2022年11月28日

11/28家にあった本の函に収めてみる。

午後二時前に用賀に流れ着いたので、「月世界」(2013/10/24参照)の様子を見に行ってみる。だがお店はまだ、コロナ感染対策で、買取関連での入店しか出来ない状態が続いていた…残念である。田園都市線→JRと乗り継いで阿佐ヶ谷に戻り「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、シャッターがガッチリ下りて臨時休業中。明日は定休日なので二連休ということか。お店が開く水曜日が待ち遠しいな…。家に戻り、昨日手に入れた高城高署名本「墓標なき墓場」を、以前新保博久教授からいただいた同じ本の函に収めて遊んだり、大阪に補充古本箱(いつものように一週間ほどで、「梅田蔦屋書店」の古書棚に並ぶことでしょう。今回も出血大サービスの粒ぞろいですよ!西のみなさん!)を送り出したりした後、ブラブラと荻窪に向かう。
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「竹中書店」(2009/01/23参照でセゾン美術館「メランコリア-知の翼- アンゼルム・キーファー展」(扉にボールペンでの署名入り)を200円で購入し、続いて「藍書店」(2018/12/24参照)では光文社ジャストコミック「ななこSOS1・2/吾妻ひでお」を計220円で購入。そして最後に「古書ワルツ荻窪店」で、湯川弘文館「詩集 二十四時/岩佐東一郎」(カバーナシ)第一生命保険相互会社「生誕100年 村山知義[肖像画]展」を計660円で購入し、夜道をヒタヒタ歩いて帰宅する。
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2022年11月23日

11/23「水中」の定休日が水曜に。

十一月の冷たい雨に弄ばれ、三鷹の遥か北に流れ着いたので、駅に向かいながら道すがらの古本屋さんに立ち寄って行く。まずはかなり久しぶりの「藤子文庫」(2016/03/27参照)に、短めの白い暖簾を潜って格子戸を開けて入店。相変わらず本は少なめだが、相変わらず面白い並びの棚を楽しみつつ、日本放送出版協会「紙ヒコーキ」を200円で購入する。次はさらに南に下り「りんてん舎」(2019/03/30参照)の引戸を、真鍮の取っ手を掴んで開けて「こんにちは」。表で見付けた人文書院「十二神將變/塚本邦雄」とともに徳間書店平和新書「魔天忍法帖/山田風太郎」(『風太郎忍法新作長編怪・艶・奇・妖! 夏の夜のオトナの夢』とある帯付き)を計660円で購入する。雨はまだ降り続いているので、店主が気を利かせて本をポリ袋に入れてくれた。ありがとうございます。そして最後に「水中書店」(2014/01/18参照)に寄ると、ありゃりゃ、閉まってるぞ。臨時休業だろうか…と暗い店内をガラスの向こうに浮かべる入口ドアに近付いて見ると、そこには一枚の貼紙が…『2022年9月14日より、定休日が火曜日から水曜日に変更となります。…』し、知らなかった。この辺りで水曜が定休日の古本屋さんは、西荻窪「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)と高円寺「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)「大石書店」(2010/03/08参照)などが思い当たるが、「水中書店」が仲間入りするとは。これから火(「りんてん舎」は火曜定休)・水に三鷹に来る時に気をつけなくてはイカンな。
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2022年11月18日

11/18四年ぶりに「ペペ古本まつり」へ。

先日室内で行方不明になった古本仕上げ用道具袋が無事に発見された。いつも於いてある場所の下の、本の山とパソコン台の狭い隙間に落込んでいたのだ。どうやら先日の地震が原因らしい。使用した後、置きそうな場所を推理し、様々な場所を探したのだが結局見つからなかったので、ダメ元で見えない暗い隙間に手を伸ばしたところ、ビンゴ!となったのである。ふぅ、これで古本に値段がつけられる…。そして本日は午後に吉祥寺に赴くはずの用事が延期になったので、思いついて本川越駅前で22日まで開かれている「ペペ古本まつり」(2015/11/19参照)を見に行くことにする。実に四年ぶりの訪問である。鷺ノ宮駅からおよそ五十分の車中を、創元推理文庫「伯母殺人事件/リチャード・ハル(今中盤なのだが、頭の中に既知感が閃き、『ウルトラマン』第34話『空の贈物』を連想していたことに気づく)を読んで過ごす。やがて終点の本川越駅に到着し、駅前広場に出ると、青空の下に十三の古本テントがノンビリ長閑に並んでいる。ちょっと肌寒い風に晒されながら、ゆっくりと一巡する。ヱスビー食品株式会社「くいしんぼうのきょうりゅうグルメ/さく・宗方あゆむ え・あべともこ」駿南社「最新映畫監督法」(箱ナシ)を計750円で購入する。「くいしんぼうのきょうりゅうグルメ」は1984年出版のヱスビー食品のノベルティ絵本である。食いしん坊の恐竜に襲われたカレーの王子さまとお姫さまとくまさんが、カレー・シチュー・ハヤシライスを作って危機を脱出する、ヱスビー食品全開な物語。
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家に戻って以前入手した同じヱスビー食品の「日華洋風S&Bカレー料理全集」(1951年)と記念撮影。三十三年+三十八年の時を越え、ヱスビー食品の新旧ノベルティ本が出会った!

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「最新映畫監督法」は昭和二年刊の映画監督の歴史と役割とテクニックを紹介する一冊。口絵の『ファウスト』撮影中のF・W・ムルナウがキャーステキ!そして実はこの本はproject“S”の周辺資料なのである。役立ちそうな本が安く買えて良かった。
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2022年11月12日

11/12「杉野書店」の現況が壮絶だった。

昨日の夕方、阿佐ヶ谷駅駅頭にて、表紙デザインを担当した綺想社の新刊二冊を受け取る。「星は昏い/ピーター・チェイニー」(イギリスの探偵小説作家による、1943年刊の第二次大戦下に英国で繰り広げられる諜報戦非情群像劇である)「印度幻想奇譚集 小さな真鍮の神/B・M・クローカー」(キャサリン・タイナン「メアリー・キャシディの帰郷」に続く、愛蘭土女流作家幻想小説集第二弾。1890年代の作品集から印度が舞台の作品を十二編収録)。まったく相変わらずこんなレアな作品たち、何処から見つけてくるのだろうか…本日から「盛林堂書房」店頭&通販サイトや中野「まんだらけ海馬」や神保町「PASSAGE」で取扱が開始されているので、探偵諜報怪奇幻想の沼に胸までドプリと浸かりたい方々は、ぜひ!
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そして本日は午後三時過ぎに祐天寺に流れ着いたので、フラフラと「北上書房」(2009/02/21参照)を見に行ってみる…だが、お店はシャッターで鎧われており、『本日休業』の札が無情にも下がっていた…どうやら神保町の古書展に参加しているようだ。だがこのまま敗走するいわけにはいかぬので、中目黒方面までツラツラ歩き、『目黒銀座』の「杉野書店」(2009/06/25参照)を超絶久しぶりに見に行くことにしよう…果たして2022年現在、お店はどんなことになっているのか。お洒落な洋服屋や雑貨屋や飲食店が並ぶ商店街を北上して行くと、おぉ!店頭に二台のスーパーカブが並んだ古本屋さん頼もしくが営業中!しっかり現役で喜ばしいな!と感激しつつお店に近付くと、げぇぇっ…何だか店内が壮絶なことになっている。外からガラス戸越しに様子をうかがえる右側通路は、乱雑に結束本の山で埋め尽くされ、明らかに進入は不可能な状態である。
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左側通路もほぼ結束本乱雑山に支配されており、かろうじて中文書やアダルトや歴史本が並ぶ通路棚を見られるだけの状態である。こりゃまた溜め込んだものだ。幸いに店頭安売本の中から、ちくま文庫「超発明/真鍋博」を確保していたので、200円で購入し事無きを得る。あぁ、左側通路の文学棚には、もう対面出来そうにもないなぁ。
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2022年10月28日

10/28三年ぶりの「神田古本まつり」!

昨日は代田の住宅街に流れ着いたので、テクテク北西に歩き、途中自転車乗りのお爺さんに下北沢への行き方を教えたりしながら、東松原の「古書瀧堂」(2014/05/01参照)に到着。洋泉社MOOK「活字秘宝 この本は怪しい!!!」東京創元社 CRIME CLUB15「パリを見て死ね!/マーテン・カンバランド」(箱ナシ)を計610円で購入する。そして“古本屋三角蹴り”を敢行し、吉祥寺に出て「よみた屋」へ。復刻版の春陽堂「月刊文藝春秋 一月創刊號」を110円で購入する。これはproject“S”の資料となり得るので、誠に幸運な出会いであった。そして阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で、相変わらず自分の売った百均本が店頭棚に並ぶ摩訶不思議な店頭棚を眺め(それなりに売れているようで、ちょっと嬉しい)、弘文堂「啄木の生活と日記/金田一京助序・大原外光著」(カバーナシ)日本交通公社「旅の事典 郷土みやげと民芸品」を計220円で購入しようとすると、店主・天野氏から「大丈夫ですか?自分の本じゃないですよね?」とからかわれる(ちなみにそれだけはしないように本当に気をつけているのだ)。くそぅ、こうなったらもっと百均に相応しい本を持って来てやる!

そして本日は朝から楽しいデザイン仕事を一本こなし、午前九時過ぎに外出。新宿まではまだ混み合う中央線に乗り込み、御茶ノ水駅下車。『明大前通り』の坂を下り、三年ぶりに開催の「第62回神田古本まつり」に突入する。
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平日金曜日の午前中であるが、すでにワゴン前には多くの古本好きが張り付いている。だがまだ混雑はマックスではないので、『靖国通り』に並ぶお店の店頭とともに、車道側に連なる古本ワゴンを、人の肩越し背中越しに、時に順番を待ち、時に隙間を見付けて体を滑り込ませたりして、大量の古本をチェックして行く。くぅ〜、楽しいなぁ。特に茶色い古書が多いワゴンに激しく覚える、胸のトキメキ!何も見つからなくとも楽しいぞ!と充分に古本的に高揚する己を冷静に捉えつつ、やがて『書泉グランデ』前の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)ワゴン前に到着。二台分のワゴンは、古本神・古本修羅にガッチリと欲望のスクラムで二重三重に固められ、そこだけが異様に高密度な空間と化している。しかもあまり動きが見られないので、ワゴン最前列に張り付くには、明らかに長い時間が必要とされる。仕方ない、文庫が並ぶ平台を見るのは諦めて、木箱棚に集中しよう。そして一瞬の隙を突き、スクラムの隙間から懸命に手を伸ばし、気になる本を見事抜き出す。ゼェゼェ、これだけでだいぶ体力を使ってしまった…。日本公論社「變装の家/エラリイ・クヰーン作 井上英三譯」(カバーナシ。後見返しに「榊原書店」『阿佐ヶ谷駅南大通り』の古書店ラベルあり)を1500円で購入する。予想通り開始時から会計しっ放しの店主・小野氏を労い、次のワゴンへ流れて行く。「水平書館」(2014/05/23参照)の古書ばかりの景色は、やはり素敵素敵。改造社 新鋭文學叢書「反逆の呂律/武田麟太郎」が500円なんて!とウハウハ購入する。さらに『神保町交差点』を渡り、ビルの谷間の脇道に出店している「藤井書店」(2009/07/23参照)で、講談社 現代児童名作全集6「ハニーちゃんの名たんてい/ソーンダイク」を880円で購入し、天にも昇る気分に。ここまででおよそ一時間半を費やし、お昼が近づき会場も次第に混雑してきたので、午前のうちに帰ることにする。この楽しい楽しいおまつりは、11/3まで。きっと明日明後日は、物凄い人出になるのであろう。
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2022年10月26日

10/26「赤毛のレドメイン一家」から北海道の古本屋さんに思いを馳せる。

本日は午後二時過ぎに『下北沢一番街』の端っこに流れ着いたので、坂をゆるゆると下りながら古本屋さんを巡って行く。だが結局買ったのは「ほん吉」(2008/06/01参照)店頭で見つけた百十円本、小壺天書房「禁女の園/中川秀人」だけであった。巻末自社広の「流浪の瞳/宮野村子」「獵人/伊藤人誉」「秘境の女/香山滋」が目を惹きまくる!そして家に帰ると、ポストの中に『郵便物等ご不在等連絡票』が届いていた。これはもしやあれか!と急いで再配達を依頼し、仕事を片付けながら到着を待つ………午後七時前、玄関のチャイムが鳴り、郵便屋さんからレターパックを無事受け取る。案の定ヤフオク落札品であった。ライバルなしの500円で落とした、柳香書院 世界探偵名作全集1「赤毛のレドメイン一家/イードン・フィルボッツ作 井上良夫譯」(函ナシ)である。
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送り主は北海道・旭川の古本屋さん「古書の旭文堂書店」となっている。ちょっと光文社文庫「ミステリーファンのための古書店ガイド/野村宏平」を繙いてみると、公園の前にあるお店らしく『古書全般を扱う昔ながらの古本屋。本の量は多い』と書かれている…うぅ、行ってみたい。二千年代初めに、旭川は仕事で訪れているのだが(古い映画館を改装したイカしたライブハウスが仕事場であった)、その時はまだツアーを始めておらず、一軒も古本屋さんを回っていなかったのである。なんともったいない…。そう言えば北海道の古本屋さんと言えば、円山公園の「古本専門店らくだや」(2013/08/31参照)が、十二月で閉店すると言う情報をキャッチ。現在閉店セールを敢行中とのことである…うぅ、再訪したい。
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2022年10月14日

10/14「尾花屋」の通路が三本になっていた。

ここ数日ちまちま書き続けていた原稿をようやく仕上げ、午後に雨が上がったのを見極めてから外出する。阿佐ヶ谷で五月雨式に買物を済ませながら、そのままの足で荻窪へ。「竹中書店」(2009/01/23参照)でみすず書房「ボードレール詩集/粟津則雄訳」を200円で購入する。他にもお店を経巡るが何も買えなかったので、このまま帰ってはつまらないと中央線下りに乗って武蔵境に出て、さらに西武多摩川線に乗り換えて新小金井駅下車。「尾花屋」(2017/06/15参照)にウキウキと向かう。するといつの間にか、店頭棚では以前は店内左奥にあった200均文庫&新書が幅を利かせており、店内も縦に背中合わせの本棚が二列屹立し、古本屋さんとしての姿勢が、やる気満々になっていたのである。左端通路は壁棚が絵本・洋書絵本・児童文学・カルチャー・サブカル・コミック類を並べ、通路棚には岩波文庫がズラリ。中央通路は左に日本文学と外国文学、右に哲学や宗教などを揃えている。右端通路は、手前壁際に小さいが新たなスペースが生まれており、お洒落な雑貨や紙物を飾っている。通路棚は歴史と科学で、壁際に並ぶガラス本棚は以前と同じ貸し棚ゾーンになっている。また最奥の帳場横にも棚が出現し、言語や民俗を詰め込んでいる。おぉ、いつの間にこんな小さな知の迷路に!と感心しつつ、ちくま文庫「わが推理小説零年/山田風太郎」秋田漫画文庫「謀殺のチェスゲーム/山田正紀・田辺節雄」を計500円で購入する。
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うぅむ、六ヶ月ぶりに訪れたら、えらく様変わりしていたとは…。

その後は武蔵境に舞い戻り、駅北側の「おへそ書房」(2019/07/28参照)に立ち寄る。ブロンズ社「パロディって何なのさ。/マッド・アマノ」を百円で購入し、さらに勢い余って三鷹方面にトボトボ歩き、今日はこれが最後だと「りんてん舎」(2019/03/30参照)を楽しむ。ハヤカワポケミス「曲った蝶番/ディクスン・カー」(昭和30年初版)を百円で購入し、満足して帰宅する。すると家には昨日引き続き、献本が届いていた。立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター「大衆文化第二十七号」である。巻頭の論文『江戸川乱歩「お化人形」に描かれた神戸』が激しく面白そうだが、『江戸川乱歩ととコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』乱歩による翻訳と論文を中心に』なんてのも載っている。北原さん、案件ですよ!
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2022年10月02日

10/2『30%OFF閉店セール』だった。

コメントタレコミにより、新井薬師前駅前の古本屋さん「文林堂書店」(2008/08/04参照)が10/2に閉店することを知ったので、午後三時前に緩やかな弧を描き続ける、西武新宿線ホームに降り立つ。跨線橋を渡って南口に出て、早速目の前に屹立する、お店の入っている、古めかしく横長なマーケットビルを見上げる。くたびれて、やはりとてもいい味である。再開発後は、軽々しい新建材の駅ビルになってしまうのが、とても残念である。いっそのこと、現代の最新技術を駆使して、新建材でこれとまったく同じものを建ててくれないだろうか。建物にもしっかりと汚れを施し…だがそれじゃあテーマパークとか昭和の雰囲気を作り込んだ居酒屋みたいに、それもまた味気ないものになってしまうか…などとやくたいもないことを瞬時に考えながら、すぐにお店の前に到着。すでにすでに四〜五人の人が集まり、お店の最後の営業を見届けようとしている。あっ!正面ウィンドウに『10/2閉店につき30%OFF』の貼紙があるではないか。まさか閉店セールを行うとは。そして閉店貼紙のせいで、お店の名文句貼紙『本の無いところ 暴力が生まれる』が隠れてしまってるのが残念である。最後にあの言葉をじっくり味わいたかったのに…。店内では先客と場所を譲り合いながら品定め。おぉ、「銭形平次捕物帳」の漫画が六冊ほど並んでいるが、揃い(と言っても巻飛びのバラなのだが)で九千円…30%オフで六千三百円か…うぅむ。などと楽しみながら、結局宝石社「ヒッチコックマガジンVol.5 No.7」(終刊号)を520円で購入する。雑誌の表紙写真は、『ヒッチコックマガジン』の墓標を二人の女性が砂浜に建てようとしているところだが、なんだかお店での最後の買物に、相応しい本ではないだろうか。このお店に足繁く通ったのは去年から今年にかけてであったが、初期創元推理文庫や新潮文庫の推理小説の憧れの本を買うことが出来て、いつも幸福な夕暮れの途中下車古本屋探訪であった。どうもありがとうございました。
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購入した「ヒッチコックマガジン」終刊号の表3広告は、『カワサキオートバイ』&『メグロオートバイ』の広告なのだが、何とイラストを真鍋博、ショートショートを佐野洋が担当している。しかも驚くことに、男がカワサキ125-B8で自殺する話なのだ。今だったら、絶対に企業側のOKが出ない広告であろう。
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2022年09月29日

9/29ありがとうございました「竹陽書房」!

午後三時前に井荻に流れ着いたので、一気に南へと下りまくり、「古書西荻モンガ堂」さん(2012/09/15参照)からのコメントタレコミ、衝撃の荻窪「竹陽書房」(2008/08/23参照)の急遽閉店を確かめに行く。あぁ、店頭台には図録&大判本が百円でズラリ…明らかに在庫処分のカタチである。その中から一冊掴んで店内に進むと、目線の高さの棚のみに、文庫や大判本やアダルトコミックが百均で並び、上下の棚は見事にすっからかんである。何処にも“閉店”の言葉は書かれていないが、もはやこの状態を見れば、一目瞭然である。日本写真企画「この国の記憶 長野重一・写真の仕事」PAUL HAMLYN「CARS CARS CARS CARS/S.C.H.DAVIS」を200円で購入しつつ、「突然のこの状態は閉店されるんでしょうか?」と聞いてみると、奥さまが本を渡しながら立ち上がり「そうです。今月一杯で閉店します。今まで長い間、本当にありがとうございました」と言われたので、初めて常連客として認識されていたことを自覚する…いや、そりゃたくさん、このお店に買いに来てたもんなぁ…。「そうなんですか。おつかれさまでした」と返答すると、旦那さんと奥さま揃って深々と頭を下げられた。普段はレーザービームのように鋭かった旦那さんの視線が、この時ばかりは木漏れ日のように優しく柔和であった。荻窪の、車窓から見える古本屋さんが一店消えるのは、誠に寂しい限りである。
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「古書ワルツ荻窪店(2020/07/30参照)でカバーナシの朋文堂「アムンゼン探檢誌/ロアルト・アムンゼン」を440円で購入し、阿佐ケ谷に帰り着いて、バニラモナカを齧りながら「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)店頭棚を眺めていると、外出から戻って来た店主・天野氏に「こんにちは」と声をかけられる。平然としたフリをして「うぃっす」などと返答するが、実は己の行儀の悪さに大いに赤面してしまう。
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2022年09月27日

9/27閉店動向を確認しに行き漫画の「右門捕物帖」を。

野暮用で中野に出たついでに、『中野ブロードウェイ』四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)へ。通路の均一棚に意識を集中し、一番端っこにたくさんの福音館書店「こどものとも」が出されているのに出くわす。一冊ずつ丁寧に確認して行き、こどものとも169号「とこちゃんはどこ/松岡享子さく 加古里子え」を110円で購入する。主人公の糸の切れた凧の如き行動を取る赤い帽子を被ったとこちゃんを、市場・動物園・海水浴場・お祭り・デパートの群集の中から探し出す名作絵本である。そしてそのままブロードウェイから飛び出して、『早稲田通り』を越えて新井薬師前駅にスタスタ向かう。実は昨日『文林堂書店(2008/08/04参照)が駅前開発のために十月頭で閉店』とのコメントタレコミがあったので、気になって仕方がなかったのである。駅前に到着すると、幸いお店は営業中であった。だが店頭には何処にも閉店予定などは書かれておらず、どちらかと言うと、色々なオリジナルメッセージが増殖している様相である。しかしこのお店を含む雑居ビルは、昭和の薫り満点の古さを誇り、空間に良い味を沁み出させている。お店もこのビルも無くなってしまうのは、新井薬師前にとっては、大きな痛手だとしか思えない。そんなことを考えながら店内に進み、右壁棚の文学ゾーンをしげしげと眺めていると、おかしなものが混ざっているの即座に気付いてしまう。曙出版株式会社「右門捕物帖1・4/原作・佐々木味津三 画・渡辺広充」である。手にして見ると、2冊セットで8000円が3500円に値下げされている。カバーはないようだが、「右門捕物帖」の昭和32年のコミカライズ…貸本仕様じゃないし、これは買っておこう、と勢いで購入してしまう。購入時も店主から閉店の話などは全く出なかった。十月に入ったらお知らせするのであろうか。何はともあれ、棚にこんなおかしな動きが出ているのなら、また近々チェックしに来て、その動きを確認して行くことにしよう。
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2022年09月14日

9/14コンコ堂記念グッズをようやく入手。

昨日は正午から盛林堂・イレギュラーズとなり、ボスの小野氏がハンドルを捌くレンタカーのキャラバンに乗り込み、東京の北へ。仕事はミステリ単行本束六十本、文庫束二十本、その他に大量の競馬雑誌を荷台に積み込む力仕事である。とにかく競馬雑誌が、大量(何と四十年分…)!重い!滑る!の三拍子なので、辟易してしまう。だが午後三時半にはどうにか作業を終え、すぐさま「東京古書会館」(2010/03/10参照)へ直行。今度は積んだばかりの本束と雑誌をダカダカ下ろしまくる。するとそんな労働中の姿を「三楽書房」さん(2012/07/19参照)に発見され、「汗、流してますね!」と冷やかされる。すべてを終えた頃には、腕が早々に筋肉痛を訴えていた……。
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そして本日は午後六時半に用事をこなして阿佐ケ谷に戻って来る。よし、今日は「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で四千円分の古本を買い、開店十一周年記念グッズのハンカチをもらうぞ!そう決心して、店内にスルリと入り込む。狙って祝たのは、最近SF棚に出現した朝日ソノラマ ヤングシリーズ「友情SFヤング夕焼けの少年/加納一朗」である。初版がカバー付きで3300円ならお買い得と言えよう。これに新評社「大藪春彦の世界」を加えて計4350円。スッとレジに近付き、天野氏に「ようやく四千円分本を買いますよ!」と堂々宣言する。すると「夕焼けの少年」を見た天野氏が「あっ、これ。若干狙ってたんです」と狙い撃ち棚造りを告白。店頭でも店内でも狙い撃ちされるようになるとは、恥ずかしながらも嬉しい限りである。そして記念グッズのハンカチを無事に入手する。家に帰ってハンカチを楽しく眺めると、何とかなり本格的にコンコ堂が展開図でで再現されており、このハンカチをカラーコピーして、それを切り取り折り曲げ糊付すれば、ミニ・コンコ堂が完成するようになっているのである。うわぁ、スゴいけどめんどくさい!でもいつか、時間があったらチャレンジしてみよう。超絶不器用だけど……。
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2022年09月12日

9/12今週末から「古書西荻 モンガ堂」が10%引きセールを!

午後二時過ぎに『桃井はらっぱ公園』に流れ着いたので、炎天に晒された緑の大地を突っ切って『青梅街道』に出て、そのまま西に向かい「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)へ。おっ、入口横の棚上に新たな文庫棚が出現し、結構足の早そうな新しめの文庫が並んでいる。奥の帳場ではパソコンに夢中になっているモンガさんの姿…だがやがて当然気付かれ、田辺聖子好きの若い女性客の話や、山田稔を中心にたくさん本を買ってくれた渋いお客の話や、最近の古本屋売り上げ事情についてポツポツ言葉を交わす。そして何気なく手にするにしては大判過ぎる朝日ソノラマ「東宝特撮映画大鑑/竹内博編」を何気なく手にすると、「それ、二千円でいいですよ」と言われたので、即座に乗せられて購入してしまう(しまった!まだまだ『財布の紐を堅めに』期間だったのに…)。そしてなんと、今週末9/17(土)から9/30(金)まで、開店十周年を記念してモンガ堂初の10%引きセールを開催すると宣言される!うぉぉぉ、ついにモンガさんがセールを!これは本当に大決心の珍しいことなので、みなさん奮ってお店に駆け付け、棚に並びっ放しの良書をお買い上げ下されば幸いです。
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それにしても今日の収穫、デカくて重いな。うひゃぁ、巻頭折り込みグラビアが、実物大の『オキシジェン・デストロイヤー』とはっ!芹沢さぁーーーーんっ!

そろそろ書店に並んでいる「本の雑誌 カボチャ抜け出し号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、下北沢の「古書明日」で楽しくお買い物!昭和三十三年当時の『芸術は爆発だ!』以前の岡本太郎のきっちりとした楷書体の署名本を入手しておりますので、ずいぶんと面白かった特撮活劇『TAROMAN』を思い出しながらご覧いただければさらに幸いです。
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2022年09月08日

9/8雨対策の「江口書店」だった。

午後四時過ぎに馬事公苑近くに流れ着いたので、前の前に停まった東急バスに飛び乗り、久々に三宿の「江口書店」(2010/03/29参照)を見に行くことにする。『世田谷通り』を東にグングン進み、三軒茶屋でたくさんのお客を降ろした後に、『玉川通り』に入り、やがて『三宿交差点』に差し掛かる。車窓から交差点際のお店を探し求めると、ちゃんと電気が点いて営業しているのを確認。バスから降りてお店へ向かう。雨対策のためか、珍しく表に店頭台は出ておらず、左側通路に窮屈そうに収まっている、なので右側扉から店内に進む。おや、今日は珍しくすでに帳場に老婦人がおられるではないか。…それにしてもやっぱり、古めかしい空間に古書が雑に蔓延る雰囲気、これぞいぶし銀!と毎度のように感銘を受けつつ、常に動きのある古書をウキウキ漁りまくる。あまりにも漁り過ぎていたので、老婦人が「ちょっと二階に行ってますね」と声を掛けて来たのを潮に、また二階からお呼びするのは偲びないので、すぐさま精算してもらうことにする。潮文閣「南蛮稀聞帳/三島才二」編(函イタミ。昭和四年刊の、江戸時代から書き継がれて来た、“南蛮”関する当時最先端の物語的文献を蒐集した一冊)ダイヤモンド社「島を行く/山田松」SKIRA「KLEE」(出版年代不明の、クレーの作品のコロタイプ印刷六枚を収めたポートフォリオ)を計1200円で購入する。いや、古本心が遊んだ遊んだ。過ごした時間をそんな風に噛み締めながら阿佐ケ谷に戻り、「古書コンコ堂」前。あっ、桃源社 書下ろし推理長編「隠花植物/結城昌治」発見。先日の多岐川恭「変人島風物誌」に続き、二冊目の『書下ろし推理長編』シリーズが店頭に並んでいたことになる。有り難く110円で購入する。
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2022年08月19日

8/19端っこに「危險な毒花」!

あるホラー小説家作品の表紙デザインを、楽しく変化球で仕上げてから、午後一時半に外出し、東京の東で打ち合わせる…最近ほとんどメールでのやり取りで済ましているばかりなので、仕事先に出向いて対面で打ち合わせするのは、なんだかひどく久しぶりな気がする…。そんなことを思いつつ、熱く愉快に緩やかに一時間半話し込む。う〜む、何だか魂に気合いが入ったので、己のペースで頑張るぞ!と心中でおだを上げつつ、打ち合わせ先を辞去する。そして帰りには当然古本屋さんに立ち寄ろうと、まずは「御蔵前書房」(2008/11/08参照)へ。じわじわ店頭を見て行くと、地べたに置かれた文庫箱の隙間に、戦前の岩波文庫が何冊も挟まっている。尾崎紅葉「二人女房」を抜き出し、右側の身体半分をどうにか入れられる店内も真剣に精査する。背後の大きな金魚の泳ぐ水槽が、エアコンプレッサーにより、涼し気な水音をたてている…紙を扱う古本屋さんには不似合いなシチュエーションであるが、ま、こういうことがあるから古本屋さんは面白いのだ。そう感じつつ、足元に視線を落とす。背を上にしてハードカバーの本が並んでいる。それを左から右にずずいっと眺めて行くと、終点の横積み本が積み上がり始める端っこに「危險な」と書かれた黒い背の本が並んでいた。も、もしや?と慌てて横積み本を少し持ち上げつつ、必死に引き出してみると、ぐわわわわわわ!三笠書房「危險な毒花/常磐とよ子」であった。値段掛帯があったので、即座に値段は判明した。なんと二千五百円!買うよ、買うよ、買いますよ〜!良く見ると、元セロ&帯付きなので、古本心はたちまち有頂天に!素早く左側通路を奥の奥まで入り込み、計2660円で購入する。うぅ、「御蔵前書房」がどんどん好きになって行くぞ、俺は。「危險な毒花」は、普段着スカートに下駄履きの女性カメラマンが危険を顧みず『赤線地帯』に潜入し、秘かにシャッターを切りまくるルポルタージュである。ちょっと読み始めてみると、文章が滑らかで切れ味鋭く、獲物を狙うハンターの行動と心情が丁寧に書き込まれているのが素晴らしい。モノクログラビア64ページも、その文章に緊張感ある花を添えている。むぅ、こんなにも良い本だったのか。
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さらに浅草橋駅近くの「古書みつけ」(2021/11/04参照)にも立ち寄り、本の増えた店内(地面に置かれた木箱が増&フロア中央には貸し箱ゾーンが新たに出現)をしばし楽しみ、徳間文庫「偶然の殺意/中町信」を300円で購入する。帰りの車内では、興奮を抑え切れずに「危險な毒花」を熟読。帰り着いた阿佐ケ谷では夏期休暇を終えた「古書コンコ堂」に立ち寄り、新日本出版社「ブルースのこころ/淡谷のり子」を110円で購入し帰宅する。帰ってからはさらに「危險な毒花」の続きに夢中になる。
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2022年08月13日

8/13台風の日の貼紙。

関東に接近する小台風に翻弄されながら消耗して砧に流れ着いたので、さっさと下北沢に寄って帰ることにする。目指すはもちろん「ほん吉」で、雨仕様の店頭棚をビニールカーテン越しに気をつけて眺め、新潮社「世界の若者たち/大江健三郎」(大江健三郎と大藪春彦の“大×大”対談が載ってる!また後見返しに、名古屋・鶴舞にある「大学堂書店」(2008/06/15参照)の古い古書店ラベルあり)人物往来社「チョンマゲ大使海を行く/高橋邦太郎」(これはとある資料である)を手にして店内に進む。通路には、結束本の隙間に、いつもは店頭に出されている木箱が潜んでいる。そのひとつに、春陽堂の文藝雑誌「新小説」が何冊か入っているのを発見。めんどくさいけど、しゃがんで一冊ずつ目次を確認してみる。すると大正十五年の『六月一幕物號』に江戸川亂歩の短編『モノグラム』が載っていた!と小喜びして計440円で購入する。他愛ない秘密が二転三転する洒落た小咄。『モノグラム』は二つ以上の文字を合わせて作られる文様のことである。やっぱり大正時代の亂歩の切れ味は鋭いですな。
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これですっかり満足して阿佐ケ谷に帰り家路をたどっていると、おやおや「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)は台風のためにお休みで、「銀星舎」(2008/10/19参照)もシャッターが下りており、八月中は不定休のお知らせとともに、九月からは木金が定休日となるお知らせが。貼紙と言うのは、人に伝えるメッセージだ。その人はその場にいないのに、伝えたいことが誰かに伝わると言うのは、改めて考えてみれば、不思議な面白いことである。コンコ堂は今日はお休み、銀星舎は八月は不定休、と覚えて家に帰り着く。
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2022年08月11日

8/11セツ・モードセミナー!

昨日は四谷の舟町という細長い街に流れ着いたのだが、その北の先端の恐ろしく急な坂道の途中に、ファッション・イラストレーター長沢節が創設した美術学校『セツ・モードセミナー』を発見する。五年ほど前に閉校したはずだが、建物はまだしっかりと残っているんだ。坂道は『セツ・モードセミナー』の前から階段となり、白い建物とともに夏の青空を鮮やかに切り取っている(まるで“舟町”という町名が体現するように、その船の舳先にあるような感覚)。
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しばらく、自由なアートとデザインの残り香を感じ取った気になり、陶然とする。そして足に力を漲らせて階段を上がり切り、四谷駅へ。街に響き渡る、聖イグナチオ教会の荘厳な鐘の音に送られながら中央線に乗り込み、御茶ノ水へ。先週の神保町パトロールで買いそびれていたある本を買おうと思っての行動なのだが、うわ、目的のお店がお休みだ。さらに街を歩くと、幾つかのお店もいわゆるお盆休みに突入しており、大抵14日(日)までの臨時休業となっている。というわけで、ショボンと肩を落とし、何も買わずに神保町から敗走する…。そして本日は午後二時前に笹塚に流れ着いたので、『青梅街道』に出て関東バスに乗り込み、新高円寺で下車してJR高円寺駅方面に向かう。高架下で地下商店街の一部がすっかり消え去り工事中なのに度肝を抜かれつつ、『庚申通り』を北へ向かう。「ドラマ高円寺庚申通り店」で早川書房「ビーチ・ボーイズ リアル・ストーリー上/スティーヴン・ゲインズ」を88円で購入…下巻もないかと二台のワゴンを血眼で探すが見つからず…何処かで下巻を手に入れなければ。その先の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)ではコロムビア映画「名探偵登場」ダゲレオ出版「ストリート・オブ・クロコダイル」RAINDROP PRODUCTION「THE ROLLING STONES AMERICAN TOUR'81」を計300円で購入する。ストーンズの40年前のツアーパンフが嬉しい。本文のデザインは時代に合わせてMTV風である。
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そして最近やきもきしていた『不確実なプロジェクト』が見事承認され『確実なプロジェクト』となる。予想だにしていなかった、身に余る光栄である。恐らく人生で初めて体験するお仕事になると思うので、力不足ではあるが誠心誠意務める所存である。詳細はまだお知らせ出来ないのだが、年末辺りに情報公開出来れば順調に進行した証となろう。と、と、と、とにかく頑張ります!
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2022年08月07日

8/7池の中に本棚が!

進んでいるんだか進んでいないんだかわからずに、やきもきしている不確定なプロジェクトであるが、さりとてノンビリしているわけにはいかず、もしかしたら“瓢箪から駒”なんてことがあり得るかもしれないので、その駒の出現に備えて資料本などを読み込み勉強しておくことにする。だがその前に…と読みかけの山田風太郎「厨子家の悪霊」を片付けて、スッキリしてから取りかかることにする。いやぁ、中編推理小説なのだが、詰め込み方が尋常じゃなく、怒濤の後半三分の一は、虚像ばかりに惑わされる推理のミラーハウスに叩き込まれた気分である…山田風太郎、トリックのアイデアに惜しみなさ過ぎなのがコワい。このネタを上手く使って、他に二〜三作書けるような気がするが、それをしないのが風太郎の素晴らしいところであろう。では続いて『誰も私を愛さない』を…いや、イカンイカン。勉強勉強。そして午後に勉強に飽きて、昨日近くにいたのにすっ飛ばしてしまった荻窪の古本屋さんを見に行くことにする。まずは「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)。店頭には新たに220均棚が出現している。確かに110均よりちょっと質の良い並び…淡交新社「カメラ紀行 出雲の神話 神々のふるさと/文上田正昭」は、植田正治が写真を担当してるんだ。“カメラ紀行”とあるからには、中には植田の撮った出雲の写真がふんだんに収められている。これは買っておこう、と手にして店内へ。中では、新書サイズ本棚から素敵な一冊を発見。旺文社 螢雪新書「ユーモア小説 青春応援歌/作・宮崎博史」である。昭和四十八年四月の『螢雪時代』第三付録。この螢雪新書、小松左京の「やぶれかぶれ青春記」や山田風太郎の「青春探偵団」も出している好付録である。表紙絵&挿絵が若菜珪なのも嬉しい!と計440円で購入する。
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次は「竹中書店」(2009/01/23参照)店頭にて、しばし立往生。右側の百均コミックワゴンに、弓月光の「ボクの初体験」全三巻と「エリート狂走曲」1〜3巻が並んでいたので、懐かしさのあまり勢いで買ってしまいそうになるが、懐かしむだけなら必要ないだろ…読み返したいなぁ…などの気持ちが浮き上がったり沈んだりを、愚かにも繰り返してしまったのである。結局今は買わなくてもいいだろうと決断し、ワゴン前を離れる。そして地下道を経由して「古書かいた」(2022/07/07参照)へ。おぉっ、店内ウィンドウ下の元・池の中にいつの間にか本棚が屹立しており、足元の池の中にまだある雑誌類と合わせ、110円均一となっている。そして店内の棚がかなり埋まり、奥にも新たな壁棚やフロア棚が出現し、そこにしっかり本も並び始めている。フムフムと頼もしく思いながら眺め、帯付きの毎日新聞社「風の証言/鮎川哲也」を330円で購入する。
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2022年08月02日

8/2お帰りなさい、盛林堂!

熱波に脅かされて頭の回転が鈍らないうちに、朝から必死に原稿書き。容赦なく急上昇する気温に負けぬよう、キーボードを打ち続ける。そんな必死さが幸いしたのか、午前十時には形になったので、しばらくバタンキュ〜とひっくり返る。その後、ダラダラと色々こなしたりサボったりして昼間を乗り切り、夕方になって外出する。まだまだ、ヒドい暑さである。西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に駆け付け、新型コロナ罹患から全快した店主・小野氏を労いつつ、デザインを担当した新刊を受け取る手筈なのである。その前におよそ十日ぶりに営業復帰した店頭を楽しむことにする。長らく来られなかったんで、まったくもって寂しかったよ…おっ、工作舎「死と埋葬のフォークロア ヴァンパイアと屍体/ポール・バーバー」なんて良書が出てるじゃないか。信じられん…線引き本…ではないな。ちゃんとした本だ。と講談社「手塚治虫 漫画の奥義/聞き手・石子順」とともに抱えて店内へ。計二百円で購入しつつ、小野氏に「お帰りなさい」と伝える。件の新刊は、盛林堂ミステリアス文庫「モナ・シーフィの物語/ダンセイニ卿」である。ペガーナコレクション第二期の一冊目となる、妖精族女王(と噂される少女)の大都会ロンドンでの幻想的成長物語である。フフフフ、なかなかプリティーな感じに仕上がっている。表紙をめくってもプリティーさは継続するので、ぜひお手に取ってお確かめください。初売りはコミケにて。その後8/20辺りから店頭&通販販売が始まる模様。とそれとは別にもう一冊受け取った新刊がある。こちらも盛林堂ミステリアス文庫「アダルトライトノベル書影集1 ナポレオン文庫書影集/片理片那」である(ちなみにこちらは別の方のデザイン)。フランス書院のアダルトライトノベルレーベルとして1993〜1998年に出版されたナポレオン文庫の書影集である。こういう時代の後に流れ落ちたものをまとめる在野の研究家は、本当に偉いと思う。それにしても盛林堂さん、攻めてるね。
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2022年07月11日

7/11荻窪の北と南をハシゴする!

午後一時過ぎに経堂と桜上水の中間に流れ着くが、すでに暑さのために思考停止気味なので、とりあえず吉祥寺に出て「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。ツル・コミック社「スヌーピーのずっこけ英会話学校/校長・谷川俊太郎」金園社「写真で見る東京の庭 江戸時代から現代まで/西田富三郎」を計220円で購入し、続いて荻窪に移動する。「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、学研「すがやみつる改訂版マンガMS-DOS入門」主婦と生活社 21世紀ブックス「都市ゲリラ/小山内宏」を計220円で購入し、お店を出たら地下道で線路下を潜って北側へ。
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フフフフ、先日開店したばかりの「古書かいた」(2022/07/07参照)を活用し、北と南の古本屋さんをハシゴするのだ!これがやりたかったのだ!そう興奮しながら『青梅街道』を渡ってお店前に到着。今日は店頭映画パンフ木箱に、古めのパンフが混ざっているのを見つけたので、しゃがみ込んで丁寧に繰ってみる。結果、パラマウント映画『ブルー・ハワイ』(プレスリーの能天気バカ映画)東宝東和『レベッカ』(ヒッチコック監督作品、昭和42年辺りのリバイバル上映のパンフか)を計220円で購入する。ふぅむ、荻窪の北側に古本屋を目指して足を延ばせるようになったのは、痛快である。
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そしてヒィハァ家に帰り着くと、筑摩書房さんから、ちくま文庫新刊の「平成古書奇談/横田順彌 日下三蔵編」が届いていた。ありがとうございます!小学館「文芸ポスト」に連載されていた、小説家志望のフリーライターを狂言回しに、学芸大学の小さな古本屋「野沢書店」を舞台にした、連作古本ミステリ小説を初書籍化した一冊である。これは、紀田順一郎「古本屋探偵の事件簿」や野呂邦暢「愛についてのデッサン」や梶山季之「せどり男爵数綺譚」に連なる良質な道の続き、となるであろう。大事に拝読させていただきます。
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※そろそろ書店に並んでいる「本の雑誌 ビー玉うちわ号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、南砂町の「たなべ書店」を突撃取材。東京の「万歩書店」とも言えるこのお店の雑多な古書棚が、大好きなんです!というわけで今月もこの愚かなる古本屋好きの文章を、何とぞよろしくお願いいたします。
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2022年06月24日

6/24サヨナラ「古書サンエー」。

昨日の疲れを存分に体内に残留させながら、午後に外出。中央線→山手線と乗り継ぎ、渋谷駅で下車する。西側の南口に出たいのだが、駅構内の構造がすっかり改造されており、何処を歩いているのかわからぬままに進むと、新しくなりつつある西口ロータリーに吐き出された。もうすでに私の知っている渋谷はなくなりつつあるのだな。そんなことを思いながら横断歩道を渡り、新しいピカピカの『渋谷中央街』のゲートを潜る。道幅が拡張された部分を通り過ぎ、奥に入り込んで行くと、知っている渋谷がようやく顔を出してくれた。そしてその一角に、6/30で閉店してしまう「古書サンエー」(2008/07/24参照)も、普通に、いつものように、何事もなく、存在していた。だがガラスドアやウィンドウには『1階店舗閉店のお知らせ』や、立看板には『6月30日に閉店します 残り6日 75年間ありがとうございました』などと書かれている。ここは昔は、地下一階・一階・二階にすべて「古書サンエー」が入った、「渋谷古書センター」であった。私が一番良く知っているのは、二階が「Flying Books」(2008/07/24参照)となり、本の迷路のような地下一階と一階の状態になっていた古書センターである。坂の上にあるライブハウスに行く前に、良く立ち寄ったのを覚えている。今や渋谷で一番大衆的と言うか、オールマイティなお店だったので、実店舗を閉店してしまうのは、渋谷にとって大きな痛手となるであろう。店頭棚をしっかり見てから、左の階段室より店内に入り込む。すると帳場では、ひとりのお客さんがお店の人に熱心に話しかけている。「ここでは、良く店頭で、諦めていた本を見つけて、買わせてもらいました。岩波新書の黄色です。神保町でも見つからなかったのが、ここに来るとあったりしたんですよ。amazonとか確かに便利だけど、お店で探していた本に出会ったほどの感動は、ないからねえ」「有り難うございます。古本屋で一番面白いのは、実は店頭なんですよ。ほら、有名な岡崎武志さんも、そう言ってますよ」などとやり取りしている。なんとも麗しいお店とお客さんの光景である。そんな会話の余韻に浸りながら、店内を一周。このお店での最後の買物として、フレーベル館「キンダーブック しんだいれっしゃでしゅっぱつ/え・小沢良吉 ぶん・稗田幸子」を550円で購入する。仁木悦子も好きだった、猫絵が得意な小沢良吉の、動物たちが寝台列車で旅する絵本である。表に出てビルを見上げると、幅の狭い「渋谷古書センター」のテント看板が、傷みながらもまだ残っていた。
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これで渋谷には、二階の「Flying Books」と、宇田川町の地下にグングン下って古本を探す「まんだらけ渋谷店」(2011/04/08参照)と、宮益坂をグングン上がって到達する「中村書店」(2008/07/24参照)の三つが、かろうじて古本屋さんとして残ることになるわけだ。というわけでちょっと距離はあるが巡り倒して行こうと、まずは「まんだらけ渋谷店」に赴き、階段途中の特価本棚から、早川書房 日本ミステリーシリーズ6「翳ある墓標/鮎川哲也」(初版函付き)を見付けて110円で購入する。そして「中村書店」はようやくゼイハアたどり着くと、残念ながらのシャッターアウト…またの機会に改めます。
posted by tokusan at 17:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする