2017年10月25日

10/25文庫本ばかりの目録

先日、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)から古本を報酬に請け負った超特急の仕事は、目録のデザインであった。A5判28P中綴じオールカラー「盛林堂の本棚二〇一七年臨時號」…その特集内容は、驚くべきことにすべて文庫本なのである!
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盛林堂さんのことだから、当然探偵小説中心に編まれているので、あれも欲しい!これも欲しい!と、制作中からすでに、素材の写真を見て、組んだページを見て、涎がダラダラ垂れまくり!特に博文館文庫と日本小説文庫&春陽堂文庫のページは白眉であるが、まぁ七ページに渡って同じ意匠のカバー無し表紙本が並び続ける、冗談のような地味な様は、もはや笑うしかない素敵過ぎるページ構成となっている。ちなみに表紙デザインは、各文庫の意匠をライン状にして配置。本文文庫データも見易く優しく大きめにしてあるので、老若男女の探偵小説好きが、安心して楽しめるはず!27日から始まる「神田古本まつり」の盛林堂ブースやお店で無料で配布されると思いますので(ただし本を購入するか、「目録をください」と声をかける必要あり)、心の古本アンテナにビビンと引っ掛かった方は、万難を排してでも手に入れることをお勧めします!
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これが問題の地味ページ。それでも紙面の静けさとは裏腹に、見ているだけで血湧き肉踊ってしまうのは何故なのか!
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2017年10月24日

10/24逢魔時に百均を。

武蔵境の南にある深大寺近辺に夕方に漂着。意外に平凡な住宅街なのに拍子抜けし、テクテク西に歩いて新小金井の「尾花屋」(2017/06/15参照)を見に行くことに決める。だが、小さな商店街の新しい古本屋さんは、残念ながら神田での仕入れのため、お休みであった…虚しく店頭に優しく出されっ放しの『古書の日スタンプラリー』スタンプ台を一瞥してから、東小金井方面にさらに足を向け、「BOOK・ノーム」(2009/02/13参照)の店頭台前踏み段に上がる。一冊50円・三冊100円の文庫群の中から、中公文庫「妖精たちの回廊/赤江瀑」を選んで50円で購入する。だが、「尾花屋」の店頭100均棚に存分に挑むつもりだった気持ちがまったく収まらないので、さらにテクテク線路高架脇を東に歩き詰め、結局武蔵境まで移動。すでに駅前は、人の顔が暗い影になった逢魔時を迎えてしまっている。「浩仁堂」(2011/02/15参照)は営業しているだろうか…そんな一抹の不安を抱えながら、夜に入り始めたアスファルトの上を滑って行くと、おっ、ちゃんとやっている!
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暗い中で店頭ラックと店頭棚をじっくりチェックして、まずは二冊。そして店内で一冊をつかみ、満足して精算に入る。国書刊行会「眠りをむさぼりすぎた男/クレイグ・ライス」(古本神・森英俊氏が訳!)日本外政学会「連邦警察 FBI物語/ドン・ホワイトヘッド」福音館書店「とけいのほん2/まついのりこ」を計450円で購入する。今日も古本が買えてよかった。

さて、いつの間にか約半月後に迫ってしまった、愛知県知立市での一箱古本市&トークイベントについて再告知!東海地方のみなさま、いや、それ以外の日本全国のみなさまも、ご興味持たれたらぜひとも馳せ参じて下さい!心よりお待ちしております!

★一箱古本市in正文館書店知立八ツ田店
■11/11(土)第2駐車場(雨天時は店内カルチャースクエア))
■10:00〜14:00
※少数精鋭で、変な本持って行きます!

★THE対談 目黒考二×小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)
■11/11(土) 14:00~15:00 トークショー 15:00~15:30 サイン会
※一箱古本市の一環として開催します。
■第二駐車場にて(雨天時は入口特設会場)
■予約は、インフォメーションカウンター、またはお電話にて承ります!。
正文館書店知立八ツ田店 知立市八ツ田町曲り57-1
TEL0566-85-2341 10:00~22:00 年中無休 http://www.shobunkanshoten.co.jp
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2017年10月23日

10/23太陽の下で百均を。

台風が東京を通り過ぎると、ずっと頭上に居座っていた雲が嘘のように流れ、本当に久しぶりの陽が強く差し始める。こんなにも陽の光をありがたいと感じるのは、稀なことではないだろうか。郵便局に向かった足が、何だか無闇に気持ち良くて、そのままどんどん航続距離を延ばして行く。足元には強風のために振り落とされた、たくさんの街路樹の枝や葉が積もり、強い植物特有の匂いを発している。日射しは、あまりにも久しぶりに浴びるため、夏の強さに匹敵しているように感じるが、強く吹く風は何処か乾いて冷たく、今がもはや秋であるのを思い出させてくれる。荒木経惟の名写真集の名タイトル「東京は秋」という言葉が、心にじんわりとしみ込んでくる。そしてそのまま開店したばかりの荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)へ。近くに巨大ビルがあるためか、轟音を立てて強風が店前の道路で荒れ狂っている。もうしばらくしたら、ここでも風の寒さに首を竦めながら、店頭棚に縋り付く季節になるのだろう。まったく、季節の巡りは、いつからこんなに早くなったのだろうか。と自然現象にブツクサ文句を言いながら、毎日新聞社「茶の間 第二集」(カバーナシ。新聞にリレー連載されたエッセイ集で、龍胆寺雄・大下宇陀児・橘外男・竹中郁・細田民樹・古川緑波なども執筆陣に名を連ねている)白水社「現代ロシア幻想小説集/川端香男編」(ソログープも載ってる!)ほるぷ名著覆刻詩歌文学館「小熊秀雄詩集」を計315円で購入する。一旦家に戻り、午後二時過ぎに消耗品を買いに外出すると、再び足は気持ち良く軽快に航続距離を延ばしてしまい、高円寺の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)に到着。東宝株式会社「『アラビアのロレンス』映画パンフ」(昭和三十八年封切り当時の物。A4判で、抑制の効いたデザインが抜群な上、折込写真が二枚あったり、刳り貫きページがあったりと非常に手が込んでいる)河出書房新社「別冊文藝読本 日本の名探偵/横溝正史編」を計200円で購入する。店主の粟生田さんとは「台風、無事に過ぎてよかったですねぇ」「陽が出たのは本当に久しぶりですよ。台風の前もずっと雨でしたもんね」「もう昨日なんか、だ〜れも来なくて、ほんとどうしたらいいんだろうって、ず〜っと思ってましたよぉ〜」などと会話を交わす。そのまま高円寺のお店を見て回るが、次に古本を購入したのは「アニマル洋子」(2014/03/14参照)で、店内100均棚が何だか好ましい感じになっていたのである。関西通信社 車窓読物「日本の妖怪伝説/小笠好恵編」荒地出版社「年刊推理小説ベスト18〈1963年版〉/B・ハリデイ編」を計200円で購入し、気持ちの良い突発的秋の百均散歩を締めくくる。
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今日の戦利品。〆て715円である。そして「アラビアのロレンス」パンフには、面白い物が挟まっていた。ナマコ壁の意匠が特徴的な、今は亡き上映館『有楽座』の御案内である。映画上映時間や料金表、それに『お客様へのお願い』などが書かれており、裏は劇場の見取り図になっている。
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2017年10月22日

10/22静かな静かな「貝の小鳥」

街の底で、降り続く雨を呪いつつも、この雨のせいで、頭の中では映画『ブレードランナー』のヴァンゲリスによるテーマ曲が♪デンドンデンドン…チャラッチャラッ…ピャァ〜ピャァ〜ラ〜ラ〜♪と狂ったようにリフレイン。私も、あの柄が蛍光灯のように光り輝く、未来の傘が欲しいものだ…そんな叶わぬ愚かな欲望を抱いて濡れそぼり、たどりついたのは夜の目白である。夜とは言っても、まだ午後六時前。もしやと思い賑やかな『目白通り』を離れて裏路地に入ると、絵本&児童文学古本屋さん「貝の小鳥」(2009/06/14参照)が待ってくれていたかのように、真っ暗な路地にただ一軒、明かりを灯していた。
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疲れて濡れた羽根を休めるように、台風が近づこうがいつも通りの、静かな静かな落ち着いた小鳥内に入り込む。いつもは店頭にちんまりと出されている、安売ミニ棚をチェックしつつ、右側の絵本&児童文学壁棚に接近して行く。確か営業時間は午後六時まで…この刹那に、何か良い本と出会えればラッキーなのだが…。と少し焦っているところに、一冊のパラフィンに包まれた本が目に留まる。小峰書店 こみね幼年童話15「ピストルをかまえろ/作=山元護久 絵=池田龍雄」…『ようねんどうわ』とあるのに、何だ、このハードボイルドなタイトルは。まるで創元推理文庫の一冊みたいではないか。と引き抜き、パラパラとページを繰ってみる。絵は「けむりの家族です」(2017/08/14参照)と同じ池田龍雄で、作者は『ひょっこりひょうたん島』も書いていた放送作家&児童文学家である。三話オムニバス形式のようだが、拾い読みしただけでただ事でない展開が連続しているのが見て取れる。値段は1080円。これは、買わなければ!と素早く決めて帳場に差し出し精算。「ありがとうございました」の声に送られ、表に出ようとした瞬間、何故かガラス戸を開いていると勘違いし、手をその透明なガラスにぶつけてしまう…アホか…。

「ピストルをかまえろ」(昭和45年初版)は、何故かピストル(実銃でもちろん実弾が発射される)を所持している少年・たろうが、巻込まれた事件を解決するため、大人の犯罪者相手にピストル片手に活躍する、本当に『何故これが幼年童話なんだ!』と声を大にして問いたい、強烈に奇天烈な物語である。一話目は母親誘拐事件、二話目はロボット人形盗難&人間改造事件、三話目では詐欺的脅迫事件&ついに巨大怪獣まで登場してしまう。うぅ、やっぱりメーターを振り切った作品って、魅力に溢れまくってるなぁ。あの一瞬でこんな本に出会えたなんて、「貝の小鳥」さんに大感謝!ちなみにこの本、後見返しに貸出票袋を取り外した痕があり、児童本出版社『フレーベル館』の蔵書印が捺されている。
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2017年10月20日

10/20古書と電子部品のお店の移転閉店セールに駆け付ける。

例え鈍い曇り空の下であろうと、雨に降り込められずに地上を歩くことが、こんなにも自由で痛快なアクションであったのかと、強く認識しながら新三河島駅近くの『尾竹橋通り』に曲がり込む。するとすぐ左手のビル一階に『古書・電子部品』の看板を架けた異色の古本屋さん「丹青通商」(2012/08/22参照)が姿を見せる。残念なことに、今日が移転のための現店舗での、最終営業日なのである。だがすぐに亀戸で新店を開店させるそうなので、ひとまずはホッと一安心。そして店長さんが在店していれば、移転閉店記念の(あるいは本を減らすための)店長値引セールが行われているらしいのだが…。移転の案内がある扉をガラリと開けて、本が相変わらず密集した店内に上がり込む。右側レジカウンターの様子をうかがうと、おっ!店長さんがしっかりと汗を流しながらお仕事中。そっと古本通路に引き返し、薄暗く狭めの縦長な空間に、次々と目を光らせて行く。電子部品ゾーン手前のミステリ通路は、特に念入りに見てしまう。あぁ!棚の上に架けられた渡し板の上では、恐怖小説全集が無造作に積み上がった雑誌の下敷きになっている!そして棚からは、大量のポケミスと創元推理文庫があふれ出してしまっている…「誰が駒鳥殺したか」の初版帯付きが5000円か…などと別れを惜しみつつ楽しみ、全棚に目を通してつかみ出したのは、2000円の批評社「新版大東京案内/今和次郎」(覆刻)であった。それをレジに差し出し、店長さんと少しお話しさせていただく。一見お店は何の準備もしていない有様だが、実はもうバックヤードの本やネット用の本や重要な電子部品は運び出してあるとのこと。後は今日お店を閉めたら、メインの撤収作業に取りかかるらしい。しかも土日の二日間で完遂予定…ええっ!この量を二日でっ?本だけじゃなく棚も凄い数ですよ!しかも雨はザンザン降るだろうし、台風も来るんですよ!しかし店長は、それでもやり遂げ、今月末には早々と新店をスタートさせる意志を、強く強く固めているのである…ががががが、がんばってください。住宅街の中に出来る半地下の新店では、電子部品は店舗には並べず、古本だけのお店になるらしい。う〜ん楽しみ。十一月あたりに落ち着いたらうかがいます!本は店長割引の千円で購入する。
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車中では黒白書房のシムノン「黄色い犬」を読み続け、阿佐ヶ谷駅に電車が滑り込んだ瞬間に、残り一ページを迎えてしまったので、本を持ったままホームに降り立ち、ベンチ脇に立ち尽くして読了する。メイグレの鮮やかな謎解きと、大岡裁きの如き度量の深さに、心に一陣の爽やかな風が吹き抜ける。また別府三郎の譯もよかった。『街路(まち)では、洋傘(かふもり)とレインコオトが家並に沿って動いていた』なんて少し詩的な文章が、決して物語の邪魔をせずに、ポロリポロリと絶妙のタイミングで立ち現れるのだ。ちょっと他の作品も読んでみたくなる訳者である。
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2017年10月19日

10/19ラッキー文庫

冷たく激しい雨の中、吉祥寺の南にある聞き慣れない町、牟礼に流れ着く。そこから三十分弱を費やし、『ジブリ美術館』脇を通過し、『井の頭公園』と『自然文化園』の間を通り抜け、どうにか吉祥寺にたどり着く。『駅前交差点』から誘われるようにして、近くの「一日」(2017/08/11参照)の様子をそっと伺うと、ガレージ部分がいつの間にか、店内を経由せずとも通りから直接入れるよう開放されているではないか。
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傘立てに傘を差し込み、開店当時より文庫が減り、単行本中心となった平台や棚を巡って行く。色々気になる古めの雑誌類に惹き付けられるが、結局台東区教育委員会が昭和五十七年に出版した小冊子「浅草橋場いまむかし」を324円で購入する。白髯橋のたもとに広がる町『橋場』の歴史を繙く、素っ気ない46ページの本なのだが、歴史より何より町に多くあった長屋の資料がワンダフル!写真豊富で、江戸→明治→大正→昭和の長屋の違いと路地の有様が、考現学的に研究されているのだ。これは素敵だ!とガレージから通りに出て、喜びつつ駅方面にバスと歩道の水たまりに脅かされながら向かい、「古本センター」(2017/03/06参照)に飛び込む。文庫棚のアテネ文庫が固まっている一角に、違和を感じる一冊を見つけたので抜き取ってみると、やった!戦後すぐにコバルト社が出していた仙花紙文庫本・ラッキー文庫じゃないか。千鳥格子の意匠が目印で、敗戦後に進駐して来たアメリカを様々な角度からテーマにして、多数出版した文庫シリーズなのである。キャッチフレーズは『新生活のパイロット ラッキー文庫』。カバーはなく表紙に折り返しが付けられており、見返しページ&折り返し裏には写真と目次、さらには広告と奥付が刷られている。他に所有しているのは「アメリカ新聞讀本」(2016/11/05参照)だけなので、ようやくの二冊目なのである。と言うわけで「アメリカ映畫讀本/津村秀夫」を200円で購入。
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表紙とともに、後折り返し裏の奥付を開いたところ。ちゃんと検印紙も貼付けられている。
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2017年10月18日

10/18東京・中野 MANDARAKEなんや

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しばらく三つの仕事に、身を引き裂かれるように苛まれていたが、本日正午過ぎにそのうちの二つに決着を着け(ひとつは古本が報酬の盛林堂さんのお仕事。この後何事もなければ、近々楽しい何かが出るはずです…)、休む暇なく先日の続きとばかり過去のゲーム攻略本をカートに積上げ、ゴロゴロと外出する。向かうは『中野ブロードウェイ』。まずは長いエスカレーターで三階まで一気に上がり、「MANDARAKE買取処」で再び攻略本を買い取ってもらう。「GYARAXY」のリーダーに「あっ、この前の方ですね」(2017/10/11参照)と言われつつ素早く査定される。今回大物は一冊だけで、四十冊ほどが100〜200円の値段となる。と言うわけで軽く懐が潤ったので、四階に上がって「海馬」(2015/02/06参照)へ。先週見たばかりなので、それほどの変化は感じられなかったが、通路の百均棚から三冊を抜き取る。富士屋書店「きしゃのたび/木村定男画」(落書きアリ)松和書房「講談と実話 昭和二十三年十月號」博文閣「別冊 實話と讀物 夏の傑作讀切集」(表紙・扉は志村立美。長田幹彦『怪談讀物 油屋おせん』香山滋『怪奇小説 壺の中の女』など掲載)を計324円で購入する。ここから南に踵を返し、セル画ショウウィンドウ前を過ぎ。シャッターに挟まれたような狭い通路に入り込む。おぉ!今日はシャッターが閉まっている「ワタナベ古書」(2008/08/28参照)の隣りに、確かに小さい怪し気な新店がオープンしている。これでも「MANDARAKE」の仲間なのか?と戸惑うほど、それほど手が入っていない居抜き感とチープさが漂っている。もちろん扉はなく、広さは「ワタナベ古書」と同等。つげ&水木ポスターパネルや昭和アイドルポスターが所々に下げられ、壁際にはカゴ棚や飾り棚、中央にはゴチャリとした飾り棚、右奥に横長ガラスケースがあり、左奥には縦長正面ガラスなしガラスケースが置かれ、その脇にピンク色の服を来た青年が「いらっしゃいませ」と立っている。商品として置かれているのは、ポスター類・フィギュア・駄玩具・お面・美少女コミック・一般コミック・VHSビデオ・小ブリキ玩具・人形類・週刊誌などなど、ジャンルを超え過ぎた物たちが集っている…なんだか、「MANDARAKE」各店舗…いや、『中野ブロードウェイ』全店舗の、吹き溜まりのような雰囲気…風がここから起こるのではなく、様々な風がこの場所に吹き込んでいるのであろうか。古本も確かにあるにはあるが、私には手の出せないものばかりである。お店の性格をつかみ切れずにフワフワしていると、ピンク色の青年が「何かお探しですか?」と笑顔で話しかけて来た。聞けばこの店舗の商品には値札が付いておらず、すべては店員さんとお客の会話で決められて行く、けったいなシステムが採用されているそうである。しかも店員さんは日替わりなので、来店する度にお店のカラーが変化するらしい。ピンク色の青年は同人誌を得意ジャンルにしており、今日は同人誌箱を店内に設置していた。「何がお好きなんですか?」と聞かれたので古本である旨返答すると、「あ〜、今日は、ないですねぇ…では海馬の者が店員を務める時に来ていただければ、お気に入りの古書が並んでいるかもしれません」と勧められる。結局古本は買えなかったが、わりと楽しく会話し、他の「MANDARAKE」店舗に比べ、時の流れが別世界のように異様に鈍いひと時を過ごす。「またどうぞ〜」の声に送られ、二階の「古書うつつ」(2008/06/18参照)へ。店頭100均が秦恒平祭になっているのを目撃してから、店内で朝日新聞社「アサヒ相談室 読書/中島健藏」秋田書店 世界の名作推理全集「黄色いへやの秘密/ルルー原作 山村正夫訳」を計400円で購入する。そしてすっかり日が暮れて、冬のような冷たい風が吹き始めた阿佐ヶ谷では「ネオ書房」(2010/02/09参照)で角川書店「朝の歌〈中原中也傳〉/大岡昇平」を50円で購入し、安い古本ばかり購って家に帰り着くこととなる。
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10/17「さすらいの十年展」ご来場ありがとうございました!

今日は東武練馬近辺で外仕事。だが一瞬の隙を突いて表に飛び出し、西に走って、雨は上がっているが店頭は雨仕様のビニールに守られた「司書房」(2009/06/07参照)を覗き込む。
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短時間で素早くお店を味わい、棚に必死に目玉を投げ掛けて行かなければならない、忙しない状況…余りにも時間がないのでロクに見られていないのだが、この抜け出した焦燥感&背徳感はとても久しぶりだ…地方でライブハウスを抜け出し、古本屋さんに駆け付けていた頃を思い出す…などと過去の余韻と古本に浸っている場合ではないので、素早く店内を一周し、ちくま文庫「樋口一葉 小説集」を300円で購入し、仕事場に駆け戻る。後で一時間ほどぽっかり空きが出来てしまった時に、買って来たばかりの樋口一葉を読み耽る。最初の収録作品は「大つごもり」。意地悪な御新造のいる金持ちの家に奉公している女の子・お峯の物語。文語体の脳内変換に苦労しながらも、ずるっと明治に引き込まれて読了してしまう。つらい奉公を勤めながらも、お世話になっている貧乏叔父家族を救うために、あることを仕方なくしでかしてしまう。だが、結局身から出た錆で、お峯大ピンチ!ところが最後のページに、感動のラストが!うぉぉ、なんだ、まるでこの久生十蘭のような完成度は!その素晴らしさと物語のカタルシスに、思わず涙がこぼれ落ちそうになる。だがそれはちょっと恥ずかしいのでグッと我慢し、次の「ゆく雲」も期待して読み始めるが、今度は全然物語の筋を追えずに閉口してしまう。う〜む、どうやらこんな隙間的読書ではなく、しっかりと正対して物語と向かい合わなければいけないようだ…。

ところで、昨日で無事に『東京古書会館』二階で開かれていた、古本屋ツアー・イン・ジャパン『さすらいの十年展』が無事に千秋楽を迎えました。ご来場のみなさま、本当に本当にありがとうございました!東京古書組合広報のみなさまにも大変お世話になりました!最初は正直面倒でありましたが、己の異常な十年を客観的に紙で振り返ることが出来たのは、とても有意義なことでした。撤収した品を集めたら、ダンボール一箱に収まってくれたそうです。展示物が紙ばかりだっただからこそ、為せる技と言えましょう。調子に乗ってさらに十年後にまた開けたら良いなと思いながら、これからも様々な形でさすらって行きますので、引き続き当ブログをご贔屓のほど、よろしくお願いいたします!
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2017年10月15日

10/15東京・千歳船橋 eco BOOK千歳船橋店

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日曜日なのに、仕事で千歳船橋にて缶詰気味。だが少し待ち時間が出来たのを幸いとし、屋根波の低い雨の住宅街を、ビニール傘を頭上に差し掛けて、ちょっとだけ散歩してみる。以前はこの地にも二軒の古本屋さんがあったのだが(2009/03/19&2015/03/02参照)、今は一軒もない寂しい状態。それでも何処かに古本の影はないかと、目を凝らしながら濡れたアスファルトの上を滑って行く。インパクト大な名である『森繁通り』をテクテク…むっ、駅から200mほど北に来た左手に、リサイクル系チェーン古本屋の「eco BOOK」があるじゃないか。茶色い古書狂いの心をつかむ何かがあるとは思えぬが、万が一何かあるかもしれないし、少し古本で心を潤しておこうと入店する。するとお店の奥から、子供たちの激しい歓声が響いて来る…その激しいやり取りからして、バトル系カードゲーム大会が開かれているのだろう。古本はほぼお店の前半に集中。右端がコミック・特価文庫・社会雑学文庫通路。真ん中が時代劇文庫・国内文庫通路。そして左端は黒い暖簾の掛かった完全なるアダルト通路となっている。右端通路を右に折れ曲がると、通り側壁棚に新書や単行本類が少しだけ集められている。古本以外にもバーゲン本が紛れている。入る前からわかっていたが、古い本など一切なく、近年出た本の古本ばかりである。値段は定価の半額よりちょっとだけ上で、精算時には表示価格に消費税がプラスされる。雑学文庫コーナーには新しめのちくま文庫がちょいちょい含まれているので、少し見応えあり。河出文庫「怪異な話 本朝不思議物語/志村有弘編」を購入したところで、少しだけ古本世界に触れたことに充足感を覚えて、短い散歩を切り上げ仕事場に帰還する。
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2017年10月14日

10/14仕事に圧し潰されそうな雨の週末

昨日は仕事に追いまくられ、夕方まで一歩も外に出ずに過ごす。一息ついたところで西荻窪に向かい、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で「フォニャルフ」に補充した後、番台の店主・小野氏と緊急の打ち合わせに入る。ある仕事を依頼され、それを神速の如き手業で仕上げなければならないのだが、案の定その仕事の報酬は“古本”だと告げられる!う〜む、いや、いくら俺が古本修羅だと言っても、ここはやはりギャラはキャッシュで…と願ってみるが、長い付き合いで私の嗜好を知り尽くした小野氏に、目の前に報酬である好みの古本を前払いで差し出されると、もはや思考力と魂が一気に弛緩して、あっという間に骨抜き状態に。…………そうか、俺は今、古本が通貨として流通している『古本国』にいるのだな。正真正銘そこの国民に登録されているのだな。古本を得るために、毎日を暮しているのだな。じゃあ報酬を古本で受け取ることに、何の問題もないじゃないか…………ハッ!いつの間にか、古本を受け取ってしまっている!本当にいつの間に…というわけで、忙しい中に新たな緊急の仕事を抱えてしまい、途方に暮れながらも、今や鞄の中にしっかりと収まっている古本通貨分を、しっかり働かなければ!と、泣きべそをかきながら心に誓う。

続いて本日は、流れ流れて仙川の北にたどり着く。仙川駅方面に向かいつつ、通りに吉祥寺行きのバスが来たらすぐさま乗り込み、吉祥寺の古本屋さんを巡って行こうかと思いつくが、バスは一向に姿を見せぬので、そのまま駅に向かい、南に突き抜け「文紀堂書店」(2015/03/31参照)へと向かう。ついこの間、「怪盗ラレロ」で散在した(2017/09/26参照)ばかりだが…。雨仕様の店頭で均一本を眺めていると、自転車で乗り着けた親子が、それぞれが読む本をそれぞれが選ぶ麗しき光景に遭遇。ただし子供の方が途中で飽きてしまい、ひたすら絵本を読み耽り始めてしまっているが…。そんな親子の動向を気にしつつ店内を一周。今日は抑えめ控え目にと、偕成社「サボテンぼうやの冒険/たむらしげる」現代思潮社「サド 悲惨物語/渋沢龍彦訳」(1963年函バージョン)を計500円で購入する。あぁ、でもやっぱり、帯付きの「虚無への供物」が気になって仕方ないなぁ…いや、今は我慢だ。もう話は読んでるんだし、今無理に買わなくてもいいだろう。っていうか、この間迷った末に「ラレロ」を買ったばっかりだろう!そんな風に己を説得し、後ろ髪をグイグイ引かれながら駅へと向かう。まったく、古本国で暮してゆくのも、楽じゃあないなぁ…。
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というわけで、今日買ったのは何だか表紙のコントラストがとても極端な二冊である。
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2017年10月13日

10/12「感情装飾」を「コクテイル書房」で読み耽る

昨日の話は、夕方に暑い外から帰って来ると、ヤフオクの落札品が届いていたところから始まる。封を切ると中から滑り出して来たのは、パラフィンに包まれた裸本である。背の下部の上皮が一部剥がれているが、それ以外は全体的に上々。表紙には粗いデッサン風の手の絵が、十三種ほど群青で刷られている。金星堂「感情装飾/川端康成」(大正十五年十月四版)である。嬉しい嬉しい1100円での落札。函ナシだし、復刻本は出ているし、小説自体は旺文社文庫で読めるのだが、やはり大正十五年の空気を封じ込めた元本の魅力は、とてつもなく絶大である。装幀を手掛けたのは、舞台美術家・吉田謙吉で、あの考現学の始まりの名著「モデルノロヂオ/今和次郎」の共著者でもある。しかも出版社は憧れの金星堂。この出版社の本を手に入れた時しなければならないのは、巻末の自社広告チェック!なぜなら幻想魔術師・イナガキ・タルホ単行本の広告が載っている可能性大だからである!パラパラと巻末に目を走らせると、2017/05/15に入手した「モダンガール」と同じ『一千一秒物語』の柱広告を発見。他には…とページを進めると、ぬぉっ!『星を賣る店』の一ページ広告がっ!と興奮が一気に最高潮に達する。
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真ん中にポツンと刷られた、三日月に煙草のもらい火をするシルクハットの紳士のシルエットも印象的だが、下の恐らく編集者が書いたであろう紹介文が、もうシュール過ぎる!『此の國際的魔術的作家は香り高いエヂプトの葉と嶄新な印度花火の多量とを以て精錬趣向を擬した巻煙草を製造し玩具のやうなお菓子のやうな綺麗なレツテルを貼つて賣出しました。どんな味がするか試しに一本吸つて見給へ!』…吸いたい!一本だけではなく、二本三本と!稲垣足穂の初期著作、「一千一秒物語」「第三半球物語」「星を賣る店」「鼻眼鏡」は永遠の憧れ古本であるが、まぁ大枚はたかないと手に入れるのは難しいだろう…ふぅ。そんな風に特殊な大正時代の終りに心を飛ばしながら、いつの間にか午後七時が近づいているの気付き、慌ててビーサンを足に引っかけ、暗くまだ暑い表に飛び出す。二十分後、高円寺「コクテイル書房」(2016/04/10参照)のカウンター席に久々に尻を乗っけている。大阪での古本販売でお世話になっている「梅田蔦屋書店」の古書コンシェルジュさんが上京しているので、ここで落ち合うことになっているのだ。だが、待てど暮せど現れないので、持参して来た「感情装飾」の文章にアルコールとともに酔い痴れる。二ページ〜五ページほどの掌篇が三十六収録されている。たちまち十三篇ほど読み進め、柔らかで削り取られた物語の中に、光る宝石のように埋め込まれた新感覚派的文章表現に、何度も鳥肌を立ててしまう。あぁ、今日俺は、ここでこの文章群を読むために過ごして来たのだな…などと大いに勘違いしてしまうほど、コクテイルのカウンターで若い川端を読み耽る。その後はすっかり先に酔っ払った状態で、隣りに腰を下ろした古書コンシェルジュさんと久闊を叙する。
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2017年10月11日

10/11再び叢文社の日本小説文庫に遭遇する。

家でみっちり仕事をしながら、合間に素早く古本に関して動きを見せる一日。早起きして第一弾の仕事を終え、霧がすっかり薄まり靄に変わった街を歩き、荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)を定点観測する。新潮社「浮気のすすめ/吉行淳之介」早川書房 日本SFシリーズ5「人間そっくり/安部公房」を計432円で購入し、すぐさま家に引き返す。集中して続いての仕事にメドをつけ、昼食を終えた後、地味に進めている蔵書整理の一環として、二十年ほど前によくカバーデザインしていたゲーム攻略本を百冊弱結束し、ゴロゴロカートでどうにか引き摺り中野の「まんだらけ三階買取処」に持ち込む。普通の古本屋さんでは、ゲーム攻略本など恐らく二束三文の買い取りとなるであろうが、ゲーム関連ショップ「MANDARAKE GYARAXY」(2011/06/09参照)を有するここならば、ある程度しっかりした特殊な査定を行ってくれるはずだ、との目論んでの行動である。指定されたレーンの上に本を積み上げると、査定はスムーズに進み十分ほどで終了。中には値の付かぬ本もあったが、案の定七千円・三千円などの高価買取攻略本が出現し、大いに喜び面食らう。今日持って来られたのは半分ほどだから、また近々持ち込むことにしよう。懐を暖かくして、せっかくなので『ブロードウェイ』内を見て回るが、特に収穫はナシ。そう言えば森英俊氏から、四階に古本も並べている「まんだらけ」新店舗が出来たと聞いていたので探してみるが、残念ながら見つけられず終い…これは後日正確な情報をインプットしてチャレンジしなければ…。結局『ブロードウェイ』を突き抜けて『早稲田通り』に出て、そのまま「古本案内処」(2015/08/23参照)に飛び込む。店頭の新書&文庫棚ともに古めの本が並んでいる素敵な景色。所々の棚脇には、結束した本が積み上がる光景…どこかで見た感じが…そうか、出身の「ささま書店」と同じスタイルなんだ!と気付いて腑に落とし、木村書房 コンサイス科学叢書82「温泉と地獄」(昭和九年刊の文庫サイズ科学写真集。巻末の自社広告の書き出し、『何と素晴らしい可愛らしい本でせう。』というのが奮っている。それしても凄いタイトルだ)叢文社 日本小説文庫「近代異妖篇(綺堂讀物集)/岡本綺堂」を計432円で購入する。以前沖縄の「ちはや書房」(2013/10/22参照)で購入したことのある「近代異妖篇」だが、姿形は春陽堂文庫にそっくりでも、やはり叢文社出版となっている…不思議だ。装幀はほぼ同じで、表1の飾り枠の中が通し番号ではなく『叢文社』の略である『SBS』となっている。裏表紙の春陽堂鳥マークは、お腹に書かれているはずの“春”の字が塗り潰されてしまっている。表の『日本小説文庫』の手書き風文字も、春陽堂のものと見比べてみると、似ているが違うものであることが判明する。おまけに奥付の検印紙には『BOKUSUI SHA』(『墨水社』であろうか)となっているではないか。もう何が何だかわからんぞ!戦後のドサクサで紙型がどうにかして譲り渡され、出版されたものなのだろうか?それとも『春陽堂書店』が一時期だけ社名を変えて出版していたのだろうか…だが、なぜここまでそっくりなんだ!
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2017年10月09日

10/9二作目なんてあったっけ?

昨夜からブログサービスに障害が発生していたようで、アクセス出来ない状況が長々と続いていたが、どうやら復旧。ということで、どうにか今日のブログもアップ出来るというわけである。「古書ますく堂」さん(2017/07/26参照)から「明日は東急池上線が1日無料です。あの沿線の古本屋巡りをされるならまさに最適な日ですね」という間接的タレコミメールが届いていたのだが、その優しさに応えることが出来ずに、今日は上北沢に流れ着く。下北沢に行きたくて、上北沢と下北沢は、歩いて行けるほど近いのか調べてみると、残念ながら四キロほど離れていることが判明したので、観念して電車で向かう。いつ来ても祭的賑わいを見せる街路を擦り抜け、まずは「ほん吉」(2008/06/01)へ。西東社「シティ・サバイバル/さいとう・たかを」(1995年発行の、巨大地震をサバイバルするコミック・ゲームブックである)学研少年少女ベルヌ科学世界名作全集「うごく島の秘密」を計200円で購入し、続いて『タウンホール』前で『茶沢通り』を素早く横断して「古書ビビビ」(2009/10/15参照)へ。店頭棚前でさんざめく女子たち越しに、熱い視線を古本に注ぎ、彼女らに眉根を寄せた不審の表情を発生させてしまう。賑わう店内では、世田谷ピンポンズさんが、ヘビー・ヘビーローテーションされているが、結局店頭に置かれた古い映画パンフを漁り、東宝株式会社「ソイレントグリーン」松竹株式会社「男はつらいよ 噂の寅次郎」(第二十二作で、マドンナは大原麗子)を計200円で購入する。実はこの「男はつらいよ」のパンフが欲しかったわけではないのだ。中に挟まっていた物に意表を突かれてしまったのである。それは当時の同時上映だった、吉幾三主演の松竹映画「俺は上野のプレスリー」のパンフレットならぬプレスシート!ふ〜む、「俺は田舎のプレスリー」の第二弾が製作されていたとは…知っていたのかもしれないが、完璧に忘れてしまっている。とてもインパクト大だったので、能天気な吉幾三&早乙女愛の切り抜き写真が印刷された表紙を路上で露出し、お店をバックに撮影する。イヒヒヒ、ビビビさん、おかしな物をありがとうございました!
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そして「さすらいの十年展」も後半戦に突入し、残すところあと一週間!未見の方は、どうにか時間を捻出してのご観覧を、何とぞ何とぞよろしくお願いいたします!
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2017年10月08日

10/8“古本”の看板を遠望する。

今日は擬スペイン風&擬地中海風&擬欧風建物が寄せ集まる猿楽町辺りに流れ着く。すっかり日も暮れているが、先ほど偶然見かけた『桜丘郵便局交差点』脇のブックカフェを見に行くことにする。どうも入口脇では、小規模だが古本を販売している気配なのだ。だがたどり着いてみると、まだ午後六時なのに店内は真っ暗闇であった…早く閉まってしまったのか、それともお休みなのか。取りあえず脳内古本屋地図にこの場所を刻み込み、坂を上がって渋谷駅方面に向かうことにする。円形の滑り止めが刻印された急坂を、上がって下って、駅近くの『玉川通り』に架かる、井桁型の歩道橋の階段を上がる。こうなったら「古書サンエー」(2008/07/24参照)か。そう決めて歩道橋を北側から東に回り込むと、すでに跡形もない『東急プラザ』の敷地越しに、目映い歓楽街の灯りが煌めいている。おっ、良く見ると「サンエー」の緑色の電飾“古本”看板も、その煌めきに力を貸しているではないか!
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地上に下りて敷地をぐるっと回り込み、お店が見える部分にたどり着くと、看板は輝いているのだが、シャッターはがっちりと下ろされてしまっていた…そうか、日曜が定休日であったか…宮益坂上の二店と同じであったか…。そんな風に、華やぐ夜の渋谷の街に見放され、電車に乗って阿佐ヶ谷へと逃げ帰る。すぐさま北口小アーケード街の「千章堂書店」(2009/12/29参照)店頭に食らいつき(あぁっ!お店の脇に『さすらいの十年展』ポスターが貼られ、チラシもぶら下がっているのに気付いてしまった。酷く恥ずかしいが、とてもありがとうございます!)、左の岩波・ちくま・講談社文芸・中公文庫ゾーンから、ちくま学芸文庫「なぜ。植物図鑑か 中平卓馬映像論集/中平卓馬」を500円で購入する。
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2017年10月07日

10/7かりそめの神保町ツアーコンダクター!

恥を忍んで開催中の『さすらいの十年展』を記念して、『古ツアと行く神保町体験ツアー』を本日敢行!昨夕から降り始めた結構激しい雨に、どうなることかと大いに気を揉んだが、午後になって雨はあがってくれたので、傘を差さずに神保町を巡れることに、ホッと胸を撫で下ろす。よし、今日は裏方に徹し、参加者のみなさんにとって古本塗れのよい一日にするぞ!…だがやはりツアーコンダクターになる前に、身に付いた性として、当然神保町を鵜の目鷹の目でパトロール。「日本書房」(2011/08/24参照)で講談社「親しい友人たち/山川方夫」(昭和四十年カバー版)を100円で購入し、「神田書房」(2012/02/16参照)では徳間書店「戦後初期日本SFベスト集成1/横田順彌編」を同じく100円で購入する。途中「山口書店」(2012/02/03参照)が店舗解体中なのに出くわし、面食らう。廃業だろうか、それとも跡地に新しい店舗を建てるのだろうか…今後の動向に気をつけなければ…。
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『靖国通り』を東進し、結局本日のツアーの出発点ともなる『東京古書会館』の地下に忍び入り、「城南古書展」へ。正午前であるが、開催二日目とあって非常に落ち着いた雰囲気である。「青梅多摩書房」(2013/02/16参照)の棚から越後屋書房「百万の目撃者/蘭郁二郎」(背表紙&裏表紙ナシで記名あり)光風社「赤い十字路/戸川幸夫」をともに1000円の計2000円で購入し、この時点ですでに役目を果たした錯覚に陥ってしまう。だが、ここで燃え尽きてはお集りのみなさまに大変失礼なので、そのまま会場である七階に上がり、まずは本日のプレゼントである展示物のひとつ、「青銅の魔人」の読書感想文をカラーコピーし、署名落款作業に従事する。

午後二時過ぎにイベントはスタート。まずは古書会館七階で軽く古本屋&神保町について焦り気味に話した後、いざ世界一の古本の街へ!コースは「三茶書房」(2010/10/26参照)からスタートし、そのまま『靖国通り』を西進。路面店について大声で解説しながら、「玉英堂書店」(2010/10/31参照)「一誠堂書店」(2010/03/27参照)「大雲堂書店」(2009/10/06参照)を店内まで巡り、『すずらん通り』を引き返して、最後に『三省堂書店』「三省堂古書館」(2012/11/21参照)でお買い物、というものである。さすが馳せ参じた十二人は(一人はなんと北海道から!)、こんなマニアックなイベントに応募して来ただけあって、古本屋に入った途端に店内に四散し、無言で本を探し手に取り、気に入った本が見つかれば購入する、もはや手間入らずの立派な古本修羅たちなのである。というわけでかりそめのツアーコンダクターを務めつつも、ある程度気楽に過ごすことが出来たので、みなさんを放置して、ブログのネタとしてどさくさに紛れて以前から気になっていた物たちを、本日の立場を最大限に利用して、写真に収めて行くことにする。最初は「三茶書房」で、毎回お店に入る度に目を奪われる『古書買受』と書かれた黒い三角錐!
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校長先生とか、偉い人の机にかつて置かれていたアレである。これを見ると即座に連想してしまうのは、京極夏彦の、民俗学探偵小説『京極堂シリーズ』で活躍する旧華族探偵・榎木津礼二郎が神保町に開いた、『薔薇十字探偵社』の机上に置かれた、『探偵』と書かれた三角錐である。息がかかるほど至近距離でためつすがめつ眺め、しばし任務を忘れて己の幸せにどっぷりと浸る。続いて「玉英堂書店」では、二階の著名作家の直筆原稿や色紙や短冊などがひしめく帳場横の壁に貼られた、本郷在店時代の小型店名ビラ。
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なんとその当時は「玉英堂書店」ではなく「玉英堂 齋藤書店」だったのである。う〜む、まさにお店に歴史ありの一枚。さらに続いて、今でもお店に入る度に緊張してしまう「一誠堂書店」で、常々『格好良いな、素敵だな』と感じていた、店員さんに支給されるユニホームである、胸に「一誠堂」の刺繍入りジャケットを接写!
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まさか、撮らさせてくれるとは、夢にも思いませんでした。今日は、今日はとても幸せな日です…。

その後は古書会館に戻り、広報さんが調達してくれた『近江堂洋菓子店』のガレットやマドレーヌに舌鼓を打ちつつ、しばし歓談…と思っていたら、これが予想外に長引き、「ビブリオ」(2010/10/03参照)小野氏を交えた古本&古本屋話で大いに盛り上がってしまい、延々と続きそうになったので午後五時前に強制終了となる。ご参加のみなさま、三時間の古本屋塗れ、おつかれさまでした!そして古書組合の広報のみなさまと、店内を快く見学させてくれた古書店に多大なる感謝を!
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というわけで本日の嬉しい収穫はこの二冊。蘭の「百万の目撃者」は、傷んでいても千円ならとても嬉しい。これはあの人に頼んで、もうちょっとマシな姿にお化粧してもらおう。昭和五年刊の「暗黒アフリカの聖者 リビングストン」は値段通りの価値であるが、探検モノ好きとしては見逃せない一冊なのである。
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2017年10月05日

10/5露卯蘭?

夕方に三鷹台の南側に流れ着く。以前のように「獏の店」(2015/08/10参照)の様子でも…と一瞬思ったが、思い直して古本とは全く関係ない、たまたま見かけて気になっていた小さなお店を見に行くことにする。駅踏切からちょっとだけ南下し、すぐの大きな脇道を西に進む。そこからしばらく歩き、あるかないかわからぬような商店街が途切れる所に、その気になるお店はやはり気になる感じで路上に店内の光を投げ掛けていた。
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店名は何処にも見当たらない、日除けは破れ気味で、建物の半分には蔦が絡まっている。大きく採られたウィンドウから見えるのは、小さな店内の小さな三段のショウケースに並ぶ、懐かしさ満点の洋菓子である。中に入るが、誰も出て来ない。なのでしばらくウィンドウの向こうのケーキたちを、じっと品定めする。大きなパウンドケーキ類以外は、だいたい200円〜350円。ちょっとだけ悩み、結局オーソドックスに、200円のプリンとエクレアを買うことにする。奥に声を掛けると、か細い声がすぐさま応え、ご婦人が一人出て来た。注文を伝え、箱に詰めてもらっている間に、初めて店内を見回してみる。すると驚くことに、ウィンドウ脇の高い所に大きな扁額が掛けられており、『露卯蘭 米寿 実篤』と墨痕鮮やかにしたためられているではないか。ここは実篤お気に入りのお店だったのだろうか…そしてこれが店名なのだろうか…“ろう・いん・らん”…いや、“ろ・う・らん”か。実篤のおかげで、洋菓子への期待が否が応にも倍増!達人のようなお店の佇まいに加え、作家に所縁あるお店と言うだけで、浅ましくも条件反射のように名店だと思い込んでしまうのは、いつものことなのである。その時包装が終わったので、代金を支払い箱を受け取ると、その上部は薄いアート紙に赤一色で図柄が刷られた、可愛いく古めかしい掛け紙で包まれていた。そこには『洋菓子店 ローラン』の文字が。おぉ、このお店はやはり『ローラン』と言う名か。そんな風にしばしの間、昭和的空間で昭和的洋菓子を購う、慎ましい幸福にとぷっと浸る。そのまま気分よく井の頭公園を抜けて吉祥寺まで歩き、このままでは『古本屋ツアー・イン・洋菓子店』になってしまうことを危惧して、夜の「よみた屋」(2014/08/29参照)に慌てて立ち寄る。表で一冊、店内入口横の50均文庫棚から一冊抜き取り、店内を探索する。手前通路右から二番目にある探偵小説棚はなかなか濃厚。十冊弱集まる値段しっかり目の日本小説文庫&春陽堂文庫が蠱惑的である。第三通路の児童文学棚も古書と裸本を交えており、何冊も手に取ってしまう。あっ!奥のガラスケースが無くなり、未整理本置場と化している!などと小さな動きにいちいち敏感に反応した後、鳩の森文庫「つくってあそぼう折り紙 その理論と発展/鳥居昭美編著」出帆社「汚れた顔の天使 ジェームズ・ギャグニー自伝」を計150円で購入する。電車に乗って家に帰り、待ちに待って晩ご飯後に食べた、エクレア(なんとチョコクリーム!)とプリンのおいしいことおいしいこと。よし、次回はケーキにチャレンジしてみよう。……結局洋菓子の話ですみません…。
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2017年10月04日

10/4東京・御茶ノ水 古本感謝祭

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聖橋直下のホームに降車し、階段を上がって『聖橋口』の改札を抜ける。ここから「三進堂書店」(2009/04/07参照)を経て、駿河台下へ流れ落ちて行くのが、いつもの尋常なコース採りである。だが今日は違う。徐に東に向かい、長寿命化工事(本当にこう書かれた横断幕が掛かっている)真っ最中の聖橋を渡って、線路と神田川を越える…まさか古本を買うために、橋を渡る日が来るとは…。踏みつぶされた銀杏の香しさに鼻をくすぐられながら、やがて『湯島聖堂前交差点』。少し坂になった『国道17号』を南東に下れば、すぐさま甘酒で有名な『天野屋』とともに、巨大な神田明神の鳥居が姿を現す。門前ビル通りの坂をスタスタ北東に上がると、豪奢で朱が眩しい『随身門』の脇には「10月4日 古書の日 古本感謝祭」の立看板が、堂々と誇らしく屹立していた。本日一日限りの五店が参加する古本市+200均&500均本販売が開かれているのである。午後には古本に感謝を捧げる『古本感謝のお祓い』も行われる。門を潜り石畳の境内に入り込むと、広い参道と広い空はいつも通りで、右側に古本ワゴン島が幟をはためかせて縦長に展開している。一番手前が参加店ワゴンで、奥に向かって500均島・200均島と続く。平日午前中だと言うのに、すでにしっかりとお客さんが群がっているのに驚いてしまう。曇りがちの秋空の下で、ちょっと冷たい風に吹かれながら、さらに将門公に見守られ、ゆっくりと幸せに古本を眺めつつ、実に多くの人と挨拶を交わす。「さすらいの十年展」を開いているからこその交流であろう。結局古本は「竹岡書店」のワゴンから500円の北冬書房「死風街/かわぐちかいじ」を買うだけに留まる。二十分ほどで神田明神を離れ、再び橋を渡って今度は尋常に神保町入りする。「田村書店」(2010/12/21参照)では600円の雄山閣「白山三業沿革史」を、釣り銭切れというので一時本を預け、慌てて『すずらん通り』のコンビニでチョコを買い、崩してきた百円玉で購入する。「日本書房」(2011/08/24参照)では背が傷んではいるが、500円で金星堂 先驅藝術叢書1「海戰/獨逸 ゲエリング作 日本 伊藤武雄譯」を購入。まさかこんな本に店頭で出会えるとは!さすが「日本書房」!と大いにお店を讃えたくなる一冊である。

一旦家に戻って昼食を摂った後、結構大量の本を抱えて西荻窪入りし、「盛林堂書房」(2012/010/06参照)内の「フォニャルフ」棚の大幅入れ替えを行う。三段の古本棚がわりとリフレッシュしましたので、お近くにお越しの際はぜひともお立ち寄り下さい!中央公論社「赤ちゃんはどこからくるの?/S・M・グルェンベルグ 村岡花子訳」を100円で購入する。
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というわけで本日の嬉しい嬉しい収穫はこの二冊である。「海戰」は大正十三年刊の表現派戯曲で、『築地小劇場』の第一回目の上演演目としても有名である。後見返しには「天牛書店」の古書店ラベルあり。凄く嬉しいのだが、あぁ…巻末の広告に載っている“未来派戯曲”「ロボット/カーレル・チヤペツク」と「電氣人形/マリネツツイ」の威力の凄まじさたるや…い、いつの日か同様に安値でこの手に…。「赤ちゃんはどこからくるの?」は昭和三十年刊の性教育絵物語である。カバー裏にはこの本の使い方などの両親への言葉が刷られており、本文にはすべてのことが分かり易く丁寧に隠すことなく説明されている。挿絵は原書のものではなく、日本人が忠実に模写したものを掲載。そのためかバタ臭さ+柔らかさが混じり合う、不思議で懐かしい味わいの紙面が展開して行く。その後、あすなろ書房から何度か復刊されているが、この初刊本とは表紙や挿絵が大きく異なっている。
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2017年10月03日

10/3東松原でバラバラな三冊を買う。

今日は代田の谷間に流れ着く。すぐ隣りの下北沢に行きたいが、火曜は「ほん吉」(2008/06/01)も「古書ビビビ」(2009/10/15参照)も定休日である。ならばと若者の街に敢然と背を向けて、谷から這い出て環七を越え、右側の井の頭線線路を意識して住宅街をニュルニュル進み、東松原に顔を出す。おぉ、駅からすぐの「古書瀧堂」(2014/05/01参照)は頼もしく営業中である。店主が常に磨き上げている、渋く知と好奇心とが鈍くギラリと輝く三通路の棚は、古書を交えて独特なお店の雰囲気を練り上げている。外棚では、100円の講談社「猟人日記/戸川昌子」の何故か奥付の重版版数が削り取られた一冊を引き出すと、元本はおよそ二十ページごとにストーリーに合わせたイメージ写真が挿入されているのが目に留まる。斬新な印象を受けたので小脇に抱え、文庫棚では200円の新潮文庫「日夏耿之介詩集」を選び取る。そして最後に絶版漫画棚で、TOMOコミックスが安値の500円で二冊並んでいるのを発見。迷った末に「マラコット深海/原作A・C・ドイル 劇画桑田次郎」を選択し(もう一冊は帯が付いているが、表紙&帯ともにメキョメキョッと折目が付いている石森プロの「自殺クラブ」である)、相変わらず超超丁寧な精算対応で、なんだかバラバラな三冊を計800円で購入する。変哲なく、既知の古本屋さんで古本を購入しただけなのだが、充分満足してこの辺りから帰る時のお決まりのコースとなっている、浜田山駅まで出てコミュニティバス・すぎ丸で阿佐ヶ谷へと帰還する。
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この「マラコット深海」、奥付では加納一朗が“翻案”となっているが、見返しの桑田次郎の『ひとこと』では「この劇画は原作どおりではない。同じテーマで、わたしならこう描くというつもりで脚色してみた」とある。加納一朗の翻案をさらに脚色したのか、それとも加納一朗翻案は取りあえず名前だけで、桑田次郎が原作からダイレクトに脚色したのか…本当にどうでもよいのだが、ちょっと気になってしまう。
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2017年10月02日

10/2東京・豪徳寺 nuibooks

昨日は「LOFT9 BOOK FES.2017」に参加。奥のトークスペースから、タブレット純の情念が籠ったリハーサルの歌声が流れる状況で古本フリマはスタート。無事に五時間を過ごし四十五冊を売り上げることに成功する。会場にお越しのみなさま、本を買ってくれたみなさま、販売で袖すり合ったみなさま、LOFT9のみなさま、わめぞのみなさま、ありがとうございました。ここぞとばかりに「さすらいの十年展」のチラシを配りまくったりしたのだが、すでに初日に観覧していただいた奇特な方が何人も出現し、感謝感激する。そして本日は袖すり合ったフリマ仲間の「つぐみ文庫」さんからのタレコミを基に行動を開始する。

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一つしかない高架下の改札を抜けて北に向かうと、左には踏切と東急世田谷線山下駅の一部が見えている。そのまま商店街に入り込み、道なりに北へ。山下駅へ向かう小さな商店街をやり過ごし、次の脇道で西北へ向かう。途端に深まる住宅地の気配を顧みず、ぐんぐん進んで行くと、前方にはちょっとだけ土手のように高くなった世田谷線の『山下1号踏切』が見えて来る。その二十メートルほど手前の、接骨院が入る白いアパート的集合住宅の角に、青白ダンダラの日除けが架かったお店があるではないか。近づくとこれが、つい昨日オープンした出来立てホヤホヤの新刊+古本+雑貨の小さなお店であった。入口脇には絵葉書の回転ラックが置かれ、ウィンドウ前には小さな文庫中心の100均台が出されている。少し高くなった店内に入り、年季の入った木床を踏み締めると、右奥の帳場前では通りかかった近所のおばちゃんが、開店を言祝いでいる真っ最中であった。帳場に立つのは満面の笑みから開店の嬉しさが弾け出している女性である。店内に流れているのはシャンソン(何処かで聴き覚えがあるなと記憶の底を探ったら、佳作NHK BSドラマ「薔薇の殺意〜虚無への供物」の最終回で、深津絵里のモノローグに重なる歌であったのを思い出す)。その帳場前の右壁沿いには児童文学と絵本棚が置かれているが、これはどうやら新刊らしい。中央には雑貨とともに真っ赤なタイプライターの置かれたテーブル。そして左壁と帳場左横に一番大きな本棚が置かれ、本&本屋系新刊・古本少女漫画&その周辺・古本新書・古本海外小説・暮し系新刊・新刊猫関連本・洋雑貨などが並んで行く。新刊&雑貨の方が品揃えと方向性がしっかりしており、古本はちょっと少なく少女漫画関連以外はまだまだ未知数である。だが、古本はとても安い!というわけでBankART1929「大野一雄 九十七歳の履歴書」を選んでレジに差し出すと、「ありがとうございます」と、一段と笑顔の度合いがアップする。純粋な古本屋さんではなく、古本も扱う小さく洒落たお店であるが、すでに街に小さな潤いを与えている模様。開店おめでとうございます。

この後は駅の南側に出て「靖文堂書店」(2011/09/06参照)に飛び込む。アルス「日本脱出記/大杉栄」がわりと良い状態で200円!口絵にはフランス追放状とともに、帰国後すぐに愛娘魔子を膝に乗せる写真が掲載されている。
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あぁ、大杉がパリで投獄された時に、魔子に送ろうとした電文の一部が、頭蓋に自動的に閃いてしまう!『おみやげどっさり、うんとこしよ お菓子におべべにキスにキス 踊って待てよ 待てよ、魔子、魔子』。裏側見返しには「巌南堂書店」の緑のラベルが貼り付いている。昭和四十七年十月の『神田古書店地図帖』で調べてみると、『神保町交差点』西側の『靖国通り』北側にあったお店で(今この辺りに路面店は皆無である)、取扱分野は『法経書歴史地方史料専門店』となっている。
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2017年09月30日

9/30日曜は展示から販売へ!

昨日全精力を使い果たした展示のこけら落としをほっぽらかし、立川市の砂川町に流れ着く。ここならば「清水書店」(2009/06/04参照)を見に行けるなと、玉川上水駅の南側に出て、小さめのロータリーで連続する鰐の腹の下のようなモノレール高架を潜ると、すぐにビル一階の大きなウィンドウを持つお店が見えて来た。外に向かった飾り棚に並ぶ洋書や和本に目を奪われた後、ガラス扉に目を戻すと、『店内ではイヤーホーンは外してください』の但し書きが目に入る。ということは、お店に入れるんだ。つまりは店舗営業しているんだ。全く持ってありがたいなぁ…とドアに手を掛ける。だが、開かない…良く見ると小さい札が置かれ『外出しています』とあるではないか…悲しく切ないバッドタイミングである。
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開かぬドアを前にくよくよしていても仕方ないので、西武線に乗り込み乗り換え鷺ノ宮へ。夕暮れの光に輝く「うつぎ書房」(2008/08/06参照)に飛び込み、本日の古本を探し求める。奥の生活空間ではオヤジさんが壁に背を預け、ゴルフの『日本女子オープン』を興奮気味に鑑賞中である。白水社文庫クセジュ「ニッポン人の生活/ピエール・ランディ」を100円で購入し、一目散で家に舞い戻る。
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いよいよ明日は「LOFT9 BOOK FES.2017」なので、その準備に勤しみつつも、昨日手に入れた上林曉「小説を書きながらの感想」をニヤつきながら精一杯愛でなければならないのだ。忙しい忙しい…というわけで、展示に続き、明日の古本販売もよろしくお願いいたします。たっぷりと良い古本おかしな古本安い古本妙な古本を並べ、円山町のラブホテル街で、みなさまのご来場を心よりお待ちしております!

★BOOKS 9 × 鬼子母神通り みちくさ市 presents
「LOFT9 BOOK FES.2017」
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/71625

■10/1(日)LOFT9 Shibuya 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS(キノハウス) 1F
■古本市:OPEN 12:00
■トーク:START 13:00
(古本市は19:00まで、古本フリマは17:00まで)
※軒先&店内の古本市は入場無料!
※トークイベントのチケットは前売り1500円/当日2000円 (+1オーダー)

【トークイベント】
■「闇を抱える読書」タブレット純×姫乃たま
OPEN 12:30 START 13:00(終了:14:30)
とても個人的で人には薦められない、心の闇に寄り添う暗くも楽しい読書経験を語る!

■「ヤクザと男色」鈴木智彦×山田参助
OPEN 15:30 START 16:00(終了:17:30)
ボーイズラブでは定番のヤクザものですが、実際はどうなのか。『ヤクザ1000人に会いました!』の鈴木智彦さん、『あれよ星屑』の山田参助さんによる男集団談義。

■「覚醒めよ!」能町みね子×サムソン高橋×石丸元章
OPEN 18:00 START 19:00(終了:21:00)
本人たちさえも当日まで何を喋るかわからない衝撃のフリートーク…

【古本市参加店舗】
ハナメガネ商会、にわとり文庫、BOOKS青いカバ、古書現世、三楽書房、立石書店、JUNGLE BOOKS、ブックギャラリー・ポポタム、ひぐらし文庫、北書店(新刊 From新潟)

【古本フリマ参加者】
小山力也(古本屋ツアー・イン・ジャパン)、とみきち屋、つぐみ文庫、ドジブックス、えほんやハコのなか、甘夏書店、レインボーブックス、雨の実、M&M書店、ロフトブックス、朝霞書林、嫌記箱(塩山芳明)
posted by tokusan at 20:02| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする