2020年07月08日

7/8未来派と「呪ひの塔」とカネゴン。

すでに昨日のことである。早朝に田山花袋「生」を読み終える。花袋の自伝的な、母の死に際にまつわる出来事を、巧みに詳細にドロリと描いた物語であった。死と生に正面と側面から向き合う暮らしとともに、舞台である早稲田・戸塚・目白などの、明治の様子が活写されるのが、心にジンワリと暖かで静かな感動を呼び起こす仕掛けが、素晴らしかった。午後に所用で中野へ外出。『中野ブロードウェイ』四階の「まんだらけ海馬」(2014/02/15参照)で文研出版「新訳シャーロック・ホームズの冒険/ドイル作 飯島淳秀」を110円で購入する。昭和45年刊の児童用ホームズ。収録阪は『赤毛連盟』『口のねじれた男』『青いルビー』『まだらのひも』『黄色い顔』『六つのナポレオン』となっている。最初の四作は「〜冒険」の収録作だが、『黄色い顔』は「シャーロック・ホームズの思い出」、『六つのナポレオン』は「シャーロック・ホームズの帰還」収録作である。背文字の“シャーロック”の入れ方が、なかなかアナーキー。
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さらに二階の「BOOKSロンド社」(2008/08/28参照)にて、大和書房ヤングアダルトブックス「怪獣ゴジラ/香山滋」を400円で購入する。北から表に飛び出し『早稲田通り』を歩いていると、よく「みちくさ市」出店時に古本を買ってくれる常連さんに偶然お会いする。今回のコロナ禍で家に閉じこもると、大量の古本と改めて対峙することになり、これは整理しなければ!とハタと気付いたそうである。読了本や雑本整理処分の真っ最中で、「いやぁ、もうそんなに本を買ってられないですよ。先行きのことも考えなきゃね」「これから何処行かれるんですか?」「あっ、盛林堂に行って、新刊のミステリアス文庫がまだ店頭にあるかどうか、見に行くんですよ」「か、買う気満々じゃないですか…」などとやり取りする。夜、ソニー・マガジンズ「モービー・ディック航海記/たむらしげる」をゆっくり楽しむ。漫画屋絵本ではなく、小説に寄った絵物語。72歳の“Q”が、伯父の遺産である機械生物とも言えるクジラの潜水艦(オタマジャクシのような大きさから、段々成長してようやく乗れるようになる。可愛い)に乗り、宇宙を旅するお話。たむら版「星の王子さま」ではないだろうか。

そして本日は祖師ケ谷大蔵の果てに流れ着いたので、エッチラオッチラ表通りに出て、久々の「祖師谷書房」(2009/03/05参照)の様子を伺う。シャッターは上がっているが、カーテンが閉まってしまっている…お昼休み中か。残念也。楽しみにしていたので落胆しながら駅に向かっていると、「DORAMA」が消滅しているのに気付いてしまう。店頭百均ワゴン、時々面白いのが拾えて好きだったのに。残念也。そんな落胆たちを家まで引き摺らぬように、下北沢で途中下車して「ほん吉」(2008/06/01参照)に立ち寄る。今日の店頭は何だか三百円本が豊かだ。双葉社「本棚探偵の冒険/喜国雅彦」(二刷。帯・月報付き)河出書房新社「ごっこ/山田稔」扶桑社「未来派2009/坂本龍一+細川周平編集」を計990円で購入する。「未来派2009」は1986年刊で、一見すると当時出された坂本龍一のアルバム『未来派野郎』の副読本のようだが、中を開くと正統なイタリア“未来派”のガイドブックなので吃驚。機械的ビジュアルが全ページに炸裂し、見応えあり。と言うわけですっかり現金に元気になり、阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、東方社「長編探偵小説 呪ひの塔/横溝正史」(貸本仕様。カバーナシ。背にテープ補修あり)が店頭にてギラリと輝いたので、即座に110円で購入する。

おまけ:祖師ケ谷大蔵の商店街は、駅から広がる様々な商店街が力を合わせ、『ウルトラマン商店街』と名乗り、幟や外灯やゲートで、ウルトラ的雰囲気を共有している。駅北口に出て、西に商店街を伝って行くと、かなり奥の方の『祖師谷ふれあいセンター』のエントランス部分に、実物大のカネゴンが座っているのを、本日初めて発見する。おぉ、これはまるで『ウルトラQ』の『カネゴンの繭』で、銀行前で女子行員の運ぶ小銭を狙うシーンか、腹が減って胸のカウンター数がドンドン下がって行くシーンのようではないか。こんな素晴らしいものが、いつの間にか建っていたんだ!と、いつまでもウルトラを卒業出来ない人間として、大いに感動する。
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2020年07月06日

7/6地道に二店を見て回る。

朝からある原稿のため、今年の己のブログを流すように読み返していたのだが、やはりコロナ禍による四月〜五月の緊急事態宣言下の四十八日間は、何だか微妙に息苦しくなって来る。少し東日本大震災の時と、肌触りがなんとなく似通っている。繰り返す読書も、開けてくれている古本屋さんを訪れることも楽しいことなのだが、やはり潜伏する感染の恐怖と、自由を奪われた生活には、緊張感が漂ってしまっているのか…とは言っても、今もまだそのコロナ禍の真っ最中なのである。何だか雨風の強い初夏であるが、まだまだマスクを装着し、手指消毒に務め、手洗いうがいを励行して行こう。

午後に外出し、営業を六月から再開していた東村山の「なごやか文庫」(2020/04/07参照)の様子を見に行く。店先に置かれた三つの無料本箱を覗き込み、手指消毒してから、すっかりキレイになった店内へ。新し目の単行本や漫画や文庫を漫然と眺め、結局右壁棚下の一列の古書ゾーンに注目する。それしても真面目な本ばかりだ…と浅ましいため息をつきながら、新潮社「画家のことば/香月泰男」NHK出版「テレビ作家たちの50年/日本作家協会編」を計400円で購入する。帳場には誰もおらず、小さな立て札が置かれている。『この時間は事務所窓口で』と古本の精算を促している。そうか、もはや無人販売は無くなったのか。古本屋さんゾーンから出て、ちょっと奥に入って事務所で精算する。帰りの車中で本を見ていて気付いたのだが、「画家のことば」は表見返しに『y・kazuki』のサイン入りであった…うぅぅぅぅぅぅ、嬉しぃっ!
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鷺ノ宮に戻り、テクテク『中杉通り』を南へ。そうだ、『早稲田通り』沿いの「古本ブック流通センター」(2008/08/09参照)もハシゴして行くか。東京都の休業要請中は、ちゃんと休業していたので、その後ちゃんと開いているかどうか気になっていたのである。おっ、店頭にガチャガチャの機械が出されている。営業再開しているようだな。店内に滑り込むと、前入った時と相変わらず変化のない状況。それでもブランクが所々に生まれている棚を念入りに検分し、岩波文庫「日本渡航記(フレガート「パルラダ」號より)/ゴンチャロフ」(昭和十六年第二刷)を100円で購入する。本は朽ちて行くばかりだが、お店が健在なので、何はともあれよかったよかった。
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2020年07月03日

7/3古本を買って送ってまた買って。

昨日は古本神・岡崎武志氏に埼玉・東松山周遊に誘われていたのだが、所用があり断念。ささやかに吉祥寺に出たついでに古本屋さんを巡るに留まる。「よみた屋」(2014/08/29参照)でグラフ社「ミステリー美食紀行/菊池直子」を110円で購入し、「バサラブックス」(2015/03/28参照)では読売新聞社「推理小説読本/木々高太郎」を500円で購入し、「一日」(2017/08/11参照)では復刊ドットコム「藤子不二雄Aランド 怪人二十面相1・2」を計440円で購入する。…もはや吉祥寺は、古本の狩猟場として欠かせぬ街になったな。

そして本日は午前のうちに神保町へ。今回は午前十一時開店のお店に合わせるように、午前十時半過ぎに水道橋駅に降り立つ。『白山通り』をスルスルと下り(ひとつ気になることが。シャッターの下りた「神田書房」(2012/02/16参照)の店脇の柱に、管理会社の貼紙が貼り出されているのだ。ということは、もしや空き物件になってしまったのか?久しく開いているところを見かけないので、とても心配しているのである)、「アムール」(2011/08/12参照)で岩波文庫「註文帳/泉鏡花」講談社文庫「死の報酬/結城昌治」を計100円で購入する。『靖国通り』に入って午前十一時を過ぎると、「田村書店」(2010/12/21参照)ももう販売を開始している。すぐさま木製ワゴンに魅了されたひとりとなり、第一書房「詩法/マックス・ジャコブ」芝書店「Xへの手紙/小林秀雄」日進堂「趣味の動物/飯塚啓」を計700円で購入する。「詩法」には後見返しに、蔵書票を模した古い古書店ラベルあり。『峰元文雅堂 省線神田駅前』と書かれている。“省線”とあるからには、かなり古いものであることがわかる。店名から察するに、月島「文雅堂書店」(2008/07/14参照。森下移転後は2012/06/14参照)の一派だろうか?
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お昼過ぎに帰宅し、昼食を摂った後、大阪に三十冊ほどの古本を送り出す。駄本・珍本・探偵小説関連など、いつものように悩みに悩んで詰め込んだので、ルクアイーレ9Fの「梅田蔦屋書店」古書棚を、七月も引き続きよろしくお願いいたします。そして郵便局に出た足がそのまま高円寺に向き、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)でNEKO MOOK2420「レッツ・プレイ・フォルクスワーゲンvol.49特別付録 Kdfワーゲンカタログ」を100円で購入する。…フォルクスワーゲン専門の雑誌があるなんて、今の今まで知りませんでした。そしてこの購入冊子は別冊付録で、1938年発行のドイツの、ナチスが国民車として開発したワーゲンカタログの復刻版である。ポルシェも開発者の一人として登場している。
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2020年06月29日

6/29梅雨の狭間の古本屋回り。

昨日は、土曜日の時点で財布を無くしていることに、遅ればせ過ぎながら気付き、悄然と過ごす。だが、すぎ丸に乗る時に使い、その後は手も触れていなかったので、恐らくすぎ丸で落としたに違いない。そう当たりをつけ、運行している京王バスに電話し、落とした日時と財布の詳細を伝えると、何と永福町の営業所に当該財布が届いていると言うのだ。大喜び永福町に駆け付け、財布を無事に引き取る。受け取る時に、所定の用紙に名前や住所や電話番号を書き付けるのだが、その時に「これを何か証明するものはお持ちですか?」と係の方に聞かれるが、運転免許証も健康保険証もすべて財布の中…「す、すみません。すべてその中に…」というと、係の方は「ハハハハハハ、そうですよね〜」と笑って渡してくれた。ふぅ、一時はどうなることかと思ったぞ。

そんな己の招いた愚かなアクシデントを乗り越え、本日は午後に外出。そろそろ開いているのではないかと、保谷「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)を見に行ってみるが、すでに営業時間内なのに、パイプシャッターがガッチリと下りてしまっている。扉にはコロナ禍の休業要請に応え貼付けられた、二枚の休業のお知らせが貼られたままである…う〜む、これが貼りっ放しということは、まだお店は再開していないのだろうか?まぁ、また偵察に来ることにしよう。そんな風に空振りに終わったが、このまま空手で帰宅するわけにはいかぬので、大泉学園に出て「ポラン書房」(2009/05/08参照)へ。春陽文庫「清風荘事件/松本泰」を330円で購入し、ひとまず古本心を宥めすかす。続いて石神井公園に出て、「きさらぎ文庫」(2009/01/21参照)に立ち寄る。おぉ!岩波少年文庫46オリジナル版の「サル王子の冒険/デ・ラ・メア 飯沢許」をラック棚に発見する。NHKラジオドラマ『ヤン坊 ニン坊 トン坊』の原案となったお話でしょう!と喜んで抱え込み、文春文庫「旅芝居殺人事件/皆川博子」とともに計200円で購入する。なんだかエンジンの回転数が、無闇矢鱈と上がって来たぞ!そのまま南口駅前からバスに乗り込み荻窪へ。「竹陽書房」(2008/08/23参照)では河出文庫「家と庭と犬とねこ/石井桃子」アトリエ社 現代ユーモア全集第五巻「喃扇樂屋譚 碁盤貞操帶徳川夢聲」(函ナシ)を計600円で購入する。まさか『現代ユーモア全集』と竹陽さんで出会えるとは。これだから古本屋回りは、やめられないこたえられない。
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「竹中書店」(2009/01/23参照)は店頭ワゴンの中身がいつもとちょっと違っており、右側の二冊100円コーナーに、古い映画館の二番・三番館のニュースパンフが小分けされ並んでいる。パラパラと繰って行くと、『東宝映畫封切 阿佐ヶ谷 名画座』『阿佐ヶ谷オデヲン座』などがまとめられた一群を見つけたので、「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'92」パンフレットとともに100円で購入する。『阿佐ヶ谷 名画座』は駅南口にあったらしい。その跡地と思しき場所を遠望し、里帰りの記念撮影。
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そんな一日を締めくくるように、駅頭でカバーデザインを担当した本を受け取る。綺想社「綺想紙漿小説 スパイシー三昧壹 地獄船の娘 竜涎香の秘宝/ロバート・E・ハワード」。『剣と魔法の世界』を築いたコナンシリーズのハワードが、パルプマガジンに発表した、本邦初訳のB級アクションバイオレンスお色気小説…言わば逆ハーレクインとでもいいましょうか…いや、低俗で通俗的で大衆的で素晴らしい!うひゃっ、この文庫、糸縢りでスピンも付いてる。何でこんなに豪華な造りなんだ!と製作者に疑問をぶつけると「いや、どうせそんなに売れないだろうから、自分が楽しむために手をかけたんですよ」とのこと。全く持って物好きである。まぁそうでないと、こんな訳本は出版しないか。七月四日から「盛林堂書房」や「まんだらけ海馬」に並ぶと思うので、一風変わった刺激を味わいたい方は、お店で探してみてください。
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2020年06月27日

6/27「豊川堂」の様子が少し変わっていた。

今日は午後に桜上水の南に流れ着いたので、、谷から次第に脱するように北西に進路を採り、下高井戸に出る。踏切を渡り、マーケットのアーケードを横切って『下高井戸商店街』。あっ!「豊川堂」(2016/07/04&2008/09/09参照)が久しぶりに営業している!…いや、正確には、私が久しぶりに営業しているお店に出会えたと言うべきか…。そして、二つの扉を全開にし、そのためか次々とお客さんが店の中に吸い込まれて行く、今までに見たことのない賑わいの状況!釣られるようにして中に引き込まれると、左翼のコンクリ土間が、物凄く整理がいつの間にか進んでおり、床の半分を埋め尽くしていた本の山が片付けられ、左壁棚が上から下までちゃんと見られ、手が伸ばせるようになっている。おまけに棚下に、一列の新たな文庫ゾーンが出現しているのだ。おかげで店内には営業する気満々の姿勢が漲っているようで、清掃も事細かに施されているので、何だかとっても清々しい…これは、清新な老舗の古本屋さんだ。「豊川堂」の、そんな小さな変貌を楽しみながら、主に左壁の棚に気持ちを集中させる。すばる書房「十二人の絵本作家/瀬田貞二」を700円で購入する。児童文学研究&翻訳家の瀬田貞二が、ウィリアム・ニコルソン、ブルーノ・ムナリ、初山滋、小山内龍、エズラ・ジャック・キーツ、村山知義、ペール・カストール、樺島勝一など、内外の絵本作家の論考をまとめた一冊である。帰りのすぎ丸車中でちょっと読み始めると、各作家ごとに、代表作の絵本のページ構成を、詳細に文字で説明するコーナーがあり、絵本を文字で表すのが何だか逆説的で、難しいルートから山に登っているようなので、新鮮で屈折していて楽しい。
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2020年06月26日

6/26王子の「山遊堂」はあと数日。

王子の「山遊堂 王子店」(2008/08/31参照)が六月末に閉店するというコメントタレコミを入手したので、『六月末って、後幾日もないじゃないか!』と慌てて昼過ぎに駆け付ける。王子駅の高架島式ホームに降り立つと、こんもりと緑が生い茂る飛鳥山が、梅雨の間の晴れ間にギラギラと輝いている。北口から駅前に出て、歩道橋を渡って『明治通り』をグイグイ進む。そして小さなビルのお店にたどり着くと、軒の大きな看板がいつの間にか無くなっている。目立って『閉店』などとは貼り出されていないが、良く見ると、小さな『閉店セール 文庫本 ALL100円』『閉店のお知らせ 諸般の事情により、6月末日をもちまして閉店いたします。長年のご愛顧に感謝いたします』などの紙が、そこここにひっそりと存在している。店頭壁棚を一渡り眺めてから店内へ進む。一階はゲームやコミックや一般書が並んでいるが、単行本に混ざり文庫本も並んでいるので、注意が必要である。店内には『500円以上お買い上げは30%オフ(ただし100円の商品は除く)』の貼紙アリ。二階へ向かい、踊り場の古書コーナーに目を光らせてから、メインフロアの専門書・文学・文庫本ゾーンに身を浸す。棚はまだまだ嬉しいくらいにギッシリである。並びは新古書メインだが、古書も稀に紛れ込んでいるので、見逃さぬよう注意を払いながら通路を進む。む、む、む、む、む、む…と六冊ばかり掴み、二階のレジで精算する。作品社「天使/黙示/薔薇 笠井潔探偵小説集」創元推理文庫「戦場のコックたち/深緑野分」河出文庫「蟇屋敷の殺人/甲賀三郎」ちくま文庫「謎の物語/紀田順一郎編」講談社国枝史郎伝奇文庫「神秘昆虫館」光文社文庫「少年ミステリー倶楽部」「森下雨村 小酒井不木」共にミステリー文学資料館編を計950円で購入する。三階のコミック売場には足を踏み入れず、重い古本を携え、一階入口脇レジの「ありがとうございました」の声に送られ、暑い日が射す表に出る。このお店は、私にしては珍しく、同行者とともに訪れることが多いお店であった。2017年6月29日には古本トリオと『せんべろ古本ツアー』で。2018年10月28日には、古本神・森英俊氏とともに。王子からこの大きなお店が消えるのは、何とも寂しい限りである。
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家に帰って、大阪に送る古本を少し作り始める。
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2020年06月20日

6/20「一日」も再開していた。

正午過ぎに、いつかのように新川に流れ着いたので、トボリトボリ『吉祥寺通り』を北上して、車も人も自転車も恐ろしいほどの賑わいを見せる吉祥寺へ。行列の出来ているうどん屋の角を曲がって、高架脇の裏路地に入ってみる。おぉ!「一日」(2017/08/11参照)の『本買います!』の幟が翻っている。ようやく営業を再開してくれたのだな!待ちかねていたんだ!そう喜びお店に近付くと、ありゃりゃりゃ?アコーディオンシャッターがガッチリ閉まっている。だが、ガレージスペースにはしっかりと300均本が並び、お客さんの姿もあるではないか…そうか、入口をひとつにして、入店時の手指消毒を徹底しているのか。そう気付いて、開け放たれた入口扉に回り、消毒してから店内に飛び込む。すると左側のギャラリースペースでは、児童文学&絵本の50%オフセール中。見事にそこに吸い寄せられ、函入り児童文学ゾーンから、あかね書房「それゆけ ねずみたち/山元護久作 司修絵」を見つけたので、907円で購入する。連日の児童文学本買いである。「それゆけ ねずみたち」はネズミの言葉がわかる少年が、仲間のネズミとともに、空とぶ車を持つ星みがきチャンピオンのおばあさんを、星を狙うギャングの魔手から救うために、知恵と勇気と暴力で渡り合うアクションファンタジー物語…こう簡単に書くと、とってもクレイジーな作品であることが、端的に伝わるだろう。いや、実際にかなりクレイジーなのだ。だが、これが山元護久の本領&十八番と言えよう!
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函入り児童文学本の重さを慈しみながら、続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。すると、入口前の300〜500円棚で、春陽堂書店「續山窩綺談 掟(はたむら)/三角寛」を見つけたので、喜び勇んで330円で購入する。今日もタイミング良く素晴らしい古本に出会えたことを感謝しながら、渦巻く人波から離脱して阿佐ヶ谷に帰る。すると「ゆたか。書房」さん(2020/06/18参照)は、まさに予告通りに、店内の本を運び出しの真っ最中であった。棚が、どんどん空になって行く…。今まで本当にありがとうございました!とさり気なく目礼し、青々とした六月のケヤキ並木の下を、いつものように家路をたどる。
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2020年06月18日

6/18いつまでも覚えていよう。

お昼過ぎに曇り空の下の高円寺に流れ着くと、住宅街の中にある、たくさんの老人たちが昼間っから日常的に酒盛りをしている公園を発見し、衝撃を受ける。何というアナーキーな公園…。世の中には様々な社会的空間があるのだな。そんなことを感じながら駅近くに出ると、「都丸書店」(2010/09/21参照)が本日から営業を再開していた。店頭棚で創元社「秘境への旅/大阪読売新聞社文化部編」を掴み、手指を消毒してから店内で購入する。帳場には感染予防のためのビニールカーテンが下がっているのだが、店主がレシートを渡そうとすると、下に潜らせるのではなく、そのままビニール越しにぬぬっと突き出して来た。当然受け取れるわけがなく、程なくして気付いた店主は、「あっ、すみません」と下から改めて渡してくれた。こういうのは、慣れるまでがなかなか大変ですな。取りあえずは営業再開ありがとうございます。

歩いて阿佐ヶ谷に戻って「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に滑り込み、探偵小説関連古書棚に熱視線を放射する…よし、今日はこれを買って行こう!講談社小説文庫「平賀源内捕物帳/久生十蘭」である。表4に貸本屋の印が捺されているが、それでも破格の1050円で購入する。
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『中杉通り』に出て北に向かっていると、「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)のシャッターが半分上げられ、店内では二人のご婦人が整理作業を進めている。これは最近良く見かけていた光景なのだが、コメントタレコミにより「ゆたか。書房」店主はご病気で、ついにこのままお店を閉めることとなり、お二人は今週土曜日の本の搬出の準備作業をしていることが判明する。というわけで、今日がお店に入る最後のチャンスなのである。店内にしずしずと入り込み、お二人に声をかけると、閉店と搬出の事情を丁寧に教えていただく。その上で「よろしかったら、ぜひとも本を見て行って下さい」とのことなので、お店とお別れをするために、作業の邪魔をせぬよう棚を見て行くことにする。…あぁ、そうか、もうオヤジさんとは会えないのか。お店にちょっと通ううちに、いつしか道で出会うようにもなり(本当に何故か良く『中杉通り』で擦れ違ったのだ)、お互いに照れながら会釈を交わしたなぁ。小さなお店だったけど、この棚の硬さがいつでも心地良かったなぁ。などと感慨に耽りながら、最後の一冊を選ぶ。カバーナシの暮しの手帖社「燈火節/片山廣子」を“お気持ち”価格の500円で購入。お二人にオヤジさんへの「どうかお大事に」の言伝を頼み、お店を後にする。このケヤキ並木の広い通りに、小さな古本屋さんがあったことを、いつまでもいつまでも覚えておくことにしよう。…あぁ、俺の頭の中は、次第次第に、忘れてはいけない古本屋さんの思い出で、いっぱいになり始めている…。
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2020年06月17日

6/17「銀星舎」さんに挨拶する。

午後二時に北沢に流れ着いたので、ブラリブラリと下北沢に向かい、「ほん吉」(2008/06/01参照)店頭に姿を現す。ふむ、店頭棚に学研のB5ペーパーバック伝記物がたくさん並んでいるな…伝記の人物より背の執筆者に重点を置いて眺めていいく…須知徳平もお仕事しているな…それを確認してから上部の伝記名に視線を移す。担当しているのは宮沢賢治である。これは手に入れておいた方がよいな。そう決めて手指をアルコール消毒してから、店内へ。学研 小学生の伝記11「宮沢賢治/須知徳平」を110円で購入する。
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表紙の絵は、まるで渡辺篤史かはたまたドニー・イェンの如き宮沢賢治。巻末の須知徳平の著者紹介は、最後は『六二年「ミルナの座敷」で第三回講談社児童文学賞受賞。翌年「春来る鬼」で第一回吉川英治文学賞受賞。そのほか作品に「アッカの斜塔」「人形は見ていた」「石川啄木」などがある』と〆られている。「ミルナ」「アッカ」「人形」の三作が、児童推理文学である特異さに、古本心が震える…いつかは手に入れて、オールナイト三本立てで読み耽りたいものだ。

阿佐ヶ谷に戻り、営業を再開した「銀星舎」(2008/10/19参照)に立ち寄る。ちくま文庫 怪奇探偵小説傑作選2「横溝正史集 面影双紙/日下三蔵編」を700円で購入しつつ、ビニールカーテンの向こうでマスクをしながら笑顔を見せてくれた奥さま店主と再会の挨拶を交わす。旦那さま店主とともに蒲柳の質なので、しばらくは身体を第一に労りながらの不定期営業となるそうだが、開けていただいて本当に嬉しいです!また開いている時に飛び込みますので、どうかお体をお大事に!
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2020年06月16日

6/16三ヶ月ぶりの神保町パトロール!

買ったばかりの「世界探偵小説傑作集」を早速読み始めると、最初はフランスの詩人で劇作家ギョオム・アポリネールの『僞救世主』。一読して、オーバーテクノロジーが出て来るSFチックな作品なのに驚く。戦前の“探偵小説”というジャンルの懐の深さを感じるセレクトである。これを冒頭に持って来た水谷準はスゴい!

本日は午前十時半に神保町に入り込む。およそ三ヶ月ぶりの神保町パトロールである。まずは「三茶書房」(2010/10/26参照)で店頭の300均ワゴンに取り憑き、全集目録や文学館パンフの束に挑む。丁寧に繰って行ったおかげで、『横溝正史館』のリーフレットを発見。横溝が上諏訪に向かう際、乗物恐怖症なので山梨市でよく途中下車をしていたことが縁となり、東京・成城の書斎を移築し、出来た記念館である。300円で購入する。街を進んで行くと、空きテナントが少し目につく。新型コロナの影響なのだろうか…そして、とっくに午前十時を過ぎているのにまだ開いていない古本屋さんや、開店準備中のお店が多い。これはどうやら、感染予防のために営業時間を短縮し、午前十一時からの開店が増えたためらしい。やはりまだまだいつも通りというわけにはいかないようだ。やがてビジュアルも店内も重厚な「一誠堂書店」(2010/03/27参照)に差し掛かると、ガラスウィンドウの前に立つマスク姿の番頭さんが、親し気に手を振ってくれていた。「神保町に来たの、三ヶ月ぶりですよ」とご挨拶し、非常事態宣言下の神保町の様子などを教えていただく。やはりお店はほとんどが閉まり、一誠堂さんも営業を再開したのは五月中旬からとのこと。六月に入り、ようやく街全体も動き出しているが、まだまだ以前の客足にはほど遠いそうである。せっかくなので店頭で目についた、紐で括られた新潮文庫「シャーロック・ホームズの冒険」「思い出」「帰還」「事件簿」「最後の挨拶」「叡智」「緋色の研究」「バスカヴィル家の犬」「恐怖の谷」をいただくことにする。すると550円だったのを、何と440円にしてくれるという。思わず「まさか、一誠堂さんに負けてもらえる日が来るなんて…」と感慨深く呟くと、番頭さんと店員さんに笑われてしまう。その後は『白山通り』の「タクト」(2011/11/11/参照)で、春陽堂書店「戀愛曲線/小酒井不木」(復刻版。函ナシ)を110円で購入し、最後に「日本書房」(2011/08/24参照)へ。久々に柔柔和本タワーや古い文学本にうつつを抜かし、中央公論社「彼女等と語る時/片岡鐡兵」を800円で購入する。モダンな中央公論社・中間物選集(隨筆やコント)の一冊である。ちなみに同シリーズの淺原六朗「都會の點描派」の巻末自社広告には、『ジヤズとキネマとダンスのモダーンライフ! 自動車と高層建築とスポーツの都會交響楽! 感覺的な機智に富んだモダーンナンセンス! そしてマルキシズムとアメリカニズムの街頭行進曲! この近代的カクテルを召上がれ!』の乱痴気な宣伝文あり。そんなモダーンな一冊を最後に釣り上げ、神保町を後にする。それにしても、いつもの感覚でお店をハシゴすると、お店に入る度に手指を消毒することになるので、なかなか大変だ。消毒液の種類も各店で違うし、手はスースーしまくるし、いつか一緒に気化してしまいそうだ…。
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というわけで本日の嬉しい収穫。そういえば横溝センセイ、昨日BSで放送された映画『病院坂の首縊りの家』で、冒頭に長い時間出演され、セリフもメチャメチャたくさん喋っていた。さすがは文士劇でならしただけのことはある……と言っておこうか。
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2020年06月15日

6/15「古書現世」で割と大物を。

午前中、仕事を進めつつ印刷所と電話でやり取り。現在鋭意制作中の綺想社のクラーク・アシュトン・スミス短篇集第二巻のカバーについて打ち合わせていると、印刷所の担当者が「スミスさんの背幅ですが…」と大真面目に発言したので、思わず携帯を握り締めながら笑いをこっそりこぼしてしまう。よもや、怪奇幻想作家クラーク・アシュトン・スミスも、二十一世紀の未来の日本で、“スミスさん”なんて親しみ込めて呼ばれているとは、想像もしなかっただろう。

そして午後に外出し、早稲田へと向かう。目的は6/8から営業を再開した「古書現世」(2009/04/04参照)である。店頭ワゴンに煉瓦の如く積み上がる、黒い三島由紀夫全集を横目に、手指を消毒して店内に入ると、おや?以前より通路がスッキリと広くなっている。帳場に座る、いつものようにちゃんと大きな向井氏と目が合ったので、棚も見ずにまずは帳場にズズッと向かい、再会の挨拶を交わす。「古ツアさんが来てくれて、これようやく本当の営業再開ですよ」と、涙が出そうなことを言ってくれる。ご無沙汰しました。お元気そうで何よりです!これはしっかり何かを買って行かなければ…と休業中に整理の格段に進んだ通路店内を一巡。「現世」にしては珍しく、レア漫画評論関連・同人系復刻漫画・豪華漫画が幅を利かせているのが愉快である。だが、私が最初から買おうと思っていた本は、実は決まっていた。去年からずっと狙いを付けていた、存在感デカく売れ残っていた一冊、春秋社「現代世界探偵小説傑作集/水谷準選・江戸川乱歩監修」(函ナシ)である。読みたかったんだ。欲しかったんだ。夢に観てたんだ。売れずにずっと俺に買われるのをけなげに待ってくれていて、ありがとう!と、再会&再開を祝う心積もりで五千円で購入する。念願の古本を買った後は、三島由紀夫全集がホイホイ売れて行くのを目撃しながら、休業中のお店のことや市場のことや古本屋業界のことや催事や早稲田大学の封鎖や買取のことや『本の雑誌スッキリ隊』のことや「みちくさ市」の今後や高円寺の自粛警察について、あれやこれやお話しする。そして向井氏は「これで書物蔵さんが来てくれれば、正真正銘の再開になりますよ」とのこと。というわけで「現世」では、書物蔵さんの来店を心よりお待ちしているようです。
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車通りの何だか少ない『早稲田通り』で、「現世」を遠望しながら記念撮影。

帰り道、『早稲田松竹』前を通りかかると、おぉ!6/20からはロメロの『ゾンビ』と『死霊のえじき』の二本立てが始まるのか。これは素晴らしい。今の感染症に脅かされる時代を、巧みに表現してくれる粋なラインナップである。
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2020年06月14日

6/14少年名探偵特集号!

午後二時過ぎに雨の経堂に流れ着いたので、もっけの幸いと「大河堂書店」(2009/03/26参照)に足を向ける。雨なので、店頭はすっかり布やビニールなどでガードされているが、しっかりと営業中である。およそ五ヶ月ぶりの訪問…うぅ、また来られて、感無量である。入店にはマスク着用が必須条件で、また店内滞留も三十分が目安となっている。久々の店内を、詳細な品切れ文庫棚を、帳場周りに散らばるお薦め本を存分に楽しみたいのだが、今はまぁ仕方ない。素早く見て回ることにしよう。ふむふむ、岡本喜八が多数入荷している…それに古い少年漫画雑誌も積み重なっている…とその山を漁っていると、まだまだ薄い時代の「少年マガジン」が目に留まる…おやっ、そのうちの一冊の背に『少年名探偵特集号』とあるではないか。無闇矢鱈な探偵物好きとしては、これをスルーしたら沽券に関わってしまうな。そうひとりごち、1000円で購入する。駅で急行を待つ間、講談社「週刊少年マガジン 昭和36年 少年探偵特集号」を引っ張り出す(ちなみに掲載の連載漫画は、吉田竜夫『マッハ三四郎』白土三平『狼小僧』石森章太郎『快傑ハリマオ』ちばてつや『ちかいの魔球』などである。全138ページで、漫画と読み物が半々の割合)。さて、どの辺りが少年名探偵となっているのか?まずは表紙写真が横浜港に怪しい黒眼鏡の男を追いつめた少年名探偵の特写(撮影協力は衣装提供の西武百貨店)。巻頭折り込みカラーグラビア『パトカーのすべて』(裏の一色グラビアは『犯人を見わける科学そうさ』)。特集物語『かた目の黒人形』(作者不明。目ざとい少年が、タクシー強盗事件の重要目撃証言をする、雰囲気はあるが緩めの少年探偵小説))。新百科事典『きみとぼくの探偵大学』。これらが特集内容である。『きみとぼくの探偵大学』は、犯罪やその捜査や探偵に関わる小さな五十のコラムが、雑誌全体に散らばっている形式である。専用目次には『この事典をおかきくださった先生』として、日本探偵作家クラブ副会長・中島河太郎のクレジットがあるではないか。河太郎先生、良いお仕事、ありがとうございます!
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阿佐ヶ谷では「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、平凡社「世界探偵小説全集9 ブラウン奇譚/チエスタートン作 直木三十五譯」(箱ナシ)を530円で購入しつつ、店主の天野氏に六月二十日の開店九周年には、また古本購入特典イベントをやるのか聞いてみると、色々あってスケジュールがかなりズレ込み気味であるが、何かちゃんと用意するとのことであった。よっしゃ。楽しみに待つこととしよう。
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2020年06月11日

6/11今日もコンコ堂で大下宇陀兒を。

午後に永福町に流れ着き、今日は何処へ行こうかと思案する前に雨が降り始め、『井の頭通り』で猛威を奮う突風に傘をぐしゃぐしゃにされてしまったので、タッタカ浜田山まで進み、すぎ丸に飛び乗っておとなしく阿佐ヶ谷に帰還する。風は驚くほど強く吹いているが、どうにか雨はまだしのげる感じなので、家路を急ぐ。だが、店頭が雨仕様の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に、あえなく呼ばれてしまう。手指消毒を適確に済ませ、最初に向かったのは、気になる中央通路ミステリゾーンの大下宇陀児コーナー(2020/06/03参照)。欲しい本が、まだまだたくさんあるのだ…良かった、まだ売れていないな。もうすぐ俺が買ってやるからな…むむむぅ、良く見れば新しいのが追加されているではないか。慌てて手にすると、一冊は興亞書房「探偵小説 鐡の舌/大下宇陀兒」(昭和十五年再版。背に傷みアリ)、もう一冊は岩谷書店「僞惡病患者/大下宇陀兒」(昭和二十六年。岩谷のB6版シリーズ)である。
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ぐぐぐぅおう、何と刺激的な!値段を見ると、ともにさらに刺激が強過ぎる530円なので、大慌てで購入する。古本の神様、そして「コンコ堂」よ、今日もありがとう!雨の中、お店に気のせいかもしれないが呼ばれて、本当に良かった。これからもこの大下コーナーから目を離すわけにはいかないようだ。ちなみにこの二冊、それぞれに古い古書店ラベルが貼り付いたままなのが嬉しい。「鐡の舌」は『書籍賣買貸本 柳島書店東京・淀橋・戸塚』。「僞惡病患者」は『DAIGAKUDORI SAPPORO南陽堂書店』(2014/11/14参照)である。
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そして家に帰り着くと、最新刊の「本の雑誌 水しぶきヘチマ号」が届いていた。今月の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』は、緊急事態宣言直前のギリギリセーフで、新井薬師前の「文林堂書店」を秘密取材しております…実は、番台脇のミステリ文庫小型ゾーンが、日々頭の何処かで気になっているのです…。そして特集『献辞の研究!』では、二人の古本神、新保博久教授と森英俊氏がそろい踏み!もちろんミステリ作品の献辞についての論考なのだが、こんな素晴らしいことをやってくれるのは、今や「本の雑誌」くらい。こちらも合わせてお楽しみいただければ幸いです!
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2020年06月10日

6/10店頭で手帖文庫を。

お昼過ぎに中野坂上の谷底に流れ着いてしまったので、ヒイコラ東中野に這い上がると、ここ最近で駅前が激しく変貌しているのに、呆然としてしまう。だがいつまでも新しい街の風景を眺めているわけにはいかぬので、総武線に乗り込んで勇躍三鷹へ向かう。今日からいよいよ「りんてん舎」(2019/03/30参照)も営業を再開するのである。駅から日盛りの中をしばらく歩き、ドキドキしながらお店にたどり着くと、店頭と店内は、再開を待ちかねた古本修羅や近所のおばちゃんや絵本目当ての子供さんや、果てはバーコードセドリまでが古本に群がっている。まるで新しいお店が開店したかのようだ。かく言う私もおよそ二ヶ月ぶりの「りんてん舎」である。じっくりと店頭と店内を見渡し、大和書房「夜ごとの円盤 怪獣夢幻館/実相寺昭雄」を550円で購入する。レジ前のコミックの山を膝で突き崩してしまい、申し訳ありませんでした。ですがまたこれからも、良い古本をよろしくお願いいたします!その後はテクテク吉祥寺に出て、近頃お世話になりまくりの「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。路面に向いた店頭棚に近付き、まずは左端看板横の新書棚に目を向ける。すると、最上段に鋭い違和を感じ取る。少しブランクが出来て、ナナメになっている本のところに、小さな何処かで見たような本が…こ、これはっ!手帖文庫じゃないか!戦後すぐの、小さ過ぎて儚過ぎて粗雑でちゃちな、仙花紙本的文庫シリーズである。それ故、作家によっては希少価値の高い本が多いのである。上林曉「二閑人交遊圖」尾崎一雄「夏蜜柑」川崎長太郎「賣笑婦」大下宇陀児「決闘介添人」角田喜久雄「飛妖」などなど…。今見つけたのは「芭蕉名句集」であるが、それでもこんなものが店頭に出ているなんて、ちょっとした奇跡である。いつか「ささま書店」(2019/04/05参照)店頭で十銭文庫を見出した時と、同様の感激である(2019/05/27参照)。今日もしつこくここに足を向けて、本当に良かった。というわけで、地平社「芭蕉名句集」新潮社「エクソシスト/ウィリアム・ピーター・ブラッティ」ギンザ・グラフィック・ギャラリー「ブルーノ・ムナーリ」を計330円で購入する。かなり暑かったが、それでも良い古本日和と言えるような、成果であった。
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2020年06月09日

6/9次々営業再開中。

「太平洋ひとりぼっち/堀江謙一」をあっという間に読了してしまう。映画でもスリリングに描かれていた、ヨットに積み込む品物のリスト『〈マーメイド〉の財産目録』が13ページに渡るのは圧巻。中でも『書籍・雑誌』の項目に、「ヒッチコック・マガジン」「エラリー・クイーン・ミステリー・マガジン」「マンハント」が入っているのが愉快愉快。本日は中野に飛び出し、「まんだらけ海馬」(2014/02/15参照)で広済堂「獄門島/横溝正史」を110円で購入して、続いて西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)でダヴィッド社「新版イラストレーション/河原淳」を100円で購入しつつ、「フォニャルフ」棚を景気づけに入替補充する。「盛林堂」営業再開とともに、「フォニャルフ」も元気に動き始めていますので、西荻窪にお寄りの際は、ぜひとも覗いてやって下さいませ。そして素早く阿佐ヶ谷に帰り、すっかり営業再開している「ネオ書房」(2019/08/11参照)にも立ち寄る。いつの間にか、ワンコの立看板が出現している。
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切通ご夫妻もお元気で何よりである。毎日放送アニメ「愛の戦士レインボーマン 第18話『分解消滅?! レインボーセブン』」台本(見返しに主題歌の『レインボーマン』『愛の戦士のレインボーマン』は載っているが、さすがに『死ね死ね団のテーマ』は載っていない。やはりアニメ版だからか…残念)とソニーマガジンズ「モービー・ディック航海記/たむらしげる」を計748円で購入する。「モービー・ディック〜」はちょっと読みたかった一冊なので、こういう何気ない出会いは嬉しい。そして数枚のポイントカードや仮のポイントを、親切に一枚のポイントカードにまとめていただく。ありがとうございます。また買いに来ます!
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2020年06月08日

6/8荻窪に異変アリ!

昨日の記事に、衝撃的なコメントをいただく。何と七月に4/5を持って閉店した「ささま書店」(2020/04/05参照)が営業を再開するというのだ。そ、そんなバカな…大変に嬉しいことではあるが、いったいぃ〜〜っ!と大いに混乱してしまう。そこで本日昼食後、押っ取り刀で荻窪に駆け付ける。徒歩で、二ヶ月前までよくたどっていたコースである。あぁ、『青梅街道』沿いの『100円ローソン』がいつの間にか閉店している。などと、足が遠ざかった故に、遅ればせながら気づいいた変化に驚きながら、未だ黄色い日除けが力強く貼り出している旧「ささま書店」前…白いバンが横付けされている…貼紙のようなものは何も見当たらない…奥のシャッターを見ると半開きである…そして一度スケルトンになった店内は内装作業中で、新たな本棚の増設が認められる!…左壁に細かく設置されているのは文庫本棚だろうか…確かに旧「ささま書店」に、何か新しい動きが始まっているのは間違いないようだ。ではいったいあの四月の閉店ラプソディは何だったんだ…などと思わぬでもないが、きっと色々色々色々あったんだろう。果たして閉店の意思を翻し、お店を継続することにしたのか、それとも誰かがお店を継ぐことになったのか、詳しいことは不明である。再開するにしても、以前の「ささま」とはまた違ったお店になる可能性も高いはずだ。うぅ、本当にどうなってしまうのだろうか?だが、中央線沿線者にとっては、古本好きにとっては、とてつもなくビッグな出来事なのは間違いない。すぐに詳しい情報が飛び交うことになるだろう。また、荻窪に通う日々が、スタートしそうな予感に、古本心がザワザワザワリ。

ちょっと興奮しながら「竹中書店」(2009/01/23参照)前に立つと、店頭木製ワゴンにちょっとした変化が起きていた。いままでは二台とも300均だったのに(2017/06/08参照)、いつの間にか、左は200均に、右は二冊で100均となっていたのだ。右の値段札は板に直接値段を書いたものだが、左の200均は文字を木彫し色づけまでされている…休業中に手慰みに製作したのだろうか…。
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そして久々の「竹陽書房」(2008/08/23参照)ではみのり書房「1977 オカルト時代一月号」を300円で購入する。日影丈吉『むかしのオカルト映画』(主にドイツの表現派&怪奇映画について)中島河太郎『幽霊談義』(幽霊の定義を大真面目に論考)が載っているのだ。改装作業中の旧「ささま書店」を車窓に眺めながら高円寺に出る。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)にて河出書房新社文芸別冊「【総特集】夢野久作 あらたなる夢」「【総特集】澁澤龍彦 ユートピアふたたび」PHPグラフィックス4「新聞錦絵の世界 高橋克彦コレクションより」を計300円で購入し、ぬるま湯のような風を全身に浴びながら帰宅する。
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2020年06月05日

6/5「円居」が6/15まで閉店百均セール中!

昭和三十二年の学研「五年の学習3月号」掲載の連載ホームズ物『四つのなまえ/水谷準(文)』について、やはり北原尚彦氏はご存知であった。だが、この「五年の学習」は未所持と言うことなので、氏の元へ嫁ぐことが決定した。ふぅ、ひとまずお役に立てたようでよかった。そして氏からは、調布の「円居」(2009/03/02参照)が閉店セール中であることを教えられる。元々五月末に閉店の予定であったが、このコロナ騒ぎで駆け付けられなかったな…と秘かに嘆いていたら、6/15まで百均閉店セールを行っているとのことなのである。何はともあれ、店仕舞いに接することが出来るのは感慨深いことだ。そう考え、本日お昼過ぎに調布に急行する。すると、ビルの谷間の底のお店は、店内をすでにすっきり撤退一歩手前まで整頓し、まるで小さな古本市のように百均の文庫本・単行本・大判本・雑誌類を、ワゴンと壁棚と中央棚に並べているのであった。激しくスッキリしているが、何となくジャンルの位置に以前の棚造りの面影を留めている。店頭ワゴンには新書と文庫本、中央棚には文庫本、左壁棚には山岳・自然・海外文学・哲学・思想・歴史、右壁棚には日本文学・映画・音楽・美術と言った感じである。どうやら千円以下の値付の本を百円で大放出しているようだ。かなり思い切っている感じなので、並びの景色はスコブル良さげである。おぉ、店頭ワゴンに三一新書「殺人者の意思 列車爆破狂と連続射殺魔/鎌田忠良」があるじゃないか。と調子良く本を掴んで行く。グルグルと二周ほどして、Libro「恐怖/今村仁司監修」講談社「PUSH/横尾忠則」リブロポート「世界街頭広告図鑑/小田切慎平」シンコーミュージック「異人都市TOKYO/エスケン」などを選び、計500円で購入する。それにしても調布からこのお店がなくなってしまうのは、どう考えてもイタい…。
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帰りに明大前で途中下車し、「七月堂古書部」(2018/01/13参照)を見に行く。入口扉を半開きにして営業中なので、ホッとしながら美術出版社「おもちゃ/福田繁雄」を700円で購入しつつ、帳場にいた七月堂さんと再会を喜び合う。やはり七月堂も五月一杯は休業していたとのこと。しかも現在は不定期営業で、月・木が比較的良く開けているとのこと。「また買いに来ます!」と約束して、お店を後にする。
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2020年06月03日

6/3「ゆたか。書房」は七月末日閉店予定。

昨晩、ちくま文庫「紙の罠/都筑道夫」を思いの外読み進め、クライマックスに差し掛かったところで、どうしても日活映画『危いことなら銭になる』が観たくなってしまう。読めば読むほど、この原作の雰囲気を存分に生かした映画が素晴らしいことに気付き、読み終えるより、とにかく映画が観たくなってしまったのである。生憎とソフトは持っていないのだが、大昔に録画したVHSテープがその辺に転がっているはずだ…と、気持ちは一生懸命なのだが、わりと探し方は適当なので、見つかったのは『殺しの烙印』のテープだけであった…しかしこれも確か後の方にも何か録画しているはず。もしかしたら…と、デッキにガチャコンと放り込み、早送りする。…あぁっ!次に入っていたのは、同じ日活映画『拳銃(コルト)は俺のパスポート』(1967年)だったか。九十年代に日本テレビの深夜枠で放送されたのを録画したものである。ついついそのまま観始めてしまうと、たちまちVHSで滲みながらも硬質なモノクロ画面で進む、逃亡する殺し屋の物語に魅了されてしまう。原作は藤原審爾「逃亡者」である。うつむき加減の凄腕殺し屋・宍戸錠!弟分のジュリー藤尾!悪〜い内田朝雄!超絶可愛い小林千登勢!ラストの埋め立て地での、一人対四人+ほぼ装甲車ベンツ(悪者満載!)の銃撃戦は、間違いなく日本映画史に残るスピードと美しさとアイデア!そう言えばこのシチュエーションを、谷口ジロー+関川夏央の劇画「事件屋稼業」で、そのままいただいている回があったな。だが、あの深町丈太郎も、宍戸錠に負けず劣らず、しぶとく華麗であった…イカン、俺は何をやってるんだ…それにしても、映画内で宍戸錠の愛用している拳銃はベレッタなのに、なぜタイトルは『拳銃
(コルト)は俺のパスポート』なのだろうか…?

そして今日は「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の、待ちに待った営業再開日である。午後三時にいそいそと駆け付けると、入口には当然消毒液、帳場にはビニールカーテン。マスクをしっかり装着し、手指消毒して店内に進む。フフフフ、やっぱりいいなぁ、楽しいなぁ。ぬぉっ、中央通路のミステリ系棚に、古めの大下宇陀児が十冊ほど並んでいるぞ。仙花紙本や昭和二十〜三十年代の単行本で、中には裸本や貸本仕様のものも。古本屋さんならではの、ワクワクワクワクする景色である…値段が安めで嬉しい……よし、今日はこっから思い切って何か買って行こう。そして選んだのは、あまり見かけたこのない、文芸図書出版社「どろんこ令嬢/大下宇陀児」である。明るいタッチの装幀函から本を取り出し、パラパラページを繰ってみると、どうやら明朗系のミステリらしい。帳場で久々に天野氏と顔を合わせ、お互いの無事を喜びつつ3150円で購入する。また今日からよろしくお願いいたします。
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ウキウキと家路をたどるが、その途中で衝撃的な貼紙を発見してしまう。「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)のシャッターは相変わらず下がりっ放しなのだが、どうやら貼紙が変わっているようだ。近付いてみると『都合により七月末日にて閉店します。永い間のご愛顧ありがとうございました』と書かれていたのである。…くぉぉぉぉぉぉ、やっぱりそうなってしまったか…。だが、悲しんでばかりはいられない。まずはまたお店が一時でも開いて、古本が買える時が来ることを、楽しみにしておこう。
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2020年06月02日

6/2古本屋さんが開いていることは素晴らしき哉!

あるゲラのやり取りを光速で済ませ、午後に外出。始めは再開が待ち遠しい三鷹の「りんてん舎」(2019/03/30参照)の様子でも見に行こうと思っていたのだが、さすがに空振りすると阿呆らしいので念のため調べてみると、営業再開は6/10と告知されていた…危なかった。後一週間我慢することにしよう。そうだ、中村橋の「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)はどうだろうか?と調べてみると、嬉しいことに今日から営業再開だったので、関東バスに飛び乗り駆け付けることにする。人波がすっかり戻った商店街を進んで行くと、営業中の「クマゴロウ」だ。すぐさま店頭左の均一棚に張り付くと、久しぶりというようなブランク感は皆無で、たちまち楽しい古本探し感に、積み重なった休業中の時間の経過を麻酔されてしまう……ケイブンシャ文庫「世界一周ひとりぼっち/堀江謙一」をまずは発見…続いて石津謙介の見たこともない文庫本を最下段より引き出す。チクマ文庫「男の服装戦略/石津謙介著・中原幹生画」である。“チクマ文庫”はもちろん“ちくま文庫”とは関係なく、“千曲(ちくま)秀版社”という会社の文庫シリーズ。さらに単行本棚から八重岳書房「築地小劇場の時代/吉田謙吉」を掴み出し、感染予防のビニールシートが下がる帳場にて、計318円で購入。すると「古ツアさん!……しまった、古ツアさんが来るんだったら、棚を入れ替えておくんだった…」と後悔先に立たずの身悶えを店主が見せてくれた。こりゃぁ俄然、次来る時が楽しみだな。さらに、店主に世界遺産の本をせがむ先客のおばあさんが落とした一円玉に気づいて、拾って本の捜索を待つおばあさんに手渡しお礼を言われる。一円玉と言えど、大事なお金にかわりはないですからね。何はともあれ、古本屋さんが開いていることは素晴らしき哉!古本を買えることが、素晴らしき哉!
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2020年06月01日

6/1高円寺で今さら「星の王子さま」を。

朝から六月の雨を眺めながら、必死に連載の原稿書き。狙っていたお店の取材が、このコロナ禍で叶わなかったので、ちょっといつもと変わった形に仕上げてみる。正午ちょうどにヒイフウ原稿を送る。

そしておそらく今日からお店を開ける古本屋さんが多いと思うので、まずは地元阿佐ヶ谷を、傘を差し掛けパトロールする。ところが、「銀星舎」(2008/10/19参照)は下ろされたシャッターに『当面の間不定休の営業とさせていただきます』と貼紙が…そうか…まぁ、仕方ないな。早く開いているところに出くわしたいものだ。そう思いつつ『中杉通り』を渡り、細かな道に分け入って『旧中杉通り』の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照。そうか、今月でもうすぐ九周年を迎えるのか!)へ。はぅぁ!以前から貼り出されていたシャッターの貼紙に、新たな貼紙が加えられ『6/3より営業再開(予定)』とあった…あぁ、では水曜日を楽しみにしておこう。そして残念ながら扉を閉ざした「ネオ書房」(2019/08/11参照)の前に立つと、すでに営業は再開しているのだが、営業時間が午後三時からとなっている。現在午後一時五十五分…後日改めて訪れることにしよう。ちょっと古本心が逸り過ぎたか。そう反省しながら高円寺までピシャピシャ歩き、「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。店頭棚前に自転車を横付けし、時代小説に熱い情熱を注ぐおばあさんに遠慮しながらも、毎日新聞社「幕末明治の天才絵師 河鍋暁斎展」リッカー美術館「明治の反骨と風刺 河鍋暁斎版画版本展」平凡社「世界名画全集続巻16 ベン・シャーン」岩波書店「星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤濯訳」(函ナシ)を計350円で購入する。ベン・シャーンが嬉しいなと思っていると、店主の粟生田さんが「なんで「星の王子さま」を買うの〜?読んだことあるでしょ?絶対にもういらないでしょ?」と畳み掛けられる。「いや、ほら、突然読みたくなるってことあるじゃないですか」「だって持ってるでしょ〜」「いや、ほら、どっかにあるんだけど、簡単に見つからないから。五十円だし…」「あははははははははははは、みんなそう言うよねぇ〜」と押され気味に楽しくやりとりし、しどろもどろ。ところがこの本、後で家でしげしげと眺めてみると、後見返しに記名と蔵書印があるが、昭和三十七年の第一刷なのであった。ふぅむ、予想外の嬉しい展開。買っておいて良かった。いずれ何処かで古めの函を手に入れ、被せて上げることにしよう。安い古本は何はともあれ買ってみるものだ。
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