2017年03月13日

3/13夕暮れ前の古本屋に立ち寄る。

本日色々こなした後に漂着したのは東松原。完全に曇っているのだが、まだ夕暮れには間がある時間帯である。踏切の音が聞こえてくる「古書瀧堂」(2014/05/01参照)前から、本を熱心に立ち読み座り読みしている地元のおば様たちに紛れ込む。外から来た身には暖房が効き過ぎているためか、たちまち古本棚の前で上気。だが顔をほてらせながらも、熱心で力のある棚造りに、次第に見蕩れて行く…ヒロシマ・ナガサキ・原爆棚は、他店では余り見かけぬ独特な光と重さをたたえている。昭和風俗棚も古書が時代の証言者となっており、ツボをひたと押さえている。文学棚も日本文学〜海外文学幅広く通路一面を占拠。その文学棚からわりと美本な一冊を選び、帳場に声を掛け差し出す。新潮社「空に浮かぶ騎士/吉田甲子太郎」を500円で購入する。レシートを受け取り、「そのままでいいですよ」と袋を辞退。だが店主が本を手にした瞬間、背から表紙にかけて元セロファンが少し剥がれているのに気付き、「あっ…」と声を上げて動きを止めてしまった…このままカバンに入れると破れが広がる、悲しい可能性を感じているのだろう。そんな気持ちを勝手に察し「やっぱり袋に入れて下さい」とこちらから改めてお願いする。すると店主は爆発物でも扱うように、指先で本を掴み、ゆっくり丁寧に袋の中に本を差し入れてくれた。…分かりました、これからも同様に丁寧に扱い、破れをこれ以上広げないよう、保護に努めます…。
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さて、来週3/20(月)に発売になる、交通新聞社「散歩の達人」4月号の特集『東京ディープ観光入門』で、二月に本屋ルポ連載をまとめた著書「東京こだわりブックショップ地図」を上梓した屋敷直子さんと、古本屋や本屋や本について対談させていただきました。全3ページを、予告編的にパパッと分かり易く紹介すれば、お店や本に対する欲望や役割を話し合い、初対面なのに当然の如く意気投合してしまう、楽しく奇妙な時間が流れております。そしてこの対談で、私はもはや未来には目を向けずに、古いものや過去に向かってひたすら突き進んでいることを認識してしまいました…。こんな私をご指名いただき、感謝であります。『個性派書店の深みにハマる』を、どうぞお楽しみに。
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2017年03月12日

3/12第2回『本のフェス』をどうにか完走する。

本日は神楽坂での第2回「本のフェス」内「本の雑誌商店街」に参加するため、早朝から準備OK…と思っていたら、ピックアップしてくれる盛林堂号が、思いの外早く午前八時前に到着し、本を木箱からダバダバこぼしながら、泡を食って車に乗り込む羽目になる。同乗者は北原尚彦氏と善渡爾宗衛氏である。すると神楽坂へ向かう三十分弱の間、トップギアで古本について声高に話し合うことになり、早速貴重なエネルギーを無駄遣いしてしまう。ほどなくして神楽坂の裏町といった場所に建つ『日本出版クラブ会館』に到着し、重い木箱をエッチラオッチラ二階の一室に運び込み、売場を設営する。「本の雑誌」のみなさまや、荻原魚雷氏や「古書いろどり」(2015/12/12/参照)彩古氏や「ますく堂」さん(2014/07/20参照)や「古本と手製本」のヨンネさん等と挨拶を交わした後は、しばし会場内の売場を偵察。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)は壁の如き売場を築き上げ、古本長者としての地位を盤石なものにしている。さらに森英俊氏は、あまりに大量の本を搬入してしまったため、無人売場が二つに分かれる結果となってしまっている。…加減を知らぬ、恐るべき古本神たちよ!午前十時の開始とともに、その恐れ&畏れは現実のものとなり、ただただ神たちの古本だけが売れて行く時間が吹き荒れて行く…唯一それに対抗出来ているのは、自著である新刊文庫を先行販売している北原尚彦氏くらいのものか…。しかしそんな神たちの超ハイペースを見て見ぬフリすれば、自ずから選んだアウェイジャンル(アニメ&特撮中心)ではあったが、ボチボチっと売れてくれていて、途中からビールを飲みながらも長丁場の午後七時を迎えた時点で、なんとか計39冊を売り上げることとなったのである。…まずは形になって、よかった。お買い上げのみなさま、おかしなジャンルに懊悩し手を出せなかったみなさま、そして通りかかって下さったみなさまに感謝である。特に印象的なお客さんを挙げると、コミック「装甲騎兵ボトムズ」を買ってくれたうら若き女性、SF映画パンフ三冊を歓声を上げながら購入したフランス人、怪談本&ゾンビ本&怪奇まんがを悉く立ち読み読破し去って行った小学生女子、「ぬいぐるみとの暮らし方」を存分に吟味して買って行ったお嬢様、「古本屋写真集」が改めて売れたこと、そして寄せては返す波の如く本を手に取り戻し手に取り戻しを繰り返した挙げ句(ボヤき付き)購入してくれた彩古氏に拍手喝采を送りたい。また、最後の最後に金沢から参戦していた古本カフェ「あうん堂」さんと挨拶を交わし、まだお店に行けていないことを詫びつつ、いつかは必ずうかがうことを約束する。そんな楽しい一日であったが、もちろん古本を買うことを忘れてはいなかった。次第に売れる古本で得られる懐具合に合わせ、会場内の古本を少しずつ時間差で、購入してしまっていたのである。北原尚彦氏からは大日本雄辯會講談社「怪奇境探検記/小山荘一郎」(裸本)、「盛林堂書房」では学風書院「劇書ノート/古川緑波」、森英俊氏からは光風社「童貞先生青春記/宮下幻一郎」東京ジュニヤー協会「火事の百科 東京文庫1」を……たくさんの古本を売ってまたもや古本を買う…なんて清々しくも馬鹿らしい行為なんだ…あぁだが、俺はこのために、きっと生きているのだな。そんな感慨に耽りながら愚かな私は、来週日曜にも「みちくさ市」に参戦いたします。こちらは今回の変態的並びではなく、いつものほどよい文学&ミステリ&変な本に戻る予定なので、何とぞ引き続きよろしくお願いいたします。今宵はこれにて、おやすみなさい…。
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ちなみにこれは、ほぼ終了間近の私のブースである。本以外はほとんどが売れ残り、シャプレー星人も仮面ライダーも、無事に家に出戻ることになりました…。
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2017年03月11日

3/11明日の準備を進めたらやはりヘンテコなことになる。

朝から明日の「本のフェス」参戦の準備を進めるが、やればやるほどヘンテコになって行く…なんだか全然売れない気がして来た…いや、どうせ明日は神楽坂中が本まみれになるのだ。ならば変態的性格を持つ俺は、変態的に猛進して、構わないだろう…でも売れないのはなぁ…。などと思考の隘路に嵌ってしまった感があるので、息抜きに午後に外出し、今月末でお店を閉店してしまうという下北沢の「オムライス」(2013/09/19参照)を偵察に行くことにする。深過ぎる地下ホームからようやく南口に出て、ガード前の明るい陽光に目を細め、まずは肩ならしに裏路地の「ほん吉」(2008/06/01参照)へと向かう。店頭棚を熱心に見ていると、左斜め後ろでガゴガゴと不穏な音が響き渡る。うぉっ!店頭の木箱を停車しようとした乗用車が、バンパーの下に巻込んでいる。不注意だなぁ…すぐさま車から助手席の人が出て来て、木箱を下から引きずり出し、元の位置に戻す。そんな出来事に気を取られながらも、金剛社「逆進化/辻野勤」(前にも買ったことがある、ダーウィンの進化論を逆にたどる珍SF小説である)朝日ソノラマ「狼少年ケン」(ソノシートナシ。だがやはり、森やすじの狼は、身悶えするほど可愛過ぎるのだ…)を計300円で購入する。お店を出て、気になっていたので轢かれた木箱を確認すると、おぉっ!何ともない!その武骨なタフネスさに拍手喝采しながら、テクテク若者だらけの商店街を抜けて、街の端にある「オムライス」に到着。ドアには3/26閉店のお知らせが貼り出されてしまっている。
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中に入れば、そこはいつもと変わらぬ懐かしい玩具だらけの光景。基本的に膝下に集まる、古本・漫画・紙物を丁寧に繰って行く。先客が一人おり、古本棚の前に立ち尽くし、懸命にカードを選り分ける作業に没頭しているので、なかなか棚を見ることが出来ない。それでも左右から回り込んでのぞき込み、結局博文館「少年少女譚海 昭和十一年十一月號」(裏表紙トレ)学習研究社「中をのぞいたら」を閉店セール価格の計500円で購入する。これからまだまだ面白そうなモノが出てくる予感がするので、26日までにまたどうにか訪ねることを決意する。

家に戻ったら、フェス準備のラストスパート。本はいつもとは大幅に異なり、特撮アニメ関連&変な本と粋な本を揃えつつ、その他には本以外のブツを掻き集めてしまう。ファミコンカセット・仮面ライダーソフビ・シャプレー星人ソフビ・成田亨フィギュア・パンナムトランプ・柳原良平団扇・ジャングル大帝紙芝居・キャプテンスカーレット小旗・王貞治&森永コラボ下敷き・駅馬車カセット教材・とびだす絵本・堀内誠一カレンダー・etcetc……。本を見るのに疲れたら、どうか『本の雑誌商店街』の当ブースをお訪ね下さい!古本屋+古道具屋の様相で、お待ちしております!
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『本のフェス2017 本の雑誌商店街』
■日時:2017年3月12日(日)10時〜19時
■場所:日本出版クラブ会館
〒162-0828 東京都新宿区袋町6
http://www.shuppan-club.jp/
■主催:本のフェス実行委員会/読売新聞社
https://ja-jp.facebook.com/honnofes/
http://www.cpfine.com/honnofes.html
昨年、京都造形芸術大学外苑キャンパスで初開催した「本のフェス」ですが、今年もパワーアップして開催決定! 時は3月、場所は神楽坂に移し、街全体を本のイベントにする予定です。そして今回も会場の一室を「本の雑誌商店街」として、著者、古本屋さん、古本者さん、出版社などなど、本好きみんなが集まり、売りたい本を並べ、その場でコミニュケーションを取りながら販売いたします。
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2017年03月10日

3/10天金と粘菌!

色々あって夕暮れ時に、阿佐ヶ谷と荻窪の間に流れ着く。陽が落ちるとともに、月の光が輝きを増すのを見上げながら、家とは逆方向の荻窪方面に寄ってしまい、「ささま書店」(2008/08/23参照)に古本を求める。
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昼間とは打って変わった、強く冷たい風に嬲られながら、百均棚から二冊、三百均棚から一冊。朝日新聞社「やさしさを教えてほしい/谷川俊太郎」講談社「日本の作家60人 太鼓判!のお取り寄せ/小説現代編集部編」岡書院「南方随筆/南方熊楠」を計525円で購入する。

本日の驚きの収穫は「南方随筆」である。大正十五年刊のオリジナル版で、蔵書印アリ&函補修アリなのだが、天金は美しく輝き、口絵写真に南方と写る、大正八年高野山への粘菌採集同行者である、小畔四郎の献呈署名アリ。ちゃんと柳田國男の、巻末の中山四郎による『私の知っている南方熊楠氏』への『事實に反し居り候』チラシも挟まっている!嗚呼、こんな風に憧れの博覧強記の天才奇人・南方熊楠氏に、本を触媒として近付ける日が来るなんて!などと喜びつつ、さらに後の見返しを見ると、薄紙に覆われた古書店ラベルがあるのに気付く、ペリペリペリペリ懸命に丁寧に剥がしてみると、大岡山工大前(つまり今の東京工業大学前)にあった「娯楽堂書店」と判明する。…学校の前にあるのに“娯楽堂”とは、良い度胸をしている素晴らしき古書店である。ちょっと手持ちの本で調べても何も分からない…いったいいつ頃のお店で、どんな本を得意としていたのだろうか…。とまぁこんな風に、一冊の本で色々楽しませてくれる「ささま書店」よ、今日も本当にありがとうございます!
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剥がしている途中の写真。まるで火山灰の中からポンペイの壁画が現れたように、次第に古書店名がっ!
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2017年03月08日

3/8東京・御茶ノ水 エスパス・ビブリオ 第一回蔵出し古本市

早起きして地図作りを東小金井まで進める。作業の手を止め、身支度を整えて外出すると、午前十時半。総武線で水道橋に向かい、そのまま久しぶりの神保町パトロールに突入する。初っ端の「丸沼書店」(2009/12/17参照)で中公文庫「ダンディズム/生田耕作」国書刊行会「ク・リトル・リトル神話集H.P.ラヴクラフト他」を計500円で購入し、先陣を切る。そこからしばらく南に下った、いつでも店頭を楽しみにしている「日本書房」(2011/08/24参照)では、中央柔々和本タワーの間から、郷土研究社「爐辺叢書 越後三條南郷談/外山暦郎」を抜き出して500円で購入する。大正十五年刊、文庫サイズ167ページの民俗学調査的聞取り話集である。地名や方言や民話や農事などの項目もあるが、『化物のこと』『怪火』『天狗』『河童』『動物』『神』『變つた人々』などの妖怪や怪談奇談関連についても採集されている。自身の体験談や近しい人の聞取りが多く、主に明治〜大正と刊行時に近接した生々しい話が多い。特に『怪火』には、いわゆる火の玉以上の大きさや活動をする、UFO的な目撃体験談が多く含まれ、興味深い。よし、良いものが手に入ったぞ!と小さく喜びながら、「神田書房」(2012/02/16参照)では福武文庫「香港読本/山口文憲編」ちくま文庫「尾崎翠集成(上)/中野翠編」を計200円で購入する。だがその後は、「山本書店」(2012/04/25参照)にてハヤカワ文庫「幻想と怪奇 ポオ蒐集家/仁賀克雄編」を100円で購入するに留まる。残念ながらつい先頃閉店してしまった絵本のお店「BOOK HOUSE」が撤収中なのと、二階の「北沢書店」(2014/05/26参照)が必死に営業中であることをアピールしている巨大な貼紙を目撃する(だってお店への入口階段が、閉店した店内一階にあるんだもんな)。

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パトロールを終えて、駿河台崖下の『猿楽通』を北上している。途中脇道に入って『男坂』の石段を懸命に上がると、そこは『とちの木通』である。石段東南脇ビルの、地下にあるブックカフェ「エスパス・ビブリオ」への階段前に立つ。今日から3/17(金)まで、改装のための古本市が開かれているのである。このカフェに架蔵されているのは、主にアート・デザイン・建築・映画・写真集などであるが、果たしてどんな本が蔵出しされているのだろうか…。豪奢な階段を下り、ガラス張りの店内に滑り込むと、カフェは女性客で満杯である。もちろんそちらには目もくれずに、左の市が開かれている純白のギャラリースペースに足を向ける。右の壁際に長テーブルが二つ付けられ、100円の本が背を上にして置かれている。中央には大きなテーブルがあり、そこにも背を上にして、ぐるりと本の列が一周している、左にはセレクトされたバーゲン本アートブックが、500円と1000円の値で並んでいる。当然の如く100円のワンコイン本に己の耳目を集めてしまう。…なんだかわりと家庭的な古本市である。読み古された本や読み終えた本が多く、持ち寄った人の趣味嗜好がダイレクトに透かし見えているのだ。食や美術や旅行にカルチャー&美術雑誌、それに小さな展覧会の図録類も多い。クルクル回って三冊選び、レジで精算しようとするとそこには誰もいない。そのまま左奥の戦場のような厨房カウンターに声を掛け、忙しい中精算していただく。青土社「現代アメリカ映画談義/黒沢清+蓮實重彦」夏葉社「冬の本」新人物往来社「衝撃の絵師 月岡芳年」を計300円で購入する。帰りは『とちの木通』を北西に進み、『アテネフランセ』前を通過して、水道橋駅近辺のパノラマが楽しめる坂の上に脱出。さて、さっさと帰って机の前に座り、眼下の鉄路をさらに西へ向かうとするか…。
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2017年03月07日

3/7地図、地図、地図、古本屋地図!

今日は昨日と打って変わって家に閉じこもり、ひたすら岡崎武志氏との共著「中央線古本屋地図(仮)」の、大事な古本屋地図作成に勤しみまくる。早朝から紙とモニターを行き来して、様々な時代に潜り込み、ひとつの平面にお店をコレクションして行く…それがすべて古本屋ばかりなのである。それにしてもこのお店の数…中央線はやはり偉大で豊穣で過剰である…。…楽しい…細かい…ツライ…前代未聞なものを作ってる感じが…だが頭がどうにかなりそうだ…。どうにか高円寺まで終えたところで一休みし、息抜きに日曜に参戦する「本のフェス」の準備に軽く取りかかってみる。今回参加店はプロが多いので、ちゃんとした古本はそちらに任せ、思いっきり逸脱する感じで各部屋から色々集めてみる……ぬぅ、分かってはいたが、何だか大変なことになってしまった。もうちょっと精査吟味が必要なのか。まぁ、まだ少し時間はあるんだ。ゆるやかに楽しく準備して行こう。というわけで、詳しい異常なラインナップは前日の土曜にでもお知らせいたします。さて、もうちょっと、頭の中の中央線に乗って、西を目指して行くとするか。
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2017年03月06日

3/6中央線の古本屋店頭を巡りながら「古本センター」の変化に気付く。

昼過ぎから中央線を駆使して、「中央線古本屋地図(仮)」の取材に勤しむ。中野駅からスタートして、気になるお店の店頭100均棚で、気になる本を集めて行こうという、たわいもない息抜き的企画ページである。しかしさすがは中央線の古本屋さんたち!結果はなかなか豊穣なものとなったので、この小さな旅の様子は、どうか鋭意制作中の本誌でお確かめいただければ。

そんな風に100均本ばかり買っていたのだが、時々はテーマから外れた、それ以上の値の本も、我慢出来ずにやはり買ってしまっていたのである…。荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)では315円棚から函ナシの中央公論社「有頂天/内田百閨vを。見返しには『貸本 文泉堂 大湊書店』(青森のお店だろうか…)とあるが、革背も天金もちゃんと残っており、それほど酷い状態ではない。西荻窪「音羽館」(2009/06/04参照)では潮出版社「宝石を見詰める女/稲垣足穂」(月報付き)を300円で。吉祥寺の「よみた屋」(2014/08/29参照)では、『俗天使』刊行委員会「俗天使/持丸良雄」を300円で購入。偕成社のレア少年探偵小説「夜行虫の謎」を書いた作者による、童話風青春小説。東都書房から出ていた単行本を、2008年に復刻したものである。三鷹の「水中書店」(2014/01/18参照)では、津軽書房「秋田雨雀紀行 1905〜1908/工藤正廣」を600円で購入。そして最後に八王子の「佐藤書房」(2009/08/26参照)では、角川文庫「樽/クロフツ 田村隆一訳」を150円で購入する。三浦朱門が訳していたのは知っていたが、田村隆一も訳していたとは不覚にも知らなかった…。
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そんな慌ただしい取材の途中で、ふと吸い込まれた吉祥寺の「古本センター」(2013/07/01参照)では、驚きの光景に出くわす。以前は忙しない狭いバス通りから、ビルの通路に入り込んで行くと、左にプレミア本ガラスケースがあり、その前に図録やビジュアル誌のラックが置かれ、右階段脇には100均棚が置かれ、さらに中に入り込むと帳場横から店内へ、という構造であった。ところが今日訪れてみると、ガラスケースが奥へ引っ込み、見たこともない小部屋的スペースが出現していたのである。恐らく帳場裏のバックヤードを改造し、売場として解放したのだろう。壁際は左奥がガラスケースとなっており、他は料理やファッションや自然・趣味などの大判本が収まる本棚となっている。ガラスケースの膝元には浅い古書平台があり、正面にはグラビア誌などが積み上がる山が形成されている。ガラスケース横にはカーテンが貼られ、空いた隙間からチラリと帳場の様子が垣間見えたりしている。突然起こった、ちょっとした変化であるが、何だか今までまるで気付かなかった秘密の小部屋に迷い込んだようで、そんなシチュエーションに古本心と探偵心が、やたらとトキメキを覚えてしまう。
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2017年03月04日

3/4帯付きの浅原六朗に巡り会ってしまう。

色々こなして、本日流れ着いたのは中野駅。人間が川のように流れる土曜日の駅頭とアーケード商店街を突破し、自ら積極的に『中野ブロードウェイ』に迷い込む。と言っても目指すのは、当然の如く四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)である。長いエスカレーターで一気に三階まで上がり、たくさんの外国人と擦れ違いながら、階段で四階へ上がると、次第に喧噪は遠ざかって行く。通路の100均棚を見て、北側の探偵小説ゾーンに目を凝らし、奥の壁棚の少年少女小説群に目を血走らせる。…良い物はあるが、懐と折り合いがなかなかつかない。あぁ、あの時の「ジゴマ」(2016/09/07参照)見たいな意外なものが、驚きの安値で見つからないだろうか…。だが世の中と「まんだらけ」はそんなに甘くなく、何も手にすることなくお気に入りのゾーンを見終わってしまう。仕方ない、垂涎恋い焦がれ古本群がディスプレイされた、ガラスケースでも虚しく眺めて行くか…。うふん、やっぱり欲しい本と読みたい本と見たことのない本がいっぱいだ!とたちまち虜になり、熱っぽく病的に目が輝いてしまう。いやぁ、だけど値段がほとんど五桁…宝物の域に突入しているな………んん?キレイな儚い帯付きの春陽堂文庫が…ぎゃお!浅原六朗の「モダンマダム行状記」じゃないか!他の文庫の巻末目録でその存在は知っていたが、俺は初めて見たぞ!値段は…三千円かっ!長年探し求めていた文庫と、今ガラス一枚を隔てて邂逅しているこの興奮!よし、買うぞ!ガラスケースを開けてもらおう!と意気込み、対岸のレジのお姉さんの接客が終わるのを待ち、声をかけてケースを開けてもらう。そのままレジに移動して、即購入してしまう。ついに、この手に入ったか!と喜び、通路で袋から取り出して記念撮影。日本小説文庫&春陽堂文庫は探偵小説でその筋の好事家に人気だが、実は今は読めない昭和初期の大衆風俗小説がだいぶ含まれている。探偵小説は当然の如く高値だが、大衆風俗小説はほどほどに安値なのが嬉しいところ。新興藝術派が書く大衆小説。果たしてあの文章の鉱物的な煌めきは、残されているのか…早く読まなければ!
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などと興奮していると、「まんだらけ」辻中氏に発見されてしまい、慌てて挨拶を交わす。その後は二階に下りて「古書うつつ」の通路ミニ100均棚に集中する。ここはマメに見ていると、面白い本がよく見つかるのだ。今日は河出書房新社「シンポジウム 発言/山川方夫・武満徹・羽仁進・谷川俊太郎・浅利慶太・石原慎太郎・大江健三郎・江藤淳・etc...」と国立劇場上演資料集68「東海道四谷怪談/国立劇場芸能調査室編」を発見し、計200円で購入する。この「東海道四谷怪談」は上演年表・解説・研究・型と演出・芸談・参考文献で構成されているのだが、明治や大正期の上演を中心にまとめられているのが面白い、俳優の怪談演技論から、戸板返しなどを含む舞台美術までが、縦横無尽に語られている。
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2017年03月03日

3/3古本で誕生日を祝される

午前七時に目が覚めてからずっと、鋭意制作進行中の「中央線古本屋地図(仮)」の住所リスト作りに専心する。十冊ほどの古本屋地図や古書店案内に、取っ替え引っ替え首っ引きになり、過去から現在までの古本屋を、紙の上と脳内とモニタ−内で必死に行き来し、夕方前に完成した時は、息も絶え絶えに疲れ果てる…。気晴らしに、家でまだまだのさばっている古本の一部を携えて西荻窪へ。一週間前にたっぷりとお世話になった「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に赴き、「フォニャルフ」にバタバタ補充する。そして帳場で恥ずかしながら、本日が誕生日であることを祝されてしまう。店主・小野氏はマメにプレゼントを用意しており、何とそれは三冊の古本だと言う。上中下のどれかから選択せよ!という妙なお題を与えられたので、真ん中を選択。すると何故か天の邪鬼にも、選んだ“中”ではない、上下二冊の本を渡してくれた。いや、でも、嬉しい!いただいた古本は秘するが(ダブり本の状態の悪い方とのことである)、心の底から読みたかったものである。それにしても、古本屋からタダで古本をせしめるとは、私もいっぱしの古本ゴロになったものだ…いや、とてつもなく引っ込み思案な古本ゴロであるが…。古本話と仕事の打ち合わせをしながら、先月の「フォニャルフ」の売り上げと古本市余り本の買取金を受け取る。途端に気が大きくなってしまったので、古本プレゼントもいただいたことだし、ちょっと大きな買物でもたまにはして行こうかと、棚の前で目を爛々と輝かせてしまう。國枝史郎の「怪談」か「隠亡堀」か、それとも憧れの博文館文庫の翻訳探偵物にするか…ど・れ・に・し・よ・う・か・な…としばし乙女の如く迷い、結局博文館文庫(66)「青い甲蟲/オースチン・フリーマン」を8000円で購入する。昭和十四年刊の妹尾韶夫譯のソーンダイク博士物短篇集である。すると小野氏が「こういう良い本買うんだったら、ちゃんと部屋に本棚入れないとダメだよ」と、釘をグサリと深く刺してきた…あぁ、色んな人に、部屋に本棚を入れろ入れろと言われてしまう…お母さんに「勉強しなさい!」って言われてるみたいだ…。分かりました。まずはこれを読んでから、ゆっくりじっくり考えます!
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帰りの阿佐ヶ谷では「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)に立ち寄り、五月書房「熊襲部落/松浦沢治」(函ナシ)福武文庫「上海読本/村松友視選」講談社「随筆人生相談/藤澤桓夫」を計721円で購入しながら、先日の古本市の話をひとしきり。…とこのようにして、また次第に古本が増えて行くのである…恐ろしや恐ろしや…。
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2017年03月02日

3/2長崎の息の長い老舗を知る。

日中傘を持っていなかったので、雨に降られたりと悲しい目に遭いながら、午後六時の祐天寺。まだ雨はちょぼちょぼと降り続けているのだが、もはや濡れることも厭わず、駅東側の「北上書房」(2009/02/21参照)で古本休息をとることにする。店頭は完全防備の雨仕様だが、店内に入れば、通路狭めで古書多めのいつもの空間。棚上段〜中段と、その前に大量に横積みになった本を、時に頭を横にして背文字を見ながら、ゆるりと通路を一周。店主は真剣な表情と漲る気合いを発し、古書の値付に勤しんでいる。いつもはほとんど見向きもしない歴史棚から一冊、さらに右側通路のエンタメ文庫棚から一冊抜き取り、精算をお願いする。宮本書店「長崎の史蹟と名勝 雲仙及其附近/仁尾環」ケイブンシャ「うわさの恐怖体験大百科」を計750円で購入する。表に出ると、商店街の先の高架を、東横線がンガァ〜と走り抜けて行く。明かりを灯す古本屋の店頭と相まり、詩情豊かな一瞬が目の前に出現。
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「長崎の史蹟と名勝」は昭和七年刊の、地元の本屋さんが出版した、写真豊富な史蹟名勝観光ガイドである。その本文も充分魅力的なのだが、それより素晴らしいのは本文の合間に、計28ページの地元企業や店舗の広告が挟まれていることである。旅館・ホテル・文房具屋・食料品店・からすみ・洋傘・自動車屋・写真機&活動写真機屋・運動具&玉突臺屋…あっ!大好きなカステラの『福砂屋』もあるじゃないか!むむっ、高級食堂長崎名物『カフェー クロネコ』なんてのもあるが、銀座の『クロネコ』とは似ても似つかぬしょぼい店舗で、盆踊りみたいな飾り付けが悲哀を誘う。看板に目を凝らすと可愛いクロネコの絵が見えるのもご愛嬌。
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おぉ!そして古本屋さんの広告もあるじゃないか。『遠近にかかわらず参上』の「長崎書店」と『書店と良友とは近づくほど益多し』の「大正堂書店」である。長崎書店は今昔古本と新古雑誌や美術紙物を扱い、大正堂書店は古典稀書・各種資料とある。…この書店たち、いつまであったのだろうか?と手持ちの古本屋地図などで調べてみると、昭和五十三年の時点で長崎書店はすでに見当たらないが、ぬぉっ!大正堂書店はある!さらに時代を新しくして、1981年版や21世紀版で探してみると、ちゃんと載ってる!スゴい!創業が明治四十三年とあるのもスゴい!さらに最新の「古本屋名簿」にあたってみると…の、載ってる…さらにネットで調べてみると、げ、現役バリバリで営業中だ…すげぇ老舗だったんだ。今から八十五年前の広告には、『弊店は創業以来誠實を以て、今日の榮を得感謝に絶へません』『尚一層讀書界に盡す事を只管念願する次第であります』と、熱い言葉が掲載されている。長い年月を貫き、その純な心意気が、ビシバシと伝わって来るではないか!いつの日か長崎のこのお店に、この広告をそっと懐中に忍ばせて、訪れてみたいものである。
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2017年03月01日

3/1手応えある空振りをして草分けデザイナーのモダンさに触れる。

先日の取材対談時に手に入れた情報を基にして、初めて東急池上線の大崎広小路駅で下車する。するとそこは広小路どころが、巨大な『山手通』に高層マンションの壁が連なる、巨人の世界である。裏通りにふいと入り込み、次第に住宅街となる道を歩いて、目的のお店を探すが、これがなかなか見つからない…おかしいな。『峰原坂』を下って再び駅前に戻り、もう一度周囲を精査して行く。すると、とある緑の日除けを持つ電機作業店の閉ざされたガラス戸の向こうに、古本が並んでいるのを発見する。おぉ、本当だ!町の作業場に古本が並んでいる!だがこれは、どうも閉じている状態らしい。場内天井を透かし見ると、電気は点いているのだが、扉がぴったりと閉ざされ人の気配も皆無なのである…本来はガラス戸が全開となり、古本棚に直接手を伸ばせるようになっているのだろう。仕方なく今日は諦めるが、シチュエーションが素敵過ぎる古本販売を発見出来たことに、満足を得る。要再訪。…よし、せっかくだから武蔵小山の愛しの古本屋さん「九曜書房」(2009/03/26参照)を徒歩で目指すとするか。そのまま坂をグイグイ上がり高台を西北に向かって突き進んで行く。横に流れ落ちる道の先には、下の町が見え、視線のちょっと上には中空のマンション群。そしてさらにその上には、天空とも言うべき異様な高さを誇る超高層マンション群が、現実離れした存在感でそびえ立っている。まるでアニメの未来都市のような立体感が、人間のスケールをゼロに近付けてしまっているみたいだ。蟻になった気分で歩き続け、アーチの角度が立派な『谷山橋』で、遥か下になった池上線線路を越える。これも大きな『第二京浜』と『中原街道』を越えたところで、ようやく住宅と商店街と小工場が入り交じる、人間の世界となる。ちょっと下町の迷宮に迷いつつ、どうにか「九曜書房」に到着。店内500均棚に熱い視線を注ぐとともに、今日は左側通路通路棚のプレミア文学本を集中的に漁り、大いに楽しんでしまう。青木書店「鬼遊び/かこさとし・永田栄一」文藝春秋「四十歳のオブローモフ/後藤明生」天人社「小市民街/北村小松」を計4000円で購入する。

本日一番の獲物は3000円の「小市民街」。昭和五年刊のオリジナルで、北村小松初の小説集である。主に活動写真界を舞台にした小説を多く収録。巻末の広告には、デイクソン・カー「夜歩く(怪奇密封版)」の広告(「〜物語の最後の部分を封して提供する。それまでに謎が解けたら、封を切らずに本社にお戻しあれ。代金返却を確約する。」とあるが、犯人が間違ってたらどうなるんだろうか?代金じゃなくて本が戻って来るとか?あ、犯人が当たってるかどうかは、別に問題じゃないのか。でも、犯人を知りたいのは、人情だよなぁ…)もあり。しかし何より素晴らしいのは、この装幀である。瀟酒でグラフィカルな四点のイラストを配し、かなり高度なクオリティを誇っているのだ。右下の手首のイラスト部分には『KOH』のサイン。気になって目次裏の装幀者の名を確認すると『河野孝』とある…知らないな…いや、でも、なんか知ってる…河野孝…河野タカシ…コウノタカシ…河野鷹思…あっ!河野鷹思の本名か!思えば北村も河野も松竹の人間である。そのよしみで、装幀を依頼したのだろうか。うひゃぁ、とにかくこれは、とても嬉しいぞ!
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早速店頭で袋から取り出して記念撮影してしまう。
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2017年02月28日

2/28三月四月も色々あります。

夕方にちょっと『五日市街道』の西荻窪に通りかかると、あっ!2016/08/06に店頭しか見られなかった古道具屋「CENTURY HOUSE」が、堂々開いているではないか。しかしお店の入口では、常連さんらしき男性と、初めて見るリサイクル的に砕けた植草甚一風店主が、熱心に話し込んでしまっている…ぐむぅ…お店の中も見てみたいのだが…。取りあえず店頭古本棚を熱心に眺めつつ、チャンスをうかがう。だが話が終わる気配はまったくない。仕方なく100円の創元選書「宿命/萩原朔太郎」を手にして、二人に近付く。すると会話が止まり、店主が手にした本に視線を移し「100円ね」と言われる。百円玉を渡しつつ、ここは思いっきり正攻法で「お店の中、見せてもらってもいいですか?」と聞いてみる。店主が移動して入口を開けながら「いいよいいよ」。ついでに「中にも本はありますか?」とさらに聞いてみると、何故か店主ではなく常連さんの方が「中にはないない」と答える。だがせっかくなので、入れてもらう。通路が二本の店内で、ケースや棚に様々な物品が詰め込まれている、まさに古道具屋的光景。棚だけ見ると、外からの印象と違い、わりとてが入っている感じ。だが!この通路に積み上がる古着の洪水はなんなんだ!入口から一メートル入ったら、もう進むことは出来ない。ちょうど通路の交差点を中心にして、古着が行く手を阻んでしまっている…とても踏み越えて行くわけにはいかないので、諦めて踵を返し、再び入口に立ちはだかっている店主の背に「ありがとうございました」と声をかける。振り返る店主。「中、入れないじゃないですか」と笑いながら言うと「そう。入れないんだよなぁ〜」と当然の如く返して来た。常連さんも、それを聞いてニヤついている。店頭前から、歩行者信号が青になった横断歩道を渡る途中で振り返ると、あ!店主が店の中に戻り、古着の山を踏み付けて奥に入って行くところ…あぁ、何かネジが緩んだような、おかしな夕暮れのひと時である。
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さて、三月四月も様々なイベントに参戦しますのでお知らせいたします。
1. 『本のフェス2017 本の雑誌商店街』
■日時:2017年3月12日(日)10時〜19時
■場所:日本出版クラブ会館
〒162-0828 東京都新宿区袋町6
http://www.shuppan-club.jp/
■主催:本のフェス実行委員会/読売新聞社
https://ja-jp.facebook.com/honnofes/
http://www.cpfine.com/honnofes.html
昨年、京都造形芸術大学外苑キャンパスで初開催した「本のフェス」ですが、今年もパワーアップして開催決定! 時は3月、場所は神楽坂に移し、街全体を本のイベントにする予定です。そして今回も会場の一室を「本の雑誌商店街」として、著者、古本屋さん、古本者さん、出版社などなど、本好きみんなが集まり、売りたい本を並べ、その場でコミニュケーションを取りながら販売いたします。

というわけで、著者&古本者として参戦いたしますが、古本+古本屋や古道具屋や骨董市で買ってしまった、買ったはいいが持て余し気味のおかしな物たちを持って行こうと考え中。ついついメーターを振り切り過ぎて、もしかしたらひとつも売れないかもしれません。そんなおかしなお店で、みなさまのお越しをまたもやお待ちしております。

2. 『鬼子母神通り みちくさ市』
■日時:2017年3月19日(日)11時〜16時
■場所:雑司が谷・鬼子母神通り
東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
東京メトロ副都心線・雑司が谷駅1番出口または3番出口すぐ
■お問合わせ
michikusaichi●gmail.com(●をアットマークに変えて送信してください)
みちくさ市本部 携帯電話:090−8720−4241
http://kmstreet.exblog.jp/

こちらはどうにか、やはり古本だけで参戦するつもりであります。私の蔵書は、二月の大放出古本市ですっかり枯渇してしまっているのか?それともまだまだ古本鉱脈は有望なのか?どうかその目で確かめに来ていただければ!

3.「ある怪書好き会社員の軌跡」 トークイベントvol.1
■『怪書探訪』著者 古書山たかしさん、古本屋ツアーインジャパンの小山力也さん、盛林堂書房店主 小野純一さんによるトークイベントを開催!
http://www.kosho.ne.jp/news/news_info170213.html
■日時:2017年4月7日(金)開場18:00 開始18:30〜20:00
■場所:東京古書会館 7階会議室
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3丁目 東京古書会館
■入場料1000円(現金のみ) 事前申込 先着100名様
■3月6日(月) 午前10時 予約開始! http://www.kosho.ne.jp/event/2017/s/page2.html

あの天下の奇書「醗酵人間」が欲しいあまり、コピーをを手作り製本してしまった伝説の男が語る古本愛!…まぁ恐らく私は、古書山氏と小野氏の濃厚な話には、何光年も置いてけぼりを食らうと思うので、暴走する二人を御する司会的役目に徹する覚悟で臨みます。楽しそうだけど、疲れそうだなぁ…また、帯の話とか、カバー異装版の話とか、ず〜っとするのかなぁ…。何はともあれこちらもひとつよろしくお願いいたします!
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2017年02月27日

2/27 2DAYS

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一昨日は、一日目を終えたらすぐ家に帰り、ひたすら補充分の古本の堀り出しと値付作業に没頭する。何人ものお客さんに「明日は補充するんですか?」「どのくらい補充するんですか?」「全部入れ替えるんですか?」などと聞かれ、二日間開催という重圧を改めて感じてしまったので、その期待に応えるためにも、どうにかして本の量を増やすとともに新味を醸し出さなければいけない!と悲愴な覚悟を決めつつ、作業は深夜二時までにおよぶ。結局出来上がったのは大小十五本ほどの、ありったけの精鋭部隊(図録多め)であった。…これだけか…情けない…。布団の中にのめり込んで泥のように就寝し、二日目の朝に「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏に本と身体をピックアップしてもらう。相変わらず二月の冷え込みををシンシンと感じる西荻窪『銀盛会館』内で、独り補充分を棚につぎ込んで行く。気まぐれに新保博久教授が作った両サイドの『怪奇本コーナー』(こちらはわりと女性に売れて行ったので驚きました)『虫本コーナー』(香山滋の「悪魔の教科書」には『人間うじ』が載っているということで一員に)はそのまま維持し、午前十時半には設営完了。昨日同様館内の掃き掃除をし、今日はさすがに人は少なさそうだな…とボンヤリ考える。ところがそんな意に反して。十分前にはシャッター前に、あの頼もしい古本修羅&古本神が大集合してくれていたのだ!おぉ、みんな!みんなっ!と大きな感銘を受けてしまう。と同時に、彼らの古本を求める期待に応えられる棚を創り得たのか、まるで死刑執行を待つ絶望的気分にも陥ってしまう。シャッターがンガランガラ上がって行く途中で(上がりきったら入場可能になるシステム)、「本日二日目です。よろしくお願いします」と挨拶をすると、何故か暖かな拍手がバラバラと巻き起こった。私がなし得た、何かへの礼賛の拍手なのであろう。その奇妙な暖かさにここでも不覚にも、ちょっと感動してしまう(ちなみに拍手をしているのは、すべて見事なまでのオッサンなのである)。しかしその後はそんな感動を吹き飛ばす、昨日見た光景であるはずの、左奥での古本奪取戦闘シーン!…あぁ、でもこれでいいんだ。みんなが求める本を、どうにか再び並べることが出来たのだ。ホッと胸を撫で下ろし、死刑台からすっかり遠退き安堵する。その嵐が一時間ほどで過ぎ去ると、さすがに昨日とは違ったのんびりした時間が流れて行く。昨日今日での商店街の人の流れの違いもあるのだが、それでも通りすがりの人も陽気のせいかフラリと迷い込み、100・300・500均もそれなりに売れて行く。午後四時からは『500円以下100円タイムセール』も敢行し、最後にもうひと盛り上がり。ちょうど午後六時に流れが絶えたのを見計らい、冷たい夜気を断ち切るようにシャッターを下ろしてイベントを終える。ど、どうにかこうにか走り終えた…駆け抜けられた…。本当にみなみなさま、ありがとうございました!全国から集めて来た良書&駄書をお買い上げのみなさま、大事にしていた掘出し物を継承していただいたみなさま、何も買わずとも足を踏み入れてくれたみなさますべてに、心の底から感謝いたします。この二日間は、曲がりなりにも自分の夢である古本屋と言う店舗を持ったことになるのだが、そんな実感はさらさら皆無で、ただただ商品としての古本を掘り出し値付けすることと、それらをグルグル結束すること、会場に運び込むこと、並べること…これらだけで手一杯になってしまった感がある。本当はもっとしっかり本を吟味準備し、クリーニングにも手を施し、見せる棚造りもするべきだったのだが、時間がやはり圧倒的に足りなかったのだ。だからその時間の無さと手間の大変さから、当初は一回目に運び出した分プラス、キモの本をうまくディスプレイして、それっぽい会場にしようと、軽く考えていたのである。だが、今回のイベントの後援である盛林堂・小野氏から、常に「準備してる?」「これじゃあ本が足りない」「催事は甘くないよ」「思ったほど売れないよ」「もっとボリュームを」「この倍」「後二十本」「二日間とも補充しないと」「予備の本は?」「後何本作るの?」などとお尻をバンバン叩かれ続けた結果、あのそれなりの会場になったわけである。最初は「本職じゃないんだから」などと不遜に思い、そこら辺を巧く誤摩化そうとしていたのである。だが結果としては、誤摩化さないで良かったと、スパルタ的古本屋教育を施してくれた小野氏には、盛大に感謝している。何たってちゃんと売れた。会場内に人が長く足を留めてくれた。会場がちゃんと混み合った。そんな事柄がうまく重なり、二日間で計830冊を売る結果となったわけである。こうなると、もしかしたら頑張れば、これで食べていけるのではないか…などと愚かにも考えてしまうのだが、まぁそんな甘いものでないことは分かりきっている。だが、甘い夢を見ることは、とても楽しく幸福なのである。

市終了後は、フルスピードで撤収作業に入る。本を縛りやすい大きさに積み重ねて集め、縛って行く。同時に空きスペースを広げて行き、什器を片付けて行く。売れ残った本は、ほんの一部を除き、すべて買い取ってもらうことにしている。そんな風にして精算作業も含めすべてが終了したのは、午後八時前。二日間お世話になった会場に別れを告げ、駅近くで盛林堂夫妻とささやかに打ち上げる。

さて、それではこの古本市を開催した結果、肝心要の我が家は、『人間としての住居』を取り戻せたのであろうか?今回およそ二千冊余りの本を運び出したことで判明したのは、我が家の蔵書量である。消えた本は目算で、およそ四分の一くらいであろうか。つまり元は八千冊ほどで、現在はそれが六千冊くらいになったのではないだろうか。だが、これでは残念ながら、それほどの変化は起こらない。古本山は小さくなったり低くなったりしたが、山は山として厳然と存在しているのだ。取りあえずは小さくなった山を合体させて、少しは生活スペースをを奪還するようにしたいものである。…人としての住居が戻る日は、まだまだ遥か遠いようだ…。
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これは居間の西南角にある山。高度が下がりだいぶ安定性が増した。
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こちらは居間北東の山。扉の開け閉めがしやすくなった。
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キッチン隅の山。高度が下がり、圧迫感が消滅。
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仕事場の山1。「古本屋ツアー・イン・ジャパン それから」を見ていただければ分かると思うが、手前の文庫の壁が激減した。その後に隠れていた本体も少し低くなり、部屋の見通しが良くなった。だが、なんだがガタガタに採掘した採石山のような不格好さが悲哀を誘う。
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仕事場の山2。乱掘により、ガタガタのヒドい状況に。だが大きさにそれほど変化はないのが不思議である。まぁちゃんと整理すれば、それなりに縮小するのだろうと考えている。

とこんな風に本が減ったのに、朝一番で「ささま書店」(2008/08/23参照)に向かい気持ちよく買物してしまう。桃源社「極楽とんび(上)(下)/宮本幹也」(ともに帯付き)新潮社「ぬいぐるみさんとの暮らし方/グレン・ネイプ 新井素子・土屋裕共訳」K&Kプレス「光は新宿より/尾津豊子」となかなかの本たちと出会い、興奮。他に青林堂「「無能の人」のススメ/竹中直人責任編集」を手にして計525円で購入する。
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2017年02月25日

2/25 1DAYS

本当に、誰も来ないかとシャッターが開くまで、心は落ち着かず常にヒヤヒヤしていたのだが、午前十一時の開場とともに、素晴らしき古本修羅(いつものように古本神含む)がドドドと雪崩れ込み、古本が乱れ飛ぶ天国のような光景が目の前に見事に広がり、歓喜するとともにホッと胸を撫で下ろす。
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無事に旅立ち、収まるところに収まってくれた、全国から集めて来た古本たち。新しいお家で幸せになるんだよと、そっと心中でむせび泣く。本日会場にお越しのみなさま、切に大感謝いたします。だがしかし!今回の古本市は2DAYSなのである。無事にどうにか午後六時まで駆け抜けた後は、さっさと家に舞い戻り、補充分を準備して値付けする作業に没頭する。
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疲労も蓄積し、何度もアタックした自宅内の古本山から補充本を掘り出すのは困難を極めるが、明日のために、明日来られる古本修羅のために、良い古本をちゃんと準備しなければいけないのだ!そう自分に厳しく言い聞かせ、手を動かし続ける…というわけで、明日も西荻窪で手ぐすね引いてお待ちしております。そして明日は、二日間の感謝を込めて、市終了二時間前の午後四時から、500円以下の本をすべて100均とし、タイムサービスセールを敢行いたします!もうとにかく、人間としての住居空間を取り戻すために、最後の最後まであがく所存です。それにしても、もはや眠い…果たして無事に値付けを終えることが出来るのだろうか…催事ってものすごく大変だ…古本屋さんって大変な仕事だ…と言うわけでみなさま、明日も西荻窪にて、古本笑顔でお会いいたしましょう!

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582
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2/24準備完了っ!

今日は朝早くから「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏の手を煩わし、第二弾の古本市用の本を二十本強運び出し、後はひたすら『銀盛会館』に缶詰になり、命を懸けて誠心誠意値付けする。だがその前にちょっと開店直後の盛林堂に立ち寄ると、最近まったく目を離すことが出来ない、本棚探偵の「ひとたな文庫」に、新たな補充が為されている。『本棚探偵シリーズ』の挿画原画がしれっと並んでいるのに度肝抜かれるが、一番心を鷲掴みにされたのは、常に恋い焦がれている九鬼紫郎のグルメ探偵・白井青児シリーズの一冊「魔女を探せ」がラインナップされていたこと!裸本だが構うもんか!すぐさま手に取り値段を確認すると、破格の二千円!喜んで今回も本棚探偵に膝を屈し、本日の盛林堂の一番客となって購入する。
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その後はちゃんと会館に閉じこもり、およそ八時間を底冷えするガレージで震えながら、値付けに大真面目に従事する。すっかり夜になって、艱難辛苦してすべてを終えたところに、お店の営業を終えた盛林堂夫妻が姿を現し、すぐさま会場の設営に取りかかる。その結果、こんな風な立派な光景となりました。
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本は雑本的ではありますが、100均・300均・500均を大量に取り揃え、探偵小説・文学散歩・建築・写真を中心に、わりと強固な本も安値でディスプレイしております。なので、なのでみなさま、明日明後日はどうか西荻窪の、たったひとりの古本市を冷やかしに来て下さい!よぅし、こうなったら明日、目玉商品として稲垣足穂の手紙も持ってくぞ!ではではみなさま、明日お会い出来るのを、心の底から楽しみにしております!

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582
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2017年02月23日

2/23古本市2DAYSの準備はスパルタ式!

一週間前と同じく、国立で野暮用をこなすと、やっぱり陽の落ちた駅南口。当然の如く、ビルのエントランス通路を店舗としている「みちくさ書店」(2009/05/06参照)の明かりに吸い寄せられる。
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入口から奥までの壁棚を見た後に、地下一階の店舗にさらに吸い込まれる…相変わらず堅固な棚造りだ…。真ん中棚の上に500均の「古通豆本」が集まっているのを見付け、ちゃんと袋付きの日本古書通信社「明治の貸本屋/沓掛伊佐吉」を購入する。そしてユラユラと阿佐ヶ谷に戻り、「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)の店頭棚に目を凝らす。補充に出て来た若奥さまと挨拶を交わした後、入口右横の棚でコミックやソフト本に挟まれた、肩身の狭そうな古いハードカバーの裸本に目が留まる。引き出すと、アニメーションの専門書であった。ずっしりとしたその本を開くと、アニメ制作の理論と実践が横書きでしたためられているのだが、大量に掲載されているアニメの白黒写真がエクセレント!1930年代〜1950年代の見たこともない海外アニメのスチールばかりで、CMアニメを中心に劇場用CM&オープニングアニメや実験アニメや人形アニメまでもが余すところなく載っていて、見ているだけで楽しいのだ!と言うわけで、昭和三十八年刊の東京中日出版局「アニメーション 理論・実際・応用/ジョン・ハラス ロジャー・マンベル」を103円で購入する。…週末の古本市で売ろうと思っていたが、これはもうしばらく手元に置いて、じっくり愛でることにしよう…。
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家に帰ったらいよいよ今週末に迫った古本市の準備にしゃかりきになる。先ほども「盛林堂」小野氏から電話があり、第二弾として準備した本の大体の量を伝えると、あの会場でちゃんとした市にしたいのならば、もっともっと用意しなければいけないと、ビシビシ指示されてしまった。盛林堂は、わりとスパルタ式なのである。というわけで、もう何度目のアタックになるのか不明だが、自宅各所の古本山に挑み、根性で本を選り分けて行く…これも。これも。これも。これも。これも!完全に自分のキャパを超えた量の古本たち…まぁこのくらいやらないと、本は減らないし、確かに二日間古本を売ることもおぼつかないだろう。もっと、まだ、がんばるんだ!そんな風に作業をヒイヒイ進めながら、いよいよ明日は第二回目の本の搬入と、会場設営と相成ります。おかげで本の山はだいぶ標高を下げたが、まだまだ本が足りないって言われるかも……。古本市って、大変なんだな…。
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2017年02月22日

2/22グラノーラ専門店と懐かしもの屋で古本を買う。

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●上井草「井草ワニ園」
各駅の西武新宿線から、ピンクと白の壁と柱のホームに足を突き出すと、わりと段差があり、油断していた踵に軽い衝撃が走る。ホームベルは『機動戦士ガンダム』。コンクリタイルがアーガイルに埋め込まれた、古いタイプの駅の南口から街に出る。駅前は道路で、東に進めば線路とともに直線に延びて行く『上井草商店街』の入口である。所々下ろされたシャッターにガンダムが描かれており、すぐにアニメ制作会社『サンライズ』のビルも左手に出現する。真っ直ぐ、何のてらいもなく駅から150mも歩けば、道は徐々に下り坂になり始める。そこで右手を見ると、白くシンプルなガラスウィンドウのお店…一見カフェのようだが、その機能も有する“グラノーラ”専門店とのことである。そして店頭には、古本箱が置かれているのである。数段のレンガタイルステップを上がり、白いテント日除けの下の箱をのぞき込む。料理・食・暮らし・絵本など。100均と言うわけではなく、表4側見返しに、糸付きの値段タグが貼付けられており、そこに各々の値段が書かれている。店内はほぼカフェのようだが、すぐ目の前のウィンドウ越しに本棚の裏側が見えているので、勇気を奮ってドアを開ける。ゆったりしたと言うか、情報量の少ないガランとしたイメージの空間である。左がカフェスペースで、正面に厨房カウンター、そして右側壁面に結構本棚が並んでいる。右寄り手前フロアに固まる絵本箱やセレクトコミックで作られた通路に入り、まずは入口右横の棚に目を凝らす。そこには『並んでいるのは古本です』のカードがあったので、本を手に取り開いてみると、見返しにあったのは「古本 一角文庫」のラベルであった。ここは、一角文庫の出張販売棚なのか。この居候なのに意外に多い本の量は、まるで立派な一角文庫の店舗のようではないか。入口右横は旅や街の本から始まり、田辺聖子・村岡花子・高峰秀子・岩崎ちひろ(一段分。ご近所に『ちひろ美術館』があるためか)・100〜300円コミック、そして小さな絵本棚。右壁沿いには、セレクトコミック・暮らし・お洒落・絵本・レコード・植草甚一・本&古本・日本文学・海外文学・幻想文学・美術・映画・現代思想・漫画研究&評論などが並ぶ。キレイ目な本が多く、空間に合わせたライトなこだわり棚造りが為されている。値段は普通。結局グラノーラはいただかずに、カウンターで本の精算をお願いする。向こうから顔を覗かせたのは、ファッショナブルなインパルス板倉風メガネお兄さん。タグ付きは自分の本で(カウンター下に食&音楽の個性的な棚あり)、他は定期的に入替補充も行う一角文庫のものであることの説明を受け、さらに一角文庫の活動内容についても詳しくレクチャーされる。一角さん、幸せなお店に本を置いてますな。主婦の友社「60年代郷愁の東京/本橋信宏」集英社「学習漫画 くらしの相談室」を購入し、ホットなジンジャーシロップお湯割を振る舞われる…美味しい!

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●阿佐ヶ谷「1960年代専門店 甘辛人生劇場 懐かし屋」
のどを生姜でヒリつかせながら、その後は新宿に出て用事をこなし、さっさと阿佐ヶ谷に帰り着く。買物を済ませたり、古本屋の店頭を冷やかしたりしながら、『中杉通り』西側歩道を北上して行く。谷を超えて坂を上がり、駅からはおよそ700m弱の地点。昨年末から開店準備を進めていたアンティーク&懐かし玩具店が、いつもは『Close』の札を出しているばかりだったのに、今日は『Open』になっているじゃないか。これは、やっている!ちょっとガラス越しに店内の様子を透かし見た後、本日二度目の勇気を奮って店内へ。整然とガラス棚やガラスケースに、大量の玩具やキャラ物やアンティークが飾られている。そして壁面に並ぶクラシックな掛時計たちが、ガチャガチャチクタクカチカチと時を刻むオーケストラを奏でている。左奥に帳場があるようだが、誰もいない…と思っていたところ、突然「いらっしゃい」の声がそちらから聞こえて来た…あっ!白髪白髯眼鏡の店主が、ちゃんと帳場にいるではないか。どうやら店内の情報量があまりに多過ぎ、店主を人として認識出来なかったようだ…。実はここは下北沢から移転して来たお店(2013/09/19参照)で、以前は残念ながら何も買うことが出来なかった思い出が。果たして今回は…。壁に飾られた紙物(新宿『どん底』の歌集なんてものが!)や、大小様々なソフビに目玉が吸着するが、肝心の古本は見当たらない。うむぅ〜、残念だなと思っていると、ガラスケースの下の隙間に、薄く横並びに隠されたように本が詰まっているのを発見!我慢出来ずに「下の本、見せてもらっても良いですか?」と聞くと「どうぞどうぞ。ちょっと手が汚れるかもしれませんけど…」「いや、構いません!」となったので、堂々としゃがみ込み、優しく本を引っ張り出して行く。浮谷東次郎・のらくろ関連・古い漫画・雑誌付録・映画パンフ・ソノシートなどがあるが、一番多いのは玩具系のガイド本である。だが、見たこともない良い一冊を掘り出せたので、値段を問うてみると、何と500円だったので喜んで購入する。購入会話を交わしながら、流れで古本好きであることを明かし、時々見に来ることを約束する。鶴書房「のらくろ先生の観葉植物/田河水泡」を購入。
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田河先生のオリジナル観葉植物の楽しみ方をしたためた本であるが、中にはのらくろイラスト(描き下ろし)が満載。遠い世界の果てのような、園芸ギャグ四コマ漫画(もちろん主役はのらくろである)までが収録されており、まるでのらくろ外伝に出会ったような喜びが迸ってしまう。
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2017年02月19日

2/19「あやかしや」をもてなした後、「書原」に別れを告げに行く。

夜に、大市のために上京した広島の古本屋「あやかしや」さんをもてなすために荻窪へ向かう。おもてなしの発案者は古本神の森英俊氏である。午後七時が開始時間だったのだが、仕事が押して遅刻したのを幸いに、夜の「竹陽書房」(2008/08/23参照)をこっそりと訪れてみる。
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おっ、今日の店番は店主夫婦ではなく、時々帳場に座り留守を預かっている老紳士か。では、店主の鋭い視線を気にせず、おおらかに買物が出来るぞ。やけにすっきりした店内だが、通路には市で落札して札を入れる封筒が付いたままの古本束が積み上がっている。そんなものをちょっと気にしながら、扶桑社「大船日記 小津安二郎の思い出/笠智衆」日刊工業「宇宙2025年/パトリック・ムーア」を計800円で購入し、もてなし会場の串カツ屋に駆け付ける。もてなすとは言っても、当然のことながら古本者ばかりが集まっているので、延々果てることのない古本話に終始する。最終的には、いつまでも堂々巡りで出口の見えない帯の話にぐったりしてしまう…いや、確かに面白いのだが、よくもまぁ、帯だけで一時間以上も話せるものだ…。そしてドサクサに紛れて、野村宏平氏につい先日発掘に成功した(2017/02/16参照)動物推理小説「ピースランド殺人事件」に厚かましく署名していただく。
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やった!これで古本の格が急上昇!聞けばこれはゲームのノベライズで、編集部に無理矢理執筆を依頼され、苦しんで苦しんでどうにかでっち上げた小説ということであった。そんな黒歴史的著作に署名していただき、ありがとうございます!ちなみにこの文庫、誰も持っていないと思っていたら、同席した「古書いろどり」(2015/12/12参照)彩古氏が「ボク持ってるよ」とさらりと宣った。うぅむ、さすがは古本神…。

午後十時に散会した後は、通常の帰宅コースは採らずに、丸ノ内線に乗って南阿佐ヶ谷下車。すると大河のような『青梅街道』対岸に、古い昭和四十年代的ビルの「芝萬ビル」が、不夜城のようにそそりたっていた。
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思えばここはとても不思議なビルであった。屋上にフットサル場があり、かつてはアニメ制作会社の『MAD HOUSE』や、エロDVD制作会社が入ったりしていた、まさにキング・オブ・雑居ビルとして君臨した歴史が、杉並の一隅に存していたのである。そしてその一階には『靴流通センター』と、阿佐ヶ谷の文化をどっしり支え続けた新刊書店「書原」が入居していた。だが、その文化のリレーも、本日2/19日をもって、ビル取り壊しのための閉店を迎えてしまったのである…嗚呼。自転車留めの鉄柵が乱立する階段下を突破し、上に駆け上がると、『靴流通センター』はすでに営業を終え、ビルのエントランスは「書原」の天下となっていた。
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これは、一時期南阿佐ヶ谷に住んでいた者としては懐かしく、夜に本屋が開いているホッとする光景なのである。だが店内は当然の如く、平常時とは完全に異なる状況となってしまっていた。お店との別れを惜しむお客さんが大挙押し寄せ、いつもの五倍増しほどの混雑を見せていたのである。店内に突入し、人と擦れ違うのが困難なほどの通路を、どうにか擦り抜け棚を検分して行く。あっ!ちゃんと本屋&古本屋コーナーに『古本屋ツアー』シリーズが並んでいる!ちゃんと取り扱ってくれてたんだと、なんだかとても感激してしまう。そんな店内を楽しみながら彷徨し、最後に購入する一冊を吟味。結局大好きな“夢ちゃん”こと、平山夢明「デルモンテ平山の「ゴミビデオ」大全」を購入し、記念に原稿用紙モチーフの書皮を巻いていただく。感慨に耽りながら表に出て、柱に大きく貼られた閉店の挨拶に視線を走らせる。その閉店挨拶の書き出しは、『昭和四十二年の開業以来、約半世紀にわたり〜』…えっ!俺とまったく年が一緒ではないか!とさらに感慨を深くして、万感の思いを込め、ビルとお店に別れを告げる。
posted by tokusan at 23:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

2/18粛々と古本市の準備を進め、家に戻って佐藤さとるを弔う。

日々、身体も心も、2/25・26に開催する個人古本市のために追い詰められて行く。昨日は夜に仕事が終わった後に、古本市を後援していただく「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏に、第一弾の古本山を運搬しに来てもらう。文庫はどうにか運び出せ、二往復目の単行本山を台車の上に形作り、エレベーターに載せて階下へ。だが、箱から外に出ようとした時に、単行本の結束が無様に次々と緩んでしまい、入口付近で古本雪崩を巻き起こしてしまう。すべては私の結束が緩いために起こるべくして起きてしまった、情けない事態であった…。このままでは誰もエレベーターに乗れなくなってしまうので、急いで本を退かし、小野氏が本束の再生に猛スピードで勤しむ…本当に申し訳ないっす…。どうにか車に運び込んだ後、西荻までの移動間に、小野氏から古本結束の大事さを、切々と説諭される。私は本を簡単に一文字に縛り、少し持ち運ぶことしか想定していなかった。だが、古本束の積上げに加え、台車移動や車での運搬を経由するならば、移動距離や振動での緩みを計算に入れなければならないのである。おぉ、そうこうしているうちに、後に積み込んだ私の結束部分は、早速緩みつつあるのだった…。
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写真はマンションロビーにて、臨時結束作業中の小野氏である。…本当にすみません…。

そして本日は、会場となる西荻窪『銀盛会館』にお昼前から独り閉じこもり、運び込んだ古本の値付を、ただひたすらマシンとなって継続する。100均・300均・500均に分けた本に、それぞれの値札をペタペタ黙々と貼付け続けるのである。やはり古本屋さんは、商品をただひたすらにどんな時も、作り続ける職業であるな…。そんなことをボヤ〜ッと、値札貼り付けハイに陥りながら思い出し、午後六時までに三分の二を片付ける。次回は来週金曜に再び会館に閉じこもり、新しく運び込んだ本と共に値付を再開し、会場の設営までどうにか漕ぎ着ける予定である。というわけでみなさま、2/25・26は西荻窪で古本とともに心底お待ちしております。さらにたくさんの人々に来ていただけるようみなさまのお力も借り、情報拡散もお願いする次第であります。

★人間としての住居を取り戻すための「古本屋ツアー・イン・ジャパンの大放出古本市」2DAYS!
■2/25(土)・26(日)
■両日共AM11:00〜PM6:00
■西荻窪「銀盛会館一階」(JR西荻窪駅南口徒歩五分 杉並区西荻南2-18-4)
■後援「盛林堂書房」
■古本市のお問い合わせは盛林堂書房 seirindou_syobou-1949@yahoo.co.jp 03-3333-6582

…ふぅ、疲れた。そんな息が詰まるほど古本と対峙した本日のご褒美は、先日手に入れた背の消失した「地球盗難」(2017/02/13参照)の、健康を取り戻した姿である!値付作業の始まる前に、小野氏に危うくすべてのページが離ればなれになる寸前の「地球盗難」を手渡し、普通に読める程度の回復を望んだ修復をお願いしておいたのである。ところが、およそ四時間後の手術後の姿は、予想を遥かに超えた出来映えであった!さすがに糸かがりをするほど手間をかけるわけには行かなかったので、まずは背をボンドで固めた後、本をギュギュッと金槌等で圧縮し、無線綴じの要領で本としての形をまずは取り戻す。その後、お店にあった同じラヂオ科学社「地球盗難」の背をカラーコピーし、紙板でさらに背を補強してから、その上にコピー背を移植し、無事手術完了と相成ったのである。このビジュアルがフランケン的科学小説集……無事に読める!読めるぞ!本を開いても大丈夫だ!これで思う存分昭和十二年の風を、浴びることが出来るのだ!と喜んだ後に、早く読みたい気持ちを抑えながら値札貼りに邁進していると、気づかぬうちに「地球盗難」に値札を貼付けてしまいそうになる…危ない危ない。
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家に帰った後は、自主的な弔いをひとつ。今日の『朝日新聞』朝刊には、悲しい悲しい敬愛する佐藤さとるの訃報が掲載されており、大変にショックを受けてしまう。すでに今月九日に、八十八歳で亡くなられていたとのこと。とにかく私にとっては、昔住んでいた横須賀の“谷戸”を原風景として作品に生かした『コロボックルシリーズ』と「わんぱく天国」が、児童文学の忘れ得ぬ金字塔として輝いているのだ。悲しみに暮れながら、家にあった児童文学本を掻き集め、自主的に敬愛する作家を弔う。佐藤暁名義の本たちは特別な宝物であるが、コロボックルシリーズが『冒険コロボックル』としてアニメ化された時の帯が付いた「だれも知らない小さな国」(昭和四十八年の十四刷で、絵は村上勉)も即物的だが、とても嬉しい本なのである。『だれもの心の中に住む愛らしいコロボックルたち!!』『いま、日本中のテレビで大評判の「冒険コロボックル」その香り高い原作です!!』『土曜日の夜の人気者「冒険コロボックル」の主人公たち』『土曜のテレビで大人気!! 「冒険コロボックル」の名原作』などなどの惹句が、アニメキャラとともに踊っている。箱周りには、合計七つの『コロボックル』という言葉が散りばめられた事態に…とにかく佐藤さとる先生、素晴らしい物語をありがとうございました。私は多分老人になっても、「だれも知らない小さな国」と「わんぱく天国」を愛で続けると思います。
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posted by tokusan at 21:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月16日

2/16またもや夕暮れの最中の古本屋

国立近辺で野暮用をこなしていると、いつものように夕暮れを迎えてしまう。家路をたどる途中に、『旭通り』の東南端から駅へ向かっていると、都合の良いことに夕暮れの中の「ユマニテ書店」(2009/06/22参照)前を通りかかる。最近、夕暮れの古本屋に行き着くことが多くなっているが、どのお店もなんだかホッとする、昼間のお店とは微妙に異なる、美しい店頭光景になっていると感じてしまうのは、古本屋好き故の贔屓な視点のせいであろうか…。
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歩道が狭いために100均ラックしか出ていない侘しい店頭。だが中に進むと、古書多めの棚がふわりと古本心を気前よく受け止めてくれるのだ。帳場付近に近付くと初めて「いらっしゃいませ」と小さく声をかけるご婦人に、ぺこりとお辞儀しながら静かな静かな二本の通路を行き来する。ここは値段はしっかり目だが、所々鉛筆で値段が書き換えられた値下げが敢行されているので、そこに望みを賭けて、面白そうな本を手に取って行く。十分ほど滞店した結果、千円から五百円に値下げされた弘文堂世界文庫「樺太島紀行(上)/チエホフ」(ちなみにこの文庫、(上)とあるが(下)は未刊行である)を購入する。ご婦人は帳場下をガサゴソしながら、「すいません、ウチの袋じゃないんですが…」と照れながら、『国際交流海外視察団派遣計画』という袋に文庫を収めていただく。帰りの電車でボヤボヤしながらも、18ページまで読み込む。まだ樺太に着いてもおらず、『樺太は島ではなく半島説』という過去の誤りを列挙している段階で阿佐ヶ谷駅に着いてしまう。

家では色々やりつつ、相変わらず古本市用古本束の作成に勤しむ。ようやく四十本を越えたところだが、どうせ盛林堂さんには「全然まだまだ足りないよぉ〜」と怒られるに違いない…。そんな風に打ちひしがれながらの今日の発掘本はこちら。私のバイブルでもある「ミステリーファンのための古書店ガイド」作者である野村宏平氏の異色推理小説、エニックス文庫「ピースランド殺人事件」である。動物たちの楽園で、大富豪であるキタキツネが殺され、真相解明のため動物たちが珍騒動を繰り広げる…と折り返しの解説にはある…すみません、まだ読んでいません。だが『あとがき』だけチラッと見てみると『それにしても動物の世界を舞台にした推理小説というのはむずかしい。だって、動物の世界には、人間の世界とは違ったルールがあるでしょ。そこをちゃんと説明しておかないと、推理小説のフェアプレー精神に反することになっちゃうもんね』と、とてもファンシーな設定なのに、ミステリマニアとしての筋を通そうとしているところが、真面目で何かおかしい。実はこの本、ちょっとしたレア本なのであるが、近々野村氏にお会いする予定があるので、さらなるレア本にしてもらおうといやらしく画策中なのである。
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posted by tokusan at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする