2018年11月12日

11/12そして本日の古本的行動。

昨日買った楠田匡介の雑誌復刻版「都会の怪獣」を読み進めて行くと、先日大枚はたいて手に入れた同じ楠田の少女探偵小説「赤いカナリヤ」と、登場する主人公姉弟一家と警部が、同一人であることを知る。突然知り合いに出会ったようで、こういうのはなんか嬉しくなってくる。そんな小さな喜びを胸に抱き、午前十時の『早稲田大学』大隈重信像裏にある大テントに忍び込む。今日から十七日(土)まで続く「早稲田青空古本祭」(2017/11/13参照)である。
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すでに各通路では古本修羅が精力的な活動を始めており、目ざとく見つけたお目当ての古本を抱え込んでいる。こちらは主に「古書現世」(2009/04/04参照)が出している、安値の米&世界旅行関連に注目する。色々ある中悩んだ末に、函はないがカバー付きの大阪毎日新聞社「あめりか寫真紀行/北尾鐡之助」(大正時代のアメリカの写真が満載!)をチョイス、さらに北町一郎が載っているので毎日新聞社「サンデー毎日十人集」を抜き出し、「丸三文庫」(2010/05/31参照)の安売絵本箱から見つけた福音館書店「こどものとも だむのおじさんたち/加古里子」(加古の絵本デビュー作復刻版)と合わせて、計2150円で購入する。その後は東西線で荻窪まで向かい、月曜午前十一時半の「ささま書店」定点観測に余裕で駆け付ける。店頭で「土曜に見た本、もう売れちゃったかな?」と探し回る悪い奴ほどよくWる氏と久々の邂逅を果たしながら、かもめ新書「不連続殺人事件/坂口安吾」創元推理文庫「綺譚集/津原泰水」を計216円で購入する。
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1920年代のアメリカが、良い眺めでページに残されている。

18日・日曜日の「みちくさ市」ですが、当ブースにスペシャルゲストとして岡崎武志氏が登場することになりました。「岡崎武志素描集」を携え見参するそうなので、二人の共著である「青春18きっぷ古本屋への旅」とともに、お目に留めていただければ幸いです。購入していただければ、さらに幸せであります!素敵な秋の日曜日に、どうか雨なぞ降りませんように!
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11/11古本を買いながら『岡崎武志素描展』の最終日に駆けつける。

すべて昨日の穏やかな日曜日のお話である。昼食後に外出し駅に向かっていると、久々に古道具屋「J-house」(2015/12/26参照)の店頭に本が並んでいる。美術やお茶関係の大判の本ばかりだが、台の下に積み上がった本も良く見て行くと、輸送箱入りの美術出版社「独歩 魯山人芸術論集」を発見する。箱を開けると、お弁当箱のような函入りの本が出て来る物質感に満ち満ちた本である。これを「魯山人の勉強でもされるんですか?」とお店の人に問われながら108円で購入する。…嬉しいが、早速古本で重くなってしまった…そのまま西荻窪に向かい「盛林堂書房」(2012/01/06参照)着。湘南探偵倶楽部叢書 臨増版2号「都会の怪獣/楠田匡介」(雑誌掲載時そのままの復刻。ちなみに同臨増版の1号は橘外男の「獄門台の屋敷」である)を2800円で購入し、早く読みたくてたまらないのだが、ここからは盛林堂小野氏が同道し、今日が最終日の「岡崎武志素描展」を観に向かうことになる。中央線に乗って様々な古本話に花を咲かせながら、まずは八王子で途中下車。小野氏がまだ訪れたことのない+「青春18きっぷ古本屋への旅」取扱店の「古書むしくい堂」(2018/01/03参照)へ。大泉書店「大阪五人娘/藤沢桓夫」を500円で購入し、店内の様子を観察すると、お客さんが程よく滞留し、皆ちゃんと本を買って行くのに感心する。帳場では小野氏とむしくい堂さんが深い古本屋話を展開している…すっかり古本屋さんらしくなっちゃって…と偉そうに感動した後、お店を後にする。その後は電車の遅れにスムーズな行程を阻まれながらも、どうにか高尾駅着。ビル内名店街にある「高尾文雅堂」(2009/11/18参照。残念ながら二階のメガネ屋前の古本売場はお休みであった…)を覗き、丹頂書房「崩壊感覚/野間宏」を500円で購入する。そんな軽い古本屋巡りを経て、すっかり暗くなった住宅街で迷いながら、豪華な民家の一部を改装した「ギャラリー白い扉」に到着する。
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玄関を入る早速「岡崎武志堂」の小棚二本が出迎えてくれたので、芳名帳に記帳するのも飾られた絵もそっちのけで、古本に集中。平凡社ライブラリー「変身綺譚集成 谷崎潤一郎怪異小品集」を650円で購入する。気付けば会場内は既知・未知の方々で賑わいを見せている。ギャラリー主のロックンローラーの雰囲気をスマートに放つ高橋氏に、「岡崎武志素描集」編集&デザイン担当として挨拶をすると、素描集の作品ナンバーの入れ方を激賞される…ふ、不思議な褒められ方もあったものだ。なんだかくすぐったくなりながら、居合わせた方々と居間での楽しい宴会に突入する。日本酒をしこたま飲み、あっという間に酔っ払いつつ、岡崎氏・小野氏と今回の迅速な仕事を褒め合ったり、高橋氏が岡崎氏の詩に曲を付けた歌をギター&ハーモニカで披露したり、吉田拓郎の話に打ち興じる。「そう言えば岡崎さん、今「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に、ちょっと古めの写真が満載の拓郎のギターブックみたいのが売ってるんですけど…」と報告すると、即答で「買っといてくれ」ということになる。指令が下されたのなら、命を賭しても買わなければならない。すっかり日本酒で酔っ払ってしまった身体に鞭を入れ、一足早く小野氏とともにみなさんとお別れする。暗い夜道をたどり、中央線に乗って東へ…高尾は遠いなぁ。阿佐ヶ谷に着いて、まだ灯りを点している「コンコ堂」に滑り込み、音楽コーナーの平積み陳列部分を漁ると、あったあった。自由国民社「よしだ・たくろうの世界」、昭和46年発行の新譜ジャーナル別冊である。これを1030円で購入しつつ、店主・天野氏に「青春18きっぷ古本屋への旅」の取扱を厚かましくお願いする。すると置いていただけることになったので「これからも古本買います!古本売りに来ます!」と大喜びで変なお礼を言ってしまう。とにかくありがとうございます!というわけで無事に指令も完遂し、長々と同道して来た小野氏に「神田古本まつり」で気になっていた本を売れ残っていたら買うことを約束し、一段と酔いを深めて帰宅する。
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日曜日の収穫たち。
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2018年11月09日

11/9帳場前で頭を抱える。

デザイン仕事を入稿したり、大阪へまたもや送り出す古本をまとめたりして、ホッと一息。気分良く古本を買いに行くことにする。ちょうど雨が上がっているお昼過ぎ、何処に行こうかと思案しながら駅に向かい、ホームで目の前に滑り込んで来た東西線に乗り込む。よし、「古書現世」(2009/04/04参照)の棚にアタックすることにしよう!と一直線に早稲田に向かい地上に出ると、雨が降り始めてしまった。小さなビニール傘を開いて『早稲田通り』を足早に進む。途中「飯島書店」(2010/04/14参照)で金の星社「怪獣の出る村/角田光男」(ヒバゴン騒動の童話)を200円で購入し、次第に強くなる雨に急かされるように「古書現世」にたどり着く。店内は来週月曜から始まる「青空古本祭」(2017/11/13参照)の準備のために、出番を待つ本たちが片側に寄せられて積み上がっている。ここでは棚の本を見ていても、奥に座る店主・向井氏に気付かれることはまずない。帳場に近付き本を差し出した時点で「あっ、古ツアさん」と言われるのが大概である。今回も、右側の古書多めの壁棚を眺めつつ奥に進んで行っても、気付かれていない。それにしても、古書が多くなってとても良い景色だ。特に戦前のアメリカの旅行&冒険ものがズラッと並び、思わず目移りしてしまう。見たことない本ばかりだ…その中の一冊、石川飛行士事務所「米大陸横断自動車冒険旅行/坂本正雄」(昭和二年に型フォードで、サンフランシスコからニューヨークまでを駆け抜ける冒険旅行記)が無闇に面白そうなので、これを買うことにする。帳場に差し出すと案の定「あ、古ツアさん」ということになる。4500円也を支払い、この戦前アメリカ旅行関連の本が、外交について研究していた方から買い取ったものだと教えられる。公式外交から、個人の渡航や冒険旅行の分野まで蒐集していたらしいのだ。スゲェレンジの広さだ。すると向井氏がさらに恐ろしいことを言い始めた。「あ、もっと面白いのがあったんですよ。ツイッタ―に上げたら直ぐ売れちゃったんですけど。押川春浪の仲間で、世界を自転車で旅行する…」「も、もしかしたら、中村春吉ですか!」「あ、そう。確かそんな名前だった…」「幾らつけてたんですか?」「一万ぐらいだったかな…」「ぐわわわわぁぁぁぁ〜!」と帳場前で本気で頭を抱え、項垂れてしまう…ほ、ほ、ほ、ほ、欲しかった。だが、もう売れてしまったのは仕方ない。俺は、この自動車冒険記で、ひとまず我慢することにしよう。しばらくそのまま向井氏といつものように無駄話し、強くなった雨の中を帰宅する。大阪に古本を送るのは後日にするか。
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これも嬉しいのだが、それにつけても中村春吉………あぁっ!

さて、もうすぐ来週の月曜辺りに本屋さんに並び始める「本の雑誌 カレー蕎麦ダブル号 No.426」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、東村山の「なごやか文庫」を取材。激安福祉系の棚に溺れています。だがそれより何より、今号では巻頭の『本棚が見たい!』に、家に本棚がないのに登場しております。以前にもこのコーナーへの取材オファーがあったのですが、「本棚がない」と伝えると流れてしまった前例がありながらの掲載なのです。だが取材されるからには、多少なりとも写真を撮り易く工夫する必要があり、横積み本だらけの仕事部屋を必死に整理整頓したり、横積み本を詰め込んでいた棚に手を加え、一部久しぶりに正式に本を立てて並べたり工夫しました。ご笑覧いただければ幸いです。ちなみに現時点で、私もどんな写真が掲載されるのか、一切知らないのです!…あぁ、コワいコワい…。

さらに11/18(日)の「鬼子母神通り みちくさ市」に参加いたします。いつものように変な古書から探偵小説類まで持って行く上に、新刊「青春18きっぷ古本屋への旅」も持って行きます。秋の空の下の古本市でお会いいたしましょう!
■「第44回 鬼子母神通り みちくさ市」
■11月18日(日)11:00〜16:00 雨天中止(当 日午前八時に天候による開催の
有無を決定)
■東京都豊島区雑司が谷二丁目・鬼子母神通り周辺
https://kmstreet.exblog.jp/
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2018年11月08日

11/8東京・国立 古道具ニコニコ堂

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今日は国立北口の丘の上、日吉町に流れ着くが、その結果面白いものを発見する。場所は『国立駅北口』を出て真っ直ぐ北に向かい、『光町1交差点』を東へ。やがて北東にぐいんと曲がりながら蹴上がる急坂を丘の上まで登り詰め、直線道を三百メートルほど進む。すると右手白い雑居ビル一階の美容院の隣りに、いつの間にか恋ケ窪にあった古道具屋「ニコニコ堂」(2018/05/26参照)が引っ越して来ているではないか!店頭は恋ケ窪にあった時より、遥かにスッキリしており、木椅子や火鉢や少々の古雑貨類が出されているだけである。だが中に入れば、そこは以前と同じ古道具・古雑貨・アンティークが、圧縮陳列ながら秩序だって飾られた小宇宙である。古時計の音がコチコチ聞こえる、以前より狭くなった店内に、前回見覚えのあるものたちが、距離を縮めて並んでいる形である。奥にはこれもコンパクトになったガラス越しの帳場があり、老店主が文庫本に読み耽る横顔を見せている。紙物類は、レコード箱の上に乗ってプロマイド・切り抜き・切符ファイル・マッチラベルファイル。それに右側通路下の古パッケージ・小冊子・ハーモニカ教本・ノート類、さらに左側通路の絵葉書.手帳サイズ紙物・観光パンフ小箱。それにブルボン小林の「マンガホニャララ」サイン本。〆は帳場前の洋書三冊くらいであろうか。主に右側通路の紙物箱を漁り、昭和二十五年刊の教会系絵物語雑誌「はこぶね 1.2月合併号」を持ち出し、帳場の店主に差し出す。すると老店主は、読みさしの文庫本に何か栞の代わりになるものはないかと焦り探し、しばらく手と目を四方に泳がせまくる。…落ちついて下さい。いつまでも待ちますよ…と無事に紙を挟んだところで精算を済ませる。「ありがとうございます。これ、名刺」と、ハンコで作った名刺をいただく。無事の引っ越し、おめでとうございます。

すっかり暗くなり始めた阿佐ヶ谷の帰り道を歩いていると、「1960年代専門店 甘辛劇場 懐かし屋」(2017/02/22参照)の柔らかい光に誘われ、ドアを開けてしまう。たくさんのレアな玩具や駄玩具が飾られた店内に、古時計の音が重なり合い響いている。中央の二台のガラスケースに挟まれた部分に、見事に古本が横積みされ集められている。玩具関連本・「轟先生」・長谷川町子・テレビガイド雑誌・貸本漫画・西村賢太…おっ、晶文社「杉浦茂のモヒカン族の最後」が500円じゃないか。これを買おう。と、意気揚々と精算する。
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2018年11月06日

11/6欲望のままに、あかしや乱歩と楠田匡介を!

少々の古本を携え、雨が降り始める前に西荻窪に向かう。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)前に立つと、いまだ開店準備中。だが挨拶をして暗い通路に入り込み、「フォニャルフ」に補充を始めると、パッと頭上で灯りが点った。その途端に、右上の棚の、還暦イベント真っ盛りの本棚探偵・喜国雅彦氏の「ひとたな書房」が目に入る。うわわわっ!また江戸川乱歩の漫画本が並んでいるじゃないかっ!今回は『あかしや書房版』なのかっ!「5 天空の魔人」「7 灰色の巨人」「8 海底の魔術師」の三冊が、それぞれ一万五千円で並んでいる。もっと並べていたのだろうか…震えながら本を開いていると、帳場から店主の小野氏が近付き「ギャラ支払うから、それで三冊とも買っちゃえばいいじゃん」と、バカなことだが、思わずやってしまいそうな言葉を投げ掛けて来る。そう、今日は補充と同時に、二週間ですべてを怒濤の働きで仕上げた「青春18きっぷ古本屋への旅」と「岡崎武志素描集」のギャラをいただきに参上したのである。即座に帳場にて事務的な作業を終え、懐がボワッと暖かくなる。すると当然『あかしや乱歩』が欲しくなって来る!再び「ひとたな書房」に接近し、もはや一冊は買うことを決めながら、三冊を吟味する…よし、一番状態の良い「灰色の巨人」にしよう。そっと両手で恭しく捧げ持ち、ひとまず帳場に預けておく。これだけの行為で、古本買い気分が大いに盛り上がってしまったので、さらに盛林堂さんでも何か買って行くか!と、にわか仕込みの太っ腹状態に突入してしまう…もはや古本ゾーン状態…。普段手が出ない感じで、読みたかったもの読みたかったもの……高い物を買う時と言うのは、欲しい一冊について悩みに悩んで決めるのがほとんどなので、普通に二三千円の本を買うように、万クラスの本に目移りしている状態は、どうにも顔が上気し心が上滑りしてしまい落ちつかない。その間に、少しだけ冷静に考える…あんなに心血を注いで本を作り、その報酬としていただいたお金を、瞬時に蒸発させて良いものであろうか…あの魂を込めた時間が、たちまち古本にすり替わって良いものであろうか…いや、俺は古本好きの古本屋ツーリスト!何を畏れることがある!何を恥じることがある!と冷静だったはずの思考実験は、さらに古本心を焚き付ける結果に終わる。よし、これにする!新書サイズの附録本、楠田匡介の「赤いカナリヤ」だ!もうこんな風に心を決めなければ、一生手に入ることはないだろう!そう決めつけて、小野氏に力強く手渡す。あかしや書房「江戸川乱歩全集7 少年探偵 灰色の巨人/田中ちかお画」(カバーナシ)集英社昭和三十一年「少女ブック十月号」ふろく すずらん文庫2「長編少女探偵小説 赤いカナリヤ/楠田匡介」を計四万円で購入する…あ〜ぁ、買っちゃった。でも気持ちいいなぁ。店内で記念写真を撮ろうとすると、小野氏がショウウィンドウのくらり人形(東京創元社のマスコット猫。兎の頭巾を被っている。可愛い)の前で撮ってくれとリクエストされる。カシャリ。
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く、くらりの視線が何だか冷たい…。それにしてもこの贅沢過ぎる二冊、直ぐ読み終わってしまう漫画と付録本…後に映り込んでいる、永瀬三吾の「白眼鬼」を買った方が、良かったかなぁ。などと思いつつも、嬉しくて顔は完全にニヤニヤしてしまっているのだった。
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そしてこれは『あかしや乱歩』のポップな見返しイラスト。鈴木慶一とムーンラーダースのアルバム『火の玉ボーイ』のジャケットは、これを使用しているのだ。

とこのように、早速ギャラを散財しているので、本をやはりもっと売らねばなりません。みなさま、引き続き新刊の「青春18きっぷ古本屋への旅」をよろしくお願いいたします。購入をお迷いの方、めくるめく楽しい古本屋旅の世界が待っていますよ!また来年も岡崎武志氏と、楽しい古本屋本を出したいので、応援よろしくお願いいたします!
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■「青春18きっぷ古本屋への旅」岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン著
■B6版オールカラー全128ページ
■1500円(税込)
■盛林堂書房発行

一ヶ月強の期間内に、五回だけJR全線乗り放題(特急・新幹線・急行列車・JRバスを除く)となるお得な切符「青春18きっぷ」を駆使し、古本屋を目指す旅に出る。酷暑の夏を乗り越えて生まれたのは、六十一才と五十一才の青春の尻尾をぶら下げた二人のポンコツ男が、優雅さとはかけ離れた、気ままで緩い旅路をたどる、奇妙でマニアックな古本屋紀行文集。一人旅あるいは二人旅で、古本を求め、車内読書を求め、古い建物を求め、トンカツを求め、立食いそばを求め、ボックスシートを求め、旅情を求め…。
●常磐線の旅(岡崎・古ツア編)、総武線の旅(岡崎編)、常磐線の旅2(古ツア編)、神奈川の旅(岡崎編)、真岡鐡道の旅(古ツア編)、中央本線の旅(岡崎編)、東海道線の旅(古ツア編)に加え、『高崎線の旅+61才と51才の青春18対談』を収録。

■通販→書肆盛林堂 http://seirindousyobou.cart.fc2.com/
■店頭販売→西荻窪「盛林堂書房」、八王子「古書むしくい堂」、椎名
町「古書ますく堂」、京都「古書善行堂」、神保町「神田古本まつり」盛林堂ブース(一誠堂書店前。11/4(日)まで)

※またこの本を、たくさんの場所でたくさんの方にお届けしたいと思っていますので、お取り扱いいただける古本屋さん&新刊書店さんを引き続き大募集しております。一点からでも構いません。お店に並べていただければ大変に幸いです!どうか、どうか、どうか、どうか、盛林堂までご連絡下さい。
◆問い合わせ先:盛林堂書房
メール:seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp
電話:03-3333-6582
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2018年11月05日

11/5ウララとちき

昨日は八幡山に流れ着いたので、京王線での帰路、明大前駅で途中下車し、「七月堂古書部」(2018/01/18参照)に立ち寄る。ハヤカワ文庫「猫舌男爵/皆川博子」講談社大衆文学館「深夜の市長/海野十三」を計200円で購入しつつ、店奥右側壁棚の上段に設えられた「出張 市場の古本屋ウララ」(2013/10/21参照)に注目する。店主の新刊やオススメ本などが並び、このために作られたのか、お店の様子を封じ込めたとてもプリティーな版画が飾られている。古本屋グッズも収集している古本屋ツーリストとしては、手に入れたくなる作品だが、今日のところはお店の栞をいただいただけで退散する。

明けて本日、原稿を書いたりデザインした後に、雨が降ったり晴れたりを繰り返すおかしな空模様の下、荻窪「ささま書店」(2018/08/20参照)へ向かう。蝸牛社「必携 ミステリー手帖 日本編」ハヤカワ文庫「遊星よりの昆虫軍団X/ジョン・スラデック」を計216円で購入し、阿佐ヶ谷に引き返す。すると「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の前を通りかかると、入口右側の均一棚に、三原順の『はみだしっ子シリーズ』が並んでいるのが目に留まる…全巻揃っているのか…と巻数をたどっていると、中に大矢ちきのリボンマスコットコミックス「キャンディとチョコボンボン 大矢ちき傑作集」が一冊混ざっているのを発見する。これは!と抜き出してお店の中に駆け込み、103円で購入。ある意味物語は王道だが、絵の上手さや描き込みや画面構成がハイレベルな作家の少女漫画。うへへへ、読みたかったんだ。
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ウララの栞と大矢ちきである。
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2018年11月03日

11/3前庭→屋上→ロビー!

午前九時に家を出て、まずは三鷹駅に向かう。駅南口に出て、一心不乱に南下していく。長〜い商店街を抜け、道を挟んで二つに分かれた『大成高校』の間を通過し、およそ二十分も歩くと『三鷹市立図書館』に到着する。ここで『第5回図書館フェスタ』が本日開催され、その一環として「サポーター古本市」と「一箱古本市」も行われるのである。場所は通りからも見える、石垣と生垣に囲まれた前庭である。時刻はちょうど午前十時で、今まさにフェスタが始まったばかりである。
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左側奥の風船ゲートを潜り、こじんまりとした芝生の庭に入り込む。入って直ぐ右から、長テーブルを並べた「一箱古本市」エリアが始まっている。参加者は五組ほどで、自作小説とオススメ本をパッケージしているお店や、絵本を取り揃えたお店や、自宅の本をそのまま持って来たようなお店や、近現代史本ばかりを並べたお店や、未だ本を並べていないお店が集まっている。左奥に進んで行くと、五本のラックと長テーブル一本、それにダンボールに本を詰め込んだ「サポーター古本市」である。一般小説・茶道関連・冒険小説・コミック・暮らし系雑誌&ムック・文庫・新書・絵本が、単行本・絵本・雑誌は100円、新書は50円、コミックは10円、文庫は三冊100円(海外文学文庫は三冊50円)で売られている。脇のステージで奏でられるジャズを聴きながら、出版芸術社「ふしぎ文学館 悦楽園/皆川博子」河出文庫「滑稽漫画館/宮武外骨」ちくま文庫「青空娘/源氏鶏太」を選ぶ。ご婦人が三人並ぶ帳場で精算をお願いすると、本を受け取ったご婦人が「文庫は二冊だと80円になっちゃうけど、いいの?いいならいいんだけど。つい主婦の感覚で、言っちゃうのよ。ウフフフフ」と言うことで、計180円で購入する。

古本を買うと同時に会場を離れ、またもや二十分ほど歩いて駅へと戻り、今度は荻窪駅に向かう。改札を抜けて地下から『ルミネ荻窪』に入り込み、エレベーターで最上階を目指す。今日はここの七階にある『グリーンテラス』で「あきぞらBOOK MARKET」と銘打ち、「TIMELESS」(2012/06/30参照)「百年と一日」(2008/09/25&2017/08/11参照)「旅の本屋のまど」(2009/06/30参照)「忘日舎」(2015/09/28参照)「にわとり文庫」(2009/07/25参照)「BOOK TRUCK」が集まり、太陽の下で古本を販売しているのである。ところがこの『グリーンテラス』への行き方が分かり難く、エレベーターで一旦八階の『ファーマーズテラス』に出て外階段を下るようにとある。八階の屋上に着いても、下の会場を見下ろすことは出来るが、下りる階段が見つからない…こりゃいったいどうしたことだ?
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仕方なく鎖で封鎖された階段から、コソコソと七階にたどり着く。フェンス沿いに立てられたテントの下に、古本が並べられている。絵本がとても多い。どうやらこの場所に合わせた選書を各店行っているようだ。…だが途中でおかしなことに気付く。お客さんが誰もおらず、みな何かバタバタと慌ただしいのだ。入口付近に近付き看板を見ると、開始時間が午前十一時からとなっている…いまは午前十時五十五分…ひえっ、開場前に会場入りしてしまっていたのか。そりゃ階段に鎖が掛かっているわけだ。と悄然とし、しばらくトイレの中に身を潜めて午前十一時を待つことにする…あぁ、バカみたい。その後無事に開いた会場に、正式にお客さんとして入場する。ちなみに屋上なので「BOOK TRUCK」のトラックは入って来られず、普通に自然&生物関連の本を並べている。そして「忘日舎」さんと色々お話ししていると、隣りが「にわとり文庫」さんで、その前に立つお客さんが「風書房」さんであることに気付く。「こんなこところにも朝一番に駆け付けて買いに来てるんですか!」と驚くと、にわとりさんが「こんなところだからこそ大事なんですよ。もしかしたらあそこに、◯◯の署名本がひっそりと並んでるかもしれないじゃないですか!」と、夢のあることを仰ってくれた。まさにその通りです。ただし、徒労に終わることがほとんどですが…。「百年」で座右寶刊行會「北滿民具採訪手記/染木煦 滿鉄総裁室弘報課編」を684円で購入する。

エレベーターで地階まで下りて、駅の南口に顔を出し、関東バスに乗り込んで芦花公園駅へ向かう。エッチラオッチラ『世田谷文学館』に向かい、一階ロビーで開かれている筒井康隆の蔵書即売会を覗く。午前九時半から整理券が配られ、整理券入場中は一人一冊の条件が付けられていたようだが、果たして本が残っているかどうか…と心配しながら自動ドアを潜り、一階ロビーに入り込んでいくと、ミュージアムショップ裏側の窓際に、黒布を掛けられた大テーブルが置かれ、その上に本がズラッと面陳されていた。並んでいるのは海外SF文庫・SF単行本・ハヤカワポケSFである。やはりレア本はとっくに捌けてしまったようだが、その代わり現時点では何殺でも買える模様。値段は500円or1000円のものがほとんどである。ふむむむと軽く悩み、ハヤカワ文庫SF「金星応答なし/スタニスワフ・レム」「ヒーザーン/ジャック・ウォマック」(こちらは『ギブスン絶賛、話題の大型新人』という三十年前の帯の惹句と黒丸尚訳に惹かれ)を計1000円で購入する。すべての本は扉に筒井康隆の蔵書印が捺されているためか、『転売お断り』が厳命されている。
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すべて本日限りの古本市や即売会である。
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2018年11月01日

11/1東京・西荻窪 best place PONTEPIA

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色々こなした一日の終わりに、すっかり陽の落ちた西荻窪に現れる。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の店頭を覗いていると、驚くことに先日訪れたばかりの「古本あぶらや」さん(2018/10/28参照)とバッタリ。まさかこんな出会いがあるなんてと、目を丸くしつつ白夜書房「インタビュー 小林信彦の世界」(非売品)を100円で購入する。そして「あぶらや」さんが「青春18きっぷ古本屋への旅」を取り扱ってくれることになりました。ばんざ〜い! あの奇妙に落ち着けるお店にお越しの際は、古本とともに出来立てホヤホヤの古本屋紀行集もお楽しみ下さい!そしてその後は、ある叢書に関するお仕事の打ち合わせ。帳場の脇に立ち、小野氏+主宰者の三人で、あ〜でもないこ〜でもないと話し合う。午後六時四十分、ある程度話がまとまったところでお店を後にする。駅への道をトボトボ歩いていると、この間の古本屋行の合間に、古本神・森英俊氏から、西荻窪に古本も扱うファッション雑貨屋さんが出来たことを聞いていたのを思い出す。確か午後遅くからの開店だと言っていたから、今なら大丈夫だろうと、足を向けることにする。駅北口から『北銀座街』に入り、東側の歩道を進む。歩道アーケードを抜けて、坂道を下ってたどり着いたお店は…ありゃりゃりゃりゃ、ここは「古着・雑貨・本 MAROGE」(2017/07/05参照)のあったところじゃないか。お店の名前が変わり、看板は白布になり、そこには古着・雑貨・玩具・etcと書かれている。古着が下がっているのは以前と同じだが、そのラインナップは男物中心である。狭い階段を上がり、いつか開けたことのある軽い扉を開いて店内へ。古着と雑貨が混ざり合うように並ぶ、お洒落で珍妙でモンドでチープな空間である。入ってすぐの所に帳場があり、スカジャン姿の青年と、背筋を伸ばして本を読む女の子が一人座っている。目指す古本は窓際に集められている。そこに向かうと、二本の小さな棚とその間に本が詰め込まれている。日本文学文庫・詩集文庫・コミック・ビジュアルムックが中心である。『本の値段は聞いて下さい』か…。本の前に立つウルトラ怪獣のソフビを退かしながら、本の背を眺めていく。東野圭吾や重松清や奥田英朗…うむぅ、と唸りながら角川文庫「暗い青春・魔の退屈/坂口安吾」を手に取り、青年に値段を聞いてみると、とても嬉しそうに「100円です!」と教えてくれた。というわけでこの文庫を購入する。
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2018年10月31日

10/31東京・下北沢 「詩」と「散歩」の古本市

昼食を食べてから家を出て、連載の取材をこなす。そして帰り道に下北沢に立ち寄り、南西口からナナメの日射しが眩しい地上に吐き出される。そのまま坂を下って、平日昼までも賑わう『下北沢南口商店街』の中ほどに出て、緩やかな坂道を下り、商店街の南端に出る。三叉路に立ち、西側角地に建つレンガで化粧された小さなビルを見上げると、おぉ!三階の窓際に、本がノドを見せて並んでいるのが、確認出来るではないか。この小さなビルは、丸ごと『三叉灯』というファッション雑貨のお店なのだが、10/27(土)〜11/4(日)まで、三階でささやかな古本市が開かれているのである。主催は『三叉灯』と詩歌に造詣の深い「七月堂」(2018/01/13参照)である。私には縁のない女性物の洋服が飾られた入口から中に入ると、左がすぐ小さな階段になっている。そこを、ゴトゴト音を立て、カクカクと旋回しながら、上昇していく。物品に紛れ、所々に額装された西尾勝彦氏の詩が分断して飾られ、階段を上り切れば、一編の詩が読めるようになっているようだ。二階〜三階の踊り場で古本や映画DVDが出現し、三階にたどり着けば、そこは緩やかに古本に囲まれた小さな空間である。窓が大きく採られているが、何だか“明るい屋根裏部屋”という印象を持ち、並ぶ古本との親和性を感じ取る。本は三方に、木箱や棚や飾り板の上に集まり、詩集・詩論・文学・絵本・エッセイ・暮らし・旅などが、“詩”をキーワードに多様な出店者のフィルターを通して、輝いている。値段は安めなものが多く文庫本も意外に多い。誰もいない誰も上がって来ない木床の空間で、孤独な靴音を立てながらゆっくり古本を選ぶ。「百葉箱」さんのゾーンから、北冬書房「まちづくし/鈴木清順」を選び取り、ゴトゴト一階へと下る。奥のレジで、明るく陽気なお姉さんに精算してもらう。尚この市は、11/4以降は縮小しながらも11/25まで古本を並べ続けてくれるそうである。
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帰り道に商店街の中で、偶然自転車に乗った「つぐみ文庫」さんと出会う。『三叉灯』の古本市に行ってきたことを説明し、乗っている実用的な使い込んだ自転車を、ちょっとだけ冷やかす。
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2018年10月30日

10/30連名サイン本を追加制作する。

昨日はお昼に「ささま書店」(2018/08/20参照)に赴き、文藝春秋「贅沢の勉強/松山猛」コンノ書房「奥州げてとランカイ屋/羽黒童介」を計216円で購入し、古本的には淡白な一日を過ごす。明けて本日は松庵の住宅街に流れ着いたので、にゅるにゅると北上して西荻窪圏内に入り込み、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にたどり着く。新刊「青春18きっぷ古本屋への旅」のサイン本が底を尽きそうなので、追加署名しに来たのである。その前に双葉文庫「前代未聞の推理小説集」七曜社「浪費の顔/田辺茂一」を200円で購入し、帳場脇にどっかり腰を下ろし、目の前に積み上がった本にサインして行く。盛林堂・若奥さまに聞くところによると(今日店主の小野氏は「神田古本まつり」に出張中なのである。市は11/4まで)、すでに先ほど岡崎武志氏も訪れ、スパパパとサインを入れていったとのこと。本を開くと確かに青鉛筆で書かれた流暢なサインが踊っている。ううむ、同じ日に真面目にサインしに来るとは、連絡は取らずともこの本の如く、オッサン二人の息はピッタリと言うことか。などと考えながら手を動かしまくる。その間に若奥さまと、今年の「神田古本まつり」は雨が降らなさそうで、良かったですね、などと話していると、実はまつり中に雨が降らないのは本当に珍しく、出展中の古本屋店主たちは『雨が降らないと、休めないじゃないか』と嘆いているそうである。無情な雨降りの日が、あのハードなまつりの、大切な休息日となっていたのか。というわけで、引き続きこの走り始めた新刊「青春18きっぷ古本屋への旅」を、よろしくお願いいたします!
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岡崎氏に比べ、相変わらず小学生の記名のようなサインで申し訳ありません……。

■「青春18きっぷ古本屋への旅」岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン著
■B6版オールカラー全128ページ
■1500円(税込)
■盛林堂書房発行

一ヶ月強の期間内に、五回だけJR全線乗り放題(特急・新幹線・急行列車・JRバスを除く)となるお得な切符「青春18きっぷ」を駆使し、古本屋を目指す旅に出る。酷暑の夏を乗り越えて生まれたのは、六十一才と五十一才の青春の尻尾をぶら下げた二人のポンコツ男が、優雅さとはかけ離れた、気ままで緩い旅路をたどる、奇妙でマニアックな古本屋紀行文集。一人旅あるいは二人旅で、古本を求め、車内読書を求め、古い建物を求め、トンカツを求め、立食いそばを求め、ボックスシートを求め、旅情を求め…。
●常磐線の旅(岡崎・古ツア編)、総武線の旅(岡崎編)、常磐線の旅2(古ツア編)、神奈川の旅(岡崎編)、真岡鐡道の旅(古ツア編)、中央本線の旅(岡崎編)、東海道線の旅(古ツア編)に加え、『高崎線の旅+61才と51才の青春18対談』を収録。

■通販→書肆盛林堂 http://seirindousyobou.cart.fc2.com/
■店頭販売→西荻窪「盛林堂書房」、八王子「古書むしくい堂」、椎名
町「古書ますく堂」、京都「古書善行堂」、神保町「神田古本まつり」盛林堂ブース(一誠堂書店前。11/4(日)まで)

※またこの本を、たくさんの場所でたくさんの方にお届けしたいと思っていますので、お取り扱いいただける古本屋さん&新刊書店さんを引き続き大募集しております。一点からでも構いません。お店に並べていただければ大変に幸いです!どうか、どうか、どうか、どうか、盛林堂までご連絡下さい。
◆問い合わせ先:盛林堂書房
メール:seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp
電話:03-3333-6582
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2018年10月28日

10/28古本神と古本屋行!

午前十時前に家を出て、午前十時半過ぎの神保町に御茶ノ水駅からアプローチする。すでに街は、古本を求める人たちで、激しい賑わいを見せている。ツラツラと特設ワゴンを流して行き、「古書かんたんむ」では背の無い中綴じの一冊を抜き出してみる。1934年の大阪の都市風景を活写した、英文の「A GLIMPS OF OSAKA/The Osaka Municipal Office」という本であった。大阪市役所が外国向けに出した、写真豊富な素晴らしい都市ガイドらしい。値段を見ると激安500円なので、ウハハと購入する。
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他には「山本書店」(2012/04/25参照)の店頭箱で弘道館中国文學選書「ホンコン脱出記/茅眉」を100円で買ったりした後に、「神田古書センター」の二階へ上がり「夢野書店」(2015/03/13参照)内で、共訳書の国書刊行会「探偵小説の黄金時代」が発売されたばかりの、古本神・森英俊氏と待ち合わせる。今日は氏と、いくつかの古本屋さんを巡り倒すつもりなのである。そう言えばちょうど一年前も、森氏と連れ立って「くまねこ堂」(2017/10/29参照)を訪れたんだっけ。出会うや否や、氏が特撮関連のレア本が出たのを目撃した「澤口書店 神保町店」(2011/08/05参照)をチェックした後に、地下鉄を乗り継ぎ、最初の目的地である南北線・王子神谷駅を目指す。

古本話に打ち興じながら『1番出口』から地上に出ると、目の前には『北本通り』。そこを真っ直ぐ北に向かい、五百メートルほど歩けば、巨大な神谷陸橋が圧し掛かる『神谷交差点』に到着。交差点を北に渡り、『環七通り』を西に進むと、すぐにお地蔵さんが並ぶお寺に入口が現れる。すると、そこから歩道沿いに連続する古びたコンクリ壁に、小さな茶色い案内版が掛かっているのに気付くだろう。『古本あぶらや ←20メートル先 開店 お昼から日暮れまで』…その案内に誘われるように西にちょっと進むと、緩やかな坂道アプローチが和風に優雅な、お店への入口が見えて来る。そこには立看板が置かれ、この坂小道の奥に、小さな古本屋があることを教えている。
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…どう見てもお店と言うよりは、人の家の気配しかしない…。だが看板を信じて、坂に足を掛け、樹木に囲まれた緑の庭に入り込んで行く。右には古い平屋の家屋があるがさらに奥へ進むと、ガラス扉に古本屋名のある小さなプレハブ小屋がようやく姿を見せてくれた…おぉ!自宅の敷地内に、離れ古本屋が開かれている!つい最近訪れた本牧の「古書けやき」(2018/06/27参照)や蒲田の「石狩書房」(2014/05/17参照)と同種のお店である。実はここの店主は、以前から私のトークイベントや古本販売時に顔を出してくれていて、一年以上前についに古本好きが高じて、土日週末営業のお店を開いたことを教えてくれていたのだが、いつか行かねばと思いつつ、無情にも放置していたのである…いや、すみません。それにしても、よくちゃんと続いている。今日も開いてくれていて、ありがとうございます!森氏は、外壁に貼られたホームズ映画のポスターに「これは北原案件でしょう」と早速激しい興味を示している。靴を脱いで中に入ると、カーペットが敷かれた六畳ほどの空間で、壁沿いに大スチール棚が五本と、上に駄菓子を並べた小文庫棚が二本置かれ、奥にカウンター席兼帳場があり、中央に背もたれのないソファが鎮座している。…うむ、静謐で清潔で端正なお店である。品揃えは、セレクト日本文学・海外文学・文学評論・児童文学・美術&写真・文化・文学文庫・セレクト文庫が並ぶ、店主の趣味を大いに反映させた中濃なものである。ウムムムムと眺めながら、三人で様々な古本話に花を咲かせていると、「どうです。ビールでもいかがですか?」と提案される。一も二もなく承諾し、冷蔵庫から取り出された缶ビールで喉を潤し、本箱の下から出て来たおつまみを摘む。森氏も「半分だけ」と、久しぶりだと言うアルコールに手をつける。古本の話をしながら、古本に囲まれ、ビールを飲む大人幸福タイム。もはや気持ちは、中学生時代に秘密基地的な離れの勉強部屋を持つ友達の所を訪れた、居心地良く甘酸っぱいものに包まれて行く。これは、楽しい。すっかりビール一缶+森氏の残り半分を飲み干し、酔っぱらい状態になったところで、講談社「にっぽん・あなあきい伝/殿山泰司」を購入する。オリジナル本は、こんなに和田誠のイラストが入っていたのか…気付けば森氏は、本を買うとともに、最初に目を付けたホームズポスターもいただくことになっていた…やはりこの人は剛腕である。この居心地良い空間を、また訪れることを約束し、緩い坂道を下って『環七通り』に酔っ払って舞い戻る。

続いて王子に移動して、森氏がまだ訪れていないという「コ本や」(2016/07/19参照)へ。おぉっ、河出文庫「怪獣文学大全/東雅夫編」が1200円で売られているではないか。文庫としては高値であるが、この本としては安値である!と未だ酔った頭で考え購入し、オリジナルの書皮をプレゼントされる。さらに「山遊堂」(2008/08/31参照)を冷やかした後は、地下鉄を乗り継ぎ亀戸に移転した「丹青通商」(2017/10/20参照)を目指す。押上まで出てバスで行こうとしたら、色々あって本数の少ないバスを逃してしまい、結局北十間川沿いを歩いて歩いて、夕暮れの住宅街の中のお店に到着する。『古書・電子部品』のアンビバレンツな取扱品目が相変わらずおかしい。引戸を開けて中に入ると、階段を少し下る半地下の細長い空間である。店主に挨拶して、狭い四本の通路を森氏と共に行ったり来たりして、絶版漫画・ミステリ&SF文庫の渦巻く棚を楽しむ。この時点でもまだまだ酔いは醒めないので、正式なツアーは後日行うつもりである。創元推理文庫「蜘蛛と蠅/F・W・クロフツ」を500円で購入し、近々の再訪を約束する。
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帰りは亀戸天神近くの骨董屋に向かってみるが、残念ながらお休み。交差点の角にある老舗豆屋の、机の上で食事中の虎猫を目を細めて眺め、終了間際の歩行者天国の薄闇を古本神と肩を並べて闊歩する。見事に古本に塗れられた、日曜日であった。
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2018年10月26日

10/26ワッショイ!神田古本まつり!

朝からめんどくさい仕事のやり取りを、気もそぞろに行い、ようやく少しだけ解放されることになり、午前九時二十分に家を出る。水道橋駅に滑り込み、学生を掻き分けて、銀杏が踏みつぶされた『白山通り』を南下する。すると『神保町交差点』では、平日金曜日の午前中なのに、すでに「第59回 神田古本まつり」の賑わいが盛大に華々しく巻き起こっていた。慌てて交差点を渡り、『靖国通り』の「一誠堂書店」前に駆け付ける。ここに「盛林堂書房」(2012/01/06参照)が出店しているので、陣中見舞い…と言うか、正直に言うと古本が欲しくて駆け付けたのだが、ワゴン前はすでに押すな押すなの大騒ぎとなっており、とても後から来た人間が入る余地がない。人垣の向こうで盛林堂・小野氏が、お客に「スゴいねぇ。安いねぇ」と言われる度に「一年前からじっくり準備して来ましたから」と、壊れたレコードのように繰り返しているのが聞こえてくる。後の方でワッシャワッシャしながら、前に出ようともがいていると、北原尚彦氏や風書房さんに声をかけられる。共にワッシャワッシャしながら、少しの隙間を見出して、棚に手を伸ばし、気になる本を検分して行く。…良い本だらけ…そして気持ちが悪くなるほど安い…手当り次第に抱え込むと大変なことになりそうなので(現に周囲には大変なことになっている古本修羅がたくさん…)、函ナシの春秋社「観光船殺人事件/ビガース」を千円で購入するに留める。おっ、ちゃんと「青春18きっぷ古本屋への旅」も面陳されているではないか。探偵小説の薫りに誘われ、盛林堂ブースにお越しの際は、この新刊もどうかひとつよろしくお願いいたします。
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※これは開始一時間後の少しだけ落ち着いたところ。

人垣から離脱したところで、背後から「小山さ〜ん」と声をかけられる。振り返ると、駐車場を古本屋にしている本棚の脇から、「一誠堂書店」(2010/03/27参照)の番頭さんが笑顔で手を振っている。「店内一割引ですから、見て行ってくださ〜い」とのこと。まつりに歩調を合わせ、一誠堂も動いているのだなと感心し、二三言葉を交わし、店内も一巡する。その後は他ワゴンを軽めに流して行く。「古書ワルツ」(2010/09/18参照)で晶文社「ぼくのニューヨーク地図ができるまで/植草甚一」を300円で購入すると、お店のお姉さんが「植草、まだたくさんあるんですよ」と言って、ワゴンの裏側に姿を消す。しばらくするとスクラップ・ブック束一本を重そうに持ち出して来た。「いやいや持ってますんで、大丈夫です」と丁重にお断りすると「あ、やっぱり。ウフフフフ」と笑われる。ありがとうございます。続いて「よみた屋」(2014/08/29参照)のワゴンで原書房「鮪に鰯 山之口貘詩集」(昭和39年版)を500円で購入した後、戦記物の仙花紙本を大量に並べた「永森書店」(2012/11/28参照)ワゴンで足を留める。偶然にもあまり興味のない戦記物+読み難い背文字の中から、輝く一冊を視線が射抜いたのである。「姿なき空襲」…これは怪しい!“姿なき”と言えば、“怪盗”や“飛行機”が組み合わされる、ミステリやSFのキーワードでもあるのだ。スッと抜き取って味わい深い表紙をめくってみると、目次扉のタイトルの上には『科學小説』とあるではないか。パラパラ本文を捲ると、上海租界を舞台にした、中国秘密結社や各国諜報機関が鎬を削る、戦意高揚通俗科学小説らしい。キーワードは“放送局”…おもしろそうじゃないか!潔く買おう。新泉社「姿なき空襲/神宮寺晃」を二千円で購入する。未知の本に出会えるのは、本当にワクワクする。そんな思いを噛み締めながら、去年の神保町ツアーに参加してくれた(2017/10/07参照)北海道からわざわざまつり初日に駆け付けた強者と出会ったり、古本神・森英俊氏に見つけられたり、「@ワンダー」(2009/01/21&2014/05/22参照)鈴木氏と立ち話したりして、充実したあっという間の一時間半を過ごす。

家に帰ると面白い物が届いていた。本の雑誌社「絶景本棚」のオンデマンド印刷版である。なんとこれが、冗談みたいに大きなサイズのA4版なのだ。おかげで本棚に何が並んでいるか、さらに良く見える良く見える(ちなみにこの本、書店流通はなく、イベント時に販売したりプレゼントしたりするとのこと)。そして帰り道もずっと気になっていた「姿なき空襲」について調べてみると、どうやらこれがとても二千円で買える代物ではないことが判明する。やった!こんな本がひっそりと転がってるとは、さすが「神田古本まつり」!ワッショイ、ワッショイ!
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2018年10月25日

10/25四冊の貫録

素晴らしい秋晴れの空の下の上連雀に流れ着いたので、まずは端正な「水中書店」(2014/01/18参照)を覗く。ついついドバッと、ちくま文庫「東京つれづれ草」「私の東京万華鏡」「東京おもひで草」「雑踏の社会学」すべて川本三郎を計400円で購入する。なかなか良い出だしである。ツラツラ歩いて吉祥寺に到達し、続いて「古本センター」(2017/03/06参照)を回遊。扶桑社文庫「昭和ミステリ秘宝 火の接吻/戸川昌子」を250円で購入する。偶然にも装画の木版は、先ほど買ったばかりのちくま文庫三冊の装画木版と同じ、森英二郎の手によるものであった。ここまで来たなら当然井の頭線の下も潜って「よみた屋」(2014/08/29参照)に顔を出す。店頭棚に前屈みのおじいさん達が鈴なりになっている光景は、なかなか他では見られない、いぶし銀の活気を『井の頭通り』に放っている。そんな彼等の背後から、白髪頭越しに棚に目を凝らして行く。するとちゃんと箱付きの早川書房 日本ミステリー・シリーズ6「翳ある墓標/鮎川哲也」が、新書サイズ故に奥まりながらも呼んでいたので、100円で購入する。

家に帰って来て相変わらず嬉しいのは、やはり「青春18きっぷ古本屋への旅」が出来ていること。パラパラと読んだり、物質感を味わったり、手触りを楽しんだりしているが、やはり今までの古本屋本シリーズと一緒に並べると、特に興奮してしまう。四年に渡り、岡崎武志氏と編著して来たおかげで、バラエティ豊かな古本屋さんへのアプローチが(古本屋写真集&古本屋地図&古本屋紀行)、奇妙な貫禄さえ醸し出し始めている。誠に幸せである。これからも古本屋さんに、様々な角度でアプローチすることを、改めてここに誓います!
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2018年10月24日

10/24「奇巌城」と大阪でも!

今日は昼過ぎに国立に漂着したので、フラフラブラブラ歩いて元「ブックスステーション門」の「飛葉堂」(2009/12/18参照)に飛び込む。先客と譲り合い擦れ違い棚を見て行くと、タイミング良く文庫棚に春陽堂少年少女文庫「怪盗ルパン(1)奇巌城/ルブラン」が挿さっているではないか。これを読んでから、昨日教授にいただいた寒川版「奇巌城」を読めばいいのだなと、324円で購入する(昨日「奇巌城」を読んでいないことを告白すると、教授と盛林堂小野氏に呆れられ、怒られる始末…まさか大人になって『ルパン読んでない』って言ったら怒られる日が来るとは、思ってもみなかった)。…えっ!.「奇巌城」って、ホームズも出て来るのか。でもルパンに出てくるホームズは、何だか旗色悪めなとこが、引っ掛かるんだよなぁ…「奇巌城」は大丈夫だろうか…でもルパンが主人公だからなぁ…やっぱり旗色悪いんだろうなぁ…。
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阿佐ヶ谷に帰ってからは、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)にユラユラユラリと入り込む。店頭からはちくま文庫「ケルトの薄明/W・B・イエイツ」を抜き取り、店内では児童文学棚からカバーナシのブッキング「クロイヌ家具店/大海赫」を抜き出し、計618円で購入する。

そう言えば大阪「梅田蔦屋書店」に古本をドバッと送り、届いたとのメールあり。近々『4thラウンジ』の古書壁コーナーにドバッと並ぶことでしょう。そして大変嬉しいことに、「青春18きっぷ古本屋への旅」も取り扱っていただけるとのことなので、こちらも近々古書に寄り添い並び始めることでしょう。西の皆様、新刊と古本を同時によろしくお願いいたします!
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2018年10月23日

10/23イレギュラーズと新刊完成!

本日は盛林堂・イレギュラーズに扮し、京都から上京されたミステリ評論家・新保博久教授のトランクルーム片付けに従事する。午後一時前から本の結束+ダンボール箱整理+本棚の整理を行い続け、なんだかようやく終わりがかろうじて見えたところに漕ぎ着ける。
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※教授、懸命に仕分けてます。
ここから先の片付け作業は、教授自身の思い切りにかかっているので、そのことを存分に教授に諭し、本日の作業を終了する。恒例の強奪品は、盛光社ジュニア・ミステリ・ブックス「ビクトリア号の殺人 夜あるく/ディクスン・カー」偕成社世界推理・科学名作全集15「怪盗ルパン 奇巌城/ルブラン」(教授より「原作とは違うラストになっていて、そこだけは訳者・寒川光太郎の完全オリジナルなんです」と力説される。ホームズ派の私としては、ルパンは全然読んでいないので、ちゃんとした訳の方を読んでから、ラストの違いに驚きたいと思います)でありました。教授、毎度ありがとうございます!
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そしてすっかり陽の落ちるのが早くなった夕暮れ。西荻窪に本を運び込んだ後、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で一息ついていると、出来立てホヤホヤの「青春18きっぷ古本屋への旅」「岡崎武志素描集」が大量に到着する。早速一部の包装をビリビリ破き、時間を合わせてお店に来ていた岡崎武志氏とともに、サイン本を大量作成する。ご予約の方や、神保町の古本まつりでお買い上げの方たちに、まずはお届けし始める予定です。とにかくこの可愛い二冊を、みなさんよろしくお願いいたします。
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帰りに、庶民的に『日高屋』に腰を据え、岡崎氏とともに本が出来上がった喜びを盛大に打ち上げる。達成感と、『売れてくれるだろうか?』の不安感をない混ぜにしながら、それでも幸福なアルコールに酔い痴れる。

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■「青春18きっぷ古本屋への旅」岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン著
■B6版オールカラー全128ページ
■1500円(税込)
■盛林堂書房発行

一ヶ月強の期間内に、五回だけJR全線乗り放題(特急・新幹線・急行列車・JRバスを除く)となるお得な切符「青春18きっぷ」を駆使し、古本屋を目指す旅に出る。酷暑の夏を乗り越えて生まれたのは、六十一才と五十一才の青春の尻尾をぶら下げた二人のポンコツ男が、優雅さとはかけ離れた、気ままで緩い旅路をたどる、奇妙でマニアックな紀行文集。一人旅あるいは二人旅で、古本を求め、車内読書を求め、古い建物を求め、トンカツを求め、立食いそばを求め、ボックスシートを求め、旅情を求め…。
●常磐線の旅(岡崎・古ツア編)、総武線の旅(岡崎編)、常磐線の旅2(古ツア編)、神奈川の旅(岡崎編)、真岡鐡道の旅(古ツア編)、中央本線の旅(岡崎編)、東海道線の旅(古ツア編)に加え、『高崎線の旅+61才と51才の青春18対談』を収録。

10月21日(日)より通販サイト『書肆盛林堂』にてPM5:00から予約受付開始。
http://seirindousyobou.cart.fc2.com/
10月26日(金)神田古本まつり(AM10:00〜)盛林堂ブース(一誠堂書店前)にて先行発売開始。
10月27日(土)より西荻窪・盛林堂書房にて店頭発売開始。

※またこの本を、たくさんの場所でたくさんの方にお届けしたいと思っていますので、お取り扱いいただける古本屋さん&新刊書店さんを大募集しております。一点からでも構いません。お店に並べていただければ大変に幸いです!どうか、どうか、盛林堂までご連絡下さい。
◆問い合わせ先:盛林堂書房
メール:seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp
電話:03-3333-6582
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2018年10月21日

10/21高円寺の大混雑と予約開始。

十月に入ってから突っ走り続けていたので、今日は久々にノンビリ過ごすことにする。朝から買ったばかりの「暗號音盤事件」に耽溺していると、いつの間にか午後三時過ぎ。ノンビリするとは言っても、やはり古本は買いに行くべきである。ノタノタ外出の準備をして、早くも夕暮れの気配が漂う街を歩いて行く。最初にたどり着いたのは阿佐ヶ谷「穂高書房」(2009/02/15参照)。お店脇の鉄扉は相変わらず開け放たれたままだが、さすがにこの涼しさでは、店主のオヤジさんも温かな洋服を着て値付をされている。店頭の安売台から文藝春秋新社「星の歳時記/石田五郎」を引っ張り出し、400円で購入する。
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そこから高架下を伝って高円寺に出るが、何だか妙に賑わっている。高架下の飲み屋も、アーケード商店街も、『ルック商店街』も、まるで祝祭日のような賑わいを見せている。熱気溢れる人波に、歩行スピードダウンを余儀なくされながら、『庚申通り』先端の「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)にどうにかたどり着く。店頭本を立ち読みする人の間から、本の背に視線を走らせて行くと、大判のディズニーアニメ絵本が並んでいるのが目に留まる。だが、そのうちの一冊が同サイズなのだが、明らかにおかしい!と引き出すと、偕成社カラー絵ばなし10「101匹の恐りゅう/北川幸比古」という“SF絵どうわ”であった。中を開くとタイムマシンもの!これは良いものに巡り会えたと、早速小脇に抱え込むと、店内から店主の粟生田さんが姿を現わし、スタタタンと補充しつつ「こんにちは」と挨拶してくれた。そして間髪入れず「アド街ヤバいです」と囁く。そう言われた時に、ハッと気付いた。そうか、今日のこの高円寺の恐るべき混雑は、昨日テレ東の『アド街ッ区天国』で高円寺が特集されたための結果なのか。店内で嬉しい「101匹の恐りゅう」とともに、高橋新吉編集の新日本時計新聞社「時計随筆集」を計600円で購入しながら、今日のお店の様子を聞いてみると、とにかく人がひっきりなしに訪れているとのこと。そう言えばランキングの一位が『商店街』だったから、隅々まで人が流れてい来ているんだなと納得する。粟生田さんは、いつもより人がとにかく多いので、何だか妙に焦ってしまっているそうである。がんばれ、サンカクヤマ!それにしても、テレビの効果、未だ恐るべし…。
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そして本日午後五時より、盛林堂書房プレゼンツの古本屋本第四弾「青春18きっぷ古本屋へ旅」の予約がスタートしました。みなさま、何とぞ、何とぞこの可愛い本を、よろしくお願いいたします!読み応えたっぷりの濃厚ながら緩い本になっていますので、ご一読いただければ幸せです!

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■「青春18きっぷ古本屋への旅」岡崎武志×古本屋ツアー・イン・ジャパン著
■B6版オールカラー全128ページ
■1500円(税込)
■盛林堂書房発行

一ヶ月強の期間内に、五回だけJR全線乗り放題(特急・新幹線・急行列車・JRバスを除く)となるお得な切符「青春18きっぷ」を駆使し、古本屋を目指す旅に出る。酷暑の夏を乗り越えて生まれたのは、六十一才と五十一才の青春の尻尾をぶら下げた二人のポンコツ男が、優雅さとはかけ離れた、気ままで緩い旅路をたどる、奇妙でマニアックな紀行文集。一人旅あるいは二人旅で、古本を求め、車内読書を求め、古い建物を求め、トンカツを求め、立食いそばを求め、ボックスシートを求め、旅情を求め…。
●常磐線の旅(岡崎・古ツア編)、総武線の旅(岡崎編)、常磐線の旅2(古ツア編)、神奈川の旅(岡崎編)、真岡鐡道の旅(古ツア編)、中央本線の旅(岡崎編)、東海道線の旅(古ツア編)に加え、『高崎線の旅+61才と51才の青春18対談』を収録。

10月21日(日)より通販サイト『書肆盛林堂』にてPM5:00から予約受付開始。
http://seirindousyobou.cart.fc2.com/
10月26日(金)神田古本まつり(AM10:00〜)盛林堂ブース(一誠堂書店前)にて先行発売開始。
10月27日(土)より西荻窪・盛林堂書房にて店頭発売開始。

※またこの本を、たくさんの場所でたくさんの方にお届けしたいと思っていますので、お取り扱いいただける古本屋さん&新刊書店さんを大募集しております。一点からでも構いません。お店に並べていただければ大変に幸いです!どうか、どうか、盛林堂までご連絡下さい。
◆問い合わせ先:盛林堂書房
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電話:03-3333-6582
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2018年10月20日

10/20水谷準のホームズ!

今日は午後に浜田山に流れ着いたので、そのまますぎ丸に乗って阿佐ヶ谷に戻ってしまう。まぁお馴染みの古本屋さんを覗きつつ帰り道をたどれば、何か古本が買えるだろう。そう簡単に考えつつ、弛緩した頭脳と焦点の合わぬ目玉を働かせ、一軒…二軒…三軒…四軒……あれれ、何も買えなかった。これは店頭ばかり見ていたせいもあるのだが、まぁこういうことは多々あるものだ。だが、手ぶらで帰ったとしても、何もあわてふためくことはない。何故なら、今日辺り、家に懲りずにヤフオクで落札した古本が届いているはずなのだ。見事予感は的中し、予想より一回り大きい菊判サイズの本が封筒から転がり出て来た。東京創元社「世界少年少女文学全集46 推理小説集」である。ライバル一人ありの落札価格は1211円であった。昭和三十年刊の、ドイルやポーなどを少年向けにリライトした、面白そうな見たことのない本だったので、勢いに任せて落札したのである。それにしても昭和三十年に、児童ものに『推理小説集』と名付けたのは、編者が木々高太郎派だったからだろうか…。そんな世迷い言はさておき、この本は買って正解であった。コナン・ドイル『六つのナポレオン』『まだらのひも』『赤毛組合』『四つの署名』が収録されているが、訳者は何と水谷準なのである。水谷が訳したルパンは知っているが、ホームズも訳していたとは、恥ずかしながら知らなかった。さらにポオ『ぬすまれた手紙』(中野好夫訳)チェスタートン『青い十字架』フリーマン『アルミの短剣』(共に西田政治訳)ルルー『黄色い部屋』(水谷訳)も収録されているが、ビーストンの『マイナス家の黄色ダイヤ』(西田訳)が入ってる!おぉ、なんという贅沢な児童推理小説集。子供気分で少しずつ読み進めて行こう。カラー口絵はちょっと松本竣介タッチのシャーロック・ホームズ像なのだが、無帽で葉巻を手にし、ダブルのスーツという、変わった出で立ち。手の甲には毛まで生えており、ちょっとジェームス・ボンドに見えなくもない。描いたのは永田力という画家で、この人実は推理小説雑誌『宝石』編集部で働きながら、絵画制作に打ち込んでいた方なのである。ということは、いわゆるスタンダードなホームズ像を知っていた確率は、かなり高いと思われる。つまりこの絵は、あえてそのイメージを崩したオリジナルなホームズ像ということだろうか。…あぁ、毎日探偵小説やら、推理小説のことばかり書き連ねていてすみません。 とにかく大好きなもので…どうか許してやって下さい…。
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これは外箱の内容紹介。
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そしてこれが問題のシャーロック・ホームズ。
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2018年10月19日

10/19「ブックオフ」であり得ない買物をする。

午後二時過ぎの池ノ上の住宅街に流れ着いたので、急坂をダラダラ下って下北沢に流れ落ちる。そして横丁の「ほん吉」(2008/06/01参照)に食らいつき、店頭棚を注視する。左側からアタックして行くと、最後の右端の棚上に置かれた箱の中から、素晴らしい小冊子を見つけ出す。狩猟界社「世界の猟銃 日本の狩猟」。表紙の書き込みと『あとがき』から推察すると、昭和三十六年に日本橋・三越で開かれた『世界の狩猟展』で販売されたガイド本らしい。猟銃の歴史や外国銃ガイドに加え、狩猟法と猟犬までも網羅。全88ページの、見ていて楽しい一冊である。やはり覗いた甲斐があったと、百円で購入する。
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そのまま電車を乗り継いで高田馬場に出て、野暮用をひとつこなす。そしてここでも坂を下って神田川を越え、「ブックオフ高田馬場北店」を偵察する。脇目も振らず、ぐんぐん奥に入り込み、最奥の古書コーナーにたどり着く。百均棚に満遍なく目を凝らしてから、続くセレクト古書に集中する。すると棚下の平台部分に、光文社乱歩少年探偵シリーズ三冊(ちゃんとカバー付き)や、糸縢りされ手作り表紙が付けられた大正オリジナルの押川春浪「海底軍艦」などがひっそり並んでいるのを発見し、血流をビュビュンと早める…これは、何かあるんじゃないか…内田百閨uノラや」か…書下ろし長編推理小説シリーズ鮎川哲也の「憎悪の化石」……ぬぬぬぬぅ、大都書房「暗號音盤事件/海野十三」かっ!で、出たっ!と焦りながら掴んでみると、どうやら裏表紙が取れてしまっているようで、値段は6110円…わりとちゃんと付けてるから、微妙だ…だが、相場はこの四倍くらいの値段なので、私が今後もその高値で手に入れることはないだろう…どうしよう、どうするべきか。買おうか、買うまいか…いや、こういうのは、ここで会ったら百年目なのだ。買ってしまおう!と勇躍レジに向かう。並んで待っていると、「こちらへどうぞ」とお兄さんに呼び掛けられ、精算する。「ろ、6110円です…」とお兄さんがちょっと引いているのが微妙に伝わって来る。そりゃそうだ、こんな古くてボロい本がこの値段だもんな。しかもここ、「ブックオフ」だもんな。生涯で、「ブックオフ」で一番高い買物を、今まさに私はしているのである。ビニールから取り出された本を確認すると、裏表紙が取れている以外は、経年劣化のまともな状態なので、まぁいいだろう。内容は昭和十七年刊の、探偵防諜SF小説集である。七十六年前の匂いを嗅ぎながら、楽しく読むことにしよう。
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2018年10月18日

10/18池袋「夏目書房」は50%OFF閉店セール中。

正午過ぎの池袋西口地下改札を抜け、そのままお店が無限に連なるような、賑わいの地下通路を伝って『池袋マルイ』脇から地上に出る。すると目の前から『立教通り』が始まっているので、そこにスルリと入り込む。南側の狭い歩道を、学生たちと肩を並べながら歩いて行くと、ほどなくして十月下旬には閉店してしまう「夏目書房」(2008/07/05参照)に到着した。店頭にはたくさんの『閉店SALE』のビラや『夏目書房さよなら閉店セール』のポスターが貼り出され、『30%OFF』セールが、ついに『全品50%OFF』に移行した旨が書き出されている。以前の、街の中にひっそり溶け込んでいた店頭とは一変した賑々しさに溢れている。さらに店内に入り込むと、すでに棚の所々にブランクが発生し始めており、たくさんの人が古本を眺めているではないか。古本マニアらしき人から、通りがかりのサラリーマン、それに普段はお店に近寄らぬ男女学生の姿などが、各通路に展開している。…全品50%OFFの威力、恐るべし。そう感じながら、古洋雑誌・絶版漫画。人文書・文庫本・映画・美術・音楽・サブカルなどに視線を注いで行く。やはり一番充実しているのは、右端通路の美術作品集&図録の棚で、村山槐多・清宮質文・田中恭吉などなど目を惹くものが残っている。ウンムムムと吟味して、武蔵野美術大学美術資料図書館「柳瀬正夢 疾走するグラフィズム」(柳瀬が手掛けた本や雑誌の装幀と、子供用雑誌に描いた挿絵をまとめたもの)を50%OFFの千円で購入する。恐らくこれがこのお店での最後の買物である。ありがとうございます。そしておつかれさまでした。嗚呼、もうすぐ、池袋西口から、最後の古本屋の灯が消えようとしているのです…。
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帰りは住宅街を抜け、鈴木三重吉の住居跡前を通ったりして目白に出て、裏通りの「貝の小鳥」(2009/06/14参照)に立ち寄る。福音館書店《こどものとも》307号「ムッシュ・ムニエルのサーカス/ささきまき さく・え」(ささきまきの制作風景漫画が掲載された折り込みふろくがちゃんと挟まってる!)を400円で購入する。
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2018年10月17日

10/17十月の三大難事業をクリアする。

昨日は補充用の古本を抱えて阿佐ヶ谷駅に着くと、そこで財布を忘れたことに気付く。幸いポケットの中に212円入っていたので、西荻窪までの切符は買えるわけだ…どうしよう…そうか、「フォニャルフ」棚に補充してはみ出た古本を、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に買い取ってもらえばいいんだ。そうすれば、帰りの電車賃も生まれるだろうと、気ままな感じで切符を買って改札を通り抜ける。そして「盛林堂」で補充するとともに、入れ替えた本を買い取ってもらう。財布を忘れたことを小野氏に話すと「それならお金貸したのに…」と優しく言われるが、「いや、お世話になっている古本屋さんに、お金を借りるわけにはいきません」と、潔く古本を手放す。…おぉ、2500円になってしまった。帰りの切符を買っても、充分お釣りがくるではないか……などということをしに来たわけではなく、「岡崎武志素描集」の色校を見に来たのだった。慌ただしく帳場脇で、岡崎氏とともにチェックした後、一足先に家にとんぼ返りし、修正データを作成、送信する。やった!これで十月の三大難事業(「青春18きっぷ古本屋への旅」・謎の取材・「岡崎武志素描集」)が終わったぁぁぁぁぁ〜。

そして本日は、南武線の谷保駅近くに流れ着き、広大な富士見台団地内で、何と鷹匠を目撃する。どうやら団地内のカラス対策の秘策として、雇われているらしい。鷹匠が腕をサッと振ると、鷹が大きな羽を広げてスイッと羽ばたき、ベランダや屋上に止まり、辺りを睥睨する。しばらくすると滑空しながら鷹匠の腕に戻り、また違う場所に向かって放たれる。そんなことを繰り返している。美しく鷹が舞うごとに、カラスが警戒音を発し、集団で慌ただしい動きを見せる。その甲高い鳴き声は『なんかスゲェヤツが来たぞ!コワいのが来たぞ!気をつけろっ!みんな気をつけろっ!』と叫び合っているよう。人間という生き物が造り出した、歪んだ人工の世界に展開される、自然界の本能を利用した争い……それにしても鷹は美しい上に強そうだな。さすが猛禽類。思わぬものを見られて喜びながら団地の南端に出ると、その団地通りに沿うようにして、懐かしい昭和的商店街が展開している。そしてさらにその風景の中を、南北に二本の短いアーケード商店街が貫いていた。誘い込まれるように、西側のアーケードに入り込むと、偶然にも椅子の上に置かれた古本が目に飛び込んで来た。手作り雑貨を扱う『アトリエはなれ』の前である。椅子の上に載せられた箱に並んでいるのは、100均の林真理子・平野啓一郎・葉室麟などなどが十冊ほど。ささやかだ。ささやか過ぎるが、贅沢は言うまい。偶然出会った昭和な商店街で、古本を買える喜びは何ものにも代え難いのだ!と文春新書「東京バスの旅/中島るみ子・畑中三応子」を購入する。
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料金は写真上方の郵便ポストに入れれば良い無人販売形式。

阿佐ヶ谷に帰り着き「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚から三冊。徳間文庫「暗いクラブで逢おう/小泉喜美子」講談社漫画文庫「フレドリック・ブラウンは二度死ぬ/坂田靖子・橋本多佳子・波津彬子」五稜郭タワー株式会社「五稜郭物語/北海道新聞函館支社編」を計309円で購入する。
posted by tokusan at 15:51| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする