昨日はすっかり薄暗くなった午後六時前に、自由が丘の丘の上に流れ着く。慌てて駅方面に向かい、夜の「西村文生堂」(2013/09/10参照)に滑り込む。左側通路でジッと壁棚を注視し、。新書館「ペーパームーン 指輪大戦争ファンタジイ」を400円で購入する。よし、古本は買った。家に帰るぞ!と意気込むが、山手線が大混乱で大混雑…うぅ…そしてその余波なのか総武線も大混雑…うぅぅ。とすっかり都会の交通機関に心身を弄ばれて、疲弊して帰宅する。するとその疲弊をすっかり癒してくれるヤフオク落札品が届いていた。ライバルなしの500円で、まとめて四冊の児童書を落札したのだが、目当ての二冊が、金の星社の『少年少女21世紀のSF』シリーズなのであった。3「ソレマンの空間艇/石川英輔」10「火星地底の秘密/瀬川昌男」。中学校の図書館落ちで、函に傷みがあり(それにしてもよく函が残っていたもんだ)、後見返しには図書館蔵印と読者カード紙ポケットがあるが、この安値なら気にならぬ瑕疵である。やれ、嬉しや嬉しや。

そして本日は午後二時半に千駄ヶ谷に流れ着いてしまったので、『明治通り』を離脱して、『代々木駅東口』を目指す。おぉ!かつて松本竣介が描いた、特徴ある出口の多角形庇屋根は今日も健在で、しとしと雨を受け止めている。この屋根が残されているのは、正に都会の奇跡と言えようか。下から見る骨組みも、魚の鰓のようであり、アールデコ装飾のようでもあり、いつまでも眺めていられる魅力を放っている。

だがいつまでも眺めていると夕方になってしまうので、地下への階段を下りて上がって改札を抜け、総武線で中野に出る。一直線に「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)に向かい、通路安売棚から金星堂「新文學研究2」を550円で購入する。何故この、伊藤整編集で、横光利一・龍膽寺雄・左川ちか・上林曉・井伏鱒二等が寄稿し、北園克衛がカットを描いている昭和七年刊のレアな文芸誌がこの値段で……と疑問に思っていたら、後で確認すると表紙&口絵が取れかけていたのであった。だが、これならお茶の子さいさいで直せるぞ!と確信し、家に帰ったら直ぐさま修繕すことを誓う。だがその前に、。トコトコ高円寺まで歩いて「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に立ち寄る。青林堂「ダビデの眠る日/宮谷一彦」編集プロダクション映芸「映画芸術 2000年3月増刊号 足立正生零年」を計1600円で購入する。どちらも安くて、サンカクヤマに感謝である。

4/3の嬉しい収穫。
そして家に帰ると、分厚い分厚い近代出版研究所「近代出版研究2025特大号・第4号 特集 書物百般・紀田順一郎の世界」が届いていた。物凄いお歴々の末席に名を連ね、アンケートに答えております。それにしても古本の話だらけ!そして古本屋探偵大大大人気!
posted by tokusan at 18:32|
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