2021年04月25日

4/25古本を買って微力ながら応援する。

緊急事態宣言下の中、午後に荻窪駅北側の天沼に流れ着く。街はいつもとさほど変わらぬ表情を見せ、閑散とした感じにはなっていない。そこで気になるのは古本屋さんである。恐らく今日から休業に入ってしまうお店も多いことだろう。仕方のないことはわかっているが、やはりさみしく切ないものである。せめては感染対策に傾注しつつ、開けてくれているお店を訪ね、古本を買って秘かに応援して回ろうと、テクテク駅方面に流れ込み、まずは「中央線書店」(2021/04/08参照9へ…おっ、店頭にちゃんと古本棚が出ているではないか!と喜び、修道社「遠い日のうた/谷内六郎」を100円で購入する。これは初めて見る文庫本だなぁと感心しつつ、線路下を潜って南側に出ると、「竹陽書房」(2008/08/23参照)のグラフィティ擬きが悪戯書きされたシャッターには休業の貼紙が…。続いて「竹中書店」(2009/01/23参照)に行ってみると、こちらはいつものように営業中。店頭木製ワゴンには偉人伝の古書が多く補充されているようだ。函ナシの臼井書房「短歌歳時記/吉井勇」を200円で購入する。続いてビルの谷間を抜けて「藍書店」(2018/12/24参照)へ。しっかりと営業中でありがとぷございます!と感謝しながら店内へ。すると窓際の安売棚に、箱入りの児童文学が十冊近く並んでいるのに気付く。ほうほう、ちょっと古い珍しいものも混ざっているじゃないか…あぁぁぁぁっ!冨山房「ふしぎな虫たちの国/シーラ・ムーン作 山本俊子訳」だっ!十三才の少女が異世界に迷い込み、虫たちと力を合わせ、謎の“けもの”と対決するファンタジー児童文学である(会話以外は少女の一人称で物語は突き進むのだ)。話も面白いんだけど、挿絵がなかなか細密でグロテスクで、心震えるんですよ!しかも1975年の初版!と即座にギュッと抱え込む。他にも理論社「プラテーロとわたし/J・R・ヒメネス 長新太・え」岩波おはなしの本「マルコヴァルドさんの四季/イターロ/カルヴィーノ」を抜き取り、計330円で購入する。いやぁ、これは収穫大収穫!と喜びつつ、駅前の「岩森書店」(2008/08/23参照)を見ると、シャッターが半開きで休業に突入中。最後に「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)を覗くと、盤石の営業中であった。店内ミステリ系文庫棚で、ソノラマ文庫「古都に棲む鬼女/風見潤」が並んでいたので550円で購入する。古本屋さんを応援しようと思ったら、意外に良い本が安値で買えて、とても楽しいひと時を過ごしてしまった…。
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2021年04月23日

4/23閉店セール中の「大学堂書店」を見に行く。

御茶ノ水駅から、鋳鉄製の『お茶の水橋』を渡り、『順天堂大学病院』の谷間の坂を上がって、ビルだらけの本郷の街の中に入って行く。『本郷通り』を北上し、やがて本郷三丁目駅への脇道を過ぎると、雑居ビルのエントランスに古本ワゴンが出されている。そこには『閉店セール合計¥1000以上30%OFF 4月末まで』の黄色い貼紙が…一階通路奥にある「大学堂書店」(2009/01/06参照)が、四月一杯でお店を閉じてしまうのである。開け放しのガラス戸を通過し、一本道の通路を進み、少しだけ左に折れると、行き止まりの奥に、古本をごっそりと固めているお店が見えて来た。
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ここも『春日通り』を挟んではいるが、本郷古本屋街の一角である。硬い学術的なお店が居並ぶ中で、買い易い一般書も並べてくれていた、庶民寄りなお店で、こちらに来たら、まず一番に立ち寄るお店であった。そんな足場のお店が閉店してしまうのは、なんとも寂しい限り…そう思いながら、店内の狭い通路に身体を滑り込ませる。よくお世話になったのは、奥の両面文庫棚、通路棚奥の古雑誌コーナー、それに最奥の文学棚である。今日もその辺りに目を光らせながら、他の棚にも目を通して行く。しばらくゴソゴソやっていると、古書組合の広報の方が現れ、帳場で動画撮影が開始されてしまった…店主さんは、お店の成り立ちから、真摯に朴訥と語り始めている(撮影編集後に古書組合のYou Tubeチャンネルで観られるらしい)…あまり大きな音は出せないな。と行動に気を遣いながら、二冊を手にする。さて、動画撮影は続いているのだが、精算してもらえるだろうか。おそるおそる帳場に近づくと、広報の方がそれに気付き、静かな仕草で精算を促してくれた。ありがとうございます。すみません、撮影のお邪魔をしてしまって。東宝シナリオ選集「姿三四郎/黒澤明■脚本」白水社「巴里文学散歩/」を、30%引きの計700円で購入する。長い間、ありがとうございました。そしておつかれさまでした。

お店を出たなら、せっかくだから「第一書房」(2011/08/16参照)も見て行こうと『本郷通り』をズンズン北上して行く。通り沿いに貸しテナントが増え、いつの間にか新しいビルも建っていたりするので、かなり様変わりしているのが見てとれる。そんな中、洋風石造りの『郁文堂』脇道にある「ペリカン書房」の看板が現存し続けるのに感動し、
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ちょっと楽しみにしていた「棚澤書店」(2009/10/08参照)が開いていないのにがっかりし、さらに「ヴァリエテ本六」(2010/01/22参照)が、本棚をほとんど空にした骸骨状態で、店内の改修作業に取りかかっているのを目にし、悩ましく身悶える…これは、閉店してしまうのだろうか?ただのリニューアルだと嬉しいのだが、それにしても店内を空っぽにするのは大掛かり過ぎる…いったいどうなるのだろう?
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などと懊悩しながら先へ進むと、なんと「第一書房」は開いていなかったのである…はぁ。仕方ない。来た道を引き返して、こうなったら神保町に出ることにしよう。というわけでテクテククネクネビルの間を三十分ほど歩き続け、神保町着。「慶文堂書店」(2012/01/14参照)で店頭ワゴンを見ていると、同じく神保町パトロール中の古本神・森英俊氏に声をかけていただく。素早い挨拶を残し、たくさんの古本に呼ばれているの、すぐさま神保町の雑踏の中に消えて行った…博文館「常磐津集/海賀篤麿編」を200円で購入する。「田村書店」では古めの茶色い本が店頭に出されているのに目の色を変え、一生懸命に漁る。結果、嬉しい博文館「少年文學十三 暑中休暇/大江小波著」を発見し、1300円で購入する。「暑中休暇」は明治二十五年刊の、校長の夏休みの過ごし方の厳しい説教から始まる、少年たちのひと月の夏休みを描く小説である。『游泳』『復習』『端艇(ボート)』『遠足』『旅行』『歸省』の章から成る。
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これは美しい色刷りの口絵。校長の周りに集まった夏休み姿の少年たち!

そして大阪には古本を無事発送する。古書コンシェルジュさんも、『いずれにしても補充本は欲しいので、たとえ休業になったとしても、誰もいないと言うわけではないので、粛々と営業再開の準備を進めます』とのことであった。今回も探偵小説と良い本ムダな本馬鹿らしい本を厳選して送りましたので、それらが棚に並ぶその日まで、どうか首を長くして、忘れずにおまちいただければ幸いです。
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2021年04月22日

4/22映画『ヴィデオドローム』のパンフは立派な造りだった。

昨日は夕方に北烏山に流れ着いたので、千歳烏山駅近くの、闘うアナーキー無人古本屋さん「イカシェ天国」(2008/09/23参照)を見に行くも、残念ながらお休みであった。扉を閉ざしていると、より強いメッセージが街路に放射されているようだ…闘ってるなぁ。
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お休みでは仕方ないので、関東バスに乗り込んで荻窪へ向かい、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で彌生書房「武井武雄の世界 青の魔法/武井三春編」を330円で購入する。帰宅した後は、大阪へ発送する古本の準備…だが、ここ二〜三日でまたもや緊急事態宣言が発出される模様なので、駅ビルに入っている古書棚のある「梅田蔦屋書店」もどう対応されるのか不明なのである。準備はひとまず終わらせたが、送ってよいものかどうか、古書コンシェルジュさんにおうかがいをたてることにする。

そして本日は午後に浜田山に流れ着いたので、本来なら駅前からすぎ丸に乗って阿佐ヶ谷に帰るところだが、古本と戯れたい気持ちが膨らんで来たので、吉祥寺に出て小さく古本屋さんを巡ることにする。「古本センター」(2013/07/01参照)で見つけたのは、80円のユーロスペース「ヴィデオドローム」。デビッド・クローネンバーグ監督の伝説のカルト映画のパンフレットである。パンフレットと言うよりは、ほとんどペヨトル工房の本のような造りが為されているので(これもバブルの一端か!?)、非常に読み応えのある一冊となっている。さらに「古本のんき」(2021/03/30参照)にぐるっと回り込み、佐藤出版部「メエテルリンク傑作集/村上静人譯編」(大正六年刊。函ナシ)を500円で購入する。ある一ページの上半分がビリッと欠けている故の安値だが、途中の解題ページなので、本編に影響はナシ。神秘劇三編・悲劇一編・童話劇一編・歴史悲劇一編を収録。
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アールデコの浮き彫りな装飾や、残る天金を愛でながら阿佐ヶ谷へと戻り、帰路「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄る。ほほぅ。店頭百均棚のハヤカワ・SFシリーズがごっそり無くなってしまった。SF猛者が大人買いしたのだろうと想像して店内へ。ハヤカワポケミス「夜歩く/ディクスン・カー」を320円で購入する。棚を見ている時に、店主・天野氏にとあるお店の古本販売情報をタレ込まれる。聞けば聞くほど古本濃度の薄そうな状況なので、なにかのついでに見て来ることにしよう。
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2021年04月20日

4/20「虚空に消える」と「山名の場合」

朝から謎の『古本屋分布図』の校正反映ラストスパート。大変に苦しかった最難関のエリアを、正午前には切り抜ける…ふぅ、自分よ、まだまだ作業は続くのだが、ひとまずおつかれさまでした。
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付箋だらけの校正紙…気がおかしくなりそうだった…。

そして夕方に外出。毎度お馴染みの西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に届け物をして、さらにカバーデザインを担当した新刊を受け取るためである。本日盛林堂は店内改装の真っ最中なので、表の百均だけが機能している。その百均棚から、河出書房探偵小説名作全集「高木彬光集」「坂口安吾・蒼井雄集」幻影城「黒岩涙香 幽霊塔・無惨・紳士のゆくえ」宝文館「天狗の羽風/尾崎一雄」を掴み取り、入口を塞き止めた台車の前で、奥に向かって「こんちは〜」と声をかける。すると番台から頭だけが見えている店主・小野氏が「入って来ちゃっていいよ〜」。「お邪魔します」と台車の脇を擦り抜け奥に進み、まずは前述の四冊を四百円で購入する。そしてまだまだ棚の本入替中の店内を少し見て回る。右壁の文庫棚や奥のSFに変わりはないが、向かいの通路棚がサブカルから音楽・映画とつながるようになった。そして左側通路が、壁棚の一番手前に貸し棚が移り、古本&本関連・同人誌・人文と続き、間に美術を挟んで奥の幻想文学の横に詩集が移動。向かいの通路棚は、入口側から海外文学・日本文学・濃厚ミステリの順番である。…なるほどなるほどと変化を楽しんでいると、文学棚に山田書店「山名の場合/梅崎春生」が並んでいるのを発見してしまう。裸本しか持っていないので「おぉ、カバーはこんななのか」と小さく感動する。そして値段を見ると千円じゃないですか!これは幸せな安さであるので、迷わず追加購入してしまう。そうこうしているうちに、新刊の別冊Re-ClaM「虚空に消える/ホレーショ・ウィンズロウ&レスリー・カーク」が大量に到着する。超自然的な力を持つと言われた悪党・スプークが死亡した後、幽霊となり不可思議な事件を巻き起こす、1928年刊の知られざる“不可能犯罪”ミステリである。カバーを良く見ると幽霊がおりますので、心臓の弱い方はご注意を。4/24から盛林堂通販サイトや店頭で発売開始となるので、クラシックミステリファンは迷わず購入すべし!
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「虚空に消える」と「山名の場合」…なんか語感がちょっと似てる…。だがそれにしても「山名の場合」が嬉しい。普段盛林堂に来た時は、ミステリや幻想文学やSF&明治探偵冒険棚の前で涎を垂らしてるだけだから、改装したことにより改めて文学棚を見ることになり、「山名の場合」発見に至ったと言えよう。
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2021年04月19日

4/19大正九年の発禁詩集を吉祥寺で!

午後に吉祥寺と西荻窪の間に流れ着いたので、吉祥寺方面に足を向け、北から南に中央総武線の高架を潜り「古本のんき」(2021/03/31参照)へ。しっかり手指消毒して店内に上がり込むと、本棚古本充填75%と言ったところ。徐々にではあるが、お店の完成に近づいているようだ。増殖した古本の背に目をピカピカ光らせていると、左壁の文学棚最上段に日本評論社「勞働詩集 どん底で歌ふ/堺利彦・序 根本正吉・伊藤公敬」を見つける。編集者・古河三樹松らが復刻したやつか…と背伸びしてウンと手を伸ばして取り出し見ると、妙に古いではないか…こ、これは…唾をゴクリと飲み込みながら奥付を見てみると、案の定大正九年刊のオリジナル本であった。函はなくて経年劣化の傷みはあるが、とても稀少な文庫サイズの発禁詩集なのである!工場生活者と波止場人足の魂の呻きが詰め込まれた一冊!値段を見ると破格の千五百円なので、陶然としながら購入する。「古本のんき」の完成が増々楽しみになる、素晴らしい買物時間であった。
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興奮覚めやらぬまま、駅南口の「古本センター」(2013/07/01参照)で処分品棚を眺めていると、手札サイズの卓上カレンダーが、無造作に文庫本の間に挿し込まれているのを見つける。これ、芹沢_介の1964年型染めカレンダーじゃないか!プラケースから取り出して中身を確認すると、十二ヶ月ちゃんと揃っているので、激安の百円で購入する。小さくとも、見ていて飽きない民藝的色味と繊細さと大胆さと懐かしさである。さらに興奮しながら電車に乗って荻窪へと向かい、「竹中書店」(2009/01/23参照)の木製二百均ワゴンに縋り付く。すぐさま目についたのは、1962年刊の毎日新聞社「ヨーロッパの声・僕自身の声/大江健三郎」。大江二十六才のときのヨーロッパ旅行記で、あまり見ない本である。200円で購入し、相変わらず良い古書を安値で買わせてくれるここ最近の「竹中書店」に感謝しつつ、さらにこれからも良い古書が買えますように!と祈りながら帰路に着く。
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2021年04月11日

4/11吉祥寺パトロールで探偵双書を。

お昼過ぎに井の頭公園南側の住宅街に流れ着いたので、日曜日の人出でごった返す『井の頭公園』を、スワンボートでさえもごった返している『井の頭池』を怖れを抱いて突っ切って階段を上がり、さらに人が渦巻く吉祥寺の繁華街に身を投じる…素早くパトロールして帰ろう。まずは「バサラブックス」(2015/03/28参照)にて、ポプラ社完全復刻版「少女小説 緑の校庭/芹沢光治良」を300円で購入する。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)に出て、陽の当たる店頭棚から函ナシの朋文堂「峰・峠・氷河/藤木九三編」を110円で購入する。昭和八年刊の、世界の登山愛好者の登山随筆集である。そんな緑色の古書を小脇に抱え、「よみた屋」の裏手に回り込み、中央総武線の高架に近づいて行く…パトロールの〆は「古本のんき」(2021/03/31参照)にて。店頭に様々な古本箱や古本籠が出て、華やかな雰囲気である。手指消毒して中に進むと、まだ結束した本が床に置かれているが、棚はようやく六割ほどが埋まった感じか。大瀧詠一をBGMに、店主さんは懸命に品出し中である。入口入ってすぐの、恐らく児童文学&絵本ゾーンはそのほとんどが埋まっており、現在でもかなり見応えがある。欲しい絵本が何冊か…と感じつつ、左壁棚の一番手前の恐らく文学棚になるであろうゾーンに移動する。最上段には文庫ゾーンとは異なる文庫が固まっている…坂口安吾が集められているな…ぬぅ?あの一際古めの変な文庫は一体?腕を精一杯伸ばして人差し指を引っかけて引き出すと、ほぉっ!春陽堂書店の探偵双書4「不連続殺人事件/坂口安吾」であった。値段を見ると、やれ嬉しや嬉しやの千円なので、即座に購入する。やはりこのお店は、こういう思わぬ出物にふいっと出会える、素敵なお店になるのやもしれぬ。またパトロールに来るのが楽しみである。
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※明日ぐらいにそろそろ書店に並び始める「本の雑誌 さやえんどう炸裂号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、国分寺「七七舎」を秘密取材。とにかく発音し難いこのお店は、店頭も二店分を繋ぎ合わせた店内も、中央線カルチャー的な魅力が満載なのであります。記事を読んだ後は、無闇に触発されて、ぜひ実地にお店を訪ねていただければ幸いです。
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2021年04月04日

4/4吉祥寺古本屋定点観測新ルート。

昨日は、すっかり桜が散ってしまった、関前の空の広い浄水場近辺に流れ着いたので、ズラズラと三鷹まで歩いて「りんてん舎」(2019/03/30参照)へ。店頭棚から朝日新聞社「ちんちん電車/獅子文六」(ビニカバなし帯付き。第二刷)を110円で購入する。2006年に河出文庫で復刊された、都電隨筆の元本である。装幀は昭和の日本グラフィックデザイン界の首領のひとり、原弘である。表紙には様々な時代の都電切符があしらわれ、両見返しには色鮮やかな『東電街鉄 電車競争双六』という錦絵が載せられている。だがこの本が素晴らしいのは、これだけではない。何と旧所有者の手で、目次扉に未使用の『東京都電ご愛顧感謝乗車券』という、昭和四十二年の都電廃止記念の乗車券が貼付けられているのだ。
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また、銀座線など九系統が廃止となる古い新聞記事の切り抜きも挟まっており、さらに旧所有者の都電への愛を感じつつ、記事リードには『明治のハイカラ娘も、いまや年老いた。わがもの顔で立ちふさがる自動車族の中で、つつましく、愛嬌たっぷりに、身体を左右へゆさぶるその姿も、九系統八路線では十日からみられなくなるー。』とあり、都電が“娘”であったことを初めて知る。私は都電には一度も乗ったことはなく、横浜市電である“ちんちん電車”が、遠い遠い遥か遠い記憶の片隅に残っているだけだ。だから都電については、小説や写真や漫画や映画や古い路線図や、都電荒川線や世田谷線や、地方の路面電車に乗車した時の感触や、渋谷駅のロータリーのアスファルトに浮き出ていた軌道痕や、車体保存されたものなど、東京中に張り巡らされた路線の記録や名残や痕跡だけしか知らないのだが、時空とノスタルジーを越え、そこはかとなく魅力を感じ親しみを覚えてしまうのが、不思議でならないのである。

本日は午後イチに下連雀に流れ着いたので、テクテク吉祥寺へ。雨が降り出す前に古本屋さんを巡り倒そうと、駅西側の「一日」(2017/08/11参照)を振り出しに行動を開始する。ここでは、八十年代半ばの尖端のクリエイターや技術者を収集した工作舎編集の一冊、サッポロビール「NEXT ONE IT'S A STANDARD」を330円で購入する。ぬぉぉ、当時八十四才の龍胆寺雄が載っているじゃないか。きっと晩年に住んでいた中央林間なんだろうな…。
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続いて「バサラブックス」(2015/03/28 参照)で、文化放送「SF的発想のすすめ/豊田有恒」を百円で購入。「古本センター」(2013/07/01参照)を経由した後「よみた屋」(2014/08/29参照)では、ポプラ社 ちびっこ絵本「かあさんどこに/ぶんとえ・みずきれん」を550円で購入する。そしてここから北に進んで、最後は「古本のんき」(2021/03/31参照)へ。ようやく棚の半分くらいに本が並び、日々ジワリジワリと成長しているのが見てとれる。新しく姿を見せた棚たちも、所々に安値の古書が挿入されていて、こりゃぁ楽しいな!と、三省堂「有毒植物 寫真及解説/刈米達夫」を300円で購入する。「古本のんき」が開店したことにより、この吉祥寺駅南側で半円を描くように古本屋さんを巡るのが、今後の吉祥寺定点観測の新ルートとなりそうだ。
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2021年04月01日

4/1「彼方より」献呈署名本を完本にする。

今日は午後に上井草に流れ着いたので、当然のように「井草ワニ園」(2019/01/05参照)へ。店頭で三冊を掴み、店内で棚を見ていると(新しいまだ本が入っていない本棚が出現している。より古本屋化が進行するようだ…)楽し気なおば様二人がいそいそと入店して来て、すぐさま奥のカウンターに向かったと思ったら、店主さんに「おたくのグラノーラの禁断症状が出たから、買いに来ちゃったわ♡」と申告。そしてグラノーラを調合する間「じゃあ本見てるわね」と、古本屋さんとしての機能も楽しみ始めた。う〜む、私のように古本を買うばかりではなく、お店を隅から隅まで楽しむパーフェクトなお客さんじゃないですか。そう感心しながら、福音館書店「きゅる きゅる/庄野英二さく・え」筑摩書房「長春五馬路/木山捷平」平凡社「こじこじ映画館/長谷川集平」を計300円で購入する。西武新宿線に乗って鷺ノ宮駅から帰宅。色々片付けてから夕方に、陽気がまだまだ心地良いのでフラリと外出する。そしてフラリと「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)へ。店頭で一冊掴み、店内で棚を見ていると、あっ!ちゃんと箱入りのの深夜叢書「彼方より 中井英夫初期作品集」を発見してしまう。1971年刊の、ほぼ詩集&日記と言える一冊である。実は先日、「竹中書店」(2009/01/23参照)にて有名アングラ劇王宛の献呈署名入り本を入手したのだが、それは箱ナシだったのだ…これを買えば漏れなく箱が手に入り、家の献呈署名本を完本にすることが出来るではないかっ!迷う必要なんか、全く無いぞっ!とすぐさま決意し、美術出版社「漫画アニメーション/ジョン・ハラス、ボブ・ブリュット共著」と一緒に計1655円で購入する。すると店主・天野氏が、カウンターに積み上がるポケミスの山を指し示し、「これ、いいのあります?」と聞かれる。ぬぬぬと顔をペーパーバックの背に近付けると、ディクスン・カーがやたら混ざっているのに気付く。「カーはいいですよ。ちょっと別格ですよ(これは実は盛林堂さんの受け売りである)」と選り分けることにする。するとたちまち、カーター・ディクスンも含むカーのポケミスが、結構な量になった。というわけなので、近々コンコ堂には、安値のカーのポケミスがドバッと並ぶはずである。思い切って一気買いして、コレクションするのもまた一興!そんなやり取りをしてから、そそくさと家に戻り、早速手に入れた箱と献呈署名本を合体させる。両方とも初版なので、何の問題もナシ!う〜む、大満足。
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2021年03月27日

3/27線路沿いに歩いて古本を買う。

昨日買った「槐多の歌へる」初版を読んでいると、次第次第に恐ろしいことに気付いてしまう…なんと誤植だらけなのである。よっぽど急いで出版したのか、奥付が間違っているのはすでにお知らせしたが、冒頭の山本鼎の『序』にも誤植があり、その後の詩にも、意味の通じないところは誤植度高し!なのである。色んな意味でスゴい本だ…そりゃぁ、新版を出さざるを得ないな、これは。あまりに気になるので誤植部分を昭和新版で確認してみると、もちろんちゃんと直っているのである。そして初版の印刷者は『大東印刷會社 關孝作』だが、新版は会社名なしで住所も異なる『山本源太郎』に変わっている…誤植のせいで、替えられたのだろうか…ブルブル。

そして本日はお昼過ぎに上北沢に流れ着いたので、京王線の地上線路を伝うようにして新宿方面にテクテク進む。下高井戸で「豊川堂」(2016/ 07/04&2008/09/09参照)に寄ると、数人の先客がいる賑やかな光景。早速その中の一人となり、棚を眺める。右側の壁棚にて、天竜社「或る兵器発明家の一生/南部麒次郎」を見つける。昭和二十八年刊の、三八式歩兵銃や南部式自動拳銃を開発した兵器発明の権威の自叙伝である。見返しに息子による贈呈印あり。千円で購入する。再び線路沿いをトボトボ歩き続け、明大前で「七月堂古書店」(2018/01/13参照)に立ち寄る。こちらもお客さんが入っているな…今日は何だか嬉しい古本日和なのだろうか?そんなことを戯れに思いつきつつ、店内をウロウロ。前から売れ残っていた若木書房「タイガーミステリーブック2 きみは超能力者 ビックリ!SF科学情報/五竜健二」を500円で購入しつつ、「また気付かなかった〜」と狼狽える七月堂さんと、アレコレお話し。お元気そうで何よりです。
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「きみは超能力者」は表紙が強烈。

そして大阪「梅田蔦屋書店」古書コンシェルジュより、四月の終わりにあるフェアが行われるので、それに合わせて補充古本に、あるジャンルを増量して欲しいとの依頼あり。期待に応えられるよう、蔵書を引っ掻き回しつつ、古本屋巡りで補充しつつ、近々発送いたします!
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2021年03月05日

3/5「黒死荘殺人事件」読了。

午前中は朝からみっちり一仕事二仕事。昼過ぎには中野に出て所用をこなす。で、当然古本屋さんにも寄る。『中野ブロードウェイ』内の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で、桃源社「へんてこな葬列/土屋隆夫」を550円で購入する。昭和三十六年刊の推理小説中短篇集。そう言えば二階の「古書うつつ」(2008/06/18参照)が、最近あまりお店を開けてくれないことが、なんとも残念である。店主さんは中で作業しているのだが、お店としてはシャッター半開きで開いていないのだ。後「ワタナベ古書」(2008/08/28参照)も、やはり最近開いているところに出くわさないなぁ…。その後は『早稲田通り』を伝って高円寺に出て、「DORAMA高円寺庚申通り店」の、雨模様のために店内に引き込まれた百均ラックから、平凡社「広告図像の伝説/荒俣宏」を引き出し、110円で購入する。家に帰ると連載のゲラが届いていたので、真面目に入念にチェックし、修正なしで戻す。

そう言えば、外用読書に常に持ち歩いていた、愛用のスカイツリー建設中図柄ブックカバーを巻いた厚めの講談社文庫「黒死荘殺人事件/J・D・カー 平井呈一訳」を、三ヶ月かけてようやく読了する。移動時間や待ち時間などでの細切れ読書だが、文字を目で追うのが非常に楽しい時間であった。平井が訳す、怪奇味と名探偵H・M卿の伝法な語り口に滋味アリ。最後の三十八ページに渡るH・M卿の立て板に水的謎解き講釈は、圧巻で快感。おぉ、これぞ探偵小説の醍醐味!中島河太郎による解説も、カーの解説なのに、横溝正史の本格への目覚めを搦めて搦めて、愉快愉快。さて、次は何にこのブックカバーを巻いて読み耽ろうか。買ったばかりのロス・マクドナルド「三つの道」…いや、平凡社 世界探偵小説全集9「ブラウン奇譚/チエスタートン作 直木三十五譯」にしよう。早速巻いてみると、本はハードカバーだがわりとピッタリな装いに。手に収まり馴染む物質感を楽しみつつ、チビチビ様々な場所で読み進めて行こう。
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お世話になっているブックカバーと「黒死荘殺人事件」と、今日の収穫の「変てこな葬列」である。
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2021年02月28日

2/28国立で閉店と増殖を見る。

午後一時に家を出て、連載の取材を行う。そのままの足で東京の西へグッと向かい、国立駅に降り立つ。南口でに出て、三角屋根の旧駅舎の後を通ってロータリーを回り込み、今日でその歴史に幕を下ろす「銀杏書房」(2011/11/14参照)へ。おっ、最後の営業中である。緑のテント看板の下の店頭ラック&台には多くの人が取り憑き、入口から店内をうかがうと、すでにブランクの生まれている棚に囲まれた左右の通路も、閉店を惜しむ人でいっぱいである。品薄のラックと台を覗き、店内に突入する。絵本やビジュアル本類は多くが売れてしまったようで、棚に残るのはペーパーバックやハードカバーの洋古書がほとんどである。頭上でぐるんぐるん回転するシーリングファン…その下で、何か買えるものはないかと必死に探すが…ううっ、残念ながら見つからない。まぁもともと洋書は苦手だし、実際このお店も過去にツアーした一度しか買物をしていないくらいだ。長年国立の風景を作り続けて来た、お店の最後の様子を見られただけでも良しとしておこうか。お店の人を労うお客さんたちの声を背にして、何も買わずにお店を出る。そう言えば、このお店の大いなる特徴のひとつと言える、外壁にかかった銅鑼のような『銀杏BOOKS』看板は、この後いったいどうなるのであろうか。ラックの後にある、その不思議な力強いオブジェを、じっと眺める。あぁ。文字部分は鉄で出来ていたのか。そして本体の木の円周には、たくさんの人が手を繋ぐ彫刻が施されている。『古本屋博物館』なんていうのがあったら、ぜひとも展示しておきたい逸品…君も長年、お疲れさまでした。
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そう挨拶してお店から離れ、通りを横断歩道で渡り、「みちくさ書店」(2020/05/27参照)の様子を見に行く。おっ、お店の向かいの部屋に、新たな空間が増設されている。入ってみると、絵本・児童文学・暮らし系ムック・ビジュアルムック・図録類・幻想文学・ミステリ&SF文庫・海外文学・詩集・アングラで構成されている。むぅぅ、もしや「みちくさ書店」は、『中野ブロードウェイ』の「まんだらけ」グループのように、この『国立デパート』内で、秘かに分裂増殖を繰り返して行くのかもしれない。そんな阿呆で素敵なことを思いつきながら、その光景を暴走妄想してひとりニヤニヤする。
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2021年02月24日

2/24今日こそ大阪に古本を送った。

午後三時過ぎに風の強い田無駅前に漂着したので、そのまま西武新宿線に飛び乗り、鷺ノ宮に帰還する。駅を出て、妙正寺川と『中杉通り』を踏切際でダブルで渡り、川沿いに西へちょっと進んで、「うつぎ書房」(2008/08/06参照)に顔を出す。ちゃんと営業中で、サッシ扉が半開きになって、そこには季節外れの風鈴が下げられている…リリン…何故…?扉を開いて風鈴を掠め、薄暗い店内へ。奥の帳場&生活空間は真っ暗で、誰もいない…と思ったら、そのさらに奥の一間に、シルエットとなって店主の横向きに座る姿が浮かび上がっていた。とても2021年とは思えない、なかなか幽玄さ漂う空間である。こちらもその薄暗い幽玄さに身を浸しつつ、文庫とコミックとアダルト以外は不動気味な棚を注視して行く。そし相変わらず店内にはきちんと揃えられた靴がたくさん並んでいるのだった…。徳間ジャパン「ショウほどすてきなマンハッタン/わたせせいぞう」(こんなに平仮名とカタカナばかりで…)を左側通路から見つけ出し、400円で購入する。奥に向かって精算をお願いすると、店主は電気を点けながらこちらに近づいて来るのであった。何か、ご足労かけてすみません。
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「うつぎ書房」名物の日除け看板をバックに写真を一枚。実に文字量多めですな。

そして家に帰り、古本ダンボールを抱えて郵便局へ。大阪に三十冊ほどの精選古本を発送する。明日到着後、古書コンシェルジュさんの商品化作業を経て棚出しされるので、西の皆さま、今暫くお待ち下さい。いつものように探偵小説関連も混ぜ込んでありますが、今回奇怪な本がポイントになっていますので、どうにかお楽しみいただければ幸いです。

ところで、連載の取材で手に入れた、岩谷書店「名作捕物小説集(昭和二十八年度年鑑)/捕物作家倶楽部編」をチビチビ読んでいるのだが、佐々木壮太郎『謎三味線』が、ドイルの『四人の署名』&『六つのナポレンオン』の合わせ技翻案(短篇なのにかなり盛りだくさん)であることに気付く。というわけで北原案件発見!ご報告しなければ。
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2021年02月17日

2/17古本屋地図、ひとまず手を離れる。

長〜く取りかかっていた謎の古本屋地図製作が、昨日で一応のカタチにたどり着いた。つい最近まで、自分で作っていながら、完成するとはまったく思っていなかった。それほどの難物を、空間を捩じ曲げ折り曲げ、頭から汁が出るんじゃないかと思うほど知恵を絞って、十四枚の古本屋地図にまとめ上げたのである。ここからは一旦こちらの手を離れ、校正の段階に入る。…真っ赤っ赤になって戻って来そうで、テリブルテリブル…。だがそんな怖れはひとまず脇に退けておいて、すっかり解放された気分で、今日は西荻窪の遥か北の今川に流れ着く。テクテクと駅に戻りながら古本屋さんを…水曜日だから「モンガ堂」(2012/09/15参照)は定休日か。そう気付いたので『青梅街道』を通り越し、久々の「benchtime books」(2019/03/09参照)を訪れる。表には看板しか出ていないので、真鍮製のドアノブに手をかけ、店内に入り込む。古本は一階フロアと中二階フロアで、児童文学と絵本と美術と暮らしとカルチャーと古書が、しっかりと手を繋ぎ合って、強固で小さな宇宙を形成している。一階の旅本棚から、雄鶏社「ノンポリ世界をゆく 42ヵ国無銭旅行/広瀬勝裕」を550円で購入する。
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昭和44年刊の、一足早いバックパッカーの世界旅行記である。カバーイラストは、現在は絵本で大活躍中の柳生弦一郎。この表紙の雰囲気、何かに似ているなと考え、たどり着いたのが五木寛之の「青年は荒野をめざす」であった。思えばそのカバーも柳生弦一郎が手掛けていた。「ノンポリ世界をゆく」の序文は、五木寛之の転載書評が使われており、本文には、ストックホルムで『作詞家のぶ・ひろし』と名乗っていた五木寛之と出会う描写が登場する。「青年は荒野をめざす」の弟分といったところか。そして阿佐ヶ谷に戻り、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で空きの多い店頭棚を見つめる…何かが売れに売れたのか?と思いつつ、こちらも負けじと二冊を掴む。文藝春秋「東京の下町/吉村昭 繪・永田力」中央公論社「モダン都市東京/海野弘」を計220円で購入する。ところで「モダン都市東京」には『江戸川乱歩『D坂の殺人事件』』という論考も載っているのだが、その中に『団子坂の上の方に、この小説にでてくるのとそっくりな、二間半間口の、みすぼらしい古本屋が今でもある』と書かれており、そのお店の写真も添付されているのだ。昔の古本屋地図で調べてみると、千駄木5−4−3にあった「川崎書店」らしい。本が出版された昭和58年当時は現存していたが、昭和六十年代には足立区に移転したとのことである。団子坂上の古本屋さん…見てみたかった。『D坂の殺人事件』気分が味わえるとともに、乱歩が営業していた「三人書房」気分もダブルで味わえたはず…。
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2021年02月14日

2/14「流れ星の歌」を悶絶読書中。

本日は午後三時前にまたもや上連雀に流れ着いてしまったので、昨日とは趣向を変え、「古書上々堂」(2008/07/17参照)に赴く。店頭には絵本平台とビジュアル本平台と文庫ワゴンと百均単行本棚と三百均単行本棚が出ており、そのそれぞれに人が食らいついている。瀟洒なガラス戸を開き、手指を消毒して左壁棚の三百均単行本ゾーンに意識を集中する。文藝春秋社「乾いた空の流れ/笹沢佐保」を購入。昭和三十八年刊の中編推理小説集である。帯の惹句は『本格派No.1の傑作を蒐めた珠玉推理選』となっている。その後は駅に向かいがてら、ビル街裏町の「BOOKS三鷹」(2010/01/17参照)が健在なのを確認するが、何も買えずに退散する。一番食指が動いたのは、古い見たことのない藤澤桓夫の大阪小説集だったが、裸本で表紙が反り返っており値段が二千円だったので躊躇してしまったのである。そして疲れ果てていたので、駅北側に出て古本屋を巡ることはせず、ゼエハアと帰宅する。一息ついてから、昨日の地震で崩れた古本山の修復に着手する。幸いに壊れた本などは見当たらないので一安心。

西條八十「流れ星の歌」を、ウフウフと読み進めているのだが、予想通りに素っ頓狂で期待を裏切らない展開を見せてくれるので、悶絶している。埼玉県行田(『ここはたびの名産地でゆうめいな埼玉県の行田。市にはなっているが、さみしい町です』と説明が…)でにわとりを飼って暮らしていた少女が、その経営に失敗して生活に行き詰まり、すべてを売り払い、腹違いの姉を頼り単身上京する。ところがその田園調布に住み元映画女優の姉は、夫ともに今や宝石強盗犯の一味で、訪ねて来た妹を酷薄にあしらうのだが、その純真無垢さを利用して、盗んだ宝石の運び屋をさせるのであった。だが妹はすぐに警察に捕まってしまい、何故かひとりで罪を引っ被り少年院へ。そして刑期を終えた一年後、姉を頼らず就職しようと奮闘するのだが、前科者ということで、みな気味悪がり働き口は全く見つからない。そこに麻布にある魔法屋敷に住む、警察からもマークされている不思議な老人・丸角大八から『仕事をあげます』という手紙が届くのであった…そしてその仕事とは、『人の気持ちをいらいらさせる仕事』…あぁぁぁ、八十先生。どんな思考回路がスパークして、こんな変な物語を思いつき、それを子供に読ませようと思ったのですか。少女がひたすら奇怪なズンドコ世界に叩き込まれて行く、容赦ない物語展開は唯一無二!いったいこれからどうなってしまうんだろう。は、早く続きを読まなければ。
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自動で扉が開き、誰もいないのに声がする魔法の家で、魔法使いのような福禄寿のような皺だらけの老人・丸角大八と会う少女・美穂子。その第一印象は『まあ、なんて、いやらしい顔だろう』であった。
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2021年02月11日

2/11さらば『探偵小説狂想曲』!

今日は午後三時過ぎに上石神井に流れ着いてしまったので、冷たい風の中を西武新宿線に乗り込み、鷺ノ宮に帰還する。そのままさらに自宅に向かうが、古本と触れ合うためにいつの間にか自宅を通り過ぎ、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚を眺めている己に気付く。日本放送出版協会「NHK土曜ドラマ・シナリオ 山田太一シリーズ 男たちの旅路 第III部」(『シルバー・シート』『墓場の島』『別離』収録)北海社「サッポロ'76 5 サッポロビール100年記念号」の二冊を抜き取り、いつの間にか自動手指消毒器が導入されているのに感心しつつ消毒を施し、計220円で購入する。すると店主の天野氏が「探偵小説、今日市場に出しちゃいました」と申し訳なさそうに告白。ど、ど、ど、道理で中央通路の古い探偵小説が固まっていた『探偵小説狂想曲』ゾーンが、茶色と黒い背が一掃され、スッキリ見やすく比較的最近の本を並べていたわけだ。一瞬、誰か強者の物好きがまとめて購入したのか?と棚を見て想像してしまったが、そういうことだったか。まぁここ最近動きは見られなかったし、お店としては致し方ないことである。「市場に出す前にお知らせしようと思ったんですけど…」「いや、大丈夫ですよ。欲しいものはすでに買っていましたから」…と動揺を隠しつつ答えたものの、実はまだまだ気になる本は厳然と存在していた。「木乃伊の恋/香山滋」「鐵鎖殺人事件/浜尾四郎」「カルメンの死/横溝正史」などなど…あぁ、だが、たった二段の棚に振り回されまくった、楽しい楽しい、八ヶ月余であった。ご近所故の頻繁チェックで、多くの探偵小説を購入してしまった、興奮の日々であった。記念すべき初の購入本は大下宇陀児「どろんこ令嬢」、最後に買ったのも同じ大下の「火星美人」。ふと気付けば、この『探偵小説狂想曲』で一番買った作家は、大下宇陀児なのである。前述の二冊+「鐵の舌」「偽惡病患者」「くちなし鬼語」の計五冊。実はまだ「鐡の舌」しか読んでいない体たらくだが、棚に見出し購入した時の興奮を保ちつつ、一冊一冊読み進めることにしよう。次は…「火星美人」にするかな。
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2021年01月31日

1/31「ポラン書房」にはもう一度!

正午過ぎに新宿にて面倒くさい用事をチャッチャカこなし、そのまま新宿駅から池袋駅に移動し、西武池袋線に乗って大泉学園駅の、2/7(日)に実店舗を閉めてしまう「ポラン書房」(2009/05/08参照)の様子を見に行くことにする。だがその前に保谷まで足を延ばし、「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)で古本買い。角川書店飛鳥新書「鏡花隨筆/泉鏡花」河出書房新社「漫画文化の内幕/水野良太郎」汐文社「喫茶店のソクラテス/新時代工房制作」新泉社「アイヌモシリは滅びず/橋根直彦」を計440円で購入し、一駅引き返して「ポラン書房」にたどり着く。木の扉にはやはり貼紙が為されており、2/7に店頭販売を終了すること、今後はネット販売で営業を続けることなどが書かれている。そして実店舗閉店まで、一割引セールが開かれているのだった。
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鈴の音を鳴らしながら店内に入ると、お店との別れを惜しむお客さんが各通路に点在し、なかなかの盛況を見せている。すると私が入店して来たことで、そろそろ店内が密空間に成りかけているのを危惧したのか、店員さんが扉を開け放ち、風通しを良くしてくれた。冷たい風がピュウと舞い込むが、仕方のないことである。先客さんたちと上手く距離を取り合いながら、棚に目を通して行く。色々な場所が通常よりスッキリしており、その部分におススメ本が多数飾られているのが目に留まる。棚にも品出しが次々行われているようで、レア目な本がヒョイヒョイ惜しみなく並ぶのは、スコブル良い景色である。貝のようにジワジワ動きながら、お店での最後の買物をするつもりで、古本に熱視線を注いで行く。その結果、福音館書店 年少版こどものとも「かお/福田繁雄」リブロポート「一千一秒物語/文*稲垣足穂 たむらしげる*絵」(カバー破れ補修あり。を計845円で購入する。相変わらずファッショナブルな店主さんが、本をシュシュッと拭いてから、嬉しそうに渡してくれる…あぁ、後一週間の内、どうにかしてもう一度来るようにしよう。別れも惜しいし、欲しい本もまだまだ並んでるんだ。古本屋さんが三度の飯より好きな人間にとっては、これは完全な、急を要する外出なんだ…。帰り道、中村橋の「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄り、日本通運株式会社「欧米飛行紀行/福島敏行」を200円で購入すると、店主に「古ツアさん、「ポラン書房」のこと聞きました?」と話しかけられる。「今まさに行って来たところです」と答え、二人で「残念ですよねぇ」と声を合わせて実店舗の閉店を激しく惜しみまくる。
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2021年01月30日

1/30すっかりご無沙汰「中村書店」!

本日は午後三時前に用賀の南に流れ着いてしまったので、古本屋さんに閃くことなく、長々と見慣れぬ街を歩いて用賀駅にたどり着き、田園都市線に乗っておとなしく渋谷まで出る。かなり久しぶりの、緊急事態宣言下の若者の街は、いつの間にか谷底に巨大ビルが競うように屹立し、硬質ガラスが空を区分する、二十一世紀的空間に変貌を遂げていた。時代にすっかり遅れをとった、竜宮城から帰還した浦島太郎のような気分を無惨に味わい、宮益坂を上って行く。ヒイフウ坂を上がり切り、『青山通り』に出ると、すっかりご無沙汰していた営業中の、素晴らしい詩集古書が渦巻く「中村書店」(2008/07/24参照)の店頭ワゴンが目に飛び込んで来た。まずは下に置かれた百均単行本木箱に意識を集中し、講談社「書き下ろし長編本格推理小説『禿鷹城』の惨劇/高柳芳夫」(昭和49年初版帯付き。あぁ!ページの肩に入っている章タイトルで、最後の『エピローグ』が、最終ページだけ『ピエローグ』になってる!)を掴み出す。
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続いて百均文庫ワゴンに視線をスラスラ流すと、光文社文庫「冬のスフィンクス/飛鳥部勝則」をロックオンしたので、しっかり確保し店内へ。文庫棚に春陽文庫の三橋一夫や垂涎の瀟洒な山本文庫がしれっと並んでいるが、どれもしっかりとした値付が為されている。詩と文学のレア古書で眼の保養をしつつ、他に何か買えるものは…と店内をウロウロ。結果、東宝シナリオ選集(非売品)「他人の顔/原作+脚本・安部公房 監督・勅使河原宏」CBSソニー出版 artback「都会という名の船/奥村茂雄」「6人のガールフレンズ/萩原朔美・文 石田光於・絵」を選び出し、二冊の百均本と合わせ、計2190円で購入する。詩集には手を出さずに、「中村書店」にとって、はみ出しものの本たちを拾い集めたら、小粒ながらも満足行く買物となった。さぁ、サッサと坂を駆け下りて、家に帰ることにしよう。
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2021年01月26日

1/26「分類漁村語彙」!

午前のうちに東に向かい、連載の取材を秘密裏に行う。いやぁ、取材より何より、良い本を安値で買えたことが、ただただ気持ちよかった。ウキウキしながら午前のうちに家に帰り着き、昼食後に大阪へ補充発送する古本をまとめて、郵便局へ。よそ三十冊ほどの、探偵小説・珍しい本・下らない本・面白い本・必要のない本・懐かしい本・ブログに登場した本などである。明日には『梅田蔦屋書店』に到着し、古書コンシェルジュさんの奮闘商品化の後、棚に並び始めるはずなので、適当な頃合いを見計らい、感染拡大予防に努めながら、ひっそりと偵察してみてくだされば幸いです。荷物を発送後、高円寺方面へ足を向ける。途中『馬橋公園』脇にあった団地の跡地が、いつの間にか広大な『遊び場118番』という広場に変わっていて、度肝を抜かれる。そして「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)へ。店頭棚に漁業や魚や海関連の本が多く出されている。ムムムと三冊抜き取り計300円で購入する。創元社「科学の泉9 鯨/松浦義雄」興亞日本社「海と科學隨記/寺尾新」(カバーナシ)民間傳承の會「分類漁村語彙/柳田國男・倉田一郎共著」。「分類漁村語彙」は、後に国書刊行会が出した復刻版ではなく、昭和十三年に岩波書店から発賣されたオリジナル版である。全国フィールドワークによって集められた、漁村や漁民や船や魚に関する言葉(『船靈』なんて項目も)を集めまくった驚異の書!ただ言葉の意味だけが書かれているのではなく、その言葉を使う土地についても言及があり、大体二〜三行の短文の中に、絶妙に物語が立ち上がるのが、また驚異!これは良い本を買わせていただきました。
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帰り際、2/2から始まる「第6回 調布の古本市」カードをいただく。そのまま『庚申通り』を南に下って「DORAMA高円寺庚申通り店」。左右社「〆切本」玄光社「ちょんまげ八百八日/ペリー荻野」(快著である)を計220円で購入する。さらにそのまま南に下ると、やがて『中通り』に行き当たる。おや、角地にあった洋食屋さんが火事になってしまっている。味のある建物の外観は残っているが、中は黒焦げなのだ。火事の恐ろしさに身を震わせながら『中通り』を西進して行くと、「コクテイル書房」(2016/04/10参照)の通りに面した木枠格子に貼紙がされている。コロナ拡大予防のために、当分お店を閉めるお知らせであった。
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最近不義理をして、とんと足を向けていなかったが、いざ休業となるとやはり寂しさが募ってしまう。ことあるごとに阿呆のように繰り返すことになるが、それでも、早くこのコロナ禍が収まり、平穏で健全な生活が戻って来るのを、感染拡大予防を地道に努めながら、祈らずにはいられない…。
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2021年01月24日

1/24商品券で古本を。

先日、阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で大物「蜘蛛男」&「真珠郎」を買った時に(2020/12/14参照)、商品券が当たる『杉並商店街応援キャンペーン第2弾』の応募ハガキというのをいただいた。当選人数が一等:一万本、二等:二万本と結構多く(総額は二億円だ)、尚且つハガキに切手を貼り付け応募する、実費の必要なものなので、もしかしたら応募者が少なめで当たるかもしれない。そんな胸算用でハガキを投函してみたら、なんと昨日『当選のお知らせ』封書が届いた。2等賞当選で、阿佐ヶ谷の十の商店会で使える五千円分の商品券『杉並商店街お買い物券』が同封されていた。当然応募ハガキを置いていたコンコ堂でも使えるのである。これは、ぜひともコンコ堂さんに恩返しせねば!商品券で古本を購わねば!と朝になり、お店が開く正午が過ぎるのを待ちわびて、雨が上がったのを幸いと、雪は降らなかった雨上がりの冷たい街に飛び出す。眼鏡を白く曇らせながらも、すぐさまお店にたどり着き、手指消毒して店内へ。向かったゾーンは、中央通路左側の、今は静かな探偵小説狂想曲棚である。そして最初から買うならこれにしようと決めていた、穂高書房「火星美人/大下宇陀児」を抜き出す。カバーは少し傷んでいるが、3680円の代物。探偵小説狂想曲初期から棚にあり、相場よりかなり安めなので早々に売れてしまうかと危惧していたが、これがず〜っと何故か居残ってくれていた。まぁそういう私自身も、色々目移りを続けまくり、最後の最後まで手を出さなかったのだが…。だがなにはともあれ、それが商品券のおかげで本日の落手となった次第である。今日も今日とて、探偵小説バンザイ!杉並区よ、コンコ堂よ、ありがとう!500円券七枚+180円でお支払いする。この時さらに、商店会の三角くじを引かされるが、残念ながらこちらはハズレであった。残りは一気に三枚の1500円分となってしまった。またコンコ堂で古本を買うか、全部お菓子でもドバッと買ってみるか…まぁ使用期限は2/28まであるんだ。使い道はゆっくりと考えることにしよう。
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2021年01月13日

1/13「浩仁堂」が店売りを辞めてしまった…。

午後三時前に武蔵境と田無の間にある向台という住宅街に流れ着く。どちらかというと田無よりなのだが、当然今日も古本屋さんに寄りたくて、武蔵境に進路を採る。ずんずん大通りを南に下り、『千川上水』と『玉川上水』の上を通過し、やがて「おへそ書房」(2019/07/28参照)に至る。店内の緩やかな時間の流れに身を浸しつつ、新潮文庫「ニューヨーク大散歩/久保田二郎」どうぶつ出版「松村クラゲくんの日常/チチ松村・文+下條ユリ・絵」を計550円で購入する。「松村クラゲくんの日常」は、家にある同じ著者による名クラゲ本「私はクラゲになりたい」とペアにしておこう。続いて「浩仁堂」(2011/02/15参照)に足を運ぶと、店頭ラックや箱棚が出ておらず、何だか様子がおかしい…扉に貼紙があるようだ。近づいて眺めてみると、何と店売りを終了し、今後はネット販売にスタンスを置く旨が書かれていた。ががががががが、が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!何てこった。「浩仁堂」が店売りを辞めてしまうなんて…今後はネットや催事でしか、出会う機会がないなんて…。およそ十年に渡り、安値で面白い本をたくさん買わせてもらったのに…嗚呼(特に絵本類。ただし一番の掘出し物は月曜書房「ある晴れた日に/加藤周一」を百円で(2018/02/20参照))。ただし時々、絵本の販売会があるようなので、折りを見て、訪れてみることにしよう。
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ショックを受けつつ、武蔵境駅から中央線に乗り込み、家路をたどる。だが、荻窪駅で途中下車してしまい、浩仁堂ショックを癒すために古本屋さんに立ち寄ることにする。「竹中書店」(2009/01/23参照)で現代思潮社「文学におけるマニエリスム2/G・ルネ・ホッケ 種村季弘訳」を200円で購入し、続いて「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、新潮社「ウインチェスターM70/大藪春彦」を880円で購入する。「ウインチェスターM70」は昭和三十六年の初版。中島靖侃のデザインがイカしている。ライフルのホワイトシルエットと赤く錆びまくった非常階段のカバーもいいが、それを剥がすと現れる表紙の、ドラム缶・運河縁り・アンティーク照明の写真が何とも味わい深いのである。
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