2021年02月28日

2/28国立で閉店と増殖を見る。

午後一時に家を出て、連載の取材を行う。そのままの足で東京の西へグッと向かい、国立駅に降り立つ。南口でに出て、三角屋根の旧駅舎の後を通ってロータリーを回り込み、今日でその歴史に幕を下ろす「銀杏書房」(2011/11/14参照)へ。おっ、最後の営業中である。緑のテント看板の下の店頭ラック&台には多くの人が取り憑き、入口から店内をうかがうと、すでにブランクの生まれている棚に囲まれた左右の通路も、閉店を惜しむ人でいっぱいである。品薄のラックと台を覗き、店内に突入する。絵本やビジュアル本類は多くが売れてしまったようで、棚に残るのはペーパーバックやハードカバーの洋古書がほとんどである。頭上でぐるんぐるん回転するシーリングファン…その下で、何か買えるものはないかと必死に探すが…ううっ、残念ながら見つからない。まぁもともと洋書は苦手だし、実際このお店も過去にツアーした一度しか買物をしていないくらいだ。長年国立の風景を作り続けて来た、お店の最後の様子を見られただけでも良しとしておこうか。お店の人を労うお客さんたちの声を背にして、何も買わずにお店を出る。そう言えば、このお店の大いなる特徴のひとつと言える、外壁にかかった銅鑼のような『銀杏BOOKS』看板は、この後いったいどうなるのであろうか。ラックの後にある、その不思議な力強いオブジェを、じっと眺める。あぁ。文字部分は鉄で出来ていたのか。そして本体の木の円周には、たくさんの人が手を繋ぐ彫刻が施されている。『古本屋博物館』なんていうのがあったら、ぜひとも展示しておきたい逸品…君も長年、お疲れさまでした。
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そう挨拶してお店から離れ、通りを横断歩道で渡り、「みちくさ書店」(2020/05/27参照)の様子を見に行く。おっ、お店の向かいの部屋に、新たな空間が増設されている。入ってみると、絵本・児童文学・暮らし系ムック・ビジュアルムック・図録類・幻想文学・ミステリ&SF文庫・海外文学・詩集・アングラで構成されている。むぅぅ、もしや「みちくさ書店」は、『中野ブロードウェイ』の「まんだらけ」グループのように、この『国立デパート』内で、秘かに分裂増殖を繰り返して行くのかもしれない。そんな阿呆で素敵なことを思いつきながら、その光景を暴走妄想してひとりニヤニヤする。
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2021年02月24日

2/24今日こそ大阪に古本を送った。

午後三時過ぎに風の強い田無駅前に漂着したので、そのまま西武新宿線に飛び乗り、鷺ノ宮に帰還する。駅を出て、妙正寺川と『中杉通り』を踏切際でダブルで渡り、川沿いに西へちょっと進んで、「うつぎ書房」(2008/08/06参照)に顔を出す。ちゃんと営業中で、サッシ扉が半開きになって、そこには季節外れの風鈴が下げられている…リリン…何故…?扉を開いて風鈴を掠め、薄暗い店内へ。奥の帳場&生活空間は真っ暗で、誰もいない…と思ったら、そのさらに奥の一間に、シルエットとなって店主の横向きに座る姿が浮かび上がっていた。とても2021年とは思えない、なかなか幽玄さ漂う空間である。こちらもその薄暗い幽玄さに身を浸しつつ、文庫とコミックとアダルト以外は不動気味な棚を注視して行く。そし相変わらず店内にはきちんと揃えられた靴がたくさん並んでいるのだった…。徳間ジャパン「ショウほどすてきなマンハッタン/わたせせいぞう」(こんなに平仮名とカタカナばかりで…)を左側通路から見つけ出し、400円で購入する。奥に向かって精算をお願いすると、店主は電気を点けながらこちらに近づいて来るのであった。何か、ご足労かけてすみません。
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「うつぎ書房」名物の日除け看板をバックに写真を一枚。実に文字量多めですな。

そして家に帰り、古本ダンボールを抱えて郵便局へ。大阪に三十冊ほどの精選古本を発送する。明日到着後、古書コンシェルジュさんの商品化作業を経て棚出しされるので、西の皆さま、今暫くお待ち下さい。いつものように探偵小説関連も混ぜ込んでありますが、今回奇怪な本がポイントになっていますので、どうにかお楽しみいただければ幸いです。

ところで、連載の取材で手に入れた、岩谷書店「名作捕物小説集(昭和二十八年度年鑑)/捕物作家倶楽部編」をチビチビ読んでいるのだが、佐々木壮太郎『謎三味線』が、ドイルの『四人の署名』&『六つのナポレンオン』の合わせ技翻案(短篇なのにかなり盛りだくさん)であることに気付く。というわけで北原案件発見!ご報告しなければ。
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2021年02月17日

2/17古本屋地図、ひとまず手を離れる。

長〜く取りかかっていた謎の古本屋地図製作が、昨日で一応のカタチにたどり着いた。つい最近まで、自分で作っていながら、完成するとはまったく思っていなかった。それほどの難物を、空間を捩じ曲げ折り曲げ、頭から汁が出るんじゃないかと思うほど知恵を絞って、十四枚の古本屋地図にまとめ上げたのである。ここからは一旦こちらの手を離れ、校正の段階に入る。…真っ赤っ赤になって戻って来そうで、テリブルテリブル…。だがそんな怖れはひとまず脇に退けておいて、すっかり解放された気分で、今日は西荻窪の遥か北の今川に流れ着く。テクテクと駅に戻りながら古本屋さんを…水曜日だから「モンガ堂」(2012/09/15参照)は定休日か。そう気付いたので『青梅街道』を通り越し、久々の「benchtime books」(2019/03/09参照)を訪れる。表には看板しか出ていないので、真鍮製のドアノブに手をかけ、店内に入り込む。古本は一階フロアと中二階フロアで、児童文学と絵本と美術と暮らしとカルチャーと古書が、しっかりと手を繋ぎ合って、強固で小さな宇宙を形成している。一階の旅本棚から、雄鶏社「ノンポリ世界をゆく 42ヵ国無銭旅行/広瀬勝裕」を550円で購入する。
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昭和44年刊の、一足早いバックパッカーの世界旅行記である。カバーイラストは、現在は絵本で大活躍中の柳生弦一郎。この表紙の雰囲気、何かに似ているなと考え、たどり着いたのが五木寛之の「青年は荒野をめざす」であった。思えばそのカバーも柳生弦一郎が手掛けていた。「ノンポリ世界をゆく」の序文は、五木寛之の転載書評が使われており、本文には、ストックホルムで『作詞家のぶ・ひろし』と名乗っていた五木寛之と出会う描写が登場する。「青年は荒野をめざす」の弟分といったところか。そして阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で空きの多い店頭棚を見つめる…何かが売れに売れたのか?と思いつつ、こちらも負けじと二冊を掴む。文藝春秋「東京の下町/吉村昭 繪・永田力」中央公論社「モダン都市東京/海野弘」を計220円で購入する。ところで「モダン都市東京」には『江戸川乱歩『D坂の殺人事件』』という論考も載っているのだが、その中に『団子坂の上の方に、この小説にでてくるのとそっくりな、二間半間口の、みすぼらしい古本屋が今でもある』と書かれており、そのお店の写真も添付されているのだ。昔の古本屋地図で調べてみると、千駄木5−4−3にあった「川崎書店」らしい。本が出版された昭和58年当時は現存していたが、昭和六十年代には足立区に移転したとのことである。団子坂上の古本屋さん…見てみたかった。『D坂の殺人事件』気分が味わえるとともに、乱歩が営業していた「三人書房」気分もダブルで味わえたはず…。
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2021年02月14日

2/14「流れ星の歌」を悶絶読書中。

本日は午後三時前にまたもや上連雀に流れ着いてしまったので、昨日とは趣向を変え、「古書上々堂」(2008/07/17参照)に赴く。店頭には絵本平台とビジュアル本平台と文庫ワゴンと百均単行本棚と三百均単行本棚が出ており、そのそれぞれに人が食らいついている。瀟洒なガラス戸を開き、手指を消毒して左壁棚の三百均単行本ゾーンに意識を集中する。文藝春秋社「乾いた空の流れ/笹沢佐保」を購入。昭和三十八年刊の中編推理小説集である。帯の惹句は『本格派No.1の傑作を蒐めた珠玉推理選』となっている。その後は駅に向かいがてら、ビル街裏町の「BOOKS三鷹」(2010/01/17参照)が健在なのを確認するが、何も買えずに退散する。一番食指が動いたのは、古い見たことのない藤澤桓夫の大阪小説集だったが、裸本で表紙が反り返っており値段が二千円だったので躊躇してしまったのである。そして疲れ果てていたので、駅北側に出て古本屋を巡ることはせず、ゼエハアと帰宅する。一息ついてから、昨日の地震で崩れた古本山の修復に着手する。幸いに壊れた本などは見当たらないので一安心。

西條八十「流れ星の歌」を、ウフウフと読み進めているのだが、予想通りに素っ頓狂で期待を裏切らない展開を見せてくれるので、悶絶している。埼玉県行田(『ここはたびの名産地でゆうめいな埼玉県の行田。市にはなっているが、さみしい町です』と説明が…)でにわとりを飼って暮らしていた少女が、その経営に失敗して生活に行き詰まり、すべてを売り払い、腹違いの姉を頼り単身上京する。ところがその田園調布に住み元映画女優の姉は、夫ともに今や宝石強盗犯の一味で、訪ねて来た妹を酷薄にあしらうのだが、その純真無垢さを利用して、盗んだ宝石の運び屋をさせるのであった。だが妹はすぐに警察に捕まってしまい、何故かひとりで罪を引っ被り少年院へ。そして刑期を終えた一年後、姉を頼らず就職しようと奮闘するのだが、前科者ということで、みな気味悪がり働き口は全く見つからない。そこに麻布にある魔法屋敷に住む、警察からもマークされている不思議な老人・丸角大八から『仕事をあげます』という手紙が届くのであった…そしてその仕事とは、『人の気持ちをいらいらさせる仕事』…あぁぁぁ、八十先生。どんな思考回路がスパークして、こんな変な物語を思いつき、それを子供に読ませようと思ったのですか。少女がひたすら奇怪なズンドコ世界に叩き込まれて行く、容赦ない物語展開は唯一無二!いったいこれからどうなってしまうんだろう。は、早く続きを読まなければ。
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自動で扉が開き、誰もいないのに声がする魔法の家で、魔法使いのような福禄寿のような皺だらけの老人・丸角大八と会う少女・美穂子。その第一印象は『まあ、なんて、いやらしい顔だろう』であった。
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2021年02月11日

2/11さらば『探偵小説狂想曲』!

今日は午後三時過ぎに上石神井に流れ着いてしまったので、冷たい風の中を西武新宿線に乗り込み、鷺ノ宮に帰還する。そのままさらに自宅に向かうが、古本と触れ合うためにいつの間にか自宅を通り過ぎ、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚を眺めている己に気付く。日本放送出版協会「NHK土曜ドラマ・シナリオ 山田太一シリーズ 男たちの旅路 第III部」(『シルバー・シート』『墓場の島』『別離』収録)北海社「サッポロ'76 5 サッポロビール100年記念号」の二冊を抜き取り、いつの間にか自動手指消毒器が導入されているのに感心しつつ消毒を施し、計220円で購入する。すると店主の天野氏が「探偵小説、今日市場に出しちゃいました」と申し訳なさそうに告白。ど、ど、ど、道理で中央通路の古い探偵小説が固まっていた『探偵小説狂想曲』ゾーンが、茶色と黒い背が一掃され、スッキリ見やすく比較的最近の本を並べていたわけだ。一瞬、誰か強者の物好きがまとめて購入したのか?と棚を見て想像してしまったが、そういうことだったか。まぁここ最近動きは見られなかったし、お店としては致し方ないことである。「市場に出す前にお知らせしようと思ったんですけど…」「いや、大丈夫ですよ。欲しいものはすでに買っていましたから」…と動揺を隠しつつ答えたものの、実はまだまだ気になる本は厳然と存在していた。「木乃伊の恋/香山滋」「鐵鎖殺人事件/浜尾四郎」「カルメンの死/横溝正史」などなど…あぁ、だが、たった二段の棚に振り回されまくった、楽しい楽しい、八ヶ月余であった。ご近所故の頻繁チェックで、多くの探偵小説を購入してしまった、興奮の日々であった。記念すべき初の購入本は大下宇陀児「どろんこ令嬢」、最後に買ったのも同じ大下の「火星美人」。ふと気付けば、この『探偵小説狂想曲』で一番買った作家は、大下宇陀児なのである。前述の二冊+「鐵の舌」「偽惡病患者」「くちなし鬼語」の計五冊。実はまだ「鐡の舌」しか読んでいない体たらくだが、棚に見出し購入した時の興奮を保ちつつ、一冊一冊読み進めることにしよう。次は…「火星美人」にするかな。
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2021年01月31日

1/31「ポラン書房」にはもう一度!

正午過ぎに新宿にて面倒くさい用事をチャッチャカこなし、そのまま新宿駅から池袋駅に移動し、西武池袋線に乗って大泉学園駅の、2/7(日)に実店舗を閉めてしまう「ポラン書房」(2009/05/08参照)の様子を見に行くことにする。だがその前に保谷まで足を延ばし、「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)で古本買い。角川書店飛鳥新書「鏡花隨筆/泉鏡花」河出書房新社「漫画文化の内幕/水野良太郎」汐文社「喫茶店のソクラテス/新時代工房制作」新泉社「アイヌモシリは滅びず/橋根直彦」を計440円で購入し、一駅引き返して「ポラン書房」にたどり着く。木の扉にはやはり貼紙が為されており、2/7に店頭販売を終了すること、今後はネット販売で営業を続けることなどが書かれている。そして実店舗閉店まで、一割引セールが開かれているのだった。
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鈴の音を鳴らしながら店内に入ると、お店との別れを惜しむお客さんが各通路に点在し、なかなかの盛況を見せている。すると私が入店して来たことで、そろそろ店内が密空間に成りかけているのを危惧したのか、店員さんが扉を開け放ち、風通しを良くしてくれた。冷たい風がピュウと舞い込むが、仕方のないことである。先客さんたちと上手く距離を取り合いながら、棚に目を通して行く。色々な場所が通常よりスッキリしており、その部分におススメ本が多数飾られているのが目に留まる。棚にも品出しが次々行われているようで、レア目な本がヒョイヒョイ惜しみなく並ぶのは、スコブル良い景色である。貝のようにジワジワ動きながら、お店での最後の買物をするつもりで、古本に熱視線を注いで行く。その結果、福音館書店 年少版こどものとも「かお/福田繁雄」リブロポート「一千一秒物語/文*稲垣足穂 たむらしげる*絵」(カバー破れ補修あり。を計845円で購入する。相変わらずファッショナブルな店主さんが、本をシュシュッと拭いてから、嬉しそうに渡してくれる…あぁ、後一週間の内、どうにかしてもう一度来るようにしよう。別れも惜しいし、欲しい本もまだまだ並んでるんだ。古本屋さんが三度の飯より好きな人間にとっては、これは完全な、急を要する外出なんだ…。帰り道、中村橋の「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄り、日本通運株式会社「欧米飛行紀行/福島敏行」を200円で購入すると、店主に「古ツアさん、「ポラン書房」のこと聞きました?」と話しかけられる。「今まさに行って来たところです」と答え、二人で「残念ですよねぇ」と声を合わせて実店舗の閉店を激しく惜しみまくる。
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2021年01月30日

1/30すっかりご無沙汰「中村書店」!

本日は午後三時前に用賀の南に流れ着いてしまったので、古本屋さんに閃くことなく、長々と見慣れぬ街を歩いて用賀駅にたどり着き、田園都市線に乗っておとなしく渋谷まで出る。かなり久しぶりの、緊急事態宣言下の若者の街は、いつの間にか谷底に巨大ビルが競うように屹立し、硬質ガラスが空を区分する、二十一世紀的空間に変貌を遂げていた。時代にすっかり遅れをとった、竜宮城から帰還した浦島太郎のような気分を無惨に味わい、宮益坂を上って行く。ヒイフウ坂を上がり切り、『青山通り』に出ると、すっかりご無沙汰していた営業中の、素晴らしい詩集古書が渦巻く「中村書店」(2008/07/24参照)の店頭ワゴンが目に飛び込んで来た。まずは下に置かれた百均単行本木箱に意識を集中し、講談社「書き下ろし長編本格推理小説『禿鷹城』の惨劇/高柳芳夫」(昭和49年初版帯付き。あぁ!ページの肩に入っている章タイトルで、最後の『エピローグ』が、最終ページだけ『ピエローグ』になってる!)を掴み出す。
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続いて百均文庫ワゴンに視線をスラスラ流すと、光文社文庫「冬のスフィンクス/飛鳥部勝則」をロックオンしたので、しっかり確保し店内へ。文庫棚に春陽文庫の三橋一夫や垂涎の瀟洒な山本文庫がしれっと並んでいるが、どれもしっかりとした値付が為されている。詩と文学のレア古書で眼の保養をしつつ、他に何か買えるものは…と店内をウロウロ。結果、東宝シナリオ選集(非売品)「他人の顔/原作+脚本・安部公房 監督・勅使河原宏」CBSソニー出版 artback「都会という名の船/奥村茂雄」「6人のガールフレンズ/萩原朔美・文 石田光於・絵」を選び出し、二冊の百均本と合わせ、計2190円で購入する。詩集には手を出さずに、「中村書店」にとって、はみ出しものの本たちを拾い集めたら、小粒ながらも満足行く買物となった。さぁ、サッサと坂を駆け下りて、家に帰ることにしよう。
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2021年01月26日

1/26「分類漁村語彙」!

午前のうちに東に向かい、連載の取材を秘密裏に行う。いやぁ、取材より何より、良い本を安値で買えたことが、ただただ気持ちよかった。ウキウキしながら午前のうちに家に帰り着き、昼食後に大阪へ補充発送する古本をまとめて、郵便局へ。よそ三十冊ほどの、探偵小説・珍しい本・下らない本・面白い本・必要のない本・懐かしい本・ブログに登場した本などである。明日には『梅田蔦屋書店』に到着し、古書コンシェルジュさんの奮闘商品化の後、棚に並び始めるはずなので、適当な頃合いを見計らい、感染拡大予防に努めながら、ひっそりと偵察してみてくだされば幸いです。荷物を発送後、高円寺方面へ足を向ける。途中『馬橋公園』脇にあった団地の跡地が、いつの間にか広大な『遊び場118番』という広場に変わっていて、度肝を抜かれる。そして「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。店頭棚に漁業や魚や海関連の本が多く出されている。ムムムと三冊抜き取り計300円で購入する。創元社「科学の泉9 鯨/松浦義雄」興亞日本社「海と科學隨記/寺尾新」(カバーナシ)民間傳承の會「分類漁村語彙/柳田國男・倉田一郎共著」。「分類漁村語彙」は、後に国書刊行会が出した復刻版ではなく、昭和十三年に岩波書店から発賣されたオリジナル版である。全国フィールドワークによって集められた、漁村や漁民や船や魚に関する言葉(『船靈』なんて項目も)を集めまくった驚異の書!ただ言葉の意味だけが書かれているのではなく、その言葉を使う土地についても言及があり、大体二〜三行の短文の中に、絶妙に物語が立ち上がるのが、また驚異!これは良い本を買わせていただきました。
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帰り際、2/2から始まる「第6回 調布の古本市」カードをいただく。そのまま『庚申通り』を南に下って「DORAMA高円寺庚申通り店」。左右社「〆切本」玄光社「ちょんまげ八百八日/ペリー荻野」(快著である)を計220円で購入する。さらにそのまま南に下ると、やがて『中通り』に行き当たる。おや、角地にあった洋食屋さんが火事になってしまっている。味のある建物の外観は残っているが、中は黒焦げなのだ。火事の恐ろしさに身を震わせながら『中通り』を西進して行くと、「コクテイル書房」(2016/04/10参照)の通りに面した木枠格子に貼紙がされている。コロナ拡大予防のために、当分お店を閉めるお知らせであった。
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最近不義理をして、とんと足を向けていなかったが、いざ休業となるとやはり寂しさが募ってしまう。ことあるごとに阿呆のように繰り返すことになるが、それでも、早くこのコロナ禍が収まり、平穏で健全な生活が戻って来るのを、感染拡大予防を地道に努めながら、祈らずにはいられない…。
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2021年01月24日

1/24商品券で古本を。

先日、阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で大物「蜘蛛男」&「真珠郎」を買った時に(2020/12/14参照)、商品券が当たる『杉並商店街応援キャンペーン第2弾』の応募ハガキというのをいただいた。当選人数が一等:一万本、二等:二万本と結構多く(総額は二億円だ)、尚且つハガキに切手を貼り付け応募する、実費の必要なものなので、もしかしたら応募者が少なめで当たるかもしれない。そんな胸算用でハガキを投函してみたら、なんと昨日『当選のお知らせ』封書が届いた。2等賞当選で、阿佐ヶ谷の十の商店会で使える五千円分の商品券『杉並商店街お買い物券』が同封されていた。当然応募ハガキを置いていたコンコ堂でも使えるのである。これは、ぜひともコンコ堂さんに恩返しせねば!商品券で古本を購わねば!と朝になり、お店が開く正午が過ぎるのを待ちわびて、雨が上がったのを幸いと、雪は降らなかった雨上がりの冷たい街に飛び出す。眼鏡を白く曇らせながらも、すぐさまお店にたどり着き、手指消毒して店内へ。向かったゾーンは、中央通路左側の、今は静かな探偵小説狂想曲棚である。そして最初から買うならこれにしようと決めていた、穂高書房「火星美人/大下宇陀児」を抜き出す。カバーは少し傷んでいるが、3680円の代物。探偵小説狂想曲初期から棚にあり、相場よりかなり安めなので早々に売れてしまうかと危惧していたが、これがず〜っと何故か居残ってくれていた。まぁそういう私自身も、色々目移りを続けまくり、最後の最後まで手を出さなかったのだが…。だがなにはともあれ、それが商品券のおかげで本日の落手となった次第である。今日も今日とて、探偵小説バンザイ!杉並区よ、コンコ堂よ、ありがとう!500円券七枚+180円でお支払いする。この時さらに、商店会の三角くじを引かされるが、残念ながらこちらはハズレであった。残りは一気に三枚の1500円分となってしまった。またコンコ堂で古本を買うか、全部お菓子でもドバッと買ってみるか…まぁ使用期限は2/28まであるんだ。使い道はゆっくりと考えることにしよう。
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2021年01月13日

1/13「浩仁堂」が店売りを辞めてしまった…。

午後三時前に武蔵境と田無の間にある向台という住宅街に流れ着く。どちらかというと田無よりなのだが、当然今日も古本屋さんに寄りたくて、武蔵境に進路を採る。ずんずん大通りを南に下り、『千川上水』と『玉川上水』の上を通過し、やがて「おへそ書房」(2019/07/28参照)に至る。店内の緩やかな時間の流れに身を浸しつつ、新潮文庫「ニューヨーク大散歩/久保田二郎」どうぶつ出版「松村クラゲくんの日常/チチ松村・文+下條ユリ・絵」を計550円で購入する。「松村クラゲくんの日常」は、家にある同じ著者による名クラゲ本「私はクラゲになりたい」とペアにしておこう。続いて「浩仁堂」(2011/02/15参照)に足を運ぶと、店頭ラックや箱棚が出ておらず、何だか様子がおかしい…扉に貼紙があるようだ。近づいて眺めてみると、何と店売りを終了し、今後はネット販売にスタンスを置く旨が書かれていた。ががががががが、が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!何てこった。「浩仁堂」が店売りを辞めてしまうなんて…今後はネットや催事でしか、出会う機会がないなんて…。およそ十年に渡り、安値で面白い本をたくさん買わせてもらったのに…嗚呼(特に絵本類。ただし一番の掘出し物は月曜書房「ある晴れた日に/加藤周一」を百円で(2018/02/20参照))。ただし時々、絵本の販売会があるようなので、折りを見て、訪れてみることにしよう。
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ショックを受けつつ、武蔵境駅から中央線に乗り込み、家路をたどる。だが、荻窪駅で途中下車してしまい、浩仁堂ショックを癒すために古本屋さんに立ち寄ることにする。「竹中書店」(2009/01/23参照)で現代思潮社「文学におけるマニエリスム2/G・ルネ・ホッケ 種村季弘訳」を200円で購入し、続いて「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、新潮社「ウインチェスターM70/大藪春彦」を880円で購入する。「ウインチェスターM70」は昭和三十六年の初版。中島靖侃のデザインがイカしている。ライフルのホワイトシルエットと赤く錆びまくった非常階段のカバーもいいが、それを剥がすと現れる表紙の、ドラム缶・運河縁り・アンティーク照明の写真が何とも味わい深いのである。
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2021年01月06日

1/6三鷹〜吉祥寺古本屋ルートは2021年も豊潤哉!

本日は三鷹の南の下連雀に流れ着いてしまったので、住宅街の遥か遠くまで見える直線道を北に抜け、長い跨線橋を渡って線路の北側に出て、ツラツラ「りんてん舎」(2019/03/30参照)へ。おぉ、営業を開始している。店頭箱で一冊掴み店内へ。さらに店内でも手指消毒してから気になる一冊を掴んで帳場へ。うぁっ!差し出した古本で、レジ横に二羽いたペンギン像を突き倒してしまった…す、すみません。福音館書店《こどものとも302号》「サラダでげんき 角野栄子さく・長信太え」紫書房「雲よ恋と共に-忍術女騒乱記-/宮本幹也」を計990円で購入する。「雲よ恋と共に」は昭和28年刊のちょい上等な仙花紙本。本のことがよくわからないので後で調べてみると、なんと日本初の女忍者が主人公になった小説らしい。
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お店を出たら続いて「水中書店」(2014/01/18参照)へ…だがまだお休み中で、八日から営業とのことであった。だが、まだまだ古本は買いたいので、吉祥寺までの伸すことにする。テクテク『井の頭通り』を歩いて、高架脇のすでに四日から営業開始していた「一日」(2017/08/11参照)へ。鉄扉を開けて手指消毒してから、ビニールカーテンを潜ってガレージへ。ちょこちょことそこらに新入荷本の気配がた漂っている。おっ、筑摩書房 ちくま少年図書館37「のんのんばあとオレ/水木しげる」があるじゃないか。1977年初版でカバー付きで110円。喜んで買わせていただきます!とレジへ。すると20%引きセール中(1/11まで)で88円に。ありがとうございます。
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なんだか調子が出て来たので、次の「バサラブックス」(2015/03/28参照)では出版芸術社「天狗岬殺人事件/山田風太郎」を300円で購入し、さらに先に進んで「古本センター」(2013/07/01参照)では朝日新聞社「挑み燃え拓く-TARO展 岡本太郎」を80円で購入する。最後に井の頭線高架を潜って「よみた屋」(2014/08/29参照)にたどり着く。ほぅ、久しぶりに「こどものとも」「たくさんのふしぎ」箱が出ているぞ、と店頭にしゃがみ込み、薄手の中綴じ本を一冊一冊繰って行く。すると、たむらしげるの絵本らしきものを発見。だがこりゃなんだ?2020年と去年の出版らしいが、出版元は滋賀県近江八幡のお菓子屋さんになっている…どうやらお店の広報誌「ラ コリーナ」というのが、丸々一冊絵本になっているようだ。これは嬉しい出会いである。たねやグループ「キャンドル パカポコ/たむらしげる」を330円で購入する。やはりこの三鷹〜吉祥寺古本屋ルートは、2021年も早速豊潤だなぁ。
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2021年01月04日

1/4仕事初めの古本屋さんを巡る。

本日は午後一時半に桜上水に流れ着いたので、京王線と井の頭線を乗り継ぎ、吉祥寺に出る。今日からいくつかの古本屋さんは仕事初めをしているはずだ…。早速駅南口脇の「古本センター」(2013/07/01参照)が営業中なのを確認。店頭処分品棚から双葉社「幻の傑作ミステリー 怪奇探偵小説集/鮎川哲也編」を見付け、80円で購入する。この新書ノベルス版は、花輪和一と渡辺東の挿画が各小説にベストマッチしているのが魅力である。続いて「よみた屋」に足を向けると、おぉ、こちらも開いている。今年もよろしくお願いいたします!と店頭棚に情念深く張り憑き、福音館書店「あたまをつかった小さなおばあさん/ホープ・ニューウェル作 松岡享子訳 山脇百合子画」を手にすると、訳者・松岡享子からの1978年当時の自宅新築案内が挟まっていたので、面白い!と思いつつ110円で購入する。
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さらにこんな変わり種の正方形栞も挟まっていた。裏面は今は亡き渋谷『東急文化会館(渋谷ヒカリエになってしまった…)』2階の『文化特選街&味の特選街』の広告である。

さて、安く古本も買ったし、帰るか…と総武線に乗っていると、荻窪駅ホームに滑り込む寸前に、車窓に営業中の「竹陽書房」(2008/08/23参照)の姿が流れて行った…ぬぅ。荻窪の古本屋さんはまだ軒並みお正月休み中なのに、なんというアグレッシブな営業姿勢!と感銘を受け、途中下車する。半ドアの扉をグイッと開けて、いつもと変わらぬ店内に滑り込む。桃源社「肉の影/クロソウスキー 小島俊明訳」新潮選書「冗談音楽の怪人・三木鶏郎/泉麻人」を計800円で購入する。どうか今年も意外な本を棚に並べて、時々喜ばせていただければ幸いです。
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2020年12月31日

12/31 2020年の古本納め。

午前中にお風呂場を力の限りに掃除し、大晦日なのに古本神・塩山芳明氏から仕事が届いたりして、仰け反りながら心地良い疲労を抱え込む。午後に古本を買い納めるぞ!と意気込んで外出し、まずは荻窪「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。店頭に普段より質の高い、買いでのある古本ばかりが並ぶ棚が一本出ていると思ったら、半額にある水色値札が貼付けられた、特別セール棚であった。均一じゃないのか。そりゃそうだよな、と思いつつも一冊セレクト。さらに均一棚から一冊掴み帳場へ。お店が出来てから五ヶ月で、お世話になりまくった感謝の念を込めまくり、リブロポート「ハリウッド・バビロンI/ケネス・アンガー著 海野弘・監修」角川書店「黒壁/水上勉」を計360円で購入する。来年も通い詰めますので、良き古本を安値でよろしくお願いいたします。続いて電車で西荻窪に移動し、年がら年中お世話になりまくっている「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に顔を出す。幻影城「日本探偵作家論/権田萬治」新読書社&プログレス出版〈ソビエトこどもの本シリーズ〉「いいてどんなこと?わるいってどんなこと?/マヤコフスキー作 キリロフ・ヴェ絵」を200円で購入すると、店主・小野氏は「今日ヒマだ〜スゴくヒマだ〜。大晦日ってこんなにヒマだったっけ?」と旗本退屈男のようにヒマを嘆いている。まぁいつも小野さんは、大晦日はコミケ出店で大忙しでしたからねぇ…。あまりにヒマ過ぎたのか、「何、今日は?また何か面白い本を安く売ってくれって来たの?」と向こうから嬉しい呼び水をドバリと注ぎ込んでくれた。これに便乗する手はないと「売って下さい売って下さい。喜んで買いますよ!」と受けて立つ。すると小野氏は、まるで良い暇つぶしが出来たかのようにバックヤードをゴソゴソし、様々な本を持ち出して来てくれた。ニヤニヤとそれらを吟味し、結果、あかね書房 少年少女世界推理文学全集NO.15「X線カメラのなぞ マルタの鷹/〈ガードナー〉〈ハメット〉」(箱ナシ)フレーベル館「トッパンの人形絵本しんでれら/構成・文 飯沢匡」「トッパンのカメラえほん せかいのおにんぎょう/文・まどみちお」トッパン「トッパンのお話えほん 六人のごうけつ」鈴木出版株式会社「チロリン村とクルミの木 よいこのゆうえんちの巻」舞台脚本「小林多喜二日記」を計千円で購入する。
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特に嬉しいのはこの二冊である。

するとすっかり満足したところに、「やぁやぁ」と陽気に北原尚彦氏が登場。しばらく氏が、お店が手ぐすね引いて用意していた小型本の束を前に懊悩するところを眺めたり(結局まとめ買いしていた…)、店頭に出ていた古雑誌「推理ストーリー」に長沼弘毅のホームズエッセイが掲載されているのを発見したりするのを眺め(二冊とも買った…)、楽しく過ごす。さらに次々と様々な人が現れ始め、お店は大忙しに。すっかり長居してしまったので、それを潮に、みなさんに年末の挨拶をして辞去する。その後高円寺に移動し、「都丸書店」の様子を偵察するが、閉店日の今日も開いてはおらず、ただ閉店案内の貼紙は消え、『謹賀新年』の縦長ポスターが『◯日から営業』の部分が横線で消された状態で貼り出されていた。何はともあれ、長年高円寺の顔として、ランドマークとして(高架ホームのすぐ脇にあった屋根の上の店名看板は、間違いなく高円寺のシンボルであった…)活躍して下さり、本当にありがとうございました。あっさりと寂しい別れをしてから、『庚申通り』を北上し、「DORAMA高円寺庚申通り店」に立ち寄る。秋書房「うみをあげるよ/やましたはるお さく●むらかみつとむ え」を110円で購入し、2020年の古本納めとする。今年は新型コロナのパンデミックのおかげで、大変な年になってしまいましたが、どうにかごまかし切り抜けて、大好きな古本屋さんと古本と戯れ、乗り切ることが出来ました。来年もどうにかして切り抜けて、野を越え山を越えウィルスを越えて、古本を買って暮らして行きたいと思いますので、引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。それではみなさま、どうかどうかどうかどうか、よいお年を!
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2020年12月30日

12/30石神井公園駅で三店ハシゴする。

何故もういつの間にか12月30日で、2020年が終わろうとしているのか…そう愕然としながら、日が沈みかけた石神井町に流れ着く。駅西側の、以前は踏切だった西武池袋線の高架を南側から潜り(うぉっ!保健所前の高架下にPCRセンターが出来ているではないか!)、暫く歩くと、黄昏時のアスファルト道に仄かな光を投げ掛ける「久保書店」(2009/05/08参照)の姿を発見する…失礼ながら、まだちゃんと営業しててくれてたんだ!街の小さな昔ながらの古本屋さんが、店内の半分は倉庫と化しつつも、営業してくれているのは、本当にありがたいことである!と喜びつつ、店頭の百均文庫をを一冊掴んで極狭通路の小さな店内に身体を滑り込ませる。各古本に丁寧に掛けられた手書きの書名&値段帯を手掛かりに、顔の至近に迫らざるを得ない棚を彷徨う。集英社文庫「ハサウェイ殺人事件/平岩弓枝」細川書店「現代日本文學選集 第六巻」を、身体を横にして奥までズズッと入り込み、計600円で精算していただく。そのままバックして通路を引き返し、表まで出る。
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続いて高架南側に出て「草思堂書店」(2008/07/28参照9へ。荒地出版社「エンジンが唸る時/ジム・クラーク編」(1968年当時の世界一流のレーサーやモータースポーツジャーナリストによるレース随筆集。本文は横書きである)を300円で購入する。それなりに満足しつつバスも通る商店街を駅方面に向かうと、突然強い北風が吹き荒れ始め、街を凍りつかせるほどに、気温が急降下し始める。ブルブル震えながら駅ロータリー近くの横丁に視線を投げると、おっ、「きさらぎ文庫」(2009/01/21参照)もちゃんと営業中ではないか。ニヤリとしながらツツツとお店に近づき、店頭壁棚から講談社「非・文化人類学入門/豊田有恒」を200円で購入する。おぉ、これで見事に石神井公園駅の古本屋さん三店を、ちゃんとハシゴ出来たことになるな。うむ、良い年末だ!と納得しつつ、ロータリーで震えながらバスを待ち、夜の阿佐ヶ谷に帰宅する。
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2020年12月28日

12/28年が静かに押し迫る。

年がいよいよ静かに押し迫って来た十二月最後の月曜日。外れた雨の天気予報にホッとしながら、上祖師谷に流れ着く。ブラブラ歩いて仙川方面に出て、「文紀堂書店」(2015/03/31参照)を訪れる。ここに来るのも今年はこれが最後だなと思いつつ、潮文社新書「漂泊の俳人 山頭火の手記/大山澄太編」警視庁総務部広報課「●都民のまもり けいしちょう'76」を計300円で購入する。「けいしちょう」は子供ものでもないのに、何故かタイトルが漢字からひらかれている、多方面に渡る警察活動の写真豊富な広報冊子。表紙の赤煉瓦『旧警視庁』は、やはりインパクト大。最後に面白いものが買えてよかった。
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その足で次は「石本書店」(2017/07/02参照)に突入し、ベースボール・マガジン社「雪男探険記/レーフ・イサード」ペヨトル工房「血のアラベスク 吸血鬼読本/須永朝彦」至光社「こどものせかい ぼくはなんでもつくっちゃう/北田卓史・絵 佐久間彪・文」「こどものせかい のみのうた/北田卓史・絵 藤田圭雄・文」「こどものせかい ぼくたちのせかい/柿本幸造・絵 佐久間彪・文」を計800円で購入する。「こどものせかい」が激安なのだとにかく嬉しい。まだ籠の中にたくさんあったので、目立っていた柿本幸造の『どんくまさん』シリーズも、いずれ買い集めたいところだ。二店とも、どうか来年もよろしくお願いいたします。そんな風に程よい満足感を抱えて阿佐ヶ谷に帰り着くと、当然「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の前で足を停める。窓には年末年始の営業予定が貼り出されている…12/29〜1/5までがお休みか…ということは今日が2020年の営業最終日!ならば、何かを買って、今年は大変にお世話になった(もちろん『探偵小説狂想曲』で探偵小説古本を買いまくったことである)お店にお礼を兼ねて、買い納めをしなければ…と店内にフラリと入り込む。そして選んだのは、秋田書店 世界怪奇スリラー全集3「世界のウルトラ怪事件/中岡俊哉」(1973年18版の、ただひたすらに、子供を恐がらせ、不安に陥れる、最低で最高な一冊。『地球はねらわれている』『世界の奇石・怪石』『人間蒸発』『恐怖の動物襲来』『襲いくる異次元人』『世界の怪人』などなど…いやぁ、ヒドい、素敵にヒドいなぁ…ウフフフ)で、1580円で購入する。店主・天野氏と年末の挨拶を交わすと、「今年は帰省しないんです。だからもしかしたら、早くお店を開けることもあるかもしれません」とのこと。わかりました。年始は毎日お店の前を通り、チェックいたします!と約束しておく。
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2020年12月27日

12/27「井草ワニ園」は年末年始も通常運転予定!

昨日はもはや西東京市の柳沢に夕方に流れ着いてしまうが、ここからなら何とか三鷹に徒歩でもたどり着けるだろうと信じて、テクテクテクテク歩き通し、どうにか「りんてん舎」(2019/03/30参照)に参上する。京都芸術大学「楽」編集室「楽叢書第三冊 表層は深層の皮膚」NTT出版「大阪モダン 通天閣と新世界/橋爪紳也」勉誠出版「ミステリーセレクション 罠の怪/志村有弘編」を計330円で購入するが、すでに体力ゲージが赤く点滅してしまっていたので、吉祥寺まで伸すのはあきらめて、おとなしく帰宅する。そして本日は井草の街に流れ着いてしまう。井荻駅北側の井草に丁目北部には、立派な教会があり、人影の皆無な静かな街に、彌撒の美しく厳粛で荘厳な賛美歌が響き渡っているのに、心をビシバシ打たれてしまう。…コロナウィルスが猛威を奮うこの瞬間に、まるで感染の終息を祈るかのような合唱……ついつい、東宝映画「ゴジラ」(1954年版)で女学生たちが祈り歌い、焦土に響き渡る『平和への祈り』のシーンのようではないか!などと妄想を逞しくしてしまう。そして賛美歌が終わると同時に、鐘楼の鐘が結構な大音量で、リンゴンリリンゴゴンと街中に長々と響き渡るのであった……すげぇな、井草二丁目。そしてここからなら上石神井の「井草ワニ園」(2019/01/05参照)に寄らぬ手はあるまいと、陽が既に傾き始め、青空にぽっかりと白い月が浮かぶ空の下をトボトボ歩き、無事にお店に到着。入口の左右に展開する100〜200円店頭本に食らいつき、まずは200円のニコンサロンブックス32「写真に帰れ 伊奈信男写真論集」を掴み取り、続いて絵本ゾーンに突入する。薄手の背を一冊一冊丁寧に追って行くと、古そうな絵本の背に『大石真』の文字を見つける。焦りながら引き出すと、小学館の創作童話シリーズ4「アーコのおみまい/大石真 安野光雅・画」であった。カバーナシだが、これは長年探していた絵本なのである!まさか、古本屋さんではないが、とても古本屋さんらしい「井草ワニ園」で出会えるとは!と大いに感動し、計300円で購入する。精算時に店主に「年末はいつまでですか?」と聞くと、「いや、もういつも通り開けてると思います」「えっ?じゃぁお正月は?」「そこも普通に開けてると思います」とのことであった。お正月に暇を持て余し、すぐにでも古本を買いたくなってしまった古本修羅は、ぜひとも感染対策を充分に施し、絵本の古本と「一角文庫」の古本が横溢するグラノーラ店「井草ワニ園」に向かうべきである!
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大石真×安野光雅、バンザ〜イ!
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2020年12月25日

12/25「都丸書店」閉店まで後六日。

暖かな日射しと冬の青空に誘われるようにして、午前十一時の荻窪へ。「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に一番乗りして、久々に時間をかけて各棚を念入りに見て回る。所々ジャンルが何となく固まりかけているゾーンが出現しているのを感じ取る。山岳・ミステリ・海外文学・コミック・風俗・音楽・宗教・詩集などなど。が、それでも完全ではなく、依然として挙げたジャンルの本が店内のあちこちに点在しているのも事実である。東京創元社「現代映画講座1製作・歴史篇 3シナリオ篇」思索社「鼻行類/ハラルト・シュテンプケ」ペヨトル工房「クラッシュ/J・G・バラード」を計880円で購入する。続いて「藍書店」(2018/12/24参照)へ。岩波写真文庫「東京都―新風土記―」ほるぷ出版「愛の薔薇伝説 サン・ジョルディ物語/舟崎克彦+宇野亜喜良」(これはちょっとした拾い物である)を計220円で購入する。一旦家に戻って昼食を摂り、午後も暖かな日射しと青空に誘われて高円寺へ。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で、クリスマスに相応しいサンタが表紙で中身もクリスマスネタが連続するチャイルド本社「チャイルドブック 第20巻第12号」と国書刊行会「日本幻想文学集成3 夢野久作 怪夢/堀切直人編」を計200円で購入する。お店を出て『庚申通り』をひたすら南に下って『中通り』に入り、年末での閉店を宣言した「都丸書店」(2019/04/04&2010/09/21参照)参照)の様子を見に行く。あぁ、やっぱりシャッターが下りっ放しだ…ここ最近開いているのを見ないのだが、果たしてこれから開くことはあるのだろうか?そんな風に心配しながら、シャッターに貼られた閉店のお知らせに注目する。
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高円寺で88年間営業して来たことへの感謝と、12月31日をもって閉店することが書かれている…とその時、隣りに立つスーツ姿の男性がフレンドリーに声を掛けて来た。「今日、開かないんですかね?」…あぁ、この方も閉店を知りお店を訪ねて来たのか…「いや、最近開いてるのを見ないんですよ」「そうですかぁ〜。これから開くことありますかねぇ?」「う〜ん、31日閉店ですからね。それまでに何度かは開くんじゃないでしょうか」「じゃぁもう一回来てみるか…実は閉店を知って遠くから来たんですよ」「何処からですか?」「横浜からです。年末までに、もう一度来てみることにします。ありがとうございました」と笑顔で彼は去って行った。閉店まで後六日…こちらもめげずにチャレンジしてみなければ…そう決心しつつ、横断歩道を渡って駅前を通過し、劇場『座・高円寺』で開催されている「本の楽市」(2010/07/18参照)に滑り込む。先ほどサンカクヤマにイベントのカードが置かれていたのに気付き、今日が最終日であるのを知ったのである。手指消毒してエントランスへ進む。段々、絵本と児童文学と映画と演劇に特化した古本市に変化して来ている。今回児童文学本が多いのが嬉しいなぁと感じつつ、手に取ったのはその児童文学。函ナシの理論社日本の創作童話「ちびっこカムのぼうけん/神沢利子」である。1961年の初版で、何と児童文学作家への献呈署名入りで、600円!この本に出会うために、今日俺はここに来たのだ!と確信して即座に購入する。
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2020年12月20日

12/20ちょっと久々の「りんてん舎」へ。

午後にゆっくり動き出し、スタスタ歩いて「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。真剣に棚とにらめっこしていると、入口方面から「こ〜や〜ま〜くん」と小学生の呼びかけのような声がかかる。屈んで棚の下の方を見ていた顔を上げると、マスク越しに微笑む岡崎武志氏の姿があった。「いやぁ〜、先日はありがとう。通路が一本空いただけで、仕事がはかどるはかどる…」と言いながら氏は、すでに三冊四冊と古本を手にして行く…また通路が埋まったら、再びお呼び下さいませ。そして他の通路も開通させて、より快適な書庫にいたしましょう!色々ちょこちょこお話ししつつも、目ざとく欲しい本を見つけて購入する。啓松堂「傳説と歴史/藤澤衛彦」を550円で。昭和八年刊の、世界と日本の伝説&伝承の論考集である。『怪異見世物譚』『生雛人形説話推移考』『蜘蛛伝説とアナンシ物語』『狐の嫁入考』などなど。氏に挨拶をしてお店を出る。面白い本に出会えたが、まだ何かもの足りぬ。そうだ、ここのところ少し足が遠退いている、三鷹の「りんてん舎」(2019/03/30参照)を見に行くことにしょう。中央線に乗って、休日運転のために西荻窪を石のように黙殺し(by・横光利一)、すぐに三鷹駅着。黄色い銀杏の葉が敷き詰めたように散らばる『三鷹通り』を北上し、これもたちまち「りんてん舎」着。店頭箱や棚を渡り歩くや否や、あっという間に五冊を手にしてしまう。ふぅふぅ、調子が良いな。そしてお客さんの多い店内に進み、いつの間にか動きまくり新鮮さ漂う棚を注視する。ふむ、三一書房「ドグラ・マグラの夢 覚醒する夢野久作/狩々博士」が二千円か…お買い得だ。そう言えばこの本、以前一箱猛者の「とみきち屋」さんが、どこかのブックオフで300円で抜いて来たのを見せられて、大変に羨ましかった思い出が…えぇぃ、買っちゃえ!と帳場に店頭本とともに突き出してしまう。あまとりあ社「名作鑑賞 風流艶色寄席/正岡容」東邦出版株式會社「結婚廣告/丸木砂土」誠信書房「箱庭療法/河合隼雄編」(カバーナシ)角川文庫「瓶詰の地獄/夢野久作」伊勢丹美術館「マッキントッシュとグラスゴー・スタイル展」を、「ドグラ・マグラの夢」とともに計2750円で購入する。ふぅ、やはりここは、店頭店内楽しめる良いお店ですなぁ。
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「ドグラマグラの夢」冒頭の序を読むと、新京極の玩具屋で「ドグラ・マグラ」のポケットブックと出会う話が載っていた。『それは店仕舞することもなく売れ残りの古本の上に土産物をつるし、人形を並べて玩具屋に変貌した新京極のもと古本屋なのである』…くぅ、そんな古本が店内遺跡化しているお店、訪れてみたかった!
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2020年12月16日

12/16小村雪岱装画の綺堂本。

夕方に吉祥寺の西北に流れ着いたので、駅方面に向かって行くと、やがて『中道通り』に出る。普段より少し人が少なめな感じがするが、やはりコロナ禍の影響だろうか。そんなちょっと寂し気な感じなのだが、通り沿いのお店が店頭にキャンドルをたくさん灯しており、幻想的な色味と暖かみが、行き交う人の心を和ませているかのようである。あっ!井の頭公園の入口近くにあった、店頭に山岳系古本箱を出している中古登山用品店「mounga」(2019/10/23参照)は、突然お店がもぬけの殻になったと思っていたら、こんなところに移転して来ていたのか。
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大体パルコ前から『中道通り』に入って、200mほどの場所だろうか。登山&山岳古本箱はしっかりと健在で、今は遭難記や登山ガイドブックなどを多く並べている。ひょんなことから、古本箱の無事を確認出来て、良かった良かった。そう思い何も買わずに、「古本センター」(2013/07/01参照)にたどり着き、店頭処分品棚に集中する。創藝社「赤裸の心・覚書/ボオドレエル」新生堂「ダンテ神曲画集/中山昌樹編」(函ナシ)を計330円で購入する。「ダンテ神曲画集」はギュスタヴ・ドレエの挿画百三十五枚を収録した昭和十七年第四版の大判本である。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)では、入口前の300〜500円棚から文藝春秋デラックス「宇宙SFの時代」を550円で購入する。だがいまいち物足りないので、総武線に乗り込んで荻窪駅下車。「竹中書店」(2009/01/23参照)に立ち寄ると、店頭木製二百均ワゴンに変化アリ!すぐさま春陽堂書店 綺堂讀物集「両國の秋」「ものがたり十八夜」の二冊を掴み出し、計四百円で購入する。共に昭和十四年刊の、小村雪岱装画(「ものがたり十八夜」は装幀も雪岱が担当している)の分厚い紙装本。うむ、これにて大満足!と見事憑き物を落とし、ようやく家に帰ることにする。
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2020年12月14日

12/14蘇る“探偵小説狂想曲”(最強)!

午後に溺れかけていた仕事の海から浮上し、息抜きにブラッと阿佐ヶ谷に出る。冬の晴れ間はいつの間にか姿を消し、いやらしい灰色の雲が空を覆い始め、天気予報にはなかった雨粒まで落ちて来る始末。まだお客は誰もいない「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に手指消毒して入店。お店に来る度に入念にチェックしてしまう、中央通路左側の古書探偵小説ゾーンに習慣として目を通す。もはや良い本がバンバン安値で並ぶ、狂喜の“探偵小説狂想曲”がフィナーレを迎え、ダブルアンコールさえも終えてから、ずいぶんと時間が経つ。いつしか棚並びは不動となり(それでも時々はポツリポツリと売れて行くようだ)、新鮮さは当然のごとく消え去ってしまった…だが、それでも油断は禁物である。いつ何時、確率は低いにしても、ひょんなことから新入荷があるかもしれないのだ。店主・天野氏も、探偵小説買取の束はほぼ出し切ったと言っていた…だが、この『ほぼ』が問題なのだ。これはまだ、その同じ買取の本が少しは残っていることを示唆している。なので、探偵小説が欲しければ、決して油断してはならぬのだ!辛抱強く、新たな探偵小説が並ぶ、その時を執念深く待つのだ!…などと常日頃から己に言い聞かせ、阿佐ヶ谷界隈をウロウロしているのである。今日もそんな単なる執念の日課の続きだったのだが、驚くべきことに、棚に変化が生じているのを感じ取ってしまう。うぉ、大正時代の春陽堂『綺堂讀物集』が四冊並んでいるじゃないか!三冊は裸本だが、一冊は函付きで、しかもそれも安い!おぉっ、その上の段の端には春秋社「Yの悲劇/バーナビイ・ロス」のテーブ補修アリの裸本が、これも激安で並んでいる!と続けざまに興奮する。だが、もっとスゴいのが、その段の右寄り真ん中辺に挿されていたのである!大日本雄瓣會講談社「評判小説 蜘蛛男/江戸川亂歩」(昭和五年刊)と六人社「眞珠郎/横溝正史」(昭和十二年刊)!!!!!!ともに函ナシ裸本で経年劣化の傷みはあるが、これは、これはスゴい!亂歩・大関級本&横溝・横綱級本の、夢の組み合わせだ!見た瞬間に『オレは、これを買わねばならない!』と確信した、憧れの分厚い本二冊なのである。だが、値段は…焦りながら手に取り、後見返しに鉛筆で書かれた数字を確認する…「眞珠郎」が5250円…「蜘蛛男」が5150円…………か、か、か、か、か、買うぞっ!ま、ま、ま、ま、まとめて、買うぞっ!そう即座に決心して、二冊の異なるクロス装の本を鷲掴んで帳場へ。計一万四百円で購入する…結果、「コンコ堂」での今までで一番高い買物になってしまった。だが、後悔はしていない。裸本とは言え、この二冊が手に入ることなんて、考えたこともなかったのだ。こんなに嬉しいことはない!よっしゃ、昔の話を、当時の本で時代の雰囲気に浸りながら、存分に楽しむぞ!そんな風に大興奮しながら、宝物の古本二冊を胸に抱えて、小走りに家路をたどる。
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