2018年09月22日

9/22昨日も今日も古本を買っていました。

昨日は千歳烏山に流れ着いたのだが、北口に出て「イカシェ天国」(2008/09/23参照)に足を向けることなく、下り電車に乗って隣駅の仙川まで出る。そしていそいそ「文紀堂書店」(2015/03/31参照)に向かうと、店内入口前に百均文庫棚が収納された雨仕様である。ここは日除けのテントがだいぶ大きく張り出しているのだが、それでも念入りに店頭棚の下部や脇がビニールで覆われている。店内に入ると女の子の先客がいたので、狭い通路でバッティングせぬよう、気配を察知して棚を見て行く。中央通路左側の棚は、以前は文庫がビッシリ収まっていたのに、今は文庫面陳の余裕棚に変貌を遂げている。入口左横の棚上に、こうの史代の名作漫画「夕凪の街 桜の国」が飾られているのだが、それをそっと退かすと、文庫サイズの古書が六冊ほど隠れるように並んでいるではないか。むっ、日本小説文庫「一寸法師/江戸川乱歩」があるが、三千円か…ぬっ、乱歩訳の「妖犬」もあるじゃないか。千円か…よし、これにしよう。というわけで平凡社「妖犬/コナン・ドイル作 江戸川乱歩譯」(昭和廿一年の第二刷。初刷は昭和五年なので、十六年ぶりの再版と言うわけである。ちなみに“ワトソン”は“ウオトスン”と訳されている)旺文社文庫「ボロ家の春秋 他五篇/梅崎春生」河出文庫「詐欺師ミステリー傑作選/小鷹信光編」を計1200円で購入する。家に戻ると、ある取材のお願いメールが届いている。以前も話があり、その時はある事情を包み隠さずお伝えすると、サラッと流れてしまったのだが、今回はその事情も丸々受け止めると言う…う〜ん、どうしたもんかなぁ…相当アナーキーなことになると思うけどなぁ…。
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このように店内に百均文庫棚が引き込まれております。

そして本日は砧に流れ着いたので、祖師ケ谷大蔵駅の北側までズンズン出張って、道すがらの「ドラマ祖師ケ谷part2店」で、中公文庫「本郷菊富士ホテル/近藤富枝」ちくま文庫「たましいの場所/早川義夫」を計216円で購入し、無事に「祖師谷書房」(2009/03/05参照)に到着。今日はサッシ戸が二つとも開けっ放しである。いつものように狭い通路に身を滑り込ませ、丁寧に棚を観察して行く…するとやった!良いものを引き当てたぞ!誠文堂「増刊 廣告界 廣告漫画集」である。昭和九年刊の、東京朝日新聞が懸賞付きで募集した、ヘチマコロン・カルピス・メヌマポマード・ウテナクリーム・モダンシャンプー・仁丹・クラブ歯磨・明治キャラメル・森永チョコレート・月桂冠・キッコーマン醤油などなどなどの、広告漫画を集めた図案集である。これが破格の1500円!う〜む、素晴らしい。他に新潮社「棒になった男/安部公房」小沢書店「箱舟時代/長田弘」とともに帳場に出し出すと、合計金額から200円のサービスとなり、計2500円で購入する。オヤジさん、ありがとうございます!
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2018年09月04日

9/4当店のベストスリー

台風が関東に猛威を奮い出す前に、どうにか豪徳寺に流れ着く。ならば「靖文堂書店」だなと心を決め、ちゃんとサッシドアを開けたお店に飛び込む。入口横の児童文学棚を腰を屈めて見ていると、チャイルド社おはなしチャイルド第31号「がんばれねずみたち/作・山元護久 絵・高橋透」を見つける。作者はテレビ人形劇「ネコジャラ市の11人」(2017/09/16参照)や犯罪アクション童話「ピストルをかまえろ」(2017/10/22参照)を手掛けた人物である。これも恐らく奇天烈な物語なのだろうと頁を開くと、案の定ギャングの悪だくみを聞いたネズミが、あらゆる乗物に乗り込んで逃げると、ギャングたちがあらゆる乗物で追いかけて来ると言う、スピードアクション絵本であった。もちろん買うことにする。他に集英社コバルト文庫「ふしぎBOOK/グループMUSS編」講談社「衆妙の門/金子光晴」人文書院「物の見えたる/安東次男」を選び、計500円で購入する。

この「靖文堂書店」のサッシ扉には、「五反田遊古会」のポスターや営業時間などが貼り出されているのだが、その中になんだか見慣れぬ一枚を発見する。タイトルは『当店のベストスリー』とあり、●レコード・LP1枚100エン●洋書 オール1冊100エン●書道関係となっており、最後に■店の三分の一は文庫中心とあるのだ。…これは、何のベストスリーであろうか?売り上げなのか、得意分野のベストスリーなのか?…まぁ値段が書かれているのと、最後に文庫について書かれているので、“お店の売り”ベストスリーなんだろうなぁ。ウフフフフ、何だかアサッテの方向を狙っているようなアピールが、愉快ではないか。
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2018年09月02日

9/2取材にて久々の益子へ。

今日は例の岡崎武志氏との古本屋旅本の取材にて、単独で遥々栃木県の益子へ。生憎の空模様であったが、大好きでたまらない久々の「内町工場」(2011/07/24参照)で、期待していた通り楽しい珍しい古本を買いまくれたのが、えも言われぬ快感であった。四年ぶりに訪れたというのに、店主がちゃんと覚えてくれていて感激する。古道具と古本が美しくせめぎ合う、内町工場バンザイ!このお店は益子の宝です!例えば欲しかった1937年刊の河出書房「モーパッサン短篇全集3 怪奇小説集 娼婦小説集」が100円何て言うのは序の口。店奥の古書棚が、目をつぶれば、鮮明に目蓋の裏に浮かんで来る始末である。他にも上物児童文学など買っているのだが、これは本書のお楽しみということで(今さらながら思う。あれもこれも奮発して買ってくれば良かったと…)。と言うわけでこの緩めな小旅行についても、明日、早速原稿を書いてしまおう。鉄は、熱いうちに打てっ!
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写真は益子駅の大壺前にて、「モーパッサン短篇全集」の扉を開くの図。
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2018年08月29日

8/29店猫・コト

連載の取材のため早稲田古本屋街に向かう。道すがらの阿佐ヶ谷では、現在「銀星舎」(2008/10/19参照)が8/31まで臨時休業の真っ最中で、「千章堂書店」(2009/12/29参照)も「所沢古本まつり」のために今週来週とお店を休む日が多い模様。少し寂しさを覚えながら、東西線に揺られて早稲田駅で下車する。件の古本屋街では、「渥美書房」(2015/04/24参照)の店頭で場違いとも思える講談社コミックス「八っ墓村1/影丸譲也 原作・横溝正史 」を見つけたので100円で購入する。その後『早稲田通り』両岸の様々なお店の店頭を覗いた挙げ句「古書現世」(2009/04/04参照)に尻を据え、店主の向井氏と長話をしていると、突然棚裏のバックヤードから、店猫のコトが奇跡的に顔を見せてくれた(コトは内気であまり姿を見せず、向井氏にもようやく最近撫でさせてくれるようになったくらいである)。向井氏が「あぁっ、珍しい。出て来ましたよ出て来ましたよ」と喜ぶ。本の山の上に、四つ足ですっくと立ち、「ニャオ。ニャオ」と何かを訴えている。あぁ可愛い。そしてこれも奇跡的に写真を一枚撮らさせてもらい(撮った瞬間、向井氏が「あぁ、カメラ目線だ!」と興奮)、古本を買うより満足を得てしまう。いつの日か、撫でさせてもらえるくらい、仲良くなりたいものだ。
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お店を出た後は高田馬場駅まで歩き、駅裏の「Book Taste」(2009/07/01参照)に立ち寄る。お店には週刊誌を売りに来るナゾの人たちが次々と現れている。幻冬舎新書「科学的とはどういう意味か/森博嗣」を290円で購入すると、レジの恐らく中国人のおばちゃんが、こちらの長髪をお団子で縛った髪型を見るなり「うわぁ、ステキ!」と花の様な妖艶な笑顔を見せた。「そういうの大好き」と言いながら手を握るようにしてお釣りを渡し「また、来て下さいね」とビリビリ秋波を送りまくる。…ここ、こんなお店だったっけ?
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2018年08月23日

8/23「モンガ堂」で涼む。

午後二時前に桃井辺りに、暑さのために塩塗れになって流れ着いたので、『青梅街道』沿いの「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)に這々の体で避難する。…おや、今日は表に一冊の本も箱も出ていないじゃないか…やっていないのだろうか?窓から店内を透かし見ると、天井の蛍光灯は点いている。おかしいな?と首を傾げながらドアを開いて涼しい店内に進む。うわ、各通路が、古本箱で一杯になっており、足の踏み場もない。右を見ると、帳場に縮こまって座るモンガさんの姿。「どうしたんですか、本出さないで」「いや、雨が降るかなぁ〜と思って」「雨、夕方からですよ」「アメッシュ見てると、西からも東からも雨雲が迫って来てるんだよ」…と言うわけで店内は乱雑になっているわけである。それでもモンガさんと古本屋話や原民喜の話をしながら、入れるところには入り込んで、古本を探って行く。すると、中央通路の奥の箱で、大阪朝日新聞が出した古い簡易写真集を見つけたので、帳場に持ち込み値段を訪ねる。「あれ?こんなのあったっけ?」と、オトボケ顔のモンガさん。「あったんですよ。自分のお店なのに、忘れてるんですか」「いやぁ〜。もうさすがにね。もうすぐお店開いて六年だから」…あぁ、「モンガ堂」も、もうそんなに営業しているのか。全く持って、素晴らしい。これからもブツクサ言いながら、頑張ってもらおう。そんなことを考え、大阪朝日新聞社「世界周遊畫帖 第一輯」「西日本現代風景」を計二千円で購入する。
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乱雑な中央通路をバックに「西日本現代風景」(昭和六年)を記念撮影。オープンカーで海辺をドライブするモボともモガが、日本画のようなタッチで精緻に色鮮やかに描かれている。そして中には華々しい昭和初期の都会風景が満載。稲垣足穂や西東三鬼が親しんだ『トア・ロード』の一枚が感激である。
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2018年08月16日

8/16「ささま書店」、変化する!

昨日は千歳台に流れ着いたので、祖師ケ谷大蔵駅に向かって進路を採りつつ、『祖師谷通り』を南下して行く。途中の「祖師谷書房」(2009/03/05参照)が開いていれば良いのだが…おっ、お盆なのにちゃんと開いている!ありがとうございます!と足を停め、まずは右側の児童文学本の、山となっている本の背を、サッシガラス越しにチェックして行く。路上で中腰体勢となり、山の下部にもしっかり目を通して行く。すると、「せんにんのひみつ」のタイトルを発見したので、スラッと戸を開け店内に横向きに身を滑り込ませ、本の山一列を半分ほど持ち上げ、ポプラ社の創作童話5「せんにんのひみつ/斎藤了一作 池田仙三郎絵」を華麗に取り出す。箱から本を抜き出し、黄色が鮮やかな後見返しの値段を確認すると、250円!この瞬間にお店が開いていて、この本に出会えたことを大いに感謝しながら、左側通路にも登場。酣燈社「鞭を鳴らす女/岸田國士」とともに計750円で購入する。
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仙人の山『花雲山』で、仙人になるべく修業する、モウとワンの物語。一癖も二癖もある、個性的な仙人たち四人が与える、奇抜で突飛な試練がとにかく過酷なのである。

本日はテクテク歩いて、お盆休み明けの荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)へ。実はさる情報筋から、この休みの間に「ささま書店」が小さな店内改装を行うと密かに聞いていたので、楽しみにしていたのである。店頭棚を見るのもそこそこに店内へ入ると、左側の壁棚が、日本文学・日本近代文学・ミステリ&SF・幻想文学・海外文学・詩集となり、その向かいの通路棚も古本&本関連・文学評論・詩歌となっている。…こ、これは!奥の改装だけではなく、ジャンルの配置転換も行われたのか!少し焦りながら、帳場前を通過して奥のゾーンに向かうと、左奥に新たに棚に囲まれた作業場があり、スチール棚で作られた通路は、従来の角度を付けた配置ではなく、入口からの直線に倣うように、真っ直ぐ置かれている。ここには漫画・サブカル・音楽・映画・精神科学などが集まっている。ということは、映画棚のところも入れ替わっているのか。これは変わらぬ途中のナナメ棚にも変化が認められる…これほど大掛かりだったとは…どうやら出直してのツアーが必要となりそうだ。驚きながら何も買わずにお店を出て、『今月の「本の雑誌」連載での「ささま」の店内説明が、すっかり過去のものとなってしまった…』などと考えながら、「岩森書店」(2008/08/23参照)前を通りかかる。ぬ?店頭台の脇に、古い文庫が詰まった百均箱が出されているな…大抵は岩波文庫だが、角川文庫「注文の多い料理店/宮澤賢治」が気になったので手にしてみると、この文庫はオリジナルの「注文の多い料理店」を、わりと忠実に文庫化したものであることを初めて知る。オリジナルの扉絵や挿絵が掲載され、巻末には『『注文の多い料理店』新刊案内』が附録として付けられているのだ。108円で購入する。この後は西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、ついに二段となった「フォニャルフ」に補充&微調整を加える。
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2018年08月10日

8/10東高円寺〜高円寺をテクテク。

ちょうど正午に、東高円寺の『蚕糸の森公園』近くに流れ着く。緑陰濃い公園は、降るような蝉の鳴き声に満たされ、まるで巨大な炭酸水のようにジュワジュワジュワジュワ弾けている。公園近くの裏道に入ると、「イココチ」(2009/12/10参照)がしっかりと営業中。
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8/31まで古本20%オフのサマーセールが行われており、グッドタイミング。ワニの本「世界の名探偵50人/藤原宰太郎」を160円で購入する。そのままテクテク歩き通して、高円寺を経由して『早稲田通り』まで、古本屋さんと古本を売っているお店をたどりながら帰ることにする。ところが、『青梅街道』沿いの古道具屋「まるゆう」(2016/02/03参照)では収穫ナシ。『ルック商店街』の「アニマル洋子」(2014/03/14参照)はシャッターを下ろしてしまっている。「大石書店」(2010/03/08参照)&「藍書店」(2014/01/14参照)でもつかむ本は見つからず、「都丸書店」(2010/09/21参照)はシャッターを下ろしていた。ここまでダラダラと来てしまったが、実はそれほど落胆はしていない。何故なら最後に麗しの「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)があるからだ!と余裕綽々で、胸に『睡眠不足』背中に『寝るの大好き』と書かれた奇妙なTシャツを着た外国人と歩調と歩幅をシンクロさせながら、『庚申通り』を遡って行く。ここまでわりと元気に来られたが、「サンカクヤマ」前に着いた時には、すでに体力ゲージが突然怪しくなり始めていた…。フレーベル館トッパンのキンダー絵本「こびとといもむし/肥塚彰・文 黒崎義介・え」(「みにくいアヒルの子」の変形。泣ける!)筑摩書房「世界無銭旅行者 矢島保治郎/浅田晃彦」書物展望社「書物展望 第一巻 第四號 十月號」を計1000円で購入する。うむ、満足。近くの銀行ATMに立ち寄ると、オッサンが端の椅子に座り声を荒げて電話している。「振り込まれた給料の額が、どう考えても少ないんですよ!」…どうか無事に解決しますように。
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これは昭和六年「書物展望」の表4広告。日本橋の「白木屋」が、満を持して巨大百貨店をオープンさせるというものである。『創業二百七十年の老舗 いよいよ十月上旬開店 東洋一の大百貨店』とあり、地下二階地上七階(一部八階)、エレベーター十二臺、エスカレーター三臺などのスペックが表示されている。設計者は石本喜久治。掲載されている写真は実物ではなく、建築事務所が作った模型であろう。『白木屋大火』と呼ばれる、歴史に残る大火事を起こすのは、次の年の昭和七年である。
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2018年07月12日

7/12何気ない昨日と今日。

昨日は夕方に駒場の谷底に流れ着いたので、いそいそと「河野書店」(2008/09/08参照)の様子を見に行く。店頭は涼やかだが、その見た目をヒドい暑さが凌駕してしまっているのが悲しい。それでも、ウルトラ人形やミニカーも混ざる店頭を楽しみ、店内へと進む。むっ、いつの間にか帳場の左側に鞄置場が出来ている。本を見るためには、ここに鞄を置かねばならないのだ。指示に従い、アカデミックな店内をグルグル。角川文庫「幻の馬車/ラーゲルレーフ」を250円で購入する。
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本日は溜まった仕事と早朝から大格闘。根を詰めて夕方まで真面目に仕事する。どうにか一段落着いたので、ちょっとだけ外出して古本を買いに行くことにする。目指したのは家から一番近い「古本ブック流通センター」(2008/08/09参照)である。ガチャガチャ越しに店内を透かし見ると、ガタガタになった文庫棚が臨める。
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相変わらずこのうらぶれた雰囲気は、一流と言っても決して過言ではない。買い物に期待はしていないが、このお店の在り様は、ひねくれた古本心をたっぷり潤してくれるのだ。重いサッシ扉を開くとチャイムが鳴り、奥のドアからご婦人が姿を見せる。「こんにちは」と挨拶し、小さな店内を巡って行く。文庫&コミック棚にほとんど変わりはなく、ただ少しずつ量が減り、どの本もジワジワ劣化して行くのを、ただただ待っているのだ。但し文庫棚の上や、奥の壁棚の文学単行本に少々変化あり。影山民夫・筒井康隆・大江健三郎らが何処かから出現し、増殖している。そんな微妙な変化を確認しつつ、ハヤカワ文庫「LA捜査線/ジェラルド・ペティヴィッチ」渓声社「続・いやぁ!映画って本当にいいもんですね/水野晴郎」を計200円で購入する。本当は計480円なのだが、「汚れてますので一冊100円にしておきます」と値下げしてくれたのである。まぁこれは、いつものことであるのだが、何はともあれ感謝である。さぁ、無事に古本も買えた。家に帰って仕事の続きをすることにしよう。
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2018年07月09日

7/9非売品の『恐怖のカセット』!

今年初めての蝉の鳴き声を聴く。そして午前十一時過ぎに家を手ぶらで出て、月曜日定例の「ささま書店」(2008/08/23参照)詣りに向かう。だが何をどう油断したのか、阿佐ヶ谷駅に着いた時点で頭上の駅の時計を見上げると、すでに午前十一時二十五分。歩いて行くとだいぶ出遅れてしまうことに気付き、今日は楽して総武線で駆け付けることにする。三十二分の三鷹行きに乗り込みガタゴト進み、車窓に「ささま」が飛び込んで来ると、店頭には六人ほどの古本修羅がすでに店頭棚に食らいついている状況。電車を降りて慌てふためき駆け付け、店頭で白水社「由利徹が行く/高平哲郎」集英社文庫「血の声 ミッドナイト・ミートトレイン/クライヴ・バーカー」(文庫本と同じ装幀だが、中には若山弦蔵が朗読した「ミッドナイト・ミートトレイン」を収録したカセットテープが入っている。集英社文庫10周年記念のプレゼント『恐怖のカセット』との説明文もあり。後でちょっと聴いてみると、ほぼクオリティの高いラジオドラマのようで、ぐんぐん物語と気合いの入った美声に引き込まれてしまい、思わず四十分間聴き続けてしまいそうになる。イカンイカン…)を店頭で選り出し、涼しい店内へ進む。すると手前側左通路の壁棚の古本関連コーナーに、東考社 桜井文庫16「戦後の貸本文化/梶井純」が混ざっているのを発見したので手に取ってみると、これが1500円。安いなぁと嬉しくなり、先ほどの二冊と合わせて計1836円で購入する。店頭で面白いものを掴ませてくれて、店内で読みたかった本との幸福な出会いを実現させてくれる。まさに飽きずに毎度楽しみにして、お店に足を運んだ甲斐があるというものだ。帰りは横着せずに、テクテク歩いて帰る。
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プレゼントをもらった人は一度も聴いていないのか、中身は新品同様であった。

夕方近くに打ち合わせのため神保町を目指す。水道橋駅から南下し、「神田書房」(2012/02/16参照)で厚生堂「擔架教程/陸軍大臣 子爵 寺内正毅」(明治四十三年の軍人用担架術。図解が多くて趣きあり)研究社「Wonder_Book FOR Boys and Girls」(大正十年の英語教材手帳サイズブック。『ゴーゴンの首』『黄金王』『不思議な徳利』を邦訳含め収録)を計100円で買うと、『神保町交差点』で「@ワンダー」鈴木氏に声を掛けられ、ぎっくり腰の治療中であることを告げられる…お大事に。「一誠堂書店」(2010/03/27参照)前では、夏のためワイシャツ姿の番頭さんに声を掛けられ、「ご無沙汰してます」と言ったら「ご無沙汰してないでしょ。いつもこの前通ってるでしょ。ちゃんと見てるからね」と笑顔で言われてドキリ…た、た、たまには立ち寄ります…。そして話の流れで一誠堂勤続四十五年であることを知る。「スゴいじゃないですか!」と驚くと「いやいや、奥にはもっと長い人がいますよ」…さすがは天下の一誠堂。今度ゆっくりお話し聞かせて下さい!その他にも、『白山通り』沿いに会った近代建築ビル『研数学館』が消滅しているのに遅まきながら気付いたり、『靖国通り』沿いにあった「本と街の案内所」がいつの間にか裏手の『すずらん通り』に移転し、新しく広く現代的になったのを知ったりする。
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2018年07月01日

7/1東京の大山参り!

いよいよ2018年後半戦の七月の始まり。池袋に出たついでに、久々の東武東上線大山参りに向かうことにする。まずは商店街の「銀装堂書店」(2014/07/09参照)…あれ?行き過ぎたか?商店街がもう終わっちゃう?あれおかしいな?古本の気配をまったく感知出来ず、お店自体も見当たらない?…いったいこれは…商店街を右往左往すること数度。だが、元々店舗だった場所は、テナント募集になってしまっているようだ。う〜む、移転してしまったのだろうか?それとも己の濁った眼に、見つけられないだけだろうか?要追跡調査の案件が、ここにひとつ誕生してしまった。

「銀装堂」の行方を思い、多少ブルーになりながら線路下を地下道で潜り、続いて良店の「古本ぶっくめいと」(2009/08/05参照)へ。美味しそうな黄色いカステラ型“古本”看板は健在。
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だが店頭棚を見ていると、足下の鉄板が異様な輻射熱を放射しているのに気付いてしまう。や、焼ける!このままではこんがりキツネ色にになってしまう!と慌てて店内に飛び込むと、すでに数人のお客さんが極狭通路に潜伏し、なかなかの繁盛っぷりを見せている。鉄板に炙られていたことを即座に忘れ、こちらも早速良い棚並びに乗せられ、軽快に背文字を読み取り続けていく。すると、奥の帳場向かいの棚脇棚で、付録文庫ゾーンを発見したので、細かくチェックを開始する。むっ?一回り小さい薄手の文庫が混ざっていたので取り出してみる…おぉっ!これが瀟酒の極み、山本文庫であった。チョコレート色の市松模様が表紙の「戀する人/リルケ作 茅野蕭々譯」(昭和十一年三刷)が1500円。ここで会ったが百年目と、正進社名作文庫「黄金虫 外国短篇文学集」とともに計1650円で購入する。精算中、帳場下の棚に集まる古書文庫が非常に気になり、背文字が読み取れないので何冊か手にしてみるが、良いものが紛れていそうな予感…また来よう!「戀する人」は全59ページなので、帰りの車中であっという間に読了し、ふぅ、と古典文学に触れた高尚なため息を一つつく。
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2018年06月30日

6/30炎天下ムサシノ・パトロール。

炎天下の午後一時過ぎに東小金井に流れ着いたので、「尾花屋」(2017/06/15参照)→「BOOK・ノーム」(2009/02/13参照)→「浩仁堂」(2011/02/15参照)と、安値で古本が買えるお店を繋いでみることにする。新小金井駅前の「尾花屋」では、店頭100〜300円棚から何をとち狂ったか女子的な二冊を掴んでしまう。学研ユアコースシリーズ「ジュニアの楽しいあみもの」(カバーや扉絵はみつはしちかこだが、中身は無名デザイナーが担当している)暮しの手帖社「貝のうた/沢村貞子」を計300円で購入する。長閑でスクエアな住宅街を北に抜けて「BOOK・ノーム」の店頭台に視線を落とす。即座にワゴンと足下の箱から一冊ずつ文庫を抜き出し、店内にて精算。すると店主の奥さまは、「一冊五十円ですけど、もう一冊選んでいただければ三冊で百円…あら?こちらはもしかしたら下の箱から?」「あっ、もうそのままの値段で大丈夫です。二冊で百五十円で」「あっ、本当ですか?申し訳ありませ〜ん。ではすみませんが百五十円で」…五十円・百円で繰り広げられる売る側と買う側の思いやり合戦……やっぱり古本屋さんって、この世知辛い世の中では、心温まる稀少な空間である。角川文庫「走れ、コヨーテ/戸井十月」ちくま文庫「野を駆ける光/虫明亜呂無」を計150円で購入する。そのまま東小金井駅まで出て、我慢できずに缶ビールを一本買ってから、北側に出て高架沿いを東に向かってトボトボ歩んで行く。ここはまだ比較的新しく作られた道路で、開発中の土地も多く、周囲からの接続などが中途半端な状態なので、車通りも人通りも少なめな、およそ一キロの直線道。
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何もないからこそ、ボ〜ッと何も考えずに、足を左右交互に進めてさえいれば、いつしか武蔵境に着いているのである。ただただ、街の中で、歩くだけの人になれる瞬間を、缶ビールで喉を潤しながら味わって行く。高架下には、お洒落な飲食店やフリーペーパー書店や、夢がはち切れそうになった小さな独房のようなミニショップや、駐車場や薬屋や、鉄道をモチーフにした児童用のクオリティ高い遊戯施設や、駐輪場などが連続して行く。そんなものたちを横目で見ながら、スタスタスタスタ…おや、いつの間にか武蔵境駅。北口の「浩仁堂」にほろ酔いでたどり着くと、店頭がいつもと違い、絵本箱多めの児童用仕様となっている。店内の正面棚の半分が絵本棚として開放されていたんので、結局手にした二冊は絵本となってしまう。福音館書店「ぴかっ ごろごろ/フランクリン・M・ブランリーぶん エド・エンバリ―え」(原題は「FLASh,CRASH,RUMBLEAND ROLL」)至光社「もず/作版・初山滋 詞・古倫不子 曲・諸井誠」を計200円で購入する。いや、この二冊はなかなかに良い買物が出来ました。
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2018年06月20日

6/20「ゾンビ」in七周年記念ポーチ!

昼食を摂ってから、雨粒の感触の無い霧雨に傘を差しかけながら、神保町パトロールに向かう。当然各店はすっかり雨仕様なので、店頭に懸ける身としては、味気ないパトロールとなってしまう。「澤口書店」(2014/04/12参照)のビニールシートに守られた店頭で、古い文庫二重棚に挑みかかるが、残念ながら成果ナシ。結局「日本書房」(2011/08/24参照)で河出書房新社「追悼特集 山田風太郎」を300円で買うに留まる。その後、同神保町で一時間ほど打ち合わせをして、水道橋駅から阿佐ヶ谷に帰還する。

色々買物をして『旧中杉通り』を北に進んで行くと、娘さんを連れた「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)天野氏とバッタリ。店先の、平野甲賀フォントの貼紙を指差し「今日で七周年です」と改めて教えられる。
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七周年記念品として、3000円以上お買い上げ時に、単行本も入る大きさの、オリジナル・ポーチがいただけるらしい。「お祝いしようと、寄ろうと思っていたところです」とニコヤカに答える。すると氏は「月曜に高い本買ってもらったじゃないですか。今日何か買ってもらえれば、あれと合わせてで、特別にポーチプレゼントしますよ」と提案。「マジですか、やった!」と単純に喜んでしまう。月曜に2625円の「昭和遊撃隊」を買ってしまったのを、早まったなと多少後悔していたのである。粋な古本屋さんの情に感謝して店内に突入。すると映画棚で、ABC出版「ゾンビ/ジョージ・A・ロメロ+スザンナ・スパロウ」が、帯付きの1030円で並んでいたので、即座にこれにしよう!と決める。帳場で奥さまに精算していただき、外に出て、娘さんとお店挨拶巡りをしている天野氏に、ドアガラス越しに挨拶する。七年…二千五百五十五日。長いようで、短いようで、気の遠くなるようで、あっという間なようで。それでもお店は、いつしか阿佐ヶ谷の立派なランドマークの一つとなり、60Wの白熱電球のような、人をホッとさせてくれる、柔らかな輝きを放っている。往き還りの通り道に「コンコ堂」があることが、どんなに日常の景色を、豊かにしてくれたことか。これからも面白い古本をドバッと並べ、阿佐ヶ谷をほんわか照らし出していただければ幸いです。
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取りあえずいただいた可愛いポーチに、買った「ゾンビ」を入れてみる…。このプレゼントは7/29までで、無くなり次第終了とのことである。
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2018年06月15日

6/15駅前の独立系「古本市場」よ、さようなら。

梅雨寒の金曜日。正午前に家を出て、駅近くの銀行で日曜日の釣り銭を調達した後に、小田急線で神奈川県の真ん中辺りに位置する大和へと向かう。駅前にある独立系の「古本市場」(2013/01/05参照)が明日で閉店してしまうのである。五年前の記憶をたどり、何となく見覚えのあるロータリーに出ると、街路樹の向こうのビル一階に、光を薄く湛えた『本CDお売り下さい』ネオン看板が輝いていた。地右側から回り込んでお店に近付くと、店頭には『閉店』『全品半額』『閉店セール50%OFF』『25年間ご愛顧いただきありがとうございました』などのビラが多数賑やかに貼り出されていた。奥深い店内に入り込むと、CD・ゲーム・コミック・アダルト目当てのお客さんが動き回っている。こちらは奥の古本ゾーンにすぐさま取り憑き、丁寧に本の背を眺めて行く。途中「あの本は売れちゃったの?」「いつまで?明日まで!?」「今駅前のCD屋が閉店セールしてるのよ!何か欲しいのある?買ってって上げる(電話で)」などの、ちょっとした“閉店狂騒曲”的場面が展開したりする。独立系なので、古書もしっかりと混ざり込む棚に感心するが、十五分ほどの滞在で、結局掴んだのは文庫のみ。双葉文庫「横浜・山手の出来事/徳岡孝夫」中公文庫「風俗時評/花森安治」「笑わずに生きるなんて/赤塚不二夫」を計432円で購入する。駅前で二十五年間、おつかれさまでした。…相鉄線&小田急江ノ島線沿線の古本屋地図も、段々と寂しくなって行くなぁ。
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古本をもう少しだけ買いたくなって、帰りに下北沢で途中下車。北口から街に出て、傘を差しながら雨仕様の「ほん吉」(2008/06/01参照)店頭棚に眺め入り、桃源社ポピュラーブックス「わが一高時代の犯罪/高木彬光」(帯が付いており、『NHKテレビ放送 絶賛好評!!』のキャッチがある。…ドラマ化されていたのか。興味を持って調べてみると、1966年に一時間番組『テレビ指定席』の枠で放送されたらしい、神津恭介は津川雅彦!)ポケット文春「外事局第五課/藤村正太」自由国民社「世界の推理小説総解説/中島河太郎・権田萬治」を計500円で購入する。
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2018年06月13日

6/13「ジリウク」とフラットウッズ!

昨日は荻窪に流れ着くが、火曜日だったので「ささま書店」(2008/08/23参照)は定休日。まぁ連投するのも恥ずかしいので、今日のところは良しとし、「竹陽書房」(2008/08/23参照)脇のコンビニ前で、お店が午後一時に開店するのをジッと待つ。店頭台の準備が終わったのを見計らい、店内に素早く突入する。洋泉社「世界鬼才映画監督列伝」映画パンフ東宝「星の王子様」「地中海殺人事件」を計700円で購入する。阿佐ヶ谷に戻り、続いて渋いお店をつなぐように「千章堂書店」(2009/12/29参照)に飛び込み、新潮文庫「ひみつの王国 評伝 石井桃子/尾崎真理子」を380円で購入。『中杉通り』を北へ遡上して、今まさに開店準備中の「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)のオヤジさんと挨拶を交わしつつ店内に入り込み、講談社「井上陽水 孤独の世界/塩沢茂」を1500円で購入する。

本日は仕事をひとまとめした後、古本屋さんの楽しみ方を指南する無料リーフレット「古本屋探検術」三十冊ほどを携え、早稲田へと向かう。地下構内に溢れる大量の大学生に履いているビーサンを踏まれまくり、這々の体で地上に抜け出し、一路「古書現世」(2009/04/04参照)へ。店奥に座る店主の向井氏は、その山のような体躯を帳場周りの本の山にほとんど隠し、集中力高くお仕事中である。その隙に、店内の棚すべてに熱い視線を注ぐと、春秋社「猶太人ジリウク/ジョルジュ・シメノン」を発見出来たので、いやらしくほくそ笑む。昭和十二年の出版以来、復刊されることがなかったので、長らく読めない作品となっていたのだが、2016年に湘南探偵倶楽部が転写復刻した短篇集である。本の整理に追われて重度の寝不足に陥っている向井氏に差し出し1800円(やった!復刻版より安いぞ!とさらにいやらしくほくそ笑む)で購入する。さらに「古本屋探検術」をドッサリと託す(裏表紙に『古書現世!!!』の文字と署名入り)。その後は氏と、買取が連続して本が溢れんばかりになってしまっている顛末や、日曜の「みちくさ市」の話や、古本屋さん情報あれこれについて語り合う。その中で、今回の「みちくさ市」に参加する元アイドル後アーティスト・テンテンコちゃんの『テンテン商店』で、手作りの『フラットウッズの宇宙人』グッズが売られることを知る(本人がUFO関連にハマっているらしいとのこと)。フラットウッズファンの一員としては、聞き捨てならぬ情報である。商品の画像を見せてもらうと、ベースボールシャツがとてもプリティな仕上がりなのに驚く…か、買ってしまうかもしれない…。さらに見せてもらった、手作り故の家内制手工業的製造過程に苦笑する。朝の連ドラ『カーネーション』で、主人公の糸子が手作りで百貨店の制服を何着も作っている様子みたいだ…。
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というわけで家に戻ってから、嬉しい収穫「ジリウク」とともに、大事な『フラットウッズの宇宙人』のソフビを一枚の写真に収めてしまう。色んな意味で日曜日が楽しみになって来た!
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2018年06月11日

6/11雨仕様第二形態!

昨晩から、安定した水音を響かせている雨の中、荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)を見に行く。ほどなくして午前十一時半に店頭にたどり着くと、店頭棚は出ておらず店内廊下に置かれ、300均棚には一冊も本が入っておらず、自動ドアは半開き状態…お店の方々はすでに忙しく働いているが、これはまだ開店状態前ということなのだろうか…。
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ならば街路を一ブロックグルッと巡って来れば、その時にはすでに開店しているだろう。そう目論んで、五分ほどかけて雨の中を散歩して戻って来る。ありゃ、状態は変わらず蚊…ではもう一周…………あれ、まだ開いてない…いや、もしかしたらこれはすっかり開店している状態なのでは…そうか、これから雨風が強くなるのに備えて、いつもより深く雨仕様にしているのだな。通常の雨仕様は、店頭棚二台を軒下に出し、300均棚にも本が並び、通路に百均文庫棚が置かれ、帳場前に百均文庫&新書棚が置かれる形だが、この第二形態は、店頭には何もなく、二本の手前通路に二台の店頭棚がそれぞれ置かれ、帳場前に文庫&新書棚、そして奥の中央スチール棚脇に百均文庫棚が置かれているのだ。通路格納時の百均棚は、裏側が非常に見難いのだが、身を壁棚との間にちょっと滑り込ませたり、少しだけ棚自体を移動させたりして、どうにかチェックを進める。結果、風塵社「ヘンな本あります/北尾トロ」現代書館「霧社事件 台湾先住民、日本軍への魂の闘い/邱若龍作画」鱒書房コバルト新書「悪魔にもとめる女/松本清張」角川ホラー文庫「歯車/石ノ森章太郎」を計540円で購入する。
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まぁまぁの拾い物はこの二冊。コバルト新書の清張はあまり見かけたことがない。純文学と大衆小説の中間辺りの心理スリラー小説集である。1993年刊の「霧社事件」は、昭和五年に日本支配下の台湾で起きた、高地民族による武力蜂起を描いた漫画である。描いたのは台湾人で、高地人300人×日本軍隊&警察連合軍4000人の五十日の壮絶な闘いが、独特な漫画のリズムで力瘤強く悲しく展開して行く。

午後は家に閉じこもって仕事をしながら、少しずつ日曜の「みちくさ市」の準備も進める。3/24以来の古本販売なので、良い本がだいぶ溜まっておる…。天気予報によると、今のところ曇りの予想。このまま保ってくれると良いのだが。
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2018年06月05日

6/5岡崎武志邸再び!

昨日は品薄になってしまった奇天烈識語署名入り「古本屋探検術」を三たび大阪「梅田蔦屋書店」に送付し(近日中に古書関連コーナーに並ぶはず)、その後は余暇時間を定店観測に費やす。「ささま書店」(2008/08/23参照)ではハヤカワポケミス「シャーロック・ホームズの復活/アーサー・コナン・ドイル」を108円で購入し、一旦家に戻ってから西武新宿線に乗り込み東村山へ。無人販売帯の「なごやか文庫」(2012/01/10参照)をじっくり観察し、創樹社「海辺の生と死/島尾ミホ」晩聲社「水俣・韓国・ベトナム/桑原史成」大陸書房「失われたムー大陸/ジェームズ・チャーチワード」を計390円で購入する。

本日お昼前にTVを見ていると、日大アメフト問題に絡んで日大の在校生が路上でインタビューされるシーンが映し出された。その背後には麗しの「日本書房」(2011/08/24参照)の店頭が!しかも木製台を人が覗き込んでいる!今直ぐ水道橋に飛んで行きたくなるが、そんなことをしたら後の予定がガラガラと音を立てて崩れてしまうので、グッと我慢してやるべきことを片付ける。

午後三時に外出して、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、店内で“盛林堂イレギュラーズ”に変身する。店主小野氏とともに都内某所の岡崎武志邸に向かい(ドアに『歓迎!盛林堂ご一行様』の貼紙を出しテンション高めに迎え入れてくれた岡崎武志氏である)、
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地下の書庫兼書斎を埋め尽くしてしまった、いつかしら溜まりに溜まっていた古本を整理する作業に従事する。玄関を入った途端に出迎えたのは、黒猫と黒灰虎猫。目をまんまるにして、闖入者に怯えながらも興味を持ち、しばらくつかず離れずの距離を保っていたが、やがて本を運び出す音に怯え、二階へと避難してしまった…。
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一時間半、三人ともくしゃみを連発しながら、およそ三百冊ほどの本を一階に運び上げる。地下は涼しく暗く、まるで古本で出来た深海のようである…。
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あっという間に古本で埋まってしまった居間の一角。その塊を見て本日は満足し、最寄りの『王将』にて打ち上げてしまう。そして本日の報酬として、ちゃっかりと荒木書房「密林の寶庫/里見孝」をせしめてニンマリとする。
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2018年06月03日

6/3ツアーしていない“いとう”であった。

早起きして一仕事済ませ、その後家内の古本と多少格闘する。午前十時に古本を抱えて外へ飛び出し、一路分倍河原へ。「ブックセンターいとう分倍駅前店」が本日閉店するタレコミを複数いただいたので、背中を押されて見に行くことにしたのである。だが、ごちゃついた小道と異様に立体的な跨線橋がつながる駅前で、ふと気付いたことがある。『ここのいとうには、来たことがない。かつてツアーしたことがない』ということに。焦って端を南に渡り、駅のすぐ横にあるお店に駆け寄る…やっぱり来たことがない。閉店情報に派手に彩られた店舗の中に入り込むと、お店は開店したばかりなのに、たくさんの人が押し寄せている。閉店セールは全品30%オフ。一階はトレカやゲームやアダルトとともに文庫本が奥に集められている。一通り棚を眺めて二階に進むと、一階とは比べ物にならぬ広さで、奥三分の二はコミックに占められ、手前側に児童文学・雑誌・映画・音楽・日本&海外文学・文化・実用・新書・100均文庫が固まっている。古書がないか慎重に各棚や通路の隅に視線を巡らすが、残念ながらその影はナシ。二冊の本を選んで階下のレジに向かうと、そこには十人ほどの列が出来ている。トレカやコミックセット大量買いの人々の精算をボ〜ッと待ちながら、ワイズ出版「映画の胡弓 澤井信一郎の監督作法/澤井信一郎・鈴木一誌」大和書房「傷だらけの天使/市川森一」を計1610円で購入する。出会った瞬間にさらば。分倍河原の“いとう”よ。
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その後は昨日訪れたばかりの西荻窪に向かい、「フォニャルフ」に気合いを入れて補充する。本棚探偵に負けてなるものかと、独り相撲でありながらも、竹中労「団地 七つの大罪」やウェルズの「モロオ博士の嶋」(ドクターモロー初訳本)などのレア本を並べておりますので、何とぞよろしくお願いいたします!
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2018年05月30日

5/30テント看板が青かった。

雨が降り始める前に新小金井に流れ着いたので、「尾花屋」(2017/06/15参照)に早速駆け付ける。新潮社「モンローもいる暗い部屋/和田誠編」政界往来社「香港喜劇大序説/平岡正明」芳賀書店「映画宝庫 ドラキュラ雑学写真事典」を店頭棚から選び、中へ入ろうとすると、ガチリ…おや、開いてない。良く見ると昼休み中の貼紙がしてあり、午後二時には再開する旨が書かれている。現在午後一時五十八分…後二分、待とうではないか。三冊の本を抱えながら、暇つぶしにもう一度棚に視線を走らせて行く。…結局視線が二往復した午後二時二分、営業が再開したので、前述の本を計400円で購入する。スクエアな街路をたどって東小金井駅方面に向かいつつ、「BOOK ノーム」(2009/02/13参照)を偵察する。あっ!ボロくて文字がおどろどろしく剥がれかかっていたテント看板が、ビシッと新調されている。
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新しい青色が鮮やかで、思わず背筋が伸びてしまう、気持ちの良い光景である。ということは、古本屋さんとしてまだまだやる気満々なのだな。そう確信し、店頭台を覗き込むと、単行本の方に妙な黒い本が紛れ込んでいる…ぬぬぬぬぅ、レアなオカルト系奇書、創栄出版「七次元よりの使者 第0巻(大霊感)/五井野正」である。全四巻が揃うと、とんでもない額になってしまう、SF&オカルトチックな小説の形を採り昭和五十年代に書かれた、日本の未来予言書である。こんな武蔵野の新古書雑本的古本屋さんで出会えたのは誠に意外で嬉しいが、続きが読みたくなったらいったいどうすればいいんだ?と贅沢な悩みを抱え込み、100円で購入する。
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その後は武蔵境まで歩いて「浩仁堂」(2011/02/15参照)を覗きに行ってみるが、店頭什器がすべて店内に収納され、事務所としては開いているが店舗としてはお休み状態なので、今日のところは諦めて帰宅する。

どうにか雨が酷くなる前に家に帰り着くと、「股旅堂」さんより新刊目録「MATATABIDO 19 june,2018」が届いていた。何もかも放り出し、文字と数字だらけのページに、たっぷりと一時間没入してしまう。モダニズムや都市や昭和初期や犯罪関連などで、欲しい本が十冊ほど見つかってしまう…ど、どうしよう…。
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2018年05月18日

5/18嗚呼、まつりちゃん!

連載の取材にて少し遠出。燕の群舞する蒸し暑苦しい北関東で古本屋さんを追い求める。その後、足利に立ち寄り、久しぶりに店内にワンコがいる「古書 尚古堂」(2009/06/14参照)を訪ねる。『石だたみの道』の奥にはお壕に囲まれた『足利学校』が見えており、なかなかに旅情を満たしてくれるロケーションである。
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店頭に出された安売棚(100均ではない)には、『開店十五周年記念セール』の札が貼られている。そこから一冊抜き取り、細長い店内に進み、茶色い古書群に目を凝らして行く…時代小説本や日本近代文学本に目欲しいものが見つかるが、結局折り合いがつかずに、店頭の一冊を奥のご婦人に差し出す。その向かいの椅子には、九年前も出会ったシーズー犬“ジョン”が丸まっている。やはりもうだいぶ年を取ったようで、目も見えないようだ。頭をそっと撫でると、反応して首をもたげて来る。そしてカウンター奥の床には、以前の雑種犬“まつり”ちゃんの姿は無く、代わりに巨大なハスキー犬が横たわり、“まつり”ちゃん同様の怯えた目でこちらを注視しているのであった。講談社「夜の装置/多岐川恭」を450円で購入する。足利市駅から帰途に着こうと渡良瀬川方面に向かうと、歩行者信号青の横断歩道で、スピードに乗って曲がり込んで来た奥様の運転する車に轢き殺されそうになる…あ、あ、危なかった。急停車した奥さまは、ウィンドウ越しにぽかんとした表情を浮かべ、謝ろうともしない。釈然としない思いと、姿の見えなかった“まつり”ちゃんへの想いと、古本を抱えながら、長い鉄製の三連アーチ橋を渡り駅へと向かう。
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2018年05月15日

5/15十年経っていました。

今日は真夏のような代田橋の住宅街に流れ着いたので、阿佐ヶ谷駅行きのバスに乗り込み、新高円寺駅で途中下車。いつかのように、いつどんな時でも賑わいを見せている『ルック商店街』を遡上して行く。「アニマル洋子」(2914/03/14参照)では、集英社ジュニア版・世界のSF「滅びゆく銀河帝国/アシモフ・作 野田昌宏・訳」河出文庫「ローリング・サンダー航海日誌/S・シェパード」を計400円で購入しながら店主さんにご挨拶。続いて駅にたどり着き、高架下の「藍書店」(2014/01/14参照)では外壁棚から河出書房「ジェームス・ディーン/小森和子」を100円で購入する。高架下から車止めを縫って『庚申通り』に入って行くと、途中の「DORAMA高円寺ブック販売店」がもぬけの殻になってしまっている。すわ閉店か?と一瞬色めき立つが、どうやら移転ということらしく、ここは古着売場となり、古本部門は道の先の『レンタル店』に吸収される模様…古本売場が大幅に縮小されそうな予感が、背中をニュルリと走る。リニューアル休みは明日までなので、またこの通りを通った時に、この目で確かめることにしよう。さらにテクテク歩いて「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)着。店頭で一冊、店内で一冊つかみ、店主の粟生田さんが買取客と『キャンディキャンディ』関連の希少性について語り合うのを小耳に挟んだりする。荒地出版社「続推理試験/A・リプレイ」栄光出版社「カツドウ屋一代/マキノ雅弘」を計900円で購入する。
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本日の収穫。計1400円としては、まぁまぁな並びである。

ところで、気付いたら今年の五月十日で、このブログを始めてからついに十年が経過していました。一番最初の記事は、音楽の仕事で日帰りで訪れた、宇都宮の「山崎書店」。仕事先を抜け出し、住宅街にある古本屋を探り当て、息を切らし、色々焦りながら通路を行き来したことを、今でもちゃんと覚えています。古本屋好き&古本好きとして、そこそこ長い十年と言う日々を、飽きずに楽しく書き連ねられて来たことを、嬉しく、また誇りに思います。なのでこれからも同様に、古本屋さんと大好きな古本について、駄文を量産して行くつもりです。そしていつも読んで下さる皆様、本当にありがとうございます。これからも、心の古本濃度が不足していると感じた時は、急遽古本屋さんに向かうか、応急手当として当ブログを読んでいただければ、もっけの幸いであります!
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