2020年09月13日

9/13油断ならない「竹中書店」。

本日は午後に芦花公園近くに流れ着いたので、関東バスに飛び乗り、環八を北上して荻窪へ。駅南口線路際の終点でバスを降り、フラフラと「竹中書店」(2009/01/23参照)へ。店頭の二冊100円ワゴンには、大量の映画&ミュージカルパンフが追加されているようだ。辛抱強く丁寧に、商店街を行き交うたくさんの人に背を向けて、薄手のアート紙冊子と曇り空の下で格闘する。ケイブルホーク「戦慄的サスペンス映画 フリッツ・ラング スペシャル「M」「マンハント」」をまずは確保。続いて東映「金田一耕助の冒険」を見つけたので計100円で購入する。「金田一耕助の冒険」は先日逝去した大林宣彦監督のナンセンス外伝的横溝映画。低予算ではあるが、わりと豪華なスタッフ&キャストが画面狭しと無闇に暴れ回る、映画業界のお祭り騒ぎ映画でもある。だが実は、角川文庫的探偵&推理小説お祭り騒ぎ映画の側面も持っているのだ。何たって、横溝正史先生が角川春樹からジュラルミンケース一杯の印税を貰ってほくそ笑むシーンがあるし、床屋の客として高木彬光が。またテレビ局のゲスト役で笹沢左保(凛々しいイケ面である)も顔を出しているのだ。同時上映は、村川透監督・松田優作主演のハードボイルド映画『蘇る金狼』(ただしクセの強過ぎる共演者たちが、よってたかって面白演技を展開しているので、優作が真面目にハードボイルドを演じれば演じるほど、周囲とのギャップが際立つ非常に楽しい映画となってしまっている)。ちなみにパンフ表4の『横溝正史フェア』の広告は、映画原作の文庫「金田一耕助の冒険1・2」とジュブナイル作品のみがラインナップされている。いやぁ、最近の「竹中書店」さんは、油断がならないなと感心しつつ、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。おぉっ、店内中ほど新書棚の横に、大量のポケミス棚が出現しているではないか。これは何か他にも動きがありそうだ…と察した矢先に、むぅ、新書棚にて古い新潮文庫「奇蹟の扉/大下宇陀兒」発見!多少疲れ気味だが、頑張って補強すれば、頼りになる手応えを取り戻してくれそうだ!と550円で購入する。
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2020年09月12日

9/12早稲田通りでちょっと結城昌治を。

雨が降ったり止んだりの中、所用あって下井草を訪れたので、やはりいつでも気になる元「芳林文庫」の前を戀に通りかかると…あぁっ、ついに店名木看板が無くなり(2018/02/09参照)、ここがマニアックなミステリ古本の供給源であったことは、もはや感じ取れない。だが中にはまだ、見たら涎が止まらなくなるような、探偵小説が渦巻いているのだろうな。相変わらずそんな愚かな妄想に囚われながら、トボトボ歩いてお家を目指す。途中『早稲田通り』沿いの小さな小さな『大鷲神社』にお参りして、「古本ブック流通センター」(2008/08/09参照)前で足を停める。視線を落としたのは漫画やノベルスの多い店頭ワゴンである。そのノベルの中に、一冊古めの本が混ざっている。文華新書138「狙った女 推理小説/結城昌治」である。こういうあまり見かけぬマイナー新書は、出会った時に買っておかなければ、次にいつ出会えるのかまったく予想がつかない。というわけで握り締めて店内に進むと、帳場には誰もいない。だがすぐに家の何処かからドタドタと動く音が聞こえ始め、しばらくすると、奥の引戸から奥さまが「お待たせしてすみません!」と姿を現した。いいえ、全然待ってないですよ。「あぁ、古い本ですね。拭きます拭きます」と丁寧にカバーを拭っていただき、百円で購入する。
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2020年09月04日

9/4探偵小説狂想曲はひとまず一段落。

朝から色々駆けずり回り、些事をこなす。午後もそんな調子で動き回り、荷物を持ってちょっと前を通りかかった「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚を見て息抜きしていると、店頭文庫棚補充のために店主・天野氏が姿を現したので挨拶を交わす。そして「夕方に、また本を売りに来ますね」と約束し、一旦お店から姿を消す。暑さが少しだけ収まり、西から迫る雲に太陽が隠れ気味で、妙に薄暗い午後四時過ぎに、バッグ一杯の古本を抱え持って、再びの「古書コンコ堂」。帳場の天野氏に本を預けたら、査定結果が出るまで店内をジリジリグルグル。おっ、お馴染みの探偵小説ゾーンに、微妙な変化アリ。香山滋の復刻版「怪龍島」と柳香書院「世界探偵名作全集5 陸橋殺人事件/ロナルド・ノックス作 井上良夫譯」(函ナシ)が出現している。すぐさま「陸橋殺人事件」を確保し、査定終了の声がかかるとともに530円で購入する。「いやぁ、ここ最近、売るにも買うにも大変お世話になってますなぁ。ありがとうございます」と言うと「せっかく来られるんで、少しだけ補充しておきました。でもさすがにそろそろネタが尽きかけていますが、ちょくちょくプレッシャーをかけてもらってよかったです。そうでなければ、あの探偵小説の山は、きっと何年も放置していたと思います」とのことであった。どうやら大きな塊はあらかた片付いたとのこと。でもまだ少し残っているらしいので、今後はゆっくりお店での出会いを待つことにいたします…というわけで楽しかった夢のような『探偵小説狂想曲』も一段落か。いや、それでもここ三ヶ月の日参するクセは、なかなか抜けずに、期待に胸躍らせて、店頭&店内を偵察してしまうのだろうな。
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柳香書院・世界探偵名作全集は全三十巻の出版予定だったが、何と六巻目で挫折。楽しみにしていた人たちをかなりがっかりさせたという。巻末の見開き自社広告がまた壮観である。こりゃ確かに、期待しちゃうよなぁ。
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2020年09月03日

9/3九月になって思うこと。

本日は武蔵小金井に流れ着いてしまったので、昨日同様突然の雨に傘を差しかけながら、あるひとつの情報を確かめに駅の北側に出る。……うぁっ!本当だ。「中央書房」(2009/03/11参照)隣りの焼き鳥屋が火事になり、別に焼け落ちてはいないのだが、「中央書房」も被害を免れなかった様子…まだ辺りに漂う焦げ臭い匂いを嗅ぎながら、長い間営業していると、本当に色んなことがあるのだなと実感する。
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そして噂では、「中央書房」さんはもうすでに新店舗の準備に動いているらしいとのこと。おぉ、新しいお店!怪我の功名と言うか、棚から牡丹餅と言うか、とにかくその素早い行く末が楽しみである。と言うわけで、何も古本を買わずに阿佐ヶ谷に舞い戻る。だが今日もいつものように古本は買っておきたいので、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に滑り込む。麗しの探偵小説ゾーンには、新たに香山滋の「魔境原人」と「木乃伊の恋」が出現!相場よりかなりお安めだが、やはりそこは香山滋のオリジナル本。ちょっとおいそれと手は出ない。なので以前から狙っていて売れ残っている本で、古本心を慰撫することにする。平凡社「建設者/國枝史郎」(函ナシ)530円である。ちょっと傷んでいるが、これはいつものように、木工用ボンドでちょちょいのちょいするとして、「建設者」は昭和四年刊の、國枝初の現代物長編小説である。その内容は、赤裸々な自伝的浪漫小説!言わば己の東京出奔後を伝奇小説的に展開する斬新な小説。中一弥の上手過ぎる挿絵が、浪漫小説に艶やかな花を添えております。
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…そう言えば九月と言えば、本来ならまだ暑い秋の「みちくさ市」の季節。残念ながら今回もコロナ禍ということで中止が決まっております。いつも古本を買いに来てくれるみなさま、話しかけてくれるみなさま、お変わりありませんか?またいつの日か、この騒動が終息に向かったら、その時はいつものように選んだおかしな古本をたちを介して、楽しく愉快にお話しいたしましょう。
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2020年09月02日

9/2帯から『冒険コロボックル』を思い出す。

午後二時過ぎに東小金井に流れ着いたので、突然の豪雨に土砂降られながら、平面で直線的な住宅街を縫い縫い、新小金井の「尾花屋」(2017/06/15参照)へ。着いたところで、ちょうど雨が通り過ぎて行った。傘を畳んで店頭で一息。やはりこのお店での注目ポイントは、左側店頭の安売絵本棚だろう。店頭カゴは雨のために店内に引き入れられているようで、これは後で見ることにする。すると最下段で、佐藤さとるの大判絵童話があるのを発見する。講談社 児童文学創作シリーズ(幼年版)「タツオのしま/佐藤さとる・作 村上勉・絵」。名コンビの昭和46年の作品である。これは47年の第2刷だが、帯が付いているのが素晴らしい。子供のために買われた児童文学や絵本で、帯が生き残る確率は、かなりの低さであろう。箱やカバーさえ、子供たちの激しい活動には、耐えられないのだ。華奢な帯なんて、すぐさまビリビリグシャグシャに。というわけで四十八年前の帯が残っているのを祝福して店内へ。ややや、いつの間にか中央に洋服掛けが出現し、洋服が売られている。こりゃいったいどうしたことだ。と驚きながら棚やカゴを見ていると、短時間に三人のお客さんが訪れ、みな本を買って行った…「尾花屋」さんが、すっかり地元に定着している様を目にしながら、「タツオのしま」を300円で購入する。佐藤さとる作品は、その人気のせいか、後年に様々なタイプの全集や作品集や選集などにまとめられていることが多いのだが、やはり出版当時のオリジナルが一番魅力的である(全集では「タツオの島」と漢字になっている)。

家に帰り、絵童話なのでスパッと楽しく読了し、唯一ある棚(一段だけだが)児童文学棚に挿そうとしたところで、おっ!これもそう言えば帯がちゃんと付いていたな、と気付く。講談社「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国/佐藤さとる」である。もはや新版なので絵は若菜珪ではなく、村上勉にバトンタッチしてからの本である。しかも昭和48年の第十四刷と別にめずらしくもないのだが、当時コロボックル物語を原作としたテレビアニメ『冒険コロボックル』の宣伝帯が巻かれているのだ。このアニメ、うっすら見てた覚えがあるなぁ。せいたかさんは原作と同じだが、コロボックルはボックル・クスクス・ラブラブという、わかりやすく現代的な名前になっていた。帯の惹句『「冒険コロボックル」の名原作』『いま、日本じゅうのテレビで大評判の「冒険コロボックル」その香り高い原作です!!』が泣かせてくれる。
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2020年08月29日

8/29「おへそ書房」は明日から開店予定!

凶悪に気温が上がり始めた午後に、武蔵境の南に流れ着く。砂漠を歩くような心持ちでアスファルトの上をズリズリ進み、中央線高架を潜って久々の「浩仁堂」(2011/02/15参照)へ。激安本の並ぶ店頭&小さな店内を一巡し、中央公論社「悪魔のいる天国/星新一」を買おうとすると、少し傷んでいるので、200円を100円にしていただく。ありがとうございます!外に出て、さらに気温が上がったのを実感しながら、「おへそ書房」(2019/07/28参照)にも足を延ばしてみる…あれ、閉まってるぞ。シャッターの貼紙を見てみると、何と店主が怪我をされたそうで、しばらく休業中だったらしい。だが、その貼紙の下に新たな貼紙が出現しており、明日8/30(日)から営業を再開する予定らしい。お店には入れなかったが、何はともあれよかったよかった。そして阿佐ヶ谷に戻り。「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)を偵察。元々社のSF全集が新たに出現しているな…ややっ!「虚無への供物」が売れてしまっているな…安かったもんなぁ…買っとくべきだったかなぁ…まぁいいや。まだ狙っている本は売れずに残っている。まだまだ売れそうにないが、そろそろ買っておいた方がいいかな…などと探偵小説棚の前で腕組みして思案する。…まるっきりの阿呆ですが、こんなこともまた、楽しいものなのです。

そういえばここで買った春秋社「山峡の夜/ジヨルヂユ・シメノン」を早々に読了。表題作の『山峡の夜』はアルザスのホテルで起こる盗難事件をきっかけに、宿泊客・地元民・警察・ホテル&旅館経営者&従業員が、国際的詐欺師の影に苛まされるお話。何と主要登場人物全員が、なんやかんやと片がつくのだが、決して◯◯にはならない、激シブで切な過ぎるな終わり方。思わず『ハチミツとクローバー』か!と突っ込んでしまったが、シメノンの素晴らしさを改めて認識する。併録の『北氷洋逃避行』ハンブルクから出航し、ノルウェーの淋しい港を伝って行く船の中で殺人事件が起こるお話。唇が紫になりそうなほどの、極寒旅情が全編に吹き荒れている…。
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これはデザイン的に素晴らし過ぎる扉。いよっ、探偵小説デザイン千両役者、吉田貫三郎!
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2020年08月28日

8/28お帰りなさい「アカシヤ書店」!

午後にテクテク歩いて取材を一本。そのままの足で西武池袋線に乗り込み、「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)の消息を尋ねてみることにする。前回訪問時は、まだ休業中の様子だったので(2020/06/29参照)、その行く末がとても気になって気になってしょうがないのだ(お店のツイッターも休業宣言のまま更新されていないのだ)。なのであまり期待せずに、保谷駅南口に出て歩道の極狭な交通量の激しい道路を伝い、お店のあるビルへ…あぁ、やってる!やった!…と思わず本当に叫んでしまう。
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しかし恥ずかしさより嬉しさが断然強く、早足で店頭棚に向かう。店頭台は大量の「サザエさん」と中国の孫悟空漫画で埋め尽くされている。期待の店頭百均棚は、ちゃんと入替補充が行われているようで、何が出て来るかワクワクしながら、一冊一冊の背に視線を注ぐ。六列見終わった時点で、腕の中には五冊の本が抱かれていた。店内に進み、一応入口前の大量横積み古書ゾーンもチェックする。ガサゴソガサゴソ嬉しいな!楽しいな!久しぶりだな!名曲堂「アメリカ映画/双葉十三郎」太平社「隨筆 この一球/福田雅之助」(大正時代にアメリカにテニス留学した選手のテニス随筆集である)毎日新聞社「マンガ亡国/藤島宇策」(カバーナシ)大日本雄弁會講談社 日本小説新書「小泉八雲/岡戸武平」ダヴィッド社「ぶっつけ本番 ニュース映画の男たち/水野肇・小笠原基生」を計550円で購入する。「アカシヤ書店」よ、お帰りなさい!また以前のように定期的に通うことを、ここに誓います!
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小酒井不木の弟子岡戸武平と、映画にもなったニュースカメラマンの縦横微塵な活動を活写した「ぶっつけ本番」が嬉しい。
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2020年08月22日

8/22やはり日参「コンコ堂」!

午後三時前に、都市の周縁に積乱雲がニョキニョキ湧き上がっているのを遠望しながら、南荻窪に流れ着く。徒歩で家路をたどりつつ、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に立ち寄る。どの通路にも棚前にも人が立つような、かなりの賑わいを見せている。店内BGMは何故か北野武監督の映画『ソナチネ』のサントラがエンドレスでかけられている。なので当然沖縄気分…もはや「古書ソナチネ」と言った感じである。そんな下らぬ思いに囚われながら、宝石社「別冊宝石 日本推理小説自選代表作集 1962.2」を330円で購入する。大乱歩の紫綬褒章受章記念号で、小説以外にも乱歩に関するエッセイや座談会が収められている。大河内常平の『うつし世は夢』は、飲み会をハシゴしながら、様々な人に乱歩が色紙を求められる話。大河内自身も、所持する愛刀に『うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと』と鞘書き(白鞘の側面に書かれる)と書いてもらい、大河内家の重要文化財に指定したとのこと…おぉ、紡ぎ出す物語と同じく素敵にクレイジー!植草甚一の『ミアンダリング』は、乱歩を相談役として田村隆一とともにハヤカワポケミスを始動させる話。そのポケミスの元となる原書を漁る古本屋として、六本木「誠志堂」と福吉町(赤坂)「河野」が挙げられている。

そして阿佐ヶ谷に帰り着き、今日も当然「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)を覗き込む。店頭では民友社「外交奇譚/蘆花生講演」という明治本を発見。当時の外交に関する面白話を集めた本を小説的に翻訳したものらしい。怪談なども入っているので、これは面白そうだ!と出会いを喜ぶ。店内では、もちろん探偵小説棚前に馬鹿みたいに屹立し、『おんどりみすてりい』や『ぶらっく選書』に混ざって、汎書房「Gストリング殺人事件/ジプシー・ローズ・リー 黒沼健訳」(裏表紙に紙テープ補修アリ。ジプシー・ローズは有名なストリッパー。そんな彼女が書いたこのバーレスク界を舞台にした探偵小説は、ベストセラーに。あとがきに二作目「お母さんが死骸を発見する」を執筆中とある。口絵にはタイプライターを叩いて執筆中の写真も。ただし代作説あり)が並んでいるのに気付いたので、先ほどの一冊とともに計640円で購入する。あまり毎日来て買って行くので、店主の天野氏が「なるべく品出しがんばります」とポツリ。いや、もうこうなったら、徹底的に買いますよ。全然読むのが間に合ってないけど、買いますよ!
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2020年08月13日

8/13「千章堂書店」が営業再開していた。

昨日は午後に井草に流れ着いたので、ちょっと線路伝いに西に歩いて「井草ワニ園」(2019/01/05参照)へ。あかね書房「けんはへっちゃら/谷川俊太郎・和田誠」を900円で購入する。店主と「外は雨降ってますか?」「まだです。でも恐ろしく黒い雲が近付いて、雷が鳴り始めています」などと話したそばから表に出ると、あっという間に土砂降りに。仕方なくマンションの軒先で、激しい水しぶきを呆然と眺めながら、三十分ほど雨宿りする…。「けんはへっちゃら」は六十年代出版の新装版だが、中身はそのままアーリー和田誠なので、すこぶる尖ってグラフィック的に洗練された絵本なのである。団地に住む少年の、現代的わらしべ長者物語なのだが、その過程で登場する拳銃『コルト・スナブノーズ・リボルバー。三二こうけい・六れんぱつ、ながさ一七センチ、おもさ五九五グラム』に目を奪われる。独特な機能美を、存分に顕在化させている、グラフィカルなイラストなのである。手元にある同時代の拳銃本、大藪春彦「世界拳銃百科」矢野庄介「拳銃図鑑」に当たってみると、スペックの詳細や図柄からして、どうやら宝石社の「拳銃図鑑」を参考にしている節がある。当時のGUNブームは絵本にも及んでいたのか。
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そして本日は所用を片付けて阿佐ヶ谷に戻ると、「千章堂書店」(2009/12/29参照)が豪雨ダメージから復活し、しれっと営業再開中であった。店内は巧みに修復され、何がどう変わったのかまったく見当がつかない…何はともあれ、阿佐ヶ谷古本屋事情がこれで安定した。そう喜んで、河出文庫「薔薇の供物/中井英夫」を150円で購入する。お店を出たところで、今日は定休日の「ネオ書房」(2019/08/11参照)の切通ご夫妻とバッタリ遭遇したので、慌ててご挨拶する。
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2020年08月11日

8/11ハイレッドセンターの絵本!

昨日は午後に入ったら阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に赴き、読了&不要本を買い取ってもらう。そうしていくばくかの軍資金を得て、体温のような気候の中を荻窪に向かう。「古書ワルツ 荻窪店」(2020/07/30参照)は、8/10〜16の間、店頭百均棚で開店セールを行っている。店頭本100円+税を十冊買うと、500円+税に割り引かれるというセールである。十冊ドババッと買いたいところだが、一冊だけつかみ、手指消毒して店内へ進む。うわわ、何だか通路の末端に結束本の山が築かれている…相当市場で買った感じ…これは、この山が店内から消えた後が楽しみだな…そう考えつつ、店内では一冊。河出新書「微笑/小島信夫」作品社「乱歩東京地図/冨田均」を計660円で購入する。さらに「竹陽書房」(2008/08/23参照)で講談社の幼児絵本「いそっぷどうわ」を100円で購入し、猛暑日のパトロールを終了する。

本日は小学生のように午前のまだ涼しいうちに仕事をテキパキ済ませる。そして正午前に世田谷方面に出たついでに、愛しの「大河堂書店」(2009/03/26参照)をパトロールして行く。やはりこのカバーナシの風太郎「落日殺人事件」は買っておこう。そして左奥の絶版漫画棚に昭和三十年代の捕物漫画があったので、ラッキーだなと抱え込む。最後に右端通路で棚下平台の「こどものとも」などのペーパーバック絵本列を漁っていると、一瞬ギョッとしてしまうほどの恐ろしき一冊を発見してしまう。高松次郎・赤瀬川原平・中西夏之の三名による前衛美術家グループ『ハイレッドセンター』(三人の名字の最初の一字を英語化して並べている)が作った絵本っ!三冊のうちの一冊、赤瀬川原平が絵を担当した「A Tale of Six Talented Men」である!値段は激安の520円!ぬぅおおおおっ、これだから俺は、この古本屋さんを愛して止まないんだ!憧れのハイレッドセンターのグッズを手に入れることが出来るなんて、とても暑いが幸せな夏になったぞ!そう思いながら、桃源社「落日殺人事件/山田風太郎」(カバーナシ)ひばり書房「水魔の足跡/鹿野はるお」(カバーナシ)LABO-TEACHING INFORMATION CENTER「A Tale of Six Talented Men from Grimm's Fairy Tales/Genpei Akasegawa Clive W.Nicol」(1976年刊で、本文の英文はc・w・ニコルが担当している。ちなみにハイレッドセンター制作の絵本は後二冊存在)を計1820円で購入する。
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あぁ、大変良い眺めだ…。

そしてそろそろ書店に並び始める「本の雑誌 いわし雲寝過ごし号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、連日お世話になっている阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」が登場。突然棚に出現し始めた、古い探偵小説群に色めき立つ日々をレポートしております。しかもこの『探偵小説狂想曲』は現在も継続中!ある方からのパトロール指令も下っているため、まだまだ毎日覗く日が続きそうなのであります。
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2020年08月03日

8/3久方ぶりの「十五時の犬」!

本日はのんびりと起き出し、午前十一時前に家を出る。突然訪れた強力な夏の日射しの下、テクテク歩いて荻窪へ向かい、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)を定点観測する。店内は週末の嵐を乗り越えた感があり、棚に所々ブランクが生まれているので、しめやかに補充が行われている。ライトに店内を一巡し、第一書房「僕の初旅 世界一周/ジヤン・コクトオ 堀口大学譯」(函ナシ)を330円で購入する。この、コクトオがヴェルヌの「八十日間世界一周」に憧れ、冒険的ポエジイを獲得するために始めた旅の記録!欲しかったんだ!読みたかったんだ!サンキュー、「古書ワルツ荻窪店」!冒頭のモノクログラビアにある、甲板で別れを惜しむコクトオと堀口大学が熱く抱擁する写真が、早速涙を誘う。そんな嬉しい収穫を得た後は、午後に高円寺へテクテク。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)でフィルムアート社「ムービー・マジックSFX物語/ジョン・ブロスナン」を200円で購入し、さらに「DORAMA高円寺庚申通り店」でワニブックス社「因果鉄道の旅/根本敬」を110円で購入し、久々に東側の『あづま通り』にも足を踏み入れてみる。こちらでは、「中央書籍」(2011/11/15参照)「十五時の犬」(2011/11/22参照)「越後屋書店」(2009/05/16参照)が開いているところを、久しく見ないのだが……おおぉっ!「十五時の犬」が開いているぞっ!時刻はちょうど午後三時過ぎ。これは素晴らしい光景に出くわしたっ!と、お店との久方ぶりの再会に古本心を高揚させ、手指消毒して店内に飛び込む。相変わらずの細かく不規則に本棚が立て込む迷宮的空間が魅力的である。SFパニック小説のダブり本が並ぶ棚は、なかなかに壮絶だな。そんなことを思いながら、マスク越しに息をひそめつつ、店内通路を一周。新潮文庫「ブラウン神父の純智/G.K.チェスタトン」を100円で購入する。
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あぁあぁ、「十五時の犬」が、開いている。ただし「中央書籍」と、斜向いの「越後屋」は開いていなかった…。
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2020年08月02日

8/2ハヤカワポケミス日本探偵小説・三羽烏!

本日は午後に上井草と西荻窪の間となる今川に流れ着いたので、南北東西に走る道を縫い縫い、『青梅街道』に出て「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)を訪問する。店頭には古本の詰まった小ぶりなダンボール箱がたくさん出されている。一通り眺めた後に、開け放したドアから店内に進み、手指消毒しながら久々のモンガさんと挨拶を交わす。なんとお店が通常営業となったのは昨日からで、それまでは基本的にお店にいてなんやかんややりながらも自粛を継続し、晴れた日に開けるくらい(それでも今シーズンの雨の降りっ放しだった梅雨を考えると、ほとんど開いていなかったということか…)だったそうである。ということは、なんというグッドタイミング。開いてて良かった。ロマン・ブックス「白い密室/鮎川哲也」を100円で購入し、最近の古本屋界のトピックとも言える「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)について、距離を保ちながら、しばし熱く語り合う。

そして阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、店頭百均文庫棚に並ぶ、心浮き立つ二冊が目に留まる!ハヤカワポケミス「殺人鬼/浜尾四郎」「ドグラ・マグラ/夢野久作」ともに昭和三十年代の初版である。すぐさまガシッと掴み出し、またもや手指を消毒した後、たちまち帳場にて計220円で購入する。実は最近j、某店で550円でハヤカワポケミス「黒死館殺人事件/小栗虫太郎」(初版)を入手したばかりなのだ。これで、ハヤカワポケミス日本探偵小説作家・三羽烏が、いきなり揃ってしまった。
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皆、自立するほど厚いのがステキ。それにしても一番早くポケミス化されたのは、「殺人鬼」だったのか。ちょっと意外な感じがするが、解説などを読むと、ヴァン・ダイン作品に匹敵する、戦前の本格の傑作ということで、ラインナップされたらしい。それにしてもやはり、後に続く二作が驚異的に笑っちゃうほど異端過ぎる…。
posted by tokusan at 17:41| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月30日

7/30「古書ワルツ荻窪店」は明日から通常営業らしい。

今日も何故か武蔵小金井に流れ着いてしまうが、随分南の国分寺崖線の谷底だったので、てくてく地道に東に向かい、西武多摩川線沿いに谷から脱出し、新小金井に姿を現す。「尾花屋」(2017/06/15参照)を楽しんで行こうと思ったら、残念ながら今日はお休みの模様。がっかりしながら北に歩き始め、閉店してしまった「BOOK・ノーム」(2020/03/24参照)跡地を寂しく眺めて東小金井に出て、中央線で帰路に着く。やがて荻窪駅を出てから、いつものように「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/19参照)の開店進捗状況を確認しようと、首を捻って車窓を熱心に眺めていると、あっ!店頭に本棚が出ている。開いているじゃないか!と驚き、阿佐ヶ谷駅に着くや否やダッシュでホームを移り総武線下りに乗り換えて、荻窪に逆戻りする。ハァハァしながら店頭に立つと、端には開店祝いの立花が置かれている。ほぉ、送り主は『ささま書店一同』…くぅ、何だか泣かせるなぁ。そして店内通路側は以前と同じだが、帳場奥の結束本の海だったスペースも今や開放され、三間円の壁棚と四本の低めの通路棚が新たに出現している。そのすべては基本的に古本市的ジャンル超越カオス安値棚である(ただし大判本ゾーンやCDゾーンあり)。何が潜んでいるかわからぬ棚を丁寧に丁寧に見て行く。棚の下方は蹲踞の姿勢でしゃがみ込み、どんな本でも見逃さぬよう…そんなことをしていると、あっという間に時間が経過してしまうのであった…た、楽しいが、真剣になればなるほど疲労が…だが、やめられぬ…そんな風に店内に四十分ほど滞留し、文藝春秋社「指と眼と鍵/樫原一郎」(カバーナシ)大東亞社「無敵潜水艦/海軍中佐古橋才次郎監修」(カバーナシ)青土社「猫の国ったら猫だらけ/吉行理絵編 滑川公一画」(猫好き吉行が集めた猫の詩アンソロジー。タイトルは収録の一作、岸田衿子の『あさっておいで』から採られている)を計1430円で購入する。途中一人のお客さんがお店の人に「書道の本はありませんか?」と聞くと「まだ、そういう専門的な棚を作っていないんですよ。すみません」…ということは、一部は今の状態と異なる、専門ジャンル棚をいずれは設置するということだろうか?そして調べてみると、「古書ワルツ荻窪店」の通常営業は、明日からということらしい。いよいよお試し不定期営業期間を乗り越え、火曜定休の本格営業に突入…早速馬鹿みたいに定点観測しに行くことにしよう。
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そして阿佐ヶ谷では、閉店してしまった「ゆたか。書房」(2020/06/18参照)の、シャッターに貼られていた『閉店のお知らせ』の貼紙が消えてしまった。この慣れ親しんだ看板も、消える日がいよいよ近付いているということか…。
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2020年07月29日

7/29計830円也!

昨日は精選した二十冊強の古本を大阪に向けて送る。探偵小説のエッセンス強めですが、いつものように役に立たないような奇妙な面白い本も潜ませてあります。それにしてもふと思えば、西のミステリ&探偵小説の雄である「ジグソーハウス」さん(2016/06/11参照)と肩を並べて古本を販売出来るというのは、何とも光栄なことである。こちらの棚の貧弱さは、力不足以外の何ものでもないが、何故か「梅田蔦屋書店」の中に生まれてしまった、謎のマニアックなミステリ&探偵小説古本ゾーンを、以後もよろしくお願いいたします。補充本はしばらくしたら、棚に並び始めることだろう。

本日は武蔵小金井に流れ着いてしまうが、坂の途中の「古本ジャンゴ」(2008/12/23参照)はお休みでシャッターを閉ざしている。というわけで、あっさりこの地を諦めて吉祥寺に飛び、ショートに古本パトロールする。「古本センター」(2013/07/01参照)では処分品棚から二玄社「世界の自動車28 フィアット/高島鎮雄」を80円で購入する。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)では店内50均文庫棚から、二葉玩具「ラッキーまんが ほがらかリップ/遠藤まさを」創元推理文庫「木曜の男/GKチェスタトン 吉田健一訳」を計110円で購入する。「ほがらかリップ」は昭和二十四年発行の駄玩具漫画本で、当時の値段は10円である。五倍に値上がりしていると言うわけだが、こういうものが五十円で買えるとは…。「木曜の男」は白帯がないが一応初版なので、こちらも嬉しい。そんな風に素早くパトロールを終えて阿佐ヶ谷に戻る車窓で、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/19参照)の、まだ何も書かれていない緑のテント看板が、ついに張られているのを目撃する。本格オープンが、いよいよ近付いているのだろうか…。阿佐ヶ谷では「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に迷いなく突入。萬朝報社「天人論/黒岩周六」日本文化社「江戸川乱歩 大下宇陀児 海野十三 探偵小説傑作集」を計640円で購入する。「探偵小説傑作集」は、乱歩は『鬼』、宇陀児は『烙印』、海野は何故か『痣のある女』『恐怖の廊下事件』の二篇を収録している。大体一人六十ページ強の割合なので、ほどい長さの作品が無く、揃えるために短篇二篇を収録と言う形になったのかもしれない。
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これが本日の収穫で、総額なんと830円!とっても嬉しい安さでござる!
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2020年07月22日

7/22古本を買ってプレッシャーをかける。

今日はネコの目のようにクルクルクルクル変わる狂った気候に追い立てられ、練馬の関町に流れ着いてしまったので、トボトボ歩いて吉祥寺まで出る覚悟でいたら、吉祥寺駅行きのバスが通りかかったので、飛び乗りたちまち吉祥寺へ。まず「一日」(2017/08/11参照)に赴いてみると、あれれ?今日も閉まってるじゃないか…と不思議に思いつつ入口ドアに近付き、アコーディオンシャッター越しにドアに貼られた小さな貼紙に視線を注ぐ。「7/15〜から自粛休業中。姉妹店の「百年」(2008/09/25参照)は営業中」と書かれているではないか。うぉ〜、そうか。仕方ないけど、さびしいなぁ…。だが気を取り直して吉祥寺パトロールを継続し、「古本センター」では六興出版「探偵小説談林/長谷川史親」を80円で購入し、「よみた屋」では店内の50均文庫棚から角川文庫「SFジュブナイル 星の彼方のアトランティス/クリスチャン・グルニエ」を55円で購入し、阿佐ヶ谷に帰る。一旦家に戻り、豪雨が通り過ぎるのを窓越しに眺めてから再び外出。駅頭で少し打ち合わせをし、その帰りに「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄る…探偵小説ゾーンに動き無し!と思っていると店主・天野氏がひょっこり姿を現し「こんにちは。増えてないでしょ」と笑顔で棚出しスローペースを自己申告。プレッシャーをかけるため、浪速書房「くちなし鬼語/大下宇陀児」(カバーナシ)を1050円で購入する。あぁ、早く続きが見たい……。
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表紙は何となく佐野繁次郎風な怪奇小説「くちなし鬼語」。
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2020年07月17日

7/17神保町と阿佐ヶ谷で古本屋的異変を察知する。

昨日は下石神井の街に流れ着いたので、上井草の駅前に出て「井草ワニ園」(2019/01/05参照)の顔を出す。雨が上がっていたので、店頭には華やかに100〜300均本が咲き誇っている。ちくま文庫&河出文庫コーナーもあり…いつもながら、すっかり古本屋さんの光景だなと思いつつ、偕成社「あかいふうせん/ラモリスさく ぶん・きしだえりこ え・いわさきちひろ」を300円で購入する。相変わらずトボけた味わいの店主さんに「最近どうですか」と聞いてみると、「古本の方は、近所のお客さんに支えられています。ありがたいです!」との答えが。というわけで、古本屋さんとして地元に定着している「井草ワニ園」なのであった…。

本日は午前中にちょっと外に出たついでに、ついつい電車に飛び乗って神保町に向かってしまう。雨は小雨が降ったり止んだりだが、古本の街の店頭は、当然軒並み雨仕様となっている。店頭に意識を集中するものとしては、なかなかツライ状況である。それでもビニールシートを捲ったり、店内に取り込まれたワゴンを覗いたりして、しっかりとパトロールして行く。あぁっ!怖れていた通り、「神田書房」(2012/01/26参照)のシャッターに空きテナントの貼紙が出現してしまった!…やはり閉店していたのか。
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旧態依然の神保町の面影を留めた小さなエロ本屋さんであったが、ここの二台の店頭激安文庫ワゴンには、本当にお世話になりました…。結局今回のパトロールでは「三茶書房」(2010/10/26参照)で新潮文庫「ワイルド詩集/日夏耿之介譯」を300円で買うに留まる。わかってはいたが、雨の日は店頭派には不利ですな…。阿佐ヶ谷に戻ると、駅北口の「千章堂書店」(2009/12/29参照)の様子が何来かおかしい。もう正午を過ぎているのに、シャッターは上がっているが店内は暗めで、通路でバタバタ何か作業しているのだ。ふと、軒に下がる、新たに出現した貼紙に目を留める。!!!!なんと、つい先日の大雨でお店が被害に遭い、修理する間の二〜三週間、休業に入るというのだ、再開目処は八月予定…ぬぅぅぅぅぅぅ、それは大変な災難でした。この二〇二〇年梅雨の異常な長雨が、まさかこんなところにも被害を及ぼすとは…。
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最後に「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、博文館「少年百科叢書第五篇 天界の観察/澤田順次郎」向陵社「美術叢書 埃及建築史/ベル」(函ナシ)を計640円で購入する。良き買い物である。
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2020年07月12日

7/12京王線沿いの古本屋さんが繁盛していた。

録画していた映画『ニノチカ』(エルンスト・ルビッチ監督。1939年製作)を観たら、あまりの面白さに悶絶してしまう。巴里が舞台の共産主義ギャグ満載の物語の妙も捨て難いが、まず何においても、主演のグレタ・ガルボ演じる、ソ連邦から難航する宝石売却の任務を遂行するためにやって来た、元軍曹の鉄の女“ヤクショーバ・ニノチカ”が、ツンデレの元祖的で(感情を表さず、観察&分析家で、口はいつも“へ”の字。でもとても好奇心旺盛で、結果的にハードルがちょっと低めなところが本当に本当にたまらないのだ)、クールビューティーなのにプリティー&キュートさ全開!というところに、たちまち虜になってしまう。これが戦前の八十年前の映画なのか!?と疑ってしまうほど、新鮮なラブコメディで、現在でも創り続けられている。異文化交流&貴種流離譚パターン映画の、源流のひとつなのではないだろうか。そんな風にして一日頭の中を“ニノチカ”で一杯にしながら、夕方に松原に流れ着く。東松原駅近くに出て「古書瀧堂」(2014/05/01参照)に立ち寄る。おぉ、なんだかお店には各通路にお客さんが立ち、繁盛している様子。店頭棚を眺めると、忠臣蔵関連の本が大量に並んでいるのが妙におかしい。久々のお店との再会を祝って、その動きの鈍そうな忠臣蔵関連の中から一冊を選ぶ。桃源社「侠客忠臣蔵.長谷川幸延」を110円で購入。

そして本日は仙川に流れ着いたので、駅南側の古本屋さんを見て回る。「文紀堂書店」(2015/03/31参照)では。ジェル消毒液で手指をスゥ〜っとさせて店内へ。お客さんが入れ替わり立ち替わり現れる中、通路を懸命に回遊。岩波書店「どうぶつのこどもたち/おはなし サムエル・マルシャーク」を200円で購入する。続いて路地裏の「石本書店」(2017/07/02参照)に向かうと、こちらも店頭店内ともに大繁盛。何か昨日から、京王線沿いの古本屋さんの盛り上がりを目撃している気がする…。ポケミス装幀擬きのフリースタイル「都筑道夫ポケミス全解説/小森収編」を1000円で購入する。ずっしり重くて分厚いなぁ、小さなお弁当箱みたいだ。
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2020年07月10日

7/10早くも二冊目のクラーク・アシュトン・スミス短篇集が!

雨→曇り→晴れ→雨→曇りと、天気のサイクルを短時間に阿呆のように繰り返す木曜日に、堀之内に流れ着く。環七に出てバスに乗れば阿佐ヶ谷駅にたどり着けるが、高円寺で古本を買って行くことにしよう。そう決めてトボトボ地道に歩を進める。『青梅街道』沿いの「ブックオフ新高円寺駅前店」を気まぐれに覗いてみる。入口前に、古い文庫がプラケースにごっそり入って安売されている。なかなか良い景色なので、真剣に漁ってみるが、結局心ときめく出物は見つからずじまい。ブルーシープ「ディック・ブルーナ ミッフィーと歩いた60年/森本俊司」を210円で購入して、そそくさと脱出する。そして、今日は開いているだろうか?と少し期待していた「アニマル洋子」(2014/03/14参照)は、残念ながらシャッターを下ろしている。最近まったくお店に入れていないので、とても心配なのである。もしかしたら、梅雨が開けて、晴れたら開くのかもしれない…。駅北側に出て「DORAMA高円寺庚申通り店」の店頭ワゴン前で立ち止まる。雨除けの分厚いビニール越しに、歪んだ本の背に目を凝らし、ちくまプリマーブックス86「百年前の二十世紀 明治・大正の未来予測/横田順彌」を110円で購入する。結果として、リサイクル店で古本を買った形になったが、古本が買えるのなら重畳である。そんなこんなで家に帰ると、そろそろ発売になる「本の雑誌」最新号『砂浜足あと競争号』が届いていた。というわけで今月の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、新型コロナ禍下の古本屋回りについて考察し、結局その間に一番訪れていたのは、阿佐ヶ谷「千章堂書店」ということが判明。まさに『ほぼ毎日通っていた古本屋さん』ということから、「千章堂」を取り上げております。やはり私はどんな状況下でも、古本屋がないと生きて行けない模様…。

本日は朝から古本の山と格闘し、読了本や不要本を一気にまとめ、お昼ご飯を食べてから「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に持ち込む。おっ、古い探偵小説ゾーンに、新顔のロマン・ブックスなどの新書サイズ本が並んでいる。よし、古本を売った金で何か買って行こう!店主・天野氏に挨拶して、カバン二つ分の古本を渡して、店内で査定を待つ。およそ十分ほどで交渉成立。書類に色々書き込んでいる時に、ひょんなことからお店のテント看板の話題になり、とってもとってもお金が掛かるものであることを初めて知る。そして新潮社 小説文庫「母子像」河出新書「愛情会議」共に久生十蘭を計1060円で購入する。新書サイズ本は「ちゃんと新しく何か出しておかないとマズいなと、プレッシャーを感じて、急いで並べておきました」とのこと。引き続きプレッシャーに背中をドヤされて、新顔を次々品出ししてくれるのを、心から期待しております。帰り道、「銀星舎」(2008/10/19参照)のダンナさん店主にバッタリお会いする。お元気そうで何よりです。お店の方もほぼ通常営業に戻ったようで、こちらも何よりです。

夕方、駅頭にてカバーデザインを手掛けた新刊、綺想社「妖蛆の王国/クラーク・アシュトン・スミス」を受け取る。アメリカのパルプマガジン「ウィアード・テールズ」などで活躍した怪奇SF幻想詩人作家の短篇集第二弾である。うぅっ、「妖蛆の王国」なんて、絶対に入り込みたくな〜い!などと思いつつも、恐いもの見たさ&気持ち悪い生物見たさで(ちょっと飴村行のエグさなどを連想してしまう)、やっぱり迷い入りそうな予感。同人出版なので、作品によって訳が拙い部分もあるが、それでもパルプマガジンの颶風は充分に感じ取れる面白さ。それに今巻は何と、かつて同人誌「リトル・ウィアード」に掲載された、荒俣宏訳の四作が収録されているのだ。うぉぉぉぉぉぉぉ、アリャマタ・コリャマタ先生、降臨!いつもの如く、西荻窪「盛林堂書房」の店頭や通販サイト、中野「まんだらけ海馬」で取扱が始まると思いますので、覚悟が決まったら存分にお楽しみ下さい!
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前巻と一緒に記念撮影。実は地の黒は、微妙に変えてあったりする。うむ、いかがわしいシリーズ物になっているのが誇らしいぞ!
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2020年07月08日

7/8未来派と「呪ひの塔」とカネゴン。

すでに昨日のことである。早朝に田山花袋「生」を読み終える。花袋の自伝的な、母の死に際にまつわる出来事を、巧みに詳細にドロリと描いた物語であった。死と生に正面と側面から向き合う暮らしとともに、舞台である早稲田・戸塚・目白などの、明治の様子が活写されるのが、心にジンワリと暖かで静かな感動を呼び起こす仕掛けが、素晴らしかった。午後に所用で中野へ外出。『中野ブロードウェイ』四階の「まんだらけ海馬」(2014/02/15参照)で文研出版「新訳シャーロック・ホームズの冒険/ドイル作 飯島淳秀」を110円で購入する。昭和45年刊の児童用ホームズ。収録阪は『赤毛連盟』『口のねじれた男』『青いルビー』『まだらのひも』『黄色い顔』『六つのナポレオン』となっている。最初の四作は「〜冒険」の収録作だが、『黄色い顔』は「シャーロック・ホームズの思い出」、『六つのナポレオン』は「シャーロック・ホームズの帰還」収録作である。背文字の“シャーロック”の入れ方が、なかなかアナーキー。
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さらに二階の「BOOKSロンド社」(2008/08/28参照)にて、大和書房ヤングアダルトブックス「怪獣ゴジラ/香山滋」を400円で購入する。北から表に飛び出し『早稲田通り』を歩いていると、よく「みちくさ市」出店時に古本を買ってくれる常連さんに偶然お会いする。今回のコロナ禍で家に閉じこもると、大量の古本と改めて対峙することになり、これは整理しなければ!とハタと気付いたそうである。読了本や雑本整理処分の真っ最中で、「いやぁ、もうそんなに本を買ってられないですよ。先行きのことも考えなきゃね」「これから何処行かれるんですか?」「あっ、盛林堂に行って、新刊のミステリアス文庫がまだ店頭にあるかどうか、見に行くんですよ」「か、買う気満々じゃないですか…」などとやり取りする。夜、ソニー・マガジンズ「モービー・ディック航海記/たむらしげる」をゆっくり楽しむ。漫画屋絵本ではなく、小説に寄った絵物語。72歳の“Q”が、伯父の遺産である機械生物とも言えるクジラの潜水艦(オタマジャクシのような大きさから、段々成長してようやく乗れるようになる。可愛い)に乗り、宇宙を旅するお話。たむら版「星の王子さま」ではないだろうか。

そして本日は祖師ケ谷大蔵の果てに流れ着いたので、エッチラオッチラ表通りに出て、久々の「祖師谷書房」(2009/03/05参照)の様子を伺う。シャッターは上がっているが、カーテンが閉まってしまっている…お昼休み中か。残念也。楽しみにしていたので落胆しながら駅に向かっていると、「DORAMA」が消滅しているのに気付いてしまう。店頭百均ワゴン、時々面白いのが拾えて好きだったのに。残念也。そんな落胆たちを家まで引き摺らぬように、下北沢で途中下車して「ほん吉」(2008/06/01参照)に立ち寄る。今日の店頭は何だか三百円本が豊かだ。双葉社「本棚探偵の冒険/喜国雅彦」(二刷。帯・月報付き)河出書房新社「ごっこ/山田稔」扶桑社「未来派2009/坂本龍一+細川周平編集」を計990円で購入する。「未来派2009」は1986年刊で、一見すると当時出された坂本龍一のアルバム『未来派野郎』の副読本のようだが、中を開くと正統なイタリア“未来派”のガイドブックなので吃驚。機械的ビジュアルが全ページに炸裂し、見応えあり。と言うわけですっかり現金に元気になり、阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、東方社「長編探偵小説 呪ひの塔/横溝正史」(貸本仕様。カバーナシ。背にテープ補修あり)が店頭にてギラリと輝いたので、即座に110円で購入する。

おまけ:祖師ケ谷大蔵の商店街は、駅から広がる様々な商店街が力を合わせ、『ウルトラマン商店街』と名乗り、幟や外灯やゲートで、ウルトラ的雰囲気を共有している。駅北口に出て、西に商店街を伝って行くと、かなり奥の方の『祖師谷ふれあいセンター』のエントランス部分に、実物大のカネゴンが座っているのを、本日初めて発見する。おぉ、これはまるで『ウルトラQ』の『カネゴンの繭』で、銀行前で女子行員の運ぶ小銭を狙うシーンか、腹が減って胸のカウンター数がドンドン下がって行くシーンのようではないか。こんな素晴らしいものが、いつの間にか建っていたんだ!と、いつまでもウルトラを卒業出来ない人間として、大いに感動する。
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2020年07月06日

7/6地道に二店を見て回る。

朝からある原稿のため、今年の己のブログを流すように読み返していたのだが、やはりコロナ禍による四月〜五月の緊急事態宣言下の四十八日間は、何だか微妙に息苦しくなって来る。少し東日本大震災の時と、肌触りがなんとなく似通っている。繰り返す読書も、開けてくれている古本屋さんを訪れることも楽しいことなのだが、やはり潜伏する感染の恐怖と、自由を奪われた生活には、緊張感が漂ってしまっているのか…とは言っても、今もまだそのコロナ禍の真っ最中なのである。何だか雨風の強い初夏であるが、まだまだマスクを装着し、手指消毒に務め、手洗いうがいを励行して行こう。

午後に外出し、営業を六月から再開していた東村山の「なごやか文庫」(2020/04/07参照)の様子を見に行く。店先に置かれた三つの無料本箱を覗き込み、手指消毒してから、すっかりキレイになった店内へ。新し目の単行本や漫画や文庫を漫然と眺め、結局右壁棚下の一列の古書ゾーンに注目する。それしても真面目な本ばかりだ…と浅ましいため息をつきながら、新潮社「画家のことば/香月泰男」NHK出版「テレビ作家たちの50年/日本作家協会編」を計400円で購入する。帳場には誰もおらず、小さな立て札が置かれている。『この時間は事務所窓口で』と古本の精算を促している。そうか、もはや無人販売は無くなったのか。古本屋さんゾーンから出て、ちょっと奥に入って事務所で精算する。帰りの車中で本を見ていて気付いたのだが、「画家のことば」は表見返しに『y・kazuki』のサイン入りであった…うぅぅぅぅぅぅ、嬉しぃっ!
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鷺ノ宮に戻り、テクテク『中杉通り』を南へ。そうだ、『早稲田通り』沿いの「古本ブック流通センター」(2008/08/09参照)もハシゴして行くか。東京都の休業要請中は、ちゃんと休業していたので、その後ちゃんと開いているかどうか気になっていたのである。おっ、店頭にガチャガチャの機械が出されている。営業再開しているようだな。店内に滑り込むと、前入った時と相変わらず変化のない状況。それでもブランクが所々に生まれている棚を念入りに検分し、岩波文庫「日本渡航記(フレガート「パルラダ」號より)/ゴンチャロフ」(昭和十六年第二刷)を100円で購入する。本は朽ちて行くばかりだが、お店が健在なので、何はともあれよかったよかった。
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