2018年11月16日

11/16坂の上の古本屋さんと家の古本の惨状と夜の古本会合。

中央線・武蔵野線.西武多摩川線・京王線に囲まれた天神町という街に、夕方前に流れ着いたので、バスに乗って武蔵小金井駅に出ることにする。だが駅に着く直前、『前原坂』にて途中下車。まるでスキーのジャンプ台のように雄大なこの坂の始まりにある「古本ジャンゴ」(2008/12/13参照)に立ち寄るためである。
jungo1116.jpg
ジャズの流れる店内でゆっくりとすべての棚に目を通し、平凡社「光の街 影の街/海野弘」を千円で購入する。全国各地に残る1920年代の知られざるモダン建築を巡る、センチメンタルな旅に蕩けながら帰宅すると、「本の雑誌 カレー蕎麦ダブル号」が届いていた。恐る恐る巻頭カラーの『本棚が見たい!』を開いてみる……だいぶ良く写していただいた、私の部屋が四ページに渡り晒されていた…うぅ、恥ずかしい。だがちょっぴり嬉しい!積み上がる本より、床に置かれたセロハンテープ台だったり、トランシーバーだったり、微かに見切れたスーパーファミコンだったり、古いパソコンだったり、軍人将棋だったり、宇宙人のソフビだったりが妙に気になってしまう。

そして午後六時半前に外出し、地球の影に切り取られた白い半月の下をテクリテクリ歩いて高円寺に向かう。熊本の「舒文堂河島書店」(2008/12/22/参照)さんの若旦那が七月に続き上京され(2018/07/06参照)、祝いの酒宴が「コクテイル書房」(2016/04/10参照)で開かれるためである。遠回りの道すがらで「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に寄り道し、姉妹社「サザエさん うちあけ話/長谷川町子」南柯書局「マルセル・シュオブ小説全集第四巻 小児十字軍」を計2600円で購入すると、店主の粟生田さんに「なんでサザエさんなんて買うんですかぁ〜?どこでも売ってるじゃないですかぁ〜」と言われつつ、さらにシュオブについては「買ってくれてありがとうございますぅ〜。長らく棚にあったんで、誰もいらないのかと思ってましたよぉ〜」と、色々畳み掛けられる。やっぱりここは楽しく面白い古本屋さんだ。

「コクテイル」では、河島氏+書物蔵氏&博覧強記の友人+盛林堂小野氏+岡崎武志氏と古本話にただひたすら打ち興じる(まだまだまだまだ知らないこと多し!)。あぁ、古本に関わる人生を送って来て、本当に良かったと思える、濃厚マニアックなひと時であった。
1116kaigou.jpg
posted by tokusan at 22:21| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月13日

11/13北九州からの手紙

午後に浜田山からすぎ丸で帰って来る途中、「あきら書房」(2016/03/28参照)のことを思い出し、『青梅街道前停留所』で下車し、しばらく歩いて脇道の先にある民家兼お店にたどり着く。実はここ最近、開いているところを見ていないのである。いつ来ても、風雨に晒された物品が門前に積み上がり、お店である部屋の雨戸は閉ざされているのだ。残念ながら今日も同じ状態であった。
akira1113.jpg
お店を引き継いだ奥さまも、ご高齢だったので、ちょっと気になってしまうのである…また見に来ることにしよう。テクテク歩いて阿佐ヶ谷駅まで出て、「千章堂書店」(2009/12/29参照)に立ち寄る。中公文庫「探偵夜話/岡本綺堂」を200円で購入する。そして家に帰ると、身に覚えのない小包が届いているではないか。ビリビリと開けてみると、北九州を拠点に古本活動に猪突猛進している古本乙女のカラサキ・アユミさんから届いた、ニューヨーク旅行土産であった。おぉ、洋行!中身は、一口チョコレートの袋詰め合わせと、NYの古本屋さんで見つけたという本バッジである。…うぅ、ありがとうございます!来週末の南陀楼綾繁氏とのトークツアーのご成功を、遠い東の地で古本を手にしてお祈りしています!
omiyage_karasaki.jpg
そして大阪の「梅田蔦屋書店」に新たな四十冊ほどの古本を送り出す。もうしばらくすれば、店内カフェ「4thラウンジ」の古書壁棚に収まるはずである。緩く気合いの入った新刊「青春18きっぷ古本屋への旅」もそろそろ並び始めるはずなので、西の皆さま、可愛いフレッシュな古本たちとともに、愛して止まない新刊を何とぞよろしくお願いいたします!
posted by tokusan at 17:35| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月12日

11/11古本を買いながら『岡崎武志素描展』の最終日に駆けつける。

すべて昨日の穏やかな日曜日のお話である。昼食後に外出し駅に向かっていると、久々に古道具屋「J-house」(2015/12/26参照)の店頭に本が並んでいる。美術やお茶関係の大判の本ばかりだが、台の下に積み上がった本も良く見て行くと、輸送箱入りの美術出版社「独歩 魯山人芸術論集」を発見する。箱を開けると、お弁当箱のような函入りの本が出て来る物質感に満ち満ちた本である。これを「魯山人の勉強でもされるんですか?」とお店の人に問われながら108円で購入する。…嬉しいが、早速古本で重くなってしまった…そのまま西荻窪に向かい「盛林堂書房」(2012/01/06参照)着。湘南探偵倶楽部叢書 臨増版2号「都会の怪獣/楠田匡介」(雑誌掲載時そのままの復刻。ちなみに同臨増版の1号は橘外男の「獄門台の屋敷」である)を2800円で購入し、早く読みたくてたまらないのだが、ここからは盛林堂小野氏が同道し、今日が最終日の「岡崎武志素描展」を観に向かうことになる。中央線に乗って様々な古本話に花を咲かせながら、まずは八王子で途中下車。小野氏がまだ訪れたことのない+「青春18きっぷ古本屋への旅」取扱店の「古書むしくい堂」(2018/01/03参照)へ。大泉書店「大阪五人娘/藤沢桓夫」を500円で購入し、店内の様子を観察すると、お客さんが程よく滞留し、皆ちゃんと本を買って行くのに感心する。帳場では小野氏とむしくい堂さんが深い古本屋話を展開している…すっかり古本屋さんらしくなっちゃって…と偉そうに感動した後、お店を後にする。その後は電車の遅れにスムーズな行程を阻まれながらも、どうにか高尾駅着。ビル内名店街にある「高尾文雅堂」(2009/11/18参照。残念ながら二階のメガネ屋前の古本売場はお休みであった…)を覗き、丹頂書房「崩壊感覚/野間宏」を500円で購入する。そんな軽い古本屋巡りを経て、すっかり暗くなった住宅街で迷いながら、豪華な民家の一部を改装した「ギャラリー白い扉」に到着する。
okatake_sobyouten.jpg
玄関を入る早速「岡崎武志堂」の小棚二本が出迎えてくれたので、芳名帳に記帳するのも飾られた絵もそっちのけで、古本に集中。平凡社ライブラリー「変身綺譚集成 谷崎潤一郎怪異小品集」を650円で購入する。気付けば会場内は既知・未知の方々で賑わいを見せている。ギャラリー主のロックンローラーの雰囲気をスマートに放つ高橋氏に、「岡崎武志素描集」編集&デザイン担当として挨拶をすると、素描集の作品ナンバーの入れ方を激賞される…ふ、不思議な褒められ方もあったものだ。なんだかくすぐったくなりながら、居合わせた方々と居間での楽しい宴会に突入する。日本酒をしこたま飲み、あっという間に酔っ払いつつ、岡崎氏・小野氏と今回の迅速な仕事を褒め合ったり、高橋氏が岡崎氏の詩に曲を付けた歌をギター&ハーモニカで披露したり、吉田拓郎の話に打ち興じる。「そう言えば岡崎さん、今「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に、ちょっと古めの写真が満載の拓郎のギターブックみたいのが売ってるんですけど…」と報告すると、即答で「買っといてくれ」ということになる。指令が下されたのなら、命を賭しても買わなければならない。すっかり日本酒で酔っ払ってしまった身体に鞭を入れ、一足早く小野氏とともにみなさんとお別れする。暗い夜道をたどり、中央線に乗って東へ…高尾は遠いなぁ。阿佐ヶ谷に着いて、まだ灯りを点している「コンコ堂」に滑り込み、音楽コーナーの平積み陳列部分を漁ると、あったあった。自由国民社「よしだ・たくろうの世界」、昭和46年発行の新譜ジャーナル別冊である。これを1030円で購入しつつ、店主・天野氏に「青春18きっぷ古本屋への旅」の取扱を厚かましくお願いする。すると置いていただけることになったので「これからも古本買います!古本売りに来ます!」と大喜びで変なお礼を言ってしまう。とにかくありがとうございます!というわけで無事に指令も完遂し、長々と同道して来た小野氏に「神田古本まつり」で気になっていた本を売れ残っていたら買うことを約束し、一段と酔いを深めて帰宅する。
1111syukaku.jpg
日曜日の収穫たち。
posted by tokusan at 04:27| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月18日

10/18池袋「夏目書房」は50%OFF閉店セール中。

正午過ぎの池袋西口地下改札を抜け、そのままお店が無限に連なるような、賑わいの地下通路を伝って『池袋マルイ』脇から地上に出る。すると目の前から『立教通り』が始まっているので、そこにスルリと入り込む。南側の狭い歩道を、学生たちと肩を並べながら歩いて行くと、ほどなくして十月下旬には閉店してしまう「夏目書房」(2008/07/05参照)に到着した。店頭にはたくさんの『閉店SALE』のビラや『夏目書房さよなら閉店セール』のポスターが貼り出され、『30%OFF』セールが、ついに『全品50%OFF』に移行した旨が書き出されている。以前の、街の中にひっそり溶け込んでいた店頭とは一変した賑々しさに溢れている。さらに店内に入り込むと、すでに棚の所々にブランクが発生し始めており、たくさんの人が古本を眺めているではないか。古本マニアらしき人から、通りがかりのサラリーマン、それに普段はお店に近寄らぬ男女学生の姿などが、各通路に展開している。…全品50%OFFの威力、恐るべし。そう感じながら、古洋雑誌・絶版漫画。人文書・文庫本・映画・美術・音楽・サブカルなどに視線を注いで行く。やはり一番充実しているのは、右端通路の美術作品集&図録の棚で、村山槐多・清宮質文・田中恭吉などなど目を惹くものが残っている。ウンムムムと吟味して、武蔵野美術大学美術資料図書館「柳瀬正夢 疾走するグラフィズム」(柳瀬が手掛けた本や雑誌の装幀と、子供用雑誌に描いた挿絵をまとめたもの)を50%OFFの千円で購入する。恐らくこれがこのお店での最後の買物である。ありがとうございます。そしておつかれさまでした。嗚呼、もうすぐ、池袋西口から、最後の古本屋の灯が消えようとしているのです…。
nastume_heiten.jpg
帰りは住宅街を抜け、鈴木三重吉の住居跡前を通ったりして目白に出て、裏通りの「貝の小鳥」(2009/06/14参照)に立ち寄る。福音館書店《こどものとも》307号「ムッシュ・ムニエルのサーカス/ささきまき さく・え」(ささきまきの制作風景漫画が掲載された折り込みふろくがちゃんと挟まってる!)を400円で購入する。
posted by tokusan at 15:37| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月12日

10/12入稿完了!

本日は正午前に、三鷹の北にある緑町に流れ着いたので、よっしゃ!久々に「藤子文庫」(2016/03/27参照)を急襲してみよう!と、朧げな記憶をたどりお店に到着。だがお店は閉まっていた…営業は午後二時からか(ガラス窓には開店時にはなかった、古本買取案内や営業時間などの白文字がプリントされている)…古本屋さんらしい営業時間だ。と妙なところに感心し、気ままに吉祥寺まで歩いて行く。「一日」(2017/08/11参照)のガレージ前を通りかかると、ずいぶんと本が増えたようだ。中央に300均単行本の軍艦島があり、その周りを棚や護衛艦島が取り巻いている。フムフムフムと一周し、アグレマン社「ジャズ三度笠/奥成達」を324円で購入する。
ichinichi1012.jpg
どんどん古本屋さんらしくなっていくガレージなのである。

さらにツラツラ駅を越え、「よみた屋」(2014/08/29参照)で小学館 新学習図鑑シリーズ16「航空機の図鑑」三才ブックス「radio LIFE創刊6月号 縮刷復刻版」を計200円で購入する。家に帰ってからは、ついに「青春18きっぷ古本屋への旅」の完全データを入稿する。いぃぃぃぃぃぃぃ、やったぁ!これで何もなければ、後は本が物体となって完成するのを待つのみに!早めに本の宣伝データを作っておくか。というわけで、詳細は近日発表。お楽しみに!
posted by tokusan at 16:26| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月11日

10/11作業が佳境。

色々な作業か佳境に差し掛かり、てんてこ舞いの日々。だが昨日は、武蔵境に流れ着いたのを幸いにして、「浩仁堂」(2011/02/15参照)にて青土社「新年の手紙/田村隆一」カッパブックス「合気道入門/植芝吉祥丸」を300円で購入s。今日は八幡山に流れ着いたのを良いことに、駅近の「グランマーズ」(2011/12/23参照)の様子を探りに行く。……あぁっ!無くなってる!すでに串焼き屋がオープンに向けて準備中ではないか!ご婦人が地道に、七年近く頑張っていたお店であったが、大変に残念である。古本屋さんが一軒あるだけで、それだけで街が少し豊かになるはずなのに、何故こんなことに。もう、こんな、飲食店ばかりの景色は、うんざりだ。古本屋さんを、古本屋がある景色を、俺にくれっ!と慟哭する。がっくり項垂れて家に帰るが、気分を立て直して様々な作業に取りかかる。喫緊の課題であった、「青春18きっぷ古本屋への旅」は、ほぼ入稿するだけの形となり、どうにかスケジュール通りに今月末の出版に漕ぎ着けられそうである。また同時進行で焦りながら制作中の岡崎武志氏の素描集も、ひとまずはまとまった。後は要所要所を詰めて行くだけ…というわけで、ヒィヒィ言いながらも、引き続き頑張ります!
1011.jpg
写真は「青春18きっぷ〜」の一色プリントアウト束と、預かっている岡崎氏の絵。猫が、黒猫が、可愛いぞ!

そしてそろそろ発売になる「本の雑誌 ばらばら靴出勤号」の連載『毎日でも通いたい古本屋』さんでは、愛している早稲田のお店「古書現世」(2009/04/04参照)が登場。店猫・コト(茶虎。多少目つき悪し)の可愛さに、みなさまどうか悶絶していただければ。
posted by tokusan at 15:58| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月09日

10/9神保町で特殊な春陽堂少年文庫!

朝から机にへばりついて仕事に熱中していると、いつの間にか午後の二時。慌てて家を飛び出し、神保町に急行する。つい一昨日に「LOFT9 BOOK FES.2018」で飲みながら喋りまくった、古本神&エロ漫画編集者の塩山芳明氏との打ち合わせのためである。だが、古本屋さんは少し巡って行こう…ということで「三茶書房」(2010/10/26参照)の300均ワゴンでSURE「酒はなめるように飲め/北沢恒彦 酒はいかに飲まれたか/山田稔」を見つける好調な出だしに、『今日は何か買えそうだぞ!』と甘めで都合の良い予感を身体に走らせる。『書泉グランデ』で塩山氏と落ち合い、地下の喫茶店にて打ち合わせ。肝心の話はお互いにプロっぽく手早く済ませ、後は日曜にあれだけ話したのに、さらなる楽しい無駄話をペチャリクチャリ。その中で、氏が学生時代に、旧古書会館の中にあった「第一書房」(現在は本郷で営業中。2011/08/16参照))でアルバイトしていたことを知り、驚く。非常に良くされ、仕込まれ、こき使われていたそうだが、不義理にも半年で逃げ出してしまったとのこと。よもや氏に古本屋勤務経験があったとは…。「いやぁ、悪いことしたなぁ」と忸怩たる思いを吐露しながら、塩山氏の顔はとても嬉しそうな笑顔なのであった。氏と別れた後は、年末にはお店を閉めるらしい、ビル五階の「古書かんたんむ」(2011/12/31参照)へ久しぶりに足を運ぶ。相変わらずゴチャゴチャした、紙が崩れつつあるような古本迷宮である。なので、探す楽しみに満ちあふれているので、神経を集中して大量の棚を一本ずつクリアして行く。すると中盤の「けやき書店」(2013/02/07参照)の棚にて、春陽堂少年文庫を発見し、小躍り。「聖フランシス/山村暮鳥」「少年漢詩讀本/小村定吉」「家庭用児童劇/坪内逍遥」の三冊であるが、どれも300円なのである。恐らく表紙に大きくスタンプが捺されているためなのだろうが、ところがどっこい、これが素晴らしいスタンプなのである。『株式會社春陽堂書店出版部 禁持出し』…つまり出版元の蔵書印なのである。これなら何の問題もない!と計900円で購入する。
syunyoudou_stamp.jpg
赤・茶・青と、三色そろい踏み。やはり「聖フランシス」が嬉しい。挿絵は洋画家の鈴木信太郎である。
posted by tokusan at 18:14| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月27日

9/27「豊川堂」の運命やいかに!?

今日は世田谷の赤堤に流れ着いたので、住宅街を縫って縫って縫いまくり、下高井戸駅に出る。そしてナナメの踏切を北に越え、『下高井戸駅前市場』の中を潜り抜け、小さな商店街に顔を出す。行く手には、「豊川堂」(2016/07/04&2008/09/09参照)の袖看板が見えている…だが、お店はやはり閉まっているのか。ここはまさに昔ながらの古〜いタイプの街の古本屋さんであったが、先頃店主が物故され、去就が大変気になっていたのである。この平日にシャッターを下ろしてしまっているということは、お店は辞めてしまったのであろうか。だが、シャッターには『閉店のお知らせ』などの貼紙は見当たらない…判断が難しいなぁ。しかしあの懐かしい市場を抜けて歩いて来れば、いつもお店はひっそり開いてくれていたので、シャッターが下りてしまっている光景には、やはり一抹の寂しさを覚えてしまう。また後日、偵察に来ることにしよう。その時は漠然とした不安を払拭するように、元気に開いてくれていたらよいのだが。
0927toyokawadou.jpg
帰りは浜田山まで出て、すぎ丸で阿佐ヶ谷に帰り着く。どうにか古本は買って行こうと、「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)の重いガラス扉を開ける。角川文庫「歯科医のロック/サエキけんぞう」BL出版「プフとユピーのクリスマス/ピエール・プロブスト」を計600円で購入する。「プフとユピーのクリスマス」は『カロリーヌの物語』シリーズの作者による、サブキャラのプフとユピーが活躍する絵本。2004年の出版だが、出ていたことも知らなかった。裏表紙には『カロリーヌプチえほん』とあるので、どうやらこちらもシリーズ物らしい。それにしても、プフ(白猫)とユピー(茶犬)は、本当に可愛いなぁ。
posted by tokusan at 18:54| Comment(6) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月22日

9/22昨日も今日も古本を買っていました。

昨日は千歳烏山に流れ着いたのだが、北口に出て「イカシェ天国」(2008/09/23参照)に足を向けることなく、下り電車に乗って隣駅の仙川まで出る。そしていそいそ「文紀堂書店」(2015/03/31参照)に向かうと、店内入口前に百均文庫棚が収納された雨仕様である。ここは日除けのテントがだいぶ大きく張り出しているのだが、それでも念入りに店頭棚の下部や脇がビニールで覆われている。店内に入ると女の子の先客がいたので、狭い通路でバッティングせぬよう、気配を察知して棚を見て行く。中央通路左側の棚は、以前は文庫がビッシリ収まっていたのに、今は文庫面陳の余裕棚に変貌を遂げている。入口左横の棚上に、こうの史代の名作漫画「夕凪の街 桜の国」が飾られているのだが、それをそっと退かすと、文庫サイズの古書が六冊ほど隠れるように並んでいるではないか。むっ、日本小説文庫「一寸法師/江戸川乱歩」があるが、三千円か…ぬっ、乱歩訳の「妖犬」もあるじゃないか。千円か…よし、これにしよう。というわけで平凡社「妖犬/コナン・ドイル作 江戸川乱歩譯」(昭和廿一年の第二刷。初刷は昭和五年なので、十六年ぶりの再版と言うわけである。ちなみに“ワトソン”は“ウオトスン”と訳されている)旺文社文庫「ボロ家の春秋 他五篇/梅崎春生」河出文庫「詐欺師ミステリー傑作選/小鷹信光編」を計1200円で購入する。家に戻ると、ある取材のお願いメールが届いている。以前も話があり、その時はある事情を包み隠さずお伝えすると、サラッと流れてしまったのだが、今回はその事情も丸々受け止めると言う…う〜ん、どうしたもんかなぁ…相当アナーキーなことになると思うけどなぁ…。
bunkidou_rain.jpg
このように店内に百均文庫棚が引き込まれております。

そして本日は砧に流れ着いたので、祖師ケ谷大蔵駅の北側までズンズン出張って、道すがらの「ドラマ祖師ケ谷part2店」で、中公文庫「本郷菊富士ホテル/近藤富枝」ちくま文庫「たましいの場所/早川義夫」を計216円で購入し、無事に「祖師谷書房」(2009/03/05参照)に到着。今日はサッシ戸が二つとも開けっ放しである。いつものように狭い通路に身を滑り込ませ、丁寧に棚を観察して行く…するとやった!良いものを引き当てたぞ!誠文堂「増刊 廣告界 廣告漫画集」である。昭和九年刊の、東京朝日新聞が懸賞付きで募集した、ヘチマコロン・カルピス・メヌマポマード・ウテナクリーム・モダンシャンプー・仁丹・クラブ歯磨・明治キャラメル・森永チョコレート・月桂冠・キッコーマン醤油などなどなどの、広告漫画を集めた図案集である。これが破格の1500円!う〜む、素晴らしい。他に新潮社「棒になった男/安部公房」小沢書店「箱舟時代/長田弘」とともに帳場に出し出すと、合計金額から200円のサービスとなり、計2500円で購入する。オヤジさん、ありがとうございます!
koukokukai.jpg
posted by tokusan at 17:45| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月04日

9/4当店のベストスリー

台風が関東に猛威を奮い出す前に、どうにか豪徳寺に流れ着く。ならば「靖文堂書店」だなと心を決め、ちゃんとサッシドアを開けたお店に飛び込む。入口横の児童文学棚を腰を屈めて見ていると、チャイルド社おはなしチャイルド第31号「がんばれねずみたち/作・山元護久 絵・高橋透」を見つける。作者はテレビ人形劇「ネコジャラ市の11人」(2017/09/16参照)や犯罪アクション童話「ピストルをかまえろ」(2017/10/22参照)を手掛けた人物である。これも恐らく奇天烈な物語なのだろうと頁を開くと、案の定ギャングの悪だくみを聞いたネズミが、あらゆる乗物に乗り込んで逃げると、ギャングたちがあらゆる乗物で追いかけて来ると言う、スピードアクション絵本であった。もちろん買うことにする。他に集英社コバルト文庫「ふしぎBOOK/グループMUSS編」講談社「衆妙の門/金子光晴」人文書院「物の見えたる/安東次男」を選び、計500円で購入する。

この「靖文堂書店」のサッシ扉には、「五反田遊古会」のポスターや営業時間などが貼り出されているのだが、その中になんだか見慣れぬ一枚を発見する。タイトルは『当店のベストスリー』とあり、●レコード・LP1枚100エン●洋書 オール1冊100エン●書道関係となっており、最後に■店の三分の一は文庫中心とあるのだ。…これは、何のベストスリーであろうか?売り上げなのか、得意分野のベストスリーなのか?…まぁ値段が書かれているのと、最後に文庫について書かれているので、“お店の売り”ベストスリーなんだろうなぁ。ウフフフフ、何だかアサッテの方向を狙っているようなアピールが、愉快ではないか。
seibundou_best3.jpg
posted by tokusan at 16:24| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月02日

9/2取材にて久々の益子へ。

今日は例の岡崎武志氏との古本屋旅本の取材にて、単独で遥々栃木県の益子へ。生憎の空模様であったが、大好きでたまらない久々の「内町工場」(2011/07/24参照)で、期待していた通り楽しい珍しい古本を買いまくれたのが、えも言われぬ快感であった。四年ぶりに訪れたというのに、店主がちゃんと覚えてくれていて感激する。古道具と古本が美しくせめぎ合う、内町工場バンザイ!このお店は益子の宝です!例えば欲しかった1937年刊の河出書房「モーパッサン短篇全集3 怪奇小説集 娼婦小説集」が100円何て言うのは序の口。店奥の古書棚が、目をつぶれば、鮮明に目蓋の裏に浮かんで来る始末である。他にも上物児童文学など買っているのだが、これは本書のお楽しみということで(今さらながら思う。あれもこれも奮発して買ってくれば良かったと…)。と言うわけでこの緩めな小旅行についても、明日、早速原稿を書いてしまおう。鉄は、熱いうちに打てっ!
mauppasant (1).jpg
写真は益子駅の大壺前にて、「モーパッサン短篇全集」の扉を開くの図。
posted by tokusan at 17:25| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月29日

8/29店猫・コト

連載の取材のため早稲田古本屋街に向かう。道すがらの阿佐ヶ谷では、現在「銀星舎」(2008/10/19参照)が8/31まで臨時休業の真っ最中で、「千章堂書店」(2009/12/29参照)も「所沢古本まつり」のために今週来週とお店を休む日が多い模様。少し寂しさを覚えながら、東西線に揺られて早稲田駅で下車する。件の古本屋街では、「渥美書房」(2015/04/24参照)の店頭で場違いとも思える講談社コミックス「八っ墓村1/影丸譲也 原作・横溝正史 」を見つけたので100円で購入する。その後『早稲田通り』両岸の様々なお店の店頭を覗いた挙げ句「古書現世」(2009/04/04参照)に尻を据え、店主の向井氏と長話をしていると、突然棚裏のバックヤードから、店猫のコトが奇跡的に顔を見せてくれた(コトは内気であまり姿を見せず、向井氏にもようやく最近撫でさせてくれるようになったくらいである)。向井氏が「あぁっ、珍しい。出て来ましたよ出て来ましたよ」と喜ぶ。本の山の上に、四つ足ですっくと立ち、「ニャオ。ニャオ」と何かを訴えている。あぁ可愛い。そしてこれも奇跡的に写真を一枚撮らさせてもらい(撮った瞬間、向井氏が「あぁ、カメラ目線だ!」と興奮)、古本を買うより満足を得てしまう。いつの日か、撫でさせてもらえるくらい、仲良くなりたいものだ。
gense_neko.jpg
お店を出た後は高田馬場駅まで歩き、駅裏の「Book Taste」(2009/07/01参照)に立ち寄る。お店には週刊誌を売りに来るナゾの人たちが次々と現れている。幻冬舎新書「科学的とはどういう意味か/森博嗣」を290円で購入すると、レジの恐らく中国人のおばちゃんが、こちらの長髪をお団子で縛った髪型を見るなり「うわぁ、ステキ!」と花の様な妖艶な笑顔を見せた。「そういうの大好き」と言いながら手を握るようにしてお釣りを渡し「また、来て下さいね」とビリビリ秋波を送りまくる。…ここ、こんなお店だったっけ?
posted by tokusan at 15:39| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月23日

8/23「モンガ堂」で涼む。

午後二時前に桃井辺りに、暑さのために塩塗れになって流れ着いたので、『青梅街道』沿いの「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)に這々の体で避難する。…おや、今日は表に一冊の本も箱も出ていないじゃないか…やっていないのだろうか?窓から店内を透かし見ると、天井の蛍光灯は点いている。おかしいな?と首を傾げながらドアを開いて涼しい店内に進む。うわ、各通路が、古本箱で一杯になっており、足の踏み場もない。右を見ると、帳場に縮こまって座るモンガさんの姿。「どうしたんですか、本出さないで」「いや、雨が降るかなぁ〜と思って」「雨、夕方からですよ」「アメッシュ見てると、西からも東からも雨雲が迫って来てるんだよ」…と言うわけで店内は乱雑になっているわけである。それでもモンガさんと古本屋話や原民喜の話をしながら、入れるところには入り込んで、古本を探って行く。すると、中央通路の奥の箱で、大阪朝日新聞が出した古い簡易写真集を見つけたので、帳場に持ち込み値段を訪ねる。「あれ?こんなのあったっけ?」と、オトボケ顔のモンガさん。「あったんですよ。自分のお店なのに、忘れてるんですか」「いやぁ〜。もうさすがにね。もうすぐお店開いて六年だから」…あぁ、「モンガ堂」も、もうそんなに営業しているのか。全く持って、素晴らしい。これからもブツクサ言いながら、頑張ってもらおう。そんなことを考え、大阪朝日新聞社「世界周遊畫帖 第一輯」「西日本現代風景」を計二千円で購入する。
nishinihon_gendaifukei.jpg
乱雑な中央通路をバックに「西日本現代風景」(昭和六年)を記念撮影。オープンカーで海辺をドライブするモボともモガが、日本画のようなタッチで精緻に色鮮やかに描かれている。そして中には華々しい昭和初期の都会風景が満載。稲垣足穂や西東三鬼が親しんだ『トア・ロード』の一枚が感激である。
toa_road.jpg
posted by tokusan at 16:31| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月16日

8/16「ささま書店」、変化する!

昨日は千歳台に流れ着いたので、祖師ケ谷大蔵駅に向かって進路を採りつつ、『祖師谷通り』を南下して行く。途中の「祖師谷書房」(2009/03/05参照)が開いていれば良いのだが…おっ、お盆なのにちゃんと開いている!ありがとうございます!と足を停め、まずは右側の児童文学本の、山となっている本の背を、サッシガラス越しにチェックして行く。路上で中腰体勢となり、山の下部にもしっかり目を通して行く。すると、「せんにんのひみつ」のタイトルを発見したので、スラッと戸を開け店内に横向きに身を滑り込ませ、本の山一列を半分ほど持ち上げ、ポプラ社の創作童話5「せんにんのひみつ/斎藤了一作 池田仙三郎絵」を華麗に取り出す。箱から本を抜き出し、黄色が鮮やかな後見返しの値段を確認すると、250円!この瞬間にお店が開いていて、この本に出会えたことを大いに感謝しながら、左側通路にも登場。酣燈社「鞭を鳴らす女/岸田國士」とともに計750円で購入する。
sennin_no_himitsu.jpg
仙人の山『花雲山』で、仙人になるべく修業する、モウとワンの物語。一癖も二癖もある、個性的な仙人たち四人が与える、奇抜で突飛な試練がとにかく過酷なのである。

本日はテクテク歩いて、お盆休み明けの荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)へ。実はさる情報筋から、この休みの間に「ささま書店」が小さな店内改装を行うと密かに聞いていたので、楽しみにしていたのである。店頭棚を見るのもそこそこに店内へ入ると、左側の壁棚が、日本文学・日本近代文学・ミステリ&SF・幻想文学・海外文学・詩集となり、その向かいの通路棚も古本&本関連・文学評論・詩歌となっている。…こ、これは!奥の改装だけではなく、ジャンルの配置転換も行われたのか!少し焦りながら、帳場前を通過して奥のゾーンに向かうと、左奥に新たに棚に囲まれた作業場があり、スチール棚で作られた通路は、従来の角度を付けた配置ではなく、入口からの直線に倣うように、真っ直ぐ置かれている。ここには漫画・サブカル・音楽・映画・精神科学などが集まっている。ということは、映画棚のところも入れ替わっているのか。これは変わらぬ途中のナナメ棚にも変化が認められる…これほど大掛かりだったとは…どうやら出直してのツアーが必要となりそうだ。驚きながら何も買わずにお店を出て、『今月の「本の雑誌」連載での「ささま」の店内説明が、すっかり過去のものとなってしまった…』などと考えながら、「岩森書店」(2008/08/23参照)前を通りかかる。ぬ?店頭台の脇に、古い文庫が詰まった百均箱が出されているな…大抵は岩波文庫だが、角川文庫「注文の多い料理店/宮澤賢治」が気になったので手にしてみると、この文庫はオリジナルの「注文の多い料理店」を、わりと忠実に文庫化したものであることを初めて知る。オリジナルの扉絵や挿絵が掲載され、巻末には『『注文の多い料理店』新刊案内』が附録として付けられているのだ。108円で購入する。この後は西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、ついに二段となった「フォニャルフ」に補充&微調整を加える。
posted by tokusan at 15:01| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月10日

8/10東高円寺〜高円寺をテクテク。

ちょうど正午に、東高円寺の『蚕糸の森公園』近くに流れ着く。緑陰濃い公園は、降るような蝉の鳴き声に満たされ、まるで巨大な炭酸水のようにジュワジュワジュワジュワ弾けている。公園近くの裏道に入ると、「イココチ」(2009/12/10参照)がしっかりと営業中。
ikokochi0810.jpg
8/31まで古本20%オフのサマーセールが行われており、グッドタイミング。ワニの本「世界の名探偵50人/藤原宰太郎」を160円で購入する。そのままテクテク歩き通して、高円寺を経由して『早稲田通り』まで、古本屋さんと古本を売っているお店をたどりながら帰ることにする。ところが、『青梅街道』沿いの古道具屋「まるゆう」(2016/02/03参照)では収穫ナシ。『ルック商店街』の「アニマル洋子」(2014/03/14参照)はシャッターを下ろしてしまっている。「大石書店」(2010/03/08参照)&「藍書店」(2014/01/14参照)でもつかむ本は見つからず、「都丸書店」(2010/09/21参照)はシャッターを下ろしていた。ここまでダラダラと来てしまったが、実はそれほど落胆はしていない。何故なら最後に麗しの「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)があるからだ!と余裕綽々で、胸に『睡眠不足』背中に『寝るの大好き』と書かれた奇妙なTシャツを着た外国人と歩調と歩幅をシンクロさせながら、『庚申通り』を遡って行く。ここまでわりと元気に来られたが、「サンカクヤマ」前に着いた時には、すでに体力ゲージが突然怪しくなり始めていた…。フレーベル館トッパンのキンダー絵本「こびとといもむし/肥塚彰・文 黒崎義介・え」(「みにくいアヒルの子」の変形。泣ける!)筑摩書房「世界無銭旅行者 矢島保治郎/浅田晃彦」書物展望社「書物展望 第一巻 第四號 十月號」を計1000円で購入する。うむ、満足。近くの銀行ATMに立ち寄ると、オッサンが端の椅子に座り声を荒げて電話している。「振り込まれた給料の額が、どう考えても少ないんですよ!」…どうか無事に解決しますように。
shirakiya.jpg
これは昭和六年「書物展望」の表4広告。日本橋の「白木屋」が、満を持して巨大百貨店をオープンさせるというものである。『創業二百七十年の老舗 いよいよ十月上旬開店 東洋一の大百貨店』とあり、地下二階地上七階(一部八階)、エレベーター十二臺、エスカレーター三臺などのスペックが表示されている。設計者は石本喜久治。掲載されている写真は実物ではなく、建築事務所が作った模型であろう。『白木屋大火』と呼ばれる、歴史に残る大火事を起こすのは、次の年の昭和七年である。
posted by tokusan at 15:54| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月12日

7/12何気ない昨日と今日。

昨日は夕方に駒場の谷底に流れ着いたので、いそいそと「河野書店」(2008/09/08参照)の様子を見に行く。店頭は涼やかだが、その見た目をヒドい暑さが凌駕してしまっているのが悲しい。それでも、ウルトラ人形やミニカーも混ざる店頭を楽しみ、店内へと進む。むっ、いつの間にか帳場の左側に鞄置場が出来ている。本を見るためには、ここに鞄を置かねばならないのだ。指示に従い、アカデミックな店内をグルグル。角川文庫「幻の馬車/ラーゲルレーフ」を250円で購入する。
kouno0712.jpg

本日は溜まった仕事と早朝から大格闘。根を詰めて夕方まで真面目に仕事する。どうにか一段落着いたので、ちょっとだけ外出して古本を買いに行くことにする。目指したのは家から一番近い「古本ブック流通センター」(2008/08/09参照)である。ガチャガチャ越しに店内を透かし見ると、ガタガタになった文庫棚が臨める。
furuhoncemtre0712.jpg
相変わらずこのうらぶれた雰囲気は、一流と言っても決して過言ではない。買い物に期待はしていないが、このお店の在り様は、ひねくれた古本心をたっぷり潤してくれるのだ。重いサッシ扉を開くとチャイムが鳴り、奥のドアからご婦人が姿を見せる。「こんにちは」と挨拶し、小さな店内を巡って行く。文庫&コミック棚にほとんど変わりはなく、ただ少しずつ量が減り、どの本もジワジワ劣化して行くのを、ただただ待っているのだ。但し文庫棚の上や、奥の壁棚の文学単行本に少々変化あり。影山民夫・筒井康隆・大江健三郎らが何処かから出現し、増殖している。そんな微妙な変化を確認しつつ、ハヤカワ文庫「LA捜査線/ジェラルド・ペティヴィッチ」渓声社「続・いやぁ!映画って本当にいいもんですね/水野晴郎」を計200円で購入する。本当は計480円なのだが、「汚れてますので一冊100円にしておきます」と値下げしてくれたのである。まぁこれは、いつものことであるのだが、何はともあれ感謝である。さぁ、無事に古本も買えた。家に帰って仕事の続きをすることにしよう。
posted by tokusan at 17:43| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月09日

7/9非売品の『恐怖のカセット』!

今年初めての蝉の鳴き声を聴く。そして午前十一時過ぎに家を手ぶらで出て、月曜日定例の「ささま書店」(2008/08/23参照)詣りに向かう。だが何をどう油断したのか、阿佐ヶ谷駅に着いた時点で頭上の駅の時計を見上げると、すでに午前十一時二十五分。歩いて行くとだいぶ出遅れてしまうことに気付き、今日は楽して総武線で駆け付けることにする。三十二分の三鷹行きに乗り込みガタゴト進み、車窓に「ささま」が飛び込んで来ると、店頭には六人ほどの古本修羅がすでに店頭棚に食らいついている状況。電車を降りて慌てふためき駆け付け、店頭で白水社「由利徹が行く/高平哲郎」集英社文庫「血の声 ミッドナイト・ミートトレイン/クライヴ・バーカー」(文庫本と同じ装幀だが、中には若山弦蔵が朗読した「ミッドナイト・ミートトレイン」を収録したカセットテープが入っている。集英社文庫10周年記念のプレゼント『恐怖のカセット』との説明文もあり。後でちょっと聴いてみると、ほぼクオリティの高いラジオドラマのようで、ぐんぐん物語と気合いの入った美声に引き込まれてしまい、思わず四十分間聴き続けてしまいそうになる。イカンイカン…)を店頭で選り出し、涼しい店内へ進む。すると手前側左通路の壁棚の古本関連コーナーに、東考社 桜井文庫16「戦後の貸本文化/梶井純」が混ざっているのを発見したので手に取ってみると、これが1500円。安いなぁと嬉しくなり、先ほどの二冊と合わせて計1836円で購入する。店頭で面白いものを掴ませてくれて、店内で読みたかった本との幸福な出会いを実現させてくれる。まさに飽きずに毎度楽しみにして、お店に足を運んだ甲斐があるというものだ。帰りは横着せずに、テクテク歩いて帰る。
midnight_meat_train.jpg
プレゼントをもらった人は一度も聴いていないのか、中身は新品同様であった。

夕方近くに打ち合わせのため神保町を目指す。水道橋駅から南下し、「神田書房」(2012/02/16参照)で厚生堂「擔架教程/陸軍大臣 子爵 寺内正毅」(明治四十三年の軍人用担架術。図解が多くて趣きあり)研究社「Wonder_Book FOR Boys and Girls」(大正十年の英語教材手帳サイズブック。『ゴーゴンの首』『黄金王』『不思議な徳利』を邦訳含め収録)を計100円で買うと、『神保町交差点』で「@ワンダー」鈴木氏に声を掛けられ、ぎっくり腰の治療中であることを告げられる…お大事に。「一誠堂書店」(2010/03/27参照)前では、夏のためワイシャツ姿の番頭さんに声を掛けられ、「ご無沙汰してます」と言ったら「ご無沙汰してないでしょ。いつもこの前通ってるでしょ。ちゃんと見てるからね」と笑顔で言われてドキリ…た、た、たまには立ち寄ります…。そして話の流れで一誠堂勤続四十五年であることを知る。「スゴいじゃないですか!」と驚くと「いやいや、奥にはもっと長い人がいますよ」…さすがは天下の一誠堂。今度ゆっくりお話し聞かせて下さい!その他にも、『白山通り』沿いに会った近代建築ビル『研数学館』が消滅しているのに遅まきながら気付いたり、『靖国通り』沿いにあった「本と街の案内所」がいつの間にか裏手の『すずらん通り』に移転し、新しく広く現代的になったのを知ったりする。
posted by tokusan at 18:47| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月01日

7/1東京の大山参り!

いよいよ2018年後半戦の七月の始まり。池袋に出たついでに、久々の東武東上線大山参りに向かうことにする。まずは商店街の「銀装堂書店」(2014/07/09参照)…あれ?行き過ぎたか?商店街がもう終わっちゃう?あれおかしいな?古本の気配をまったく感知出来ず、お店自体も見当たらない?…いったいこれは…商店街を右往左往すること数度。だが、元々店舗だった場所は、テナント募集になってしまっているようだ。う〜む、移転してしまったのだろうか?それとも己の濁った眼に、見つけられないだけだろうか?要追跡調査の案件が、ここにひとつ誕生してしまった。

「銀装堂」の行方を思い、多少ブルーになりながら線路下を地下道で潜り、続いて良店の「古本ぶっくめいと」(2009/08/05参照)へ。美味しそうな黄色いカステラ型“古本”看板は健在。
bookmate_kanban.jpg
だが店頭棚を見ていると、足下の鉄板が異様な輻射熱を放射しているのに気付いてしまう。や、焼ける!このままではこんがりキツネ色にになってしまう!と慌てて店内に飛び込むと、すでに数人のお客さんが極狭通路に潜伏し、なかなかの繁盛っぷりを見せている。鉄板に炙られていたことを即座に忘れ、こちらも早速良い棚並びに乗せられ、軽快に背文字を読み取り続けていく。すると、奥の帳場向かいの棚脇棚で、付録文庫ゾーンを発見したので、細かくチェックを開始する。むっ?一回り小さい薄手の文庫が混ざっていたので取り出してみる…おぉっ!これが瀟酒の極み、山本文庫であった。チョコレート色の市松模様が表紙の「戀する人/リルケ作 茅野蕭々譯」(昭和十一年三刷)が1500円。ここで会ったが百年目と、正進社名作文庫「黄金虫 外国短篇文学集」とともに計1650円で購入する。精算中、帳場下の棚に集まる古書文庫が非常に気になり、背文字が読み取れないので何冊か手にしてみるが、良いものが紛れていそうな予感…また来よう!「戀する人」は全59ページなので、帰りの車中であっという間に読了し、ふぅ、と古典文学に触れた高尚なため息を一つつく。
posted by tokusan at 17:07| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月30日

6/30炎天下ムサシノ・パトロール。

炎天下の午後一時過ぎに東小金井に流れ着いたので、「尾花屋」(2017/06/15参照)→「BOOK・ノーム」(2009/02/13参照)→「浩仁堂」(2011/02/15参照)と、安値で古本が買えるお店を繋いでみることにする。新小金井駅前の「尾花屋」では、店頭100〜300円棚から何をとち狂ったか女子的な二冊を掴んでしまう。学研ユアコースシリーズ「ジュニアの楽しいあみもの」(カバーや扉絵はみつはしちかこだが、中身は無名デザイナーが担当している)暮しの手帖社「貝のうた/沢村貞子」を計300円で購入する。長閑でスクエアな住宅街を北に抜けて「BOOK・ノーム」の店頭台に視線を落とす。即座にワゴンと足下の箱から一冊ずつ文庫を抜き出し、店内にて精算。すると店主の奥さまは、「一冊五十円ですけど、もう一冊選んでいただければ三冊で百円…あら?こちらはもしかしたら下の箱から?」「あっ、もうそのままの値段で大丈夫です。二冊で百五十円で」「あっ、本当ですか?申し訳ありませ〜ん。ではすみませんが百五十円で」…五十円・百円で繰り広げられる売る側と買う側の思いやり合戦……やっぱり古本屋さんって、この世知辛い世の中では、心温まる稀少な空間である。角川文庫「走れ、コヨーテ/戸井十月」ちくま文庫「野を駆ける光/虫明亜呂無」を計150円で購入する。そのまま東小金井駅まで出て、我慢できずに缶ビールを一本買ってから、北側に出て高架沿いを東に向かってトボトボ歩んで行く。ここはまだ比較的新しく作られた道路で、開発中の土地も多く、周囲からの接続などが中途半端な状態なので、車通りも人通りも少なめな、およそ一キロの直線道。
higasi_sakai.jpg
何もないからこそ、ボ〜ッと何も考えずに、足を左右交互に進めてさえいれば、いつしか武蔵境に着いているのである。ただただ、街の中で、歩くだけの人になれる瞬間を、缶ビールで喉を潤しながら味わって行く。高架下には、お洒落な飲食店やフリーペーパー書店や、夢がはち切れそうになった小さな独房のようなミニショップや、駐車場や薬屋や、鉄道をモチーフにした児童用のクオリティ高い遊戯施設や、駐輪場などが連続して行く。そんなものたちを横目で見ながら、スタスタスタスタ…おや、いつの間にか武蔵境駅。北口の「浩仁堂」にほろ酔いでたどり着くと、店頭がいつもと違い、絵本箱多めの児童用仕様となっている。店内の正面棚の半分が絵本棚として開放されていたんので、結局手にした二冊は絵本となってしまう。福音館書店「ぴかっ ごろごろ/フランクリン・M・ブランリーぶん エド・エンバリ―え」(原題は「FLASh,CRASH,RUMBLEAND ROLL」)至光社「もず/作版・初山滋 詞・古倫不子 曲・諸井誠」を計200円で購入する。いや、この二冊はなかなかに良い買物が出来ました。
posted by tokusan at 16:37| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

6/20「ゾンビ」in七周年記念ポーチ!

昼食を摂ってから、雨粒の感触の無い霧雨に傘を差しかけながら、神保町パトロールに向かう。当然各店はすっかり雨仕様なので、店頭に懸ける身としては、味気ないパトロールとなってしまう。「澤口書店」(2014/04/12参照)のビニールシートに守られた店頭で、古い文庫二重棚に挑みかかるが、残念ながら成果ナシ。結局「日本書房」(2011/08/24参照)で河出書房新社「追悼特集 山田風太郎」を300円で買うに留まる。その後、同神保町で一時間ほど打ち合わせをして、水道橋駅から阿佐ヶ谷に帰還する。

色々買物をして『旧中杉通り』を北に進んで行くと、娘さんを連れた「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)天野氏とバッタリ。店先の、平野甲賀フォントの貼紙を指差し「今日で七周年です」と改めて教えられる。
konko7th.jpg
七周年記念品として、3000円以上お買い上げ時に、単行本も入る大きさの、オリジナル・ポーチがいただけるらしい。「お祝いしようと、寄ろうと思っていたところです」とニコヤカに答える。すると氏は「月曜に高い本買ってもらったじゃないですか。今日何か買ってもらえれば、あれと合わせてで、特別にポーチプレゼントしますよ」と提案。「マジですか、やった!」と単純に喜んでしまう。月曜に2625円の「昭和遊撃隊」を買ってしまったのを、早まったなと多少後悔していたのである。粋な古本屋さんの情に感謝して店内に突入。すると映画棚で、ABC出版「ゾンビ/ジョージ・A・ロメロ+スザンナ・スパロウ」が、帯付きの1030円で並んでいたので、即座にこれにしよう!と決める。帳場で奥さまに精算していただき、外に出て、娘さんとお店挨拶巡りをしている天野氏に、ドアガラス越しに挨拶する。七年…二千五百五十五日。長いようで、短いようで、気の遠くなるようで、あっという間なようで。それでもお店は、いつしか阿佐ヶ谷の立派なランドマークの一つとなり、60Wの白熱電球のような、人をホッとさせてくれる、柔らかな輝きを放っている。往き還りの通り道に「コンコ堂」があることが、どんなに日常の景色を、豊かにしてくれたことか。これからも面白い古本をドバッと並べ、阿佐ヶ谷をほんわか照らし出していただければ幸いです。
zombie_poach.jpg
取りあえずいただいた可愛いポーチに、買った「ゾンビ」を入れてみる…。このプレゼントは7/29までで、無くなり次第終了とのことである。
posted by tokusan at 17:26| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする