2018年02月06日

2/6外でも家でも古本と格闘する。

早起きして色々こなしていると、今日から池袋の『三省堂書店』で「古本まつり」(2016/02/09参照)が始まるのを思い出す。素早く家を飛び出して、『池袋西武 別館二階』に着いたのが午前十時十分。エスカレーターを上がった入口からチラリと見える会場には、それほど人影が見えない…わりと空いてるのかな?と中に入ると、左に広がる会場には、すでに恐ろしいほど大量の古本修羅が、静かに静かにひしめいていた…そうか、そうだよね。そうじゃなきゃおかしいもんね。修羅に混じり、神の姿もチラホラ…。すっかり出遅れているのを認識し、古本を前にして、半径十センチほどの縄張りがぶつかり火花を散らす光景に気圧されてしまい、まつりに馴染めずに無目的に通路をウロウロ…。取りあえずはワゴン脇に掲げられた店名を頼りにめぼしいお店に近寄るが、どこも人気があり過ぎて押すな押すなのおしくらまんじゅう状態である。隙間や足下の箱を眺めたりするが、たちまち縄張りアタックを食らい弾かれてしまう…もうしばらくしたら見に来ることにしよう。というわけで、古書の影を求めてあっちこっちと流浪していると、たちまち体力が奪われてしまった。だが、手の中にはどうにかこうにか二冊の本が!春陽堂文庫「男兒出生/尾崎一雄」新潮社 現代脚本叢書第四編「髑髏舞/吉井勇」(大正十一年五版。表題の「髑髏舞」は、田端の癲狂院を舞台に、入院している落語家が弟分の講釈師に、魂の仕組みと魂製造機発明とを説明し、機械製造後の死者が蘇る世界を幻視するお話)を計1080円で購入し、一時間弱滞在した会場を後にする。このまつりは2/12まで続く。
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家に帰ってからは、仕事の待ち時間の間に、蔵書減らしの一環として古本の山を掘削する。仕事部屋の三ヶ所を、本を地道に移動させて掘り起こした後に戻すことを繰り返し、およそ三十冊の重〜い重〜い写真集・アートブック・図録を手に入れる。アリ・マルコポロスなんて持ってたのか…。よし、これでまた各山が少し体積を減らし、通路が通り易くなったぞ。本は明日早速、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に売りに行くことにしよう。
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2018年02月05日

2/5日本アニメーションの父!

今日は夕暮れ時に武蔵境と東小金井の間に流れ着く。目の前には、西武多摩川線のカーブを描く単線線路…これをたどって行けば、すぐ新小金井駅か…よし、開店してもはや半年経過した「尾花屋」(2017/06/15参照)に行ってみるか。そう決めてテクテクトボトボ歩き出す。見知らぬ薄暗い住宅街で、左の線路を意識して、懸命に歩を進める。だが、歩めど進めど駅は見えて来ない…こんなに遠かったけ、と新たに現れた踏切に身を乗り出し是政方面を臨むと、百メートルほど先に駅の灯りが瞬いていた。後少しだ………そうして無事にたどり着き、黄昏れた商店街を奥に入って行く。「尾花屋」はちゃんと開店中である。表の百均棚は、最初見た時と変わらず、やはり質が良い。一気に三冊つかんで、何だかトボケた音楽の流れる店内へ進む。古い児童文学や絵本があるのは楽しいなぁ、とそこにぐいっと惹き付けられ、特に左壁棚最下段に十冊ほど集まっていた、講談社の一年生文庫が気になってしまう。ボール紙を綴じた三十ページほどの絵本シリーズである。扉に絵と文の作者が表記されているので、中身より作家重視でチェックを進める。すると最後の一冊の絵を描いていたのは、政岡憲三!名作「くもとちゅうりっぷ」や「すて猫トラちゃん」を作った、『日本アニメーションの父』と呼ばれるアニメーション作家!人形を写真に撮った絵本は知っているが、こんな絵本も描いていたのか。バタ臭く独特なタッチの優しい絵柄に、しゃがんだままの五十過ぎのオッサンが、ついついうっとり見蕩れてしまう、新小金井の夕暮れ時…。講談社「こびととくつや/絵・政岡憲三 文・西山敏夫」(昭和二十八年)青土社「シネアスト 1(特集ヒッチコック)・3(特集マキノ雅裕)・6(特集喜劇の王様)」を計700円で購入し、いつの間にか出来ていたお店のスタンプカードもいただく。
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映画『パンダコパンダ』に出て来るような大好きな小駅・新小金井駅前で「こびととくつや」&ショップカードを記念撮影。
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2018年02月04日

2/4東京・国立 museum shop T

午後に古本を携え家を出て、昭和感満点の『阿佐ヶ谷区民センター』にて『古本屋ツアー・イン・阿佐ヶ谷』と題して二時間ばかり講演する。集会室を横向きにぶち抜いた会場に、寒い中を集まってくれた六十名ほどの奇特な皆様に、ただただ感謝を捧げ、演台に立ったまま、ひたすら古本屋と古本について、間隙が生まれるのを恐れるように話し続ける(まぁ、それしか出来ないのだが…)。静聴していただいた皆様、大変おつかれさまでした。

すっかり魂と体力を擦り減らしてしまうが、講演用の古本を携えたまま、電車に飛び乗り西に向かってしまう。南口から東側に回り込み、『旭通り』西側歩道を南東に下る。そして一本目のビルの間の脇道を西に入り、真ん中辺りの煉瓦で化粧された雑居ビルの直線階段を三階までストスト上がる。すると右側に扉が二枚現れるので、さらに右側の白い扉を選択してドアノブを捻る。左右の壁に大きなボックス棚が据え付けられ、中央にテーブル台や棚が続く、国立近辺の様々な作家や表現者の作品&雑貨類&本&リトルプレス類を取り扱う、文化的アンテナショップである。だが何故かここで、古めのSF文庫を売っているとの情報をキャッチしたので、駆け付けた次第である。入った左側すぐに、目的のSF文庫が固まってくれていた。二台の平台手前にはハヤカワSF文庫(八十〜九十年代中心)が面陳&積み上げられ、奥の台に創元推理文庫SF(七十年代中心)が面陳&並べられている。値段は一律270円となっており、じっと辛抱強く眺めて、読みたい二冊(いったいいつ読むのかは分からないが…)を選び出す。創作元推理文庫「自動洗脳装置/エリック・F・ラッセル」「山椒魚戦争/カレル・チャペック」を計540円で購入する。レジテーブルは一部がガラスケースになっており、藤田嗣治の本が修復され高値で販売されている。三階踊り場に出ると、階段袖手摺に『古書買い取ります』の貼紙もある…じゃぁしっかりと古本を扱うお店なのか。こちらに来た時は、なるべく足を向けることにしよう…などと考えつつ、携帯でお店の扉を写真に撮ろうと、左のポケットに手を差し入れる…あれ?ない、携帯がない!どうやら家に置き忘れて来てしまったようだ。じゃあこの携帯みたいな感触の四角い物体は…それはキャラメルの箱であった…俺はこれをずっと、携帯と勘違いしていたのか。なんと愚かな…。
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というわけで写真は撮っていないので、メモとキャラメル箱の写真でお茶を濁しております。悪しからず。
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2018年02月03日

2/3「竹中書店」も看板が!

暗くなり始めた夕方に、南荻窪に流れ着く。なのでそのままトボトボ歩いて、荻窪駅方面に向かう。『荻窪南口仲通り商店会』を遡っていると、やがて右手に「竹中書店」(2009/01/23参照)…だがなんだ、この違和感は…おわっ!お店の上を見上げると、あの大きな店名袖看板が、無くなってるじゃないか!
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「竹陽書房」看板喪失事件(2018/01/24参照)に続き、またも荻窪で喪失事件が発生!…これは真相を確かめなければ…慌てて表の300均単行本台から一冊抜き取り、扉を開けて帳場を目指す。「いらっしゃいませ」と安楽椅子に座る奥方に迎えられ、ソフトバンククリエイティブ「まぼろし商店街/串間努」を購入しながら「表の看板、無くなってますよね?」と聞いてみる。すると奥方は、鳥獣戯画書皮を掛ける手を休める事なく目をキランと輝かし「取っちゃったのよ」「えっ」「ほら、最近看板が落ちる事件が多いでしょ。それで恐くなっちゃって。ウチのは物凄く大きいから、落ちたら大変なことになっちゃうじゃない。だからね。オホホホホホホホ。そのうち小さいのを架けようと思ってるんだけど、まだめんどくさくてやってないの。オホホホホホホホ。まぁもう、看板なんてあってもなくてもいいんだけどね。オホホホホホ」…とのことであった。そう言えば、日除けの上の看板文字も、無くなってるんだな…。その後は賑わう「ささま書店」(2008/08/23参照)にも当然の如く立ち寄り、創元推理文庫「ミス・マープルと十三の謎/アガサ・クリスチィ」(白帯初版)青心社「暗黒神話体系 クトゥルー1/H・P・ラヴクラフト他」新評社「都筑道夫の世界」角川新書「アメリカの暗黒/中川五郎」河出新書「東西自慢話/京都新聞編集局編」アテネ文庫「北原白秋詩集/室生犀星編」奇想天外社「SFゴタゴタ資料大全集」などをドバッと計1188円で購入し、暗い夜道を帰路に着く。
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2018年02月02日

2/2雪の神保町

仕事の返事待ちを利用して、雪の神保町を見に行くことにする。午前十時過ぎに家を出ると、まだ雪は降り続けており、電車のダイヤが乱れるとともに、車内は大変に混み合ってしまっている。確保した自分のスペースで春陽文庫「船富家の惨劇」を読み進めていると、理解不能な一文に出会ってしまう。『電柱をさくさくと踏み砕きながら庭におりて…』(225ページ一行目)…で、電柱?なんだろう、縁側として電柱を横向きに置いているのだろうか…それにしても『さくさく』?……あぁ、なんだ。これは、『霜柱』の誤植なんだ。などとやっていると、遅れながらも御茶ノ水駅に到着。だが神保町に雪の気配はそれほどなく、ほとんど雨の時と変わらぬ様相である。ただし、人影は物凄く少ない。
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わかってはいたが、店頭台も雨仕様で店内収納気味になっているので、いつものように100均ハントも出来ずに、ただただ濡れた舗道を歩いて行く。『白山通り』に入って、ようやく「アムール」(2011/08/12参照)で教養文庫「愛と苦悩の人生〈太宰治の言葉〉/檀一雄・野原一夫編」集英社文庫「谷崎潤一郎犯罪小説集」を計100円で購入する。おや、珍しく「神田書房」が開いていない、とさらに北に進んで「日本書房」(2011/08/24参照)前。木製ワゴンは一台だけ外に出ており、後の二台は店内左右の通路に収納されてしまっている。すると右側通路の台に、新潮社の新興藝術派叢書の一冊「神聖な裸婦/楢崎勤」が挿さっているではないか!水ヌレのためにたわんではいるが(全体はわりとキレイ)、値段は500円!うむむむむ、痛快だ!と購入し、雪の日にわざわざ出て来た自分を、盛大に褒めそやす。
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水道橋駅からは、早速「神聖な裸婦」を摘み読みしながら西荻窪まで移動。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の「フォニャルフ」棚に、寒さよ吹き飛べとばかりに細々と補充する。斜め上を見上げれば、本棚探偵の「ひとたな書房」が、いつの間にか探偵小説仙花紙本をズラリと並べているではないか!即座に薄く妖しい並びの虜になり、千代田書林「怪奇小説 獣愛/橘外男」を3800円で購入してしまう。本棚探偵に、感謝感謝。
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2018年02月01日

2/1雨のユマニテ

夕方前に国立に流れ着いたのは良いのだが、予報より早く昼過ぎから降り始めた雨に祟られ、すっかり濡れ鼠。震えながら『旭通り』を駅に向かって歩いていると、当然の如く「ユマニテ書店」(2009/06/22参照)が目に入る。
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慌てて犬のように胴震いをして水滴を出来るだけ振り落とし、店内に何食わぬ顔で滑り込む。奥の帳場には誰もいないのだが、すぐに奥から半纏を羽織ったふわふわパーマの奥さまが出て来られた。…暖かいかと思ったら、外よりはマシという程度の室内気温である。だが棚の古本に意識を集中して行くと、段々と夢中になり、寒さも次第に気にならなくなった。通路棚の文庫本や新書やノベルスが二重に並んでいるため、執念深く手前の本を退かして、確認して行く。かなりワクワクするが、結局何も見つからず…唯一、ジャクリーン・オナシスをストーカーのように追っかけるパパラッチの新書サイズ本に目を惹かれるが、1500円か…。右側通路から左側通路に至り、最終的に右側通路に戻って、ちくま文庫「文豪怪談傑作選・明治篇 夢魔は蠢く/東雅夫編」を抜き出し、450円で購入する。奥さまに、長崎・大浦天主堂のイラストが描かれた書皮をきっちりと掛けていただく。そして本を受け取り通路を入口に向かっていると、「あの…」と声が掛かる。「ハイ?」と振り返ると「これから雨が雪になるそうなので、どうかお気をつけて」とお辞儀をされる。慌てて答礼し、サッシ戸をバカ丁寧にソロリソロリと開けて、再び冷たい雨の下に出る。駅前では「みちくさ書店」(2009/05/06参照)にも立ち寄り、ふらんす堂「生死 永田耕衣句集」を400円で購入し、それを早速車中で繙きながら、帰路に着く。
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2018年01月31日

1/31知らなかった……

突然仕事が詰まり過ぎて、身動きの取れぬ時間が続く。本日隙を見出し、阿佐ヶ谷「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で青土社「悪霊論/小松和彦」を103円で購入してから、古本を抱えて西荻窪に飛び、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で久しぶりに「フォニャルフ」に補充する。店主・小野氏とは新保博久教授邸お片づけの感想戦を行いつつ、仕事や次回の『盛林堂イレギュラーズ』の活動についても打ち合わせる。思えばこのお店も以前とはだいぶ様相が変わっているので、そろそろ再々ツアーするのも良いかもしれない。お店を出た後は、一昨日出来なかった取材をするために某店へ。今日はしっかりと開いていたので、無事に秘密取材を終える。ボロいが驚くべき雑誌が買えた。詳細はまだかなり先ですが、三月発売の「本の雑誌」連載にて。げ、原稿は、こ、これから一生懸命書きます!

仕事の合間に三冊の本を息抜きに読み進めている。息抜きなので、みなライトに楽しめるものばかりである。移動中に読んでいるのは春陽文庫「船富家の惨劇/蒼井雄」。重厚で、多少過剰な装飾がされた文体で、地味に詳細に事件の捜査を直線的に追い続けるのだが、飽きそうで飽きない、不思議な魅力を持った推理小説である。作業中の合間に摘み読みしているのは原書房「石上三登志スラップブック 日本映画ミステリ劇場」。面白くてためになります。そして寝る前に読んでいるのはポプラ社名探偵シリーズ3「魔術師/江戸川乱歩」。これは昨日読了し、続いて同シリーズの「呪いの指紋」に突入している。ともに氷川瓏による少年少女向けリライト作品であるが、計り知れない乱歩的魅力と読みやすさに、子供の時と変わらずすぐさま物語に没入出来るのが恐ろしい。そして「日本映画ミステリ劇場」を読んでいて、氷川瓏の弟が渡辺剣次であることを初めて知る。さらに渡辺剣次のことをアンソロジーも編むミステリ評論家と勝手に思っていたが、乱歩「十字路」の原案者であり、その映画化作品『死の十字路』の脚本家であることも知る…し、知らなかった…。
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これは「魔術師」の印象的な一シーン。不気味な犯罪の予告が、何者かの手により、標的の身辺に数字として現れ、一日ごとにカウントダウンされて行く。いつの間にかヘッドライトに書かれた数字が塀に映し出される!…だが実際は、ヘッドライトの灯りは拡散するように設定されているので、こんな風に幻灯機のようにちゃんと映るはずがない。いや、だが、そんな理屈はどうでも良いのだ!これは確かに意表を突かれ、ドキッとするのだから!大乱歩バンザイ!
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2018年01月29日

1/29冴えない一日

早朝からの仕事に一段落着いたところで、取材のために外出する。だが、楽しみにしていたお店は、残念ながら開いていなかった!…あぁ、ちゃんと調べて来れば良かった…開店まで後二時間もあるじゃないか…俺のバカ!これはとても待てん。無駄足となるし切羽詰まって来るが、取材は後日としよう…。途中渋谷に立ち寄り、宮益坂を上がって「中村書店」(2008/07/24参照)を見に行くことにする。もう「巽堂書店」(2017/12/16参照)とのハシゴが出来ないことを悲しみながら、お店の前へ…れれ?ワゴンも箱も鉄製回転棚も出ていない…シャッターも閉まってる!
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つ、都合のためお休みか…何だか今日は冴えないなぁ…そう言えば、朝に何となしに聞いていたテレビの誕生月占いが、最下位だったっけ。クルンと尻尾を巻いて坂を下り、電車に乗り込み、今度は高円寺で途中下車。「都丸書店」(2010/09/21参照)高架下の外棚から新潮社 現代詩人叢書「沈黙の血汐/野口米次郎」を500円で購入し、『庚申通り』の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)では朝日出版社「一角獣の変容/杉橋陽一」を300円で購入し、まだ盛大に雪の残る『早稲田通り』を伝って家へと戻る。

ここ最近、仕事の合間の息抜きにと、新保博久教授からいただいた、内田善美の「星の時計のLiddell」を必死に読み進めていたのだが、ようやく本日読了する。なんだ、この難解な少女漫画は!枠内にコンポラ的構図(大友克洋の「童夢」みたいだ)で収まる緻密で美麗な絵と共に、紙の上に踊る多過ぎる思考実験のような文字たち!一度では決して理解出来ぬ、心理学と精神科学と世界の在り方(岡野玲子の「陰陽師」みたいだ)!そして全コマに溢れる詩情の感触はサム・シェパード「モーテル・クロニクル」のようである!…底知れない恐るべき才能!もはや私には畏怖を覚えることしか出来ない!胸に残るもやもやした切なさと、ふつふつと湧き出て来る焦りと、果てしのない憧れが一緒くたになり、すでに心の何かを変質させてしまっているようだ。教授、少女漫画の極北を教えていただき、ありがとうございました。俄然他の作品も読みたくなるが、ご多分に漏れずすべて絶版で古書は高値なので、無理せず幸福な出会いを待つことにしよう。三巻には「星の時計のLiddell」完結記念プレゼントである『Liddellピンナップカード』三枚と『壁かけミニギャラリー』&『時計付きミニギャラリー』の通販チラシまで挟まっていた。すべてサイン入りなのか…これは欲しいな。編集部の片隅にデッドストックが残ってやしないだろうか…。
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2018年01月28日

1/28東京・早稲田 古書ソオダ水

昨日は夕方に下連雀に流れ着き、清冽な玉川上水の冬の流れに震えつつ吉祥寺に出る。「BASARA BOOKS」(2015/03/28参照)に入ると、店内BGMとしてECDが流されていた。狭い店内で本を選ぶ振りをして、二曲分を聴き入ってしまう。角川文庫「SFバカばなし おもろ放談」を230円で購入する。

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世界の果てのような曇天の本日は、午後に外出。都電荒川線駅から『新目白通り』に出て、東にちょっとだけ向かい『グランド坂通り』に入り、西南に坂道を上がって行く。すると『早稲田大学北門』手前の雑居ビル前に、新しい古本屋さんの立看板が出されていた。導かれ、二階への急階段を上がる。流れ落ちて来るデヴィッド・ボウイの歌声を掻き分けるようにして、緑の扉が開け放しの店内に入る。通りに向かった窓が、曇天の薄ぼけた光を室内に取り込んでいる。フロアに立つのは、顔ぐらいまでの高さの本棚ばかりである。入ってすぐ右に100均棚が二本。古めの戦後〜昭和四十年代の日本文学を中心に、とても魅力ある並びが展開している。一冊も見逃さじ!と気合いを入れて眺め、二冊を早速確保する。左壁棚には日本文学が100均棚をバージョンアップさせた形で並び、上林曉・小島信夫・小山清・後藤明生・庄野潤三・田中小実昌・永井龍男・野呂邦暢などをビシッと抑えている。そこから海外文学(詩集含む)・評論&本関連・女流文学と続き、左奥の引っ込んだスペースにはセレクトコミック・児童文学・絵本と続く。フロア中央には山本文庫などを飾ったテーブルを中心にして、窓側に二本の木棚が立ち、超セレクト文学系文庫・美術・映画・音楽・ちょっと硬めのサブカル&カルチャー・海外文化などが収まる。窓際には低く青いスチールキャビネットのような物が置かれ、その上にコクテイル文庫「貸家と古本/荻原魚雷」や電気グルーブの本が面陳されている。そして右壁際の棚には、満を持したようにこのお店の主力ジャンルである、日本人の詩集(棚二本分)と歌集が揃えられている。隣りではひと棚分の音楽CDも控え中。フロア全体を見渡せる奥の帳場には、若い男女が緊張しながらも楽し気に、ソーダの炭酸がブツブツ弾けるように初々しく店番中。誠に渋いお店である。なんだかとても京都的…というか、ヤング「善行堂」(2012/01/16参照)と言った雰囲気&クオリティの高さなのである。日本文学の趣味、そして詩集の蒐集っぷりには大いに感心させられる。…あぁ、開店初日に来たならば、どんな良い本が買えたのだろうかと、昨日ここに来れなかったことを、思わず悔やんでしまう。値段はかなりリーズナブル。早稲田古本屋街とは少しだけ離れているが、それでも足を延ばして足繁く向かいたくなるお店が誕生してしまった。相模書房「世間ばなし/武田麟太郎」(函ナシ)改造社「星の夜の廣場にて/橋本英吉」白水社「パタゴニアふたたび/ブルース・チャトウィン ポール・セルー」を購入する。この時流れていたBGMは、カジヒデキであった。

そして驚くことに、店内で偶然「たけうま書房」さん(2017/11/06参照)と遭遇したので、お店を出た後に高田馬場まで歩き、ちょっと早いが飲み屋に入って古本屋四方山話に花を咲かせる。その中の酔いに任せて出て来たゴシップ的噂話に、とある古本屋さんがキャバクラを経営してるかもしれないというのが…途端に色めき立ち「も、もしかしたら古本が並んでいるんじゃないですか!だ、だったらツアーしないと」と興奮すると「あるわけないじゃないですか」とあっけなく一蹴される。たけうまさん、今年もよろしくお願いいたします。
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2018年01月26日

1/25古本屋ツアー・イン・新保博久邸【最終章】

すでに昨日の話である。一ヶ月に渡って続けて来た、ミステリ評論家&乱歩研究家・新保博久氏のお引っ越し片付けお手伝いであるが、いよいよ本日がタイムリミットの最終回である。午前十時に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と某駅で待ち合わせ、いつものように盛林堂イレギュラーズとして教授邸に向かう。ぬぉっ!教授邸の什器類が、表にたくさん出されている…そう言えばメールに『粗大ゴミ二十連発』って、書いてあったな…。
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チャイムを押しても、教授が全然出て来ない…寝ているのだろうか?と思っていると、エレーベーターが開き、木製の大きな椅子を持った青色吐息の教授が姿を現した。「旧式の電子レンジがこれほど重いものとは思いませんでした」などの搬出苦労談を聞きながら階上へ。だが部屋に上がり込むと、お願いしていた文庫本の仕分けがまったく行われていなかった…うわぁ、粗大ゴミを運び出すだけで、精一杯だったんだな…小野氏が「とにかく仕分けを進めましょう。最初から言っているように、蔵書量はかなり減らさなければいけないんですから、もぅ、思い切って手放すつもりで!素早く!そうしなければ間に合いません」が宣告する。すると教授「えぇ。ですが、まだその棚を。粗大ゴミに出さなければいけないんですよ」と恐ろしいことを言い始めた。恐る恐る「棚?どれですか?」と聞くと、指し示されたのは右奥の部屋の、ラックや箱やカゴが積み上がる山の向こうに見える、背の高い木の本棚であった。「え〜っ!あれ?あれを?それにもうすぐ回収が来ちゃうんじゃないですか?」「えぇえぇ…恐らく」…もはや取り出すしかないようだ。取りあえずすべての作業を中止して、我武者らに棚を奥から取り出すことにする。まずは手前の箱から退かして行こう…あれ?何だか連結したラックが出て来たぞ…うぎゃぁ、全部文庫がビッシリ詰まってる「小野さん、文庫が文庫が〜」「どんだけ出て来るんだ…」そんなラックを五本ほど根性と筋肉で取り出し、さらに棚の前に立ちはだかる取り外された木製ドア(激重)をニジニジと移動させ、部屋内箱山の上に乗せることにどうにか成功する。ゼイハァゼイハァ…よし、これで棚の中の本が取り出せるぞ。辞書や大判のリファレンスや分厚い洋書類や地図や古本屋地図をダカダカ抜き出し、緊急避難的にドアの上に乗せて行く。そして「ふんぬぅ〜!」と本棚を引き出し、小野氏と教授に引き渡す。二人は協力して階下へ本棚を運んで行った…ま、間に合った。ところがしばらくして、何やらたくさんの人の気配が廊下の方から伝わって来る。教授が、作業着の人たちとともに玄関に現れた。そして「あ、あの奥のヤツも出さなければいけないんです」…!げえっ!あの乱歩関連が並ぶ高い白い棚も!すると、疲労困憊した私を見兼ね小野氏が「僕が出します」と隙間に突入して行く。物凄いスピードで本を抜き始める小野氏。ガンガンドアの上に積み重ねて行く。後ろで本を受け取ったりしてフォローに回るが、その時突然ドアがバランスを崩し、今まで積み上げた本たちとドア自体がこちらに向かってスライドしてきたのである。「危ない!」と全員が素早くドアを受け止め、間一髪で事無きを得る。どうにか安定を確保した後、作業再開。高速で棚を取り出すことに成功し、廊下まで運び出して作業員さんたちに託すことに成功する。そして棚から出した本を棚のあった場所に積み上げ、危険なドアをベランダに移動させ、およそ一時間半遅れで通常作業を開始する。

部屋に散らばる文庫&ノベルス山と、左奥部屋の棚に入った文庫を抜き出し、教授に仕分けてもらうべく山を作って行く。教授は「もはや思考停止状態です」と呟きながら、結構スピーディーに仕分けて行く。教授の前に本の山を作り、仕分け後に送り出された本を同階のトランクルームまで運び、小野氏に結束してもらうので、かなり慌ただしい時を過ごす。
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引越しで雑然となった家の中で、必死に仕分けをする教授の後姿。ガンバレ教授!

…そして午後一時半、部屋の本があらかた片付いたので「教授、そろそろ休憩して昼ご飯にしましょう」「そうですね。栄養を脳に補給しないと」「あれ?ホームズは空腹の方が脳が冴えるんですよね?」「山中峯太郎版ホームズは、ガンガン食べますよ…」…というわけで三人で、もはや常連となった豚カツ屋に赴き昼食を摂る。次の作業の相談をしていると小野氏が「そうだ、あの資料の山の下に、本がたくさん隠れてるんだった」と恐ろしいことを思い出してしまった。そういえば、一番最初の作業スペースを作る作業で、なりふり構わず積み上げたんだっけ(2017/12/14参照)。というわけで再掘削し、本の山と再びご対面。これも文庫本時と同じような体制で、とにかく仕分けを進めて行く。時刻はあっという間に午後三時を回り、段々先の見えない泥沼にはまっている気分になってくる。本を運ぶために借りたレンタカー(たくさん運ぶためにバンである)も、何度も借り出す時間を延ばす始末である。そして山の作業が終了に近付いたところで、間髪入れず押入れに並ぶラックの仕分けに突入。
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主にSF・ホラー・海外純文・ノベルス(また!)が詰まっているのだが、これが十本ほど…そしてまたもや教授がポツリ「実はその裏にもダンボールに入った本があります…」うぎゃぉうっ!とにかく進めよう、進めるんだ!と三人の心はついにひとつになり、一心不乱に本と格闘しまくる。途中、押入れ前で無理な体勢でラックを引き出そうとした教授が、足をつってしまう。「痛い痛い」と後退する教授に代わり、同様の体制でラックを引き出しまくる…結果、私も足をつる。本の隙間で寝転ぶ教授と、足を必死に延ばす私の姿を、様子を見に来た小野氏が「なにやってんですか?」。本の仕分けは寝室の本を残したところで、残念ながらタイムリミットとなる。結局レンタカーを借りたのは午後五時半で、六時から結束本を階下に下ろし、本を運び込んで行く。たちまちバンはいっぱいになり、ひとまず西荻窪の倉庫へと運ぶ。再び教授宅に戻り、残った結束本と、別のトランクルームに運び込むダンボールが十箱と、盛林堂買取品の十箱を積み込み、西荻窪→トランクルームと移動。トランクルームでは、前回いただいた内田善美「星の時計のLiddell」の続き二冊を教授の指示通りに発見し、確保する。レンタカーを返し教授邸に戻ったのは、午後九時半であった。
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だが、今日の作業はまだ終わらない!最後に書斎の壁を覆う、複雑怪奇な本棚の解体に着手しなければならないのだ!、なのに、棚には本が盛大に詰まったままだ!慌てて本を取り出し取り出し、様々な部屋の様々な隙間に積み重ねて行く…せっかく整理が付いてスペースが出来た各部屋が、いつの間にやら元の木阿弥…ええぃ、仕方ない。今は本棚の解体だ。小野氏と最後の力を振り絞り、上から棚を崩して行く…作業終了は午後十一時。今までで一番ハードな一日となってしまったようだ。だがこれで、少しでも本が減り、部屋が片付き、教授が引っ越せるのなら、何の悔いもない!その後、近所の居酒屋に移動して、教授の無事の引越しを祈り、乾杯する。結局運び出した本はおよそ二万冊…だがそれでも、教授の蔵書量のおよそ四分の一なのであった…お、恐ろしい。そして本日の拝受品は、集英社「星の時計のLiddell2・3/内田善美」新潮文庫「蜘蛛/トロワイヤ 福永武彦譯」グロービジョン「鬼警部アイアンサイド/S・スターン 加納一朗訳」ポプラ社 名探偵シリーズ(キャッチが「成長期のお子さまに勇気と希望を与える推理小説の決定版です。明智小五郎・金田一耕助・神津恭助等の名探偵が、次々と起こる怪事件の謎を解く長編推理小説」となっている)「呪いの指紋」「魔術師」(カバー付き)ともに江戸川乱歩の、計六冊。まさか教授から乱歩本をいただけるなんて!「それは、氷川瓏のリライトですね」と教えられる。
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posted by tokusan at 20:50| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月24日

1/24心配なので「竹陽書房」の消息を確かめに行く

昨日電車の車窓から目撃した「竹陽書房」(2017/02/19参照)の看板消失がとても気になるので、午後に荻窪に向かう。歩道脇に積み上がった雪の山を好んで歩く子供たちを追い抜き追い抜き、まずは「ささま書店」(2008/08/23参照)で新潮社「野生への旅T 知床半島/戸川幸夫」光文社文庫「牧逸馬の世界怪奇実話/島田荘司・編」を計216円で購入してから、線路の南側をテクテク西に歩いて行く。ほどなくしてお店の入っているビルに到達すると、確かに看板がない!だがお店は開いている!ひとまずホッとしながら店内に進む。中はいつもと全く変わりナシ。取りあえず棚に一通り目を凝らし、三一書房「映像の魔術師たち 恐怖幻想映画論/石崎浩一郎」「高橋邦夫遺稿集 雪柳/白戸四郎編」(500部の私家版本。結核で夭折したあるキリスト教信者の、詩・小説・短歌・童謡・書簡を編集した作品集)を計500円で購入しながら、「看板、無くなってますね?」と帳場の奥さまに問いかけてみる。すると「外しちゃったのよ。もしかしたら、潰れたと思った?」「…一瞬だけ」。横で本の仕分けを進めていた店主が「危ないからね」とポツリ。続けて奥さまが「看板がちょっとずれ始めてたのよ。もし落ちちゃったら大変でしょ。だから日曜日に取り外しちゃったの。表に台が出てれば、知ってる人は営業してるって分かるし」とのことであった。と言うわけで、夜道に輝くあの黄色い看板がなくなったのは寂しいが、それでも「竹陽書房」は今日も元気に営業中である。
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荻窪の行き帰りに、歩きながら、急遽寄稿を依頼された原稿のアイデアを、グリグリと練る。どうにかなるか?どうにかなりそうだ。取りあえずは勇気とやる気を出して、書き始めてみよう…。
posted by tokusan at 15:30| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月23日

1/23雪にも負けない「蛇男」。

朝から二月四日の講演『古本屋ツアー・イン・阿佐ヶ谷』に備えて、配布資料作りを進める。名付けて『阿佐ヶ谷古本屋案内』。
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だが作り進めるうちに、どうしても二店の写真が見つからない…何処に隠れているんだ!と、データの海を探しているうちに午後になり、これはもはや撮りに行った方が早いと、意外に暖かな表に飛び出す。足を滑らせぬよう濡らさぬよう細心の注意を払って目的を遂行し、帰りに開店準備中の「ゆたか。書房」(2008/10/19参照)に立ち寄る。オヤジさんと会釈を交わして店内へ。各通路を存分に眺めた後、時事通信社「北海道開拓秘録〔2〕/若林功」を棚から抜き出し、表に出て均一文庫の背を拭いているオヤジさんに300円を渡す。

融けつつある雪の上を流れる風は、何故か優しく暖かである。ベシャベシャ歩き続けて家に帰り着くと、昨日発送されたヤフオク落札品がすでに到着していた。春陽文庫「蛇男/角田喜久雄」(八編収録の短篇集)である。
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雪にも負けずに、たった一日でウチに来てくれたか、「蛇男」!郵便配達員さま、ありがとうございました!昭和二十六年二月十日発行…初版ということになるのだろうか。全体的にかなり劣化が進んでいるのだが、1720円で落札出来たのはまずまずである。あれ、挿絵がちゃんと入ってるんだ。これは戦後版の春陽文庫では、お目にかかったことがないな…と呟きながら、古い活字を追っていると、茶色く変色した本文に相応しいグロテスクでもはや怪談のような犯罪物語の中に、たちまちズブズブ没入して行く。息を詰めて読了した異食症の「蛇男」にガインと強烈な一撃を食らい、次の「ひなげし」に早くもノックアウトされてしまう。短いセンテンスの積み重ねと会話だけで構成された怪奇探偵小説…俗っぽいが詩的である…こんなものが存在していたのか。全体の雰囲気が、ちょっと村山槐多的ではあるのだが、面白い!そしてさらに次の「豆菊」で、甘く詩的さがアップした!怪奇探偵小説を読んでいるはずなのに、何だ、この、俺の心にもまだある、純な詩心を刺激するトキメキは!…あっという間に、角田喜久雄の虜になってしまった…。

ところで、朝早くに用事を済ませて電車で帰る途中に、車窓に気になるものを目撃してしまった。荻窪「竹陽書房」(2017/02/19参照)の軒先電灯看板が見当たらないのである。一瞬見ただけでギョッとしてしまい、しっかり確認していないのだが、確かになかった気がする。まさか「閑古堂」のように落下事故でも起こしたのか(2016/05/11参照)…それとも…?近々確認しなければいけない、とても気になる出来事である。
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2018年01月22日

1/22古本を買いに行くのは不要不急ではない。

昨日は今年最初の「みちくさ市」に参加。全く気付かずにいたが、何と四十回目だったそうである。遅ればせながらおめでとうございます。全体的にはとても緩やかな時間が流れて行ったが、最終的には四十四冊を売り上げられたので大いに満足する。お買い上げのみなさま、誠にありがとうございました。隣りがフレンドリーで騒々しくて愉快でアグレッシブな「雨の実」一家だったので、一日中退屈することなくニヤニヤと過ごし、彼女らの店先で異常な違和感を放っていた、子供の頃のトラウマ漫画、ひばり書房「恐怖列車/日野日出志」を250円で購入する。

明けて本日、午前中に早々と雪が舞い始めてしまった。色々片付け進めながら、早めに古本を買っておこうと、傘を差し掛け外に出る。テレビでは『不要不急』の外出は避けるように伝えているが、古本を買うことを急いではいないのだが、古本を買うことは人生に必要なことなので、雪の中でも出かけなければならぬのだ!と、カラパラカラパラとザラメのような雪が傘に当たって小さく跳ね返る中を、荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)へ。せっかくもらった一割引券を今日こそは使ってみせるぞと、午前十一時半過ぎに到着。さすがにこの荒天では誰もいないのでは?と思ったが、豈図らんや!強者の先客が一人おり、二本だけの店頭棚から本を抜き取り抜き取り、ドカンドカンとカゴに収めていた…ま、参りました。店頭で二冊掴んで店内へ。先ほどの強者はとっくに精算を済ませており、店内にいるのは私一人である。店員さんが掃除していたりダンボール箱を片付けたりしているので、何だか開店前もしくは閉店間際のお店に居座っているようで、勝手に緊張してしまう…さぁて、そんな心持ちで、何を一割引で買おうか…。むぅ、小沼丹の「白孔雀のいるホテル」が8000円か。一割引で7200円…安いがさすがにおいそれと手は出ないな…。金城哲夫のシナリオ集「宇宙からの贈りもの」が5000円。一割引で4500円か…今日は止めておこう。そんな風に棚前を移動しつつ、芸能関連のコーナーに行き着いたところで、隅っこに欲しかった一冊が挿さっていたことを思い出す。そうだ、これにしよう。創世社ラジオ新書「わが名はペテン師/小野田勇・キノトール」を取り出して帳場に向かい、割引券とともに差し出して「この本にこれを使います」と伝える。すると2000円の本が1800円になり、宝石社「殺意という名の家畜/河野典生」春陽堂書店「現代千一夜物語/入江徳郎」と合わせて計2160円で購入する。
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外に出ると、すでに歩道はシャーベット状と化し、雪が積もり始める徴候を見せている。震えながらも、転ばないように気をつけながら家へと戻ると、嬉しい本が一冊届いていた。原書房「石上三登志スクラップブック 日本映画ミステリ劇場/原正弘編」である。同出版社から「古本屋ツアー・イン・ジャパン」を出してくれた編集者さんの最新担当単行本で、そのよしみでご恵投いただいたようだ。ありがとうございます!編者の原氏は、一箱古本界では「悪い奴ほどよくWる」として知られている方で、以前にも盛林堂ミステリアス文庫で、同じ石上氏の「ヨミスギ氏の奇怪な冒険」を編み上げている。…あぁ観たことのないミステリ(スリラー含む)&探偵(怪奇少々含む)映画が、次から次へと登場して来る。冒頭の桂千穂との対談は、それだけで日本ミステリ映画黎明期史として成立しているじゃあないか。こういうのを読むと、とにかく映画が観たくてしょうがなくなるんだよな…「夜光る顔」「バラ屋敷の惨劇」「三面鏡の恐怖」「死美人事件」「幽霊塔」「吸血鬼」「刺青殺人事件」「幽霊列車」「七つの宝石」「私刑」…。
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2018年01月20日

1/20明日は冬の雑司が谷へ!

大寒の日であるが、わりと暖かな陽気と日射しに守られ恙無く日中を過ごし、無事に家に帰って昨日の続きの「みちくさ市」の準備を進める。ひたすら値付、値付、値付…途中からビールを飲み始め、ダラダラと値付、値付、値付。午後九時にすべてを終えて、明日の準備ようやく完了!雑本・珍本・探偵&推理小説・付録本・古書・雑本・仕事した本・ブログで紹介した本…様々に安値で揃えましたので、どうか冬の日曜日に、雑司が谷にお立ち寄り下さいませ!お待ちしております!
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『第40回 鬼子母神通り みちくさ市』
◆2018年1月21日(日)
◆11:00〜16:00(雨天中止。当日8:00に天候による開催の有無を決定)
◆雑司が谷・鬼子母神通り(東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺・東京メトロ副都心線・雑司が谷駅1番出口または3番出口すぐ)
◆お問い合わせ michikusaichi●gmail.com(●をアットマークに変えて送信してください)
みちくさ市本部 携帯電話:090−8720−4241
http://kmstreet.exblog.jp/
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2018年01月19日

1/19疲労未だ抜け切らず古本を準備する。

一晩寝ても、昨日の疲労の泥沼からは抜け出られない…教授風に言えば、未だライヘンバッハの滝壷から、陸上に上がれずというところか…。だが体を動かし、些事をこなしつつ日曜の古本市の準備も少しずつ進める。昼過ぎ、昼食後に外出。銀行に寄って釣り銭を作ってから、せっかく外に出たのだから古本を買って行こうと丸ノ内線で銀座に出る。複雑な地下道を記憶をたどって上下する通路をたどり、『松屋銀座』で17日から開催中の「第34回銀座古書の市」(2015/01/25参照)に到着する。ガラスケースや美術品&骨董品寄りの紙物が多い、高尚な古本市である。それでも古本棚は所々にしっかりとあるので、ワクワクしながらへばりつくと、側にダークスーツ姿の女性がスッと身を寄せて来た。あっ!鎌倉の「公文堂書店」さん(2010/03/28&2017/04/28参照)じゃないですか。聞けば「銀座古書の市」には今回が初参加とのこと。「もう誰をターゲットにして、何を持って来たらいいかまったく分からなくて…」と手探り状態での不安を吐露。しかし品揃えは古書や紙物中心でしっかりしており、中でも昭和初期風俗の本たちには大いに心惹かれてしまう。その後場内では、サイン入りバットを展示している「ビブリオ」(2010/10/03参照)小野氏とも出会い言葉を交わす。結局最初から最後まで銀座の雰囲気に飲まれたように緊張して会場を一巡し、「五十嵐書店」(2009/07/13参照)の棚から選んだ、筑摩書房文芸新書「狂った鬚/飯沢匡」(カバーナシだが献呈署名入り…あぁ、俺は今日もまた、裸本を買っているのか…)を800円で購入する。市は1/22まで続く。会場を後にして、エスカレーターには向かわず脇に折れ、静かなデパートの階段を、くるくるくるくると下って行く。手摺から下を覗き込み、吸い込まれるような角形螺旋に毎度毎度驚嘆し、フロアごとの違った売場の、寂し気な端を一瞬掠めるのは、子供の頃からの癖となっている、私にとっての秘かなデパートの楽しみ方である。
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そしてそのままおとなしく家に帰り、再び古本市の準備に取りかかる。今日の作業は、古本を寄せ集めて、クリーニングするところまで。値段は明日の夜、付けることにしよう。
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1/18古本屋ツアー・イン・新保博久邸【第四章】

中一日で、新保博久教授邸の引越しお片づけに『盛林堂イレギュラーズ』として向かう。昨日「古書いろどり」(2015/12/11参照)の店内整理お手伝いで本の雪崩が額を直撃した「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏といつもの場所で午前十時に待ち合わせ、颯爽と教授宅へ。するとなんと!教授宅前に、トランクルームや本邸内の本棚やラックが、一部粗大ゴミとして出されているではないか!
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これを一人で!教授、がんばったなぁ〜と小野氏と顔を見合わせ、四階へ上がる。ドアを開けてくれた教授は、すっかり疲労困憊の態。「ライヘンバッハの滝に落ちたホームズの気分です…」と、独特な例えで今の心体状況を表してくれた。

本日のミッションは、本邸の片付けなのだが、その前にトランクルームに詰め込んである、これまで仕分けて結束しまくった本束を運び出すことに決める。教授には取りあえず本邸の本の仕分けに専念してもらい、古ツア→本をトランクルームから階下へ運び出し、小野氏→その本を『盛林堂号』に積んで西荻窪の倉庫へ運び込む、ということになる。本束の内訳は、単行本が140本、ノベルスが55本、文庫本が105本…大体合計で7300冊ほどである。で、まずは階下に下ろすためにエレベータ脇に積み上げるとこうなる。
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で、『盛林堂号』に積み込むとこうなる。
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サスがガッツリ沈み込むほど積み込んでも、とても一回では終わらない。途中、あまりに大量の本束を玄関先に積み上げていると、通りかかった近所のオバ様に「この中には、図書館があるんですか?」と聞かれてしまう。本を読むことを生業とする個人の蔵書であることを告げると「私も本好きだけど、これはまぁまぁまぁまぁ…」と目を丸くしてニヤニヤ…まぁ確かに想像を絶する光景ですよね。結局この教授宅と西荻窪を四往復して、どうにか第一ミッション終了。時刻はすでに午後二時半…。

この後はいよいよ本邸の本の仕分け&結束に入る。【プレリュード】時に(2017/12/14参照)左奥の和室に積み上げておいた本の山があるのだが、これを新たに掘り起こし、袋に入ったままのものを袋から出し、サイズを揃えて隣りの部屋の教授にカゴ詰めして渡す。それを教授が仕分けた後、同じ右部屋にいる小野氏が素早く結束。激細通路に束がある程度溜まったら、それを私がトランクルームに適宜運び込む…これらを山が無くなるまでひたすら継続して行くのだ。
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本の詰まったカゴを流れ作業のように渡して行く…「なんでこんなに本があるんでしょう?」「もっと早く小野さんを呼んでいれば、こんなことにならなかったんですね」「果物の収穫みたいです」「今回は実りが多いですね」「まだ…ウッフッフッフッフ…無限」以上は教授のつぶやきである。作業はその後午後七時まで続くが、全員がライヘンバッハの滝に落ちたようにゼイハァ疲弊してしまい、単行本を後少しと、ノベルス&文庫本を残したところで終了となる。…でもまぁ、良くこの短期間でここまで漕ぎ着けたものだ。だが果たして、教授は無事に京都に引っ越せるのか?ちなみに教授はこの引越し準備で、なんと体重が五キロ減したそうである…。次回、いよいよ【最終章】(予定)。

本日の作業御礼拝受本は、本邸山掘り起こし作業中に確保しておいた、集英社「星の時計のLiddell 1/内田善美」論創社「新幹線大爆破/ジョゼフ・フランス+加藤阿礼」湘南探偵倶楽部叢書「白魔の一夜/ルウフワス・キング」河出書房新社「あたしが殺したのです/森田雄三」である。「あたしが殺したのです」は教授が学生時代に目白の古本屋で100円で買ったもの。長らく作家の竹本健治氏に貸していたそうで「私より竹本氏の元にあった時間が遥かに長い」とのこと。「それにしも何故その本が、あの山の中に…」。それは、返してもらってそのまま奥の部屋に放り出していたからですよ、教授!
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2018年01月17日

1/17力道山に決めた!

日中は三月ぐらいの暖かさになるという予報にすっかり裏をかかれ、一月の寒さに震えながら下連雀に流れ着く。するとちょうど目の前にバス停があり、幸いにも調布まで行くバスも停車するようだ。よっしゃ、もはや午後二時半だが、今日からスタートした「第3回 調布の古本市」(2016/02/24参照)に向かうとするか。十分ほど待ったバスのシートに腰を下ろし、次第に強くなる雨の中を『国立天文台』の冬枯れした広い林を眺めたりしながら、およそ三十分後に調布駅北口に到着する。冷たい雨は、ますます強くなるばかりで、すぐに横断歩道を渡り『調布パルコ』の中に逃げ込む。エスカレーターで五階まで上がり、催事場の古本市会場に無事到着。場内は老若男女で程よい混み具合である。今回の要注目は「にわとり文庫」さん(2009/07/25参照)のブースである。今年は年明け一月恒例の「ニワトリブンコ新春100円均一大会」(2017/01/03参照)が開かれなかったので、その代わりにこの古本市にお値打ち古本を並べているらしいのだ。狙いは安値の裸本少年探偵小説なのだが、恐らく古本神と古本修羅が殺到したであろう開始時間に突入出来なかったのは、絶望的な痛手であることは間違いない…何か、何か一冊でも残っていれば良いのだが…おっ、あるじゃないか!高木彬光「幽霊馬車」と島田一男「黄金孔雀」か…値段を見てしばし考え込む…どうしようかな…島田一男先生の本は確かに欲しいが、これはゆまに書房の復刻版で読めるしな…ここは、値段から見て「幽霊馬車」かな。などといっちょまえに悩んでいると、本が背を見せて並ぶ平台右脇に、一冊の裸本が立て掛けられているのが目に留まる。こ、これは、三橋一夫の「力道山物語」じゃないか。こんなのもさり気なく並んでいたのか。値段は…千円!どうしてこの本が、誰にも見向きもされなかったのか!いやもうこれに決めました。というわけで、室町書房「プロ・レスラー 力道山物語/三橋一夫」(カバーナシ)を購入する。この古本市は1/31(水)まで続く。
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2018年01月16日

1/16古本屋ツアー・イン・新保博久邸【第三章】

今週も懲りずに『盛林堂イレギュラーズ』として活躍するので、午前九時半に都内某駅で「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏と待ち合わせ、氏が今日も微妙に遅刻して来たことを即座に水に流しつつ、教授宅を訪れる。すると教授は二度寝の真っ最中だったらしく、インターホンの応答にいつもの三倍の時間を要してしまう。

今日のお引っ越し準備ミッションは、四階トランクルーム残り二部屋の仕分けと結束。それに加え、自宅部屋前のトランクルーム+新たに発覚した三階トランクルーム一部屋の本の整理を、どうにか終わらせることに心血を注ぐこととなる。まずは四階留置場風トランクルームの様子を見に行くと、おぉぅっ!左奥の部屋が教授の孤軍奮闘により、すでに仕分け済みの麗しい光景となっている。
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こうなれば話は早く、私が不要の本を搬出して棚の解体を進める間に、小野氏と教授は左手前の部屋の整理をひたすら進めることにする。と言うわけで今日の三人の役割は、教授→仕分ける人、小野氏→結束する人、古ツア→運ぶ人を徹頭徹尾務めることに決まる。本を懸命に運び出し積み上げつつ、当然の如く卑しい心を立ち上げて、欲しい本も品定めして行く。すると隣りの部屋で小野氏も、選別と結束を進めつつも、したたかに買取本を教授に申告しつつ確保してる模様。様子をうかがっていると、何だか羨ましい本ばかりなので、古本的嫉妬の炎が激しく燃え上がってしまう。そんな作業を三時間ほど進めた後、もはや常連になりつつある豚カツ屋で昼食を摂った後、三階トランクルームを偵察。
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ここの本はそれほど量は多くないが、教授の居住空間である四階でなはいので、さすがにここで仕分け&結束作業を進めるわけにはいかない(だが教授は「三階でも作業スペースはあるはずだ」と提案。その場所が、奥の狭いコインランドリーだったり、屋外の屋根の上だったり…教授、却下します!)。と言うわけで、地道に本を四階に運び上げることにする。その方法は、台車代わりに金属ラック棚に本を積み上げ、ひたすら運ぶことにする。何だかカーゴでトランク類を運ぶ、ホテルのポーターみたい…。
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五回ほどエレベータで上下し、どうにか役目を終えるや否や、次は四階の部屋前トランクルームの運び出しにかかる。ここには不要な本は意外に少なく、どれも教授が仕事に必要とする資料本ばかりなので、作業は比較的楽であった。それにしても棚に並ぶ資料本の素晴らしいこと!探偵小説関連・ミステリ関連・犯罪関連・警察関連・同類の地方出版物関連…良くぞここまで!と褒め讃えたくなる蒐集っぷりなのである。
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そんなこんなを結局九時間ほどぶっ通しで続け、午後七時にミッションをコンプリートする。結果、全員がゼイハァ完全疲弊。いやぁぁぁぁぁぁ、お疲れさまでした。これでどうにか本宅以外の整理にメドがつき、いよいよ次回は本邸に着手することになる…何が出て来るか楽しみ楽しみ。そして本日の超絶作業の報酬として、春陽堂日本小説文庫「盲目の目撃者/甲賀三郎」(イタミ、落書きあり)「血液型は語る/正木不如丘」「眞夏の殺人/大下宇陀兒」早川書房「オシリスの眼/オースティン・フリーマン」日本公論社「霧中殺人事件/ミニオン・G・エバアハート」を拝受する。(つづく)
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あぁぁぁ、でも今日は本当に疲れだぁ…。
posted by tokusan at 22:39| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月15日

1/15四年ぶりの「ボロ市」で古本を求め彷徨う。

最近足の遠退いていた、世田谷の「ボロ市」(2014/12/15参照)に突然行きたくなって、すぎ丸→京王線→世田谷線と乗り継いで、午前九時半に世田谷駅に到着する。以前見た時より一段と人の姿が多い気がする、露店が並び続ける通りに、早速身を投じる。
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骨董にも民具にも着物にも食にも安売品にも陶器にも古道具にも玩具にも興味なく、目指すは古本のみ!なので動きはスピーディーである。いつもの和本と教科書のお店では何も見つけられず、センスの良い紙物や絵葉書を並べるお店にも時たま食いつくが何も買えず。あっという間に折り返して代官屋敷のあるメインストリートに足を踏み入れる。すると古い玩具が並ぶ店先に、古本の詰め込まれたダンボール二箱を発見。二冊100円である。「こち亀」や新しい文庫が目立っているが、諦めずに探って行くと、底の方に古書が溜まっていた。興奮して掘り出し、欲しいものを箱から取り出してアスファルトに積み重ねて行く。密教科学社「アガルタ(虹の都)/R・E・ディクホフ」藤浪會「淺間手帖/杉浦非水繪・杉浦翠子歌」軽井沢観光文化協会「詩と写真 浅間八態」東京創元社 世界推理小説全集16「グリーン家殺人事件/ヴァン・ダイン」春陽文庫「氷柱/多岐川恭」(第一刷)早川書房「水晶の中の未来/ルース・モンゴメリイ」を計200円で購入する。おぉ、充分過ぎるほどの収穫だ!と箱との出会いに満足しつつも、さらに古本の影を求めて、地面から足先に伝わる冷気に震えながら、さらにギュウギュウになって来た市会場を彷徨い続ける。「林書店 上町店」(2008/12/04参照)が早い時間からちゃんと露店を開いているのに感心するが、今日は何も買わずに通過する。そして南に延びる骨董濃度の高い脇道に入り込む。途中に洋書写真集古書を並べたお店あり。ほほぅ、表紙がちょっと破けているが「Cowboy Kate and Other Stories」があるじゃないか。だがどうせ高いんだろうなと、値段を聞くこともせずに高を括って通過してしまう。そして最後のどん詰まりのお店で、古い映画パンフが置かれているのを発見し、屈んで一冊ずつチェックして行く…その時、右隣りの人垣がバラけて、狭い店先が見通せるようになった。よぉ!古い児童文学が五冊ほど置かれているぞ。近付くと、四冊は箱入りのルパン全集で、一冊が偕成社のSF名作シリーズであった。値段を聞くと千円なので、値下げ交渉もせずに即購入してしまう。ちゃんとカバー付きの偕成社「宇宙からのSOS/ラインスター・作 亀山竜樹・作」である。さらにすべての通りを歩き通し、途中海上自衛隊の楽隊や代官行列に行く手を阻まれたり、所々に文庫箱や映画パンフ箱を見つけたりするが、他には何も買えずに終わる。この市は明日16日も開かれる。

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これが本日の収穫。上段真ん中の「アガルタ(虹の都)」は昭和三十六年刊の、オカルトネタ本古典の一冊である。地下のプラスチック都市・アガルタ!金星蛇人!火星霊人!火竜(宇宙船)!アトランティス&レムリア大陸!ノアの洪水!原水爆戦!その展開はもはやSF!こんな奇書がボロ市の箱に紛れ込んでいるとは。読むのが楽しみ楽しみ。そして「淺間手帖」は、なんと杉浦非水とその妻で歌人の杉浦翠子の署名入りであった。ウヒヒヒヒヒ、とても幸せである。
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posted by tokusan at 16:05| Comment(6) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月13日

1/13東京・明大前 七月堂古書部

震えながら明大前に流れ着き、駅へフラフラ向かいながら、何処の古本屋さんに行こうか考える。「七月堂古書部」(2017/04/29参照)を見てから、ブラブラ歩いて東松原の「古書 瀧堂」(2014/05/01参照)に向かおうか。そんな風に漠然と考えながら、井の頭線線路の南側の、西第一番目の踏切を目指す。…あれ?もう古本幟がはためいているじゃないか。入口は裏通りのはずなのに…あぁっ!店舗が表通り側に移動し、しかも広くなっている!元は印刷会社の入口&受付周りに棚を置いて古本を並べていただけの、小さなお店だったのに、これでは完全に本格的な古本屋さんではないか!ついつい元の入口を見に行くと、こちらは完全に事務所の裏口と化していた…。とても嬉しいことだが、いったい何がそんなにも、古本屋稼業に火を点けたのだろうか?店頭右側には100均箱と100均カゴ棚が置かれ、左の壁際には100〜300円の単行本棚が置かれている。ドアベルを鳴らして店内に進むと、木材を基調に店舗としてしっかりと内装されており、左壁には日本文学・新書・日本文学文庫・海外文学・海外文学文庫、少し飛んで詩集・歌集・句集の集まる棚となり、これらは奥の五十センチほど下がった帳場&事務所フロアへアプローチする通路の低い壁にも取り巻いて行く。フロアにはフカフカのソファと、柱を囲む幻想文学・民族楽器・絵本・児童文学棚があり、オススメ本テーブルも接近している。入口右横はガレージセールコーナーになっており、ここには古本ではなく様々な雑貨類が集められている。そこから始まる奥にナナメに延びて行く右壁棚には、江戸・本・出版・料理・猫・動植物・コミック・映画・音楽・写真・芸術哲学・思想・民俗学・近現代史・歴史・中国・文学評論・詩評論と並んで行く。棚の上には尺八が飾られ、これもしっかりと販売されている。本当にちゃんとした、詩歌に強く真面目な古本屋さんである。新しめの本が中心だが、何はともあれ明大前に古本屋さんが帰って来たことを、言祝ぐべきであろう。奥の小階段を下り、岩波新書「過去と未来の国々/開高健」を100円で購入する。…ところが!お店の写真を撮ったはずなのに愚かにも撮れていなかったので、いただいた栞の写真をここに掲げておく次第です。
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★お知らせ三つ!

1. 「本の雑誌」で連載中の「毎日でも通いたい古本屋さん」。そろそろ発売になる二月号では、横須賀・県立大学の「港文堂書店」に秘密取材。横須賀の古本の火を守る母娘の生き様に感謝します!

2. 今年最初の「みちくさ市」に、やっぱりいつの間にか溜まって行く古本を運んで参戦します!いつものようにミステリと文学と変な本と珍しい本と古書を手にしたい方は、どうか寒くとも足をお運び下さい!元日に凶を引いた男と、新年の挨拶を交わしましょう!
『第40回 鬼子母神通り みちくさ市』
◆2018年1月21日(日)
◆11:00〜16:00(雨天中止。当日8:00に天候による開催の有無を決定)
◆雑司が谷・鬼子母神通り(東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺・東京メトロ副都心線・雑司が谷駅1番出口または3番出口すぐ)
◆お問い合わせ michikusaichi●gmail.com(●をアットマークに変えて送信してください)
みちくさ市本部 携帯電話:090−8720−4241
http://kmstreet.exblog.jp/

3. 地元・阿佐ヶ谷で開く古本屋さんについての講演会。申し込み締め切りまであと一週間となりました。恐ろしいことに80名も入れますので、どうかどうかどうかどうかどうかどうか奮ってご参加下さい。こちらもお待ちしております!
『古本屋ツアー・イン・阿佐ヶ谷』
◆開催日 平成30年2月4日(日曜日)
◆開催時間 午後1時30分 から 午後3時30分 まで
◆対象 一般、高齢者
◆定員 80名(抽選)
◆開催場所 阿佐谷地域区民センター(杉並区阿佐谷南1丁目47番17号 電話:03-3314-7215
阿佐谷地域区民センター)
◆申し込み締切日 平成30年1月20日(土曜日)
◆申し込み 往復ハガキ(1人1枚)に「講座名(古本屋ツアー・イン・阿佐ヶ谷)、〒・住所、氏名(フリガナ)、年齢、電話番号、返信面のあて先」を明記のうえ、1月20日(必着)までに、阿佐谷地域区民センター協議会(〒166-0004 杉並区阿佐谷南1丁目47番17号)へお申し込みください。
http://www.city.suginami.tokyo.jp/event/kuminseikatsu/chiiki/asagaya/1037376.html
posted by tokusan at 18:06| Comment(3) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする