2025年08月17日

8/17『A先生の本棚』。

本日は実家に日帰り帰省して、お墓参りを済ませ、山の中で美味しい鰻を食べて、午後三時にはトンボ帰りで阿佐ヶ谷に帰着する。ふぅ、さすがに慌ただしくて疲れた……と、疲労を少しでも癒すために駅北口の「千章堂書店」(2009/12/29参照)に飛び込む。実はこの間から右側通路奥で、奇妙なフェアを開催しているので、非常に気になっていたのだ。『A先生の本棚』と称し、もともとここら辺には荒俣宏の博物学関連・怪関連が並んでいたのだが、さらに荒俣宏著作が増殖し、そこに京極夏彦・水木しげる・幻想文学・オカルトが加わり、超絶パワーアップしているのだ。どうやら荒俣宏(A先生なのは言わずもがな)の著作(文庫本も含む)や旧蔵書、そしてその周辺ジャンルの本を集めたフェアらしい。荒俣宏は阿佐ヶ谷に所縁深く(よく駅や街でお見かけしたことが)、その関連で開かれているようだ。おぉ、棚上部には色紙や、映画『帝都物語』の嶋田久作扮する加藤保憲と荒俣宏のツーショット写真が飾られている!と喜びながら棚を凝視。フェアは棚下や右壁棚の一部、そしてその下の本の山の上まで侵食している……。うむむむむ、ドンピシャな好書が多いなと激しく目移りしつつ懐と相談しつつ、博文館「新青年 第七巻 第拾壹號 大正十五年九月號 ラヂオと探偵」を選び、三千円で購入する。すると店主が、蝦蟇の絵が愛らしい、荒俣宏の蔵書票をおまけに付けてくれた!ありがとうございます!まだ他にも欲しい本が目白押しなので、また何か買ってしまいそう。気をつけなければ……。
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「新青年 ラヂオと探偵」は、角田喜久雄『現場不在証明』牧逸馬『幽明』大下宇陀兒『山野先生の死』春田能為『日本の善い所惡い所』谷譲次『めきしこ女』江戸川亂歩『浅草趣味』横溝正史『探偵映画蝙蝠を観る』など、絶好調な感じの號である。
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2025年08月16日

8/16目論見通りに古本分母を。

正午過ぎに武蔵境に流れ着いたので「おへそ書房」(2019/07/28参照)に行きたかったのだが、すぐさま電車を乗り継ぎ移動して中野新橋に流れ着いてしまったので、泣く泣く諦める。というわけで午後一時半に丸ノ内線を乗り継ぎ新高円寺駅で下車。「西部古書会館」(2008/07/27参照)の「高円寺均一古本フェスタ by ヴィンテージブックラボ」(今日は200円均一、明日は100円均一である)で古本分母を増やすべく、北にテクテク歩いて行く。途中の「大石書店」(2010/03/08参照)でポプラ社「手塚治虫・あかしや書房傑作選シリーズ特別付録」「サボテン君/手塚治虫」を250円で購入する。そして阿波おどりの準備が着々と進みつつある駅前を南から北に通過して会館着。まだまだ古本もお客さんもたくさんの館内に飛び込み、じっくり品定めして行く。博文館の「世界探偵小説全集」がたくさん残っているが、これを買ったらとんでもないことになってしまう……とぐっと我慢。平和新書「推理小説 法律事務所SAGA/佐賀潜」朝日新聞社「ウルトラ人生相談/杉浦日向子」ハヤカワ文庫「天才闘牛士エル・コルドベス さもなくば喪服を/D・ラピエール&L・コリンズ」一水社「不連続殺人事件/坂口安吾」大日本雄弁会講談社「吸血蛾/横溝正史」(函コワレだったが、家に帰ってからバッチリ修復!)東都ミステリー「虚ろな車/飛鳥高」(カバーナシ)青樹社「角田喜久雄事件小説シリーズ 奇蹟のボレロ」を計1400円で購入する。ガレージで掴んだ「法律事務所SAGA」は扉裏に献呈署名入りであった。
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よっしゃ!目論見通り、古本分母が少し増えたぞ!
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2025年08月15日

8/15 akimoto・ミステリー

朝からゆったりのんびりと、とある冊子のゲラ読みをちょいちょい進めつつ、春陽堂「人形佐七捕物帳 三巻/横溝正史」もチラチラつまみ読みして行く。すると六話目の『清姫の帯』が、ホームズ『六つのナポレオン像』のいただきであることに気付く。この『六つのナポレオン像』と『瀕死の探偵』の翻案&いただかれ率は、ホームズシリーズの中でも群を抜いているのではないだろうか。そんな他愛ない思考の寄り道をしながら、ゲラ読みを進める。そして昼食後、所用にて中野へ。となると『中野ブロードウェイ』四階へ駆け上がり「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)を急襲する。なんだかお客さんがとても多い。安売赤棚を見た後、ミステリ&SF通路に身を潜ませ、棚の上から下まで、端から端まで視線を丁寧に走らせる。秋元書房 akimoto・ミステリー「全訳 秘密の階段/カロリン・キーン」講談社 少年少女世界探偵小説全集(4)「ねらわれる男/チャータリス」を計1760円で購入する。「ねらわれる男」は貸本仕様なので激安であった。「秘密の階段」が安く買えたのも嬉しい。昭和三十年代の秋元書房の少女小説シリーズだが、表紙写真は恐らく内容に合わせて特写したものが使われていると思しい(独特な原色感が時代を感じさせる)。この「秘密の階段」も例外ではないのだが、何かの発見に驚いているミステリアスなシーンのはずが、左の赤い服の女性の能天気な笑顔により(ポーズは驚きのポーズをとっている)、ちぐはぐな印象になっているのが愉快。
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2025年08月14日

8/14鳩に囲まれた後古本を。

午後三時に赤堤に流れ着き、奇妙な体験をする。歩いていたら、突然周囲をドバサドバサと羽音が包み、気付けば私を中心にして三十羽ほどの鳩が集合している……と、突然どうしたんだと驚きつつ鳩包囲網を慌てて突破すると、またも多重の羽音とともに鳩どもも移動し、再び私を取り囲む……これはどうやら、この鳩どもを餌付けしている人と、私を勘違いしているらしい……何かが、帽子かリュックか、それとも歩行認証が、鳩どもを勘違いさせてるらしいのだ。多少の恐怖を感じながらある程度その場を離れると、鳩どもはようやく解放してくれたのであった。まったくこの暑いのに、ご苦労さんである。そんなヒチコック『鳥』的なアクシデントに遭いながら、テクテクトボトボ東へ一散に進む。少しでも古本分母を増やすために、東松原の「古書瀧堂」(2014/05/01参照)を目指しているのだが、どうかお盆休みじゃありませんように!そう一心に祈りながら店前に到着すると、無事に営業中であった。ありがとうございます!と感謝しながら、店頭で一冊掴んで店内へ。冷房の涼しさをたっぷりと味わいながらさらに棚から二冊選び出し、精算する。三笠書房「未知との遭遇/スティーヴン・スピルバーグ」(第20刷)ひばり書房 ジュニアパンチ「子どものための奇術教室/斉藤倉蔵」日本書院「現代式探偵科學/平田潤雄・秋間保郎共著」を計1410円で購入する。昭和三年刊の「現代式探偵科學」が嬉しい拾い物である。昭和初期の探偵小説ブームに便乗した、一応当時の最新科学からアプローチする探偵術読物なのである。小酒井不木が資料提供しており、著者のひとりは工學士……ちょっと帆村荘六的テイストでありますな。『探偵の科學』『探偵写真』『指紋のなぞ』『ラヂオ探偵』『警察犬の話』『科学探偵に用ひられるレントゲン写真とはそんなものか』などなどの他に、たくさんの探偵話実例集が収録されているのだ……あぁ、これは古本分母ではなく、当分は自分用の本になりそうだ。
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2025年08月13日

8/13次こそは1ページに。

午前のうちに精選古本四十冊を詰め込んだダンボール箱を、郵便局から某所に向けて送る。秋の某“独り古本市”用の古本であるが、これでようやく三百冊到達……後二百冊……まだまだその道のりは長い……。そして午後に、すっかり痩せてしまった古本分母を増やすため、ブラッと外出。荻窪までヒタヒタ歩き、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、中央公論社「新宿ゴールデン街の人たち/田中小実昌」晶文社「クラゲの正体/坂田明」を計550円で購入する。そしてお盆休みの「岩森書店」(2008/08/23参照)のシャッター前を通り、北口に出て「ブックオフ」で収穫なく、ブラブラ阿佐ヶ谷に戻る。いつもの「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)で、帝都高速度交通営団「東京地下鉄開通五〇周年記念 昭和を走った地下鉄」白泉社「サラリーマンの魂/しりあがり寿」を計440円で購入する。ちなみに記念手拭のツケ分3500円は未だ未購入……わ、忘れてませんよ。ちゃんといつか、今年中に買いますよ、きっと!

※「日本古書通信 2025年8月号」のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は私の番で、ことあるごとに読んで来た己の捕物帳遍歴を披瀝。この原稿のおかげで、城昌幸の高額文庫本「婦人警官捕物帖」を買ってしまったのだが、昨日買取仕事終りの「盛林堂書房」帳場で小野氏と色々話していると、ちょうど見本の「日本古書通信」が届いていた。小野氏が「今月何書いたの?」とページを開いた途端「あれっ?何で見開き?文章量多くない?」「い、いや、ほら。いつもちょっとオーバーしちゃうんで、樽見さん(編集長)に無理言って収めてもらってるんだけど……ほら、これだって写真が三枚入ってて、文章量はそれほど多くは」「多いよっ!」と叱られました。実は正直に告白すると、今までの連載で、一回も上手く1ページに収めたことがないのであります(樽見さんがいつも工夫して収めてくれるので、それに大いに甘えていたわけである)……お恥ずかしい。後一回、次こそは1ページに収まるように、書いてみます。
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2025年08月12日

8/12途方に暮れる男。

午前九時半に西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)前に姿を現し、“盛林堂・イレギュラーズ”となり、レンタカーの軽ワゴンで登場した小野氏を迎えた後、上がったシャッター内に飛び込み、素早く『フォニャルフ』棚に補充する。最近入手した探偵小説仙花紙本なども並んでいるので、よろしくお願いいたします!そんな軽い一仕事を終えた後、小野氏とともに比較的近所の武蔵野の一角にある買取現場に向かう。2025/06/29に続く、海外移住を目前に控えた超『坊ちゃん』&日本近代文学マニアの筋金入りの古本青年の買取なのである。現場のアパートは二週間後に解約予定である。さぞかし引き払う準備が進んでいると思い、扉を開けると、一ヶ月半前とさほど変化がない……そして本日運び出すために床に積み上げられた本はおよそ三百冊ほど。壁沿いの本棚には、まだ二千冊ほどの本が悠然と残されている……よ、余裕なのか?だ、大丈夫なのか?無事にアパートを引き払えるのか?海外に雄飛できるのか?と色々即座に心配になる。実は蔵書はすべて処分するわけではなく、どうしても残したい本は近所の実家にて保管予定なのである。だがそれにしても、この量は明らかに無理であろう。というわけで小野氏が発破を掛けまくり、さらに処分する本を捻出してもらう。本人は「がんばります!」と言いつつも、すでに心は泣きまくり、棚からセレクトした本を引き出す度に、顔の表情は悲しみに覆われる……これだけ本を愛しているんだ。それは当然のことなのである。だが、今ここにあるすべてを、海外には持って行けない、実家には運び込めないんだ!などとことあるごとに、小野氏と二人で応援だか恫喝だかもはやわからぬ言葉を掛けつつ、ようやく処分本が五百冊近くに到達する(ちなみにここまで踏み込めるのは、古本青年と盛林堂さんが長年の関係を築いており、すでに客と店主の間柄を超えてしまっているからこそなのであります)。ここで一旦作業を打ち切り、昼飯休憩を兼ねてお店に本を運んだ後、午後に実家で落ち合う約束をする。とにかく今後の保管場所である、実家の様子を一度見てみなければ、どのくらいの本を残せるか不明な状況でこれ以上作業を続けるのは、得策ではないと決まったからである。というわけで午後に実家で落ち合うと、実は保管場所はそれほど確保出来ないことが判明する。今現在ここにある本を運び出しても、およそ千冊が限界であろう……やはりもっと本は減らさねばならないのだ。それを聞き、古本青年は途方に暮れる……いや、もう今日会った時から、途方に暮れていたのだ。時々「もう海外に行けない気がする……」とこぼすほど、途方に暮れていたのだ。いや、だがそれでも、後二週間あるのだ。今からでも遅くはない。馬力をかければ、何とか間に合う!と懸命に海外雄飛に向けて丸め込み、取りあえず実家の本をある程度結束して運び出した後、再びアパートに戻り、今後の計画を綿密に立てる。次回の買取は一週間後。果たしてそれまでにどれほど撤収作業が進んでいるのだろうか?一抹どころか、二抹三抹の不安を残し、途方に暮れた古本青年を残し、現場を離脱する。そんな色々憂いの作業の合間に、小野氏から買取本の中に紛れていた不思議な本を見せられる。「これ、案件なんだよ」と差し出されたのは、イヴニングスター社「大學の門/田村泰次郎」である。河野鷹思装幀の戦後のガード下の光景が魂を震わす仙花紙本であるが、表紙をめくると、あぁっ!表2・表3には、不思議なことにカミの「名探偵オルメス」の表紙が印刷されているのであった。つまり「名探偵オルメス」の表紙紙の裏を再利用して、この本の表紙が印刷されているのである。これは確かに案件だ(ちなみにこの案件は、すでに小野氏より北原尚彦氏に伝えられているとのこと)!
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そして色々終えて午後五時にお店に戻り、本日の労い本を買わせていただく。同盟出版社「怪奇冒険 謎の骸骨島/水谷準」を、扉欠けの貸本仕様の店員特別価格ということで二千円で購入する。昭和二十三年刊の、書誌にも載っていない稀少本とのこと。盛林堂さんも、今までに四冊しか扱ったことがないそうである。しかしこの表紙絵、完全に歌川国芳の浮世絵『相馬の古内裏』の影響下にあり、素敵ですな。
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2025年08月11日

8/11「藤井書店」で早期決着を。

もはや完全に狂った気候に弄ばれながら、午後五時に吉祥寺の北に流れ着く……は、早く古本を買って帰ることにしよう。そう思いながら吉祥寺の繁華街に近づいて行くと、街は曇天下の逢魔が時である。八月の午後五時なのにこんなに薄暗いと、もうだいぶ遅い時間のように錯覚してしまう。なので古本を買うと言っても、ビシッと早期決着を上手く着け、明るいうちに家に戻りたいものだ。というわけでまずは今月号の「本の雑誌」の連載でも取り上げさせていただいた「藤井書店」(2009/07/23参照)にアプローチすると、店内にはたくさんのお客さんが古本吟味中……麗しき光景である。そう感心しながら左側通路へ。壁棚の単行本に視線を熱く速く走らせて行くと、晶文社「ボマルツォのどんぐり/扉野良人」を発見。本と人の繋がりを巧妙に紡ぐ名著である……!!!!見返しと本扉の間の遊び紙に、イラスト入り献呈署名が入っているではないか!おぉ、藤井書店よ、ありがとう!おかげで望んだ通りに、早期決着を見ることが出来ました!と喜び440円で購入する。それにしても藤井書店での署名本発見アベレージは高打率である。そんな獲物を胸に抱えていそいそと駅に向かい、最後に「古本センター」(2017/03/06参照)にも立ち寄り、河北新報出版センター「タマゴマジック/恩田陸」を80円で購入して帰宅する。
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2025年08月10日

8/10「必ず来ると思ってました」。

朝、布団の上で春陽文庫「婦人警官捕物帖/城昌幸」を読了する。期待に違わぬ良質で洒落た、軽ミステリ短篇集であった。後半の数話、主人公の婦人警官は掏摸係なのに、掏摸に関係なく警察官として事件に巻込まれるパターンもあり。その暖かで爽快な読後感と読了してしまった寂しさを胸に秘め、午前九時半過ぎに雨の中家を出る。傘を差しかけ向かうのは、「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『第9回 Vintage Book Lab』二日目である。ガレージに入ると同時にサッシ扉が開かれ、「開場しま〜〜す」となり、数人の熱心な古本修羅たちが会場に吸い込まれて行く……一通りガレージを見てから、こちらも館内へ。棚には多くブランクが生まれているが、補充も少しは行われているようである。昨日見かけなかった本がチラホラ……そういう本を中心に懸命に探索を進めて行く。京北書房「倫敦から来た男/ジョルジュ・シメノン」春陽堂「科學探偵/小酒井不木」(函付き三版)新潮社「斜陽/太宰治」(三刷)岩谷書店「愛誦探偵小説集 上巻/江戸川亂歩編」彰国社 建築写真文庫19「階段」(カバーナシ)を計2300円で購入する。建築写真文庫の「階段」が嬉しい!何たって中の写真は、すべて千差万別多種多様の階段だらけなのだ!今は亡き『リーダーズダイジェスト東京支社』の階段も!
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これは個人邸と第二鉄鋼会館。

そして精算をしていると、ススッと近寄る人影が……ワインの飲み過ぎでグロッキー気味の盛林堂・小野氏であった。「ゲラです」と紙束を渡される。進行中のとある冊子の再校であるが、「小野さん、なんでこんなの持って来てるの?俺、会場にこないかも知れなかったじゃん!」と聞くと、眼をギロリと光らせ「いや、必ず来ると思ってました」と返答……いやまぁ、事実その通りなのだが。
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2025年08月09日

8/9“猫と蝉”で思わず作句。

正午過ぎに、西武新宿線からも中央総武線からも遠い、今川の地に流れ着く。途中で猫が蟬を捕まえているのを目撃し、発作的に作句してしまう。『蝉時雨 見上げる猫の 眼は檸檬』『猫の牙に 掛かった蝉の 腹は空』……お粗末様でした…。さぁ、古本を買いに行こう!と、必死こいて南に下りまくり、西荻窪に出る。駅南側の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に立ち寄り、荒地出版社「年刊推理小説・ベスト18〈1963年版〉/B・ハリデイ編」「年刊推理小説・ベスト16〈1964年版〉」を計200円で購入しつつ、店番のフミさんに「これからヴィンテージに盛林堂の本を買いに行って来ます」と宣言し「よろしくお願いします」と送り出される。というわけで「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『第9回 Vintage Book Lab』(2022/08/06参照)一日目である。すでに午後一時半なので、基本的には“兵どもが夢の跡”であるが、それでもまだまだ古本が、古書が残っている!と、決して諦めずに探索開始!春陽堂文庫「青蛙堂鬼談/岡本綺堂」(帯付き)大雅堂「静臥後記/伊丹万作」八月書房「グロッス その時代・人・芸術/村山知義」桃源社 書下し推理小説全集12「海底結婚式/渡辺啓助」河出書房新社「ラッキーシート/戸板康二」山手書房「シティ・サバイバル 都市生活者の生き方テクニック/Dr.ブルース・バウアリー」を計2600円で購入する。キレイな「グロッス」が500円なんて……こりゃぁ明日も迷わず朝一番で駆け付けちゃいそう……。
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2025年08月08日

8/8嵐のせいでひばりが丘へ。

昨日は正午前に武蔵関近くに流れ着いたので、バスで吉祥寺に出て、ちょっと古本屋さんを巡る。「古本センター」(2017/03/06参照)では、東京藝術大学・朝日新聞社「東京藝術大学創立一〇〇周年記念展[デザイン・建築]」を150円で購入。さらに「よみた屋」(2014/08/29参照)で、偕成社 のりもの絵どうわ3「ブルドーザのガンバ/鶴見正夫ぶん 高橋透え」筑摩書房「蒼白者の行進/中井英夫」文藝春秋「つゆ草/川崎長太郎」プレイボーイ写真文庫「ウエスト・コースト・ドライヴ514マイル/東理夫・菅原千代志」計385円で購入する。そして本日は朝から夏バテの身体を懸命に動かし、午前九時の阿佐ヶ谷駅で用事をひとつ片付ける。阿佐ヶ谷は現在『七夕祭り』の真っ最中だが、未だお店などが開く前で、混雑に巻込まれずラッキーであった。それにしてもアーケード商店街に吊るされた人形たちを見て常々思い出すのは、もう何十年以上前の祭で、入口近くに吊るされていた、かなり精巧に造られた映画『エイリアン3』のドッグバスター……七夕に全く相応しくない不気味さだったので、強く強く印象に残っているのだ。そんなことを思い出しながら家に戻り、大阪『梅田蔦屋書店』古書棚補充用の古本箱を郵便局で発送する。お盆時期なので、到着が少し遅れることもあるとの説明。そしてまたもや家の戻り、早めの昼食後の正午過ぎに三たび家を出る。バスに乗って中村橋に向かい、まずは「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に飛び込む。お店は最近古典籍に力を入れているようで、店頭ワゴンのひとつが和本で占められている状態に。小学館文庫「大正野郎/山田芳裕」新潮社「野生への旅V 原始の島 日本の最南端・西表/戸川幸夫」を計500円で購入する。さらに西武池袋線で下りに乗り混み保谷に向かうと、ホームに降り立った瞬間に雷鳴が鳴り響き、風と雨が吹き荒れ始め、駅舎の屋根をバシバシいわせ始めた……むぅ、傘を持っていないので、駅近くとは言えこの酷い嵐では「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)に向かうのは困難……ならば隣駅のひばりが丘に向かい、駅からでも直ぐ駆け込める『ひばりが丘PARCO』の『ひばりが丘の古本市』(2023/10/16参照)を見に行くことにしよう。雨を避けながらパルコに慌てて駆け込むと、一階エスカレーター脇に、以前より小規模になった古本市会場が長細く設営されていた。「一角文庫」「snowdrop」(2021/07/23参照)「古書きなり堂」(2022/03/13参照)などが出店している模様。会場を端から端まで一往復して三冊を掴む。気付けばすべてきなり堂の本であった。ポプラポケット文庫「名探偵金田一耕助1 仮面城/横溝正史」東都書房「恐怖博物誌/日影丈吉」明治図書新書7「非行少女/岸野淳子」を計1200円で購入する。市は11日まで。
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※そろそろ発売になっている「本の雑誌 味玉つるべ落とし号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、吉祥寺の老舗「藤井書店」に突撃。実は最近お気に入りのお店なのです。
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2025年08月06日

8/6戦後版「モンブンランの乙女」。

午後四時前に、用賀近くの瀬田の谷底に流れ着く。灼熱地獄を乗り越え、どうにか生き残った感じである。なので体力ゲージは赤く点滅してしまっている……だがこの状態でも、どうにかして古本は買って行きたい。用賀から三軒茶屋に出て「江口書店」(2010/03/29参照)へ……『三宿交差点』まで歩いて行く体力が残っていない。では渋谷に出て「中村書店」(2008/07/24参照)……いや、もう『宮益坂』を上がる体力が残っていない。それならば、『環八』でバスに乗り千歳船橋まで出て、下北沢に望みをかけよう。そう決めてバスと小田急線を乗り継ぎ、決定通りに下北沢へ。だがいつものように何店も巡ることは出来ない……というわけで「ほん吉」(2008/06/01参照)へ向かう。まだまだ灼熱の店頭で、左右に素早く移動して古本を吟味しまくっているオヤジさんを巧みに躱しながら、あっという間に五冊を手にしてしまう。集英社「マンガ青春記/中島梓」朋文堂「モンブンランの乙女/A・メーソン 稲葉和夫訳」日本文芸社「写真で見る沢登り入門/野口冬人」筑摩書房「物語のウロボロス 日本幻想作家論/笠井潔」INAX「建築のテラコッタ 装飾の復権」を計1210円で購入する。やはり山岳小説の皮を被った探偵小説「モンンブランン乙女」戦後版(昭和三十四年刊)が嬉しい!素晴らしい獲物が一発で手に入り、大満足である。なので駅に踵を返し、帰宅を急ぐ。早く帰って水シャワーを存分に浴びて、身体を冷却しなければ……。
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パラフィンが掛かっております……。
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2025年08月04日

8/4本当にさらば、『三鷹跨線人道橋』。

午後三時前に上連雀の端っこに流れ着いたので、ズイズイと北に進み、『三鷹車両センター』の南側に出る。……噫々、『三鷹跨線人道橋』は、ついにすべて解体され、線路の上にはただ夏の青空が広がっている。あの空中に立ち、行き交う電車車両を見下ろしていたなんて、こうなったらまるで嘘のようだ。跨線橋が無くなったのは寂しいが、本当に寂しいのはここに跨線橋があったことを、人々が忘れてしまうことの方が、もっと寂しい……。橋の名残は、南側の礫混じりのコンクリ階段東側の十六段が取り壊し途中で残っているのと、北側のコミュニティバスのバス停に『跨線橋前』の名を留めているだけとなってしまったのである。
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せっかく写真を撮ったのに、“跨”の字が入っていないとは……不覚!

そんな都市の小さ過ぎる変化を憂いながら、地下道を潜って(少しは涼しいかと思ったら、ここも涼しくなかった……)線路北側に出て「りんてん舎」(2019/03/30参照)に赴くと、残念ながらお休みであった。先週末の『中央線はしからはしまで古本フェスタ』の撤収作業で、大忙しなのだろうか。というわけですぐに「水中書店」(2014/01/18参照)に回り込み、勁文社 マルチウェーヴ・コレクションvol.1「樹液すする、私は虫の女/戸川純」(再版帯付き)を千円で購入し、炎暑に消耗して帰宅する。
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2025年08月03日

8/3今日も暑くても古本を。

暑くて家にずっといたいが、古本は買いに行かねばならぬ。というわけで午前と午後に分けて行動を起こすことにして、午前はまず高円寺にテクテク向かい、「西部古書会館」(2008/07/27参照)で『好書会』二日目を覗く。文化出版局「着物は楽しい/大橋歩」双葉社「半七捕物帳を歩く ぼくの東京遊覧/田村隆一」講談社 世界少女小説全集23「銀の指ぬき/エンライト」光文社「ノンちゃん雲に乗る/石井桃子」自由新聞社出版部「魔の笛/野村胡堂」を計770円で購入する。「ノンちゃん雲に乗る」はカバー付きの初版なので嬉しい。獲物を背にして、八月以上の暑さに身悶えしながら、一旦家へと戻る。昼食後、なかなか外に出る気が起きず、しばし「婦人警官捕物帖/城昌幸」を読み耽って現実逃避……捕物帳と言っても掏摸係の婦人警官が主人公の連作短篇集である。やはり城は、面白い!何も気にせずノンベンダラリとズンズカ読み進めたいところだが、やはり古本は買いに行かねばならない。意を決して身支度を整え、炎熱の戸外へ。阿佐ヶ谷駅まで歩き、今日はズルして電車に乗って荻窪へ。「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)で、早川書房「道化師と神 SF評論序説/中島梓」ダイヤモンド社「視覚のいたずら/長尾みのる」ひばり書房「胎児異変 わたしの赤ちゃん/日野日出志」(カバーナシ)草思社「ローラースケートでアメリカを横断した/山川暁」角川書店「新人監督日記/和田誠」を計770円で購入する。1981年刊の、四ヶ月かけてアメリカをローラースケートで横断する冒険の記録「ローラースケートでアメリカを横断した」がめっけもの。妙な本が買えて、これもまた嬉しいぞ!大いなる満足を得て、帰りはどうにか歩いて阿佐ヶ谷に帰還する。
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2025年08月02日

8/2サンカクヤマで掘り出しとお話。

午後一時半に久我山の谷底に流れ着いたので、北の丘の上に這い出し、テクテク住宅街を縫って縫って西荻窪へ。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で、東都書房「日本推理小説大系2江戸川乱歩集」を百円で購入し、すっかり冷房の虜となる。しばらく店主・小野氏と古本無駄話をしつつ、とある冊子の打ち合わせもひとつ行う。ずーっとここにいたいのだが、気合いを入れてお店を後にして、総武線で三駅移動して高円寺へ。「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『好書会』一日目を覗く。ここでも冷房の偉大さを改めて認識しながら、古本修羅となって同族の修羅の間をウロウロ……。ニコンサロンブックス32「写真に帰れ 伊奈信男写真論集」叢文閣「昆蟲記 第一巻/アンリ・ファブル著 大杉榮譯」講談社「ニューヨークの次郎長/篠原有司男」講談社「変った種族研究/吉行淳之介」山海堂「レーサー入門 スピードへの挑戦/日刊スポーツ運動部編」を計1050円で購入する。帰り道の『庚申通り』で庚申塚に挨拶しつつ、いつものように「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照。気付けば今年で開店十周年なのであった!)に寄り道する。すると店頭棚に河出書房新社「そこのみにて光輝く/佐藤泰志」(一九八九年初版。帯ナシ)があるのを発見!大喜びで百円で購入しつつ、店主・粟生田さんと『中央線はしからはしまで古本フェスタ』の話……と言うか、どんな様子だったかを色々教えてくれとせがまれる。サンカクヤマさんは『萬書百景市』には参加したが、『はしからはしまで〜』は今回不参加。神田への出店は距離的な問題も含め色々手間がかかり大変な上、売るに徹するか、お店のカラーを出すに徹するかで、ついつい考えてしまうとのこと。いや、サンカクヤマさんは、お店のカラー全面に!と僭越ながらリクエストしておく。「来年の萬書、がんばります!ダハハハハ!」ということなので、サンカクヤマファンのみなさま、乞うご期待!
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2025年08月01日

8/1祭りだワッショイ!

台風が関東に接近しているため、空模様が不安定で、風が強く小雨が時折落ちて来る。酷くなる前に古本を買いに行こうと、傘は持たずに外出する。激混みの中央線で御茶ノ水にたどり着き、坂を下って『太田姫稲荷神社』に挨拶してから。午前十時二十分の「東京古書会館」(2010/03/10参照)へ……おや?受付で手を降っている人が……「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏であった。そして受付内の顔なじみの職員さんもヒョコッと顔を出して挨拶してくれた。あれ?これじゃまるで『大阪圭吉展』の受付に出勤して来たのと、寸分変わらぬ光景……もしかしたら、一週間前にタイムリープしちゃったのか?もちろんそんなわけはなく、小野氏は理事のお仕事で、地下ホールの催事取材の監督のため、早出していたのであった。というわけで『第2回 中央線はしからはしまで古本フェスタ』(2023/07/28参照)一日目に飛び込む。参加古本店も多ければ、お客さんもいつもより1.5倍増しの賑わいである。そのほとんどが既に、腕の中に古本を積み重ねた“古本御輿”をワッショイワッショイ担いでいる。これぞフェスタ!これぞ祭り!私も古本御輿を担ぐべく、賑わいの通路の中に身を滑り込ませて行く。どのお店も気合いの入った棚造りで見ているだけで楽しいのだが、「股旅堂」(2018/10/01参照)の見難い足元箱から激安の探偵小説仙花紙本を掘り出せたのには古本血流をギュンギュン早めてしまった。光栄「真・女神転生年代記/スタジオ・ハード編」青林工藝社「快傑蜃気楼/谷弘兒」湊書房「甲賀三郎全集第4巻 姿なき怪盗」隆文堂「探偵小説 殺人會議/木々高太郎」自由出版「奇蹟のボレロ/角田喜久雄」金鈴社「世界スパイ 探偵實話/中島武」(裸本)を計2850円で購入する。ふぅ、熱気と気合に満ちた、楽しい楽しい八月のお祭りであった。
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2025年07月31日

7/31やはり「井草ワニ園」に行こう。

多少は気温が低く、時たま雲で陽が翳り、北から涼しい風が吹いて来たりするが、結局は暑かった七月最後の日。午後一時半に下井草に流れ着く。早く帰って水シャワーを浴びたいところだが、ここはちょっと我慢して上石神井に向かい、「井草ワニ園」(2019/01/05参照)で古本分母を増やす努力をしよう!と西武新宿線下りに乗って二駅移動。緩い坂の途中の、ちょっと久しぶりな「井草ワニ園」は今日もしっかり営業中である。店頭を一通り眺めてから店内に進み、美味しそうな甘いグラノーラの匂いに鼻をピクつかせながら、買うべき古本を探しまくる。筑摩書房「るきさん/高野文子」学研の図鑑「スーパー戦隊/監修・東映株式会社 松井大 編集制作・学研図鑑編集室」国書刊行会「シルエット絵本/中原淳一」を計1600円で購入する……何だかデカく重い本ばかり買ってしまった……だが、帯付きの図鑑「スーパー戦隊」が800円で買えたのは嬉しい収穫である。そう言えばキン肉マンの図鑑「技」もあったな……。
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家に帰ってから希望通りに水シャワーを浴びて体温を低下させた後、ゲラを一本戻して、ようやく落ち着く。
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2025年07月30日

7/30ギャラで古本を買う2。

午後一時半に西荻南に流れ着いたので、ブラブラッと「古書音羽館」(2009/06/04参照)をへ。ぬぅっ!店頭ちょっといい本小箱の中に、角川文庫の「魔法入門」が500円で!と思ったら、線引き本なのであった…ぐぅ、残念。晶文社「星にスイングすれば/高平哲郎」を百円で購入する。そして店主・広瀬氏と色々楽しくお話しする。懸命に準備中の某独り古本フェアや、音羽館から最近独立した店員さんについてや(現在中央線沿いで店舗を探し中とのこと。それにしても音羽館はまるで少林寺が拳法の達人を輩出するように、古本屋さんを輩出している!)、「大阪圭吉展」についてや、氏の「東京古書会館」(2010/03/10参照)の各階印象や、イベントについてなどなど。話のついでに、何かお手伝い出来ることがあれば!と言ったら、奥さまが「じゃぁ、一日がかりの大きな買取とか、倉庫の整理を」と本気モード。喜んでいつでもやりますよっ!そして家に戻ってしばらくすると、郵便屋さんがヤフオク落札品を届けてくれた。「古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸」のギャラで買った古本第二弾、あかしや書房「江戸川乱歩全集11 少年探偵 サーカスの怪人/原作・江戸川乱歩 画・若林敏郎」である。こんな値段で落とせると思っていなかった、18900円で落札す。この昭和三十年代コミカライズ「サーカスの怪人について」は、以前本棚探偵・喜国雅彦氏の「ひとたな書房」で大量の乱歩漫画が放出された時に、ちばてつやの「魔法人形」に次いで、珍しく出て来ない本であることを、盛林堂・小野氏から教えられていたのを、執念深く覚えていたのである。カバーの表2袖が欠落しており、奥付の検印紙もなくなっているが、それでも落札価格は相場の半値以下なので、万々歳である。だがそんなイレギュラーのラッキー落札だったので、思わぬところで大金をはたいてしまった……高い本を買うのはそろそろ打ち止めにして、また地道な古本買いに戻るとしよう。
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2025年07月29日

7/29宣言通りにギャラで古本を買いに行く。

朝から暑くなる前にある程度仕上げてしまおうと、必死に原稿書きを進める。ある程度カタチが固まった午前十時半、ある約束を果たすために西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ向かう。その約束とは、「古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸」のギャラ(どうせすぐに生活の露と消えてしまうので、なくなる前に買わなければ!)で、盛林堂で高い本を買う!というものなのである。本が出る前、あるいは出た後のトークなどで、ことあるごとに『日頃お世話になっているので、たまには高い本を買って恩返し!』と宣言しまくっていたので、もはや知らんぷりなど出来ず、是が非でも約束は果たさねばならぬのである!と意気込み西荻窪。まずは文藝春秋新社「裸の王様/開高健」展望社「アルスのノート 昭和二年早春/野溝七生子」を計200円で購入し、食事のために席を外していた店主・小野氏を待つ。程なくして帰還した氏と、先日の展覧会をお互いに労いつつ、直ぐに本題に入る。狙うは帳場前の棚脇飾りケース下段に入っている、春陽文庫「婦人警官捕物帖/城昌幸」である。春陽文庫レア本の中でも、ちょい上位に食い込む一冊である。実は次回の「日本古書通信」のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』で、『俺の捕物帳遍歴』と題して捕物帳について書いたのだが、その締めにぜひ読みたい捕物帳の一冊として、この「婦人警官捕物帖」を挙げているのである。そんな原稿を書いたら、常日頃から読みたかったものが、さらに読みたくて読みたくてしょうがなくなってしまったのである。そして今目の前にあるのはカバー付きの一冊……カバーナシ時代の帯だけバージョンなら一万五千円くらいと値段抑えめなのだが、小野氏に聞くと今はないと言う。ならば、これを、これを、これを買うしかないんだ!と一大決心し、二万八千円で購入する……ははは、買っちまった。よぉし、楽しく読むぞう!
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そんな風に清水の舞台から飛び降りたところに、古本神・塩山芳明氏が登場。つい昨日読了したと言う日下三蔵氏の「断捨離血風録」と拙著「古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸」の書評を拝聴する。ガハガハ笑いながら話した後、小野氏を指差し「アンタ、カラーボックス作る人」私を指差し「あんた、本を運ぶ人」と宣い、さらに大笑い。まぁ押し並べて好評なので、良かった良かった。
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2025年07月28日

7/28分母を微増した月曜日。

昨日は親族の会合にて、日曜日のオーバーツーリズム気味の横浜中華街で二時間ほど会食。満腹して酔っ払って任務を終え、『山下公園』で大桟橋に二隻の巨大豪華客船が停泊しているのを眺めた後、連載の取材に赴く。その後関内に出て『イセザキ・モール』脇道の「玩具文庫 活刻堂」(2009/10/12参照)を訪ねる。散々暗い色ばかりの古書とにらめっこした後、ベースボール・マガジン社「フライング・ディスクのすすめ/日本フライング・ディスク協会編」を300円で購入する。時刻は午後四時四十五分で、お店が閉まり始めたタイミングであった。そして本日は古本分母を増やすために午後一時前に家を出て、ヒタヒタ歩いて荻窪へ。珍しくお客さんが誰もいない「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照。後二日で開店五周年!)で、ロッキング・オン「ブルー・ノート・スケール/桑田圭祐」桃源社「暗黒星/黒岩涙香」角川ホラー文庫「マタンゴ 最後の逆襲/吉村達也」を計660円で購入する。続いてすぐさま吉祥寺に総武線で移動し、「よみた屋」(2014/08/29参照)店頭で直射日光に背中を炙られながら、鳳山社「東京迷走大図鑑/早川光」ポプラ社「音楽が好きだ!1 歌をつくろう! だれでもできる作詞・作曲/サエキけんぞう」を計220円で購入する。「歌をつくろう!」は1994年刊の、全6巻の児童用音楽啓蒙絵本である。3巻の「演奏しよう!」は近田春夫著。これは欲しいなぁ……。
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こんな楽しいシリーズ絵本が三十年前に出ていたとは、露ほども知らなかった。これは曲名&作詞に関わるページだが、例として挙げられているシングルCDが懐かしいですな。

というように少しは古本分母が増えたし、この暑さにもはやめげてしまったので、阿佐ヶ谷にトットと戻り、最後に「千章堂書店」(2009/12/28参照)で、白水社「暗いブティック通り/パトリック・モディアノ」を百円で購入して帰宅する。
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2025年07月27日

7/27俺の黒猫亭をスペシャルに。

昨日はおよそ二週間突っ走って来た『探偵作家・大阪圭吉展』の千秋楽!終わってしまうのは寂しいが、“始めあるものは必ず終わりあり”ということで、灼熱の街路から逃げるようにして「東京古書会館」(2010/03/10参照)に飛び込み、二階への階段を踏み鳴らしながら“盛林堂・イレギュラーズ・エクストラ”となる。そしてすでに受付にて仕事を始めていた「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏に挨拶し、席を温める間もなく、まだ会場に人がいないのを良いことに、地下ホールの『和洋会』二日目を覗きに行く。素早く一周し、桃源社「変てこな葬列/土屋隆夫」偕成社「南蛮魔術/野村胡堂」を計五百円で購入して二階会場に戻ると、うわっ!いつの間にか多くの観覧者が……さすが最終日!と驚き喜ぶ。ここから午後五時の閉館時間まで、ほぼ観覧者は途切れることなく、YOUCHAN製作のグッズは売れ続け(直筆ドローイングは追加も含めて完売!)、図録も初日&二日目に続く売れ行きとなり、そしてまたもや探偵小説作家の子孫も訪れ、過去の大阪圭吉という作家が現代に起こした影響に、改めて感心する。それにしても、あの二時間ほどかけて展示物ひとつひとつを熱心に観ながら、楽しく語り合うカップルはスゴかった……。お昼ご飯休憩時には、「田村書店」(2010/12/21参照)店頭ワゴンからマガジンハウス「CATS IN WADALAND/和田誠」INFAS BOOKS「エレガンス中毒/野宮真貴・篠崎真紀・湯山玲子」(野宮真貴献呈サイン入り)を計千円で購入。そして受付勤務中にずっと続けて来た『元本で「海底諜報局」を読もう!』であるが、観覧者のあまりの多さに結局読み切ることが出来ず(観覧者がいる時は読んではいけないという自主ルールのため)、午後五時を迎えていよいよ撤収作業開始!となった時に、小野氏とYOUCHANさんに『それは読み切らないとダメだぁ〜』と声を合わせて説諭されたので、お言葉に甘えて残り四ページを読み切らせてもらう。ちょっと海野十三チックだったけど、面白かった!というわけで、心置きなく撤収作業に邁進する。ガラスケースの鍵をすべて外し、キャプションを取り去り、雑誌を袋に詰め、書簡類を元の封筒に戻して行く。小野氏は原稿類の綴りを戻したり、届いた時の状態の復元作業に勤しみ、YOUCHANさんはグッズ売場の撤収や貴重な絵画の梱包作業に従事する。そしてそれらを最後に丁寧に箱詰めし、午後八時前に作業終了。…これですべてが終わった。大阪圭吉よ、ありがとう!と二週間分の感謝を込めて、ダンボール箱に美しく収まった展示物たちに挨拶する。その後は神保町のお魚料理屋さんに移動し、三人でささやかながら楽しい打ち上げに突入。大阪圭吉展を開いた意義や、その与えた影響や、反省点などについて熱く考察したり、横溝正史について熱心に語り合ったりする……とここで、思いついたことがある。現在私は、古本屋さんで三百円で購入した令和6年刊の角川文庫「100分で楽しむ名作小説 黒猫亭事件/横溝正史」を持ち歩いて読んでいる。「黒猫亭事件」と言えば、黒猫が表紙絵の旧角川文庫版は、角川文庫初版白背「八つ墓村」に続く高値となっている。常々欲しいと思っているが、なかなか手が出せないのが現状である。だが今目の前には、横溝正史が大好きのイラストレーターYOUCHANさん(マイフェイバリット・ヨコミゾは「病院坂の首縊りの家」とのこと)がいるではないか!このチャンスを存分に生かし、俺のこの黒猫亭をスペシャルな一冊にしてもらえばよいではないかっ!と思いついてしまったので、アルコールの勢いも借りて、厚かましくYOUCHANさんに扉に絵を所望する。しかも「黒猫を抱いた金田一でお願いします!」と注文付きで。YOUCHANさんは「えぇ〜〜っ」と身悶えしながらも、優しく俺の黒猫亭をスペシャルにしてくれたのであった。あぁっ、黒猫も可愛いが、金田一も可愛い!ありがとうございます!そして、こんな機会を与えてくれた大阪圭吉に、改めて感謝を!
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posted by tokusan at 05:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする