2023年03月27日

3/27最後の「金木書店」で猫マークを。

午後に中央線から湘南新宿ラインに乗り換え、埼玉県浦和へ。様々な方からタレコミのあった、三月末で閉店してしまう、『旧中山道』沿いの「金木書店」(2010/06/24参照)をようやく訪れる。今日も含めて閉店まで後五日…。お店の様子は記憶の中とだいぶ変わっており、建物自体が新しくなっている。そして店頭に立つ『閉店いたします』幟が、なかなか派手で劇的である。
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店頭両翼の百均コーナーを見てから店内に進むと、空間的雰囲気は並んでいる古本の効果か、以前とそれほど変わらぬイメージなのが不思議である。歴史・郷土・自然科学が背骨の、折目正しい街の古本屋さんなのも相変わらず。先客は地元のおばあさんが二人ほど。彼女らと似たような動きで棚を慈しむように眺め、求龍堂「二笑亭綺譚 五〇年目の再訪記/式場隆三郎藤森照信・赤瀬川原平・式場隆成・岸武臣」創元推理文庫「吸血鬼ドラキュラ/ブラム・ストーカー 平井呈一訳」を選び、閉店セール20%オフの計1760円で購入する。「吸血鬼ドラキュラ」は、以前は持っていたが古本販売で売ってしまった猫マークなので、念願のSFマークを入手したのを機に(2023/01/12参照)、ぜひともまた手に入れて並べなければ!と常々思っていた一冊なのである。まさかここで出会えるとは。「金木書店」さんよ、最後の最後にありがとうございます!
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お店を出たら『旧中山道』を南に下り、「浦和古書センター利根川書店」(2010/08/07参照)も一応チェックしておくことにする。だがお店はシャッターを下ろし、使用感のないワゴンと自転車がその前に置かれ、シャッターには紙看板が一枚提げられている。そこには『古書買入 お売りの方は←不動産へ』の文字が…隣りの『利根川不動産』で、古本の買取のみを行っている模様…不動産屋さんと兼業だったのか。
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※「猫額洞」さん(2014/05/10参照)のブログ『猫額洞の日々』で「疾走! 日本尖端文學撰集」を取り上げていただいております。しかもカバーデザインについて触れてくださっているので、デザイナーの端くれとしては、嬉しい限りなのであります!
https://byogakudo.exblog.jp/30271411/
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2023年03月18日

3/18ようやく今年初の「江口書店」。

三月の冷たい雨がようやく止み始めた午後四時過ぎに、学芸大学西の野沢の住宅街に流れ着く。従来なら学芸大学駅に戻り、「飯島書店」(2009/04/10参照)を訪れるのが正しい所作であるが、ここはあえて住宅街の丘と谷を越えて三宿に出て、今年初めての「江口書店」(2010/03/29参照)を訪れるべきではないだろうか!そうひとりごちて、ヒタヒタ北に歩き始める。そしてようやくお洒落で繁華な『三宿通り』に出て、「江口書店」前に到着すると、しっかりと営業中であった。有り難いことである。
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サッシ扉をカラリと開けて中に入ると、温気がもわっと冷えた身体にまとわりつき、心がゆるゆる解けて行く。しばらく来ていなかったから、だいぶ品揃えにも変化が生まれているようだ。あちこち掘り返しながら、右側通路から左側通路へ。こちらは雨のため、店頭百均台が引き込まれているので、台をチェックしつつ、身を乗り出すようにして棚の本に目を通して行く。改造社「あらすか物語/祥瑞專一」暮しの手帖社「浦島太郎(復刻版)/中谷宇吉郎・文 藤城清治・影絵 松本政利・写真」東京大學館「美文散文 白砂青松」を選び、計1100円で購入する。ふぅ、楽しかった。300円で買った明治本「白砂青松」は拾い物。露伴・子規・鏡花・紅葉・水蔭・藤村・虚子・桂月などなどなど。
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そしていよいよ大阪「梅田蔦屋書店」での古書販売は明日が涙涙の最終日。古ツア棚は50%オフ、「ジグソーハウス」さんの棚は20%オフ。最後の最後まで、よろしくお願いいたします!
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2023年03月16日

3/16「一日」と「百年」。

本日はまたもや浜田山に流れ着いてしまったので、またも折り返すようにして吉祥寺に出る。「一日」(2017/08/11参照)のガレージに立ち寄ると、1500円以上お買い上げは50%OFFセール中であった。まぁここでそんなに買うことはないだろうと高を括りつつ、ノンビリと本の背を眺めて行く。すると壁寄りに、大量の古めの「キネマ旬報」が並んでいるのに出くわす。一冊330円であるが、戦前物は1100円となっている。戦前物はわりと薄手の造本で、大正時代まで遡れるようだ…そん風に感心しつつ、気になる分厚めの二冊を抜き出す。1930年&1934年の新春特別號なのだが、その造りがおめでた過ぎるのに目を瞠る。中身は和洋新春公開映画の紹介ばかりなのだが、当時の映画ポスターをそのまま色刷りで収めたページ満載で、満艦飾感溢れる昭和初期のモダンデザインの宝庫となっているのである。これはスゴい!むっ、このキネ旬にもセールは適用されるのか…ならば一冊1100円だが、二冊だと2200円となり、セールで1100円となる…ということは一冊550円。よし買おう!と喜んで購入する。
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とにかくこんなページばかりで、造本がすこぶる贅沢なのである。映画が一級品の娯楽であった時代の副産物と言えようか。

続いて「百年」(2008/09/25参照)に移動し、文学棚を注視していると、一號館書房「日本探偵小説傑作集/江戸川亂歩編」が1650円で売られているのを発見したので、迷わず素早く購入する。吉祥寺で探偵小説の仙花紙本が買えるとは、嬉しい限りである。そして新たに作ってもらったスタンプカードが、一気に五つも貯まってしまった…。
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表紙は裸女と線画の砂時計という、ちょっとシュールな構成。横溝正史「面影双紙」濱尾四郎「彼が殺したか」小栗蟲太郎「完全犯罪」小酒井不木「戀愛曲線」を収録。

「日本古書通信」3月号のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は北原尚彦氏の番。四十年前の、お花見の席取りのついでに、神保町で友人にお金を借りて改造社「ドイル全集」を購入する、古本心温まるお話を綴っておられます。
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2023年03月08日

3/8「江口書店」は営業を再開しているようである。

午後三時前に三宿に流れ着いたのだが、その過程で住宅街の裏路地に素晴らしいものに出会ってしまう。建築家F・L・ライトの弟子、遠藤新(関東大震災発生時にライト設計の『帝国ホテル』におり、広間で大の字に寝転がり、敬愛する師匠の建築と運命を共にしようとした伝説アリ)が設計した住宅『萩原家住宅』である。
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大正十三年の木造建築(増築や復元補修工事あり)で、慎ましく美しい小住宅であるが、各所に軽やかに渡された臙脂色のラインが遠藤らしいモダンなデザインである。現在もちゃんと人が住んでおり、登録文化財の説明板を読むと、遠藤設計の本棚や家具も当時のままの姿で保存されているとのこと…ほ、本棚が見てみたい…。そして三宿と言えば「江口書店」(2010/03/29参照)であるが、今日は月曜日だから開店は午後五時である。まだ二時間もあるのだが、果たして三月から営業を再開しているかどうか気になるので(2023/02/18参照)、一応見に行くことにする。するとシャッターに新たな貼紙が…近付いてみると『本日休みます』と書かれていた。ということは営業再開しているわけか。よかったよかったと一安心して渋谷に出る。『渋谷ダンジョン』を彷徨いながらも東を目指し、見事『美竹通り』に顔を出して、坂を上がって「中村書店」(2008/07/24参照)へ。光文社文庫「少年探偵手帳 完全復刻版/串間努」を250円で購入し、阿佐ヶ谷に戻る。帰り道の「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)では、アテネ文庫「百貨店/土屋好重」ハヤカワ文庫「ビバ!ドラゴン/チェスタートン他」TUTTLE「Japanese Tales of Mystery & Imagination/EDOGAWA RAMPO」を計330円で購入する。やはり乱歩のペーパーバックが興味深い。初版は1956年で、これは何と21版。訳者はジェームズ・B・ハリスで、『人間椅子』『心理試験』『芋虫』『断崖』『鏡地獄』『双生児』『赤い部屋』『二癈人』『押絵と旅する男』が収録されている。
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2023年03月01日

3/1昨日の神保町、今日の新刊。そして『サヨナラ大阪セール』。

昨日は岡崎武志氏と神保町某所で合流するため、午後二時過ぎに水道橋駅から神保町に分け入って行く。『白山通り』の西側をいつものように伝いつつ、途中で東側に身を移し、裏路地のかなりご無沙汰していた「富士鷹屋」(2009/09/12参照)を覗く。小さなミステリー王国は健在なり!雄鶏社「百万長者の死/コール夫妻作」(カバーナシ)東都ミステリー27「黒いリボン/仁木悦子」を計600円で購入する。再び表通りに出て、今日で店仕舞いの基督教専門店「友愛書房」(2013/09/17参照)前に佇む。
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閉店半額セール中であるが、恐らく私に買えるものはなにもないので、店頭でご苦労さまでしたと一礼し、再び通りの西側に移動する。さらに『靖国通り』に出て、先日閉店した「古賀書店」(2022/12/16参照)跡地を眺めると、看板は取り去られウィンドウも塞がれた非常に寂しい状況である。次にまた古本屋さんが入ってくれれば良いのだが…。
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「NAGA」店頭で、光文社「少年」第10巻第3号三月号付録「名作西部絵物語 平原の王者/中村信生」が印があるためか500円で放出されているのを見つけたので、即座に購入する。その後岡崎氏と合流し、あることに二時間ばかり従事。喋りまくって解放された後、設けられた一席に向かう途中、信号待ちの瞬間にも岡崎氏は古本屋店頭に惹き付けられフラフラリ。いや如何に『神保町ライター&百均小僧』とは言え、「東陽堂書店」(2012/06/14参照)宗教系がほとんどの店頭はハードルが高いでしょう……。
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そして本日はお昼過ぎからワチャワチャと動き回り、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)『フォニャルフ』棚に補充したり、編集さんから表紙デザインをした新刊二冊を受け取ったりする。ともに東都我刊我書房の「闇に浮かぶ顔/伊東鋭太郎」「武侠少年の七日間/山中峯太郎」である。「闇に浮かぶ顔」はシムノンの名訳で有名な作家の、昭和32年に発表されたオリジナル探偵小説四編を収録。「武侠少年の七日間」は魔都・上海を舞台にヒーロー本郷義昭が活躍するはずだった、未完作品の四回文を一冊にまとめた貴重な一冊である。ともに土曜日辺りから西荻窪「盛林堂書房」中野「まんだらけ海馬」神保町「PASAGE」などで販売開始とのことである。
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※お知らせ
三月十九日に古書販売を終える大阪「梅田蔦屋書店」ですが、今日から『サヨナラ大阪セール』を開始します。私の古書はすべて50%オフ。「ジグソーハウス」さんの棚も20%オフで大放出するそうです。まだまだ良い本がドッサリ残っているはずなので、ドバドバと半値でかっさらってやってください。よろしくお願いいたします!
https://store.tsite.jp/umeda/event/shop/31760-1114250213.html
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2023年02月27日

2/27さらば「藍書店」!

正午過ぎに方南町に流れ着いたので、地下駅への階段を下り、盲腸線の丸ノ内線支線で中野坂上まで出て、切り替えすように本線に乗り換え荻窪へと向かう。二月一杯でお店を閉める「藍書店」(2018/12/24参照)に行けるのは、今日が最後なのである。丸ノ内線荻窪駅から地上に飛び出て、まずは「竹中書店」(2009/01/23参照)へ。河出文藝選書「絵空ごと/吉田健一」を200円で購入し、肩ならしを済ませ、いよいよ「藍書店」へ。店頭はいつもと変わらぬ景色な上に、つい三日ばかり前に訪れたばかりであるが、最後の思い出としてしっかり古本を買って行くぞ!というような強い気持ちで、店頭店内の本に視線を走らせて行く。思えば、高円寺「都丸書店支店」(2010/09/21参照)がそのまま名物の壁棚も引き継ぎ「藍書店」(2014/01/14参照)となり、さらに荻窪に移転して早四年ちょっと…いったいこのお店で、何冊の古本を買って来たことだろうか…そんな風に少しセンチになりながらも、しっかりと買うべき二冊をこの手に掴む。ミュージック・マガジンの本「レコード・コレクター紳士録/大鷹俊一」(レコードの魔窟!ヴィニール・ジャンキーたちの響宴!)トレヴィル「モーンストルム1/テンタチオ 誘惑する妖怪たち」を計330円で購入する。たくさんの楽しい古本をありがとう、藍書店!さらば、藍書店!
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つらつらと思い出すに、「藍書店」で買った一番嬉しい獲物はこれ、220円の聚英閣「情火/ヨシフ・コーソル著 松本泰譯」であろうか。大正十年刊の、セルビア劇作家の探偵小説系脚本である。
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2023年02月24日

2/24後何回の「藍書店」を。

ノンビリモードで動き出しつつ。デザイン仕事を少し片付けたら、午後に外出…いつのまにか空のどんより具合が増し、いつ雨が落ちて来てもおかしくない状況である。そんな空の下で、駅で所用をこなした後、まだ降るまいと勝手に決めて荻窪へ。今日を含めてラスト五日間の「藍書店」(2018/12/24参照)をまずは訪れる。店内に流れるラジオ番組『たまむすび』を聴くともなく聴きながら、入口近くだけでなく、店内棚にも見切り品が侵食し始めたのを実感しつつ、東京創元社「日本推理小説史 第一巻/中島河太郎」武蔵野市立吉祥寺美術館「川上澄生 愉しきノスタルジア」青木文庫「装甲列車No.14,69/フセェウォロド・イワノフ」講談社文庫「奇想天外殺人事件/横田順彌」を計550円で購入する。通路棚裏の文庫ゾーンはほぼがら空きになっていた。…後一回は来られるだろうか…。続いて「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に回り込み、店頭で鹿島出版会「近代建築ガイドブック[関西編]」を引っ掴んだ後、店内で新書サイズ本棚とにらめっこする…ちょっと新しいのが所々に混ざっているな…と期待しながら、上から下まで右から左まで辛抱強く眺めて行く。だが、なかなか手にしたくなる本とは行き当たらない。左端の殿辺りの性愛コーナーにたどりついてしまうと、諦めの気持ちが大きくなって来た。だが頑張って最下段まで目を通して行くと、よよっ!東京創元社 世界恐怖小説全集8「死者の誘い/W・デ・ラ・メア」があるぞ!と喜び手にしてみると、函の縁が少し傷んでいるからか、550円の安値であった。二冊を計660円で購入する。
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2023年02月18日

2/18「江口書店」に異変アリ。

今日もいつかのように池尻の丘の上に流れ着く。時刻は午後二時半…よし、それなら南に丘を下って、今年初めての「江口書店」(2010/03/29参照)を体験することにしよう。午後三時になったらお店はシャッターを開けるはずだ…ところがお店についてみると、そのもうすぐ上がるはずのシャッターに一枚の紙が貼付けてあるではないか。『都合により2月いっぱい休業いたします 江口書店』…ガガ〜〜ン。
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う〜む、大丈夫かなぁ。ご婦人店主もいさり気なくご高齢だもんなぁ…だが、このシャッターの前でいつまでも懊悩していても仕方がない。三月の休業明けを、今は静かに待つことにしよう。と言うわけで再び丘に足を掛け、立体感のある住宅街を潜り抜けて下北沢に出て、いつでも頼りになる「ほん吉」(2008/06/01参照)に縋り付く。店頭棚や木箱からスパスパ選び、洪洋社「建築寫真類聚 茶室巻一」フレーベル館「やさしいライオン/作・絵やなせたかし」毎日新聞社「毎日グラフ増刊 特集・十五年目の日本」を計990円で購入する。昭和三十四年八月刊の「毎日グラフ増刊」が良い感じ。『だれも知らないところ』という特集で、『これがドヤ街だ!』という横浜・黄金町辺りの潜入撮影ルポや、『永久基地』は厚木基地周辺の米軍が浸透した街の営みを取材、さらに『トラック・ホテル』はトラック野郎たちの活躍ぶりを密着取材しており(撮影者は岩合徳光。岩合光昭のお父さまですな)、当時の風俗や熱気がムンムン伝わる好企画が満載なのである。そんな特集グラビアに挟まれていた1ページ漫画『ある晴れた日に…/開高健案 柳原良平画』なんてのも、また楽しからずや!
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2023年02月04日

2/4ささやかなラッキー。

午後四時に千歳船橋に流れ着いたので、そのまま小田急線高架脇を北東上し、「ゆうらん古書店」(2020?09/25参照)へ。おぉ、店頭棚が古本の壁化しており、百均単行本棚の上に、三百均単行本が横積みされるのは、まさに師匠筋の「音羽館」(2009/06/04参照)方式。そんなことを感じながら、棚がお店の味を出しつつ豊かになった店内を一巡。筑摩書房「ニックとグリマング/フィリップ・K・デイック」を六百円で購入する。続いて下北沢に出て、土曜の夜ならではの尋常ならざる人出を掻き分け掻き分け、「ほん吉」(2008/06/01参照)店頭で夜の帳が降りつつあるのを感じつつ、福武書店「ウォー・フィーバー 戦争熱/J・G・バラード」講談社「声の網/星新一」福音館書店「こどものとも88号 たなばた/君島久子再話・初山滋画」を計660円で購入する。「たなばた」は記名があるが、1963年刊のオリジナル版で、状態がスコブル良かったので、嬉しい収穫である。
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さらに「古書明日」(2017/01/31参照)に回り込み、TAIRIKU NOVELS「天童駒殺人事件/中町信」TOKUMA NOVELS「一丁倫敦殺人事件/日影丈吉」を計400円で購入する。
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手頃な値段でこの二冊が買えたとは、小さくささやかなラッキーである。
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2023年01月30日

1/30うわっ、「藍書店」がっ!

午後一時過ぎに東高円寺と方南町の谷間にある和田に漂着したので、坂を上がって『蚕糸の森公園』を伝って東高円寺駅に出て、丸ノ内線で一旦荻窪に出る。当然の如く古本屋さんをウラウラと経巡っていると、「藍書店」(2018/12/24参照)ノドアに、控え目な衝撃の貼紙を発見してしまう。
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うわぁ、マジですか……ここは頻繁に訪れ、買うのと買わないのと半々くらいのお客だったけど、定点観測店だったんだよなぁ…突然の閉店は痛いなぁ、ツライなぁ…高円寺の「都丸書店支店」(2010/09/21参照)時代と、そのまま居抜きの「藍書店」(2014/01/14参照)時代の歴史を思うと、さびしいなぁ、とショックを受けつつ、トレヴィル「幽霊城 サイモン・マースティン写真集」(ビニカバなし)日本評論社「鶉鷸隴雑纂/谷崎潤一郎」(函ナシ)を計550円で購入する。今年の二月は二十八日までだから、閉店までちょうど一ヶ月ということか。二月中に、何度か買いに来ることにしょう。俺にはそれくらいしか出来ないや…。さらに「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)に立ち寄り、岩波ものがたりの本23「あるような ないような話/ライナー・クンツェ」を和田誠の絵に釣られて550円で購入し、トボトボと帰宅する。
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2023年01月12日

1/12ついに稀少なSFマークを!

わりと暖かになった本日は、午後二時半に東武練馬駅近辺に流れ着いたので、『川越街道』をヒタヒタ西に向かい、「司書房」(2009/06/07参照)を見に行く。…街道沿いのお店が遠目に見えて来たのだが、店頭の物品が大量なのが、光と同じ速度で伝わって来る…しかもそのほとんどが古本ではなく、雑貨やVHSやCDやDVD…なので、今までごちゃついていた店内がかなりスッキリしており、通路にも未整理本以外は積み上がっていない、整頓された状況である。と言うわけで、足に物品を引っかけることなく、余裕を持って各棚を見て回る。すると奥の文庫棚で、おおぅ!稀少なSFマークの創元推理文庫「吸血鬼ドラキュラ/ブラム・ストーカー 平井呈一訳」を発見!奇跡の百円なので、同じく創元推理文庫「ダブル・ショック/ハドリー・チェイス 田中小実昌訳」(初版帯ナシ)とともに計二百円で購入する。帳場のご婦人はニコニコしながら、ハロー・キティの小さな袋に、二冊の文庫本を収めてくれた。「吸血鬼ドラキュラ」は今までに猫マークは三度入手しているが、憧れのSFマークは初めてである。「司書房」に、多大なる感謝を!
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ところで家に届いていた「第158回五反田遊古会 古書販売目録」を眺めていて、驚いたことがある。「月の輪書林」(2012/03/29参照)の出品一五五一番が『「諷古本屋を追いかけている 非売 ひな菊姉編刊 令1」となっているのだ。一箱古本市や、独自の古本屋応援活動で活躍する、ひな菊の古本さんの手製本なのだが、なんとその値段が五千円!スゴいぞ、ひな菊の姉、「月の輪書林」さんに、こんなにも認められているぞ!ちなみにウチにあるのは『2020.3初回限定版!』で、目録の小品は『東京拡大スペシャル版!』である。
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※そろそろ発売になる「本の雑誌 福豆ふいうち号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、代々木上原の「Los Papelotes」が華麗に登場。予想外の創元推理文庫厚着本を手に入れておりますので、どうかご都合の良い時にご覧ください!
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2023年01月08日

1/8『ANIMALS』以前。

江見水蔭の少年小説「今辯慶」を読了するが、息をもつかせぬ面白さであった。武蔵坊弁慶の生まれ変わりの今弁慶が、山賊と化した不良外国人グループを神事で使う大鍋に全員放り込んで捕獲したり、奉納用の大碇で相撲取りと力比べ(意地比べとも言う)をしたり、暗礁に乗り上げた汽船を独りでロープで引き摺り助け出したり、頭と首を鍛えるために大岩を乗せては落とし乗せては落とししていたらいつのまにか周りは今弁慶を狙っていた群狼の死骸で埋め尽くされていたり(あまりにも特訓に夢中になり過ぎ、自分が落とした岩で狼を殺し続けていたことに、全然気づかなかったのだ)、汽車と横浜から品川まで競争したり、回向院で力自慢で負け知らずのの巨大佛国人と相撲を取ったり、宇都宮の西洋曲馬団から逃げ出したライオンと戦ったりと、荒唐無稽で縦横無尽の大活躍をするのだから堪らない。タガが外れた物語は、本当に魅力的である。
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これは木版画口絵の獅子(ライオン)と戦うの図。ちなみに今弁慶は僧形だが、別に坊主ではないのである。

さて、project“S”の初校ゲラが届いたので、ハラハラ見ていると、午後になって古本が買いたくなってきたので、ブラッと高円寺まで歩いて行く。「古書十五時の犬」(2011/11/22参照)が開いているかな、と『あずま通り』まで行ってみると、営業は明日の9日からとなっていた。なのでその足で「西部古書会館」(2008/07/27参照)に回り、「杉並書友会」を覗く。会場では元気な姿の岡崎武志氏と遭遇。新年の挨拶を交わす。そして購入したのは、創元社「心象風景/牧野信一」(カバーナシ)角川書房「悪霊島/横溝正史」(初版)INAXギャラリー「INAX ART NEWS 183 三沢厚彦展」で、計450円也。「INAX ART NEWS 183 三沢厚彦展」は、大胆で武骨&プリティーな動物の彫刻『ANIMALS』シリーズでブレイクした、彫刻家・三沢厚彦の1998年の個展カタログである。まだ『ANIMALS』ブレイク前なので、作風は緻密でかなり現代アート寄りだが、作品『コロイドトンプ(褐色の象)』などには、『ANIMALS』への萌芽が垣間見える。
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家に帰って、以前展覧会で購入した『ANIMALS』グッズ、『小さい彫刻:うさぎ』と記念撮影。
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2023年01月07日

1/7今年も「竹中書店」は要注目!

午後四時に南荻窪に流れ着いたので、中央総武線高架を潜って「絵本タイム猫タイム」(2016/02/19参照)の様子をうかがうと、おぉ!タイミング良く営業中だ。
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数段のステップを軽やかに上がり、ガラス戸をグイッと開けると、即座に本棚の後から「いらっしゃいませ」と元気な声が降り掛かる。それとともに、ゴドンゴドンと不思議な音…帳場の中をそっと覗き込むと、店主さんは今日は、機織作業か組紐造り作業に従事しておられる…相変わらずの独創的なクリエイティブの煌めきを背中に感じながら、絵本棚に集中集中。そしてともにカバーナシだが、リブロポート リブロの絵本「サンタのおもちゃ工場/たむらしげる」岩崎書店「しんはつめい じどうむだづかいき/北川幸比古・作 和歌山静子・絵」に目を付けて、計1100円で購入する。お店を出たら荻窪駅方面へトコトコ向かい、途中細い裏道に入り込み、夕闇迫る荻窪の繁華街を前進。そして広い『荻窪南口仲通り商店会』に突き当たると、目の前には「竹中書店」(2009/01/23参照)の二百均台が展開していた。昨年末から比べると、ラインナップに少し動きはあるが、目欲しい本は見当たらな……いやぁ〜〜〜〜、あった!ものスゴいのがあった!世界文化社「吉村順三・住宅作法/吉村順三 中村好文」である。1991年刊のレーモンド建築設計事務所出身の名建築家の対談集なのだが、これは現在ベラボーに(すみません、年末に一挙放送した『岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN』を一気観したらハマってしまい、どうしてもこの言葉を使いたくなってしまいました…)高値のレア本なのである。まさか、こんな風に出会えるとは!と竹中書店に大感謝を捧げ、二百円で購入する。やはり今年も、ここの店頭台は、要注目である!
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そして筑摩書房さんより、一月のちくま文庫新刊「ここが私の東京/岡崎武志」を献本していただく。扶桑社同名書の、増補文庫化版。装画・挿画・解説は牧野伊三夫氏。表1袖の著者写真が素敵過ぎる!
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2022年12月21日

12/21さよなら大阪、さよなら「祖師谷書房」。

昨日、大阪に精選古本を詰めた補充箱を発送する。西へのささやかなクリスマスプレゼントである。そして大変に悲しいことであるが、これが最後の補充なのである。実は古本を置かせてもらっている「梅田蔦屋書店」が、来年二月辺りから店内の大改装を行うので、それに伴い古書売場が消滅することが決定してしまったのである。今までにも何度か消滅の危機があり、その度に古書コンシェルジュさんが奮闘して、どうにか売場を確保してくれて来たのだが、今回の大改装ばかりは、どうにもならなかったそうである…無念である。2016年の古書市に参加して以来、常設の古本棚を提供していただき、たくさんのおかしな古本を販売させてもらった。お買い上げのみなさま、そして古書コンシェルジュのみなさま(いつもなるべくコスパの高い本をとお願いされていたのだが、安い変な本ばかり送りつけ、大変に申し訳ありませんでした。でもその変な本が、意外にもバンバン売れて行くのが、本当に嬉しかった)、本当にお世話になりました。ありがとうございました。古書売場の販売は来年一月末までは行われるので、新たな補充本目当てに、買おうかどうか迷っていた古本を目当てに、見逃していた古本を目当てに、最後の最後まで慈しんでいただければ幸いです。そしてこれを機会に、『古本屋ツアー・イン・ジャパン』の古本を売ってみたい!という奇特なお店がありましたら、ぜひともプロフィール欄のメールアドレスにご連絡ください。こちら、誠実に棚造り対応いたします。

昨日はそんな悲しみの補充本を送り出すとともに、project“S”の残りゲラが送られて来たので、ようやく全体像を掴みつつ、それに伴う原稿執筆に手をつける。午後に息抜きで外出し、中村橋の「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)へ。新評社 別冊新評「ルポライターの世界」白水社「白紙 藝術論集/コクトオ 堀口大學譯」を計500円で購入する。「白紙」冒頭の堀口による『譯者ノオト』という、コクトーに捧げるかのような詩が、力強くて素晴らしい。続いて保谷の「アカシヤ書店(2008/12/17参照)」に向かうが、残念ながらパイプシャッターが無情にも下ろされていた…年内にどうにかして買いに来たいな…。そんなことを思いつつすぐさま家に帰り、原稿の続きでウンウン唸る。

そして本日は午後四時に紅葉が目を楽しませてくれる砧公園に流れ着いたので、急いで祖師ケ谷大蔵に出て「祖師谷書房」(2022/12/05参照)の様子を見に行く…ところが、お店はシャッターをガッチリ下ろし、その前に自転車を置いていた…あぁ、これはもう、明らかに開かない雰囲気だ。物凄い勢いで、店仕舞いを進めてたもんなぁ。もう一度、オヤジさんとお話ししたかった。…本当に本当に、小さいが楽しいお店だった…がっくりと肩を落とし、長い長い『ウルトラマン商店街』を寂しく伝い、駅へと戻る。すっかり暗くなってしまった阿佐ヶ谷に帰り着き、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で、いつものように古本を探し求める。店頭で角川ホラー文庫「ホラーコミック傑作選第5集 江戸川乱歩・原作 白髪鬼/横山光輝・桑田次郎・古賀新一」を手にし、店内のほぼ五百均棚から郷土研究社「遠野物語 増補版/柳田國男」を見つけ出して心ざわめき、計660円で購入する。「遠野物語」は昭和十年刊で、ちゃんと函付き。お正月辺りにお屠蘇でも飲みながら読み耽ろう。
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2022年12月17日

12/17恐らく今年最後の「モンガ堂」。

昨日入手した白林少年館出版部「ドリトル先生「アフリカ行き」」を、年齢を忘れて面白く読み、また本そのものを慈しんでいるのだが、譯者・井伏鱒二の『あとがき』を読んで、初めて知ったことが幾つかある。この「ドリトル先生「アフリカ行き」」は、井伏が多忙なために石井桃子に下譯を頼み、それを好みの文章に改めたこと。さらにこの『白林館少年出版部』は、文藝春秋を退社した石井が、所縁ある犬養毅の書庫で立ち上げた出版社であること(確かに発行者の住所表記が『東京市四谷區南町八八』と、犬養邸と同じ住所になっている)。そしてこの本が『ドリトル先生』の日本初譯であること。などである…あぁ、古本から始まる新しい知識…楽しい、楽し過ぎるぞ!

そして本日は午後三時前に西荻窪北の上荻に流れ着いたので、『青梅街道』銀杏並木の黄色い葉っぱをチラホラ浴びながら、「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)へ。恐らくこれが今年最後のモンガ堂訪問となるであろう。お店に入って、帳場のモンガさんと視線で素早く挨拶を交わし、店内をじっくり回遊。「買うもの何かありましたか!」とモンガさんに驚かれつつ、旺文社「ごみすて場の原始人/C・キング作 河野一郎訳 スズキコージ画」実業之日本社 創作少年少女小説「海の日曜日/今江祥智」を計800円で購入し、モンガ堂は『元日から営業』という情報も入手して、一応「よいお年を」と早めな挨拶を交わしておく。…あっ!そう言えば今日から「盛林堂書房」(2012/01/06参照)が西荻窪の洋服屋さんでイベントに参加しているのだが(もちろん古本販売である)、ここから向かうとなると距離にしてニキロ弱あるので、それは明日にするかと日和って早々に諦め、阿佐ヶ谷に向かってトボリトボリ帰宅する。
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SFもどきの「ごみすて場の原始人」がちと嬉しい。「海の日曜日」は宇野亜喜良の装幀挿画がとにかく美麗である。
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2022年12月16日

12/16戦前の「ドリトル先生」のち「古賀書店」へ。

午前十時半に家を出て神保町を目指す。今年一杯でお店を閉じてしまう「古賀書店」(2013/05/07参照)の様子を見に行くためである。中央線でズンズカ東に進み、御茶ノ水駅下車。『明大通り』を下って神保町入りし、日影で寒い店頭を覗き込みながら、『靖国通り』南側歩道を西にジリジリ進んで行く。工事中の「三省堂書店」前を通ると、大きなダンプが出入りするダイナミックな光景。そのダンプをガードマンさんに抑えてもらい、先へと進む。そして「田村書店」(2010/12/21参照)前を通りかかると、店内にいつになく人が多い。店頭を注意深く見やると、『年末バーゲンセール 全品半額 千円以上より Christmas Bargain Sale』のポスターが貼り出されているではないか。慌てて店内に滑り込み、突然熱し始めた頭蓋と直結した熱い視線を、棚に注ぎまくって行く。棚に並ぶ本は、出し惜しみなしの日本文学・日本近代文学・詩集・海外文学・研究評論・稀覯本である。い、井伏鱒二が、まるでデッドストックのように大量にダブりも含めて並んでいる…おおおっ、戦前のドリトル先生本、白林少年館出版部「ドリトル先生「アフリカ行き」/ロフティング作 井伏鱒二譯」までもある!こんなめったにお目にかかれない本、後学のためにちょっと見てみようと手を伸ばす。…あぁ可愛らしいハードカバー本だ…こんな可愛いのに、ド高値なんだよなぁ〜とカバーや本文や村上巖の見慣れぬドリトル先生を楽しみ、値段を見てみると、これが何と何との25000円なのである。いや、この本はこの四〜五倍の値が付いてもおかしくない本である。まさか…本当に…と言うことは…セールで12500円になるってことか…普通に古本を買うとしたら“散財”と言って差し支えない値段だが、この恐らく手にしようと思ったら、物凄く頑張って思い切らないと買えない本が(いやそれでも、多分買わない、いや買えないだろう…)、たった12500円で手が届く………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ、どうする?このチャンス?…よし、買っちゃおう!というわけでセール半額の12500円で購入してしまう。
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こりゃ、しばらくは財政を緊縮させないとな…だが、後悔はしていない!物凄く嬉しい!と気分と財布を軽やかにして「古賀書店」前。この神保町のランドマークとも、昭和の古本屋の代表的な佇まいともされて来た、二軒長屋の商店看板建築。この建物がなくなるわけではないのだが、その内の一軒が店仕舞いしてしまうのは、大変に切ない事態である。音楽関連の専門店と言うことでほとんど縁はなかったが、それでも店頭台だけは、時たま覗いていた…。ウィンドウには『二千円以上お買い上げ50%オフ』と貼り出されている。店内は楽譜を求める人で混み合い(つまりは殆どの人が楽器を演奏する人なのだ)、買物を済ませた人は皆お店の写真を撮って行く…ここには次に何が入るのだろうか?古本屋さんだと良いのだが。そんなことを考えつつ、小さく変化する神保町を後にする。
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※「日本古書通信2022年12月号」のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は北原尚彦氏の番。大学時代の帰り道に「ユマニテ書店国分寺支店」で買った新紀元社のジュブナイルSFの裸本を250円で買ったことから始まる、出版社事情に振り回されながら、カバーカラーコピーを求める長い旅の、愉快なそれでいてややこしいお話。
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2022年12月05日

12/5そそそそ「祖師谷書房」がぁっ!?

午後四時前に、街中にこつ然と巨大なガスタンクが聳える千歳台に流れ着いたので、プラプラ歩いて祖師ケ谷大蔵方面へ向かう。あっという間に暗くなり始めた時に「祖師谷書房」(2009/03/05参照)に到着すると、店内の灯りが濡れたアスファルトに、白い光を投げ掛けていた…ギョッ!? 何か様子がおかしいぞ?…通路が物凄くスッキリしている…それに奥の棚ががら空きになっているではないか…ガラス越しに左側の通路を覗き込むと。帳場横でオヤジさんが、棚の本を下ろしつつ、それらを結束中であった。嫌な予感が背骨をバシン!と走る。カラリとサッシを開けると、オヤジさんが手を止め、驚いた顔を上げる。「見てもいいですか?」「あぁ。大丈夫ですよ」とニッコリ。そして思い切って聞いてみる。「あの、この状態は、もしかして、お店を閉めちゃうんですか?」「ええ、そうなんですよ。そろそろね…」「えーーーーー、寂しいですよ」「いや、もう時代がね、時代が変わったんですよ…」「いつ頃閉店されるんですか?」「片付けが終わり次第かな」とオヤジさんははにかんだ。片付け次第って、もうあらかた目処が着き始めてるじゃないですか…この分だと年内に閉店する可能性が高そうだ…。何にせよ、大ショックな瞬間に出くわしてしまった。頭の中を、走馬灯がグルグル回り始めてしまう。アヴァンギャルド詩集「鋭角・黒・ボタン」や「特異兒童作品集」やたくさんの児童文学と絵本を買った思い出が、クルクルクルクルクルクルクルクル…さらにこれからここで買うべき本の幻も、クルクルクルクル……。それでも目玉は、以前の混沌さと狭さが嘘のようにスッキリした棚を眺めて行く。結束を進めつつ、積み重なっていた本や奥にあった本を空いた棚に改めて並べているようで、値段の付いていないものが多い。まぁ差し出して精算してもらうしかないかと、学研 昭和42年『中二コース11月号第四付録』「文三記者の事件日記/山本三郎(文)岡野謙二(絵)」ホンダランド「エンジンの話」啓隆閣新社「子どものマンガをどうする/石子順」あかね書房 推理・探偵傑作シリーズ13「怪盗紳士ルパン/モーリス・ルブラン作」を選んでオヤジさんに手渡すと、しばらくパラパラ眺めた後「500円で結構です」となる。ありがとうございます!本を袋に入れつつ「傘持ってますか?大丈夫ですか?」と優しく気遣われる。さらにありがとうございます!そして「年内にもう一度来てみますね。その時閉まってたら諦めますけど、とにかくまた買いに来ます」と宣言してお店を出る。嗚呼、どうにもやるせなさ過ぎる切なさが、ヒシヒシと、心に割り込んで来てしまう……時代の流れか。
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2022年12月04日

12/4最近改めて「十五時の犬」が好きだ。

せっかくの日曜日なのに、ワチャワチャと些事をこなし続けた午前中。まだまだやることはあるが、午後にちょっと外出して用足しに中野に姿を現わす。そして当然のように「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)に足を運び、少年少女講談社文庫「名探偵金田一耕助 金色の魔術師/横溝正史」を550円で購入する。四階から二階に下り、回廊を巡っていると、おぉ!久々に「古書うつつ」(2008/06/18参照)が店頭だけでなく、中にも入れる営業状態になっている。店頭はビジュアル誌ばかりなので、早速店内に進む。フロア中央に位置する帳場より奥には進めぬようだ。棚に並んでいるのは、落語・芸能・幻想文学(澁澤・種村・中井・塚本)・ミステリ・演劇・三島由紀夫・石原慎太郎・人形・美術、それに入口近くのジャズ本ラックとCD棚と言ったところである。ぬぅ、カバー背文字は焼けているが、明日書院「大根役者・初代文句いうの助/伊藤雄之助」が300円は安い!と即座に購入する。その後は多くの外国人で賑わう『ブロードウェイ』から抜け出して、いつものようテクテク歩きで高円寺にたどり着き、『あづま通り』に入る。すると「古書十五時の犬」が、またもや午後三時前(現在午後二時半である)に営業開始しているのに出くわす。喜びながら本棚の迷路に迷い込み、身を引きながら目前に迫る本の背を眺め、首を痛くなるほど後に倒しながら、遥か彼方の天井近くの棚まで目を凝らす。結果、読みたかった東京創元社クライム・クラブ23「ハマースミスのうじ虫/ウィリアム・モール」に出会えたので、本体は糸で補強されているが箱がちゃんと付いているのを喜び、千円で購入する。どうも最近「十五時の犬」(2011/11/22参照)の棚を見るのが楽しみでしょうがない。何故なら目を皿にすると魂に響く何かが発見出来るからだ。また来ようっと。
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2022年11月28日

11/28家にあった本の函に収めてみる。

午後二時前に用賀に流れ着いたので、「月世界」(2013/10/24参照)の様子を見に行ってみる。だがお店はまだ、コロナ感染対策で、買取関連での入店しか出来ない状態が続いていた…残念である。田園都市線→JRと乗り継いで阿佐ヶ谷に戻り「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)前を通りかかると、シャッターがガッチリ下りて臨時休業中。明日は定休日なので二連休ということか。お店が開く水曜日が待ち遠しいな…。家に戻り、昨日手に入れた高城高署名本「墓標なき墓場」を、以前新保博久教授からいただいた同じ本の函に収めて遊んだり、大阪に補充古本箱(いつものように一週間ほどで、「梅田蔦屋書店」の古書棚に並ぶことでしょう。今回も出血大サービスの粒ぞろいですよ!西のみなさん!)を送り出したりした後、ブラブラと荻窪に向かう。
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「竹中書店」(2009/01/23参照でセゾン美術館「メランコリア-知の翼- アンゼルム・キーファー展」(扉にボールペンでの署名入り)を200円で購入し、続いて「藍書店」(2018/12/24参照)では光文社ジャストコミック「ななこSOS1・2/吾妻ひでお」を計220円で購入。そして最後に「古書ワルツ荻窪店」で、湯川弘文館「詩集 二十四時/岩佐東一郎」(カバーナシ)第一生命保険相互会社「生誕100年 村山知義[肖像画]展」を計660円で購入し、夜道をヒタヒタ歩いて帰宅する。
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2022年11月23日

11/23「水中」の定休日が水曜に。

十一月の冷たい雨に弄ばれ、三鷹の遥か北に流れ着いたので、駅に向かいながら道すがらの古本屋さんに立ち寄って行く。まずはかなり久しぶりの「藤子文庫」(2016/03/27参照)に、短めの白い暖簾を潜って格子戸を開けて入店。相変わらず本は少なめだが、相変わらず面白い並びの棚を楽しみつつ、日本放送出版協会「紙ヒコーキ」を200円で購入する。次はさらに南に下り「りんてん舎」(2019/03/30参照)の引戸を、真鍮の取っ手を掴んで開けて「こんにちは」。表で見付けた人文書院「十二神將變/塚本邦雄」とともに徳間書店平和新書「魔天忍法帖/山田風太郎」(『風太郎忍法新作長編怪・艶・奇・妖! 夏の夜のオトナの夢』とある帯付き)を計660円で購入する。雨はまだ降り続いているので、店主が気を利かせて本をポリ袋に入れてくれた。ありがとうございます。そして最後に「水中書店」(2014/01/18参照)に寄ると、ありゃりゃ、閉まってるぞ。臨時休業だろうか…と暗い店内をガラスの向こうに浮かべる入口ドアに近付いて見ると、そこには一枚の貼紙が…『2022年9月14日より、定休日が火曜日から水曜日に変更となります。…』し、知らなかった。この辺りで水曜が定休日の古本屋さんは、西荻窪「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)と高円寺「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)「大石書店」(2010/03/08参照)などが思い当たるが、「水中書店」が仲間入りするとは。これから火(「りんてん舎」は火曜定休)・水に三鷹に来る時に気をつけなくてはイカンな。
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posted by tokusan at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする