講談社ハウ=ツウ=ブックス「おれについてこい! わたしの勝負根性/ニチボー貝塚バレー=チーム監督 大松博文」を見つけたので110円で購入する。言わずと知れた、“東洋の魔女”を率いて1964年の東京オリンピックで金メダルをもぎ取った、日本女子バレーボールの鬼監督(あのスポ根必殺技“回転レシーブ”の生みの親でもある)の著書である。今ではコンプライアンスに違反するであろう、スパルタトレーニングエピソード満載の一冊……時代である。こういう時代があったからこそ、今があるのである。言わばこれは戻ってはならぬ時代の貴重な記録。だが、抜群に面白い!この本の初版は昭和38年発売で、モスクワでのバレーボール女子世界選手権で、監督するニチボーチームが優勝した過程について書かれているのだが、手にしたのは昭和39年の第57刷…翌年開催のオリンピックに向けて期待が高まり、売れに売れまくったということであろう。その期待は、金メダルと言う形に見事結実したので、恐らくその後もこの本は売れ続けたのであろう(なんたって続編まで出ているのだ)。それにしても最近、面白い新書サイズ本が手元にジワジワ集まって来て、愉快だなぁ。こういう面白本たちを読むのももちろん楽しいが、「みちくさ市」とかで店頭に並べているのを想像すると、また楽しいんだよなぁ。
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2021年07月12日

7/12原稿を放り出して古本を買いに行く。

朝からジワジワ原稿書きを進めつつ、午前十時過ぎに外出。テクテク荻窪へ古本を買いに行く。「竹中書店」(2009/01/23参照)をまずは覗くと、新たに図録類が店頭ワゴンに放出されている。その中の一冊、神奈川県立近代美術館「視覚の魔術展 DISGUISED VISION」を200円で購入する。大判の図録をリュックに押し込め、次は「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。じっくりと店内を一周し、桃源社「鬼火 完全版/横溝正史」東京都公園協会「アメリカの公園めぐり/森脇龍雄」(昭和卅六年刊の、東京都公園緑地部長が『国際造園会議』出席の際に、三十日間旅をしてアメリカとカナダの公園を見聞した、日記形式の記録である)を計550円で購入する。帰り際に「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、開店時間ではないのだが、シャッターに一枚の貼紙が。そこにはワクチン接種のために今日はお店をお休みすること。その代わりに定休日の明日を開店日とするが、もし副作用が出た場合は連休になってしまうことが、したためられてあった。次に店主にあったら、どんなだったか詳しく聞いてみよう。
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それにしてもアメリカの公園は広い、広過ぎる…。

午後、その原稿を書き終えることが出来ずに、ブラブラと高円寺へ。「西部古書会館」の大均一祭(開催三日目は全品50円となり、棚はすでにブランクだらけである)に立ち寄るが、哀れにも何も買えずに、さらに高円寺の街を彷徨う。そして『中通り商店街』の「ホワイトハウスのクリーニングまるや店」(2021/05/10参照)が開いていたので、フラリと入り込む。三笠書房「ニーチェ 悲劇の誕生/土井虎賀壽譯」角川文庫「長編推理小説 Zの悲劇/エラリイ・クイーン 田村隆一訳」(東君平の装画がエッシャー的でプリティ)を計150円で購入する。するとお店を出た途端に、雨がポツポツ落ち始めて来たので、急ぎ足で帰宅する。

※そろそろ書店に並んでいる「本の雑誌 塩らっきょ特盛号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では八王子の「佐藤書房」へ突撃!箱ナシですが、安値で山村正夫のジュニア怪奇探偵小説を手に入れました。そして巻頭の『本棚が見たい!』に古本販売ユニット『mondobooks』の一員・古本と手製本のヨンネさんが登場しているのだが、最後の写真の右下に「古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」が映り込んでる!なんか嬉しい!そしてさらに、65pの「東京古書組合百年史」の広告は、恥ずかしながら超突貫工事で私がデザインしたものであります…。
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2021年07月11日

7/11古本屋さんで雹宿りする。

蒸し暑い日曜の午後に東小金井に流れ着く。この位置なら当然新小金井の「尾花屋」(2017/06/15参照)に立ち寄り、オカリナの孤独な音色が流れる店内で、道統社「希臘の鋏/兒島喜久雄」を200円で購入する。東小金井駅から電車に乗り、三鷹駅で総武線に乗り換えて、西荻窪駅で途中下車。蒸し暑さが一段と増し、頭上に不穏な黒雲が発生している…。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に届け物があったので、お店に入る前に店頭を必死にチェック…むむぅ、探偵小説的に楽しめるなぁと、たちまち三冊を手にする。東京文藝社「展覧会の絵/高木彬光」(函ナシ)浪速書房「縄張り/大藪春彦」講談社 書下ろし長編探偵小説10「十三角関係/山田風太郎」を計300円で購入し、届け物を渡した所で、表が大変に騒がしくなる。外に目をやると、大変な雨が降り始め、強い風も吹き始めた。ゲリラ豪雨か…と思ったのも束の間、たちまち雨音が強く変化し、『バチバチ』という、硬いものが日除けやビニールカーテンや建物や地面を打つ音が激しく響き渡る。雹だ!雹が降って来た!表の道路はいつの間にか川のように水が流れ、そこに白い大粒の雹が絶え間なく打ち付けている。
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うぉぉ、こりゃスゴいぞ!と興奮し、しばし古本屋さんにいるのに古本のことを忘れながら、自然の驚異である雹に魅了され、古本屋さんで雹宿りする。およそ三十分弱で大雨は上がり静かになったので、お店を辞去する。ところが阿佐ヶ谷に戻ると、またもや雨が落ち始める。ちょうど「古書コンコ堂」(2012/01/06参照)前に差し掛かったところで、お洒落な雨合羽を纏った、台風が接近中の灯台守のような格好の店主・天野氏と挨拶を交わす。「いやぁ、雹ヒドかったですね」などとお話ししつつ、「傘、持ってますか?お貸ししますよ」と気遣われる。「持ってますんで大丈夫です」と答えつつ、古本屋さんの思いがけない優しさに、少々胸を熱くする。
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2021年07月10日

7/10終わった終わったぁ〜〜!

昨日無事に「東京古書組合百年史」の『古本屋分布図』以外の枝葉仕事を終え、関わったすべてがようやく手を離れる。いやぁ〜〜〜〜〜、終わった終わった。およそ十ヶに渡る作業、自分にお疲れさまでした。そして編纂委員のみなみなさま、ご苦労さまでした。こんなに貴重な、古書組合の里程標となる本に、一介の古本屋好きとして関われたのは、光栄の行ったり来たりであります。これで本当に、後は大著が出来上がって来るのを待つばかりとなる。ようやく装丁家・間村俊一氏の手になる装幀も公開されたので、古本屋好きの皆さま、予約準備完了して、本が家に到着するのをお待ち下さい。
書影は→https://twitter.com/tokyokoshokoho/status/1413316612728320002/photo/1
いよいよ締め切りまで一週間を切った販売予約は→http://www.kosho.ne.jp/100/index.html

と言うわけでこのいきなり襲って来たヒドい暑さの今日は、表に出ること叶わず、家で色々片付けていたので、先日買った手製アンソロジー本(2021/07/07参照)の話でもひとつ。まとめられた大正時代の日本近代文学もさることながら、何故か丁寧に執拗に挟み込まれている雑誌の口絵類が、かなり興味深い。『青踏社ノ人』のタイトル掲げられた、和服姿の文学少女&婦人の凛とした集合写真や、雑誌編集部の風景(岡田三郎・長谷川天渓・白石實三・加能作次郎・川路柳虹などなど)、『文士會の人々』に写る、芥川龍之介・菊池寛・里見ク・葛西善蔵・小島政二郎・久米正雄・加能作次郎・藤森成吉・山本有三・佐々木茂索など。他にも和洋の絵画も多く残されており、『大阪の夢二』こと抒情画家・宇崎純一の色刷り口絵『野邊』は嬉しい一枚である。あぁ、古本は楽しいなぁ〜。
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2021年07月07日

7/7偉容を誇る手製アンソロジー本。

夕方近くに高井戸駅南に流れ着いたので、飼い犬が帰巣本能で家を目指すように、トボトボと荻窪方面へ向かう。まず「中央線書店」(2021/04/08参照)を見てみるが、シャッター下半分開き状態で、店頭棚には出会えずじまい。線路下の歩道トンネルを潜って「竹陽書房」(2008/08/23参照)へ。棚を見ていると小学生の女の子がいきなり飛び込んで来て、コンビニコミックを貪るように立ち読みし始めた。こういうのも、街の古本屋さんとして機能しているという、ひとつの証明であろうか。ジャストシステム「VR冒険記 バーチャル・リアリティは夢か悪夢か/荒俣宏」を100円で購入する。続いて「竹中書店」(2009/01/23参照)へ向かい、店頭ワゴンから思潮社「夢について/ロジェ・カイヨワ」を200円で購入する。お次はズンズンと「藍書店」(2018/12/24参照)に向かい、あっという間に研究社「妖精の国の住民/キャサリン・M・ブリッグス 井村君江訳」北星堂「シークレット・シティ・ロンドン 奇怪な歴史の街探訪/M・チェンバース」ハヤカワポケミス「ホックと13人の仲間たち/エドワード・D・ホック」「機械探偵クリク・ロボット/カミ」を抜き出し、計550円で購入する。そして最後に「古書ワルツ荻窪店」
(2020/07/30参照)。まずは店頭棚から冬樹社「乞食稼業 唐十郎対談集」毎日新聞社「大氷河を行く 南米チリ・パタゴニア探検/田中薫編」を手にしてから店内へ。その店内では、CD・文庫・新書の10%オフサービスが展開されている。だが通路をニジニジ動き回って気になったのは、サービス対象外のとてつもなく分厚い謎の手製本であった。前述の本とともに計770円で購入する。
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辞書のような弁当箱のような偉容であるが、実はこれ、何処かの誰かが大正時代の文芸雑誌から好みの作品を集めて丁寧に製本した、日本近代文学アンソロジーなのである。雑誌『三田文學』『文章世界』『大観』『雄弁』『改造』などから、芥川龍之介・宇野浩二・葛西善蔵・細川民樹・加能作次郎・森鴎外・加藤武雄・正宗白鳥・岩野泡鳴・水上瀧太郎・沖野岩三郎・豊島與志雄などと共に、未知の作家もたくさん収録されている(きしのあかしや名義の『靈岸島の自殺』も収録されている!)。それにプラスして雑誌の口絵や、文士の写真が多数挟み込まれているので、己を満足させる非常に欲張りな造りを追求した結果、こんなに分厚くなってしまったのだろう…いや、非実用的でスンバラしい!おそらく大正時代に作られた手製本が、二十一世紀に残っているのもスンバラしい!
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2021年07月06日

7/6次の百年のために。

昨日は窓の外の暗い空を眺めながら、明るく遠く、行ったこともないカリフォルニアをイメージしたデザイン仕事に従事する。午後にちょっと外出し、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭に、傘を差しながらかぶりつく。すると案の定、店頭に新たな興味深い本が補充されている…最近好みの本の店頭充実っぷりに、すっかり感心しつつ、いつかこの流れが店内にも波及するのだろうかと、激しく思い巡らす…だと、だと、だと、嬉しいな。と早速捕らぬ狸の皮算用(虚しくとも楽しいのだ!)。三一書房「黒念佛殺人事件/藤田傳」早川文庫「日本SF古典集成〔I〕〔III〕/横田順彌」を計330円で購入する。夕方に連載のゲラを戻す…いつの間にか四十五回目。月日が経つのは本当に早いものである…。

今日は午前のうちに西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出し、「フォニャルフ」に補充しつつ、盛林堂向けの読了&不要本を買取してもらい、様々な打ち合わせをする…あまりに多過ぎるので、最初の打ち合わせ内容を一瞬忘れてしまった…。大日本文明協會「海陸の神秘/イー・レー・ランケスター」(函ナシ)を100円で購入する。大正十一年刊の、英國前自然科學博物館館長(口絵の肖像写真はサンドイッチマン・富澤似!)の訳書である。博物學的見地から世界の謎を追求する内容らしい。『世界最古の繪画』『卍と巴』『實在の小人』『架空的及び實在の龍』『最も巨大なる動物』『動植物の毒と針』などなど、そそる章タイトルが連続している。そしてさらに一枚のポスターをいただく。「東京古書組合百年史」刊行に連動して作られた、全古書連の新ポスターである。嬉しいことに、『古本屋分布図』作成の流れから、デザインを担当させていただいたのである。至ってシンプルな見た目だが、『次の百年のために』の思いをたっぷり込めて作成。生業として、本という形の文化(ピンからキリまで)の価値を、懐深く高めて継承し挑戦してサバイヴして行く宣言。古本屋さんの店頭で見かけたら、どうか優しい目で愛でてやってください。これから続く百年も、古本屋さんに、幸あれ!
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家に帰ってパネルに入れて飾ってみる。一見古本屋さんのバックヤード辺りに見えなくもないが、紛れもなく自宅の仕事部屋である…。
そして予約限定販売の「東京古書組合百年史」はこちらから!→http://www.kosho.ne.jp/100/index.html
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2021年07月04日

7/4またもや「コンコ堂」店頭で新書サイズの良書を。

結局ほぼ一日中降り続けた優しい雨にうんざりしながら、世田谷の上町に流れ着く。水気に包まれた住宅街を、世田谷線に沿ってトボトボ北に抜け、豪徳寺まで出て「靖文堂書店」(2011/09/06参照)。帳場のテレビの音が響く店内を、息を顰めて一周する。文藝春秋新社「橋づくし/三島由紀夫」(再版だが百円はは嬉しい)ひかりのくにテレビえほん「ウルトラマンタロウ1/画・梶田達二 岡崎甫雄」(裏表紙折れアリ)を計200円で購入する。続いて裏路地の「玄華堂」(2008/10/09参照)にも久々に立ち寄り(いつもだったら店頭だけ流して失礼ながら立ち去ってしまうのだが、今日はその店頭棚がすっかり仕舞われていたので、店内を見る気になったのである)、創元推理文庫「ガラスの鍵/ダシール・ハメット」(5版カバー装)を300円で購入する。そして小田急線と総武線を乗り継いで阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚前に立つ。ふむふむ、文庫棚に新たな新書サイズ本が追加されているぞ…阿佐田哲也に東都ミステリー…とその東都ミステリーの一冊「啜り泣く石/福本和也」を手にすると、これがなんと献呈署名入り!素敵な出会いに息を弾ませながら、さらに浪速社「死に死にですわ ノックの公害作戦/横山ノック」(漫才師・横山ノックではなく、政治家・山田勇として、昭和四十年代の大阪の公害を調査・告発しまくる一冊である)抜き出して、ほぅっとため息を放つ。帰り道でこんな古本たちに出会えるとは、何とも素敵な一日の締めくくりである。手指消毒して店内に突入し、計220円で購入する。店主・天野氏の足の骨のヒビは順調に快方に向かっているとのこと。
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家に帰って一休みしたら、近所の中学校に都議選の投票に出かける。これからは、まずは人間の命を第一に考える、よりよい東京になって欲しいなぁ。
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2021年07月03日

7/3束の間の雨上がりの高円寺にて。

今日も世界を洗い流すほどのヒドい雨を潜り抜け、午後二時半に高円寺に漂着する。雨が上がって、本当に良かった……。すぐさま『庚申通り』北端の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に駆け付け、占い本を朗読しながらいちゃつくカップル越しに店頭棚を覗き見て、角川文庫「恐るべき四月馬鹿/横溝正史」を50円で購入する。お店を出ようとすると、入口脇棚の上に置かれたチラシが目に留まる。『佐藤さとる展 「コロボックル物語とともに」』…ぬぉぉ!『県立神奈川近代文学館』で7/22から、こんな展示が始まるのか!これは何としてでも観に行かなければ。中庭で開催される『コロボックルを探せ!クイズ』も参加しなければ…。そしてそのまま「西部古書会館」で明日まで開かれている『西部古書展書心会』二日目を覗く。手指を消毒して荷物を預け、手首で体温を測った後、会場内へ。結構たくさんいるライバルたちと上手く距離を取りつつ、綿密に一周…「アカシヤ書店(神保町)」(2011/10/13参照)と「藤井書店」(2009/07/23参照)が古書を多く並べていい感じ。機甲青年社「世界の裏路/百川一郎」朝日新聞社「花の開落/正木不如丘」(カバーナシ。識語署名入り)岩谷書店「宝石 昭和三十年二月号 “世界科学小説集”」を計920円で購入する。「宝石」は丘美丈二郎『龍神吼えの怪』夢座海二『地球よさらば』会田軍太夫『M博士の生物発見』北村小松『科学小説の面白さ』などが魅力的だが、特集とは関係ない梶龍雄『老刑事の春』が気になってしょうがない。この時代から、すでに活躍していたのか…。そして今日の嬉しい一冊は、「世界の裏路」である。昭和十七年刊の、世界の奇談実話十五編を集めた一冊である。初っ端が『火星米國を襲ふ』で、これはもちろんオーソン・ウェルズがラジオドラマで演じた『宇宙戦争』が、あまりにも迫真過ぎて本物の実況中継と勘違いされ、アメリカの一部をパニックに陥れた有名なエピソード。その他にも『呪ひの首飾り』『暗黒街の大捕物』『殺人會社』『女弁護士の怪死』『教會堂の幽霊』『一億圓の人質』などのワクワクするタイトルが目白押し。今日も読みたくなる良い古本が買えました。
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2021年07月02日

7/2梅雨の金曜日の一日。

朝から雨の音と、隣りの空き室のベランダに作られているらしい、鳩の巣のヒナの鳴き声を聞きながら、デザイン仕事に集中する。ほぼ頭の中のイメージをモニター内に定着することが出来、これは快心の作!と自画自賛する…まぁそう思わなければ、人に見せることなど出来ないのだが…。昼食後に外出し、まずは荻窪へ。「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照。後ひと月弱で、開店一周年を迎えるのか…早いなぁ)で福音館書店「吸血鬼の花よめ ブルガリアの昔話」を330円で購入。続いて「藍書店」(2018/12/24参照)で、学研 新しい世界の童話シリーズ「小さい魔女/オトフリート・プロイスラー」を110円で購入する。そこから水たまりの多い駅前を通過して「竹陽書房」(2008/08/23参照)に行くと、シャッターが閉まっていてお休みらしい。地下道を潜って北側に出ると、「中央線書店」(2021/04/08参照)もシャッターを下ろしていた。仕方ないので阿佐ヶ谷に戻り、「銀星舎」(2008/10/19参照)に顔を出す。徳間文庫「非常階段/日影丈吉」鎌倉書房「やさしく殺して/小泉喜美子」を計千円で購入しつつ、旦那さん店主とお話しする。お友達が京都で訪れたという京都の「古書 善行堂」(2012/01/16参照)の話になったので、お店の様子から棚の様子から店主の様子まで、詳細に講義する。あぁ、行きたいなぁ「善行堂」。そして古本をドッサリ買いたいなぁ。家に帰ったら、真面目に連載の原稿書き。いつもの書き方と違い、観察日記風になってしまった。まぁこういう展開も、たまにはよいか。

そう言えば大阪梅田『ルクア イーレ』の「梅田蔦屋書店」での古本販売だが、店内の本売場スペースの縮小&大改変により、古書ゾーンが現在宙に浮いた状況になってしまっているそう。だがこの瞬間にも、古書コンシェルジュさんがどうにか売場を確保しようと奮闘中なのである。これからも変わらず、西の皆さまに楽しい古本をお届けし続けたいので、吉報を待ちたい。
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仕事机の背面では、山となった古本たちが「早く大阪に送ってくれ〜」と怨嗟の声を上げている…。
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2021年07月01日

7/1「5万キロドライブ」本二冊!

土砂降りの雨をびしょ濡れになって潜り抜け、午後二時に境浄水場近くに漂着する。あれだけ雨が降ったのに、水量が巧みに調整されているためか、玉川上水はかつて『人喰い川』と呼ばれたほどの増水には至っていない。そんなことを確認しながら三鷹に向かい、「りんてん舎」(2019/03/30参照)で店内に収納された店頭箱を屈んで静かに眺める。ぐらすぷ・らいぶらり「人情噺/織田作之助」を110円で購入する。空模様は常に怪しいのだが、まだちょっと降りそうにはない。なのでそのまま吉祥寺までズイズイ伸して、「古本センター」(2013/07/01参照)へ。処分品棚を覗き込み、まずは筑摩書房「陽のかたち/高松伸」を手にする。続いて棚脇に三列積み上がる、ストック山に目を移すと、単行本にタレントの自伝関連が多いのに気付く。石原裕次郎・小林旭・宍戸錠・加賀まりこ・浅丘ルリ子…よよっ!風間杜夫があるじゃないか!と気付いて上の本を退かして抜き取る。角川書店「本当のことを言おうか/風間杜夫」(東映子役時代・ロマンポルノ時代・演劇時代と、微に入り細に入り語ってくれている)を「陽のかたち」とともに計160円で購入する。そして最後はビニールシートの掛かった「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭で、個人的の盛り上がる本を発見する。角川書店「写真版 ロンドン→東京 5万キロ国産車ドライブ/土崎一」である。朝日新聞社の特派員記者二人が、昭和三十一年にトヨタのトヨペットを駆って、ロンドン〜東京を走破する冒険旅行を実行した。その顛末はすぐさま、朝日新聞社「ロンドン-東京五万キロ 国産車ドライブ記/辻豊・土崎一」として出版されたのだが、これはその旅の写真集版なのだ!カバーは傷んでいるが、ここであったら百年目!と五百円で購入する。この三鷹〜吉祥寺古本屋コースは、つい四日前に巡ったばかりだが、日にち変われば古本も変わる!おかげで良い古本が買えました。
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と言うわけで「ロンドン-東京五万キロ 国産車ドライブ記」(実はこれも過去に「よみた屋」で百円で買ったのだ…)とともに記念撮影。おぉ、麗しき兄弟本!
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2021年06月30日

6/30「コンコ堂」で新書サイズ本が大漁だった。

午後三時前に桜新町に流れ着いたので、『玉川通り』をテクテク遡上して三宿辺りを目指すことにする。本当は「江口書店」(2010/03/29参照)に行きたいのだが、水曜日の開店は午後五時から…徒歩で行っても、さすがにこの時間差を埋めることにはならないだろう。そう覚悟して、結局『三宿交差点』を北西に曲がり込み、坂を下って「山陽書店」(2014/04/09参照)に至る…おぉ、やってる。かなり久しぶりだ。オレンジの日除けの下に入り、相変わらずの本がパラフィンにキッチリ包まれ、整理整頓の行き届いた店内をジリジリウロウロ。中央行き止まり通路の古書コーナーは、数年前に見た時とあまり変わっていない気が…。ちくま文庫の新しいところが安く並んでいるのが魅力的だが、結局中央通路の古書&紙物木箱を漁り、報知新聞社「世界百傑画傳」を500円で購入する。昭和七年刊の非売品本で、タイトル通り世界の偉人百人を絵入りで年代順に紹介している。蕗谷虹兒・鈴木御水・水島爾保布・鰭崎英朋のカットが嬉しい。
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お店を出て交差点まで戻り、一応「江口書店」の様子を窺うが、まだシャッターが下りたまま…やはり開店は五時か…と諦め、阿佐ヶ谷に戻る。そして駅頭で編者さんと待ち合わせて少し仕事の打ち合わせをする。どうやら興奮必至の仕事となりそうなので、早速脳髄内でイメージをコネコネしていると、ちょうど「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前。すぐさま店頭単行本棚の天板上から歳月社「幻想と怪奇2 吸血鬼特集」を確保してから、店頭文庫棚の前に移動する。すると愉快な新書サイズ本が数冊目に飛び込んで来たので、こちらも早速確保確保。KKベストセラーズ ワニの本「盗用を禁ず 駄じゃれバカの本」「盗用を禁ず だじゃれ笑学校」共にしとうきねお・テディ片岡(ちなみに今気付いたのだが、この二冊、中身が同じじゃないか。「盗用を禁ず」は昭和48年刊、「だじゃれ笑学校」は昭和50年刊。タイトルとカバーを替え、本文もレイアウトに微妙な変更を施し、再販したのだろう)、勁文社エコーブックス「燃えよドラゴン/マイク・ルート」新書館「いじわる読本/野坂昭如編」(野坂の他に、丸谷才一・片岡義男・野末陳平が執筆する豪華な布陣!)を前述の「幻想と怪奇」と共に
計550円で購入する。
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うむうむ、大漁大漁。
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2021年06月28日

6/28もはや名作、一ノ関圭の絵本。

昨晩BS12で放映していた2001年のアニメ映画『メトロポリス』(原作・手塚治虫、監督・りんたろう、脚本・大友克洋)を偶然目にし、ついつい引き込まれて最後まで鑑賞してしまう。手塚治虫を土台にして、アールデコ+『AKIRA』+『ブレードランナー』+『攻殻機動隊』+『新世紀エヴァンゲリオン』+『未来少年コナン』+『タンタン』+戦前ディズニー+フリッツ・ラングの『メトロポリス』を巧みに融合させた、大変に緻密で美しく情報量の多い大作アニメ映画で、見事に難行必至の手塚漫画のアップデートを成功させていたのに、息を飲む。公開当時はちょっとした映像を観ても、全く心揺さぶられることはなく高を括っていたのだが、ここまでちゃんと作り込んでいるとは、夢にも思わなかった。やはり食わず嫌いはイカンですな。ただしラストは原作漫画の方が絶対に泣けると思うし(「ミッチィ!)」、言わばキャラより、街と、スチームパンクとサイバーパンクの中間に位置するようなオーバーテクノロジー(アールデコパンク?)が主役の映画とも言えてしまうのが、何とも惜しい!などと偉そうに二十年前の映画を脳内批評しつつ、本日は朝から真面目に楽しいお仕事お仕事。頭の中のイメージを必死こいてモニター内に画像化するのにどうにか成功し、午後に息抜きに高円寺へ。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で講談社「こどもたちのせかい'78イラストレーション/児童出版美術家連盟・編」(絵本や児童文学の挿絵で活躍する作家たちの作品を、美術画のひとつとして捉えまとめた作品集。巻末の名簿に各作家の住所と電話番号が載っているのがスゴいが、さらにその後の各児童本出版社の広告ページがボリュームたっぷりで、見ていて楽しい)岩波書店「江戸のあかり ナタネ油の旅と都市の夜/塚本学文 一ノ関圭絵」を計600円で購入する。百円木箱から見つけた「江戸のあかり」は復刊版ではなく、1990年初版のオリジナル。漫画家・一ノ関圭の、『ビッグコミック』活躍後から「鼻紙写楽」登場までの、長きに渡る空白期間をつなぐ、ミッシングリングとしての絵本作品である。…あぁ、絵がとにかく上手い。そして今まさに江戸を目撃している!と思わせるほどの、世界観の表現に心蕩かされる。まるで清親の光線画を見ているようだ…。一ノ関圭と原作者・塚本学の対談を収めた『あかりについて』がちゃんと挟まっているのも、また嬉しい。
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2021年06月26日

6/26全然違うじゃん!

午後に古本を一抱え携えて西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の『フォニャルフ』棚前にしゃがみ込み、誠心誠意補充入替を行う。手早く作業を終えると帳場横で、高円寺即売会帰りの北原尚彦氏に遭遇したので、最新案件の少女ユーモア探偵小説『ミス・ホームズ捕物帖』の話題で大いに盛り上がる。新潮社現代脚本叢書 第一編「未能力者の仲間/武者小路実篤」光文社「ノンちゃん雲に乗る/石井桃子」非凡閣 新作大衆小説全集第三十三巻「幽鬼の塔/江戸川亂歩」(裸本)を計700円で購入し、店主・小野氏とは「東京古書組合百年史」周辺のお仕事について、あれこれ打ち合わせる。色々切迫しているが、何とか乗り切ってやる!などと無闇にオダを上げてお店を出て、その“オダ”の勢いを借りるようにして、そのままテクテク吉祥寺に歩いて出てしまう。
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これは「幽鬼の塔」の乱歩の検印紙。ローマ字表記で、“Edogawa Rampo”とある。昭和十六年の時点で、“Ranpo”じゃなくて“Rampo”だったんだ。

実は先日の森英俊氏邸訪問時に、ひょんなことから氏と「古本センター」(2013/07/01参照)の話になり、漫画棚でのけぞるような貸本漫画を安値で買ったことを聞かされていた。それに影響されたのか、昨日の訪店時に、いつもは店頭の処分品棚しか見ないのに、ついつい奥まで入り込み、漫画棚を注視してしまったのであった。その時目につき、心に染み付いてしまったのは、ひばり書房「折鶴七変化/鹿野はるお」…「折鶴七変化」?角田喜久雄の「折鶴七変化」が原作の漫画ってこと?…だが何処にも原作者の表記などない…う〜ん、どうなんだろうなぁ……などと迷いに迷い、昨日は棚に戻して引き上げたのであった。だが、やはり今日も結局気になっている!そんなわけで、毎度の如く馬鹿みたいに再訪して買いに来たのである。千円で購入し、ビルの外に出た途端、袋から中身を出して確認する…扉に角田の表記はないな……何々、ゲッペル先生に師事して西洋医学を学んだ旗本の次男・青江鶴之助が、ある日主君の姫君の病を治すためにお城に呼ばれ…って、全然違うじゃん!角田の「折鶴七変化」じゃないじゃん!タイトルだけいただいた、漫画じゃん!と一瞬で落胆し、やはり慣れないジャンルに無闇に手を出すものじゃないなと思い知らされつつ、仕方なく車中でその漫画を読みながら、スゴスゴ帰宅する。
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